JP2005231557A - 補助電動機能付運搬車 - Google Patents

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Abstract

【目的】 複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードの設定内容選択時において、補助電動機能付運搬車本体に回動可能に軸支されたハンドルの回動に基づき、設定内容の選択変更を行う設定内容選択手段を有することにより、設定内容の選択を単純な操作で選択可能な補助電動機能付運搬車を提供する。
【構成】 複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードの設定内容選択時において、補助電動機能付配膳車1に回動可能に配設されたハンドル11の回動に基づいて、オン・オフされるハンドルスイッチ23により、補助電動機能付配膳車1において設定可能な設定項目に対応する設定内容を選択するように構成する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、補助電動機能に関する複数のスイッチを有する操作パネルと、車両本体に回動可能に支持されたハンドルを有する補助電動機能付運搬車において、複数の設定項目および、それに従属する設定内容を選択可能な補助電動機能付運搬車に関するものである。
従来、病院や特別養護老人ホーム等においては、多人数に食事を配膳するため、配膳車が大型化し、非常に重量のあるものとなっていた。これに伴い、現在では、このような大型の配膳車には、補助電動機能が付加されている。この補助電動機能は、モータを搭載して駆動輪と連結し、ハンドルを持って作業者の手により、配膳車を引き又は押し操作する際に機能する。具体的には、ハンドルの操作に伴い駆動輪をモータで駆動し、配膳車を自走させることにより、作業者の走行操作を助勢するものである。
特許文献1には、運搬車本体に配設された回動自在なハンドルの操作し、ハンドルの回動量に基いて、運搬車の走行速度を制御すると共に、運搬車本体とハンドルとの間に配設されたガススプリングにより、ハンドルを急に大きく回動することを抑制し、運搬車走行時の急激な速度変化を防止する技術が記載されている。
特開2001−301623号公報
特許文献1記載の運搬車は、ハンドルの回動量に基いて、走行速度の制御をおこなう。そして、ハンドルの回動量の増大に伴い、ガススプリングによる回動操作への抵抗力も増大し、急激な速度変化の発生を防止している。
しかし、特許文献1記載の運搬車は、既定の最高速度等の条件を変更することができなかった。現在、高齢化社会が進むにつれ、配膳作業を行う作業者も、老若男女の様々な人間が行うようになっている。このため、作業者夫々に使用感が異なり、人によっては、既定の条件では、配膳車の操作がしにくいという問題点が発生していた。作業者それぞれの使用感を充足させるために、最高速度等の設定が可能な補助電動機能付配膳車が待望されていた。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードの設定内容選択時において、補助電動機能付運搬車本体に回動可能に軸支されたハンドルの回動に基づき、設定内容の選択変更を行う設定内容選択手段を有することにより、設定内容の選択を単純な操作で選択可能となると共に、作業者が確実に所望の設定項目を選択することができる補助電動機能付運搬車を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る補助電動機能付運搬車は、補助電動機能に関する複数のスイッチを有する操作パネルと、複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードに切換えるモード切換手段と、車両本体に回動可能に支持されたハンドルを有する補助電動機能付運搬車において、前記設定モードにおける設定内容選択時に、前記ハンドルの回動に基づき、設定内容の選択変更を行う設定内容選択手段を有することを特徴とする。
また、請求項2に係る補助電動機能付運搬車では、前記請求項1記載の補助電動機能付運搬車において、前記操作パネルには、消灯、点灯及び点滅点灯が可能な点灯表示手段が配設され、前記点灯表示手段は、前記設定モード中の設定項目選択時と設定内容選択時には、消灯、点灯及び点滅点灯の組み合わせを変えることを特徴とする。
請求項1に係る補助電動機能付運搬車は、複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードにおける設定内容選択時に、車両本体に支持されたハンドルの回動に基づき、設定内容の選択変更を行う設定内容選択手段を有するので、単純な操作で設定モードにおける設定内容の選択を行うことができる。更に、前記ハンドルの回動という比較的力を要せず、大きな動作で設定内容の選択を行うことができるので、作業者が所望する設定内容を確実に選択することができる補助電動機能付運搬車を提供することができる。
また、前記請求項2記載の補助電動機能付運搬車は、前記操作パネルには、消灯、点灯及び点滅点灯が可能な点灯表示手段が配設され、前記点灯表示手段は、前記設定モード中の設定項目選択時と設定内容選択時には、消灯、点灯及び点滅点灯の組み合わせを変更するので、作業者は、前記設定モード中に点灯表示手段の点灯態様を視認することで、設定項目の選択を行っているのか、設定内容の選択を行っているのかを容易に判断することができる。これにより、作業者の設定モード中の誤操作を防止することができ、補助電動機能付運搬車の設定を、確実に所望の設定に変更することができる。
以下、本発明を補助電動機能付配膳車1に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図1は、補助電動機能付配膳車1の説明図である。図1は、補助電動機能付配膳車1の右側面図、以後、図1において、右側を補助電動機能付配膳車1の前方として説明する。図2は、補助電動機能付配膳車1前面の正面図である。
補助電動機能付配膳車1は、表裏両面が開口された矩形状の断熱箱体からなる配膳車本体2を備えている。配膳車本体2の内部には、不図示の断熱壁により、前後方向に3つの部屋に仕切られている。更に、各部屋は、断熱性の単位仕切壁を複数個縦に積み重ねて構成される仕切壁(図示せず)により前後2つに仕切られて、合計6室が形成されている。
この6つの部屋は、前方から順次、冷蔵室3a、2つの温蔵室4a、4b、2つの冷蔵室3b、3cおよび温蔵室4cとなされている。そして、隣り合う2つの温蔵室3と冷蔵室4とが対を成している。本実施形態においては、冷蔵室3aと温蔵室4a、温蔵室4bと冷蔵室3b及び、冷蔵室3cと温蔵室4cの組で構成される収納部5夫々に観音開き式の扉が配設されている。
配膳車本体2上部には、機械室5aが設けられ、図示しないが、温蔵室4を加熱する加熱装置や冷蔵室3を冷却する冷凍ユニットが収納されている。この加熱装置及び冷凍ユニットは、機械室5a内部と接続されている不図示のコンセントを介して供給される外部からの交流電源により稼動する。冷蔵室3、温蔵室4の温度制御についても、同様に外部からの交流電源によって行われる。補助電動機能付配膳車1が移動している状態では、外部交流電源からの電力供給がないため、冷蔵室3、温蔵室4の温度制御はおこなわれない。
不図示の単位仕切壁には、夫々に、冷蔵室3、温蔵室3に向かって伸びるアームが配設されている。温食と冷食とを区分けして載置されたトレイが、隣り合う単位仕切壁の間に挟まれると共に、アームによって支持されている。これにより、1つのトレイに載置された温食は温蔵室4に、冷食は冷蔵室3に夫々収容され、温蔵または冷蔵されることになる。
配膳車本体2の底面には、前後両端部に左右一対の車輪が配設されている。補助電動機能付配膳車1の前方(図1左側)に配設された車輪は自在輪6であり、後方(図1右側)に配設された車輪が駆動輪7である。駆動輪7近傍には、駆動輪7を正逆両方向に駆動可能な駆動モータ8が配設されている。駆動モータ8については、後に詳細に説明する。
配膳車本体2の前面には、制御ボックス9が形成されており、制御ボックス9の内部には、駆動モータ8の制御をおこなう制御機構や、補助電動機能付配膳車1の駆動系の動力源であるバッテリ10が収納されている。そして、制御ボックス9には、ハンドル11がハンドル軸12を中心として回動可能に支持されており、常には、上方に直立した中立姿勢をとるように付勢されている。そして、ハンドル11中央部には、ハンドブレーキ11aが取り付けられており、ハンドブレーキ11aを握ることにより、駆動輪7を制動し、補助電動機能付配膳車1の減速及び停止を行う。
補助電動機能付配膳車1は、作業者がハンドル11を前方(図1矢印A方向)に回動させて引くことにより前進し、ハンドル11を後方(図1矢印B方向)に回動して押すことにより、後退するようになっている。
制御ボックス9上部表面には、補助電動機能付配膳車1の駆動系制御に関する操作を行う操作パネル13が配設されている。ここで、操作パネル13について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図3は、補助電動機能付配膳車1の操作パネル13の拡大説明図である。
操作パネル13には、キースイッチ14、手動走行ボタン15、障害物センサ切換スイッチ16及び非常停止スイッチ17と、バッテリ表示ランプ18、電源ランプ14a、障害物検知ランプ16aが配設されている。ここで、各種スイッチ及びランプについて説明する。まず、キースイッチ14は、不図示のキーを差し込み回転させることによって、補助電動機能付配膳車1の駆動電源であるバッテリ10のオン・オフを切り換えるスイッチである。そして、電源ランプ14aは、キースイッチ14のオン・オフと連動して点灯するランプであり、キースイッチ14がオンの場合に点灯し、キースイッチがオフの場合には消灯する。これにより、電源ランプ14aの点灯態様によって、補助電動機能付配膳車1における駆動のオン・オフ状態を操作者に報知するものである。
障害物センサ切換スイッチ16は、不図示の障害物センサの有効、無効を切り換えるスイッチである。障害物センサが有効な場合には、一定範囲内(本実施形態においては、約70cm〜80cm)において障害物の存在や、補助機能付配膳車1の障害物との接触を検知すると、駆動モータ8を停止し、駆動輪7にロックをかけることにより、補助電動機能付配膳車1を停止させる。障害物センサが無効の場合には、一定範囲内に障害物が存在する場合でも通常走行を行う。
補助電動機能付配膳車1を壁に寄せる際に、障害物センサが有効な状態であったならば、補助電動機能付配膳車1は、障害物を検知して停止してしまう。このため、通路で壁に寄せることができず、通行者の邪魔にならずに配膳することができない。このような問題点を解消するために、障害物センサを無効に切り換える必要があり、操作パネル13に障害物センサ切換スイッチ16が配設されている。
障害物検知ランプ16aは、障害物センサにより障害物が検知された場合に点灯し、作業者に障害物があることを報知するランプである。
非常停止スイッチ17は、作業者の操作により、駆動モータ8の停止と、駆動輪7のロックを行い、補助電動機能付配膳車1の急停止を行うボタンである。非常停止ボタン17を入力すると、補助電動機能付配膳車1は急停止し、バッテリ10からの電源供給を停止状態にする。そして、非常停止スイッチ17の入力が解除されない限り、キースイッチ14のオン・オフ操作を無効とする。
手動走行ボタン15は、補助電動機能付配膳車1の補助電動機能の有効、無効を押下に伴い順次切り換えるボタンである。キースイッチ14による電源投入後の初期状態においては、手動走行ボタン15は、オフ状態に設定されている。手動走行ボタン15がオンになっている場合には、補助電動機能をオフし、作業者の力のみで補助電動機能付配膳車1を移動させることとなる。一方、手動走行ボタン15をオフした補助電動機能が有効な状態である場合には、ハンドル11の回動操作に伴い、駆動モータ8が駆動し、作業者の押し操作、引き操作に関する補助がなされる。
バッテリ表示ランプ18は、補助電動機能付配膳車1の駆動系電源であるバッテリ10の残量を作業者に報知するものである。本実施形態に係るバッテリ表示ランプ18は、操作パネル13に横一列に並んだ5つのLED18a、18b、18c、18d及び18eで構成され、その点灯態様によってバッテリ残量を報知するものである。具体的には、5つのLEDが全て点灯しているときには、バッテリ残量100%、所謂、フル充電状態であり、右側から左側へ、LEDが1つずつ消灯していくことにより、バッテリ残量80%、60%、40%、20%と表示していく。
次に、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1において、駆動モータ8の正逆両方向への回転を制御するハンドル11の機構について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1のハンドル11の操作を示す側面図である。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1のハンドル11は、制御ボックス9を貫通し、ハンドル軸12を中心として回動可能に支持されている。ハンドル軸12の奥側には、大径部20aと小径部20bが略半分の領域に分けられた周面カム20が、ピン21−スロット22結合を介して、ハンドル軸12とは逆方向に回動可能に設けられている。周面カム20の上下両側には、一対のハンドルスイッチ23が対称に配設されている。
ハンドル11が中立位置にある場合には、図4(a)に示すように、両ハンドルスイッチ23のアクチュエータ24の先端は、周面カム20の大径部20aと小径部20bの境界に形成された段差部20cに位置し、ハンドルスイッチ23はオフ状態となる。
そして、図4(b)のように、ハンドル11を中立位置から前方に回動させると、周面カム20は、図4(b)における時計回り方向に回動し、上側のハンドルスイッチ23のアクチュエータ24端部が、大径部20aに接し、上側ハンドルスイッチ23がオンとなる。一方、図4(c)のように、ハンドル11を中立位置から後方に回動させると、周面カム20は、反時計回りに回動し、下側のハンドルスイッチ23のアクチュエータ24端部が大径部20aに接し、下側ハンドルスイッチ23がオンとなる。
カム軸25の回りには可変抵抗器26が配設され、ハンドル11の回動に伴い可変抵抗器26からの出力電圧を変化させている。ハンドル11を中立位置から前方に回動させた場合には、可変抵抗器26からの出力電圧が基準値より高くなり、これにより、ハンドル11が前方に回動されたことを検知され、上側ハンドルスイッチ23のオンを条件として、基準値との差の絶対値に応じた電圧が、駆動モータ8に付与される。付与された電圧に応じて、駆動モータ8の回転速度は制御され、補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11の前方回動量に応じた速度で前進する。
一方、ハンドル11を後方に回動させた場合には、可変抵抗器26からの出力電圧は基準値よりも低くなる。出力電圧が基準値より低下したことで、ハンドル11が後方に回動されたことを検知し、下側ハンドルスイッチ23のオンを条件に、基準値と出力電圧の差の絶対値に応じた電圧が、駆動モータ8に付与される。付与された電圧に応じて、駆動モータ8の回転速度は制御され、補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11の後方回動量に応じた速度で後進する。
ここで、本実施形態における補助電動機能付配膳車1の駆動に係る制御について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図5は、補助電動機能付配膳車1の駆動系制御に係るブロック図である。
図5に示すように、補助電動機能付配膳車1の駆動系制御は、コントロールユニット27に対し、バッテリ10、操作パネル13、ハンドルスイッチ23、モータ駆動回路28及びLED点灯回路29が接続されている。
先ず、コントロールユニット27について説明する。コントロールユニット27は、CPU29、RAM30及びROM31により構成されている。CPU29は、補助電動機能付配膳車1の駆動に関する制御の中枢部分である。後述するPWM制御や設定変更プログラムを実行するものである。そして、RAM30には、設定変更プログラムによって変更された現在の設定状態がバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータが読み出されることにより、補助電動機能付配膳車1の駆動系に係る設定に対して、変更された設定内容が常に反映されるのである。また、ROM31には、設定変更プログラムや設定変更に係る設定項目及び設定項目に対応する設定内容が格納されている。
ここで、操作パネル13に接続されているキースイッチ14、手動走行ボタン15は、図3を参照しながら、既に説明しているので、ここでの説明は省略する。さらに、バッテリ10、ハンドルスイッチ23についても、既に説明しているので、説明を省略する。
そして、モータ駆動回路28は、駆動モータ8を制御するためのものである。これにより、補助電動機能付配膳車1に設定内容が反映されるのである。また、LED点灯回路29は、操作パネル13に配設されているバッテリ表示ランプ18を構成する5つのLEDの点灯態様を制御する回路である。コントロールユニット27とLED点灯回路29により、本実施形態においては、作業者にバッテリの残量を報知したり、設定モードにおいては、設定項目を選択しているのか、設定内容を選択しているのかを作業者に報知すると共に、作業者に現在選択している選択肢を報知したりするのである。
また、補助電動機能付配膳車1の駆動電源であるバッテリ10から供給された電力は、先ずコントロールユニット27に供給され、コントロールユニット27を介して、モータ駆動回路28、LED点灯回路29に供給される。そして、コントロールユニット27と接続されたモータ駆動回路28は、CPU30からの指令に基づいて駆動モータ8を動作させ、駆動輪7により補助電動機能付配膳車の移動を担う。モータ駆動回路28には、補助電動機能付配膳車1の現在速度を検知するエンコーダ28aが配設されている。また、LED点灯回路29も同様にコントロールユニット27に接続され、CPU30の指令に基づいてバッテリ表示ランプ18の点灯態様の変更を実行する。
本実施形態における補助電動機能付配膳車1の速度制御に関して、図を参照して詳細に説明する。図6は、本実施形態における補助電動機能付配膳車の速度制御に関する説明図である。本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、図6に記載されている式により、加速、減速の速度調整が行われている。
まず、加速時の速度調整について説明する。加速時の速度調整は図6(a)の式に基づいて行われる。はじめに、設定プログラムによって設定されている押し操作最高速度又は、引き操作最高速度及び加速係数を読み出す。読み出された最高速度は、ハンドル11を完全に回動させた場合の回動量に対する現在のハンドル11の回動量の比をかけることにより、CPU30にて目標速度に変換される(図6(c)参照)。このようにして得られる現在速度、目標速度、加速係数を用いて、図6(a)の式により速度の制御がなされる。
本実施形態にかかる補助電動機能付配膳車1の駆動モータは、PWM(Pulse Width Modulation)制御がなされている。これは、駆動モータ8に供給する電圧のオン時間とオフ時間の比率を変え、駆動モータ8からの出力電圧を制御する制御方式である。本実施形態では、速度が前述の目標速度になるように、電圧のオン・オフ時間を調整している。エンコーダ28aで検知された現在速度が目標速度に達していない場合には、オン時間を長くするように制御されている。常時、現在速度と目標速度のとの差を計算し、駆動モータ8の制御をおこなうことにより、本実施形態における補助電装機能付配膳車1の押し操作及び引き操作の最高速度と加速感が制御されている。
次に、減速時の速度制御について説明する。本実施形態における減速時の速度制御は、図6(b)の式により行われている。図6(b)の式にて用いられる現在速度、目標速度の算出は、加速制御時と同様であるので、再度の説明は省略する。また、加速係数と同様に、減速係数も設定プログラムにより設定されており、減速係数は、RAM31より読み出され減速制御に用いられる。駆動モータ8は、加速制御と同様にPWM制御がなされているので、現在速度が目標速度を上回っている場合には、オン時間を短くするように制御されている。
尚、本実施形態においては、ハンドル11にハンドブレーキ11aが配設されている。ハンドブレーキ11aが握られた場合には、目標速度を0km/hに設定し、駆動モータ8を減速制御すると共に、不図示のドラムブレーキにより機械的に減速制御する。
本実施形態においては、後述する設定プログラムにより、押し操作最高速度、引き操作最高速度、パワーオフ時間、加速係数、減速係数についての設定が可能である。
ここで、これらの設定項目について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の設定項目及び設定内容に関する説明図である。
まず、本実施形態における押し操作最高速度、引き操作最高速度に関して詳細に説明する。本実施形態における補助電動機能付配膳車1では、速度A、速度B、速度C、速度D及び速度Eの5種類の引き操作最高速度の設定値を選択可能である。このとき、速度Aが、引き操作最高速度における最小の設定値であり、速度B、速度Cの順に順次大きな設定値となっている。つまり、引き操作最高速度の最大値は、速度Eである。
また、押し操作最高速度においても、速度a、速度b、速度c、速度d及び速度eの5つの設定値から選択することができる。引き操作最高速度の設定値同様、速度a、速度b、速度c、速度d、速度eの順に順次大きな設定値で設定されており、速度eで設定した際に、もっとも速い速度で押し操作による走行補助がなされる。
ここで、押し操作及び引き操作の最高速度について説明する。本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、設定された最高速度とハンドル11の回動量に応じて目標速度を算出し、その目標速度で走行する制御がなされている。つまり、ハンドル11を限界まで回動させることにより、補助電動機能付配膳車1は、現在設定されている最高速度で電動走行する。
補助電動機能付配膳車1の押し操作最高速度、引き操作最高速度を、それぞれ5つの設定値より選択可能としたことにより、使用条件に対応した走行が可能となる。具体的には、補助電動機能付配膳車1が通行する通路が狭い場合には、押し操作最高速度及び引き操作最高速度を低く設定することにより、安全な配膳を行うことができる。また、作業者が高齢な場合には、作業者の歩行速度に合わせ、押し操作最高速度及び引き操作最高速度を低速に設定することで、作業者に負担をかけることがなく、作業者に最も適した状態で配膳作業を行うことができる。
逆に、作業者が若い場合には、必然的に作業者の歩行速度も速いため、従来の設定速度では遅く感じてしまうことがあった。本実施形態のように、押し操作最高速度及び引き操作最高速度を変更可能とすることにより、補助電動機能付配膳車1の最高速度にあわせて作業し、作業効率が低下することはない。
次に、本実施形態におけるパワーオフ時間について説明する。本実施形態におけるパワーオフ時間とは、補助電動機能付配膳車1の静止状態が所定時間継続した場合に、自動的にバッテリ10からの駆動系への電力供給を遮断するオートパワーオフ機能に関するものであり、オートパワーオフがなされるまでの時間を設定するものである。本実施形態にかかるパワーオフ時間は、時間A、時間B、時間C、時間D及び時間Eの5種類のパワーオフ時間から選択することが可能である。例えば、パワーオフ時間が、1時間と設定されている場合には、静止状態が1時間継続した場合には、自動的にバッテリ10からの電源供給を遮断する。本実施形態における設定値は、時間Aが、パワーオフ時間の設定値における最小値であり、時間B、時間Cの順に、順次、待機状態を長時間継続する設定になっている。
5種類のパワーオフ時間から選択設定可能とすることにより、補助電動機能付配膳車1の使用環境に対応した最適なパワーオフ時間が設定可能となり、補助電動機能付配膳車1をより経済的に使用することが可能となる。
そして、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1においては、加速係数についての設定を、5つの設定値から選択設定することができる。本実施形態における加速係数は、図6(a)にあるように、加速係数が大きいほど、ゆったりとした加速をし、加速係数が小さいほど、急加速を行うものである。本実施形態における加速係数の設定値は、加速係数A、加速係数B、加速係数C、加速係数D及び加速係数Eの5つである。本実施形態における加速係数の設定値は、加速係数Aがもっとも大きく、加速係数Eまで、順次設定値は小さくなっている。しかし、加速係数は、前述した図6(a)の式に示したように用いられるため、加速係数Aで設定した場合が最もゆったりとした加速感を作業者に与え、加速係数Eで設定した場合には、力強い加速感を与える。このように、加速係数を5つの設定値より選択可能としたことにより、補助電動機能付配膳車1は、多様な使用条件に対応し、最適な加速係数で配膳することが可能になるのである。
例えば、補助電動機能付配膳車1に収納されるメニューに汁物が多い場合には、加速係数を大きく設定すればよい。この結果、従来の加速係数による運転時のように、汁物がこぼれてしまうことがなくなる。逆に、食器トレイの回収時には、冷蔵室3及び温蔵室4内部に空の食器が収納されているだけであるから、加速係数を小さく設定してもよい。この場合には、汁物がこぼれるという心配をする必要はなく、食器の回収作業の作業効率をあげることができる。
ここで、本実施形態における加速係数は、図6(a)式より、加速係数が大きいほど、ゆっくりと加速し、加速係数が小さいほど、急加速をするようになっている。本実施形態にかかる加速係数の設定変更は、図6(a)に代入する加速係数の値を変更することである。この補助電動機能付配膳車1の速度制御をつかさどる図6(a)式の加速係数部分に代入する値を変更することにより、作業者が補助電動機能付配膳車1を操作した際の加速感が変わるのである。
更に、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1においては、減速係数についての設定を、5つの設定値から選択設定することができる。本実施形態における減速係数の設定値は、減速係数A、減速係数B、減速係数C、減速係数D及び減速係数Eの5つの設定値である。本実施形態における減速係数の設定値は、加速係数の設定値と同様に、減速係数Aが最も小さな数値であり、減速係数B、減速係数Cの順に順次設定値は増大している。減速係数Eが最も大きな数値である。このように、減速係数を5つの設定値より選択可能としたことにより、補助電動機能付配膳車1は、多様な使用条件に対応し、最適な減速係数で減速して配膳することが可能になるのである。減速係数は、図6(b)の式で用いられ、図6(b)の式に基いて、補助電動機能付配膳車1の速度制御がなされるため、もっとも大きな設定値である減速係数Aで設定した場合には、ゆっくりとした減速感を作業者に与える。そして、もっとも小さな設定値である減速係数Eで設定した場合には、急停止したような減速感を作業者に与える。
例えば、補助電動機能付配膳車1に収納されるメニューに汁物が多い場合には、減速係数を大きく設定すればよい。この結果、配膳先に到着した際に、急に停止してしまい、汁物がこぼれてしまうことがなくなる。逆に、食器トレイの回収し、食器洗浄室等に到着した際には、冷蔵室3及び温蔵室4内部に空の食器が収納されているだけであるから、減速係数を小さく設定し、補助電動機能付配膳車1を急停止させてもよい。これにより、食器の回収作業の作業効率をあげることができる。
本実施形態における減速係数は、図6(b)式より、減速係数が大きいほど、ゆっくりと減速し、減速係数が小さいほど、急停止をするようになっている。本実施形態にかかる減速係数の設定変更は、図6(b)に代入する減速係数の値を変更することである。この補助電動機能付配膳車1の減速制御をつかさどる図6(b)式の減速係数部分に代入する値を変更することにより、作業者が補助電動機能付配膳車1を操作した際の減速感が変わるのである。
ここで、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1における各種項目の設定について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図8は、本実施形態に係る設定プログラムのフローチャートである。
先ず、キースイッチ14がオンされ、駆動系電源が投入されると、ステップ(以下Sと略す)1で初期化処理が行われる。初期化処理では、手動走行ボタン15の設定状態の初期化やメモリのクリア等の初期化処理が行われる。初期化処理(S1)終了後には、S2に移行する。
S2では、バックアップデータがあるか否かについての判断がなされる。バックアップデータとは、項目毎に変更した設定値のことであり、この設定値は、設定プログラムの終了直前にRAM31に格納される(S27)。バックアップデータがRAM31に格納されている場合(S2:YES)には、S3に移行し、RAM31よりバックアップデータを読み出す。これにより、以前に変更した各項目の設定値が、現在の設定値に反映される。RAM31にバックアップデータが格納されていない場合(S2:NO)及び、バックアップデータの読み出し(S3)終了後には、S4に移行する。
S4においては、操作部に配設されている手動走行ボタン15が押下され、且つハンドル11の回動に伴ってオン・オフされるハンドルスイッチ23がオンされているか否かについての判断がなされる。本実施形態においては、手動走行ボタン15が押下されると共に、ハンドルスイッチ23がオンされるという特殊操作を行うことにより、押し操作最高速度、引き操作最高速度、パワーオフ時間、加速係数、減速係数の各設定項目について、設定変更可能な設定モードに入る。つまり、S4では、設定モードに入るか否かの判断がなされている。
手動走行ボタン15が押下され、ハンドルスイッチ23もオンされている場合には、S6に移行し、設定モードに入る。特殊操作が行われなかった場合には、通常走行モード(S5)に移行する。通常走行モードは、従来の補助電動機能付配膳車と同様に、設定値に基づいて、最高速度等の制御と共にモータを駆動し、補助電動機能付配膳車1を走行させるモードである。補助電動機能付配膳車の通常走行については、公知であるので、ここでの説明は省略する。
手動走行ボタン15が押下されるとともに、ハンドルスイッチ23もオンされる特殊操作が行われ、設定モードに入ると、先ず、S6において、手動走行ボタン15が押下されたか否かについての判断がなされる。設定モードにおける手動走行ボタン15の押下によって、引き操作最高速度、押し操作最高速度等の各設定項目が選択される。
ここで、S6の時点、即ち、設定モードに入ると、先ず、引き操作最高速度が設定可能な状態となっている。このとき、バッテリ表示ランプ18のLED18aのみが点灯し、その他のLED18b、18c、18d及び18eは消灯状態である。そして、この状態で手動走行ボタン15を押下する(S6:YES)と、引き操作最高速度が設定可能な状態から、押し操作最高速度が設定可能な状態(S7)に移行する。手動走行ボタン15を押下しなかった場合(S6:NO)には、S8に移行する。
S8においては、表示変更処理がなされる。ここでの表示変更処理では、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かの判断(S9)に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯表示態様の変更がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S9:YES)には、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を、設定項目を選択可能な状態を示す点灯状態と、設定内容を選択可能な状態を示す点滅点灯状態に変更する。
尚、ハンドルスイッチ23がオンされた場合において、設定内容を選択可能な状態ならば、設定内容選択可能状態を維持し、点滅点灯中のLEDを消灯し、右隣のLEDを点滅点灯させる。具体的には、右端に配設されているLED18eが点滅点灯している場合には、LED18eを消灯し、左端に配設されているLED18aを点滅点灯させる。表示変更処理(S8)後、S9に移行する。
S9においては、ハンドル11が回動操作され、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S9:YES)には、引き操作最高速度の設定値を別の設定値に変更する(S10)。具体的には、現在、速度Cが選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、速度Dが選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S9:NO)には、S6に戻る。
S6において、手動走行ボタン15が押下され(S6:YES)、引き操作最高速度の選択可能状態から、押し操作最高速度を選択可能な状態に移行した場合(S7)には、手動走行ボタン15がオンされたか否かについての判断がなされる。S7における手動走行ボタン15の押下の有無を判断することにより、押し操作最高速度の設定を実行するのか、パワーオフ時間の設定に移行するのかを選択することとなる。手動走行ボタン15が押下された場合(S7:YES)には、パワーオフ時間の設定変更が可能な状態(S11)に移行する。手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S7:NO)には、押し操作最高速度の設定変更を行う状態となり、S12へ移行する。
S12では、押し操作最高速度に関する表示変更処理が行われる。この表示変更処理は、S8における表示変更処理と類似している。S12における表示変更処理は、S7における手動走行ボタン15の入力に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を現在設定可能な設定項目「押し操作最高速度」を示す点灯態様に変更する。つまり、LED18bが点灯し、その他のLEDは消灯している状態に変更する。
また、押し操作最高速度に対応した設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S13:YES)には、S14で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、押し操作最高速度が、速度bから速度cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S13において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S13に移行する。
S13においては、ハンドル11の回動操作に基づき、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S13:YES)には、押し操作最高速度の設定値を別の設定値に変更する(S14)。具体的には、現在、速度bが選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、速度cが選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S9:NO)には、S7に戻る。
S7にて、手動走行ボタン15が押下され(S7:YES)、押し操作最高速度の選択可能状態から、パワーオフ時間を選択可能な状態に移行した場合(S11)には、手動走行ボタン15がオンされたか否かについての判断がなされる。S11における手動走行ボタン15の押下の有無を判断することにより、パワーオフ時間の設定を実行するのか、加速係数の設定に移行するのかを選択することとなる。手動走行ボタン15が押下された場合(S11:YES)には、加速係数の設定変更が可能な状態(S15)に移行する。手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S11:NO)には、パワーオフ時間の設定変更を行う状態となり、S16へ移行する。
S16では、パワーオフ時間に関する表示変更処理が行われる。S16における表示変更処理は、S11における手動走行ボタン15の入力に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を現在設定可能な設定項目「パワーオフ時間」を示す点灯態様に変更する。つまり、LED18cが点灯し、その他のLEDは消灯している状態に変更する。
また、パワーオフ時間に対応する設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S17:YES)には、S18で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、パワーオフ時間が、時間Bから時間Cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S17において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S17に移行する。
S17においては、ハンドル11の回動操作に基づき、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S17:YES)には、パワーオフ時間の設定値を別の設定値に変更する(S18)。具体的には、現在、時間Bが選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、時間Cが選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S17:NO)には、S11に戻る。
S11にて、手動走行ボタン15が押下され(S11:YES)、パワーオフ時間の選択可能状態から、加速係数を選択可能な状態に移行した場合(S15)には、手動走行ボタン15がオンされたか否かについての判断がなされる。S15における手動走行ボタン15の押下の有無を判断することにより、加速係数の設定を実行するのか、減速係数の設定に移行するのかを選択することとなる。手動走行ボタン15が押下された場合(S15:YES)には、減速係数の設定変更が可能な状態(S19)に移行する。手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S15:NO)には、加速係数の設定変更を行う状態となり、S20へ移行する。
S20では、加速係数に関する表示変更処理が行われる。S20における表示変更処理は、S15における手動走行ボタン15の入力に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を現在設定可能な設定項目「加速係数」を示す点灯態様に変更する。つまり、LED18dが点灯し、その他のLEDは消灯している状態に変更する。
また、加速係数に対応する設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S21:YES)には、S22で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、加速係数Bから加速係数Cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S21において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S21に移行する。
S21においては、ハンドル11の回動操作に基づき、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S21:YES)には、加速係数の設定値を、現在の設定値から別の設定値に変更する(S22)。具体的には、現在、加速係数Bが選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、加速係数Cが選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S21:NO)には、S15に戻る。
S15にて、手動走行ボタン15が押下され(S15:YES)、加速係数の選択可能状態から、減速係数を選択可能な状態に移行した場合(S19)には、手動走行ボタン15がオンされたか否かについての判断がなされる。S19における手動走行ボタン15の押下の有無を判断することにより、減速係数の設定を実行するのか、S23に移行するのかを選択することとなる。手動走行ボタン15が押下された場合(S19:YES)には、S23に移行する。手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S19:NO)には、減速係数の設定変更を行う状態となり、S24へ移行する。
S24では、加速係数に関する表示変更処理が行われる。S24における表示変更処理は、S19における手動走行ボタン15の入力に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を現在設定可能な設定項目「減速係数」を示す点灯態様に変更する。つまり、LED18eが点灯し、その他のLEDは消灯している状態に変更する。
また、減速係数に対応する設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S25:YES)には、S26で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、減速係数が、減速係数Bから減速係数Cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S25において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S25に移行する。
S25においては、ハンドル11の回動操作に基づき、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S25:YES)には、減速係数の設定値を、現在の設定値から別の設定値に変更する(S26)。具体的には、現在、減速係数Bが選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、減速係数Cが選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S25:NO)には、S19に戻る。
そして、S19で、手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S19:NO)には、S23で、キースイッチ14がオフ操作されたか否かについての判断がなされる。ここで、キースイッチ14のオフ操作がなされなかった場合(S23:NO)には、S6に移行し、再度、設定項目及び、設定内容の変更を実行することが可能となる。キースイッチ14のオフ操作を実行した場合(S23:YES)には、S27に移行し、本実施形態における設定プログラムの終了処理に移行する。
S27では、本実施形態における設定プログラムにおいて、変更された設定値をRAM31に格納する。ここで、RAM31に格納された設定値のデータは、バックアップデータとなり、次回、キースイッチ14をオンし、補助電動機能付配膳車1を起動した際に、S2にてRAM31から読み出される。これにより、設定プログラムによって変更された設定値が、補助電動機能付配膳車1の各設定項目それぞれに反映され、補助電動機能付配膳車1の多様な使用条件に適応させることが可能となる。
以上詳細に説明したとおり、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードにおける設定内容選択可能状態にて、ハンドル11を回動させることにより、設定内容を選択することができる。補助電動機能付配膳車1を電動走行させる際に頻繁に行われるハンドル11を回動させるという単純な動作をすることにより、作業者は、確実に所望の設定内容を選択することができる。そして、ハンドル11は円滑に回動し、ハンドル11の回動操作が比較的大きな動作であるため、手先が不器用な作業者であっても、誤操作をすることなく所望の設定内容を選択することができる。
また、設定モードにおいて、設定項目を選択可能な状態と、設定内容を選択可能な状態で、バッテリ表示ランプ18に配設されたLED18a、18b、18c、18d及び18eの点灯状態を変更した。バッテリ表示ランプ18の点灯態様を視認することにより、作業者は、設定モードにおいて、現在、設定項目の選択をしているのか、設定内容の選択をしているのかが容易に判断でき、設定モードにおける誤操作を防止することができる。
そして、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、設定モードにおいて、「押し操作最高速度」、「引き操作最高速度」、時間「パワーオフ」、「加速係数」及び「減速係数」の5つの設定項目を選択し、選択した設定項目に対応する5つの設定内容から選択設定することができる。これにより、補助電動機能付配膳車1の通路幅等の使用環境や、作業者の年齢、性別等の条件にも適宜対応することが可能となる。作業者にとって、最適な補助電動機能付配膳車1とすることにより、作業者の作業効率をあげることができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、設定項目の選択が可能な状態では、バッテリ表示ランプ18を点灯‐消灯の組合せで表現し、設定内容の選択が可能な状態においては、バッテリ表示ランプ18を点滅点灯‐消灯の組合せで表現していたが、これらの表現に限定するものではない。
さらに、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11等を前面にのみ配設していたが、前面及び後面の両面に、ハンドル11を配設した態様でもよい。この場合、後進時に、配膳車本体2により障害物等を視認しにくいということがなくなり、安全に配膳することができる。さらに、設定モードにおいて、後面のハンドルで操作した際の押し操作最高速度、引き操作最高速度に関する設定を行っても良い。これにより、より使用条件に対応し、且つ安全な補助電動機能付配膳車1を提供することができる。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の説明図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の右側面図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の操作パネルの拡大説明図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車のハンドルの操作を示す側面図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の駆動系制御に係るブロック図である。 本実施形態に係る速度制御に関する説明図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の設定項目及び設定内容に関する説明図である。 本実施形態に係る設定プログラムのフローチャートである。
符号の説明
1 補助電動機能付配膳車
7 駆動輪
8 駆動モータ
9 制御ボックス
10 バッテリ
11 ハンドル
13 操作パネル
15 手動走行ボタン
18 バッテリ表示ランプ
23 ハンドルスイッチ
31 RAM

Claims (2)

  1. 補助電動機能に関する複数のスイッチを有する操作パネルと、
    複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードに切換えるモード切換手段と、
    車両本体に回動可能に支持されたハンドルを有する補助電動機能付運搬車において、
    前記設定モードにおける設定内容選択時に、前記ハンドルの回動に基づき、設定内容の選択変更を行う設定内容選択手段を有することを特徴とする補助電動機能付運搬車。
  2. 前記請求項1記載の補助電動機能付運搬車において、
    前記操作パネルには、消灯、点灯及び点滅点灯が可能な点灯表示手段が配設され、
    前記点灯表示手段は、前記設定モード中の設定項目選択時と設定内容選択時には、消灯、点灯及び点滅点灯の組み合わせを変えることを特徴とする補助電動機能付運搬車。
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