JP2005231557A - 補助電動機能付運搬車 - Google Patents
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Abstract
【構成】 複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードの設定内容選択時において、補助電動機能付配膳車1に回動可能に配設されたハンドル11の回動に基づいて、オン・オフされるハンドルスイッチ23により、補助電動機能付配膳車1において設定可能な設定項目に対応する設定内容を選択するように構成する。
【選択図】 図8
Description
しかし、特許文献1記載の運搬車は、既定の最高速度等の条件を変更することができなかった。現在、高齢化社会が進むにつれ、配膳作業を行う作業者も、老若男女の様々な人間が行うようになっている。このため、作業者夫々に使用感が異なり、人によっては、既定の条件では、配膳車の操作がしにくいという問題点が発生していた。作業者それぞれの使用感を充足させるために、最高速度等の設定が可能な補助電動機能付配膳車が待望されていた。
まず、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図1は、補助電動機能付配膳車1の説明図である。図1は、補助電動機能付配膳車1の右側面図、以後、図1において、右側を補助電動機能付配膳車1の前方として説明する。図2は、補助電動機能付配膳車1前面の正面図である。
この6つの部屋は、前方から順次、冷蔵室3a、2つの温蔵室4a、4b、2つの冷蔵室3b、3cおよび温蔵室4cとなされている。そして、隣り合う2つの温蔵室3と冷蔵室4とが対を成している。本実施形態においては、冷蔵室3aと温蔵室4a、温蔵室4bと冷蔵室3b及び、冷蔵室3cと温蔵室4cの組で構成される収納部5夫々に観音開き式の扉が配設されている。
不図示の単位仕切壁には、夫々に、冷蔵室3、温蔵室3に向かって伸びるアームが配設されている。温食と冷食とを区分けして載置されたトレイが、隣り合う単位仕切壁の間に挟まれると共に、アームによって支持されている。これにより、1つのトレイに載置された温食は温蔵室4に、冷食は冷蔵室3に夫々収容され、温蔵または冷蔵されることになる。
配膳車本体2の底面には、前後両端部に左右一対の車輪が配設されている。補助電動機能付配膳車1の前方(図1左側)に配設された車輪は自在輪6であり、後方(図1右側)に配設された車輪が駆動輪7である。駆動輪7近傍には、駆動輪7を正逆両方向に駆動可能な駆動モータ8が配設されている。駆動モータ8については、後に詳細に説明する。
補助電動機能付配膳車1は、作業者がハンドル11を前方(図1矢印A方向)に回動させて引くことにより前進し、ハンドル11を後方(図1矢印B方向)に回動して押すことにより、後退するようになっている。
操作パネル13には、キースイッチ14、手動走行ボタン15、障害物センサ切換スイッチ16及び非常停止スイッチ17と、バッテリ表示ランプ18、電源ランプ14a、障害物検知ランプ16aが配設されている。ここで、各種スイッチ及びランプについて説明する。まず、キースイッチ14は、不図示のキーを差し込み回転させることによって、補助電動機能付配膳車1の駆動電源であるバッテリ10のオン・オフを切り換えるスイッチである。そして、電源ランプ14aは、キースイッチ14のオン・オフと連動して点灯するランプであり、キースイッチ14がオンの場合に点灯し、キースイッチがオフの場合には消灯する。これにより、電源ランプ14aの点灯態様によって、補助電動機能付配膳車1における駆動のオン・オフ状態を操作者に報知するものである。
補助電動機能付配膳車1を壁に寄せる際に、障害物センサが有効な状態であったならば、補助電動機能付配膳車1は、障害物を検知して停止してしまう。このため、通路で壁に寄せることができず、通行者の邪魔にならずに配膳することができない。このような問題点を解消するために、障害物センサを無効に切り換える必要があり、操作パネル13に障害物センサ切換スイッチ16が配設されている。
障害物検知ランプ16aは、障害物センサにより障害物が検知された場合に点灯し、作業者に障害物があることを報知するランプである。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1のハンドル11は、制御ボックス9を貫通し、ハンドル軸12を中心として回動可能に支持されている。ハンドル軸12の奥側には、大径部20aと小径部20bが略半分の領域に分けられた周面カム20が、ピン21−スロット22結合を介して、ハンドル軸12とは逆方向に回動可能に設けられている。周面カム20の上下両側には、一対のハンドルスイッチ23が対称に配設されている。
そして、図4(b)のように、ハンドル11を中立位置から前方に回動させると、周面カム20は、図4(b)における時計回り方向に回動し、上側のハンドルスイッチ23のアクチュエータ24端部が、大径部20aに接し、上側ハンドルスイッチ23がオンとなる。一方、図4(c)のように、ハンドル11を中立位置から後方に回動させると、周面カム20は、反時計回りに回動し、下側のハンドルスイッチ23のアクチュエータ24端部が大径部20aに接し、下側ハンドルスイッチ23がオンとなる。
一方、ハンドル11を後方に回動させた場合には、可変抵抗器26からの出力電圧は基準値よりも低くなる。出力電圧が基準値より低下したことで、ハンドル11が後方に回動されたことを検知し、下側ハンドルスイッチ23のオンを条件に、基準値と出力電圧の差の絶対値に応じた電圧が、駆動モータ8に付与される。付与された電圧に応じて、駆動モータ8の回転速度は制御され、補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11の後方回動量に応じた速度で後進する。
図5に示すように、補助電動機能付配膳車1の駆動系制御は、コントロールユニット27に対し、バッテリ10、操作パネル13、ハンドルスイッチ23、モータ駆動回路28及びLED点灯回路29が接続されている。
そして、モータ駆動回路28は、駆動モータ8を制御するためのものである。これにより、補助電動機能付配膳車1に設定内容が反映されるのである。また、LED点灯回路29は、操作パネル13に配設されているバッテリ表示ランプ18を構成する5つのLEDの点灯態様を制御する回路である。コントロールユニット27とLED点灯回路29により、本実施形態においては、作業者にバッテリの残量を報知したり、設定モードにおいては、設定項目を選択しているのか、設定内容を選択しているのかを作業者に報知すると共に、作業者に現在選択している選択肢を報知したりするのである。
まず、加速時の速度調整について説明する。加速時の速度調整は図6(a)の式に基づいて行われる。はじめに、設定プログラムによって設定されている押し操作最高速度又は、引き操作最高速度及び加速係数を読み出す。読み出された最高速度は、ハンドル11を完全に回動させた場合の回動量に対する現在のハンドル11の回動量の比をかけることにより、CPU30にて目標速度に変換される(図6(c)参照)。このようにして得られる現在速度、目標速度、加速係数を用いて、図6(a)の式により速度の制御がなされる。
本実施形態にかかる補助電動機能付配膳車1の駆動モータは、PWM(Pulse Width Modulation)制御がなされている。これは、駆動モータ8に供給する電圧のオン時間とオフ時間の比率を変え、駆動モータ8からの出力電圧を制御する制御方式である。本実施形態では、速度が前述の目標速度になるように、電圧のオン・オフ時間を調整している。エンコーダ28aで検知された現在速度が目標速度に達していない場合には、オン時間を長くするように制御されている。常時、現在速度と目標速度のとの差を計算し、駆動モータ8の制御をおこなうことにより、本実施形態における補助電装機能付配膳車1の押し操作及び引き操作の最高速度と加速感が制御されている。
尚、本実施形態においては、ハンドル11にハンドブレーキ11aが配設されている。ハンドブレーキ11aが握られた場合には、目標速度を0km/hに設定し、駆動モータ8を減速制御すると共に、不図示のドラムブレーキにより機械的に減速制御する。
ここで、これらの設定項目について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の設定項目及び設定内容に関する説明図である。
また、押し操作最高速度においても、速度a、速度b、速度c、速度d及び速度eの5つの設定値から選択することができる。引き操作最高速度の設定値同様、速度a、速度b、速度c、速度d、速度eの順に順次大きな設定値で設定されており、速度eで設定した際に、もっとも速い速度で押し操作による走行補助がなされる。
ここで、押し操作及び引き操作の最高速度について説明する。本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、設定された最高速度とハンドル11の回動量に応じて目標速度を算出し、その目標速度で走行する制御がなされている。つまり、ハンドル11を限界まで回動させることにより、補助電動機能付配膳車1は、現在設定されている最高速度で電動走行する。
補助電動機能付配膳車1の押し操作最高速度、引き操作最高速度を、それぞれ5つの設定値より選択可能としたことにより、使用条件に対応した走行が可能となる。具体的には、補助電動機能付配膳車1が通行する通路が狭い場合には、押し操作最高速度及び引き操作最高速度を低く設定することにより、安全な配膳を行うことができる。また、作業者が高齢な場合には、作業者の歩行速度に合わせ、押し操作最高速度及び引き操作最高速度を低速に設定することで、作業者に負担をかけることがなく、作業者に最も適した状態で配膳作業を行うことができる。
逆に、作業者が若い場合には、必然的に作業者の歩行速度も速いため、従来の設定速度では遅く感じてしまうことがあった。本実施形態のように、押し操作最高速度及び引き操作最高速度を変更可能とすることにより、補助電動機能付配膳車1の最高速度にあわせて作業し、作業効率が低下することはない。
5種類のパワーオフ時間から選択設定可能とすることにより、補助電動機能付配膳車1の使用環境に対応した最適なパワーオフ時間が設定可能となり、補助電動機能付配膳車1をより経済的に使用することが可能となる。
例えば、補助電動機能付配膳車1に収納されるメニューに汁物が多い場合には、加速係数を大きく設定すればよい。この結果、従来の加速係数による運転時のように、汁物がこぼれてしまうことがなくなる。逆に、食器トレイの回収時には、冷蔵室3及び温蔵室4内部に空の食器が収納されているだけであるから、加速係数を小さく設定してもよい。この場合には、汁物がこぼれるという心配をする必要はなく、食器の回収作業の作業効率をあげることができる。
例えば、補助電動機能付配膳車1に収納されるメニューに汁物が多い場合には、減速係数を大きく設定すればよい。この結果、配膳先に到着した際に、急に停止してしまい、汁物がこぼれてしまうことがなくなる。逆に、食器トレイの回収し、食器洗浄室等に到着した際には、冷蔵室3及び温蔵室4内部に空の食器が収納されているだけであるから、減速係数を小さく設定し、補助電動機能付配膳車1を急停止させてもよい。これにより、食器の回収作業の作業効率をあげることができる。
先ず、キースイッチ14がオンされ、駆動系電源が投入されると、ステップ(以下Sと略す)1で初期化処理が行われる。初期化処理では、手動走行ボタン15の設定状態の初期化やメモリのクリア等の初期化処理が行われる。初期化処理(S1)終了後には、S2に移行する。
手動走行ボタン15が押下され、ハンドルスイッチ23もオンされている場合には、S6に移行し、設定モードに入る。特殊操作が行われなかった場合には、通常走行モード(S5)に移行する。通常走行モードは、従来の補助電動機能付配膳車と同様に、設定値に基づいて、最高速度等の制御と共にモータを駆動し、補助電動機能付配膳車1を走行させるモードである。補助電動機能付配膳車の通常走行については、公知であるので、ここでの説明は省略する。
ここで、S6の時点、即ち、設定モードに入ると、先ず、引き操作最高速度が設定可能な状態となっている。このとき、バッテリ表示ランプ18のLED18aのみが点灯し、その他のLED18b、18c、18d及び18eは消灯状態である。そして、この状態で手動走行ボタン15を押下する(S6:YES)と、引き操作最高速度が設定可能な状態から、押し操作最高速度が設定可能な状態(S7)に移行する。手動走行ボタン15を押下しなかった場合(S6:NO)には、S8に移行する。
尚、ハンドルスイッチ23がオンされた場合において、設定内容を選択可能な状態ならば、設定内容選択可能状態を維持し、点滅点灯中のLEDを消灯し、右隣のLEDを点滅点灯させる。具体的には、右端に配設されているLED18eが点滅点灯している場合には、LED18eを消灯し、左端に配設されているLED18aを点滅点灯させる。表示変更処理(S8)後、S9に移行する。
また、押し操作最高速度に対応した設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S13:YES)には、S14で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、押し操作最高速度が、速度bから速度cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S13において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S13に移行する。
また、パワーオフ時間に対応する設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S17:YES)には、S18で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、パワーオフ時間が、時間Bから時間Cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S17において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S17に移行する。
また、加速係数に対応する設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S21:YES)には、S22で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、加速係数Bから加速係数Cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S21において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S21に移行する。
また、減速係数に対応する設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S25:YES)には、S26で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、減速係数が、減速係数Bから減速係数Cに変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S25において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S25に移行する。
例えば、本実施形態においては、設定項目の選択が可能な状態では、バッテリ表示ランプ18を点灯‐消灯の組合せで表現し、設定内容の選択が可能な状態においては、バッテリ表示ランプ18を点滅点灯‐消灯の組合せで表現していたが、これらの表現に限定するものではない。
7 駆動輪
8 駆動モータ
9 制御ボックス
10 バッテリ
11 ハンドル
13 操作パネル
15 手動走行ボタン
18 バッテリ表示ランプ
23 ハンドルスイッチ
31 RAM
Claims (2)
- 補助電動機能に関する複数のスイッチを有する操作パネルと、
複数の設定項目の夫々に対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードに切換えるモード切換手段と、
車両本体に回動可能に支持されたハンドルを有する補助電動機能付運搬車において、
前記設定モードにおける設定内容選択時に、前記ハンドルの回動に基づき、設定内容の選択変更を行う設定内容選択手段を有することを特徴とする補助電動機能付運搬車。 - 前記請求項1記載の補助電動機能付運搬車において、
前記操作パネルには、消灯、点灯及び点滅点灯が可能な点灯表示手段が配設され、
前記点灯表示手段は、前記設定モード中の設定項目選択時と設定内容選択時には、消灯、点灯及び点滅点灯の組み合わせを変えることを特徴とする補助電動機能付運搬車。
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