JP2005230930A - 不織布研磨材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水系接着剤前駆体を使用しながら、溶剤系接着剤を用いた場合と同等の研磨力を示す不織布研磨材を提供すること。
【解決手段】 無作為に並べられた繊維から構成される不織布と;該不織布の繊維の表面に接着された接着剤と;該接着剤によって不織布に接着された砥粒とを、有する不織布研磨材において、該接着剤が、各々水中に均一に分散されたアニオン基を有する末端イソシアネートポリマー100重量部、ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマー1〜600重量部、及びメラミン系架橋剤0.01〜100重量部を含有する熱硬化性水系接着剤前駆体から誘導されたものである不織布研磨材。
【選択図】 なし

Description

本発明は不織布研磨材に関し、特に、金属、プラスチック、及び木材のような材料を研磨するための不織布研磨材に関する。
不織布のような基材と、基材の表面上に設けられた接着剤と、その少なくとも一部が接着剤に埋没して基材の表面上に設けられている砥粒とを有する不織布研磨材は当業者に知られている。
従来から、砥粒を接着剤で不織布に固定する型の不織布研磨材では、バインダー樹脂を溶剤に溶解した溶剤系接着剤前駆体が、接着剤として主として使用されてきた。バインダー樹脂を水に分散させた水系接着剤前駆体では、不織布研磨材の用途によっては研磨力が不十分になるからである。しかしながら、溶剤系接着剤前駆体を使用する際には溶剤が揮発するために、環境や人体に悪影響を与えるという問題があり、更に、揮発する溶剤を回収及び再利用するためにはコストがかかるという問題もある。
従って、不織布研磨材の製造過程では、このような問題が生じない水系接着剤前駆体を使用することが望ましく、それゆえ水系接着剤前駆体を使用して得られた不織布研磨材の研磨力を溶剤系接着剤を用いたものと同等以上に向上させることが求められている。
米国特許第2958593号明細書 米国特許第4437271号明細書 特公平6−71705号公報 特表平8−510175号公報 特表平10−511749号公報 特開平9−201232号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、水系接着剤前駆体を使用しながら、溶剤系接着剤を用いた場合と同等の研磨力を示す不織布研磨材を提供することにある。
本発明は、無作為に並べられた繊維から構成される不織布と;該不織布の繊維の表面に接着された接着剤と;該接着剤によって不織布に接着された砥粒とを、有する不織布研磨材において、
該接着剤が、各々水中に均一に分散されたアニオン基を有する末端イソシアネートポリマー100重量部、ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマー1〜50重量部、及びメラミン系架橋剤0.01〜20重量部を含有する熱硬化性水系接着剤前駆体から誘導されたものである不織布研磨材を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
水系接着剤前駆体を使用した不織布研磨材の研磨力が溶剤系接着剤を用いたものと同等以上に向上した。
本発明で用いる不織布は、無作為に並べられた繊維から構成される嵩高のシート材料である。不織布は不織布研磨材の基材として当業者によく知られている材料であればよい。代表的な不織布は、例えば、特公平3−55270号公報第10欄第10行から同第11欄第25行に記載されている。
好ましい不織布は、ポリアミド(例えば、ポリカプロラクタムやポリヘキサメチルアジパミドから構成されるナイロン6及びナイロン6,6)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、及びポリカーボネートのような熱可塑性有機繊維から構成されたものである。ナイロン及びポリエステル繊維から構成された不織布が一般に使用される。繊維の太さは、一般に直径19〜250μm程度である。また、不織布の厚さは一般に2〜50mm程度である。
接着剤とは、不織布と砥粒とを結合させる材料をいう。接着剤は研磨操作の間不織布と砥粒との結合を維持するのに十分な強度を有する材料であればよい。一般に、接着剤はバインダー樹脂と要すれば添加剤とを成分として含有する。バインダー樹脂とは、塗着可能な液体から剛性の固体に変化するために、物質を接合する機能を奏する有機樹脂をいう。また、接着剤前駆体とは、特に、未硬化のバインダー樹脂、添加剤、及び要すれば溶媒を含む塗布可能な流動性組成物を指していう。
接着剤前駆体は本発明では水系のものを用いる。水系接着剤前駆体は溶媒として主として水を含有する接着剤前駆体をいう。一般に、水系接着剤前駆体はバインダー樹脂が水中に均一に分散した形態をとっており、エマルジョンやディスパージョンと呼ばれる。水中に均一に分散させることができる樹脂をここでは水分散性樹脂という。
未硬化のバインダー樹脂は水分散性であることを要し、熱硬化性であることが好ましい。成形して不織布研磨材を形成することが容易になるからである。バインダー樹脂は硬化温度100〜300℃、特に100〜200℃を示すことが好ましい。バインダー樹脂の硬化温度が100℃未満であると硬化が不十分となり研磨砥粒が脱落しやすく研削比が低くなる。また、バインダー樹脂の硬化温度が300℃を越えるとバインダー樹脂が分解し研磨砥粒が脱落しやすく研削比が低くなる。バインダー樹脂は硬化後に引っ張り強度3000〜11000psi、伸び180%以上、好ましくは180〜800%、ショアーD硬度40以上、好ましくは40〜80を示すものであることが好ましい。硬化後のバインダー樹脂の引っ張り強度が3000psi未満であると硬化後の接着剤の強度、剛性が小さすぎて不織布研磨材に適さず、11000psiを越えると硬化後の接着剤の強度、剛性が大きすぎて不織布研磨材に適さない。硬化後のバインダー樹脂の伸びが180%未満であると硬化後の接着剤の柔軟性が小さすぎて不織布研磨材に適さず、800%を越えると硬化後の接着剤の柔軟性が大きすぎて不織布研磨材に適さない。硬化後のバインダー樹脂のショアーD硬度が40未満であると研磨中に研磨材から砥粒が脱落し易くなり、80を越えると不織布の自生作用が不十分となる。
また、未硬化のバインダー樹脂は室温環境下で触っても粘着性を示さないものであることが好ましい。不織布に接着剤前駆体を塗布して乾燥した研磨中間材の取扱いが容易になるからである。
好ましいバインダー樹脂はアニオン基を有する末端イソシアネートポリマー、ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマー及びメラミン系架橋剤を含有し、水分散性を示す熱硬化性樹脂である。ソフトセグメントであるイソシアネートポリマーとハードセグメントであるアクリルポリマーとを組み合わせることで、バインダー樹脂の特性を、不織布に砥粒を接着するために最適に調節することができる。
その結果、本発明で用いる水系接着剤前駆体は、溶剤系接着剤前駆体と同等又はそれ以上にまで砥粒を保持する強度を有し、砥粒が不織布から脱落するのを防ぎ、常に新しい研磨面での研磨が可能となるように、不織布に適度な自生作用を付与することができる。
アニオン基を有する末端イソシアネートポリマー、ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマー及びメラミン系架橋剤はそれぞれエマルジョンや水分散体の形態で配合されてよい。
アニオン基を有する末端イソシアネートポリマーは、分子中にアニオン基を有する末端イソシアネートポリマー単独若しくはこれと分子中にアニオン基を有しない末端イソシアネートポリマーとの混合物であり、好ましくは樹脂分(分子中にアニオン基を有する末端イソシアネートポリマーと分子中にアニオン基を有しない末端イソシアネートポリマーとの合計量)100グラム当たり0.001〜0.5当量のアニオン基を有するものであると樹脂分の水分散性がよく、乳化剤乃至分散剤を使用しなくとも水分散液を得ることができるので好ましい。上記のアニオン基としてはカルボキシル基、スルホン基及びこれらの併用が挙げられるが、好ましくはカルボキシル基である。
上記分子中にアニオン基を有する末端イソシアネートポリマーは、従来公知の方法で得ることができ、例えばカルボキシル基の導入を例にとると、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基含有ジオール単位を有するポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールをポリオール成分としてポリイソシアネートと反応させて得ることができる。
上記分子中にアニオン基を有する末端イソシアネートポリマー及び分子中にアニオン基を有しない末端イソシアネートポリマーに使用されるポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールのポリオール成分は平均分子量が500〜4000のものが望ましく、又、ポリイソシアネート成分としては特に限定されず、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート等が挙げられ、中でも脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートが好ましい。
また、この末端イソシアネートポリマーはジアルキルアミン、ジアルキルヒドラジド等で鎖伸長させた末端イソシアネートポリマーであってもよく、水分散が可能な範囲内で用途により任意に選択できる。分子中にアニオン基を有する末端イソシアネートポリマーの水分散体は市販されており、例えば、旭電化社製の「ボンタイター」タイプ、品番HUX−232、HUX−240、HUX−260、HUX−320、HUX−350、HUX−380、HUX−381、HUX−380A、HUX−386、HUX−401、HUX−670、HUX−290H、HUX−290N、HUX−394、HUX−680等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマーは、水中に均一に分散されたアクリルポリマーエマルジョンであることが好ましい。このアクリルポリマーは、水酸基価が40〜100である。水酸基価が40未満では反応点が少なく、反応が不充分になり本発明の目的を達成することができない。一方、水酸基価が100を超えると硬化後の接着剤の耐水性等が低下する。また、このアクリルポリマーは、酸価が1〜30である。酸価が1未満では安定なエマルジョンが得にくく、30を超えるとポリマーの親水性が高くなるため、エマルジョンが高粘度となり、また接着剤の耐水性が低下する。さらに、このアクリルポリマーは、ガラス転移点が−40〜10℃である。ガラス転移点が−40℃より低い場合には、接着剤の物理的強度、耐久性に難点があり、10℃より高い場合には、接着剤の硬度が増し、低温における可とう性が低下する。
アクリルポリマーエマルジョンは、次のような不飽和単量体から製造される。
1.水酸基含有アクリル系単量体として、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体。
2.アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルとして、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリルなど。
3.α,β−エチレン性不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸など。
4.ビニル芳香族化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、ビニルピリジンなど。
5.その他のビニル化合物として、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレートなど。
これらの不飽和単量体は、水酸基含有アクリル単量体及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体を必須成分とし、必要に応じアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、その他のビニル化合物などを併用し、所望の樹脂物性に応じて、その種類、配合比を適宜選択して使用することができる。
また、分子量調整のための連鎖移動剤として、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ウンデシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどを用いることが好ましい。
本発明のアクリルポリマーエマルジョンに含まれる共重合体の製造は、公知の方法に従い、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法を用いて行うことができるが、乳化重合に従って行うことが好ましい。一般的には単量体を界面活性剤のような分散安定剤の存在下で、重合開始剤、例えば過硫酸アンモニウム等のラジカル重合用のラジカル開始剤の存在下に、好ましくは60〜95℃の反応温度において、好ましくは4〜8時間反応させ、三次元架橋し、アミンで中和して目的のアクリルポリマーエマルジョンを得ることができる。得られるアクリルポリマーエマルジョン中の微粒子の粒子径は、50〜200nmとなる。このようなミクロエマルジョンは市販されており、例えば、日立化成工業社製の「ヒタロイド」タイプ、品番AE8200等が挙げられる。
メラミン系架橋剤は、合成樹脂用架橋剤として公知のメラミン系架橋剤を用いればよい。これらは、必要に応じて乳化剤乃至分散剤を用いて、若しくは用いることなく水に分散させることができる。メラミン系架橋剤としては特に限定されないが、例えば、日立化成工業社製の「メラン5100」等が挙げられる。
これら接着剤前駆体の成分の配合割合は、一般に、アニオン基を有する末端イソシアネートポリマー100重量部、ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマー1〜600重量部、及びメラミン系架橋剤0.01〜100重量部である。ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマーの量が1重量部未満であるとアニオン基を有する末端イソシアネートポリマーの特性により、硬化後の接着剤の軟性が大きくなりすぎて不織布研磨材に適さず、600重量部を越えると硬化後の接着剤の柔軟性が小さくなりすぎて不織布研磨材に適さない。メラミン系架橋剤の量が0.01重量部未満であると硬化後の接着剤の軟性が大きくなりすぎて不織布研磨材に適さず、100重量部を越えると硬化後の接着剤の柔軟性が小さくなりすぎて不織布研磨材に適さない。又、ブラシ状研磨材に加工する場合は、更にテルペン樹脂等の粘着付与剤を入れてブラシの層間強度をあげブラシの耐久性を向上させることができる。又、前記のアクリルポリマーエマルジョンの微粒子は粒子径が0.01〜200nmのものを用いることができる。
本発明で用いる砥粒は当業界で通常用いられるものである。典型的には、平均直径が4〜2000μm、好ましくは20〜1000μm、及びモース硬度が4〜10Mohs、好ましくは6〜9Mohsの粒子であればよい。具体的には、パーミス、トパーズ、ガーネット、アルミナ、コランダム、炭化ケイ素、ジルコニア、及びダイヤモンド等でなる粒子を使用できる。これらの粒子は異なるサイズのものを混ぜてよく、異なる材質のものを混ぜてもよい。
本発明の不織布研磨材は、当業者に知られている方法に準じて作製することができる。例えば、まず、バインダー樹脂を水中に分散させるか、水中に分散させたバインダー樹脂の各成分を混合して水系接着剤前駆体を作製する。不織布の繊維の表面に、接着剤前駆体を塗布する。塗布された接着剤前駆体の上に砥粒を散布して付着させる。そして、接着剤前駆体から水を蒸発させて乾燥させる。バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合は、接着剤前駆体を一定時間加熱して硬化させる。一般に、接着剤前駆体は、100〜300℃に10〜30分間に維持して硬化させる。
接着剤前駆体を調製する際に予め砥粒も加えておき、接着剤前駆体と砥粒とを同時に不織布に塗布してもよい。また、接着剤前駆体の乾燥と熱硬化性樹脂の硬化とは同一の加熱工程で行なってもよく、別々の加熱工程で行なってもよい。接着剤前駆体の乾燥と熱硬化性樹脂の硬化とを別々の加熱工程で行なう場合であっても、乾燥工程で熱硬化性樹脂を一部硬化させることは差し支えない。
上述のとおり、基材として使用する不織布は嵩高の繊維材料であり、弾性に富むため、容易に変形及び復元することができる。それゆえ、不織布を複数重ねた積層体は変形性に富み、圧力を加えて比較的自由に成形することができる。本発明の好ましい一実施態様では、不織布の容易な成形性を利用して、立体形状の不織布研磨材を製造する。立体形状の不織布研磨材の典型例は、中心孔を有する円筒状の研磨ブラシである。図1は中心孔を有する円筒状の研磨ブラシの典型的な構成形式を示す斜視図である。(a)はラミネート形式、(b)はフラップ形式、(c)は渦巻形式を示している。
図2は立体形状の不織布研磨材を製造するのに用いる研磨中間材を製造する工程を示した模式図である。まず、不織布のロール100から不織布10を送り出す。ついで、不織布10を接着剤前駆体と砥粒との混合物に含浸させる。含浸不織布を加熱して不織布の繊維の表面に熱硬化性樹脂及び砥粒を固定させる。その上から接着剤前駆体をスプレー塗布する。
ついで、乾燥炉で接着剤前駆体から水を蒸発させて乾燥させる。乾燥は、接着剤前駆体が、室温において非粘着性であるが、熱硬化性樹脂が完全に硬化しない温度及び時間行う。乾燥工程後に接着剤前駆体が室温で未だ粘着性を保っていると、得られる研磨中間材の取扱い及び加工が困難となり、乾燥工程後に熱硬化性樹脂が完全に硬化していると、研磨中間材をその後成形することが困難となるからである。好ましい態様では、乾燥工程は100〜120℃で1〜10分間行われる。乾燥工程の後、得られた研磨中間材20は粘着性が無くなって取扱うことが可能になっている。従ってこれは巻き上げてロール200として保存することができる。
図3は研磨中間材を用いて立体形状の不織布研磨材を製造する工程を示した模式図である。まず、研磨中間材のロール200から研磨中間材20を送り出す。そして研磨中間材20を適当な形状に打ち抜いて中間部材25を得る。治具6、7及び8を用いて中間部材25を複数枚重ね、圧縮して高密度化する。そして、圧縮したまま加熱して接着剤前駆体を完全に硬化させ、形状を固定する。好ましい態様では、加熱硬化工程は100〜200℃で10〜60分間行われる。そのことにより中心孔を有する円筒状の研磨ブラシが得られる(図1(a)参照)。
本発明の不織布研磨材の製造工程では水系接着剤前駆体を使用しているため、揮発する媒体は水であり、環境や人体に悪影響を与えず、揮発物を回収する必要もない。また、水は溶剤系接着剤で一般に使用される溶剤よりも沸点が低く、乾燥に要するエネルギーは少なくてすむ。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中特に明示しない限り「部」は重量基準である。
Figure 2005230930
表1に示す配合割合にて各成分を配合して接着剤前駆体を調製した。この接着剤前駆体を、表2に示した不織布の両面にスプレー方式を用いて塗布した。接着剤前駆体の乾燥塗布量は400g/m2とした。
Figure 2005230930
被覆した接着剤前駆体の上に、平均粒径500μmのシリコンカーバイド砥粒(スリーエム社製)をスキャター方式を用いて均一に散布して付着させた。砥粒の塗布量は2300g/m2とした。その後、この材料をオーブンに入れ、110℃で10分間加熱して接着剤前駆体を乾燥させた。このようにして、粘着性が無く、取り扱うことが可能な研磨中間材シートを得た。
この研磨中間材シートを打ち抜いて直径10cmの研磨中間材ディスクを2枚調製した。そして、これら研磨中間材ディスクを重ねて積層体とし、厚さ10mmになるまで圧縮した。圧縮した積層体をオーブンに入れ、150℃で30分間加熱して接着剤前駆体を完全に硬化させた。
得られた不織布研磨材は直径10cm、及び厚さ10mmの研磨ホイールである。この不織布研磨材を回転させながら、研磨ピースとしての鉄板(SPCC−SB)の側面に荷重を2kgかけて押し付けることにより研磨を行った。研磨速度10000rpm、研磨時間30分、60分及び90分とした。
研磨の前後において、不織布研磨材の重量の変化(g)、及び研磨ピースの重量の変化(g)を測定し、研削比(研磨ピースの重量の変化/不織布研磨材の重量の変化)を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2005230930
不織布研磨材の重量の変化は研磨により不織布研磨材から脱落した砥粒の量を示している。水系接着剤前駆体を用いた本発明の不織布研磨材は脱粒量が少なく、溶剤系を用いた不織布研磨材と同等以上の研削比を示した。
かかる特性の向上は、上記ラミネート形式の研磨ディスクばかりでなく、渦巻形式及びフラップ形式のような研磨ブラシ等においても確認されている。
中心孔を有する円筒状の研磨ブラシの典型的な構成形式を示す斜視図である。 立体形状の不織布研磨材を製造するのに用いる研磨中間材を製造する工程を示した模式図である。 研磨中間材を用いて立体形状の不織布研磨材を製造する工程を示した模式図である。
符号の説明
10…不織布、
100…不織布のロール、
20…研磨中間材、
200…研磨中間材のロール、
25…中間部材、
6、7、8…治具。

Claims (5)

  1. 無作為に並べられた繊維から構成される不織布と;該不織布の繊維の表面に接着された接着剤と;該接着剤によって不織布に接着された砥粒とを、有する不織布研磨材において、
    該接着剤が、各々水中に均一に分散されたアニオン基を有する末端イソシアネートポリマー100重量部、ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマー1〜600重量部及びメラミン系架橋剤0.01〜100重量部を含有する熱硬化性水系接着剤前駆体から誘導されたものである不織布研磨材。
  2. 前記水系接着剤前駆体が更にテルペン樹脂0.01〜2.0重量部を含有する請求項1記載の不織布研磨材。
  3. 前記ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマーが水酸基価40〜100、酸価1〜30、ガラス転移点−40〜10℃、及び粒径70〜80nmを有する請求項1又は2記載の不織布研磨材。
  4. 前記接着剤前駆体が硬化温度100〜300℃、及び硬化後の引っ張り強度3000〜11000psi、伸び180〜800%及びショアーD硬度40〜80を有するものである請求項1又は2記載の不織布研磨材。
  5. 無作為に並べられた繊維から構成される不織布の繊維の表面に、各々水中に均一に分散されたアニオン基を有する末端イソシアネートポリマー100重量部、ヒドロキシル基を有する熱硬化性アクリルポリマー1〜50重量部及びメラミン系架橋剤0.01〜20重量部を含有する熱硬化性水系接着剤前駆体及び砥粒を塗布する工程;
    該接着剤前駆体を乾燥させて非粘着性の研磨中間材を得る工程;
    該研磨中間材を成形する工程;及び
    成形された研磨中間材を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる工程;
    を包含する不織布研磨材の製造方法。
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