JP2003131337A - 熱現像感光材料、及び画像形成方法 - Google Patents

熱現像感光材料、及び画像形成方法

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JP2003131337A
JP2003131337A JP2001323237A JP2001323237A JP2003131337A JP 2003131337 A JP2003131337 A JP 2003131337A JP 2001323237 A JP2001323237 A JP 2001323237A JP 2001323237 A JP2001323237 A JP 2001323237A JP 2003131337 A JP2003131337 A JP 2003131337A
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Japan
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group
carbon atoms
atom
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chemical
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Application number
JP2001323237A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yoshioka
康弘 吉岡
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速性と安定した性能、さらに優れた冷黒調
の画像得ることができる熱現像感光材料、及び画像形成
方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
ゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを
含有する画像形成層を有する熱現像感光材料であって、
熱現像感光材料が、酸素透過率50ml/atm.
2.25℃.day以下及び水分透過率10g/at
m.m2.25℃.day以下の包装材料で包装され、
且つ前記還元剤が、下記一般式(R−1)または(R−
2)で表される化合物であることを特徴とする熱現像感
光材料である。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料、及
び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野において環境保全、省ス
ペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。
そこで、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・
イメージャーにより効率的に露光させることができ、高
解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成する
ことができる医療診断用および写真技術用途の光感光性
熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これ
ら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の
使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理
システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】一般画像形成材料の分野でも同様の要求は
あるが、医療用画像は微細な描写が要求されるため鮮鋭
性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断のし
易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴がある。現
在、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染
料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成
システムとして流通しているが、医療用画像の出力シス
テムとしては満足できるものがない。
【0004】一方、有機銀塩を利用した熱画像形成シス
テムが、例えば、米国特許3152904号、同345
7075号の各明細書およびB.シェリー(Shel
y)による「熱によって処理される銀システム(The
rmally Processed Silver S
ystems)」(イメージング・プロセッシーズ・ア
ンド・マテリアルズ(Imaging Process
es and Materials)Neblette
第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワ
ース(Walworth)、A.シェップ(Shep
p) 編集、第2頁、1996年)に記載されている。
特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒
(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、
有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、
バインダーのマトリックス中に分散した感光性層(画像
形成層)を有している。熱現像感光材料は、画像露光
後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀
あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還
元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成
する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の
潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀
画像は、露光領域に形成される。これらは、米国特許2
910377号、特公昭43−4924号をはじめとす
る多くの文献に開示され、そして熱現像感光材料による
医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイ
メージャーFM−DP Lが発売されている。
【0005】有機銀塩を利用した熱現像感光材料(熱画
像形成システム)により、迅速に安定して冷黒調の画像
ることができるようになった。また、この熱現像感光材
料の製造においては、溶剤塗布により製造する方法と、
主バインダーとしてポリマー微粒子を水分散として含有
する塗布液を塗布・乾燥して製造する方法がある。後者
の方法は溶剤の回収等の工程が不要なため製造設備が簡
単であり、かつ大量生産に有利である。
【0006】このような優位性を有する有機銀塩を利用
した熱現像感光材料であるが、上述のように、昨今の技
術要求では、医療用はもとより他の用途においても、さ
らなる改善が望まれているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明の目的は、迅速性と安定した性
能、さらに優れた冷黒調の画像得ることができる熱現像
感光材料、及び画像形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、<1> 支持体上
に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀、非感光性有機
銀塩、還元剤及びバインダーを含有する画像形成層を有
する熱現像感光材料であって、熱現像感光材料が、酸素
透過率50ml/atm.m2.25℃.day以下及
び水分透過率10g/atm.m2.25℃.day以
下の包装材料で包装され、且つ前記還元剤が、下記一般
式(R−1)で表される化合物であることを特徴とする
熱現像感光材料である。
【0009】
【化9】
【0010】(一般式(R−1)において、R11および
11'は、各々独立に炭素数3〜15の2級または3級
のアルキル基を表す。R12およびR12'は、各々独立に
炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1およびX
1'は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基を表す。L
は−S−基または−CHR13−基を表す(ここでR13
水素原子または炭素数1〜18の一級若しくは2級アル
キル基を表す)。)
【0011】<2>支持体上に少なくとも1層の感光性
ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダ
ーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料であっ
て、熱現像感光材料が、酸素透過率50ml/atm.
2.25℃.day以下及び水分透過率10g/at
m.m2.25℃.day以下の包装材料で包装され、
前記還元剤が、下記一般式(R−2)で表される化合物
であることを特徴とする熱現像感光材料である。
【0012】
【化10】
【0013】(一般式(R−2)において、R21、R
21'、R22およびR22'が各々独立に炭素数1〜18の一
級アルキル基を表す。X2およびX2'は、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基を表す。L'は−S−または−
CHR23−基を表す(ここで、R2 3は炭素数1〜18の
2級アルキル基を表す)。)
【0014】<2>前記画像形成層が、下記一般式
(D)で表される化合物を含有することを特徴とする前
記<1>又は<2>に記載の熱現像感光材料である。
【0015】
【化11】
【0016】(一般式(D)において、R21ないしR23
は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、
これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよ
い。)
【0017】<4>前記画像形成層が、下記一般式
(H)で表される化合物を含有することを特徴とする前
記<1>〜<3>のいずれかに記載の熱現像感光材料で
ある。
【0018】
【化12】
【0019】(一般式(H)において、Qはアルキル
基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連
結基を表し、nは0または1を表し、Z1およびZ2はハ
ロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子吸引性基を
表す。)
【0020】<5>前記画像形成層が、下記一般式
(1)、(2)、(3)及び(4)で表される化合物の
少なくとも一種を含有することを特徴とする前記<1>
〜<4>のいずれかに記載の熱現像感光材料である。
【0021】
【化13】
【0022】(一般式(1)において、Q1は、NHN
H−R1と結合する5〜7員の不飽和環を表し、R1はカ
ルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、スルホニル基又はスルファ
モイル基を表す。)
【0023】
【化14】
【0024】(一般式(2)において、R1a、R2a、R
3a、X1およびX2は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲ
ン原子;または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原
子もしくはリン原子でベンゼン環に結合する置換基を表
す。ただしX1、X2の少なくとも一方は、−NR45
表される基である。ここで、R4、R5はそれぞれ独立に
水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、ヘテロ環基、又は、−C(=O)−R、−
C(=O)−C(=O)−R、−SO2−R、−SO−
R、−P(=O)(R)2或いは−C(=NR’)−R
で表される基を表す。R、R’はそれぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基から選ばれる基であ
る。これらの置換基はそれぞれ隣接する基同士が結合し
て環を形成してもよい。
【0025】
【化15】
【0026】(一般式(3)において、X1bは置換基を
表し、X2b〜X4bはそれぞれ独立に水素原子または置換
基を表す。ただしX1b〜X4bはヒドロキシ基であること
はなく、X3bはスルホンアミド基であることはない。X
1b〜X4bで表される置換基は互いに結合して環を形成し
てもよい。R1bは水素原子、アルキル基、アリール基、
ヘテロ環基、アミノ基またはアルコキシ基を表す。)
【0027】
【化16】
【0028】(一般式(4)において、R1cはアルキル
基、アリール基、アルケニル基またはアルキニル基を表
し、X1cはアシル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表
す。Y1〜Y5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を
表す。)
【0029】<6>前記バインダーの平均ガラス転移温
度が、20℃以上であることを特徴とする前記<1>〜
<5>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
【0030】<7>前記<1>〜<6>記載の熱現像感
光材料を、3秒から25秒で熱現像することを特徴とす
る画像形成方法である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の熱現像感光材料(以下、単に「感材」と
いうことがある)は、支持体上に少なくとも1層の感光
性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバイン
ダーを含有する画像形成層を有し、還元剤として、下記
一般式(R−1)又は(R−2)で表される化合物を含
み、且つ熱現像感光材料自体が酸素透過率50ml/a
tm.m2.25℃.day以下及び水分透過率10g
/atm.m2.25℃.day以下の包装材料で包装
されてなることを特徴とする。このような特徴を有する
本発明の熱現像感光材料は、迅速性と安定した性能、さ
らに優れた冷黒調の画像得ることができる。特に医療用
として要求される迅速性と安定した性能、さらには診断
し易い冷黒調の画像を得ることができる。
【0032】包装材料について説明する。包装材料は、
迅速処理時の写真性能の変動を低減させる目的で、製造
されたの後の熱現像感光材料を包装するものであり、本
発明においては、上述のように、酸素透過率が50ml
/atm.m2.25℃.day以下であり、且つ水分
透過率が10g/atm.m2.25℃.day以下で
ある。酸素透過率は、50ml/atm.m2.25
℃.day以下であるが、好ましくは10ml/atm
・m2.25℃.day以下であり、さらに好ましくは
1.0ml/atm・m2.25℃.day以下であ
る。この酸化透過率が、50ml/atm.m2.25
℃.dayを超えると、感材の保存時の感度変動が大き
くなり好ましくない。特に、現像時間を短くしたときの
変動が大きくなってしまう。水分透過率は、10g/a
tm.m2.25℃.day以下であるが、好ましくは
5g/atm.m2.25℃.day以下、さらに好ま
しくは1g/atm.m2.25℃.day以下であ
る。この水分透過率が、10g/atm.m2.25
℃.dayを超えると、感材の保存時の感度および濃度
の変動が大きくなり好ましくない。特に、高湿条件で保
存したときの濃度変動が大きく、現像時間を短縮したと
きに顕著となる。ここで、酸素透過率は、JIS Z0
208の条件Bにより求められる値である。水分透過率
は、JIS K7129−1992の測定法による水蒸
気透過度であり、測定条件は、試験温度40℃、相対湿
度90%RHとする。
【0033】このような酸素透過率および/または水分
透過率の低い包装材料の具体例としては、例えば、特開
平8−254793号、特開2000−206653等
に記載されている包装材料が挙げられるが、以下、詳細
を説明する。
【0034】包装材料の素材としては、ポリエチレン系
樹脂、ナイロン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体系樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体系樹脂、セロハン系樹脂、ビニロン系樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。ポリプロピレン
系樹脂、ナイロン系樹脂等の樹脂は、延伸されていても
よく、更に塩化ビニリデン系樹脂をコートされていても
よい。また、ポリエチレン系樹脂は、低密度あるいは高
密度のものも用いることができる。エポキシ−リン酸系
樹脂(特開昭63−63037号に記載のポリマー、特
開昭57−32952号に記載のポリマー)の様な合成
樹脂素材や、パルプが挙げられる。
【0035】包装材料は、単一素材のものが好ましい
が、フィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層
接着するが、塗布層としてもよく、また単一層のもので
もよい。更には、例えば上記の合成樹脂フィルムの間に
アルミ箔又はアルミ蒸着合成樹脂を使用するなど、各種
ガスバリアー膜を用いるとより好ましい。これらの積層
膜又は単一層の膜厚の合計は、1〜3000μm、より
好ましくは10〜2000μm、更に好ましくは50〜
1000μmである。
【0036】包装材料の素材としては、上記挙げた高分
子材料の中でも、ポリエチレン(PE)、ナイロン(N
y)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)をコートしたナ
イロン(KNy)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、
延伸ポリプロピレン(OPP)、PVDCをコートした
ポリプロピレン(KOP)、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、PVDCをコートしたセロハン(KP
T)、ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバ
ール)を用いることが好ましい。これらの樹脂を用いる
ことにより、本発明においての機械的強度、酸素透過率
及び水分透過率を有する包装材料を容易に得ることがで
きる。
【0037】包装材料の素材としては、無機化合物が蒸
着された高分子材料も用いることができ、そのような高
分子材料としては、上記及び従来公知の材料を用いるこ
とができる。蒸着する無機化合物としては、アルミニウ
ム、酸化アルミニウム(Al 23)、酸化ケイ素(Si
x)等が挙げられる。蒸着膜の膜厚としては、50〜
1000Åの範囲が挙げられる。蒸着する方法として
は、化学気相成長法、物理気相成長法、蒸着法、スパッ
タ法等の公知の方法を用いることができる。本発明の包
装材料が多層構成の場合、それぞれの層の膜厚は所望の
光遮光度、酸素透過率、水分透過率、機械的強度等によ
り適宜設定されるが、包装材料全体としての厚みを50
0μm以下にする。多層包装材料の製法は、特に限定は
ないが、例えば樹脂層と樹脂層を接着剤等で貼り合わせ
る方法や、樹脂層と樹脂層を溶融樹脂で貼り合わせる方
法、押出法、あるいは積層法等が挙げられる。
【0038】包装材料の素材としては、具体的には、下
記のものが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。(最外部)/(中間部)/(熱現像材料と接触
部)の層構成を表す。
【0039】(1)PET/Ny/CPP (2)KOP/Ny/PE (3)OPP/Al23 PET/CPP (4)Ny/Al23/PE (5)PET/PE/Al/Ny/PE (6)KOP/Ny/PE (7)SiOx/PET/Al23/PET (8)KPT/PE/Ny/PE (9)PET/KNy/PE (10)OPP/エバール/PE
【0040】包装材料を、上記特定の範囲の酸素透過率
及び水分透過率に適合するようにするには、例えば、材
料種や、構成層の各膜厚を適宜選択することにより行わ
れる。
【0041】還元剤について説明する。還元剤とは有機
銀塩のための還元剤、即ち銀イオンを金属銀に還元する
任意の物質であり熱現像剤と呼ばれるものである。本発
明においては、このような還元剤として、下記一般式
(R−1)又は(R−2)で表される化合物を含む。こ
の下記一般式(R−1)又は(R−2)で表される化合
物は、フェノール性水酸基のオルト位に置換基を有する
いわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフ
ェノール系還元剤である。なお、還元剤としては、その
他、特開平11−65021号の段落番号0043〜0
045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7
ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されてい
るものも併用してもよい。
【0042】一般式(R−1)で表される化合物を説明
する。
【0043】
【化17】
【0044】一般式(R−1)において、R11およびR
11'としては、各々独立に炭素数3〜15の2級または
3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、
イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オク
チル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メ
チルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基な
どが挙げられる。R11およびR11'として好ましくは炭
素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチ
ル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更
に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0045】一般式(R−1)において、R12およびR
12'としては、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基
であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル
基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、
ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基など
が挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
【0046】一般式(R−1)において、X1およびX
1'としては、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基
であり、好ましくは水素原子である。
【0047】一般式(R−1)において、Lは−S−基
または−CHR13−基で、好ましくは−CHR13−基で
ある。ここで、R13は水素原子または炭素数1〜18の
アルキル基であり、好ましくは水素原子または炭素数1
〜8のアルキル基である。アルキル基としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,
4−トリメチルペンチル基が好ましい。R13として水素
原子または炭素数1〜8のアルキル基であることが好ま
しく、特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基またはイソプロピル基である。
【0048】一般式(R−1)において、Lが−CHR
13−基であり、且つR13が水素原子である場合、R12
よびR12'は好ましくは炭素数2〜5のアルキル基であ
り、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が
最も好ましい。一般式(R−1)において、Lが−CH
13−基であり、且つR13が炭素数1〜18の1級また
は2級のアルキル基である場合、R12およびR12'はメ
チル基が好ましい。R13の炭素数1〜18の1級または
2級のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチ
ル基、プロピル基が更に好ましい。
【0049】一般式(R−2)で表される化合物を説明
する。
【0050】
【化18】
【0051】一般式(R−2)において、R21
21'、R22およびR22'は、各々独立に炭素数1〜18
の一級アルキル基であり、アルキル基としてはメチル基
が好ましい。
【0052】一般式(R−2)において、L’は−S−
基または−CHR23−基で、好ましくは−CHR23−基
である。ここで、R23は炭素数1〜18の2級アルキル
基であり、好ましくは炭素数1〜8の2級アルキル基で
ある。R23の2級アルキル基としてはイソプロピル基、
イソブチル基、1−エチルペンチル基が好ましく、イソ
プロピル基がより好ましい。
【0053】なお、上記還元剤(一般式(R−1)及び
(R−2)で表される化合物)は各置換基の組み合わせ
により、熱現像性、現像銀色調などが異なるため、適宜
選択して組み合わせることができる。2種以上の還元剤
を組み合わせることでこれらを調整することができるた
め、目的によっては2種以上を組み合わせて使用するこ
とが好ましい。
【0054】以下、一般式(R−1)および一般式(R
−2)で表される化合物(還元剤)の具体例を示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般
式(R−1)で表される化合物の具体例として、例示化
合物(R−1)〜(R−30)を示し、一般式(R−
2)で表される化合物の具体例として、例示化合物
(R’−1)〜(R’−10)を示す。
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】還元剤の添加量は、0.1〜3.0g/m
2であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.
5g/m2で、さらに好ましくは0.3〜1.0g/m2
である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5
〜50%モル含まれることが好ましく、より好ましくは
8〜30モル%であり、10〜20モル%で含まれるこ
とがさらに好ましい。還元剤は画像形成層に含有させ
る。
【0062】還元剤は、溶液形態、乳化分散形態、固体
微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せ
しめ、感光材料に含有させてもよいが、固体分散物とし
て添加することが好ましい。よく知られている乳化分散
法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォス
フェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチル
フタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノ
ンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物
を作製する方法が挙げられる。また、固体微粒子分散法
としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボール
ミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジ
ェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散
し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その
際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、
界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異
なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用
いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア
等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズ
から溶出するZr等が分散物中に混入することがある。
分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの
範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.
5mg以下であれば実用上差し支えない。水分散物には
防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)
を含有させることが好ましい。
【0063】本発明の熱現像感光材料においては、還元
剤が芳香族性の水酸基(−OH)を有する場合、特に前
述のビスフェノール類の場合、これらの基と水素結合を
形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併
用することが好ましい。水酸基またはアミノ基と水素結
合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド
基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル
基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳
香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホス
ホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H
基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のよ
うにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N
−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)
のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、
>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換
基)のようにブロックされている。)を有する化合物で
ある。このような水素結合性の化合物としては、下記一
般式(D)で表される化合物が特に好ましい。
【0064】
【化25】
【0065】一般式(D)において、R21ないしR23
各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、こ
れらの基は無置換であっても置換基を有していてもよ
い。R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基とし
てはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオ
キシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などが挙げら
れ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリー
ル基であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル
基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−
アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基な
どが挙げられる。
【0066】一般式(D)において、R21ないしR23
アルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブ
チル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t
−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘ
キシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、
フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などが挙げら
れる。アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キ
シリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4
−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5
−ジクロロフェニル基などが挙げられる。アルコキシ基
としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチ
ルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5
−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シ
クロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキ
シ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリールオキ
シ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプ
ロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナ
フトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。アミ
ノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ
ブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N
−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフ
ェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等
が挙げられる。
【0067】一般式(D)において、R21ないしR23
してはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基が好ましい。水素結合性の化合物としての機
能を効果的に機能させる点ではR21ないしR23のうち少
なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基である
ことが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール
基であることがより好ましい。また、安価に入手するこ
とができるという点ではR21ないしR23が同一の基であ
る場合が好ましい。
【0068】以下、一般式(D)で表される化合物をは
じめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0069】
【化26】
【0070】
【化27】
【0071】
【化28】
【0072】水素結合性化合物の具体例は上述の他に、
欧州特許1096310号明細書、特願2000−27
0498号、同2001−124796号に記載のもの
が挙げられる。
【0073】水素結合性化合物(一般式(D)で表され
る化合物)は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形
態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、
感光材料中で使用することができる。本発明の化合物
は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する
化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と水
素結合性化合物(一般式(D)で表される化合物)との
組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離するこ
とができる。このようにして単離した結晶粉体を固体分
散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得
る上で特に好ましい。また、還元剤と水素結合性化合物
(一般式(D)で表される化合物)を粉体で混合し、適
当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散
時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
【0074】水素結合性化合物(一般式(D)の化合
物)は、還元剤に対して、1〜200モル%の範囲で使
用することが好ましく、より好ましくは10〜150モ
ル%の範囲で、さらに好ましくは20〜100モル%の
範囲である。
【0075】本発明の熱現像感光材料では、還元剤と共
に現像促進剤として下記一般式(1)、(2)、(3)
及び(4)で表される化合物のうち少なくとも1種を含
有することが好ましい。これら現像促進剤は還元剤に対
して0.1〜20モル%の範囲で使用され、好ましくは
0.5〜10モル%の範囲で、より好ましくは1〜5モ
ル%の範囲である。これら現像促進剤の熱現像感光材料
への導入方法は還元剤同様の方法が挙げられるが、特に
固体分散物または乳化分散物として添加することが好ま
しい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体であ
る高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳
化分散物として添加するか、もしくは高沸点溶剤を使用
しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが
好ましい。
【0076】一般式(1)で表される化合物を説明す
る。一般式(1)で表される化合物は、還元性化合物で
あり、ヒドラジン系現像主薬と総称される現像促進剤で
ある。
【0077】
【化29】
【0078】一般式(1)において、Q1は、NHNH
−R1と結合する5〜7員の不飽和環を表し、R1はカル
バモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、スルホニル基又はスルファモ
イル基を表す。
【0079】一般式(1)において、Q1で表される5
〜7員の不飽和環の好ましい例としては、ベンゼン環、
ピジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、
1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン
環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,
2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール
環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、
1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジア
ゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,
4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾー
ル環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール
環、イソオキサゾール環、チオフェン環等が挙げられ、
これらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
【0080】これらの環は置換基を有していてもよく、
2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は
同一であっても異なっていてもよい。置換基の例として
は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボン
アミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホ
ンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、およびアシル基を挙げることができ
る。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに
置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミ
ド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンア
ミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、およびアシルオキシ基を挙げる
ことができる。
【0081】一般式(1)において、R1で表されるカ
ルバモイル基は、炭素数1〜50が好ましく、炭素数6
〜40がより好ましい。具体的には、無置換カルバモイ
ル基、メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル
基、N−プロピルカルバモイル基、N−sec−ブチル
バモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−シクロ
ヘキシルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバ
モイル基、N−ドデシルカルバモイル基、N−(3−ド
デシルオキシプロピル)カルバモイル基、N−オクタデ
シルカルバモイル基、N−{3−(2,4−tert−
ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル基、N−
(2−ヘキシルデシル)カルバモイル基、N−フェニル
カルバモイル基、N−(4−ドデシルオキシフェニル)
カルバモイル基、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキ
シカルボニルフェニル)カルバモイル基、N−ナフチル
カルバモイル基、N−3−ピリジルカルバモイル基、N
−ベンジルカルバモイル基が挙げられる。
【0082】一般式(1)において、R1で表されるア
シル基は、炭素数1〜50が好ましく、炭素数6〜40
がより好ましい。具体的には、ホルミル基、アセチル
基、2−メチルプロパノイル基、シクロヘキシルカルボ
ニル基、オクタノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、
ドデカノイル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセ
チル基、ベンゾイル基、4−ドデシルオキシベンゾイル
基、2−ヒドロキシメチルベンゾイル基が挙げられる。
【0083】一般式(1)において、R1で表されるア
ルコキシカルボニル基は、炭素数2〜50が好ましく、
炭素数6〜40がより好ましい。具体的には、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、イソブチルオキ
シカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、
ドデシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニ
ル基が挙げられる。
【0084】一般式(1)において、R1で表されるア
リールオキシカルボニル基は、炭素数7〜50が好まし
く、炭素数7〜40がより好ましい。具体的には、フェ
ノキシカルボニル基、4−オクチルオキシフェノキシカ
ルボニル基、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニ
ル基、4−ドデシルオキシフェノキシカルボニル基が挙
げられる。
【0085】一般式(1)において、R1で表されるス
ルホニル基は、炭素数1〜50が好ましく、炭素数6〜
40がより好ましい。具体的には、メチルスルホニル
基、ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−
ヘキサデシルスルホニル基、3−ドデシルオキシプロピ
ルスルホニル基、2−オクチルオキシ−5−tert−
オクチルフェニルスルホニル基、4−ドデシルオキシフ
ェニルスルホニル基が挙げられる。
【0086】一般式(1)において、R1で表されるス
ルファモイル基は、炭素数0〜50が好ましく、炭素数
6〜40がより好ましい。具体的には、無置換スルファ
モイル基、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エ
チルヘキシル)スルファモイル基、N−デシルスルファ
モイル基、N−ヘキサデシルスルファモイル基、N−
{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルフ
ァモイル基、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカ
ルボニルフェニル)スルファモイル基、N−(2−テト
ラデシルオキシフェニル)スルファモイル基が挙げられ
る。
【0087】一般式(1)において、R1で表される基
は、さらに、置換可能な位置に前記のQ1で表される5
〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有して
いてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ
等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0088】一般式(1)で表される化合物の中でも、
1が5または6員の不飽和環であることが好ましく、
1がベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリア
ゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール
環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チア
ジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,
2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾ
ール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、また
はこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮
合した環であることがより好ましく、Q1がキナゾリン
環であることが特に好ましい。また、Q1は電子吸引的
な置換基を少なくとも一つ有していることが好ましい。
好ましい置換基としては、フルオロアルキル基(例え
ば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、
1,1−ジフルオロエチル基、ジフルオロメチル基、フ
ルオロメチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ペンタフ
ルオロフェニル基)、シアノ基、ハロゲン原子(フルオ
ロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、アシル基、アルコキシ
カルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基を挙げることができ、トリフ
ルオロメチル基が特に好ましい。さらに、R1がカルバ
モイル基であるものが好ましく、R1が−CO−NH−
1で表される置換カルバモイル基であり、かつ、R1
炭素数1ないし10のアルキル基またはアリール基であ
るものが特に好ましい。
【0089】一般式(1)で表される化合物の合成は、
特開平9−152702号公報、同8−286340号
公報、同9−152700号公報、同9−152701
号公報、同9−152703号公報、および同9−15
2704号公報等に載の方法に従って実施することがで
きる。
【0090】以下、一般式(1)で表される化合物の具
体例を以下に示すが、本発明で用いられる化合物はこれ
らに限定されるものではない。
【0091】
【化30】
【0092】
【化31】
【0093】
【化32】
【0094】
【化33】
【0095】
【化34】
【0096】
【化35】
【0097】
【化36】
【0098】
【化37】
【0099】
【化38】
【0100】
【化39】
【0101】
【化40】
【0102】
【化41】
【0103】
【化42】
【0104】
【化43】
【0105】
【化44】
【0106】
【化45】
【0107】一般式(2)で表される化合物を説明す
る。
【0108】
【化46】
【0109】一般式(2)において、R1a、R2a
3a、X1およびX2はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲ
ン原子;または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原
子もしくはリン原子でベンゼン環に結合する置換基を表
す。ただしX1、X2の少なくとも一方は、−NR45
表される基である。ここで、R4、R5はそれぞれ独立に
水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、ヘテロ環基、あるいは−C(=O)−R、
−C(=O)−C(=O)−R、−SO2−R、−SO
−R、−P(=O)(R)2または−C(=NR’)−
Rで表される基である。R、R’はそれぞれ独立に水素
原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基から選ばれる基で
ある。これらの置換基はそれぞれ隣接する基同士が結合
して環を形成してもよい。
【0110】一般式(2)において、R1a、R2a、R3a
はそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;または炭素
原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子
でベンゼン環に結合する置換基を表すが、R1a、R2a
3aで表される炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原
子もしくはリン原子でベンゼン環に結合する置換基につ
いて、以下詳述する。
【0111】炭素原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、直鎖、分岐または環状のアル
キル基(例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、
tert−ブチル、n−オクチル、tert−アミル、
1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシルなどが挙
げられる。)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられ
る。)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−
ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(例え
ば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙
げられる。)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイ
ル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキ
シカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニルなどが
挙げられる。)、カルバモイル基(カルバモイル、ジエ
チルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げら
れる。)、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基(例
えば、3−ピラゾリル基等が挙げられる)等がある。
【0112】酸素原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、水酸基、アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられ
る。)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、
2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オ
キシ基(例えば、4−ピリジルオキシ基等が挙げられ
る)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイ
ルオキシなどが挙げられる。)などがある。窒素原子で
ベンゼン環に結合する置換基の非限定的具体例として
は、アミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙
げられる。)、ニトロ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基
(例えば、1−イミダゾリル、モルホリルなどが挙げら
れる。)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、
ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカ
ルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ
などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミ
ノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノなどが
挙げられる。)、スルホニルアミノ基(例えば、メタン
スルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙
げられる。)、スルファモイル基(例えば、スルファモ
イル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイ
ル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、ウ
レイド基(例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニ
ルウレイドなどが挙げられる。)、ホスホリルアミノ基
(例えば、ジエチルホスホリルアミノ、などが挙げられ
る。)、イミド基(例えば、スクシンイミド、フタルイ
ミド、トリフルオロメタンスルホンイミドなどが挙げら
れる)等がある。
【0113】硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、メルカプト基、ジスルフィド
基、スルホ基、スルフィノ基、スルホニルチオ基、チオ
スルホニル基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、
エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(例
えば、フェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル
基(例えば、メシル、トシル、フェニルスルホニルなど
が挙げられる。)、スルフィニル基(例えば、メタンス
ルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられ
る。)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−イミダゾリルチ
オ基等が挙げられる)等がある。
【0114】リン原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、燐酸エステル基(例えば、ジ
エチル燐酸、ジフェニル燐酸などが挙げられる。)等が
ある。
【0115】一般式(2)において、R1a、R2a、R3a
で好ましいものは水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐
または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シ
アノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基、水酸基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル
オキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、アシルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、イミド
基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、
メルカプト基、ジスルフィド基、スルホ基、スルフィノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、
スルフィニル基、ヘテロ環チオ基等がある。また、
1a、R2a、R3aでより好ましいものは水素原子、ハロ
ゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリー
ル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ
環基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシ
ルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、アシル
アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオ
キシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、イミド
基、カルバモイル基、メルカプト基、スルホ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基である。さら
に、R1a、R2a、R3aで特に好ましいものは水素原子、
ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、ア
リール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル
アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホ
ニルアミノ基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基である。
【0116】一般式(2)において、X1、X2は水素原
子;ハロゲン原子;または炭素原子、酸素原子、窒素原
子、硫黄原子もしくはリン原子でベンゼン環に結合する
置換基を表すが、X1、X2で表される炭素原子、酸素原
子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子でベンゼン環
に結合する置換基について、以下詳述する。
【0117】炭素原子でベンゼン環に結合する置換基の
非阻定的具体例としては、直鎖、分岐または環状のアル
キル基(例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、
tert−ブチル、n−オクチル、tert−アミル、
1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシルなどが挙
げられる。)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられ
る。)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−
ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(例え
ば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙
げられる。)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイ
ル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキ
シカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニルなどが
挙げられる。)、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環
基(例えば、3−ピラゾリル基等が挙げられる)、カル
バモイル基(カルバモイル、ジエチルカルバモイル、フ
ェニルカルバモイルなどが挙げられる。)等がある。
【0118】酸素原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、水酸基、アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられ
る。)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、
2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オ
キシ基(例えば、4−ピリジルオキシ基等が挙げられ
る)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイ
ルオキシなどが挙げられる。)などがある。
【0119】窒素原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、アミノ基(例えば、アミノ、
メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベ
ンジルアミノなどが挙げられる。)、ニトロ基、ヒドロ
キサム基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例えば、1−イ
ミダゾリル、モルホリルなどが挙げられる。)、アシル
アミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ
などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基
(例えば、メトキシカルボニルアミノなどが挙げられ
る。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、
フェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられ
る。)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニ
ルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられ
る。)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、
メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェ
ニルスルファモイルなどが挙げられる。)、ホスホリル
アミノ基(例えば、ジエチルホスホリルアミノ、などが
挙げられる。)等がある。
【0120】硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、メルカプト基、ジスルフィド
基、スルホ基、スルフィノ基、スルホニルチオ基、チオ
スルホニル基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、
エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(例
えば、フェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル
基(例えば、メシル、トシル、フェルスルホニルなどが
挙げられる。)、スルフィニル基(例えば、メタンスル
フィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられ
る。)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−イミダゾリルチ
オ基等が挙げられる)等がある。
【0121】リン原子でベンゼン環に結合する置換基の
非限定的具体例としては、燐酸エステル基(例えば、ジ
エチル燐酸、ジフェニル燐酸などが挙げられる。)等が
ある。
【0122】一般式(2)において、X1、X2で好まし
いものは水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、
カルボキシル基、ヘテロ環基、水酸基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ
基、アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、イミド基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、メルカ
プト基、ジスルフィド基、スルホ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、スルホニル基、ヘテロ環チオ基等があ
る。また、X1、X2でより好ましいものは水素原子、ハ
ロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリ
ール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル
アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホ
ニルアミノ基、イミド基、カルバモイル基、スルホ基、
アリールスルホニル基である。さらに、X1、X2で特に
好ましいものは水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐ま
たは環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シア
ノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、
スルホニルアミノ基、カルバモイル基、メルカプト基、
アルキルチオ基である。
【0123】一般式(2)において、X1、X2の少なく
とも一方は−NR45で表される基であるが、R4、R5
がそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す場合
には、それらは例えば、直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基(例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、t
ert−ブチル、n−オクチル、tert−アミル、
1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシルなどが挙
げられる。)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル、2−ブテニル、3−ペンチニルなどが挙げられ
る。)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−
ペンテニル基などが挙げられる。)、アリール基(例え
ば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙
げられる。)、ヘテロ環基(例えば、2−イミダゾリ
ル、1−ピラゾリル基等が挙げられる)等を表す。一
方、R4、R5が−C(=O)−R、−C(=O)−C
(=O)−R、−SO 2−R、−SO−R、−P(=
O)(R)2、又は−C(=NR’)−Rで表される基
である場合には、RおよびR’はそれぞれ独立に水素原
子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、iso−プ
ロピル、tert−ブチル、n−オクチル、tert−
アミル、1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシル
などが挙げられる)、アリール基(例えば、フェニル、
p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる)、ヘ
テロ環基(例えば、4−ピリジル、2−チエニル、1−
メチル−2−ピロリルなどが挙げられる)、アミノ基
(例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジフェニルアミ
ノ、フェニルアミノ、2−ピリジルアミノなどが挙げら
れる)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、
シクロヘキシルオキシなどが挙げられる)、アリールオ
キシ基(例えば、フェノキシ、2−ナフトキシなどが挙
げられる)などを表す。
【0124】一般式(2)において、R4、R5で好まし
いものは、水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、カル
バモイル基、スルホニル基、スルフィニル基である。R
4、R5でより好ましいものは、水素原子、直鎖、分岐ま
たは環状のアルキル基、アリール基、アシル基、スルホ
ニル基である。また特に好ましい組み合わせはR4、R5
のどちらか一方が水素原子で他方がアルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基である。
【0125】一般式(2)において、上記に挙げた各基
はさらに上記に記したような置換基で置換されていても
よい。またこれらの置換基が酸性度の高い水素原子を持
つものであれば、そのプロトンが解離して塩を形成して
いてもよい。その対カチオンとしては、金属イオン、ア
ンモニウムイオン、ホスホニウムイオンが用いられる。
このように活性水素を解離させた状態は、化合物の現像
時における揮散性が問題となるケースには有効な対処法
となりうる。R1a、R2a、R3a、X1およびX2はそれぞ
れ隣接する基同士が結合して環を形成してもよい。
【0126】以下、一般式(2)で表される化合物の具
体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0127】
【化47】
【0128】
【化48】
【0129】
【化49】
【0130】
【化50】
【0131】
【化51】
【0132】
【化52】
【0133】
【化53】
【0134】
【化54】
【0135】
【化55】
【0136】
【化56】
【0137】一般式(3)で表される化合物を説明す
る。
【0138】
【化57】
【0139】一般式(3)において、X1bは置換基を表
し、X2b〜X4bはそれぞれ独立に水素原子または置換基
を表す。ただしX1b〜X4bはヒドロキシ基であることは
なく、X3bはスルホンアミド基であることはない。X1b
〜X4bで表わされる置換基は互いに結合して環を形成し
てもよい。R1bは水素原子、アルキル基、アリール基、
ヘテロ環基、アミノ基またはアルコキシ基を表す。
【0140】一般式(3)において、X1b〜X4bで表さ
れる置換基の具体例としては(X3bの場合はスルホンア
ミド基を除く)、ハロゲン原子、アルキル基(シクロア
ルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基
(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含
む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ
基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシ
ルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボ
ニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ア
シルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリール
スルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、
スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、ア
ルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリー
ルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カル
バモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド
基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキ
シ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げ
られる。
【0141】一般式(3)において、X1b〜X4bで表さ
れる置換基としてさらに詳しくは、ハロゲン原子(フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル
基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル
基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1
〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n
−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2
−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロア
ルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無
置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、
シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル
基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜3
0の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つま
り、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を
一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ
[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,
2,2]オクタン−3−イル基)、さらに環構造が多い
トリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明
する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基の
アルキル基)もこのような概念のアルキル基を表
す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしく
は無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル
基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のア
ルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル
基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基
(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換の
シクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロ
アルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。
例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロ
ヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換
もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、
炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケ
ニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの
水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビ
シクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、
ビシクロ〔2,2,2〕オクト−2−エン−4−イル
基)を包含するものである。]、アルキニル基(好まし
くは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル
基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチル
シリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜
30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニ
ル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル
基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ
環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換
の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個
の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好まし
くは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテ
ロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル
基、2−ビリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、
シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基
(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の
アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオ
キシ基、2−メトキシエトキシ基)、
【0142】アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6
〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例え
ば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−te
rt−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、
2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオ
キシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ
基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブ
チルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好
ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテ
ロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ
基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキ
シ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の
置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭
素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニ
ルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキ
シ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベ
ンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオ
キシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数
1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ
基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、
N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカ
ルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカ
ルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキ
シ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、
炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボ
ニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エ
トキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボ
ニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、ア
リールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数
7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボ
ニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ
基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−
n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ
基)、
【0143】アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルア
ミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキ
ルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは
無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミ
ルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、
ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5
−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ
基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数
1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミ
ノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチ
ルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ
カルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ
基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素
数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル
アミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エト
キシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ
基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基)、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7
〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニ
ルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、
p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オ
クチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルフ
ァモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換
もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、ス
ルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホ
ニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミ
ノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のア
ルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もし
くは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メ
チルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、
フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロ
フェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスル
ホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好
ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアル
キルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−
ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭
素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、
例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、
m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ま
しくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チ
オ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェ
ニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル
基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換の
スルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル
基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイ
ル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチ
ルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル
基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイ
ル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニ
ル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換
のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置
換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィ
ニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル
基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、
【0144】アルキルおよびアリールスルホニル基(好
ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキ
ルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリー
ルスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチル
スルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェ
ニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル
基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカル
ボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリ
ールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置
換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カ
ルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−
クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p
−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリ
ジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基)、アリー
ルオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の
置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例
えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシ
カルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p
−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコ
キシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換
もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−
ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボ
ニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜3
0の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カ
ルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジ
メチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカル
バモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル
基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素
数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭
素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、
例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、
5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イ
ルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミ
ド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましく
は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ
基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフ
ィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニ
ル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置
換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオク
チルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル
基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜
30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例
えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチル
オキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基
(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換の
ホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニ
ルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、
シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは
無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、te
rt−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリ
ル基)が挙げられる。
【0145】一般式(3)において、X1bとして好まし
いものは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、好ましくは塩素原子、臭素原子)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ま
しくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、
例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾ
イルアミノ基など)、アルキル基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましく
は炭素数1〜8、例えば、メチル基、エチル基、イソプ
ロピル基、シクロヘキシル基など)、アリール基(好ま
しくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜1
4、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフェニル基、
ナフチル基、p−メチルフェニル基など)、アルコキシ
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメトキ
シ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基(好ましく
は炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特
に好ましくは炭素数6〜8、たとえばフェノキシ基、2
−ナフチルオキシ基など)、アシルオキシ基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特
に好ましくは炭素数1〜8、例えば、アセトキシ基、ベ
ンゾイルオキシ基など)、スルホニルアミノ基(好まし
くは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、
特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメタンスルホニル
アミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、カルバモ
イル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばカ
ルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−
フェニルカルバモイル基など)、アシル基(好ましくは
炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に
好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミル基、アセチル
基、ベンゾイル基など)、アルコキシカルボニル基(好
ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜1
6、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキ
シカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(好
ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜1
6、さらに好ましくは炭素数6〜12、例えば、フェノ
キシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基
等)、シアノ基、ニトロ基であり、より好ましくは、ハ
ロゲン原子、アシルアミノ基、アルキル基であり、特に
好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0146】一般式(3)において、X3bとして好まし
いものは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは塩素原子、臭
素原子)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭
素数1〜8、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキル基(好まし
くは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、
特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基など)、アリ
ール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭
素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフ
ェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基など)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例
えばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基
(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6
〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、たとえばフェノ
キシ基、2−ナフチルオキシ基など)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、アセト
キシ基、ベンゾイルオキシ基など)、カルバモイル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばカルバモ
イル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニ
ルカルバモイル基など)、アシル基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好まし
くは炭素数1〜8、例えばホルミル基、アセチル基、ベ
ンゾイル基など)、アルコキシカルボニル基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さ
らに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカル
ボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましく
は炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、さ
らに好ましくは炭素数6〜12、例えば、フェノキシカ
ルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等)、シ
アノ基、ニトロ基であり、より好ましくは、ハロゲン原
子、アシルアミノ基、アルキル基であり、特に好ましく
は塩素原子または臭素原子である。
【0147】一般式(3)において、X1b、X3bで表さ
れる置換基は少なくとも一方が電子求引性基であること
が好ましい。電子求引性基とは、ハメットの置換基定数
σp値が正である置換基であり、具体例としては、ハロ
ゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、イミノ基、N原子で
置換されたイミノ基、チオカルボニル基、パーフルオロ
アルキル基、スルホンアミド基、ホルミル基、ホスホリ
ル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、ス
ルホ基(またはその塩)、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルファモイル基、アシルオキシ
基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、ヘテロ環基、
またはこれらの電子求引性基で置換されたアリール基な
どが挙げられる。X1b、X3bはより好ましくはともに電
子吸引性基であり、さらに好ましくはともにハロゲン原
子であり、特に好ましくはともに塩素原子または臭素原
子である。
【0148】一般式(3)において、X2b、X4bとして
好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは、塩
素原子、臭素原子)、アシルアミノ基(好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ま
しくは炭素数1〜8、例えばホルミルアミノ基、アセチ
ルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基
等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好
ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜
8、例えばフェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニ
ル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数
1〜8、例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリール
オキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは
炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えば
フェノキシ基、2−ナフチルオキシ基等)、アシルオキ
シ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素
数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばアセ
トキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルアミノ
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメタン
スルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基
等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1
〜8、例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバ
モイル基、N−フェニルカルバモイル基など)、アシル
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミ
ル基、アセチル基、ベンゾイル基など)、アルコキシカ
ルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましく
は炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12で
あり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカ
ルボニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましく
は炭素数6〜16、さらに好ましくは炭素数6〜12、
例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフチルオキシ
カルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基である。より好
ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲ
ン原子、アシルアミノ基であり、特に好ましくは水素原
子、メチル基、エチル基である。
【0149】一般式(3)において、X1b〜X4bはさら
に置換されていてもよく、置換基の具体例としては一般
式(3)のX1bの例として挙げた置換基が挙げられる。
また、X1b〜X4bは互いに結合して環を形成していても
よい。
【0150】一般式(3)において、R1bとして具体的
には、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭
素数1〜7、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(好ましくは
炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に
好ましくは炭素数6〜8、例えばフェニル基、ナフチル
基、p−メチルフェニル基等)、ヘテロ環基(例えば、
ピリジル基、イミダゾリル基、ピロリジル基)、アミノ
基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数
0〜14、特に好ましくは炭素数0〜8、例えばアミノ
基、メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−
フェニルアミノ基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ま
しくは炭素数1〜8、例えばメトキシ基、エトキシ基
等)を表す。R1bとして好ましくは、水素原子、アリー
ル基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、炭素数1
〜7のアルキル基であり、さらに好ましくはアリール基
または炭素数1〜7のアルキル基であり、特に好ましく
はアリール基である。R1はさらに置換されていてもよ
く、置換基の具体例としては一般式(3)のX1bの例と
して挙げた置換基が挙げられる。
【0151】一般式(3)において、X1b〜X4b、R1b
の組み合わせとして好ましくは、X 1b、X3bの少なくと
も1つがハロゲン原子であり、X2b、X4bは水素原子ま
たはアルキル基であり、R1bはアリール基または炭素数
1〜7のアルキル基である。さらに好ましい組み合わせ
は、X1b、X3bはともに塩素原子または臭素原子であ
り、X2bは水素原子またはアルキル基であり、X4bは水
素原子であり、R1bはアリール基である。
【0152】一般式(3)で表される化合物の総分子量
の好ましい範囲は170〜800であり、より好ましく
は220〜650であり、特に好ましくは220〜50
0である。
【0153】以下、一般式(3)で表される化合物の具
体例を挙げるが、これらの具体例に限定されるものでは
ない。
【0154】
【化58】
【0155】
【化59】
【0156】
【化60】
【0157】
【化61】
【0158】
【化62】
【0159】
【化63】
【0160】
【化64】
【0161】
【化65】
【0162】一般式(3)で表される化合物は、写真業
界で公知のフェノールカプラーの合成方法、例えばオル
トアミノフェノール類と、酸ハライド類の反応により容
易に合成することができる。
【0163】一般式(4)で表される化合物を説明す
る。
【0164】
【化66】
【0165】一般式(4)において、R1cはアルキル
基、アリール基、アルケニル基またはアルキニル基を表
し、X1cはアシル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表
す。Y1〜Y5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を
表す。
【0166】一般式(4)において、R1cはアルキル
基、アリール基、アルケニル基、または、アルキニル基
を表す。R1cで表されるアルキル基は、好ましくは炭素
数1〜30、より好ましくは1〜16、さらに好ましく
は1〜13の、直鎖、分岐、環状またはそれら組み合わ
せのアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−
オクチル、i−オクチル、n−アミル、t−アミル、n
−デシル、n−ドデシル、n−トリデシル、ベンジル、
フェネチル等を挙げることができる。R1cで表されるア
リール基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましく
は6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例え
ば、フェニル、4−メチルフェニル、2−クロロフェニ
ル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、
3,4−ジクロロフェニル、2−メトキシフェニル、4
−メトキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、2
−ドデシルオキシフェニル、ナフチル等を挙げることが
できる。R1cで表されるアルケニル基は、好ましくは炭
素数2〜30、より好ましくは2〜20、さらに好まし
くは2〜12であり、例えば、ビニル基、アリル基、イ
ソプロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基など
を挙げることができる。R1cで表されるアルキニル基
は、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜2
0、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、エチニ
ル基、プロピニル基などを挙げることができる。
【0167】一般式(4)において、R1cは更に置換基
を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、後
述の一般式(4)の化合物のY1〜Y5で表される基を挙
げることができる。R1cは更に好ましくはアルキル基ま
たはアリール基を表し、特に好ましくは、アルキル基を
表す。
【0168】一般式(4)の化合物において、X1cはア
シル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルホニル基またはスルファモイル基を表す。X1cで表さ
れるアシル基は、好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例
えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、
ヘキサノイル、ミリスチリル、パルミトイル、ステアリ
ル、オレイル、アクリロイル、シクロヘキサンカルボニ
ル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられ
る。X1cで表されるアルコキシカルボニル基は、好まし
くは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに
好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、フェノ
キシカルボニル等が挙げられる。X1cで表されるカルバ
モイル基は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例え
ば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N
−ドデシルカルバモイル、N−デシルカルバモイル、N
−ヘキサデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイ
ル、N−(2−クロロフェニル)カルバモイル、N−
(4−クロロフェニル)カルバモイル、N−(2,4−
ジクロロフェニル)カルバモイル、N−(3,4−ジク
ロロフェニル)カルバモイル等、N−ペンタクロロフェ
ニルカルバモイル、N−(2−メトキシフェニル)カル
バモイル、N−(4−メトキシフェニル)カルバモイ
ル、N−(2,4−ジメトキシフェニル)カルバモイ
ル、N−(2−ドデシルオキシフェニル)カルバモイ
ル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル
等が挙げられる。X1cで表されるスルホニル基は、好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さら
に好ましくは1〜12であり、例えば、メシル、エタン
スルホニル、シクロヘキサンスルホニル、ベンゼンスル
ホニル、トシル、4−クロロベンゼンスルホニル等が挙
げられる。X1cで表されるスルファモイル基は、好まし
くは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、さらに
好ましくは0〜12であり、例えば、スルファモイル、
メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェ
ニルスルファモイル等が挙げられる。
【0169】一般式(4)において、X1cは更に置換基
を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、後
述の一般式(4)の化合物のY1〜Y5で表される基を挙
げることができる。X1cは好ましくはカルバモイル基を
表し、更に好ましくは、アルキルカルバモイル基または
アリールカルバモイル基を表し、特に好ましくはアリー
ルカルバモイル基を表す。
【0170】一般式(4)において、Y1〜Y5はそれぞ
れ独立に水素原子または置換基を表す。Y1〜Y5で表さ
れる置換基としては、写真性へ悪影響のないものであれ
ばどのような置換基を用いてもよい。例えば、ハロゲン
原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子)、直鎖、分岐、環状またはそれら組み合わせの
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は1〜16、さらに好ましくは1〜13であり、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、s
ec−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、n−アミ
ル、t−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、シク
ロヘキシル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜
20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜
12であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、
3−ペンテニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6
〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6
〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニ
ル、ナフチル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1
〜12であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素
数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましく
は6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフ
チルオキシ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2
〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2
〜12であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ
等)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ま
しくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例
えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチル
アミノ基、アニリノ基等)、アシルアミノ基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好
ましくは2〜13であり、例えば、アセチルアミノ、ト
リデカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例え
ば、メタンスルホニルアミノ、ブタンスルホニルアミ
ノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さら
に好ましくは1〜12であり、例えば、ウレイド、メチ
ルウレイド、フェニルウレイド等)、カルバメート基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜1
6、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニルアミノ、フェニルオキシカルボニルアミノ
等)、カルボキシル基、カルバモイル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好まし
くは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−
ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N
−フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜1
6、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好
ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、
例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル
等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜
12であり、例えば、メシル、トシル等)、スルファモ
イル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0
〜16、さらに好ましくは0〜12であり、例えば、ス
ルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルフ
ァモイル、フェニルスルファモイル等)、シアノ基、ニ
トロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜1
6、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メチル
チオ、ブチルチオ等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数
2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは
2〜12であり、例えば、ピリジル、イミダゾイル、ピ
ロリジル等)等が挙げられる。これらの置換基はさらに
他の置換基で置換されていてもよい。
【0171】一般式(4)において、Y1〜Y5で表され
る置換基として好ましいものは、上記の中でも、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アシルオキシ基、アニリノ基、アシルア
ミノ基、スルホニルアミノ基、カルボキシル基、カルバ
モイル基、アシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフ
ァモイル基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト
基、アルキルチオ基、ヘテロ環基である。
【0172】一般式(4)で表される化合物において、
1cがアルキル基、X1cがカルバモイル基、Y1〜Y5
水素原子である組み合わせが好ましい。
【0173】以下、一般式(4)で表される化合物の具
体例を挙げるが、これらの具体例によって限定されるも
のではない。
【0174】
【化67】
【0175】
【化68】
【0176】
【化69】
【0177】
【化70】
【0178】
【化71】
【0179】
【化72】
【0180】
【化73】
【0181】
【化74】
【0182】
【化75】
【0183】
【化76】
【0184】
【化77】
【0185】以上説明した現像促進剤としての一般式
(1)〜(4)で表される化合物は写真業界で公知の方
法によって容易に合成することができる。
【0186】現像促進剤(一般式(1)〜(4)で表さ
れる化合物)は、水または適当な有機溶媒、例えばアル
コール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フ
ッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチ
ルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、メチルセロソルブなどに溶解して用いることがで
きる。あるいは、既によく知られている乳化分散法によ
って、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレートな
どのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助
溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用
いることができる。あるいはよく知られている固体分散
法に従って、ボールミル、コロイドミル、サンドグライ
ンダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダイザ
ーまたは超音波によって、化合物の粉末を水の中に分散
し、用いることができる。
【0187】現像促進剤(一般式(1)〜(4)で表さ
れる化合物)は、支持体上、画像形成層のうち、感光性
ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の面であれば
いずれの層に添加してもよいが、ハロゲン化銀を含む層
またはそれに隣接する層に添加することが好ましい。
【0188】現像促進剤(一般式(1)〜(4)で表さ
れる化合物)の添加量は、銀1モル当たり0.2〜20
0ミリモルが好ましく、より好ましくは0.3〜100
ミリモルであり、さらに好ましくは0.5〜30ミリモ
ルである。現像促進剤(一般式(1)〜(4)で表され
る化合物)は1種のみを用いても2種以上を併用しても
よい。
【0189】現像促進剤としては、一般式(1)〜
(4)で表される化合物以外にも、熱現像において現像
を促進する化合物であればどのような化合物でも用いる
ことができる。いわゆる還元剤を用いることができる。
具体的な化合物としては、p−アミノフェノール類、p
−フェニレンジアミン類、スルホンアミドフェノール
類、フェニドン類、アスコルビン酸、ヒドラジン類、フ
ェノール類、ナフトール類などの化合物を挙げることが
できる。中でも、スルホンアミドフェノール類(例え
ば、特開平10−221806号記載の一般式(1)で
表される化合物、特開2000−267222号明細書
に記載の式(A)で表される化合物)、ヒドラジン類が
好ましい。
【0190】非感光性有機銀塩について説明する。非感
光性有機銀塩(以下、単に「有機銀塩」ということがあ
る)は、光に対して比較的安定であるが、露光された光
触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還元剤の存
在下で、好適には80℃或いはそれ以上に加熱された場
合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は、銀イオ
ンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。
このような有機銀塩については、特開平10−6289
9号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0
803764A1号の第18ページ第24行〜第19ペ
ージ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、
特開平11−349591号、特開2000−7683
号、同2000−72711号等に記載されている。有
機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは1
5〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。
脂肪酸銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキ
ジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸
銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、
およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、
これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましく
は50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さ
らに好ましくは90モル%以上の脂肪酸銀を用いること
が好ましい。
【0191】有機銀塩の形状としては特に制限はなく、
針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。本発明
においては、りん片状の有機銀塩が好ましい。また、長
軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体
またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられ
る。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5以
上の長針状粒子に比べて熱現像時のカブリが少ないとい
う特徴を有している。本明細書において、りん片状の有
機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電
子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近
似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cと
した(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の
数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。 (式) x=b/a
【0192】この式に従って200個程度の粒子につい
てxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平
均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好
ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは2
0≧x(平均)≧2.0である。因みに針状とは1≦x
(平均)<1.5である。ここで、りん片状粒子におい
ては、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒
子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm
以上0.23μmが好ましく0.1μm以上0.20μ
m以下がより好ましい。c/bの平均は好ましくは1以
上6以下、より好ましくは1.05以上4以下、さらに
好ましくは1.1以上3以下、特に好ましくは1.1以
上2以下である。
【0193】有機銀塩の粒子サイズ分布は、単分散であ
ることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長
さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100
分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%
以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形
状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微
鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の
方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を
求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分
率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好まし
くは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測
定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザ
ー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する
自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ
(体積加重平均直径)から求めることができる。
【0194】有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の
方法等を適用することができる。例えば上記の特開平1
0−62899号、欧州特許公開第0803763A
1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11
−349591号、特開2000−7683号、同20
00−72711号、特願平11−348228〜30
号、同11−203413号、特願2000−9009
3号、同2000−195621号、同2000−19
1226号、同2000−213813号、同2000
−214155号、同2000−191226号等を参
考にすることができる。
【0195】なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を
共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下する
ため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことが
より好ましい。本発明では、分散される水分散液中での
感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1molに対し
1mol%以下であることが好ましく、より好ましくは
0.1mol%以下であり、さらに好ましいのは積極的
な感光性銀塩の添加を行わないものである。また、有機
銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液を混合して感光材料
を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩
の混合比率は目的に応じて選べる。具体的には、有機銀
塩に対する感光性銀塩の割合は1〜30モル%の範囲が
好ましく、更に2〜20モル%、特に3〜15モル%の
範囲が好ましい。混合する際に2種以上の有機銀塩水分
散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合すること
は、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法で
ある。
【0196】有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量
として0.1〜5g/m2が好ましく、より好ましくは
0.3〜3g/m2、さらに好ましくは0.5〜2g/
2である。
【0197】感光性ハロゲン化銀について説明する。本
発明の熱現像感光材料は、感光性ハロゲン化銀を含む
が、当該ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限
はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩臭化銀、ヨウ化銀を用いることができる。その中でも
臭化銀およびヨウ臭化銀が好ましい。粒子内におけるハ
ロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成
がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に
変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有す
るハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構
造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ま
しくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることが
できる。また塩化銀、臭化銀または塩臭化銀粒子の表面
に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いる
ことができる。
【0198】感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界で
はよく知られており、例えば、リサーチディスクロージ
ャー1978年6月の第17029号、および米国特許
第3,700,458号明細書に記載されている方法を
用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他
のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合
物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、
その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開
平11−119374号公報の段落番号0217〜02
24に記載されている方法、特願平11−98708号
明細書、特開2000−347335号公報記載の方法
も好ましい。
【0199】感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像
形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好
ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは
0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは
0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう
粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒
子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算し
たときの直径をいう。
【0200】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナ
ーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光
性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)に
ついては特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場
合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高
いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ま
しく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好
ましい。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸
着における{111}面と{100}面との吸着依存性
を利用したT.Tani;J.Imaging Sc
i.,29、165(1985年)に記載の方法により
求めることができる。
【0201】ハロゲン化銀粒子としては、六シアノ金属
錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ま
しい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)6
4-、[Fe(CN)63-、[Ru(CN)64-、[O
s(CN)64-、[Co(CN)63-、[Rh(C
N)63-、[Ir(CN)63-、[Cr(CN)6
3-、[Re(CN)63-などが挙げられる。本発明に
おいては六シアノFe錯体が好ましい。
【0202】六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの
形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混
和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合してい
るナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオ
ン、セシウムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ
金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウ
ムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テ
トラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモ
ニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオ
ン)を用いることが好ましい。
【0203】六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和し
うる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル
類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類
等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することが
できる。
【0204】六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当
たり1×10-5モル以上1×10-2モル以下が好まし
く、より好ましくは1×10-4モル以上1×10-3モル
以下である。
【0205】六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表
面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に
使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セ
レン増感およびテルル増感のカルコゲン増感や金増感等
の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終
了前、水洗工程中、分散工程中、または化学増感工程前
に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないた
めには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加す
ることが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好
ましい。
【0206】尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成
をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加
した後から開始してもよく、98質量%添加した後から
開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特
に好ましい。
【0207】これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了
する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハ
ロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほと
んどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。こ
の六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の
塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、
粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造すること
が可能となった。
【0208】感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第
1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属また
は金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族
〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ま
しくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。こ
れら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金
属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は
銀1モルに対し1×10-9モルから1×10-3モルの範
囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの
添加法については特開平7−225449号、特開平1
1−65021号段落番号0018〜0024、特開平
11−119374号段落番号0227〜0240に記
載されている。
【0209】ハロゲン化銀粒子に含有することのできる
金属原子(例えば[Fe(CN)64-)、ハロゲン化
銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−8
4574号段落番号0046〜0050、特開平11−
65021号段落番号0025〜0031、特開平11
−119374号段落番号0242〜0250に記載さ
れている。
【0210】感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラ
チンとしては、種々のゼラチンが使用することができ
る。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中で
の分散状態を良好に維持するために、分子量は、500
〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好
ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるい
は脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後
の分散時に使用することが好ましい。
【0211】ハロゲン化銀粒子に適用できる増感色素と
しては、ハロゲン化銀に吸着した際、所望の波長領域で
ハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の
分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選
択することができる。増感色素及び添加法については、
特開平11−65021号の段落番号0103〜010
9、特開平10−186572号一般式(II)で表さ
れる化合物、特開平11−119374号の一般式
(I) で表される色素及び段落番号0106、米国特
許第5,510,236号、同第3,871,887号
実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開
昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許
公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜
第20ページ第35行、特願2000−86865号、
特願2000−102560号、特願2000−205
399号等に記載されている。これらの増感色素は単独
で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発
明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時
期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好
ましくは脱塩後から化学熟成の開始前までの時期であ
る。増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせ
て所望の量にすることができるが、感光性層のハロゲン
化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好
ましくは10-4〜10-1モルである。分光増感効率を向
上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発
明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第58
7,338号、米国特許第3,877,943号、同第
4,873,184号、特開平5−341432号、同
11−109547号、同10−111543号等に記
載の化合物が挙げられる。
【0212】感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、
セレン増感法もしくはテルル増感法にて化学増感されて
いることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テル
ル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化
合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化
合物等を使用することができる。特に本発明においては
テルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落
番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−
313284号中の一般式(II),(III),(I
V)で示される化合物がより好ましい。
【0213】感光性ハロゲン化銀粒子の化学増感は粒子
形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、
脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、
(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。特に
分光増感後に行われることが好ましい。化学増感際の硫
黄、セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハ
ロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハ
ロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましく
は10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化
学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては
5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜
95℃程度である。
【0214】ハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第2
93,917号公報に示される方法により、チオスルホ
ン酸化合物を添加してもよい。
【0215】感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでも
よいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるも
の、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化
学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異
なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調
節することができる。これらに関する技術としては特開
昭57−119341号、同53−106125号、同
47−3929号、同48−55730号、同46−5
187号、同50−73627号、同57−15084
1号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤
で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0216】感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m
2当たりの塗布銀量で示して、0.03〜0.6g/m2
であることが好ましく、0.07〜0.4g/m2であ
ることがさらに好ましく、0.05〜0.3g/m2
あることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、
感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下
が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モ
ル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル
以下である。
【0217】感光性ハロゲン化銀の有機銀塩との混合方
法及び混合条件については、それぞれ調製終了した(別
々に調製した)ハロゲン化銀粒子と有機銀塩とを高速撹
拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミ
ル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機
銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感
光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等
があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては
特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀
塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合する
ことは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0218】感光性ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中
への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直
前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方
法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる
限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法とし
ては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞
留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合す
る方法やN.Harnby、M.F.Edwards、
A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”
(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載さ
れているスタチックミキサーなどを使用する方法があ
る。
【0219】バインダーについて説明する。バインダー
はいかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダ
ーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂や
ポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポ
リマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラ
チン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロ
キシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セ
ルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリ
ドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)
類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニ
ル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合
体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニル
アセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及
びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、
ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニ
リデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネー
ト)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)
類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。
バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被
覆形成してもよい。
【0220】バインダーは、その平均ガラス転移温度
(Tg)は10℃〜80℃である(以下、高Tgバイン
ダーということあり)ことが好ましく、15℃〜70℃
であることがより好ましく、20℃以上65℃以下であ
ることが更に好ましい。本発明においては、平均ガラス
転移温度(Tg)が20℃以上のバインダーが好適に用
いられる。なお、本明細書においてTgは下記の式で計
算した。 式 1/Tg=Σ(Xi/Tgi) ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマ
ー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマ
ーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマ
ーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。
ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマ
ーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPol
ymer Handbook(3rd Editio
n)(J.Brandrup, E.H.Immerg
ut著(Wiley−Interscience、19
89))の値を採用した。
【0221】バインダーは、必要に応じて2種以上を併
用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のも
のとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて
用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレン
ドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範
囲にはいることが好ましい。
【0222】ここで、画像形成層(有機銀塩含有層)は
溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、
乾燥して被膜を形成させることが好ましい。有機銀塩含
有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて
塗布し、乾燥して形成される場合、有機銀塩含有層のバ
インダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能で
ある場合、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質
量%以下のポリマーのラテックスからなる場合には、性
能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が
2.5mS/cm以下になるように調製されたものであ
り、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜
を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0223】バインダー(ポリマー)が可溶または分散
可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下
の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性
の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミ
ドなどを挙げることができる。なお、バインダー(ポリ
マー)が熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態
で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という
言葉を使用する。また「25℃60%RHにおける平衡
含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡
にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポ
リマーの重量W0を用いて以下のように表すことができ
る。 25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W
0)/W0}×100(質量%) ここで、含水率の定義と測定法については、例えば高分
子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地
人書館)を参考にすることができる。
【0224】バインダー(ポリマー)の25℃60%R
Hにおける平衡含水率は、2質量%以下であることが好
ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質
量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量
%以下が望ましい。
【0225】バインダーとしては、水系溶媒に分散可能
なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水
不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテック
スやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分
散しているものなどいずれでもよいが、ラッテクス分散
した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1〜5
0000nm、好ましくは5〜1000nmの範囲で、
より好ましくは10〜500nmの範囲、さらに好まし
くは50〜200nmの範囲である。分散粒子の粒径分
布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの
でも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒
径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗
布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
【0226】水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい
態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)
類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)
類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポ
リ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎
水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポ
リマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマ
ーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノ
マーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種
類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポ
リマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポ
リマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子
量で5000〜1000000、好ましくは10000
〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは乳剤
層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性
が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテク
スは特に好ましく使用される。
【0227】ポリマーラテックスの好適な具体例として
は以下のものを挙げることができる。以下では原料モノ
マーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数
平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架
橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋
性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転
移温度を表す。
【0228】P−1;−MMA(70)−EA(27)
−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、T
g61℃) P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St
(5)−AA(5)−のラテックス(分子量4000
0、Tg59℃) P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)
−のラテックス(架橋性、Tg−17℃) P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−
のラテックス(架橋性、Tg17℃) P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−
のラテックス(架橋性,Tg24℃) P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−
のラテックス(架橋性) P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−
のラテックス(架橋性、Tg29℃) P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)
−MAA(2)−のラテックス(架橋性) P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)
−AA(3)−のラテックス(架橋性) P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(2
0)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量
80000) P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA
(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量6700
0) P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテッ
クス(分子量12000) P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA
(3)のラテックス(分子量130000、Tg43
℃) P−14;−MMA(63)−EA(35)− AA
(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃) P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−A
A(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃) P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−A
A(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
【0229】上記構造の略号は以下のモノマーを表す。
MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレ
ート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘ
キシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエ
ン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,V
C;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩
化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0230】以上に記載したポリマーラテックスは市販
もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。ア
クリル系ポリマーの例としては、セビアンA−463
5,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)
製)、Nipol Lx811、814、821、82
0、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エ
ステル)類の例としては、FINETEX ES65
0、611、675、850(以上大日本インキ化学
(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマ
ンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例として
は、HYDRAN AP10、20、30、40(以上
大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例として
は、LACSTAR 7310K、3307B、470
0H、7132C(以 上大日本インキ化学(株)
製)、Nipol Lx416、410、438C、2
507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビ
ニル)類の例としては、G351、G576(以上日本
ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例
としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)
製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパ
ールS120、SA100(以上三井石油化学(株)
製)などを挙げることができる。
【0231】ポリマーラテックスは単独で用いてもよい
し、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0232】ポリマーラテックスとしては、特に、スチ
レン−ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。ス
チレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマ
ー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:
60〜95:5であることが好ましい。また、スチレン
のモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合
体に占める割合は60〜99質量%であることが好まし
い。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸ま
たはメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して
1〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは
2〜5質量%含有する。本発明のポリマーラテックスは
アクリル酸を含有することが好ましい。
【0233】スチレン−ブタジエン酸共重合体のラテッ
クスとしては、前記のP−3〜P−8,15、市販品で
あるLACSTAR−3307B、7132C、Nip
olLx416等が挙げられる。
【0234】本発明の熱現像感光材料において、画像形
成層(有機銀塩含有層)には必要に応じてゼラチン、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの
親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリ
マーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質
量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0235】本発明の熱現像感光材料において、画像形
成層(有機銀塩含有層)は、ポリマーラテックスを用い
て形成されたものが好ましい。有機銀塩含有層のバイン
ダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/1
0〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、
さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。また、
このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である
感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(乳剤層)で
もあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化
銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10
の範囲である。
【0236】画像形成層(有機銀塩含有層)の全バイン
ダー量は好ましくは0.2〜30g/m2、より好まし
くは1〜15g/m2、さらに好ましくは2〜10g/
2の範囲である。本発明の画像形成層には架橋のため
の架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加し
てもよい。
【0237】画像形成層(有機銀塩含有層)塗布液の溶
媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒
と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ま
しい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エ
チルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液
の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは7
0質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げ
ると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水
/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコー
ル/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチ
ルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水
/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/
10/5などがある(数値は質量%)。
【0238】支持体について説明する。支持体として
は、透明支持体を用いることが好ましい。透明支持体は
二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和さ
せ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすため
に、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリ
エステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく
用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持
体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施
例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色
でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水
溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレン
ブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特
願平11−106881号段落番号0063〜0080
の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用する
ことが好ましい。また、帯電防止層若しくは下塗りにつ
いて特開昭56−143430号、同56−14343
1号、同58−62646号、同56−120519
号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0
051、米国特許第5,575,957号、特開平11
−223898号の段落番号0078〜0084に記載
の技術を適用することができる。
【0239】以下、本発明の熱現像感光材料の層構成や
その他の添加剤など好適な形態について説明する。本発
明の熱現像感光材料には、カブリ防止剤、安定剤および
安定剤前駆体を含むことができる。このようなカブリ防
止剤、安定剤および安定剤前駆体は特開平10−628
99号の段落番号0070、欧州特許公開第08037
64A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載
の特許のもの、特開平9−281637号、同9−32
9864号記載の化合物、米国特許6,083,681
号、同6,083,681号、欧州特許1048975
号に記載の化合物が挙げられる。また、本発明に好まし
く用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化物であり、
これらについては、特開平11−65021号の段落番
号0111〜0112に記載の特許に開示されているも
のが挙げられる。特に特開2000−284399号の
式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10−
339934号の一般式(II)で表される有機ポリハ
ロゲン化合物、特開2001−31644号および特開
2001−33911号に記載の有機ポリハロゲン化合
物が好ましい。有機ポリハロゲン化合物として、特に好
ましくは、下記一般式(H)で表される化合物である。
【0240】
【化78】
【0241】一般式(H)において、Qはアルキル基、
アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基
を表し、nは0または1を表し、Z1およびZ2はハロゲ
ン原子を表し、Xは水素原子または電子吸引性基を表
す。
【0242】一般式(H)において、Qは好ましくはハ
メットの置換基定数σpが正の値をとる電子吸引性基で
置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に
関しては、Journal of Medicinal
Chemistry,1973,Vol.16,N
o.11,1207−1216 等を参考にすることが
できる。このような電子吸引性基としては、例えばハロ
ゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子
(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.2
3)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメ
チル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリ
クロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチ
ル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.6
6)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリー
ルもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホ
ニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしく
は複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.5
0)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル
基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族
・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノ
キシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル
基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:
0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル
基等が挙げられる。σp値としては好ましくは0.2〜
2.0の範囲で、より好ましくは0.4から1.0の範
囲である。電子吸引性基として特に好ましいのは、カル
バモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホ
ニル基、アルキルホスホリル基で、なかでもカルバモイ
ル基が最も好ましい。
【0243】一般式(H)において、Xは、好ましくは
電子吸引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂
肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・
アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールも
しくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子で
ある。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、
臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。一般
式(H)において、Yは好ましくは−C(=O)−、−
SO−または−SO2 −を表し、より好ましくは−C
(=O)−、−SO2 −であり、特に好ましくは−S
2 −である。nは、0または1を表し、好ましくは
1である。
【0244】以下、一般式(H)で表される化合物の具
体例を示すが、これらに限定されるわけではない。
【0245】
【化79】
【0246】
【化80】
【0247】カブリ防止剤(一般式(H)で表される化
合物)は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10
-4〜1モルの範囲で使用することが好ましく、より好ま
しくは10-3〜0.5モルの範囲で、さらに好ましくは
1×10-2〜0.2モルの範囲で使用することが好まし
い。カブリ防止剤を感光材料に含有せしめる方法として
は、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有
機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添
加することが好ましい。
【0248】カブリ防止剤としては、その他、特開平1
1−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、
同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−2
06642号のサリチル酸誘導体、特開2000−22
1634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジ
ャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に
係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般
式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げ
られる。
【0249】本発明の熱現像感光材料においては、カブ
リ防止を目的としてアゾリウム塩を含有してもよい。ア
ゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載
の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12
581号記載の化合物、特開昭60−153039号記
載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。ア
ゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良い
が、添加層としては感光性層を有する面の層に添加する
ことが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさら
に好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調
製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に添
加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかな
る工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好まし
い。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子
分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色
素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液とし
て添加しても良い。本発明においてアゾリウム塩の添加
量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×
10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル
以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0250】本発明の熱現像感光材料においては、現像
を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感
効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させる
ためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チ
オン化合物を含有させることができ、特開平10−62
899号の段落番号0067〜0069、特開平10−
186572号の一般式(I)で表される化合物及びそ
の具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許
公開第0803764A1号の第20ページ第36〜5
6行に記載されている。その中でも特開平9−2973
67号、特開平9−304875号、特開2001−1
00358号等に記載されているメルカプト置換複素芳
香族化合物が好ましい。
【0251】本発明の熱現像感光材料では、色調剤の添
加が好ましく、色調剤については、特開平10−628
99号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第
0803764A1号の第21ページ第23〜48行、
特開2000−356317号や特願2000−187
298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フ
タラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例え
ば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタ
ラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,
3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジ
ノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフ
タル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウ
ム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテト
ラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フ
タラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4
−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタ
ラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラ
ジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジ
ヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組
合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合
せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは
6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチル
フタル酸との組み合わせである。
【0252】本発明の熱現像感光材料において、感光性
層(画像形成層)に用いることのできる可塑剤および潤
滑剤については特開平11−65021号段落番号01
17、超硬調画像形成のための超硬調化剤やその添加方
法や量については、同号段落番号0118、特開平11
−223898号段落番号0136〜0193、特開平
2000−284399号の式(H)、式(1)〜
(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91
652号記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体
的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については
特開平11−65021号段落番号0102、特開平1
1−223898号段落番号0194〜0195に記載
されている。
【0253】本発明の熱現像感光材料において、蟻酸や
蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハ
ロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル
当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有
することが好ましい。
【0254】本発明の熱現像感光材料において、超硬調
化剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸
またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化
二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタ
リン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸
(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタ
リン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく
用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその
塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸
(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオル
トリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、
ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモ
ニウムなどがある。五酸化二リンが水和してできる酸ま
たはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)
は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよい
が、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜1
00mg/m2がより好ましい。
【0255】本発明の熱現像感光材料においては、画像
形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けること
ができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であっ
てもよい。表面保護層については、特開平11−650
21号段落番号0119〜0120、特願2000−1
71936号に記載されている。表面保護層のバインダ
ーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール
(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。
ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチ
ン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン8
01)など使用することができる。PVAとしては、特
開2000−171936号の段落番号0009〜00
20に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−
105、部分けん化物のPVA−205,PVA−33
5、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、
クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。
保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量
(支持体1m2当たり)としては0.3〜4.0g/m2
が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0256】本発明の熱現像感光材料を、特に寸法変化
が問題となる印刷用途に用いる場合には、表面保護層や
バック層にポリマーラテックスを用いることが好まし
い。このようなポリマーラテックスについては「合成樹
脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発
行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝
明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会
発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井
宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記
載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質
量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリ
ル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチ
ルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(4
7.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーの
ラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポ
リマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9
質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4
質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸
(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタ
クリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量
%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アク
リル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが
挙げられる。さらに、表面保護層用のバインダーとし
て、特願平11−6872号明細書のポリマーラテック
スの組み合わせ、特願平11−143058号明細書の
段落番号0021〜0025に記載の技術、特願平11
−6872号明細書の段落番号0027〜0028に記
載の技術、特願平10−199626号明細書の段落番
号0023〜0041に記載の技術を適用してもよい。
表面保護層のポリマーラテックスの比率は全バインダー
の10質量%以上90質量%以下が好ましく、特に20
質量%以上80質量%以下が好ましい。表面保護層(1
層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテッ
クスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)と
しては0.3〜5.0g/m2が好ましく、0.3〜
2.0g/m2がより好ましい。
【0257】本発明の熱現像感光材料において、画像形
成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、
さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ま
しい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマ
ーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30
℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0258】本発明の熱現像感光材料において、画像形
成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成され
る。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化
銀、還元剤およびバインダーを含んでなり、必要により
色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追
加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像
形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩およ
び感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両
層中にいくつかの他の成分を含むことができる。多色感
光性熱現像写真材料の構成は、各色についてこれらの二
層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,70
8,928号に記載されているように単一層内に全ての
成分を含んでいてもよい。多染料多色感光性熱現像写真
材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,46
0,681号に記載されているように、各感光性層の間
に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用すること
により、互いに区別されて保持される。
【0259】本発明の熱現像感光材料において、画像形
成層(感光性層)には色調改良、レーザー露光時の干渉
縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料
や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 6
0、C.I.PigmentBlue 64、C.I.
Pigment Blue 15:6)を用いることが
できる。これらについてはWO98/36322号、特
開平10−268465号、同11−338098号等
に詳細に記載されている。
【0260】本発明の熱現像感光材料においては、アン
チハレーション層を感光性層に対して光源から遠い側に
設けることができる。
【0261】本発明の熱現像感光材料おいては、一般
に、感光性層に加えて非感光性層を有することができ
る。非感光性層は、その配置から(1)感光性層の上
(支持体よりも遠い側)に設けられる保護層、(2)複
数の感光性層の間や感光性層と保護層の間に設けられる
中間層、(3)感光性層と支持体との間に設けられる下
塗り層、(4)感光性層の反対側に設けられるバック層
に分類できる。フィルター層は、(1)または(2)の
層として感光材料に設けられる。アンチハレーション層
は、(3)または(4)の層として感光材料に設けられ
る。
【0262】アンチハレーション層については特開平1
1−65021号段落番号0123〜0124、特開平
11−223898号、同9−230531号、同10
−36695号、同10−104779号、同11−2
31457号、同11−352625号、同11−35
2626号等に記載されている。アンチハレーション層
には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料
を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸
収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有
しない染料が好ましい。可視域に吸収を有する染料を用
いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には
染料の色が実質的に残らないようにすることが好まし
く、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ま
しく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサー
とを添加してアンチハレーション層として機能させるこ
とが好ましい。これらの技術については特開平11−2
31457号等に記載されている。
【0263】消色染料の添加量は、染料の用途により決
定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光
学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学
濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1
であることがより好ましい。このような光学濃度を得る
ための染料の使用量は、一般に0.001〜1g/m 2
程度である。
【0264】なお、このように染料を消色すると、熱現
像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができ
る。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現
像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以
上の塩基プレカーサーを併用してもよい。このような消
色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、
特開平11−352626号に記載のような塩基プレカ
ーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させ
る物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェ
ニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエー
ト等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0265】本発明の熱現像感光材料においては、銀色
調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450n
mに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。
このような着色剤は、特開昭62−210458号、同
63−104046号、同63−103235号、同6
3−208846号、同63−306436号、同63
−314535号、特開平01−61745号、特開平
2001−100363などに記載されている。このよ
うな着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範
囲で添加され、添加する層としては感光性層の反対側に
設けられるバック層が好ましい。
【0266】本発明の熱現像感光材料は、支持体の一方
の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む画像形
成層(感光性層)を有し、他方の側にバック層を有す
る、いわゆる片面感光材料であることが好ましい。
【0267】本発明の熱現像感光材料においては、搬送
性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マ
ット剤については、特開平11−65021号段落番号
0126〜0127に記載されている。マット剤は感光
材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1
〜400mg/m2、より好ましくは5〜300mg/
2である。
【0268】マット剤の形状は定型、不定形のいずれで
もよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられ
る。平均粒径は0.5〜10μmであることが好まし
く、より好ましくは1.0〜8.0μm、さらに好まし
くは2.0〜6.0μmの範囲である。また、サイズ分
布の変動係数としては50%以下であることが好まし
く、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、3
0%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏
差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。
また、変動係数が小さいマット剤で平均粒径の比が3よ
り大きいものを2種併用することも好ましい。また、乳
剤面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも
良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好
ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベ
ック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙
および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およ
びTAPPI標準法T479により容易に求めることが
できる。
【0269】バック層のマット度としてはベック平滑度
が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下
20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下
40秒以上である。
【0270】マット剤は感光材料の最外表面層もしくは
最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層
に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として
作用する層に含有されることが好ましい。
【0271】バック層については特開平11−6502
1号段落番号0128〜0130にその詳細が記載され
ている。
【0272】本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前
の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに
好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限は
ないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜
6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体
などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアな
どの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させ
るという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しや
すく、塗布する工程や熱現像される前に除去できること
から低膜面pHを達成する上で好ましい。また、水酸化
ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮
発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用い
られる。なお、膜面pHの測定方法は、特願平11−8
7297号明細書の段落番号0123に記載されてい
る。
【0273】本発明の熱現像感光材料においては、画像
形成層(感光性層)、保護層、バック層など各層には硬
膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.Ja
mes著“THE THEORY OF THE PH
OTOGRAPHIC PROCESS FOURTH
EDITION”(Macmillan Publi
shing Co., Inc.刊、1977年刊)7
7頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうば
ん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホ
ンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルス
ルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価
金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6
−208193号などのポリイソシアネート類、米国特
許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開
昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類
が好ましく用いられる。
【0274】硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の
保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前か
ら直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混
合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現
れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法
としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平
均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混
合する方法やN.Harnby、M.F.Edward
s、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技
術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記
載されているスタチックミキサーなどを使用する方法が
ある。
【0275】本発明の熱現像感光材料において、用いら
れる界面活性剤については特開平11−65021号段
落番号0132、溶剤については同号段落番号013
3、支持体については同号段落番号0134、帯電防止
又は導電層については同号段落番号0135、カラー画
像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り
剤については特開平11−84573号段落番号006
1〜0064や特願平11−106881号段落番号0
049〜0062記載されている。
【0276】本発明の熱現像感光材料においては、金属
酸化物を含む導電層を有することが好ましい。導電層の
導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を
導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられ
る。金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2
が好ましく、ZnO2に対してはAl、Inの添加、S
nO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添
加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好まし
い。特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子
の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、
0.1から10mol%の範囲がより好ましい。金属酸
化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電
性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好まし
くは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用
量は好ましくは1mg/m〜1000mg/m2の範囲
で、より好ましくは10mg/m〜500mg/m2
範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/
2の範囲である。導電層は乳剤面側、バック面側のい
ずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設
置することが好ましい。導電層の具体例は、特開平7−
295146号、特開平11−223901号に記載さ
れている。
【0277】本発明の熱現像感光材料においては、フッ
素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系
界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特
開2000−19680号、特開2000−21455
4号等に記載された化合物が挙げられる。また、特開平
9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も
好ましく用いられる。本発明の熱現像感光材料において
は、特願2000−206560号記載のフッ素系界面
活性剤の使用が特に好ましい。
【0278】本発明の熱現像感光材料は、モノシート型
(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感
光材料上に画像を形成できる型)であることが好まし
い。
【0279】本発明の熱現像感光材料には、さらに、酸
化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被
覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、感光性層あ
るいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについ
てWO98/36322号、EP803764A1号、
特開平10−186567号、同10−18568号等
を参考にすることができる。
【0280】本発明の熱現像感光材料において、各層は
いかなる方法で塗布形成されてもよい。具体的には、エ
クストルージョンコーティング、スライドコーティン
グ、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフ
コーティング、フローコーティング、または米国特許第
2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる
押出コーティングを 含む種々のコーティング操作が用
いられ、StephenF. Kistler、Pet
ert M. Schweizer著“LIQUID
FILM COATING”(CHAPMAN & H
ALL社刊、1997年)399頁から536頁記載の
エクストルージョンコーティング、またはスライドコー
ティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコ
ーティングが用いられる。スライドコーティングに使用
されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のF
igure 11b.1に ある。また、所望により同
書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,7
61,791号および英国特許第837,095号に記
載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆す
ることができる。
【0281】本発明の熱現像感光材料において、画像形
成層(有機銀塩含有層)塗布液は、いわゆるチキソトロ
ピー流体であることが好ましい。この技術については特
開平11−52509号を参考にすることができる。本
発明における有機銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S
-1における粘度は400mPa・s以上100,000
mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500m
Pa・s以上20,000mPa・s以下である。ま
た、剪断速度1000S-1においては1mPa・s以上
200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5
mPa・s以上80mPa・s以下である。
【0282】本発明の熱現像感光材料に用いることので
きる技術としては、EP803764A1号、EP88
3022A1号、WO98/36322号、特開昭56
−62648号、同58−62644号、特開平9−4
3766、同9−281637、同9−297367
号、同9−304869号、同9−311405号、同
9−329865号、同10−10669号、同10−
62899号、同10−69023号、同10−186
568号、同10−90823号、同10−17106
3号、同10−186565号、同10−186567
号、同10−186569号〜同10−186572
号、同10−197974号、同10−197982
号、同10−197983号、同10−197985号
〜同10−197987号、同10−207001号、
同10−207004号、同10−221807号、同
10−282601号、同10−288823号、同1
0−288824号、同10−307365号、同10
−312038号、同10−339934号、同11−
7100号、同11−15105号、同11−2420
0号、同11−24201号、同11−30832号、
同11−84574号、同11−65021号、同11
−109547号、同11−125880号、同11−
129629号、同11−133536号〜同11−1
33539号、同11−133542号、同11−13
3543号、同11−223898号、同11−352
627号、同11−305377号、同11−3053
78号、同11−305384号、同11−30538
0号、同11−316435号、同11−327076
号、同11−338096号、同11−338098
号、同11−338099号、同11−343420
号、特願2000−187298号、同2000−10
229号、同2000−47345号、同2000−2
06642号、同2000−98530号、同2000
−98531号、同2000−112059号、同20
00−112060号、同2000−112104号、
同2000−112064号、同2000−17193
6号も挙げられる。
【0283】なお、本発明の熱現像感光材料は、有機溶
剤塗布により製造することもできる。
【0284】本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で
現像されてもよいが、通常イメージワイズに露光した熱
現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度
としては80〜250℃であり、好ましくは100〜1
40℃、さらに好ましくは110〜130℃である。現
像時間としては1〜60秒が好ましく、より好ましくは
3〜30秒、さらに好ましくは3〜25秒、特に好まし
くは5〜19秒である。
【0285】熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、
プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレ
ートヒーター方式がより好ましい。プレートヒーター方
式による熱現像方式とは特開平11−133572号に
記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料
を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像
を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒ
ータからなり、かつ前記プレートヒータの一方の面に沿
って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えロー
ラと前記プレートヒータとの間に前記熱現像感光材料を
通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置で
ある。プレートヒータを2〜6段に分けて先端部につい
ては1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例え
ば、独立に温度制御できる4組のプレートヒータを使用
し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃
になるように制御する例が挙げられる。このような方法
は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現
像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外
させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱
されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑
えることもできる。
【0286】本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で
露光されてもよいが、露光光源としてレーザー光が好ま
しい。本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー
(Ar+、He−Ne)、YAGレーザー、色素レーザ
ー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体レー
ザーと第2高調波発生素子などを用いることもできる。
好ましくは赤〜赤外発光のガス若しくは半導体レーザー
である。
【0287】露光部及び熱現像部を備えた医療用のレー
ザーイメージャーとしては富士メディカルドライレーザ
ーイメージャーFM−DP Lを挙げることができる。
FM−DP Lに関しては、Fuji Medical
Review No.8,page 39〜55に記
載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料
のレーザーイメージャーとして適用することは言うまで
もない。また、DICOM規格に適応したネットワーク
システムとして富士メディカルシステムが提案した「A
D network」の中でのレーザーイメージャー用
の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0288】本発明の熱現像感光材料は、銀画像による
黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業
写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM
用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【0289】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0290】[実施例1]
【0291】(PET支持体の作製)テレフタル酸とエ
チレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=
0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4
(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペ
レット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶
融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が
175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作製し
た。
【0292】これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3
倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施
した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃で
あった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同
じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャ
ック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4
kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得
た。
【0293】(表面コロナ処理)ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両
面を室温下において20m/分で処理した。この時の電
流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV
・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。
この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−
ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0294】 (下塗り支持体の作製) (1)下塗層塗布液の作製 処方(感光層側下塗り層用) ・高松油脂(株)製ペスレジンA−520 ・・・59g (30質量%溶液) ・ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル ・・・5.4g (平均エチレンオキシド数=8.5)10質量%溶液 ・綜研化学(株)製MP−1000 ・・・0.91g (ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) ・蒸留水 ・・・935ml
【0295】 処方(バック面第1層用) ・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス ・・・158g (固形分40質量%、スチレン/ブタジエン重量比=68/32) ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S− トリアジンナトリウム塩8質量%水溶液 ・・・20g ・ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 ・・・10ml ・蒸留水 ・・・854ml
【0296】 処方(バック面側第2層用) ・SnO2/SbO ・・・84g (9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物) ・ゼラチン(10質量%水溶液) ・・・89.2g ・信越化学(株)製メトローズTC−5(2質量%水溶液) ・・・8.6g ・綜研化学(株)製 MP−1000 ・・・0.01g (ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 ・・・10ml ・NaOH(1質量%) ・・・6ml ・プロキセル(ICI社製) ・・・1ml ・蒸留水 ・・・805ml
【0297】上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ
放電処理を施した後、片面(感光性層面)に上記下塗り
塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6
ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180
℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記
下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が
5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分
間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処
方をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m
2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗
り支持体を作製した。
【0298】(バック面塗布液の調製) (塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物−1を64g、ジフェニルスル
ホンを28gおよび花王(株)製界面活性剤デモールN
10gを蒸留水220mlと混合し、混合液をサンドミ
ル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、ア
イメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均粒子
径0.2μmの塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分
散液(a)を得た。
【0299】(染料固体微粒子分散液の調製)シアニン
染料化合物−1を9.6gおよびp−ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混
合し、混合液をサンドミル(1/4Gallonサンド
グラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビ
ーズ分散して平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子分
散液を得た。
【0300】(ハレーション防止層塗布液の調製)ゼラ
チン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プ
レカーサーの固体微粒子分散液(a)56g、上記染料
固体微粒子分散液50g、単分散ポリメチルメタクリレ
ート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.
4)1.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.03g、ポ
リエチレンスルホン酸ナトリウム2.2g、青色染料化
合物−1を0.1g、黄色染料化合物−1を0.1g、
水を844ml混合し、ハレーション防止層塗布液を調
製した。
【0301】(バック面保護層塗布液の調製)容器を4
0℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルホン
酸ナトリウム0.2g、N,N−エチレンビス(ビニル
スルホンアセトアミド)2.4g、t−オクチルフェノ
キシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム1g、ベンゾ
イソチアゾリノン30mg、フッ素系界面活性剤(F−
1:N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N−プロ
ピルアラニンカリウム塩)37mg、フッ素系界面活性
剤(F−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフ
ルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノ
エチル)エーテル[エチレンオキサイド平均重合度1
5])150mg、フッ素系界面活性剤(F−3)64
mg、フッ素警戒面活性剤(F−4)32mg、アクリ
ル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合重量比5/
95)8.8g、エアロゾールOT(アメリカンサイア
ナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳化物を流動パ
ラフィンとして1.8g、水を950ml混合してバッ
ク面保護層塗布液とした。
【0302】(ハロゲン化銀乳剤の調製) 《ハロゲン化銀乳剤1の調製》蒸留水1421mlに1
質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.
5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチ
ン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪
拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22g
に蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カ
リウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水に
て容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45
秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸
化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾ
ールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さら
に、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5m
lに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化
カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈し
た溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添
加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロ
ールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1
×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸
カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから
10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5
秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル
当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L
濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止
め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L
濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、
pAg8.0のハロゲン化銀分散物を調製した。
【0303】上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら3
8℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソ
チアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、
40分後に分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で1:
1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの
合計として1.2×10-3モル加え、1分後に47℃に
昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナ
トリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×
10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Bをメタ
ノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-4モル加えて
91分間熟成した。N,N’−ジヒドロキシ−N"−ジ
エチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3m
lを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプ
トベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当た
り4.8×10-3モル及び1−フェニル−2−ヘプチル
−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノ
ール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モル添加し
て、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
【0304】調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、
平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20
%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子で
あった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個
の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率
は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
【0305】《ハロゲン化銀乳剤2の調製》ハロゲン化
銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を4
7℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留
水にて容量97.4mlに希釈することに変更し、溶液
Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400m
lに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分
にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は
同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロ
ゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行っ
た。更に分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で
1:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感
色素Aと増感色素Bの合計として7.5×10-4モル、
テルル増感剤Bの添加量を銀1モル当たり1.1×10
-4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト
−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3
×10-3モルに変えた以外は乳剤1と同様にして分光増
感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイ
ミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカ
プト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲ
ン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子
は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数
20%の純臭化銀立方体粒子であった。
【0306】《ハロゲン化銀乳剤3の調製》ハロゲン化
銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を2
7℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3
の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈
殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光
増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水
溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感
色素Bの合計として6×10-3モル、テルル増感剤Bの
添加量を銀1モル当たり5.2×10-4モルに変えた以
外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。
ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.0
34μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に
3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
【0307】《ハロゲン化銀混合乳剤Aの調製》ハロゲ
ン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15
質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベン
ゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モ
ル当たり7×10-3モル添加してハロゲン化銀混合乳剤
Aを調製した。さらにハロゲン化銀混合乳剤1kgあた
りハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるよ
うに加水した。
【0308】《脂肪酸銀分散物(ベヘン酸銀分散物)の
調製》ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C
22−85R)87.6kg、蒸留水423L、5mo
l/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルア
ルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反
応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀
40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用
意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30L
のt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保
温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液
の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93
分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水
溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加され
るようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開
始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘ
ン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。この
とき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定に
なるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナト
リウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循
環させることにより保温し、添加ノズル先端の出口の液
温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液
の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させるこ
とにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置
と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的
な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製
した。
【0309】ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そ
のままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35
℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後
直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の
伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして
脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないで
ウエットケーキとして保管した。
【0310】得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微
鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μ
m、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト
比5.2、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動
係数15%のりん片状の結晶であった。(a,b,cは
本文の規定)
【0311】乾燥固形分260kg相当のウエットケー
キに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−2
17)19.3kgおよび水を添加し、全体量を100
0kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更
にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10
型)で予備分散した。
【0312】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフル
イデックス・インターナショナル・コーポレーション
製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1
260kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸
銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラ
クションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を
調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0313】《還元剤錯体分散物の調製》還元剤錯体
[還元剤(表2に記載)と水素結合性化合物(D−7)
の1:1錯体]10kg、トリフェニルホスフィンオキ
シド0.12kgおよび変性ポリビニルアルコール(ク
ラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶
液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してス
ラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送
液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し
た横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)
製)にて4時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾ
リノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度
が22質量%になるように調製し、還元剤錯体分散物を
得た。こうして得た還元剤錯体分散物に含まれる還元剤
錯体粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.4
μm以下であった。得られた還元剤錯体分散物は孔径
3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行
い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0314】《還元剤分散物の調製》還元剤(表3に記
載)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液1
6kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリ
ーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液
し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した
横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)
にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノ
ンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が2
5質量%になるように調製し、還元剤分散物を得た。こ
うして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジア
ン径0.40μm、最大粒子径1.5μm以下であっ
た。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロ
ピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除
去して収納した。
【0315】《水素結合性化合物分散物の調製》水素結
合性化合物(D−1)10kgと変性ポリビニルアルコ
ール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質
量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混
合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポ
ンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズ
を充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス
(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソ
チアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結
合性化合物の濃度が25質量%になるように調製し、水
素結合性化合物分散物を得た。こうして得た分散物に含
まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.35μ
m、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた水素
結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン
製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して
収納した。
【0316】《現像促進剤−1分散物の調製》現像促進
剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液2
0kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリ
ーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液
し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した
横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)
にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノ
ンナトリウム塩0.2gと水を加えての現像促進剤濃度
が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散
物を得た。こうして得た分散物に含まれる粒子は現像促
進剤メジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以
下であった。得られた分散物は孔径3.0μmのポリプ
ロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を
除去して収納した。
【0317】《現像促進剤−2、現像促進剤−3および
色調調整剤−1の調製》現像促進剤−2、現像促進剤−
3および色調調整剤−1の固体分散物についても現像促
進剤−1と同様の方法により分散し、20質量%の分散
液を得た。
【0318】(ポリハロゲン化合物の調製) 《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》有機ポリ
ハロゲン化合物−1(H−1)10kgと変性ポリビニ
ルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の
20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタ
レンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4k
gと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーと
した。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平
均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サ
ンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5
時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム
塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度
が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化
合物―1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合
物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジ
アン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であっ
た。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径1
0.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行
い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0319】《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調
製》有紀ポリハロゲン化合物−2(H−8)10kgと
変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールM
P203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプ
ロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水
溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとし
た。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均
直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サン
ドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時
間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩
0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が
30質量%になるように調製した。この分散液を40℃
で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物―2分散物を
得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれ
る有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μ
m、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機
ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロ
ピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除
去して収納した。
【0320】《フタラジン化合物−1溶液の調製》8k
gのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP20
3を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロ
ピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶
液3.15kgとフタラジン化合物―1(6−イソプロ
ピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを
添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製し
た。
【0321】(メルカプト化合物の調製) 《メルカプト化合物−1水溶液の調製》メルカプト化合
物―1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプト
テトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解
し、0.7質量%の水溶液とした。
【0322】《メルカプト化合物−2水溶液の調製》メ
ルカプト化合物―2(1−(3−メチルウレイド)−5
−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)20gを水9
80gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
【0323】《顔料−1分散物の調製》C.I.Pig
ment Blue 60を64gと花王(株)製デモ
ールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してス
ラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ
800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、
分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメック
ス(株)製)にて25時間分散し、顔料−1分散物を得
た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均
粒径0.21μmであった。
【0324】《SBRラテックス液の調製》Tg=22
℃のSBRラテックスは以下により調整した。重合開始
剤として過硫酸アンモニウム、乳化剤としてアニオン界
面活性剤を使用し、スチレン70.0質量、ブタジエン
27.0質量およびアクリル酸3.0質量を乳化重合さ
せた後、80℃で8時間エージングを行った。その後4
0℃まで冷却し、アンモニア水によりpH7.0とし、
さらに三洋化成(株)製サンデットBLを0.22%に
なるように添加した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液
を添加しpH8.3とし、さらにアンモニア水によりp
H8.4になるように調整した。このとき使用したNa
+イオンとNH4 +イオンのモル比は1:2.3であっ
た。さらに、この液1kg対してベンゾイソチアゾリン
ノンナトリウム塩7%水溶液を0.15ml添加しSB
Rラテックス液を調製した。
【0325】(SBRラテックス:−St(70.0)
−Bu(27.0)−AA(3.0)−のラテックス)
Tg22℃ 平均粒径0.1μm、濃度43質量%、25℃60%R
Hにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.
2mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業
(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液
(43質量%)を25℃にて測定)、pH8.4 なお、Tgの異なるSBRラテックスはスチレン、ブタ
ジエンの比率を適宜変更し、同様の方法により調整でき
る。
【0326】《乳剤層(感光性層)塗布液−1の調製》
上記で得た脂肪酸銀分散物1000g、水276ml、
顔料−1分散物33.2g、有機ポリハロゲン化合物−
1分散物21g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物5
8g、フタラジン化合物−1溶液173g、SBRラテ
ックス(Tg:22℃)液1082g、還元剤錯体分散
物、現像促進剤−1分散物6g、メルカプト化合物−1
水溶液9ml、メルカプト化合物−2水溶液27mlを
順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤A117
gを添加して良く混合して乳剤層塗布液−1を調製し、
コーティングダイへ送液した。上記乳剤層塗布液の粘度
は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1
ローター、60rpm)で25[mPa・s]であっ
た。レオメトリックスファーイースト株式会社製RFS
フルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布
液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、10
00[1/秒]においてそれぞれ230、60、46、
24、18[mPa・s]であった。
【0327】《乳剤層(感光性層)塗布液−2の調製》
上記で得た脂肪酸銀分散物1000g、水276ml、
顔料−1分散物32.8g、有機ポリハロゲン化合物−
1分散物21g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物5
8g、フタラジン化合物−1溶液173g、SBRラテ
ックス(Tg:20℃)液1082g、還元剤分散物、
水素結合性化合物分散物55g、現像促進剤−1分散物
6g、現像促進剤−2分散物2g、現像促進剤−3分散
物3g、色調調整剤−1分散物2g、メルカプト化合物
−2水溶液6mlを順次添加し、塗布直前にハロゲン化
銀混合乳剤A117gを添加して良く混合して乳剤層塗
布液−2を調製し、をそのままコーティングダイへ送液
した。上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計
で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)
で40[mPa・s]であった。レオメトリックスファ
ーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメータ
ーを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.
1、1、10、100、1000[1/秒]において、
それぞれ530、144、96、51、28[mPa・
s]であった。
【0328】《乳剤面中間層塗布液の調製》ポリビニル
アルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000
g、顔料の5質量%分散物272g、メチルメタクリレ
ート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチ
ルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比
64/9/20/5/2)ラテックス19質量%液42
00mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド
社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモ
ニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量100
00gになるように水を加え、pHが7.5になるよう
にNaOHで調整して中間層塗布液とし、9.1ml/
2になるようにコーティングダイへ送液した。塗布液
の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60r
pm)で58[mPa・s]であった。
【0329】《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》イナ
ートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレー
ト/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチル
メタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比6
4/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液8
0g、フタル酸の10質量%メタノール溶液を23m
l、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23ml、
0.5mol/L濃度の硫酸を28ml、エアロゾール
OT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液
を5ml、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソ
チアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるよう
に水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん
26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したも
のを18.6ml/m2になるようにコーティングダイ
へ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.
1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であっ
た。
【0330】《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》イナ
ートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレー
ト/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチル
メタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比6
4/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液1
02g、フッ素系界面活性剤(F−1:N−パーフルオ
ロオクチルスルフォニル−N−プロピルアラニンカリウ
ム塩)の5質量%溶液を3.2ml、フッ素系界面活性
剤(F−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフ
ルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノ
エチル)エーテル[エチレンオキシド平均重合度=1
5])の2質量%水溶液を32ml、エアロゾールOT
(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%溶液を23
ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.
7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均
粒径4.5μm)21g、4−メチルフタル酸1.6
g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸4
4ml、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650
gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうば
んと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445
mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを
表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるように
コーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度
計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[m
Pa・s]であった。
【0331】(熱現像感光材料試料101〜103の作
製)上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防
止層塗布液を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04
g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼ
ラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗
布し、乾燥し、バック層を作製した。
【0332】バック面と反対の面に下塗り面から乳剤層
塗布液―1、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順
番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現
像感光材料試料101〜103を作製した。このとき、
乳剤層と中間層は31℃に、保護層第一層は36℃に、
保護層第一層は37℃に温度調整した。乳剤層の各化合
物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0333】 ・ベヘン酸銀 ・・・5.55 ・顔料(C.I.Pigment Blue 60)・・・0.036 ・ポリハロゲン化合物−1 ・・・0.12 ・ポリハロゲン化合物−2 ・・・0.37 ・フタラジン化合物−1 ・・・0.19 ・SBRラテックス ・・・9.97 ・還元剤錯体分散物別記(表2) ・現像促進剤−1 ・・・0.024 ・メルカプト化合物−1 ・・・0.002 ・メルカプト化合物−2 ・・・0.012 ・ハロゲン化銀(Agとして) ・・・0.091
【0334】塗布乾燥条件は以下のとおりである。塗布
はスピード160m/minで行い、コーティングダイ
先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、
減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く
設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。引
き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風
にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき
式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球
温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。乾燥後、25
℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜
90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃ま
で冷却した。
【0335】作製された熱現像感光材料試料のマット度
はベック平滑度で感光性層面側が550秒、バック面が
130秒であった。また、感光層面側の膜面のpHを測
定したところ6.0であった。
【0336】得られた熱現像感光材料試料を半切サイズ
に切断し、25℃50%の環境下で、表1に示す包装材
料で密封包装した。
【0337】
【表1】
【0338】(写真性能の評価)包装材料で包装された
熱現像感光材料試料101〜103、それぞれの保存温
度4℃で保管したサンプルIと、強制経時テストとして
40℃80%RH条件下に4日間放置したサンプルII
とを、富士メディカルドライレーザーイメージャーFM
−DP L(最大60mW(IIIB)出力の660n
m半導体レーザー搭載)にて露光・熱現像(112℃−
119℃−121℃−121℃に設定した4枚のパネル
ヒータで、現像条件Aは合計24秒、現像条件Bは合計
14秒)した。得られた現像試料の評価を濃度計により
行った。
【0339】露光・現像後のサンプルIの濃度測定か
ら、濃度2.5が得られる感度を100とし、強制経時
テスト後の現像サンプルIIの感度測定値とを比較し、
変動度%で表した。数値が少ないほど感度の低下(減
感)が大きいことを示す。結果を表2に示す。
【0340】
【表2】
【0341】表2の結果から明らかなように、包装材料
Aで包装した試料は、強制経時テスト後の現像で感度変
動が大きく、濃度ムラがあり、画像色調も黄黒色であっ
た。また活性の低い比較用の還元剤を使用した場合(試
料103)には、包装材料B、Cで包装した場合にも、
感度低下が大きく、特に迅速現像で顕著であることがわ
かる。
【0342】[実施例2] (熱現像感光材料試料201〜204の作製)乳剤層塗
布液−1を乳剤層塗布液−2に変更し、さらにハレーシ
ョン防止層から黄色染料化合物15を除き、バック面保
護層および乳剤面保護層のフッ素系界面活性剤をF−
1、F−2、F−3およびF−4からそれぞれF−5、
F−6、F−7およびF−8に変更した他は熱現像感光
材料101と同様にして熱現像感光材料試料201〜2
04を作製した。このときの乳剤層の各化合物の塗布量
(g/m2)は以下の通りである。
【0343】 ・ベヘン酸銀 ・・・5.55 ・顔料(C.I.Pigment Blue 60) ・・・0.036 ・ポリハロゲン化合物−1 ・・・0.12 ・ポリハロゲン化合物−2 ・・・0.37 ・フタラジン化合物−1 ・・・0.19 ・SBRラテックス ・・・9.67 ・還元剤分散物別記(表3) ・水素結合性化合物分散物 ・・・0.30 ・現像促進剤−1 ・・・0.024 ・現像促進剤−2 ・・・0.010 ・現像促進剤−3 ・・・0.015 ・色調調整剤−1 ・・・0.010 ・メルカプト化合物−2 ・・・0.002 ・ハロゲン化銀(Agとして) ・・・0.091
【0344】得られた試料を、実施例1と同様にして、
それぞれ表1記載の包装材料に密封包装してた。 (写真性能の評価)包装材料で包装された熱現像感光材
料試料201〜203について、実施例1と同様な性能
評価を行った。その結果を表3に示した。
【0345】
【表3】
【0346】表3の結果から明らかなように、包装材料
Aを使用して包装した場合は、感度低下が大きく、また
濃度ムラがあり画像色調も黄黒色であった。また活性の
低い比較用の還元剤を使用した試料204では、包装材
料BやCでも、感度低下が大きく、特に迅速処理すると
顕著となる。また画像色調も黄黒色であった。
【0347】[実施例3] 《ハロゲン化銀粒子の調製》水700mlにフタル化ゼ
ラチン22gおよび臭化カリウム30mgを溶解して温
度35℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.
6gおよび硝酸アンモニウム0.9gを含む水溶液15
9mlと臭化カリウムおよび沃化カリウムを92:8の
mol比で含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコン
トロールダブルジェット法で10分間かけて添加した。
ついで、硝酸銀55.4gおよび硝酸アンモニウム2g
を含む水溶液476mlおよび六塩化イリジウム酸二カ
リウムを10μmol/リットルと臭化カリウムを1m
ol/リットルで含む水溶液pAg7.7に保ちながら
コントロールダブルジェット法で30分間かけて添加し
た後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7
−テトラザインデン1gを添加し、さらにpHを下げて
凝集沈降させ脱塩処理をした。その後、フェノキシエタ
ノール0.1gを加え、pH5.9、pAg8.2に調
製し沃臭化銀粒子(沃素含量コア8mol%、平均2m
ol%、平均サイズ0.05μm、投影面積変動係数8
%、(100)面比率88%の立方体粒子)の調製を終
えた。こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温し
て銀1mol当たりチオ硫酸ナトリウム85μmolと
2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェニ
ルフォスフィンセレニドを11μmol、15μmol
のテルル化合物A、塩化金酸3.4μmol、チオシア
ン酸200μmolを添加し、120分間熟成した後3
0℃に急冷してハロゲン化銀乳剤を得た。
【0348】《有機酸銀乳剤の調製》ステアリン酸7
g、アラキジン酸4g、ベヘン酸36g、蒸留水850
mlを90℃で激しく撹拌しながら1N−NaOH水溶
液187mlを添加し60分反応させ、1N−硝酸65
mlを添加した後、50℃に降温した。次いで、より激
しく撹拌しながらN−ブロモスクシンイミド0.6gを
添加し、10分後にあらかじめ調製したハロゲン化銀粒
子をハロゲン化銀量が6.2mmolとなるように添加
した。さらに、硝酸銀21gの水溶液125mlを10
0秒かけて添加し、そのまま10分間撹拌し続け、N−
ブロモスクシンイミド0.6gを添加しさらに10分放
置した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を
濾水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こ
うして得た固形分にポリ酢酸ビニルの0.6重量%の酢
酸ブチル溶液150gを加え撹拌したのち、撹拌を止め
て放置し油層と水層に分離させ含まれる塩と共に水層を
除去し油層を得た。次ぎに、この油層にポリビニルブチ
ラール(電気化学工業(株)製デンカブチラール#30
00−K)の2.5重量%2−ブタノン溶液80gを添
加し撹拌した。さらに、過臭化臭化ピリジニウム0.1
mmolと臭化カルシウム二水和物0.1mmolを
0.7gメタノールとともに添加した後、2−ブタノン
200gとポリビニルブチラール(モンサント社製BU
TVARTM B−76)の59gを添加しホモジナイザ
ーで分散し、有機酸銀塩乳剤(平均短径0.04μm、
平均長径1μm、変動係数30%の針状粒子)を得た。
【0349】《乳剤層塗布液の調製》上記で得た有機酸
銀乳剤に、銀1mol当たり以下の量となるように各薬
品を添加した。25℃でフェニルチオスルホン酸ナトリ
ウム10mg、80mgの色素A、2−メルカプト−5
−メチルベンゾイミダゾール2g、4−クロロベンゾフ
ェノン−2−カルボン酸12g、モノブチルフタレート
10gと2−ブタノン580g、ジメチルホルムアミド
220gを撹拌しながら添加した。次いで、5−トリブ
ロモメチルスルフォニル−2−メチルチアジアゾール3
g、トリブロモメチルナフチルスルフォン3g、トリブ
ロモメチルフェニルスルフォン6g、4,6−ジトリク
ロロメチル−2−フェニルトリアジン5g、ジスルフィ
ド化合物を2g、還元剤1,1−ビス(2−ヒドロキシ
ー3,5−ヂメチルフェニル)−3,5,5−トリメチ
ルヘキサンを168g、12gの染料A、メガファック
スF−176P(大日本インキ化学工業(株)製フッ素
系界面活性剤)1.1g、メチルエチルケトン(ME
K)590gとメチルイソブチルケトン(MIBK)1
0gを撹拌しながら添加し乳剤層塗布液を得た。
【0350】《乳剤面保護層塗布液》CAB171−1
5S(イーストマンケミカル(株)製酢酸酪酸セルロー
ス)75g、4−メチルフタル酸5.7g、テトラクロ
ロフタル酸無水物1.5g、フタラジン12.5g、テ
トラクロロフタル酸5.1g、0.3gのメガファック
スF−176P、シルデックスH31(洞海化学社製真
球状シリカ平均サイズ3μm)2g、sumidur
N3500(住友バイエルウレタン社製ポリイソシアネ
ート)7gを3070g のMEKと30gの酢酸エチ
ルに溶解したものを調製した。
【0351】《バック面の塗布した支持体の作製》ポリ
ビニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラ
ール#4000−2)6g、シルデックスH121(洞
海化学社製真球状シリカ平均サイズ12μm)0.2
g、シルデックスH51(洞海化学社製真球状シリカ平
均サイズ5μm)0.2g、0.1gのメガファックス
F−176Pを2−プロパノール64gに撹拌しながら
添加し溶解および混合させた。さらに、420mgの染
料Aのメタノール10gとアセトン20gの溶液および
3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルヘキ
シルイソシアネート1gの酢酸エチル7gの溶液を添加
し塗布液を調製した。両面が塩化ビニリデンを含む防湿
下塗りからなるポリエチレンテレフタレートフィルム上
にバック面塗布液を810nmの光学濃度0.4となる
ように塗布した。また、バック面の平滑度(J.TAP
PI紙パルプ試験法No.5記載の王研式平滑度測定を
用いベック平滑度を調べた)は80秒であった。
【0352】(熱現像感光材料試料301〜303の作
製)上記のように予めバック面を塗布した175μmポ
リエチレンテレフタレート支持体上に乳剤層、乳剤面保
護層を乳剤層塗布液は銀が2.3g/m2かつ乳剤面上
に乳剤面保護層塗布液を乾燥厚さ2μmとなるように塗
布して熱現像感光材料試料301の作製した。さらに、
熱現像感光材料試料301における乳剤層塗布液で、還
元剤を例示化合物(R’−2)125gに変更して熱現
像感光材料試料302を作製した。同様に、還元剤を例
示化合物(R−6)115gに変更して熱現像感光材料
試料303を作製した。
【0353】なお、熱現像感光材料試料301〜303
における乳剤層塗布面の溶剤残存量をガスクロマトグラ
フィーで測定したところ、塗布物重量基準で40〜20
0ppmのMEK、10〜100ppmのMIBKと4
0〜120ppmの酢酸ブチルが検出された。
【0354】得られた試料を、実施例1と同様にして、
それぞれ表1記載の包装材料に密封包装してた。 (写真性能の評価)包装材料で包装された熱現像感光材
料試料301〜303について、実施例1と同様な性能
評価を行った。その結果を表4に示した。但し、感光材
料への露光は、810nmダイオードを備えたレーザー
感光計で辺が1cmの正方形になるように行った。
【0355】
【表4】
【0356】表4の結果から明らかなように、有機溶剤
で塗布した試料でも、上記実施例と同様な評価結果が得
られ、特に、包装材料Aを使用した場合には、感度低下
が大きく、また画像色調も黄黒色になった。以下に本発
明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0357】
【化81】
【0358】
【化82】
【0359】
【化83】
【0360】
【化84】
【0361】
【化85】
【0362】
【発明の効果】以上、本発明によれば、迅速性と安定し
た性能、さらに優れた冷黒調の画像得ることができる熱
現像感光材料、及び画像形成方法を提供することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを
    含有する画像形成層を有する熱現像感光材料であって、 熱現像感光材料が、酸素透過率50ml/atm.
    2.25℃.day以下及び水分透過率10g/at
    m.m2.25℃.day以下の包装材料で包装され、
    且つ前記還元剤が、下記一般式(R−1)で表される化
    合物であることを特徴とする熱現像感光材料。 【化1】 (一般式(R−1)において、R11およびR11'は、各
    々独立に炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基
    を表す。R12およびR12'は、各々独立に炭素数1〜2
    0のアルキル基を表す。X1およびX1'は、水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基を表す。Lは−S−基または
    −CHR13−基を表す(ここでR13は水素原子または炭
    素数1〜18の一級若しくは2級アルキル基を表
    す)。)
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを
    含有する画像形成層を有する熱現像感光材料であって、 熱現像感光材料が、酸素透過率50ml/atm.
    2.25℃.day以下及び水分透過率10g/at
    m.m2.25℃.day以下の包装材料で包装され、
    前記還元剤が、下記一般式(R−2)で表される化合物
    であることを特徴とする熱現像感光材料。 【化2】 (一般式(R−2)において、R21、R21'、R22およ
    びR22'が各々独立に炭素数1〜18の一級アルキル基
    を表す。X2およびX2'は、水素原子、ハロゲン原子、
    アルキル基を表す。L'は−S−または−CHR23−基
    を表す(ここで、R2 3は炭素数1〜18の2級アルキル
    基を表す)。)
  3. 【請求項3】 前記画像形成層が、下記一般式(D)で
    表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の熱現像感光材料。 【化3】 (一般式(D)において、R21ないしR23は各々独立に
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は
    無置換であっても置換基を有していてもよい。)
  4. 【請求項4】 前記画像形成層が、下記一般式(H)で
    表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の熱現像感光材料。 【化4】 (一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基
    またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、n
    は0または1を表し、Z1およびZ2はハロゲン原子を表
    し、Xは水素原子または電子吸引性基を表す。)
  5. 【請求項5】前記画像形成層が、下記一般式(1)、
    (2)、(3)及び(4)で表される化合物の少なくと
    も一種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の熱現像感光材料。 【化5】 (一般式(1)において、Q1は、NHNH−R1と結合
    する5〜7員の不飽和環を表し、R1はカルバモイル
    基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、スルホニル基又はスルファモイル基を
    表す。 【化6】 (一般式(2)において、R1a、R2a、R3a、X1およ
    びX2は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;ま
    たは炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくは
    リン原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。ただし
    1、X2の少なくとも一方は、−NR45で表される基
    である。ここで、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、
    アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
    基、ヘテロ環基、又は、−C(=O)−R、−C(=
    O)−C(=O)−R、−SO2−R、−SO−R、−
    P(=O)(R)2或いは−C(=NR’)−Rで表さ
    れる基を表す。R、R’はそれぞれ独立に水素原子、ア
    ルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコ
    キシ基、アリールオキシ基から選ばれる基である。これ
    らの置換基はそれぞれ隣接する基同士が結合して環を形
    成してもよい。) 【化7】 (一般式(3)において、X1bは置換基を表し、X2b
    4bはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。た
    だしX1b〜X4bはヒドロキシ基であることはなく、X3b
    はスルホンアミド基であることはない。X1b〜X4bで表
    わされる置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
    1bは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
    基、アミノ基またはアルコキシ基を表す。) 【化8】 (一般式(4)において、R1cはアルキル基、アリール
    基、アルケニル基またはアルキニル基を表し、X1cはア
    シル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
    ルホニル基またはスルファモイル基を表す。Y1〜Y5
    それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  6. 【請求項6】 前記バインダーの平均ガラス転移温度
    が、20℃以上であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の熱現像感光材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の熱現像感光材料を、
    3秒から25秒で熱現像することを特徴とする画像形成
    方法。
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