JP2005226847A - 燃焼装置及び燃焼方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流入流路(5)から空気を流入して、筒状容器(1)の開放端部(1x)から閉鎖端部(1t)に向う速度成分を持って旋回する空気の流れを形成し、燃料(ノズル)から燃料を噴射して、筒状容器(1)の中心軸(J)に対して径方向外側に広がり角度(α)を持って前記筒状容器(1)の閉鎖端部(1t)から開放端部(1x)に向う向き(空気の流れと対向する向き)に燃料を噴射し、以って、空気流の航跡と燃料流の航跡とが2回交わり、空気流の航跡が最初に燃料流の航跡と交わるのは燃料航跡の先端近傍の領域で、空気流の航跡が燃料流の航跡と2回目に交わるのは、燃料流の航跡の根元から先端近傍までの範囲である様にせしめた。
【選択図】図1
Description
NOxの生成機構は、サーマルNOx、プロンプトNOx、そしてフューエルNOxの3つに大別される。サーマルNOxは高温において空気中の窒素が酸素と反応して生成されるもので、温度に強く依存する。プロンプトNOxは、特に燃料過剰の火炎帯で生成される。フューエルNOxは燃料中に含まれる窒素化合物が関与して生成される。
プロンプトNOxを低減するには、燃料過剰の設計を改め、希薄燃焼とすることにより、その生成を抑えることが出来る。
上述したフューエルNOx及びサーマルNOxの低減に比較して、サーマルNOxの低減は最も難しく、近年のNOx低減技術の鍵である。ここで、サーマルNOxを低減するには、燃焼温度を低下させることが重要である。
ガス燃料の場合、燃料を予め空気と良く混合してから着火、燃焼する予混合燃焼により、燃料濃度分布を均一化し、特に希薄燃焼の予混合燃焼では、燃焼温度を低減することが出来る。
しかし、予混合燃焼は安定燃焼範囲が狭く、逆火や吹飛びが起こり易いという問題がある。また、液体燃料に対しては、予め蒸発(予蒸発)しないと予混合出来ないことが欠点である。
液体燃料の場合、燃料が流路断面積が小さいノズルを通過する際に微粒化して噴射するが、通常は着火時に燃料の液滴が残り、液滴が蒸発しながら燃焼するため、理論空気比となる位置が必ず存在し、局所的に高温となってしまう。そのため、サーマルNOxの低減には限界がある。
それを解決する技術として、予蒸発がある。予蒸発は、燃焼器内部又は外部で予蒸発部を設け、そこで噴霧した燃料を他からの加熱により蒸発させた後に燃焼させる技術である。予蒸発によれば、気体燃料と同等のサーマルNOx低減が期待出来る反面、予蒸発部の分だけ、燃焼器のサイズが大きくなってしまうという欠点を有している。
しかし、係る技術では、燃料又は空気の供給系が複雑になるため、大型の燃焼炉では多くの実績があるが、小型の燃焼装置では適用できない。また、燃料や空気の供給位置や分割割合の最適値を見出すことや、負荷に対応して制御することは難しいとされている。
燃焼ガス再循環を起こす手法としては、保炎器によるもの、外部再循環、内部再循環が挙げられる。
なお、煙道ガス再循環(FGR:Flue Gas Recirculation)及び排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)と呼ばれる燃焼方式もあるが、燃焼ガス再循環と基本的に同一の技術である。
しかし、保炎板の下流中央での燃焼ガス再循環は着火前の燃料と空気が混合している部分には及ばず、その作用は単に着火を安定させることである。
また、燃焼装置と燃焼室壁との間の空間からの燃焼ガス再循環は、実際には燃焼装置近傍のみの循環に止まるので、十分に燃焼して高温、低酸素濃度となった燃焼ガスは再循環せず、且つ循環量が少ないためサーマルNOxの低減効果は小さい。
さらに、これらの燃焼装置では、燃焼ガス再循環が燃焼装置の外側から中心軸方向へ吸引されるようにするため、燃焼室の寸法を燃焼装置の径よりも十分大きくする必要があり、ガスタービンの燃焼装置など燃焼室の寸法をなるべく小さくする必要がある用途には適していない。また、液体燃料に適用するのは難しい。
係る技術によれば、燃焼ガス再循環の量は大きくすることが出来るが、分割化炎としたためにバーナの構造が複雑になり、バーナ断面積に対して火炎のない部分があるため、バーナの寸法が大きくなってしまう(容積あたりの燃焼負荷が低い)、という問題を有している。
また、液体燃料に適用するのは難しいと考えられる。
しかし、予め燃量と空気が混合されているので着火時に燃焼に関与する空気は新鮮空気であり、燃焼開始後に燃焼ガスと始めて混合するため、燃焼を緩慢にする効果が少ないという問題がある。
また、ガス燃料の予混合燃焼に対する技術であり、予混合気が次の噴射孔に到達するまでの時間が短く、液体燃料に適用するのは難しいと考えられる。
しかし、燃焼用空気の外側で燃焼ガスを混合するので、燃焼用空気の内側には殆ど混合せず、燃料は先ず燃焼用空気と混合した後に、徐々に燃焼ガスと混合する。従って、燃焼現象を支配するのは通常と同じ酸素濃度をもつ燃焼用空気であり、実際には低酸素濃度下での緩慢な着火、燃焼という狙いを十分に実現できない。
また、燃焼ガスを吸引するための構造が複雑である。
さらに、分割火炎を採用しているので、バーナの構造が複雑になり、バーナ断面積に対して火炎の無い部分があるためバーナの寸法は大きくなってしまう(容積当りの燃焼負荷が低い)、という問題点が存在する。
燃焼用の一次空気と二次空気、それ以外に燃料供給にも夫々旋回流を誘起させる作用を持たせているが、旋回によって導入される燃焼ガスの再循環の効果は二次燃焼領域の燃焼制御に止まっていて、火炎の根元近くの燃料濃度の高い領域を燃焼ガス再循環の対象領域としていない。従って、NOx低減効果も火炎末端部の温度制御だけの限定した効果となっている。
従来の汎用の燃焼装置の1例を図31に示す。
図31に示す燃焼装置は、筒型の燃焼装置であって、筒状容器1と流入ケーシング3及び旋回器2、そして仕切り筒41から成る流入流路と、燃料ノズル4と、燃料ノズル4の下流に燃料ノズルと同軸に配置された保炎板42とから構成される。
燃焼用空気20は図示しない送風機又は圧縮機によって流入ケーシング3に流入し、仕切り筒41と燃料ノズル4の間の空間4sを通った後、保炎板42をよぎって、また旋回器2を通って筒状容器1に流入する。
ここで、保炎板42と旋回器2はどちらも安定した着火をもたらすための構成であり、何れか一方のみが用いられる場合が多い。
また、旋回器2は燃焼用空気20の流れを旋回させることによって、旋回流中心において負圧の領域を形成して下流から逆流する流れ領域44を形成する。
前記下流からの逆流43,44は高温の燃焼ガスを燃料ノズル4の先端の直ぐ下流の着火領域に戻す。
また、旋回器2には燃料21と燃焼用空気20の混合を促進する作用もある。
当該燃焼装置(図32)の作用を説明すると、燃焼用空気20が流れることによる誘引作用で、第2の旋回器2aが燃焼室壁46から離れている時、第2の旋回器2aを介して燃焼室内の燃焼ガス22が吸引され、燃焼用空気20と混合して燃焼が起こる。
これが従来技術による燃焼ガスの再循環の代表的な例であるが、燃焼ガス22が燃焼用空気20の旋回流の外側から導入されているので、燃焼用空気20の内側には殆ど混合せず、燃料21は先ず燃焼用空気20と混合した後に徐々に燃焼ガス22と混合する。よって燃焼現象を支配するのは通常と同じ酸素濃度を持つ燃焼用空気20であり、実際には低酸素濃度下での着火、燃焼を実現出来ていない。
従来技術によるガスタービンの燃焼装置は、目的とする温度が理論空気量、すなわち、燃料の燃焼に丁度必要な酸素量を含む空気量による燃焼での火炎温度よりかなり低いためにトータル空気比が非常に希薄であり、通常の炭化水素系の燃料を用いる場合、1段で燃焼させることは困難である。
そのため、燃焼用空気を数段に分割して、先ずその一部(以下1次空気17という)のみに燃料を混合して燃焼させ、その後に残りの空気を加えることによって所望の出口温度に対して完全燃焼を実現している。
また、燃料ノズル4や図示しない点火装置は流入ケーシング3dを貫通して容器1fに取り付けられる必要があるが、熱膨張を吸収しつつ流入ケーシング3dを貫通する構造が必要で、構造が複雑になりコストが掛かる。
尚、図33において、符号14は容器1fに形成した空気孔を、符号18はその空気孔14から容器1f内に流入する2次及び希釈空気を示す。
また本発明は、耐高温を目指したセラミック化を低コストで実現するのに適しており、特にガスタービン用燃焼装置に適用した場合に構造を単純化することが出来て、コストダウン可能な燃焼装置の提供を目的としている。
そのため、本発明を汎用の燃焼装置に適用した場合には、安定性が高く、且つ燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来る。
ここで、空気流は燃焼装置の内壁面に沿って旋回する旋回流となれば、上記の諸条件を充足するのに好都合である。
また、補助燃料ノズル(付加燃料ノズル12:請求項10)を設けた場合は、気体燃料/液体燃料の混焼や、低発熱量の燃料や廃液の燃焼においても、サーマルNOxの生成を抑制できる。
そして、高い安定性を有することに起因して、本発明を適用したガスタービン燃焼装置においては、1次燃焼領域をより希薄に設計できるので、平均燃焼温度を低く抑えて、サーマルNOxの生成をさらに抑制できるという作用効果を奏する。
上述した通り、本発明の燃焼装置では、内壁が好適に低温の空気流によって冷却されるため、耐久性の高いガスタービン燃焼装置を提供出来る。
さらに、本発明の燃焼装置では構造が簡単であることに起因して、セラミックス等の耐熱材料の使用が容易で、且つ分解、交換が容易になされるため、整備製に優れたガスタービン燃焼装置の提供が実現する。
また、ケーシングに対するライナの熱膨張を低減出来るため構造が単純になり、更なるコストダウンが可能である。
そして、補助燃料ノズル(付加燃料ノズル12:請求項10)を設けた本発明の燃焼装置を適用したガスタービンによれば、気体燃料/液体燃料の混焼や低発熱量の燃料や廃液の燃焼においてもサーマルNOxの生成を抑制できる。
尚、各実施形態において同一部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示す第1実施形態の燃焼装置は、主にボイラや工業炉に、又ガスタービンにも適用出来る汎用の燃焼装置であり、一端(閉鎖端部)1tが閉じられた筒状容器(以降、「筒状容器」を単に「容器」と略記する)1と、その容器1の側面1sに形成され、燃焼用空気20を容器1内に流入させる、図示の例では共通ピッチの複数の空気流入部5と流入ケーシング3及び旋回器2から成る流入流路と、前記容器1の上端(閉鎖端部)1tを貫通するように設けた燃料ノズル4から構成されている。
前記旋回器2は、詳細には後述するが、前記空気流入部5を含む容器1の側面1sの周囲を包囲するように形成されている。
燃料は図示しない燃料ポンプまたはブロワ、或いは圧縮機によって燃料ノズル4を介して容器1内に中心軸Jに対して角度αの広がりを持って噴射(図中、符号23で示す航跡)される。
燃料23と燃焼用空気20が混合して燃焼し、燃焼ガス22が容器1の開口端1xから排出される。
容器1の中心軸に対して広がり角度を持った燃料の噴射23は、最も典型的には渦巻型ノズルによって実現出来る。
尚、図2において、符号22bは、空気流入部5から流入した燃焼用空気20と、燃料が混合、燃焼して発生した燃焼ガスで構成され、且つ、出口1xと逆方向に大きな速度成分を有する旋回流を示す。
図3及び図4の第2実施形態の燃焼装置では、図1及び図2の第1実施形態における容器1に対して、容器の断面が燃焼用空気流入部において絞られた容器1aに置き換えた実施形態である。
すなわち環状容器1aは図4に示す上下方向の略中央において断面が不連続に変化する段付部1adが形成され、その段付部1adに燃焼用空気20を容器1a内に流入させる空気流入部5が形成されている。
尚、図3及び図4において、符号1atは容器1aの閉鎖端部を示す。
さらに、図示はしないが、空気流入部5において流入する燃焼用空気20の流れを径方向に偏向させる構造を設けてもよい。
図5、図6の第3実施形態の燃焼装置では、図1及び図2の第1実施形態における容器1に対して、容器が製作上の要請に応じて断面変化部分(段付部)1bdで、容器1bと、2次筒6と、接続部材7とに分割された構成に置き換えられた実施形態である。
図示しないが、容器1bの側面1bsと2次筒6の外周側面6sとの間に形成される環状隙間に設けた空気流入部5の開口割合や形状及びピッチに関しても任意に設定出来る。また、旋回器2は軸流形状に描かれているが、旋回器2外周からも燃焼用空気20が流入する斜流としても良い。
さらに、図示はしないが、空気流入部5において流入する燃焼用空気20の流れを径方向に偏向させる構造を設けてもよい。
尚、図5、図6において符号6xは2次筒6の出口(排気口)を示す。
以上の容器に関する等価な構造は、以降の全ての実施形態についても同様に適用出来る。
図5、図6の第3実施形態を例にとり、旋回器2について、図7〜図9を参照して、以下にその構成を詳述する。
また、旋回器2の他の方法として、図8に示すように、環状部材31に流れを偏向する複数の空気導入路9を開口してもよい。その際の空気導入路9の形状、開口面積、個数は任意である。
或いは、旋回器2と同様の作用を実現するさらに別の構成として、図9に示すように、前記接続部材7の空気流入部5毎に分割された空気導入路9を、前記接続部材7に取り付けて構成してもよい。
また、図7及び図8の構成の旋回器2では、旋回器2が接続部材を兼ねてもよい。即ち、図7の例において、内筒30と外筒29とを廃止して、2次筒6(図5、図6参照)と容器1b(図5、図6参照)とを旋回羽根10で接続することにより、旋回羽根10が接続部材7を兼ねることが出来る。図8の例においては、環状部材31が接続部材7を兼ねることが出来る。
以上の旋回器2に関する等価な構造は、第1及び第2実施形態及び以降説明する燃焼装置に係る全ての実施形態についても同様に適用出来る。
例えば図示はしないが、第1〜第3実施形態のスクロール形状の流入ケーシング3を、容器1,1aや、2次筒6の出口6xの周囲から流入する形状としてもよい。
また、図示はしないが、図9に示す様な分割された空気導入路9で旋回器2の作用を果たす場合、空導入路9に例えば延長管を接続して、その延長管を合流させた流入管を設けて流入ケーシング3に代えてもよい。
以上の流入ケーシング3に関する等価な構造は、以降の全ての実施形態についても同様に適用出来る。
複雑な構造とはなるが、微粒化特性のよいノズルチップを使用してもよい。
この場合も、燃料が容器1bの閉鎖端部1btから出口1x方向に向けて、容器1bの中心軸Jに対して径方向外方に角度を持って噴流状、又は扇状に、且つ、燃焼用空気の流入部5をめがけて噴射される限りにおいて、単一のノズルと同様の作用が実現出来る。ノズル4aを複数とすることで、特に大型の燃焼装置で単一のノズルが適用し難い場合に有効である。
以上の燃料ノズル(4、4a、4b)に関する同様な構造は第1実施形態〜第3実施形態、及び以降の全ての実施形態においても適用可能である。
液体燃料の場合を考えたとき、位置25において燃料航跡23aを経由してきた燃料は幾分蒸発して粒子の径が小さくなっており、且つ空気流の中を進んできたためにノズル4の出口近傍と比べて速度が遅く、且つ燃料21と燃焼用空気20bの速度が対向する向きになっているため、燃料21は燃焼用空気20bの流れに乗り、着火して火炎を形成して燃焼する。
燃焼用空気20bは容器1bを出口と逆方向に旋回しながら更に遡上しつつ、高温低酸素濃度の燃焼ガス22bとなる。
図15(a)において、燃焼ガス22a(参照)が横切る燃料航跡23は燃料航跡23aと同じであってもよい。
尚、図14、図15で示す実施形態においては、仮に燃料航跡23の根元近くでの燃料の蒸発が少ない場合には、より多くの燃料が燃料航跡23の先端で燃焼用空気20bと混合して燃焼ガス22bの温度が高くなることにより、燃料航跡23の根元での蒸発が促進される。即ち、蒸発量に対してフィードバック作用を持っている。よって、燃料噴射の条件が変化しても安定して本実施形態の作用が実現するような性質を持っている。
燃焼ガス22bは高温ではあるが低酸素濃度なので燃焼速度を抑制するため、直ぐに着火せず予混合となり、所定時間経過の後、着火して燃焼する。
そして、溯上につれて燃焼ガス22bと混合して燃焼ガス22aとなる。よって、燃料航跡23に沿って満遍なく燃焼ガス22a、22b、22c、22dが横切ることとなり、燃焼ガス再循環の作用が最大限に発揮される。
これらの作用により、図示の実施形態に係る燃焼装置においては、図15(a)に示すように、容器中心J寄りの主火炎28と、容器外周寄りの、しかし容器1bの内壁からは離れた環状火炎27の二つが形成される。
環状火炎27は、燃焼用空気20が旋回しているため、容器1b内での滞留時間が長く、且つ周方向によく混合されて均一になるとともに、燃焼用空気20と燃料21が対向する形になっていること、そして、主火炎28から燃料21(23)と出会う前の燃焼用空気20に高温の燃焼ガスが乱流拡散によって供給されることによる燃焼用空気20の温度上昇と酸素濃度の低下が、燃料の着火を抑制しつつ蒸発を促進するため、火炎の安定度が高まる。
しかし、この反転した燃焼用空気20eのうち、最も2次筒6の内面6iに近い部分は比較的低温であり、主火炎28の高温から2次筒6の壁面6iを保護する。
また、構造上の利点としては、燃焼室が容器1bと下流の構造(2次筒6)に分割されているため、容器1bを容易に取り出すことが出来、従来例と比較して燃焼装置の分解、交換、整備がしやすく、整備製が向上する。
尚、ドーム型容器1cの下端1cbの内周側には、リング状の接続部材7を介して2次筒6が接続されている。
また、燃焼室が容器1cと下流の構造(2次筒6)に分割されているため、容器1cを容易に取り外すことが出来、従来例と比較して燃焼装置の分解、交換、整備がし易く、整備性が向上する。
図16の第4実施形態の一部曲面で構成された容器1cを第1及び第2実施形態に適用してもよい。
そのように閉鎖端部1dt近傍の周囲1dsに形成された複数の補助空気孔19から流入した燃焼用空気20dは向心方向にジェット状に容器1d内に流入するので、周囲の燃焼ガス22bを誘引して、容器1dの閉鎖端部1dt近くで全体として容器1dの中心方向へ向う方向に流れを促進する。
これによって旋回して流れてきた燃焼ガス22bを環状容器1dの閉鎖端部1dt近くにおいて環状容器1dの中心寄りに導き、燃料航跡23に向って再循環させることが出来る。
第5実施形態の補助空気孔19を第1及び第2実施形態に適用してもよい。
図18の第6実施形態は、図5、図6の第3実施形態に対して、容器1bの閉鎖端部1bt内側に整流構造であるガイドベーン11を複数設けた実施形態である。
係るガイドベーン11を設けることにより、第5実施形態(図17参照)における補助空気孔19と同様の作用を得ることが出来る。
また、等該ガイドベーン11は、前述の第1実施形態、第2実施形態及び第5実施形態に対しても適用出来る。
図19の第7実施形態は、図17の第5実施形態における補助空気孔19と同様の作用を図5、図6の第3の実施形態の容器1bの閉鎖端部1bt寄りの側面内壁1biに整流構造であるガイドベーン11aを複数設けて実現する実施形態である。
また、第6及び第7実施形態に示した整流構造を併設することも出来る。
即ち、ガイドベーン11bはドーム状の容器1cの曲面から成る閉鎖端部1ctの曲面の内側に沿って略閉鎖端部1ctの頂部まで形成されている。
等該ガイドベーン11cは、第1、第2及び第5実施形態にも適用可能である。
等該ガイドベーン11dは、第1、第2及び第5実施形態にも適用可能である。また、第9実施形態に示したガイドベーン11cとともに用いても良い。
尚、旋回流れを向心方向の流れに偏向する作用を持つ限りにおいて、整流構造の詳細な形状が変化しても実質的に同一である。また、整流構造は容器1b、1cに板状又は台状などの物体を付加して構成してもよいし、容器1b、1cの内面に溝状の形状を構成してもよい。
当該燃焼装置は、容器1eの内面1eiで、燃焼用空気20の流入部5のやや閉鎖端部1et寄りに補助的に燃料を噴射する補助燃料ノズル12を設けた実施形態である。
また、補助燃料ノズル12によってターンダウン性能をより向上させることが出来る。
図25及び図26の第13実施形態は、前述の図5、図6の第3実施形態の燃焼装置をガスタービン燃焼装置に適用した実施形態である。
図示の例では前記小径部61bに1段、大径部62bに2段の、各段には複数で各段において同一ピッチの空気孔14が開口されている。
2次筒6bは下流で断面が拡張されているが、これは任意に設定出来る。また、2次筒6bは出口1xまで一体で構成されているが、製作上の要請に応じて分割されてもよい。
2次筒6bの周囲に複数段にわたって形成された空気孔14から2次及び希釈空気18が流入する。
2次筒6bの最も上流側の2次空気孔14までの壁面は、第3実施形態と同様に、1次空気17の一部で冷却される。
従って、1次燃焼領域16の外側を流入ケーシング3bで包んで2重構造にする必要がなく、1次燃焼領域において容器1bが露出している。そのため、燃料ノズル4や図示しない点火装置を流入ケーシング3bを介さず直接容器1bに取り付けることが出来、構造が単純になるためコストダウンが可能となる。
当然ではあるが、露出した容器1bは断熱材で断熱処理することが望ましい。
また、容器1bの熱膨張に関しては、容器1bの閉鎖端部1btが拘束されていないのでまったく問題とはならない。
さらに、燃焼室が容器1bと下流の構造(2次筒6)に分割されているため、容器1bを容易に取り外すことが出来、従来と比較して、燃焼装置の分解、交換、整備がし易く、整備性が向上する。
図27の第14実施形態は、前述の第4実施形態の燃焼装置をガスタービン燃焼装置に適用した実施形態である。
図27において、当該ガスタービン燃焼装置は、前記第4実施形態と比較すると、2次筒が出口1x側に延長され、適切な位置に空気孔14が開口された2次筒6bに置き換えられている。なお、2次筒6bは下流で断面が拡張されているが、これは任意に設定出来る。また、2次筒6bは出口1xまで一体で構成されているが、製作上の要請に応じて分割されてもよい。流入ケーシング3が2次筒6bと対応して延長された流入ケーシング3bに置き換えられており、空気孔14から2次及び希釈空気18が流入する。
2次筒6bの最も上流側の2次空気孔14hまでの壁面6biは図5、図6の第3の実施形態と同様に1次空気17の一部で冷却される。
尚、図示しないが、2次筒6bの2次空気孔14から出口1xまでの壁面には任意に冷却空気孔を設けてもよい。
また、燃焼室が容器1cの閉鎖端部1ctが曲面でドーム状に構成されていることにより、特に温度が高温になる用途において環状容器1cをセラミック等の耐熱材料で形成する場合、製作がより容易になり、コストダウンが可能となる。
従って、1次燃焼領域16の外側を流入ケーシング3bで包んで2重構造にする必要がなく、1次燃焼領域において容器1cが露出している。そのため、燃料ノズル4や図示しない点火装置を流入ケーシング3bを介さず直接容器1cに取り付けることが出来、構造が単純になるためコストダウンが可能となる。
当然ではあるが、露出した容器1cは断熱材で断熱処理することが望ましい。
また、容器1cの熱膨張に関しては、容器1cの閉鎖端部1ctが拘束されていないのでまったく問題とはならない。
さらに、燃焼室が容器1cと下流の構造(2次筒6b)に分割されているため、容器1cを容易に取り外すことが出来、従来と比較して、燃焼装置の分解、交換、整備がし易く、整備性が向上する。
図28の第15実施形態は、前述の図17の第5実施形態の燃焼装置をガスタービン燃焼装置に適用した実施形態である。
図28において、当該ガスタービン燃焼装置は、前記第5実施形態と比較すると、2次筒が出口1x側に延長され、適切な位置に空気孔14が開口された2次筒6bに置き換えられている。
流入ケーシングが2次筒6bと対応して延長された流入ケーシング3cに置き換えられており、空気孔14から2次及び希釈空気18が流入する。
尚、図示しないが、2次筒6bの2次空気孔14から出口1xまでの壁面には任意に冷却空気孔を設けてもよい。
当然ではあるが、露出した容器1dの閉鎖端部1dtは、断熱材で断熱処理することが望ましい。
図29の第16実施形態は、前述の図26の第13実施形態の応用例である。
本発明の実施形態に係る燃焼装置も本質的な効果を保ったままアニュラ型(環状)燃焼装置の1次燃焼領域として適用出来る。
図30を参照して、そのようなアニュラ型燃焼装置である第17実施形態を説明する。
詳細には、複数の燃焼装置Cの2次筒6の端部が2次環状容器33の閉鎖端部33tに連通するように接続されている。
また、図示はしないが、図29の第16実施形態の2次旋回器を図30の第17実施形態に適用してもよい。
さらに、図示はしないが、複数機の第3実施形態の燃焼装置を2次環状容器32の周方向だけでなく半径方向に複数列に配置してもよい。これは特に大型の環状燃焼装置に適す。
高い安定性で燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来るため、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼させて、液体燃料の場合の安定的な蒸発挙動を持った予蒸発燃焼、気体燃料・液体燃料を問わない予混合燃焼、緩慢な燃焼となって均一で最高火炎温度の低い燃焼、燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量による平均火炎温度の低い燃焼、を実現し、従来技術では困難であったサーマルNOxの生成を抑制できる燃焼装置の提供が実現する。
高い安定性で燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来るため、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼させて、従来の技術では低NOx化が困難であった液体燃料の場合の安定的な蒸発挙動を持った予蒸発燃焼、気体燃料・液体燃料を問わない予混合燃焼、緩慢な燃焼となって均一で最高火炎温度の低い燃焼、燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量による平均火炎温度の低い燃焼、を実現し、且つ、より1次燃焼領域を希薄に設計できることにより更に燃焼温度を低く抑えて、サーマルNOxの生成を抑制できるガスタービン燃焼装置の提供が実現出来る。
すなわち、図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
2、2a・・・旋回器
3、3a、3b、3c、3d、3e・・・流入ケーシング
4、4a、4b・・・燃料ノズル
5・・・空気流入部
6・・・2次筒
7・・・接続部材
8・・・3次筒
9・・・空気導入路
10・・・旋回羽根
11、11a、11b、11c、11d、11e、・・・整流板
12・・・補助燃料ノズル
14・・・空気孔
15・・・2次旋回器
16・・・1次燃焼領域
17・・・1次空気
18・・・2次及び希釈空気
19・・・補助空気孔
20、20a、20b、20c、20d、20e・・・燃焼用空気
21・・・燃料
22、22a、22b、22c、22d・・・燃焼ガス
23、23a、23b・・・燃料の航跡
25・・・燃焼用空気と燃料との最初の衝突点
26・・・燃焼用空気と燃料との2回目の衝突点(燃焼ガスと燃料との衝突点)
27・・・環状火炎
28・・・主火炎
29・・・旋回器外筒
30・・・旋回器内筒
31・・・環状部材
32・・・環状流入ケーシング
33・・・2次環状容器
41・・・内筒(仕切り筒)
42・・・保炎板
43・・・保炎板による逆流
44・・・旋回流れによる中心逆流
45・・・外筒
46・・・燃焼室壁
Claims (12)
- 燃焼用空気を燃焼室内に供給する空気供給手段と、燃焼室内に燃料を供給する燃料供給手段とを有し、燃焼室内に供給された空気が燃料供給手段から離隔した領域で供給された燃料の航跡と最初に交わり、燃料供給手段近傍の領域で供給された燃料の航跡と再び交わる様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
- 前記燃料供給手段は、燃焼室中心軸方向の速度成分と燃焼室中心軸から燃焼室壁面に向う方向の速度成分とを有する燃料の流れを形成する様に構成され、前記空気供給手段は、燃焼室中心軸方向については燃料の流れと対向する向きの速度成分を有し且つ周方向へ旋回する速度成分を有する燃焼用空気の流れを形成する様に構成されている請求項1の燃焼装置。
- 前記燃料の流れは燃焼装置の出口方向へ向う速度成分を有しており、前記燃焼用空気の流れは出口方向と逆方向へ向う速度成分を有している請求項2の燃焼装置。
- 閉鎖端部と開放端部とを有する筒状容器が燃焼室を構成しており、前記筒状容器の閉鎖端部より中心軸方向に離隔した位置には筒状容器側面を貫通して流入流路が形成されており、該流入流路は、筒状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部へ向う速度成分を持ち且つ周方向へ旋回する速度成分を有する空気流を形成する様に構成されており、筒状容器の閉鎖端部の内側には燃料ノズルが設けられ、該燃料ノズルは、前記流入流路に向けて、中心軸方向を閉鎖端部から開放端部に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
- 閉鎖端部と開放端部とを有する筒状容器が燃焼室を構成しており、前記筒状容器は、閉鎖端部より中心軸方向に離隔した位置で断面積が減少しており、該断面積が減少する部分には筒状容器側面を貫通して流入流路が形成されており、該流入流路は、筒状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部へ向う速度成分を持ち且つ周方向へ旋回する速度成分を有する空気流を形成する様に構成されており、筒状容器の閉鎖端部の内側には燃料ノズルが設けられ、該燃料ノズルは、前記流入流路に向けて、中心軸方向を閉鎖端部から開放端部に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
- 閉鎖端部と開放端部とを有する筒状容器と、該筒状容器の中心軸と略同軸に且つ開放端部側に配置された筒状部材とを有し、筒状部材の断面積は筒状容器の断面積よりも小さく、筒状容器の開放端部と筒状部材の外周面とを接続する環状の接続部材を設け、該接続部材には流入流路が形成され、該流入流路は、筒状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部に向う速度成分を持ち且つ筒状容器の周方向へ旋回する空気の流れを形成する様に構成されており、筒状容器の閉鎖端部内側には燃料ノズルが設けられ、該燃料ノズルは、前記流入流路に向けて、中心軸方向を閉鎖端部から開放端部に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
- 前記筒状容器の側面の閉鎖端部近傍に第2の流入流路が設けられ、該第2の流入流路は筒状容器の半径方向内側に向って空気が流入する様に構成されている請求項4〜6の何れか1項の燃焼装置。
- 前記筒状容器内部の閉鎖端部及び/又は閉鎖端部近傍の側壁に整流構造を設け、該整流構造は、筒状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部に向う速度成分を持ち且つ筒状容器の周方向へ旋回する空気の流れを閉鎖端部近傍の領域で抑制する様に構成されている請求項4〜7の何れか1項の燃焼装置。
- 前記筒状容器内部の閉鎖端部及び/又は閉鎖端部近傍の側壁に整流構造を設け、該整流構造は、筒状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部に向う速度成分を持ち且つ筒状容器の周方向へ旋回する空気の流れを、閉鎖端部近傍の領域で半径方向内方に向かう流れに変換する様に構成されている請求項4〜8の何れか1項の燃焼装置。
- 前記筒状容器内部で中心軸方向について前記流入流路よりも閉鎖端部側の領域に、付加燃料ノズルを有する請求項4〜9の何れか1項の燃焼装置。
- 燃焼装置内の燃焼室に燃焼用空気及び燃料を流入して混合し、燃焼室内の空気流の航跡と燃料流の航跡は同一ではなく、空気流の航跡と燃料流の航跡とが2回交わり、空気流の航跡が最初に燃料流の航跡と交わるのは燃料航跡の先端近傍の領域で、空気流の航跡が燃料流の航跡と2回目に交わるのは、燃料流の航跡の根元から先端近傍までの範囲であることを特徴とする燃焼方法。
- 前記燃料流は、燃焼室中心軸方向の速度成分と燃焼室中心軸から燃焼室壁面に向う方向の速度成分とを有し、前記空気流は、燃焼室中心軸方向については燃料の流れと対向する向きの速度成分を有し且つ周方向へ旋回する速度成分を有する請求項11の燃焼方法。
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