JP2005227268A - ガス検出用材料及びガス検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極めて簡易であり、迅速かつ高精度にガスの検出が可能なガス検出用材料、及び該ガス検出用材料を用いたガス検査方法の提供。
【解決手段】 少なくとも非感光性有機銀塩を含むことを特徴とするガス検出用材料である。支持体と、該支持体上に少なくとも非感光性有機銀塩を含むガス検出層を少なくとも有することを特徴とするガス検出用材料である。該ガス検出用材料は、更に粘着剤層を有する態様が好ましい。前記ガス検出用材料を被検査対象物表面に付着させる付着工程と、該ガス検出用材料を熱現像処理する熱現像工程とを含むことを特徴とするガス検査方法である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検査対象物から漏洩乃至放出される局所ガスの検出を目的としたガス検出用材料、及び該ガス検出用材料を用いた簡易であり、迅速かつ高精度の検出が可能なガス検査方法に関する。
近年、水素ガスに関する注目が高まりつつある。その一つには、エネルギー問題があり、環境に対してクリーンな水素ガスの利用が各種分野で検討されている。例えば、燃料電池をエネルギー源とした電気自動車、水素燃料を水素貯蔵合金タンクに貯蔵した水素自動車、等が挙げられる。また、水力発電、風力発電、太陽光発電、原子力発電等により得られたエネルギーを水素製造プラントで一度水素に変換し、該水素を水素貯蔵タンクに貯留して、家庭燃料、交通運輸燃料等の社会生活の各種用途にエネルギー分配する水素エネルギー社会の到来が予測されている。
もう一つには、構造材料の水素脆化の問題がある。近年、構造材料が環境中の水分又は該水分から発生する水素により脆性劣化する現象が明らかになっている。この脆化の主因と考えられる水素の機能についての解明は、環境脆化という材料技術分野における積年の課題の解決につながり、社会インフラ構造整備や各種大型プロジェクトに不可欠な材料問題に対して強力な支援となる。更に、水素の機能が解明されることにより、環境対策やエレクトロニクス分野における新技術への波及効果も期待される。しかし、構造材料中の水素がppmの桁の極微量であり、かつ水素は動き易いために実体が捉え難く、また、破壊のミクロな特徴の観察手法を欠くことなどから、環境脆化の機構解明及びその抜本的な対策指針は思うように進んでいない。
以上の二つの社会的状況変化に対し、水素ガスの新たな検出手段の開発が求められており、特に、構造材料の水素脆化に伴うミクロな水素状態の観察、水素貯留容器における水素漏洩個所の特定、及びこれらを簡易に、迅速かつ高精度で定量的に行える検査解析手法が求められている。
このような状況において、構造材料中の水素状態の可視化技術である「水素マイクロプリント法」(Hydrogen MicroPrint Technique;以下、「HMPT法」と称することがある)が脚光を浴びている(例えば、非特許文献1及び2等参照)。この「水素マイクロプリント法」は、構造材料内部から表面に到達した原子状水素の直接還元作用を利用して水素の移動挙動を解析する手法である。
前記水素マイクロプリント(HMPT)法の原理は、図1(A)に示すように、被検査試料としての水素貯留容器10の表面に写真乳剤膜5を被覆する。この状態において、何らかの理由で水素貯留容器10内の原子状水素が容器表面に漏洩乃至放出されると、該原子状水素は強い還元作用を有しているので、水素が放出された場所にある写真乳剤層5中の臭化銀(AgBr)1は、下記反応式1に示すように、銀原子(Ag)3に還元される(図1(B)参照)。その後、被検査試料ごと現像、定着処理すると、生じた銀原子は顕微鏡で観察可能な銀粒子へと成長する。一方、未反応の臭化銀(AgBr)は定着時に定着液中に溶解するため、最終的に被検査試料表面にはAg粒子3’のみが残る(図1(C)参照)。このAg粒子を光学顕微鏡やSEM(走査型電子顕微鏡)で観察することにより水素の移動挙動を調べることができる。
<反応式1>
AgBr+H → Ag+HBr
前記HMPT法は、従来困難であった構造材料の局所的な水素ガスの漏洩乃至放出を検出できる画期的な方法である。しかし、この方法では、写真乳剤を使用するため、暗室での操作が必要であり熟練を要する。また、写真乳剤の現像処理が必要なため、現像〜定着の設備及び煩雑な操作が必要となる。更に、写真乳剤膜の被検査試料への被覆精度が悪いこと、作業が煩雑なため写真乳剤に対する遮光性が不十分であること、などから十分な精度が得られていないのが現状である。
したがって、明室において簡易に操作可能であり、被検査対象物から漏洩乃至放出される局所ガスを迅速かつ高精度に検出可能なガス検査方法、及びそのためのガス検出用材料の開発が強く求められていた。
日本金属学会誌、Vol.62,No.9,(1998),pp.790−795 軽金属、第49巻、第2号(1999),pp.89−96
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、明室において簡易に操作可能であり、被検査対象物から漏洩乃至放出される局所ガスを迅速かつ高精度に検出可能なガス検査方法、及びそのためのガス検出用材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも非感光性有機銀塩を含有することを特徴とするガス検出用材料である。
<2> 熱現像剤及びバインダーの少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載のガス検出用材料である。
<3> ゲル状である前記<1>から<2>のいずれかに記載のガス検出用材料である。
<4> 支持体と、該支持体上に少なくとも非感光性有機銀塩を含有するガス検出層を有することを特徴とするガス検出用材料である。
<5> ガス検出層が、熱現像剤及びバインダーの少なくともいずれかを含有する前記<4>に記載のガス検出用材料である。
<6> 粘着剤層を有する前記<4>から<5>のいずれかに記載のガス検出用材料である。
<7> 非感光性有機銀塩が、炭素数10〜30の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩である前記<1>から<6>のいずれかに記載のガス検出用材料である。
<8> 非感光性有機銀塩の形状が、りん片状である前記<1>から<7>のいずれかに記載のガス検出用材料である。
<9> りん片状の非感光性有機銀塩が、下記数式1により求めたxが平均値で1.5以上である前記<8>に記載のガス検出用材料である。
<数式1>
x=b/a
ただし、前記数式1中、有機銀塩粒子の形状を直方体と近似させて、該直方体の辺a、b、及びcのうち、一番短かいものをa、2番目に短いものをb(ただし、cはbと同じ長さであってもよい)とした。
<10> 非感光性有機銀塩の含有量が、銀量として0.1〜5g/mである前記<1>から<9>のいずれかに記載のガス検出用材料である。
<11> 熱現像剤が、ヒンダードフェノール類還元剤及びビスフェノール類還元剤から選択される少なくとも1種である前記<2>から<3>及び前記<5>から<10>のいずれかに記載のガス検出用材料である。
<12> 被検査対象物に付着させて該被検査対象物から漏洩乃至放出されるガスの検出に用いられる前記<1>から<11>のいずれかに記載のガス検出用材料である。
<13> ガスが、水素ガス及び含硫黄ガスのいずれかである前記<12>に記載のガス検出用材料である。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のガス検出用材料を被検査対象物表面に付着させる付着工程と、該ガス検出用材料を熱現像処理する熱現像工程とを含むことを特徴とするガス検査方法である。
<15> 少なくとも非感光性有機銀塩を含むゲル状のガス検出用材料を被検査対象物表面に塗布する前記<14>に記載のガス検査方法である。
<16> 支持体と、少なくとも非感光性有機銀塩を含むガス検出層と、粘着剤層とをこの順に有するガス検出用材料を用い、該ガス検出用材料を前記粘着剤層を介して被検査対象物表面に貼着する前記<14>に記載のガス検査方法である。
<17> 熱現像処理が、80〜250℃で1〜60秒間行う前記<14>から<16>のいずれかに記載のガス検査方法である。
<18> 被検査対象物が、金属材料の構造物である前記<14>から<17>のいずれかに記載のガス検査方法である。
<19> 金属材料が、鉄鋼、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル、ステンレス鋼及びこれらの合金並びに金属間化合物から選択される少なくとも1種である前記<18>に記載のガス検査方法である。
<20> 構造物が、構造材料、ガス貯蔵容器、建設材料、原子力設備、燃料電池、配管、ボルト及びナット、車両、ポンプ、バルブ、バーナー、インゴット、圧延材、押出材並びに補強材から選択される少なくとも1種である前記<18>から<19>のいずれかに記載のガス検査方法である。
本発明のガス検出用材料は、第一の形態では、少なくとも非感光性有機銀塩を含有することを特徴とする。
本発明のガス検出用材料は、第二の形態では、支持体と、該支持体上に少なくとも非感光性有機銀塩を含むガス検出層とを有する。
前記第一形態及び第二形態に係るガス検出用材料においては、前記非感光性有機銀塩が水素ガスによる還元又は含硫黄ガスによる硫化を受け、その後、好ましくは熱現像剤の存在下で熱現像されて銀画像による黒白画像を形成する。そして、銀画像形成位置から水素ガス漏洩個所を特定することができ、銀画像濃度又は銀画像形成量から水素ガス量を定量化することができる。
また、本発明の第二形態に係るガス検出用材料においては、特に粘着剤層を有し、被検査対象物に粘着剤層を介して密着処理させることができ、検査に要する時間が少なくて済むだけでなく、検査操作が簡易であるため熟練を必要としない。また、ガス検出用材料の付着量が一定になるため、検査の精度、再現性が向上する。更に、前記有機銀塩の現像量を測定することにより、定量的な測定が可能となる。
本発明のガス検査方法は、付着工程と、熱現像工程とを含む。前記付着工程では、本発明の前記ガス検出用材料を被検査対象物表面に付着させて、該被検査対象物から漏洩乃至放出されるガスと反応させる。前記熱現像工程では、該ガス検出用材料を熱現像処理することにより、増幅させて可視化させる。
該本発明のガス検査方法によれば、明室においても繰り返し現性が高く、高精度な実験結果が得られ、極めて短時間に実験可能なことがわかる。また、煩雑な現像処理が不要であることから、実験作業に熟練を必要とせず、全行程を明るい場所で行うため、殆ど熟練を必要としないものである。更に、ガス検出用材料から除去される物質がなく、廃液、廃材が生じず、環境性にも優れている。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、明室において簡易に操作可能であり、被検査対象物から漏洩乃至放出される局所ガスを迅速かつ高精度に検出可能なガス検査方法、及びそのためのガス検出用材料が提供できる。
(ガス検出用材料)
本発明のガス検出用材料は、第一形態では、少なくとも非感光性有機銀塩を含有してなり、バインダー、熱現像剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のガス検出用材料は、第二形態では、支持体と、ガス検出層を有してなり、粘着剤層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。前記ガス検出層は、少なくとも非感光性有機銀塩を含有してなり、バインダー、熱現像剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ガス検出用材料は、被検査対象物に付着させて該被検査対象物の表面から漏洩乃至放出されるガスの検出に用いられることが好ましい。
前記ガスとしては、水素ガス及び含硫黄ガスのいずれかが挙げられる。前記含硫黄ガスとしては、HS、SO、などが挙げられる。
本発明のガス検出用材料によるガス検出の原理は、図2Aに示すように、被検査試料である水素貯留容器10の表面にガス検出用材料15を被覆する。このガス検出用材料15中には、非感光性有機銀塩11及び熱現像剤14が含まれている。
ここで何らかの理由で水素貯留容器10内の原子状水素が容器表面に放出されると、該原子状水素は強い還元作用を持つので、水素が放出された場所にあるガス検出用材料中の非感光性有機銀塩11は、還元される(図2B参照)。その後、ガス検出用材料を熱現像処理すると、還元された非感光性有機銀塩は顕微鏡で観察可能な銀粒子へと成長し、銀画像が形成される(図2C参照)。その後、常温まで冷却されることによって反応は停止する。このAg粒子を光学顕微鏡やSEM(走査型電子顕微鏡)で観察することにより水素の移動挙動を調べることができる。
この方法では、熱現像工程後に特別な定着工程が必要なく、また、ガス検出用材料から除去される物質がなく、廃液、廃材が生じず、また、全工程を明室で行えるため、操作を簡便に行える。
−非感光性有機銀塩−
前記非感光性有機銀塩は、第一形態では、前記ガス検出用材料中に含まれ、第二形態では、前記ガス検出層中に含まれる。
前記非感光性有機銀塩は、光に対しては安定であるが、水素ガスによる還元、又は含硫黄ガスによる硫化を受けた後は、好ましくは熱現像剤の存在下、80℃又はそれ以上に加熱された場合には銀画像を形成する銀塩である。前記有機銀塩は銀イオンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。
前記非感光性有機銀塩としては、例えば、特開平10−62899号公報(段落番号0048〜0049)、欧州特許公開第0803764A1号公報(第18ページ第24行〜第19ページ第37行)、欧州特許公開第0962812A1号公報、特開平11−349591号公報、特開2000−7683号公報、特開2000−72711号公報、等に記載されている。
前記非感光性有機酸の銀塩としては、長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。該長鎖脂肪族カルボン酸としては、炭素数は10〜30が好ましく、15〜28がより好ましく、例えば、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、又はこれらの混合物、などが挙げられる。これらの中でも、ベヘン酸銀が特に好ましい。該ベヘン酸銀の含有率は50〜100モル%が好ましく、75〜98モル%がより好ましい。
前記有機銀塩の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、針状、棒状、平板状、りん片状、などが挙げられ、これらの中でも、りん片状の有機銀塩が好ましい。本明細書において、前記りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。前記有機銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次式、x=b/aによりxを求める。
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)が、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。該xは、30≧x(平均)≧1.5がより好ましく、20≧x(平均)≧2.0が更に好ましい。因みに、針状は、1≦x(平均)<1.5である。
前記りん片状粒子においては、aは、bとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は、0.01〜0.23μmが好ましく、0.1〜0.20μmがより好ましい。c/bの平均は、1〜6が好ましく、1.05〜4がより好ましく、1.1〜3が更に好ましく、1.1〜2が特に好ましい。
前記有機銀塩の粒子サイズ分布は、単分散であることが好ましい。該単分散とは、短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率は、100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、50%以下が更に好ましい。
ここで、前記有機銀塩の形状の測定方法としては、有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)は100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、50%以下が更に好ましい。該有機銀塩の形状の測定方法としては、例えば、液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
前記非感光性有機銀塩の製造方法及びその分散法としては、公知の方法等を適用することができる。例えば、前記特開平10−62899号公報、欧州特許公開第0803764A1号公報、欧州特許公開第0962812A1号公報、特開平11−349591号公報、特開2000−7683号公報、特開2000−72711号公報、特開2001−163889号公報、特開2001−163890号公報、特開2001−163827号公報、特開2001−33907号公報、特開2001−188313号公報、特開2001−83652号公報、特開2002−6442号公報、特開2002−31870号公報、などが挙げられる。
前記非感光性有機銀塩の含有量は、銀量として0.1〜5g/mが好ましく、1〜3g/mがより好ましく、1.2〜2.5g/mが更に好ましい。
前記非感光性有機銀塩の含有量が銀量として0.1g/m未満であると、十分な透過ODが出ず、定量性、ダイナミックレンジが確保できないことがあり、5g/mを超えると、透過ODが4.0以上となり、実用上は飽和濃度となり、これ以上添加してもコスト高となるだけである。
本発明の第一形態に係るガス検出用材料又は前記ガス検出層は、前記非感光性有機銀塩以外にも、バインダー、熱現像剤、必要に応じてその他の成分を含有する。
−バインダー−
前記バインダーとしては、特に制限はなく、ガス検出用材料に通常用いられるポリマーを用いることができ、好適なバインダーは透明又は半透明であり、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、などが挙げられる。
前記バインダーとしては、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、などが挙げられる。
前記バインダーは、水又は有機溶媒又はエマルションから被覆形成してもよい。
前記バインダーのガラス転移温度(Tg)は0〜80℃(以下、「高Tgバインダー」と称することがある)が好ましく、10〜70℃がより好ましく、15〜60℃が更に好ましい。
ここで、前記ガラス転移温度(Tg)は下記数式により計算することができる。
<数式2>
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ただし、前記数式2中、ポリマーはi=1〜nまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただし、Σはi=1〜nまでの和をとる。
なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用した。
前記バインダーとなるポリマーは単独種で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
前記高Tgポリマー微細分散物は乳化重合、分散重合、懸濁重合、など通常の重合反応により得ることができる。しかしながら、写真感光材料の塗布の多くが水を媒体とし、該共重合体の様な非水溶性物質は水分散物の形態で扱われるため、塗布液調製の観点で乳化重合又は分散重合が好ましく、乳化重合で合成されることが特に好ましい。該ラテックスを使用する場合は、通常微粒子の粒径は300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下が特に好ましい。
前記乳化重合法は、例えば、水又は水と水に混和しうる有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトンなど)との混合溶媒を分散媒とし、該分散媒に対して5〜40質量%のモノマー混合物と、モノマーに対して0.05〜5質量%の重合開始剤、0.1〜20質量%の乳化剤を用い、30〜100℃程度、好ましくは60〜90℃で3〜8時間、攪拌下重合させることにより行われる。前記分散媒、モノマーの濃度、開始剤量、乳化剤量、反応温度、時間、モノマー添加方法などの条件は使用するモノマーの種類や粒子の目標粒径などを考慮し、適宜設定される。
前記乳化重合に用いられる開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸のナトリウム塩等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物が挙げられる。これらの中でも、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
前記分散剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができるが、これらの中でも、アニオン性界面活性剤が特に好ましい。
前記高Tgラテックスは、通常の乳化重合法の手法に則り、容易に合成可能である。一般的な乳化重合の方法については、例えば、「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行、1978)」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行、1993)」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行、1970)」、などに詳細に記載されている。
ここで、前記高Tgラテックスの具体的な合成例について詳細に説明する。
まず、ガラス製オートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、TEM−V1000)にスチレン90g、アクリル酸3g、蒸留水160g、界面活性剤(サンデットBL、三洋化成工業株式会社製)2gを入れ、窒素気流下で1時間攪拌した。その後、反応容器を密閉してブタジエン7gを添加して60℃まで昇温した。ここに過硫酸カリウム水溶液(5質量%)を10g添加して、そのまま10時間攪拌して反応させた。反応後温度を室温まで下た後、蒸留水60gを加えて30分撹拌して乳白色液体のラテックス327gを得た。この分散液は不揮発分30.2質量%を含む平均粒子径76nmの微細ラテックス液であった。
また、前記高Tgラテックスの別の具体的な合成例としては、冷却管と攪拌装置を取り付けた500ml三ツ口フラスコに、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム2gを蒸留水250mlに溶解した溶液を入れ、次いでスチレン80g、2−エチルヘキシルアクリレート15gとアクリル酸5gの混合溶液を加え、窒素気流下で200rpmの速度で攪拌した。この反応溶液を75℃に加熱し、過硫酸カリウム0.2gを蒸留水10mLに溶解した溶液を添加して2時間重合させた。更に、過硫酸カリウム0.2gを蒸留水10mLに溶解した溶液を添加して2時間重合させた。この反応液を室温まで冷却し、分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤や無機塩類を除去した後、減圧濃縮し、濾過にて不溶分を除去して微乳濁白色の分散液380gを得た。この分散液は不揮発分26.3質量%を含む平均粒子径66nmの微細ラテックス液であった。
なお、本発明に用いられる他の高Tgラテックスも上記の方法と同等の方法で容易に合成可能である。
前記高Tgラテックスの使用量は、ガス検出用材料の1mあたり1〜20gの範囲が好ましく、1〜15gの範囲がより好ましい。本発明の他の高Tgラテックスと2種以上ブレンドして用いても良く、また本発明に含まれない他のラテックス、もしくはポリマーバインダーと併用して用いても良い。
前記第一形態のガス検出用材料又は前記ガス検出層は、溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合、また、前記第一形態のガス検出用材料又は前記ガス検出層におけるバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶又は分散可能である場合、特に25℃−60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
前記ポリマーが可溶又は分散可能である水系溶媒とは、水又は水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミド、などを挙げることができる。
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
前記「25℃−60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃−60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの質量Wと25℃で絶乾状態にあるポリマーの質量Wを用いて、次式、25℃−60%RHにおける平衡含水率(質量%)=[(W−W)/W]×100、により求めることができる。
前記バインダーポリマーの25℃−60%RHにおける平衡含水率は、2質量%以下が好ましく、0.01〜1.5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が更に好ましい。
ここで、前記含水率の定義と測定法については、例えば、高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
本発明においては、水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどがあるが、いずれも好ましい。分散粒子の平均粒径は1〜50000nmが好ましく、5〜1000nmがより好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、広い粒径分布を持つものでも、また単分散の粒径分布を持つものでもよい。
前記水系溶媒に分散可能なポリマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えば、SBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーが好適である。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。
前記ポリマーの数平均分子量(Mn)は、5000〜1000000が好ましく、10000〜200000がより好ましい。前記分子量が小さすぎると、乳剤層の力学強度が不十分であり、大きすぎると、成膜性が悪く好ましくない。
本発明の第一形態では、前記非感光性有機銀塩水分散液と前記バインダーを混合してガス検出用材料を製造することが可能である。なお、両者を混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上のバインダーを混合することが好ましい。
この場合、非感光性熱現像液をそのまま直に被検査対象物に塗布して、乾燥後これを剥がして熱現像処理することができる。
前記塗布方法としては、具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、又は米国特許第2681294号明細書に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著“LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁〜536頁記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。
前記スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状としては、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著“LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)同書427頁のFigure11b.1に記載されている。また、所望により同書399頁〜536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号明細書、及び英国特許第837,095号公報に記載の方法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。
また、本発明の第二形態では、支持体上に前記非感光性有機銀塩水分散液と前記バインダーを混合した塗布液を塗布してシート状塗布物を製造する。
この場合、これを被検査試料に密着させるように張り合わせて測定後、このシート状塗布物を熱現像処理することも可能である。
前記シート状塗布物として使用する場合、シート状塗布物が粘着剤層を有し、被検査対象物に粘着剤層を介して密着処理させることが好ましい。シート状塗布物として使用した場合には、検査に要する時間が少なくて済むだけでなく、検査操作が簡易であるために熟練を必要としない。更に、非感光性熱現像液の塗布量が一定になるために、検査の精度、再現性が向上する。前記有機銀塩の現像量を測定することにより、定量的な測定が可能となる。
−熱現像剤−
前記熱現像剤としては、前記非感光性有機銀塩のための還元剤を挙げることができる。該有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ましくは有機物質であってよい。
前記還元剤としては、特開平11−65021号公報(段落番号0043〜0045)、欧州特許公開第0803764A1号公報(第7ページ第34行〜第18ページ第12行)に記載されているが、これらの中でも、ヒンダードフェノール類還元剤、又はビスフェノール類還元剤が好ましく、下記構造式(1)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2005227268
ただし、前記構造式(1)中、R11及びR11’は、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12及びR12’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは、−S−基又は−CHR13−基(ただし、R13は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す)を表す。X及びX’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。
11及びR11’は、各々独立に置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、該アルキル基の置換基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ハロゲン原子、等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数3〜15の2級又は3級のアルキル基であり、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜12の3級アルキル基が好ましく、該3級アルキル基としては、例えば、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が好ましく、t−ブチル基が好適である。
12及びR12’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。
前記ベンゼン環に置換可能な基としては、例えば、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、などが挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基が好適である。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基が特に好ましい。
及びX1’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表し、前記ベンゼン環に置換可能な基としては上記と同じものが挙げられ、これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
Lは、−S−基、又は−CHR13−基(ただし、R13は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す)を表す。
13は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、該アルキル基は置換基を有していてもよい。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、などが挙げられる。
前記アルキル基の置換基としては、前記R11の置換基と同様のものが好適であり、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、などが挙げられる。これらの中でも、−CHR13−基である。R13としては、水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基が好ましい。これらの中でも、水素原子、メチル基、プロピル基又はイソプロピル基が特に好ましい。
13が水素原子である場合、R12及びR12’は、好ましくは炭素数2〜5のアルキル基であり、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
13が炭素数1〜8の1級又は2級のアルキル基である場合、R12及びR12’は、メチル基が好ましい。R13の炭素数1〜8の1級又は2級のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が更に好ましい。R11、R11’、R12及びR12’がいずれもメチル基である場合には、R13は2級のアルキル基であることが好ましい。この場合、R13の2級アルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基が好ましく、イソプロピル基がより好ましい。
以下に前記構造式(1)で表される化合物をはじめとする本発明の還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの中でも、特に(I−1)〜(I−20)に示すような化合物であることが好ましい。
Figure 2005227268
Figure 2005227268
Figure 2005227268
前記還元剤の含有量は、0.01〜5.0g/mが好ましく、0.1〜3.0g/mがより好ましく、前記ガス検出用材料(又はガス検出層)における銀1モルに対し5〜50モル%含まれることが好ましく、10〜40モル%含まれることがより好ましい。
前記還元剤は、溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレート等のオイル;酢酸エチル、シクロヘキサノン等の補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
前記固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。なお、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えば、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。水分散物には防腐剤(例えば、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることができる。
本発明の第一形態のガス検出用材料又は前記ガス検出層においては、前記熱現像剤と共に現像促進剤を併用することが好ましい。該現像促進剤としては、下記構造式(2)で表されるフェノール誘導体が好ましく用いられる。
Figure 2005227268
前記構造式(2)において、R、R、R、X11、及びX12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。ただし、X11、及びX12の少なくとも一方は、−NRで表される基である。R、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、又は−C(=O)−R、−C(=O)−C(=O)−R、−SO−R、−SO−R、−P(=O)(R)又は−C(=NR’)−Rで表される基である。R、R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基から選ばれる基である。これらの置換基はそれぞれ隣接する基同士が結合して環を形成してもよい。
前記還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)を有する場合、特に前記ビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。前記水酸基又はアミノ基と水素結合を形成する基としては、例えば、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基、などが挙げられる。これら中でも、ホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(ただし、>N−H基を持たず、>N−Ra(ただし、Raは、水素原子以外の置換基を表す)のようにブロックされている)、ウレタン基(ただし、>N−H基を持たず、>N−Ra(ただし、Raは、水素原子以外の置換基を表す)のようにブロックされている。)、ウレイド基(ただし、>N−H基を持たず、>N−Ra(ただし、Raは、水素原子以外の置換基を表す)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
前記水素結合性の化合物としては、下記構造式(3)で表される化合物が好適である。
Figure 2005227268
ただし、前記構造式(3)中、R21〜R23は、各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、又はヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
21〜R23が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基、等が挙げられ、これらの中でもアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。また、本発明の効果の点ではR21〜R23がのうち少なくとも一つ以上がアルキル基又はアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基又はアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手することができるという点ではR21〜R23が同一の基である場合が好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基、等が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基、等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基、等が挙げられる。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、等が挙げられる。
前記アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、等が挙げられる。
以下に、前記構造式(3)の化合物をはじめとする水素結合性の化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005227268
Figure 2005227268
前記水素結合性の化合物としては、上述の他に特開2001−281793号公報、特開2002−014438号公報、などに記載のものが挙げられる。
前記構造式(3)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、ガス検出用材料中で使用することができる。前記水素結合性の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、前記還元剤と前記構造式(3)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、前記還元剤と前記構造式(3)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
前記構造式(3)の化合物の含有量としては、特に制限はなく、前記還元剤等に応じて適宜決定することができる。
−その他の成分−
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層に用いる塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)としては、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としては、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、1,1,1−トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、チオフェン、トリフルオロエタノール、パーフルオロペンタン、キシレン、n−ブタノール、フェノール、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、クロロベンゼン、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコールジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、モルホリン、プロパンスルトン、パーフルオロトリブチルアミン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
前記溶媒の水含有率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。好ましい溶媒組成としては、水の他、水/メチルアルコール=90質量%/10質量%、水/メチルアルコール=70質量%/30質量%、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80質量%/15質量%/5質量%、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85質量%/10質量%/5質量%、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85質量%/10質量%/5質量%、などが挙げられる。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤及び安定剤前駆体としては、特開平10−62899号公報(段落番号0070)、欧州特許公開第0803764A1号公報(第20頁第57行〜第21頁第7行)、特開平9−281637号公報、及び特開平9−329864号公報に記載の化合物が挙げられる。
前記カブリ防止剤として、有機ポリハロゲン化物を含むことが可能であり、適量のポリハロゲン化合物を含有することによって顕著な画像保存性の改良効果が得られる。これらについては、特開平11−65021号公報(段落番号0111〜0112)に記載のものが挙げられる。これらの中でも、特に特開2000−284399号公報の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10−339934号公報の一般式(II)で表される有機ポリハロゲン化合物、特開2001−033911号公報に記載の有機ポリハロゲン化合物が好適である。
前記有機ポリハロゲン化合物としては、下記構造式(4)で表される化合物が好適である。
Q−(Y)−C(Z)(Z)X ・・・ 構造式(4)
前記構造式(4)において、Qは、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Yは、2価の連結基を表す。nは、0又は1を表す。Z及びZは、ハロゲン原子を表す。Xは、水素原子又は電子吸引性基を表す。
前記構造式(4)において、Qは、ハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子吸引性基で置換されたフェニル基を表す。該ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,pp.1207−1216等を参考にすることができる。
前記電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族アリール又は複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族アリール又は複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族アリール又は複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル基等が挙げられる。
前記ハメットの置換基定数σp値としては、0.2〜2.0の範囲が好ましく、0.4〜1.0の範囲がより好ましい。
前記電子吸引性基としては、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基、などが好適であり、これらの中でも、カルバモイル基が最も好ましい。
前記構造式(4)において、Xは、好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族アリール又は複素環スルホニル基、脂肪族アリール又は複素環アシル基、脂肪族アリール又は複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
前記構造式(4)において、Yは、−C(=O)−、−SO−又は−SO−が好ましく、−C(=O)−、−SO−がより好ましく、−SO−が特に好ましい。nは、0又は1を表し、好ましくは1である。
以下に、前記構造式(4)の化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005227268
Figure 2005227268
前記構造式(4)で表される化合物の使用量は、前記非感光性有機銀塩1モルあたり、1−3〜0.8モルの範囲が好ましく、10−3〜0.1モルの範囲がより好ましく、5×10−3〜0.05モルの範囲が更に好ましい。
前記カブリ防止剤をガス検出用材料又はガス検出層に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、前記有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
その他のカブリ防止剤としては、例えば、特開平11−65021号公報(段落番号0113)の水銀(II)塩、特開平11−65021号公報(段落番号0114)の安息香酸類、特開2000−206642号公報のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号公報の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号公報の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号公報の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
前記第一形態のガス検出用材料又は前記ガス検出層は、カブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。該アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号公報の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号公報に記載の化合物、特開昭60−153039号公報の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。前記アゾリウム塩は、ガス検出用材料のいかなる部位に添加しても良いが、前記ガス検出層に添加することが好ましい。前記アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、前記ガス検出層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。前記アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
前記アゾリウム塩の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銀1モル当たり1×10−6〜2モルが好ましく、1×10−3〜0.5モルがより好ましい。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層には、現像を抑制又は促進させて現像を制御するため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができる。これらは、特開平10−62899号公報(段落番号0067〜0069)、特開平10−186572号公報の一般式(I)で表される化合物及び段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号公報(第20ページ第36〜56行)、特開2001−100358号公報等に記載されている。これらの中でも、メルカプト置換複素芳香族化合物が特に好ましい。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層には、色調剤を含有することができる。前記色調剤としては、特開平10−62899号公報(段落番号0054〜0055)、欧州特許公開第0803764A1号公報(第21ページ第23〜48行)、特開2000−356317号公報、に記載されている。これらの中でも、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体又は金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン));フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム及びテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン及び2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、フタラジン類とフタル酸類の組合せが特に好ましい。
前記フタラジン類の添加量は、前記有機銀塩1モル当り0.01〜0.3モルが好ましく、0.02〜0.2モルがより好ましく、0.02〜0.1モルが更に好ましい。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層に用いることのできる可塑剤及び潤滑剤については、特開平11−65021号公報(段落番号0117)、超硬調画像形成のための超硬調化剤やその添加方法や量については、特開平11−65021号公報(段落番号0118)、特開平11−223898号公報(段落番号0136〜0193)、特開2000−284399号公報の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、硬調化促進剤については特開平11−65021号公報(段落番号0102)、特開平11−223898号公報(段落番号0194〜0195)、などに記載されている。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層において、前記超硬調化剤を用いる場合には、五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩を併用して用いることが好ましい。前記五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、例えば、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、オルトリン酸又はその塩、ヘキサメタリン酸又はその塩、などが挙げられる。具体的には、オルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
前記五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩の使用量(感光材料1mあたりの塗布量)は、カブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/mが好ましく、0.5〜100mg/mがより好ましい。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層には、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましい。該マット剤は、一般に水に不溶性の有機又は無機化合物の微粒子である。マット剤としては任意のものを使用でき、例えば、米国特許第1939213号明細書、米国特許第2701245号明細書、米国特許第2322037号明細書、米国特許第3262782号明細書、米国特許第3539344号明細書、米国特許第3767448号明細書等に記載の有機マット剤;米国特許第1260772号明細書、米国特許第2192241号明細書、米国特許第3257206号明細書、米国特許第3370951号明細書、米国特許第3523022号明細書、米国特許第3769020号明細書に記載の無機マット剤など当業界で良く知られたものを用いることができる。
前記マット剤として用いることのできる有機化合物しては、水分散性ビニル重合体、セルロース誘導体、澱粉誘導体、などが挙げられる。また、公知の硬化剤で硬化したゼラチン及びコアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなど好ましく用いることができる。前記水分散性ビニル重合体としては、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、などが挙げられる。前記セルロース誘導体としては、メチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。前記澱粉誘導体としては、カルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素-ホルムアルデヒド-澱粉反応物などが挙げられる。
前記マット剤として用いることのできる無機化合物としては、例えば、二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土、などが好適に用いることができる。
前記マット剤は、必要に応じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。マット剤の大きさ、形状に特に限定はなく、任意の粒径のものを用いることができる。本発明の実施に際しては0.1〜30μmの粒径のものを用いるのが好ましい。また、マット剤の粒径分布は狭くても広くても良い。一方、前記マット剤は感材のヘイズ、表面光沢に大きく影響することから、マット剤作製時あるいは複数のマット剤の混合により、粒径、形状及び粒径分布を必要に応じた状態にすることが好ましい。
前記マット剤は、ガス検出用材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる表面保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
前記マット剤の前記ガス検出用材料1m当たりの塗布量は、1〜400mg/mが好ましく、5〜300mg/mがより好ましい。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層には、塗布性、帯電改良などを目的として界面活性剤を用いても良い。該界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素系などいかなるものも適宜用いられる。具体的には、特開昭62−170950号公報、米国特許5380644号明細書等に記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945号公報、特開昭63−188135号公報などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許3885965号明細書等に記載のポリシロキ酸系界面活性剤、特開平6−301140号公報などに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
前記第一形態に係るガス検出用材料、又は前記ガス検出層には、更に必要に応じて、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤を添加してもよい。これら各種添加剤については、国際公開第98/36322号パンフレット、欧州特許公開第803764A1号公報、特開平10−186567号公報、特開平10−18568号公報、等を参考にすることができる。
本発明のガス検出用材料は、成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70〜90℃、加熱時間が2〜10秒の範囲である。前記加熱処理の方法は、特開2002−107872号公報に記載されている。
本発明の第二形態に係るガス検出用材料は、支持体と、該支持体上に非感光性有機銀塩を少なくとも含むガス検出層を有し、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、表面保護層、バック層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記ガス検出層は、支持体上に一層又はそれ以上の層で構成され、上述したように、非感光性有機銀塩、熱現像剤及びバインダーを含み、更に必要により色調剤、被覆助剤及び他の補助剤などのその他の成分を含有してなる。
−支持体−
前記支持体としては、布支持体、紙支持体、プラスチックフイルム支持体、などが好適である。なお、該支持体は透明であっても不透明であってもよいが、透明が好ましい。
前記プラスチックフイルム支持体としては、ポリエステルフィルム、下塗りポリエステルフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、硝酸セルロースフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリカーボネートフィルム、などが挙げられ、これらの中でも、二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
前記支持体としては、特開平11−84574号公報の水溶性ポリエステル、特開平10−186565号公報のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号公報の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。また、帯電防止層若しくは下塗りについて特開昭56−143430号公報、特開昭56−143431号公報、特開昭58−62646号公報、特開昭56−120519号公報、特開平11−84573号公報(段落番号0040〜0051)、米国特許第5575957号明細書、特開平11−223898号公報(段落番号0078〜0084)に記載の技術を適用することができる。
−表面保護層−
前記表面保護層は、前記ガス検出層の付着防止などの目的で設けることができる。該表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
前記表面保護層のバインダーとしては、特に制限はなく、いかなるポリマーでもよいが、カルボン酸残基を有するポリマーを5〜100mg/m含むことが好ましい。前記ポリマーのカルボキシ残基の含有量は、前記ポリマー100g当たり1.4〜10mmolが好ましい。また、カルボン酸残基は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、有機カチオンなどと塩を形成してもよい。
前記カルボキシル残基を有するポリマーとしては、例えば、天然高分子(ゼラチン、アルギン酸など)、変成天然高分子(カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチンなど)、合成高分子(ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアルキルメタクリレート/アクリレート共重合体、ポリスチレン/ポリメタクリレート共重合体など)、などが挙げられる。これらの中でも、ゼラチンが好ましいが、ポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。該ゼラチンとしては、イナートゼラチン(例えば、新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば、新田ゼラチン801)など使用することができる。
前記ポリビニルアルコール(PVA)としては、特開2000−171936号公報(段落番号0009〜0020)に記載のものが挙げられ、例えば、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205、PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、株式会社クラレ製の商品名)などが好適である。
前記表面保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m当たり)としては、0.3〜4.0g/mが好ましく、0.3〜2.0g/mがより好ましい。
前記表面保護層は、付着防止剤を含むことが好ましい。該付着防止剤としては、例えば、ワックス、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロックコポリマー(例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン)、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、又はこれらの混合物などが挙げられる。また、前記表面保護層には、架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
特に寸法変化が問題となる用途に本発明のガス検出用材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては、「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行、1978)」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行、(1993))、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行、(1970))などにも記載されている。
具体的には、メチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(50質量%)のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
更に、表面保護層用のバインダーとしては、特開2000−267226号公報に記載のポリマーラテックスの組み合わせ、特開2000−019678号公報に記載の技術を適用してもよい。
前記表面保護層のポリマーラテックスの比率は、全バインダーの10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。前記表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m当たり)としては0.3〜5.0g/mが好ましく、0.3〜2.0g/mがより好ましい。
前記第二形態のガス検出用材料の調製温度は30〜65℃が好ましく、35〜60℃がより好ましく、35〜55℃が更に好ましい。また、ポリマーラテックス添加直後のガス検出用材料塗布液の温度が30〜65℃で維持されることが好ましい。
前記バック層には、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。該着色剤としては、特開昭62−210458号公報、特開昭63−104046号公報、特開昭63−103235号公報、特開昭63−208846号公報、特開昭63−306436号公報、特開昭63−314535号公報、特開平01−61745号公報、特開2001−100363号公報、などに記載されている。
前記着色剤は、通常、0.1〜1g/mの範囲で添加されることが好ましい。
−粘着剤層−
前記粘着剤層は、前記ガス検出層を設ける側又はガス検出層を設けない側のいずれの側に形成しても構わないが、検出感度の点でガス検出層を設ける側に設置するのが好ましい。
前記粘着剤層は、特に制限はなく、いかなる方法で形成しても構わないが、前記支持体と剥離用支持体の間に粘着剤層と剥離剤層が挟み込まれる態様が好ましい。この場合、前記粘着剤層はガス検出用材料シート側に設置され、設置面はガス検出用材料塗布面もしくは背面のいずれの側でも構わない。測定にあたっては、粘着剤層付ガス検出用材料から剥離剤層の塗布された剥離用支持体を剥がし取り、被検査試料に粘着剤層を介してガス検出用材料シートを密着張り合わせし、測定終了後、ガス検出用材料シートを基体より剥がし取り、熱現像する。粘着剤層が現像処理操作に不都合を与える場合には、剥がし取った粘着剤層付シートをもう一度別の支持体と張り合わせた後、熱現像することも可能である。
前記剥離剤層の塗布された剥離用支持体としては、市販品を用いることができるが、目的によっては支持体上に、剥離剤を塗布して作成することができる。該剥離剤としては、動摩擦係数が0.20〜0.50の範囲のものが好ましく、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系、高級脂肪酸系、石鹸、ワックス、動植物油、等の公知の剥離剤を使用できる。離型シート業界の公知のシリコン樹脂も用いられるが、前記剥離剤としては、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製のSD−7239、BY24−162、LTC−300B、LTC−350A、BY14−403、BY14−405、BY14−407、BY14−413、BY14−414、BY−14−411、BY14−420;信越化学工業株式会社製のKS−845、KS−770、KNS−202A、KNS−305、KNS−316、KNS−319、KNS−320、X−62−1232、X−62−1233等が挙げられる。
なお、前記剥離剤の塗布量は0.4〜2.0g/mが好ましく、0.6〜1.3g/mがより好ましい。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、粘着剤業界で公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン-酢酸ビニル樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、合成ゴム系樹脂、天然ゴム系樹脂、等挙げられる。
前記粘着剤としては、市販品を用いることができ、例えば、東洋インキ製造株式会社製のBPS−3233D、BPS−8170、BPS−3841、BPS−5215、BPS−1109、BPS−4849、BPS−5569K;綜研化学株式会社製のSK−1717、SK−1233、SK−1435、SK−1473H、SK−1633H;日本合成化学株式会社製のコーポニール2233、コーポニール3816、コーポニール5859B、等が挙げられる。また、特開平4−298586号公報、特開平3−6277号公報に記載されているアクリル系ラテックスも用いることができる。
前記粘着剤としては、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、又はホットメルト型粘着剤タイプ等がある。塗布装置としては、コンマコーター、リバースロールコーター、エアーナイフコーター、ナイフコーター、又はダイコーター等が使用できる。
前記粘着剤層用塗布液の塗布量は5〜40g/mが好ましく、裁断のし易さ、使用後の粘着力の安定性から10〜30g/mが特に好ましい。
前記粘着剤としては、高透明度で適度な粘着力を有するものが使用できる。該粘着剤が塗布加工工程の断裁刃等に付着しないこと、あるいは測定実験の際に被検査試料に十分接着する粘着力を有すること等が要求される。このような要求に対して、支持体(例えば、ポリエステルフィルム)に塗設された粘着剤層が、アルコールの如き脱脂肪溶剤で表面を清浄にした平坦なステンレス板に対し、JIS Z1538に準ずる粘着力として300〜2000g/25mm幅を有することにより上記要求を満足する。
ここで、前記粘着剤の接着力は、別途用意した厚さ100μmの市販ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に上記粘着剤を15g/mの塗布量になるように塗設し乾燥した後、25mm×500mm(塗布部分25mm×250mm)の大きさに裁断し、23℃−55%RHの条件下で、アルコールで清浄した25mm×500mmの大きさの平坦なステンレス板に粘着剤面に接着し、粘着剤層のない部分同士が相向かいになるように合わせ、荷重2kgfのローラで3往復転がし圧着して貼り付け、24時間後、JIS Z1538に準じて、23℃−55%RHの条件下でステンレス板の粘着剤が接着されていない一端をインストロン引っ張り試験機のクランプで固定する。一方、ポリエチレンテレフタレートフィルムの粘着剤が塗布されていない一端を下方に垂らし、その末端を下側のクランプに挟み、ポリエチレンテレフタレートフィルムを180°の方向にインストロン型引張り試験機で300mm/分の速度で引っ張り剥がした時の荷重を測定することにより求めることができる。
前記ガス検出層、前記表面保護層、前記バック層などには硬膜剤を添加しても良い。該硬膜剤としては、例えば、T.H.James著“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co.,Inc.1977年刊)77頁〜87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド)の他、T.H.James著“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)78頁などに記載の多価金属イオン、米国特許第4281060号明細書、特開平6−208193号公報などのポリイソシアネート類、米国特許第4791042号明細書等に記載のエポキシ化合物類、特開昭62−89048号公報などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
前記硬膜剤は、溶液として添加され、この溶液の表面保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前〜直前、好ましくは60分前〜10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社発行、1989年)の第8章などに記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
本発明の第二形態に係るガス検出用材料は、帯電防止層、導電性層、蒸着金属層、更には、米国特許第2861056号明細書及び同第3206312号明細書に記載のようなイオン性ポリマー、米国特許第3428451号明細書に記載の不溶性無機塩などを含む層などを有してもよい。
本発明の第二形態に係るガス検出用材料の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、又は米国特許第2681294号明細書に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著“LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁〜536頁記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。
前記スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状としては、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著“LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)同書427頁のFigure11b.1に記載されている。また、所望により同書399頁〜536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号明細書、及び英国特許第837,095号公報に記載の方法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。
本発明のガス検出用材料は、熱現像処理前の膜面pHは7.0以下が好ましく、6.6以下がより好ましく、4〜6.2が特に好ましい。前記pHの下限は特に制限はないが、3程度である。
前記膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号公報(段落番号0123)に記載されている。
本発明の第二形態に係るガス検出用材料は、生保存時の性能の変動を押さえるため、又はカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び水分透過率の少なくともいずれか低い包装材料で包装することが好ましい。該酸素透過率及び水分透過率の少なくともいずれか低い包装材料としては、例えば、特開平8−254793号公報、特開2000−206653号公報に記載されている包装材料、などが好適に用いられる。
なお、以上説明した以外にも、本発明のガス検出用材料に用いることのできる技術としては、例えば、欧州特許公開第803764A1号公報、欧州特許公開第883022A1号公報、国際公開第98/36322号パンフレット、特開昭56−62648号公報、特開昭58−62644号公報、特開平9−43766号公報、特開平9−281637号公報、特開平9−297367号公報、特開平9−304869号公報、特開平9−311405号公報、特開平9−329865号公報、特開平10−10669号公報、特開平10−62899号公報、特開平10−69023号公報、特開平10−186568号公報、特開平10−90823号公報、特開平10−171063号公報、特開平10−186565号公報、特開平10−186567号公報、特開平10−186569号公報〜特開平10−186572号公報、特開平10−197974号公報、特開平10−197982号公報、特開平10−197983号公報、特開平10−197985号公報〜特開平10−197987号公報、特開平10−207001号公報、特開平10−207004号公報、特開平10−221807号公報、特開平10−282601号公報、特開平10−288823号公報、特開平10−288824号公報、特開平10−307365号公報、特開平10−312038号公報、特開平10−339934号公報、特開平11−7100号公報、特開平11−15105号公報、特開平11−24200号公報、特開平11−24201号公報、特開平11−30832号公報、特開平11−84574号公報、特開平11−65021号公報、特開平11−109547号公報、特開平11−125880号公報、特開平11−129629号公報、特開平11−133536号公報、特開平11−133537号公報、特開平11−133538号公報、特開平11−133539号公報、特開平11−133542号公報、特開平11−133543号公報、特開平11−223898号公報、特開平11−352627号公報、特開平11−305377号公報、特開平11−305378号公報、特開平11−305384号公報、特開平11−305380号公報、特開平11−316435号公報、特開平11−327076号公報、特開平11−338096号公報、特開平11−338098号公報、特開平11−338099号公報、特開平11−343420号公報、特開2000−187298号公報、特開2000−10229号公報、特開2000−47345号公報、特開2000−206642号公報、特開2000−98530号公報、特開2000−98531号公報、特開2000−112059号公報、特開2000−112060号公報、特開2000−112104号公報、特開2000−112064号公報、特開2000−171936号公報、などが挙げられる。
(ガス検査方法)
本発明のガス検査方法は、付着工程と、熱現像工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−付着工程−
前記付着工程は、本発明の前記ガス検出用材料を被検査対象物表面に付着させる工程である。
前記非感光性有機銀塩を少なくとも含むゲル状のガス検出用材料を被検査対象物表面に塗布する態様が好ましい。
前記支持体上に非感光性有機銀塩を少なくとも含むガス検出層と、粘着剤層とをこの順に有するガス検出用材料を用い、該ガス検出用材料を前記粘着剤層を介して被検査対象物表面に貼着する態様が好ましい。
本発明においては、有機銀塩水分散液とバインダーを混合してガス検出用材料を製造することが可能である。混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上のバインダーを混合することは、好ましく用いられる方法である。
本発明においては、非感光性熱現像液をそのまま直に被検査対象物に塗布して、乾燥後これを剥がして熱現像処理することも、支持体上に非感光性熱現像液を塗布してシート状塗布物を作製し、これを被検査基体に密着させるように張り合わせて測定後、このシート状塗布物を熱現像処理することも可能である。
前記シート状塗布物として使用する場合、シート状塗布物が粘着剤層を有し、被検査対象物に粘着剤層を介して密着処理させる検査方法がより好ましい。シート状塗布物として使用した場合には、検査に要する時間が少なくて済むだけでなく、検査操作が簡易であるために熟練を必要としない。更に、非感光性熱現像液の塗布量が一定になるために、検査の精度、再現性が向上する。後者の場合、有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/mが好ましく、1〜3g/mがより好ましく、1.2〜2.5g/mが更に好ましい。後者の場合、有機銀塩の現像量を測定することにより、定量的な測定が可能となる。
前記ガス検出用材料における被検査対象物は、金属材料の構造物が好適である。
前記金属材料としては、鉄鋼、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル、ステンレス鋼及びこれらの合金並びに金属間化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記構造物としては、例えば、構造材料、ガス貯蔵容器、燃料電池、建設材料、原子力設備、配管、ボルト及びナット、車両、ポンプ、バルブ、バーナー、インゴット、圧延材、押出材、補強材、などが挙げられる。
−熱現像工程−
前記熱現像工程は、前記ガス検出用材料を熱現像処理する工程である。
前記熱現像処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、被検査基体に被曝した後、前記ガス検出用材料を昇温して現像される。該現像温度としては、80〜250℃が好ましく、100〜140℃がより好ましく、110〜130℃が更に好ましく、115〜130℃が特に好ましい。現像時間としては、1〜60秒が好ましく、5〜30秒がより好ましく、10〜20秒が更に好ましい。
前記熱現像の方式としては、プレートヒータ方式が好ましい。該プレートヒータ方式としては、特開平11−133572号公報に記載の方法が好ましく、現像核を形成したガス検出用材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒータからなり、かつ前記プレートヒータの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒータとの間に前記ガス検出用材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。
前記プレートヒータを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。このような方法は特開昭54−30032号公報にも記載されており、ガス検出用材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができる。また、急激にガス検出用材料が加熱されることでのガス検出用材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
本発明のガス検出用材料を用いたガス検査方法によれば、銀画像による黒白画像を形成し、銀画像形成位置から水素ガス漏洩個所を特定し得、銀画像濃度又は銀画像形成量から水素ガス量を定量化することもできる。
以下、実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<ガス検出用材料−1の調製>
−PET支持体の作製−
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従って、固有粘度(IV)=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のポリエチレンテレフタレート(PET)を合成した。得られたPETをペレット化した後、130℃にて4時間乾燥し、300℃で溶融した後、T型ダイから押し出して急冷し、熱固定した後の膜厚が25μmの未延伸フィルムを作製した。
得られた未延伸フィルムを、周速の異なるロールを用いて110℃で3.3倍に縦延伸し、次いで130℃のテンターで4.5倍に横延伸した。その後、240℃にて20秒間熱固定した後、240℃で横方向に4%緩和した。次いで、テンターのチャック部をスリットした後、両端にナール加工を行い、4kgf/cmで巻き取り、厚み25μmのロールを作製した。
得られた厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)支持体の両面それぞれに、ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデル(ピラー社製)を用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。コロナ放電処理の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは1.6mmであった。
なお、電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/mのコロナ放電処理されていることがわかった。
次に、前記コロナ放電処理を施した支持体の片面(ガス検出層側面)に、ペスレジンA−520(30質量%溶液、高松油脂株式会社製)59g、ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル(平均エチレンオキシド数=8.5、10質量%溶液)5.4g、ポリマー微粒子(MP−1000、綜研化学株式会社製、平均粒径0.4μm)0.91g、及び蒸留水935mLからなる下塗り塗布液をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m(片面当たり)になるように塗布し、180℃にて5分間乾燥し、おもて面下塗り層を形成した。
次に、前記PET支持体の裏面(バック面)に、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32)158g、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩の8質量%水溶液20g、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液10mL、及び蒸留水854mLからなるバック面側第1層用塗布液をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/mになるように塗布し、180℃にて5分間乾燥し、バック面側第1層を形成した。
得られたバック面側第1層上に、SnO/SbO(9/1(質量比)、平均粒径0.038μm、17質量%分散物)84g、ゼラチン(10質量%水溶液)89.2g、メトローズTC−5(2質量%水溶液、信越化学工業株式会社製)8.6g、ポリマー微粒子(MP−1000、綜研化学株式会社製、平均粒径0.4μm)0.01g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液10mL、NaOH(1質量%)6mL、プロキセル(ICI社製)1mL、及び蒸留水805mLからなるバック面側第2層用塗布液をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/mになるように塗布し、180℃で6分間乾燥して、バック面側第2層を形成した。
以上によりPET支持体を作製した。
−脂肪酸銀(有機銀塩)分散物の調製−
ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R、ヘンケル社製)87.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、及びtert−ブタノール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させて、ベヘン酸ナトリウム溶液を調製した。
別途、硝酸銀40.4kgを含む水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。
次に、蒸留水635L、及びtert−ブタノール30Lを収容した反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら前記ベヘン酸ナトリウム溶液の全量と、前記硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液を添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにした。その後、ベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。
このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させることにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調整した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、反応液に接触しないような高さに調節した。
次に、ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗して脂肪酸銀塩を調製した。得られた脂肪酸銀塩の固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった(ただし、a、b、cは上記と同じ意味を表す)。
次に、得られた乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217、株式会社クラレ製)19.3kg、及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、次いで、パイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
次に、予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1260kgf/cmに調節して、3回処理した。なお、冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
以上により、脂肪酸銀分散物を調製した。
−還元剤錯体分散物の調製−
下記構造式で示す「還元剤錯体−1」(2,2'−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)とトリフェニルホスフィンオキシドの1:1錯体)10kg、トリフェニルホスフィンオキシド0.12kg、及び変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水7.2kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス株式会社製)にて4時間30分間分散した後、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。以上により、還元剤錯体分散物を調製した。
得られた還元剤錯体分散物に含まれる還元剤錯体粒子はメジアン径0.46μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤錯体分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
Figure 2005227268
−ポリハロゲン化合物−1分散物の調製−
下記構造式で表される「ポリハロゲン化合物−1」(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kg、変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、ポバールMP203)の20質量%水溶液10kg、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kg、及び水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス株式会社製)にて5時間分散した後、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製した。以上により、ポリハロゲン化合物−1分散物を調製した。
得られたポリハロゲン化合物−1分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
Figure 2005227268
−ポリハロゲン化合物−2分散物の調製−
下記構造式で表される「ポリハロゲン化合物−2」(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンズアミド)10kg、変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kg、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kg、及び水8kgを添加し、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2、アイメックス株式会社製)にて5時間分散した後、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃にて5時間加温した。以上により、ポリハロゲン化合物−2分散物を調製した。
得られたポリハロゲン化合物−2分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
Figure 2005227268
−フタラジン化合物溶液の調製−
変性ポリビニルアルコールMP203(株式会社クラレ製)8kgを水174.57kgに溶解し、次いで、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kg、及び下記構造式で表されるフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加した。以上により、フタラジン化合物の5質量%溶液を調製した。
Figure 2005227268
−メルカプト化合物水溶液の調製−
下記構造式で表される「メルカプト化合物−1」(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、メルカプト化合物0.7質量%の水溶液とした。
Figure 2005227268
−SBRラテックス液の調製−
重合開始剤として過硫酸アンモニウム、乳化剤としてアニオン界面活性剤、スチレン70.5質量部、ブタジエン26.5質量部、及びアクリル酸3質量部を乳化重合させた後、80℃にて8時間エージングを行った。その後、40℃まで冷却し、アンモニア水によりpH7.0とし、次いで、サンデットBL(三洋化成工業株式会社製)を0.22%になるように添加した。次に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH8.3とし、アンモニア水を添加してpH8.4に調整した。このとき使用したNaイオンとNH4+イオンのモル比は1:2.3であった。この液1kg対してベンゾイソチアゾリンノンナトリウム塩7質量%水溶液を0.15ml添加した。以上により、SBRラテックス液を調製した。
得られたSBRラテックスは、ガラス転移温度(Tg)=23℃、平均粒径0.1μm、濃度43質量%、25℃−60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオン伝導度の測定は、伝導度計CM−30S(東亜電波工業株式会社製)を使用し、ラテックス原液(43質量%)を25℃にて測定)であった。
−ガス検出用材料塗布液−1の調製−
前記脂肪酸銀分散物1000g、水104ml、前記ポリハロゲン化合物−1分散物6.3g、前記ポリハロゲン化合物−2分散物20.7g、前記フタラジン化合物溶液173g、SBRラテックス(Tg=23℃)液1082g、前記還元剤錯体分散物258g、及び前記メルカプト化合物溶液9gを順次添加し、良く混合した。以上により、ガス検出用材料塗布液−1を調製した。
得られたガス検出用材料塗布液−1をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
―中間層塗布液の調製−
ポリビニルアルコール(PVA−205、株式会社クラレ製)の10質量%水溶液772g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液226gに、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液2ml、及びフタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液10.5mlを添加し、総量880gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整した。以上により、中間層塗布液を調製した。
得られた中間層塗布液を10ml/mになるようにコーティングダイへ送液した。中間層塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で65mPa・sであった。
−保護層第1層塗布液の調製−
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液80g、フタル酸の10質量%メタノール溶液23mL、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23mL、0.5mol/l濃度の硫酸28mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液5mL、フェノキシエタノール0.5g、及びベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて、保護層第1層塗布液を調製した。この塗布液に4質量%のクロムみょうばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合した塗布液を18.6ml/mになるようにコーティングダイへ送液した。
得られた保護層第1層塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20mPa・sであった。
−保護層第2層塗布液の調製−
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液102g、フッ素系界面活性剤(下記構造式で表されるF−1:N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N−プロピルアラニンカリウム塩)の5質量%溶液3.2mL、フッ素系界面活性剤(下記構造式で表されるF−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチル)エーテル[エチレンオキシド平均重合度=15])の2質量%水溶液32mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%溶液23mL、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21g、4−メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44ml、及びベンゾイソチアゾリノン10mlに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合し、保護層第2層塗布液を調製した。この塗布液を8.3ml/mになるようにコーティングダイへ送液した。
得られた塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、0rpm)で19mPa・sであった。
Figure 2005227268
Figure 2005227268
−「ガス検出用材料シート−1」の作製−
前記PET支持体のバック面側に、ゼラチン塗布量が1.7g/mとなるように塗布し、乾燥し、バック層を形成した。
次に、前記支持体のバック面と反対の面に下塗り面からガス検出層、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布した。
このとき、ガス検出層と中間層は35℃に温度調整し、保護層第1層は36℃に温度調整し、保護層第2層は37℃に温度調整した。
前記塗布乾燥条件は以下のとおりである。塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。引き続き、チリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風により塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。乾燥後、25℃−40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
以上により、「ガス検出用材料シート−1」を作製した。
なお、作製した「ガス検出用材料シート−1」におけるガス検出層の各化合物の塗布量は以下の通りである。
ベヘン酸銀=6.19g/m
ポリハロゲン化合物−1=0.04g/m
ポリハロゲン化合物−2=0.12g/m
フタラジン化合物−1=0.21g/m
SBRラテックス=11.1g/m
還元剤錯体−1=1.54g/m
メルカプト化合物−1=0.002g/m
(製造例2)
−「ガス検出用材料シート−2」の作製−
ポリエチレンテレフタレート透明支持体上に、SD−7239(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を乾燥質量1.0g/mになるようにグラビアコーターで塗布、乾燥して巻き取り、剥離層を設け、剥離用支持体を作製した。
次に、この剥離用支持体の剥離層上に粘着剤(東洋インキ製造株式会社製、BPS−5569K)を乾燥質量で20g/mとなるようにコンマコーターで塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した。
次に、前記ガス検出用材料シート−1の塗布面と前記剥離用支持体の粘着剤層塗布面をラミネーターを通して張り合わせた後、巻き取った。以上により、「ガス検出用材料シート−2」を作製した。
なお、「ガス検出用材料シート−2」の塗布面に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けた後、剥離用支持体とラミネーターを通して張り合わせた後、巻取る方式を採用しても構わない。
得られた「ガス検出用材料シート−1」及び「ガス検出用材料シート−2」は、適当なサイズに切断し、25℃−50%の環境下、PET(10μm)/PE(12μm)/アルミニウム箔(9μm)/Ny(15μm))/カーボン3%を含むポリエチレン(50μm)の構造を有する包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下のようにして評価を行った。
−被検査試料の作製−
下記のようにして被検査試料を作製した。具体的には、1気圧の水素ガスを貯留した筒状水素ガスボンベを用意し、該ガスボンベをインストロン型の引張試験機を用いて室温大気中で低ひずみ速度を10−4〜10−7−1の範囲で変化させて引張変形を与えた。同様にして全く同種の変形を与えた筒状水素ガスボンベ5本を準備した。該筒状水素ガスボンベの表面は予め、湿式研磨し、バフ研磨を行って鏡面とした。
(比較例1)
−水素マイクロマイクロプリント(HMPT)法による実験−
明室において以下の実験を行った。具体的には、ゲル状の写真用原子核乳剤(イルフォード(ILford)社製、L4)を温水約40℃で溶融した後、同温度の純水で7倍に希釈し、ワイヤーループ法を用いて前記水素ガスボンベの変形部表面を覆うように塗布した。24時間放置後、ホルムアルデヒド溶液にボンベを浸漬しゼラチン硬膜処理を行った。定着処理としてチオ硫酸ソーダ水溶液(15質量%)に3分間浸漬した。定着処理後、表面を純水にて洗浄した後、ブロアー乾燥した。その後、変形部表面から10cm角の乳剤膜を剥がし取り、光学顕微鏡(300倍)観察により現像銀粒子数を測定した。光学顕微鏡像から、変形によって生じたすべり線に沿ってかなり不連続ではあるが還元銀粒子のごく微細な配列が認められた。
(比較例2)
−水素マイクロマイクロプリント(HMPT)法による実験−
比較例1において、明室の代わりに赤色セーフライト下で実験を行った以外は、比較例1と同様にして実験を行った。
水素ガスボンベの変形部表面から10cm角の乳剤膜を剥がし取り、光学顕微鏡観察(300倍)により現像銀粒子数を測定した。光学顕微鏡像から、変形によって生じたすべり線に沿ってかなり不連続ではあるが還元銀粒子のごく微細な配列が認められた。
(実施例1)
−「ガス検出用材料塗布液−1」を用いた明室での実験−
明室において以下の実験を行った。具体的には、ゲル状の前記「ガス検出用材料塗布液−1」を約35℃に保温し、ワイヤーループ法を用いて前記水素ガスボンベの変形部表面を覆うように塗布した。24時間放置後、ブロアー乾燥した。水素ガスボンベの変形部表面から10cm角の塗膜を剥がし取り、120℃に加熱したプレートヒータ上に15秒間密着させて、熱現像処理を行った。
熱現像処理した塗膜について光学顕微鏡観察(300倍)により現像銀粒子数を測定した。光学顕微鏡像から、変形によって生じたすべり線に沿って鮮明な黒色の還元銀(現像銀)粒子の配列が認められた。
(実施例2)
−「ガス検出用材料シート−1」を用いた明室での実験−
明室において以下の実験を行った。具体的には、10cm角に裁断した前記「ガス検出用材料シート−1」を前記水素ガスボンベの変形部表面を覆うように密着貼り付けした。24時間放置後、ガス検出用材料シートを剥がし取り、120℃に加熱したプレートヒータ上に15秒間密着させて、熱現像処理を行った。
熱現像処理したガス検出用材料シートについて光学顕微鏡観察(300倍)で現像銀粒子数を測定した。光学顕微鏡像から、変形によって生じたすべり線に沿って鮮明な黒色の還元銀(現像銀)粒子の配列が認められた。
(実施例3)
−「ガス検出用材料シート−1」を用いた暗室での実験−
実施例2において、明室の代わりに赤色セーフライト下で実験を行った以外は、実施例2と同様にして実験を行った。
熱現像処理したガス検出用材料シートについて光学顕微鏡観察(300倍)で現像銀粒子数を測定した。光学顕微鏡像から、変形によって生じたすべり線に沿って鮮明な黒色の還元銀(現像銀)粒子の配列が認められた。
(実施例4)
−「ガス検出用材料シート−2」を用いた明室での実験−
実施例2において、前記「ガス検出用材料シート−1」を前記「ガス検出用材料シート−2」に変えた以外は、実施例2と同様にして実験を行った。具体的には、明室において「ガス検出用材料シート−2」から剥離用支持体を剥がした後、前記水素ガスボンベの変形部表面を覆うように粘着剤を介して密着貼り付けした。24時間放置後、ガス検出用材料シートを剥がし取り、別途用意しておいたポリエチレンテレフタレート(PET)透明支持体と張り合わせて、測定済み試料を作製した。次いで、この試料を120℃に加熱したプレートヒータ上に15秒間密着させて、熱現像処理を行った。
熱現像処理した試料について光学顕微鏡観察(300倍)で現像銀粒子数を測定した。光学顕微鏡像から、変形によって生じたすべり線に沿って鮮明な黒色の還元銀(現像銀)粒子の配列が認められた。
(実施例5)
−「ガス検出用材料シート−2」を用いた暗室での実験−
実施例3において、前記「ガス検出用材料シート−1」を前記「ガス検出用材料シート−2」に変えた以外は、実施例3と同様にして実験を行った。即ち、赤色セーフライト下で「ガス検出用材料シート−2」から剥離用支持体を剥がした後、前記水素ガスボンベの変形部表面を覆うように粘着剤を介して密着貼り付けした。24時間放置後、ガス検出用材料シートを剥がし取り、別に用意しておいたポリエチレンテレフタレート(PET)透明支持体と張り合わせて、測定済み試料を作製した。次いで、この試料を120℃に加熱したプレートヒータ上に15秒間密着させて、熱現像処理を行った。
熱現像処理した試料について光学顕微鏡観察(300倍)で現像銀粒子数を測定した。光学顕微鏡像から、変形によって生じたすべり線に沿って鮮明な黒色の還元銀(現像銀)粒子の配列が認められた。
<実験の迅速性の評価>
前記比較例1〜2及び実施例1〜5の各実験の迅速性について、総実験時間から24時間放置時間を差し引いた実作業時間で評価した。結果を表1に示す。
<熟練に要する実験回数の評価>
前記比較例1〜2及び実施例1〜5の各実験の簡易さについて、熟練に要する実験回数で評価した。結果を表1に示す。
<実験精度の評価>
前記比較例1〜2及び実施例1〜5の各実験の精度(再現性)について、各々実験を100回繰り返し、測定された現像銀粒子数の変動係数CV(%)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2005227268
表1の結果から、実施例1〜5では、明室で実験しても実験の繰り返し再現性に問題がない、高精度な実験結果が得られた。また、実施例1〜5では、短時間で実験可能であり、特に、ガス検出用材料シートを使用した実施例2〜5では、極めて短時間に実験可能なことがわかる。また、煩雑な現像処理が不要であることから、実施例1〜5では、実験作業に熟練を必要とせず、特に、ガス検出用材料シートを用いて明室で実験した実施例2及び4では、単純な作業を明るい場所で行うため、殆ど熟練を必要としないことがわかる。また、実施例4及び5では、粘着剤層を有する「ガス検出用材料シート−2」を用いたことにより、測定精度が上がり、測定作業が簡易迅速に行えることがわかる。更に、実施例4及び5では、測定結果である現像銀が支持体と支持体とに挟まれた状態となるので、測定結果の長期保存が可能であることが認められる。
これに対し、従来の水素マイクロプリント(HMPT)法による比較例1〜2では、作業時間が長くかかり、煩雑な現像処理を要することから熟練を要し、特に、明室で実験した場合に再現性が劣ることが認められる。
<濃度の測定>
前記比較例1〜2及び実施例1〜5の各実験で得られたサンプルについて、変形によって生じたすべり線部分と垂直な方向でミクロデンシトメータによるスキャン測定(アパーチャサイズ:直径1mm)を実施した。スキャン数は10回であり、その最大濃度(ODmax)の平均値を求めた。
また、同時にマクベス濃度計RD910型(アパーチャサイズ:直径3mm)を用いて、変形部分の可視域濃度(OD)測定を実施した。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2005227268
表2の結果から、比較例1及び2では、通常用いられている濃度測定器であるミクロデンシト、及び簡便な測定であるマクベス濃度計では濃度の測定は不能であった。
これに対し、実施例1〜5では、両方法ともに濃度測定が可能であり、より簡便、かつ迅速な計測ができることが認められる。また、実施例1〜5の変動係数の結果が表1の銀粒子の個数を数える方法の変動係数の結果よりも小さいことから、濃度測定と組み合わせることで、再現性及び定量性に優れたガス検知シートとして使用可能であることが認められる。
本発明のガス検出用材料は、各種被検査対象物の表面から漏洩乃至放出される水素ガス及び含硫黄ガスの検出に好適に用いられる。
また、本発明のガス検査方法は、鉄鋼、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル、ステンレス鋼、及びこれらの合金並びに金属間化合物から選択される少なくとも1種の金属材料からなる構造材料、ガス貯蔵容器、建設材料、原子力設備、配管、ボルト及びナット、車両、ポンプ、バルブ、バーナー、インゴット、圧延材、押出材、補強材、などにおけるガスの漏洩乃至放出を迅速かつ簡便に検査することができる。
図1は、従来の水素マイクロプリント法の原理を説明するための概略図である。 図2は、本発明のガス検出用材料を用いたガス検査方法の原理を説明するための概略図である。
符号の説明
1 臭化銀(AgBr)
3、3’ 銀原子
5 写真乳剤層
10 被検査材料
11、11’、11” 非感光性有機銀塩
14 熱現像剤
15 ガス検出用材料

Claims (17)

  1. 少なくとも非感光性有機銀塩を含有することを特徴とするガス検出用材料。
  2. 熱現像剤及びバインダーの少なくともいずれかを含有する請求項1に記載のガス検出用材料。
  3. ゲル状である請求項1から2のいずれかに記載のガス検出用材料。
  4. 支持体と、該支持体上に少なくとも非感光性有機銀塩を含有するガス検出層を有することを特徴とするガス検出用材料。
  5. ガス検出層が、熱現像剤及びバインダーの少なくともいずれかを含有する請求項4に記載のガス検出用材料。
  6. 粘着剤層を有する請求項4から5のいずれかに記載のガス検出用材料。
  7. 非感光性有機銀塩が、炭素数10〜30の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩である請求項1から6のいずれかに記載のガス検出用材料。
  8. 非感光性有機銀塩の含有量が、銀量として0.1〜5g/mである請求項1から7のいずれかに記載のガス検出用材料。
  9. 被検査対象物に付着させて該被検査対象物から漏洩乃至放出されるガスの検出に用いられる請求項1から8のいずれかに記載のガス検出用材料。
  10. ガスが、水素ガス及び含硫黄ガスのいずれかである請求項9に記載のガス検出用材料。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のガス検出用材料を被検査対象物表面に付着させる付着工程と、該ガス検出用材料を熱現像処理する熱現像工程とを含むことを特徴とするガス検査方法。
  12. 少なくとも非感光性有機銀塩を含むゲル状のガス検出用材料を被検査対象物表面に塗布する請求項11に記載のガス検査方法。
  13. 支持体と、少なくとも非感光性有機銀塩を含むガス検出層と、粘着剤層とをこの順に有するガス検出用材料を用い、該ガス検出用材料を前記粘着剤層を介して被検査対象物表面に貼着する請求項11に記載のガス検査方法。
  14. 熱現像処理が、80〜250℃で1〜60秒間行う請求項11から13のいずれかに記載のガス検査方法。
  15. 被検査対象物が、金属材料の構造物である請求項11から14のいずれかに記載のガス検査方法。
  16. 金属材料が、鉄鋼、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル、ステンレス鋼及びこれらの合金並びに金属間化合物から選択される少なくとも1種である請求項15に記載のガス検査方法。
  17. 構造物が、構造材料、ガス貯蔵容器、建設材料、原子力設備、燃料電池、配管、ボルト及びナット、車両、ポンプ、バルブ、バーナー、インゴット、圧延材、押出材並びに補強材から選択される少なくとも1種である請求項15から16のいずれかに記載のガス検査方法。
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