JP2005257255A - 燃焼装置 - Google Patents

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野 俊 輔 天
Masataka Arai
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Abstract

【課題】単純な構成で、燃焼ガス再循環の効果を最大限に発揮して、液体燃料の予蒸発、液体燃料/液体燃料の予混合燃焼、及び低酸素濃度における緩慢燃焼を実現して、NOxの生成を抑制した燃焼を実現すること、また、耐高温を目指したセラミック化を低コストで実現するのに適した燃焼装置の提供。
【解決手段】内周側面を構成する内筒部(1i)と、外周側面を構成する外筒部(1o)と、開放端部(1x)及び閉鎖端部(1t)を有する環状容器(1)を備え、環状容器(1)の中心軸(J)方向を開放端部(1x)から閉鎖端部(1t)に向う速度成分及び環状容器(1)の周方向を旋回する速度成分を有する空気の流れ(22b)を形成し、前記流入流路(5)に向けて、中心軸(J)方向を閉鎖端部(1t)から開放端部(1x)に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有する燃料噴流(23)を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼室に燃焼用空気及び燃料を流入し、燃焼用空気及び燃料を混合して燃焼する燃焼装置に関する。
燃焼装置から排出される大気汚染物質、特に窒素酸化物(NOx)に対する規制はますます強化されており、NOxの排出を低減する技術が求められている。
NOxの生成機構は、サーマルNOx、プロンプトNOx、そしてフューエルNOxの3つに大別される。サーマルNOxは高温において空気中の窒素が酸素と反応して生成されるもので、温度に強く依存する。プロンプトNOxは、特に燃料過剰の火炎帯で生成される。フューエルNOxは燃料中に含まれる窒素化合物が関与して生成される。
最近では窒素化合物を含まないクリーン燃料が使用されることが多く、その場合、フューエルNOxは殆ど生成しない。
プロンプトNOxを低減するには、燃料過剰の設計を改め、希薄燃焼とすることにより、その生成を抑えることが出来る。
上述したフューエルNOx及びサーマルNOxの低減に比較して、サーマルNOxの低減は最も難しく、近年のNOx低減技術の鍵である。ここで、サーマルNOxを低減するには、燃焼温度を低下させることが重要である。
燃焼温度を低下させるための技術としては、予混合燃焼、特に希薄予混合燃焼、予蒸発、濃淡燃焼、2段燃焼、燃焼ガス再循環などがある。
ガス燃料の場合、燃料を予め空気と良く混合してから着火、燃焼する予混合燃焼により、燃料濃度分布を均一化し、特に希薄燃焼の予混合燃焼では、燃焼温度を低減することが出来る。
しかし、予混合燃焼は安定燃焼範囲が狭く、逆火や吹飛びが起こり易いという問題がある。また、液体燃料に対しては、予め蒸発(予蒸発)しないと予混合出来ないことが欠点である。
液体燃料の場合、燃料が流路断面積が小さいノズルを通過する際に微粒化して噴射するが、通常は着火時に燃料の液滴が残り、液滴が蒸発しながら燃焼するため、理論空気比となる位置が必ず存在し、局所的に高温となってしまう。そのため、サーマルNOxの低減には限界がある。
それを解決する技術として、予蒸発がある。予蒸発は、燃焼器内部又は外部で予蒸発部を設け、そこで噴霧した燃料を他からの加熱により蒸発させた後に燃焼させる技術である。予蒸発によれば、気体燃料と同等のサーマルNOx低減が期待出来る反面、予蒸発部の分だけ、燃焼器のサイズが大きくなってしまうという欠点を有している。
その他の技術として、燃料又は空気を数段に分割して燃焼装置内に供給して空気比を燃焼室内の各領域毎に制御することが行われている。この場合には、理論空気比よりも燃料濃度の濃い部分と燃料濃度の薄い部分が意図的に作られ、理論空気比となる混合状態の領域を避けることでサーマルNOxの低減が図られている。
しかし、係る技術では、燃料又は空気の供給系が複雑になるため、大型の燃焼炉では多くの実績があるが、小型の燃焼装置では適用できない。また、燃料や空気の供給位置や分割割合の最適値を見出すことや、負荷に対応して制御することは難しいとされている。
燃焼ガス再循環(Burnt Gas Recirculation)は、高温かつ酸素濃度が低い既燃焼ガスを燃焼前の空気と混合することによって、緩慢で均一な燃焼を実現して、燃焼温度を低下させると共に、不活性ガスを増加して熱容量を増加せしめ、平均火炎温度を低下させ、以って、サーマルNOxを低減する技術である。主にボイラ、工業炉の燃焼装置及びエンジンに適用事例がある。
燃焼ガス再循環を起こす手法としては、保炎器によるもの、外部再循環、内部再循環が挙げられる。
なお、煙道ガス再循環(FGR:Flue Gas Recirculation)及び排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)と呼ばれる燃焼方式もあるが、燃焼ガス再循環と基本的に同一の技術である。
燃焼ガス再循環を利用した公知技術の例として、気体燃料に対する技術(例えば特許文献1参照)と、気体燃料の予混合燃焼に対する技術(例えば特許文献2参照)とが存在する。何れも保炎板の下流中央に形成される再循環領域と、燃焼室内に突設した燃焼装置と燃焼室壁との間の空間において燃焼ガスが再循環するものである。
しかし、保炎板の下流中央での燃焼ガス再循環は着火前の燃料と空気が混合している部分には及ばず、その作用は単に着火を安定させることである。
また、燃焼装置と燃焼室壁との間の空間からの燃焼ガス再循環は、実際には燃焼装置近傍のみの循環に止まるので、十分に燃焼して高温、低酸素濃度となった燃焼ガスは再循環せず、且つ循環量が少ないためサーマルNOxの低減効果は小さい。
さらに、これらの燃焼装置では、燃焼ガス再循環が燃焼装置の外側から中心軸方向へ吸引されるようにするため、燃焼室の寸法を燃焼装置の径よりも十分大きくする必要があり、ガスタービンの燃焼装置など燃焼室の寸法をなるべく小さくする必要がある用途には適していない。また、液体燃料に適用するのは難しい。
気体燃料に対する技術(例えば特許文献3参照)は、保炎板による保炎板後方中央からの燃焼ガス再循環とともに、火炎を分割浮き上がり火炎として、火炎側方からも燃焼ガスを再循環させるものである。
係る技術によれば、燃焼ガス再循環の量は大きくすることが出来るが、分割化炎としたためにバーナの構造が複雑になり、バーナ断面積に対して火炎のない部分があるため、バーナの寸法が大きくなってしまう(容積あたりの燃焼負荷が低い)、という問題を有している。
また、液体燃料に適用するのは難しい。
ボイラ用バーナにおけるガス燃料の予混合燃焼に関する技術(例えば特許文献4参照)では、燃焼室壁に複数の予混合気噴射孔を設け、一つの予混合気が燃焼ガスとなって隣の予混合気噴射孔めがけて噴射されるようになっている。
しかし、予め燃量と空気が混合されているので着火時に燃焼に関与する空気は新鮮空気であり、燃焼開始後に燃焼ガスと始めて混合するため、燃焼を緩慢にする効果が少ないという問題がある。
また、ガス燃料の予混合燃焼に対する技術であり、予混合気が次の噴射孔に到達するまでの時間が短く、液体燃料に適用するのは難しいと考えられる。
ボイラ用バーナに関する技術(例えば特許文献5参照)は、主に液体燃料に対して、燃料ノズル周りを流れる燃焼用空気の運動エネルギにより低圧部を作り、炉内の燃焼ガスを吸引して燃焼用空気に燃焼ガスを混合するものである。
しかし、燃焼用空気の外側で燃焼ガスを混合するので、燃焼用空気の内側には殆ど混合せず、燃料は先ず燃焼用空気と混合した後に、徐々に燃焼ガスと混合する。従って、燃焼現象を支配するのは通常と同じ酸素濃度をもつ燃焼用空気であり、実際には低酸素濃度下での緩慢な着火、燃焼という狙いを十分に実現できない。
また、燃焼ガスを吸引するための構造が複雑である。
さらに、分割火炎を採用しているので、バーナの構造が複雑になり、バーナ断面積に対して火炎の無い部分があるためバーナの寸法は大きくなってしまう(容積当りの燃焼負荷が低い)、という問題点が存在する。
円筒状の燃焼装置内で旋回流を誘起し、その旋回流の中心部は静圧が低下するため、旋回面の法線方向から別の気体を旋回中心に吸引する技術(例えば特許文献6参照)が開示されており、係る技術は円筒状燃焼装置における二次燃焼領域での燃焼ガス再循環に応用されている。
燃焼用の一次空気と二次空気、それ以外に燃料供給にも夫々旋回流を誘起させる作用を持たせているが、旋回によって導入される燃焼ガスの再循環の効果は二次燃焼領域の燃焼制御に止まっていて、火炎の根元近くの燃料濃度の高い領域を燃焼ガス再循環の対象領域としていない。従って、NOx低減効果も火炎末端部の温度制御だけの限定した効果となっている。
次に、図32〜図35に基づいて、従来技術の具体的な構成及びその問題点を更に詳しく説明する。
従来の汎用の燃焼装置の1例を図32に示す。
図32に示す燃焼装置は、筒型の燃焼装置であって、筒型容器1と流入ケーシング3cと仕切り筒41から成る流入流路と燃料ノズル4と燃料ノズル4の下流に燃料ノズルと同軸に配置された保炎板42とから構成される。
燃焼用空気20は図示しない送風機又は圧縮機によって流入ケーシング3cに流入し、仕切り筒41と燃料ノズル4の間の空間4sを通った後、保炎板42をよぎって筒型容器1に流入する。
一方、燃料21は図示しない燃料ポンプ又はブロワ、或いは圧縮機によって燃料ノズル4を介して筒型容器1内に噴射される。燃料21と燃焼用空気20とが混合して燃焼し、発生した燃焼ガス22が筒型容器1の開口端1xから流出する。
ここで、保炎板42は安定した着火をもたらすための構成である。
前記保炎板42は、図示の例では開口端1x側が拡径するような円錐状であり、空気を仕切り筒41と燃料ノズル4の間の空間4sを流過させることで、燃料ノズル4の先端において空気の流速を低下させるとともに、保炎板42の後方に下流から逆流する流れ領域43を形成する。その逆流43は、高温の燃焼ガスを燃料ノズル4の先端の至近下流の着火領域に戻す。
しかし、これらの燃焼ガスの逆流は燃料航跡21の内側21aのみであり、燃料21と空気20が混合している部分には及ばない。従って、その作用は単に着火を安定させることである。
図32に示した燃焼装置をそのまま環状の燃焼装置に応用する従来技術の1例を、図33に基づいて説明する。上述したように、燃焼装置が筒型の場合(図32)は保炎板42が円錐状であったが、環状燃焼装置(図33)の場合には(図33の図33−Bに示すように)保炎板も環状の保炎板42bとなる。
燃料ノズル4は図33に示すように筒状のものを複数個保炎板42bに取り付けてもよいし、図示しないが燃料ノズルも環状としてもよい。その作用は筒型の場合と同様である。
燃焼ガス再循環に注目した従来の燃焼装置の1例を図34に基づいて説明する。
図34に示す燃焼装置は、ボイラや工業炉に適用される筒型の燃焼装置で、図32に示した従来の燃焼装置に対して、燃焼用空気が流過する旋回器2と、環状容器1の外側に第2の旋回器2aと外筒45を加えて構成されている。
旋回器2は燃焼用空気20の流れを旋回させることによって、旋回流中心において負圧の領域を形成して下流から逆流する流れ領域44を形成する。その逆流44は高温の燃焼ガスを燃料ノズル4の先端の直ぐ下流の着火領域に戻し、保炎板42と同様に着火をより安定させる。
燃焼用空気20が流れることによる誘引作用で、第2の旋回器2aが燃焼室壁46から離れているとき、第2の旋回器2aを介して燃焼室内の燃焼ガス22が吸引され、燃焼用空気20と混合して燃焼が起こる。
これが従来技術による燃焼ガスの再循環の代表的な例であるが、燃焼ガス22が燃焼用空気20の旋回流の外側から導入されているので、燃焼用空気20の内側には殆ど混合せず、燃料21は先ず燃焼用空気20と混合した後に徐々に燃焼ガス22と混合する。よって燃焼現象を支配するのは通常と同じ酸素濃度を持つ燃焼用空気20であり、実際には低酸素濃度下での着火、燃焼を実現出来ていない。
また、図34で示す装置では、燃焼ガス再循環が外筒45の外側から吸引されるために、燃焼室の寸法が外筒45の径よりも十分大きい必要があり、ガスタービンの燃焼装置など、燃焼室の寸法を極力小さくする必要がある用途には適していない。また、上述した従来技術は、環状の燃焼装置に適用するには適していない。
従来技術による環状のガスタービン燃焼装置の構成、作用及び問題点について図35を参照して説明する。
従来技術によるガスタービンの燃焼装置は、目的とする温度が理論空気量、すなわち、燃料の燃焼に丁度必要な酸素量を含む空気量による燃焼での火炎温度よりかなり低いためにトータル空気比が非常に希薄であり、通常の炭化水素系の燃料を用いる場合、1段で燃焼させることは困難である。
そのため、燃焼用空気を数段に分割して、先ずその一部(以下1次空気17という)のみに燃料を混合して燃焼させ、その後に残りの空気を加えることによって所望の出口温度に対して完全燃焼を実現している。
容器1fの内部で1段目の燃焼用空気が燃料と混合する位置から2段目の空気流入部までを1次燃焼領域16と言う。ガスタービンの燃焼において、燃焼効率が低下して未燃成分が排出されたり、NOx生成が増加したりしないように1次燃焼領域16の下流で空気を加えるための技術的工夫は、多く公知となっている。
尚、図35において、符号14は容器1fに形成した空気孔を、符号18はその空気孔14から容器1f内に流入する2次及び希釈空気を示す。
上述したように、燃焼ガス再循環による低酸素濃度下の燃焼がサーマルNOxの低減に有効であることが知られている。しかし、燃焼ガス再循環による低酸素濃度下の燃焼に注目した従来技術では十分な燃焼ガス再循環の量とNOx低減効果があり、かつ液体燃料でも予蒸発燃焼を実現し、気体燃料と同様に予混合燃焼を実現できる装置は見当たらない。
特開2002−364812号公報 特許3139978号 特開平9−133310号公報 特開平11−153306号公報 特許3171147号 特開2000−179837号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、構造が比較的単純であり、燃焼ガス再循環の効果を最大限に発揮し、液体燃料の予蒸発、気体燃料/液体燃料の予混合燃焼、及び低酸素濃度における緩慢燃焼を実現し、NOxの生成を抑制した燃焼を実現することが出来る燃焼装置の提供を目的としている。
また本発明は、耐高温を目指したセラミック化を低コストで実現するのに適しており、特にガスタービン用燃焼装置に適用した場合に構造を単純化することが出来て、コストダウン可能な燃焼装置の提供を目的としている。
本発明の燃焼装置は、内周側面を構成する内筒部(1i)と、外周側面を構成する外筒部(1o)と、開放端部(1x)及び閉鎖端部(1t)を有する環状容器(1)を備え、該環状容器(1)に、燃焼用空気を供給する空気供給手段と、燃料を供給する燃料供給手段とを備え、前記燃料供給手段から離隔した領域で環状容器内に供給された空気の流れが燃料の航跡と最初に交わり、燃料供給手段近傍の領域で燃料の航跡と再び交わる様に構成されている(請求項1)。
より具体的には、本発明の燃焼装置は、内周側面を構成する内筒部(1i)と、外周側面を構成する外筒部(1o)と、開放端部(1x)及び閉鎖端部(1t)を有する環状容器(1)を備え、該環状容器(1)の中心軸(J)方向に閉鎖端部(1t)から離隔した位置で環状容器(1)の外周側面(外筒部1o)を貫通して流入流路(5)を形成し、該流入通路(5)は、環状容器(1)の中心軸(J)方向を開放端部(1x)から閉鎖端部(1t)に向う速度成分及び環状容器(1)の周方向を旋回する速度成分を有する空気の流れ(22b)を形成する様に構成されており、前記環状容器(1)の閉鎖端部(1t)の内側に燃料ノズル(4)を備え、該燃料ノズル(4)は、前記流入流路(5)に向けて、中心軸(J)方向を閉鎖端部(1t)から開放端部(1x)に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されている(請求項2)。
また、本発明の燃焼装置は、内周側面を構成する内筒部(1ai)と、外周側面を構成する外筒部(1ao)と、開放端部(1x)及び閉鎖端部(1at)を有する環状容器(1a)を備え、前記外筒部(1ao)は閉鎖端部(1at)から中心軸(J)方向へ離隔した位置(1ad)で断面積が減少しており、該断面積が減少する部分(1ad)には流入流路(5)が形成されており、該流入流路(5)は、環状容器(1a)の中心軸(J)方向を開放端部(1x)から閉鎖端部(1at)へ向う速度成分を持ち且つ周方向へ旋回する速度成分を有する空気流(22b)を形成する様に構成されており、環状容器(1a)の閉鎖端部(1at)の内側には燃料ノズル(4)が設けられ、該燃料ノズル(4)は、前記流入流路(5)に向けて、中心軸(J)方向を閉鎖端部(1at)から開放端部(1x)に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されている(請求項3)。
そして本発明の燃焼装置は、内周側面を構成する内筒部(1bi)と、外周側面を構成する外筒部(1bo)と、開放端部(1x)及び閉鎖端部(1bt)を有する環状容器(1b1)を備え、該環状容器(1b1)の中心軸(J)と略同軸に且つ外筒部(1bo)の開放端部(1x)側に配置された筒状部材(32)とを有し、筒状部材(32)の断面積は外筒部(1bo)の断面積よりも小さく、外筒部(1bo)の端部(1bot)と筒状部材(32)の外周面とを接続する環状の接続部材(7)を設け、該接続部材(7)には流入流路(5)が形成され、該流入流路(5)は、環状容器(1b1)の中心軸(J)方向を開放端部(1x)から閉鎖端部(1bt)に向う速度成分を持ち且つ環状容器(1b1)の周方向へ旋回する空気の流れ(22b)を形成する様に構成されており、環状容器(1b1)の閉鎖端部(1bt)内側には燃料ノズル(4)が設けられ、該燃料ノズル(4)は、前記流入流路(5)に向けて、中心軸(J)方向を閉鎖端部(1bt)から開放端部(1x)に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されている(請求項4)。
さらに本発明の燃焼装置は、内周側面を構成する内筒部(1bi)と、外周側面を構成する外筒部(1bo)と、開放端部(1x)及び閉鎖端部(1bt)を有する環状容器(1b2)を備え、該環状容器(1b2)の中心軸(J)と略同軸で開放端部(1x)側に配置された環状部材(6)とを有し、該環状部材(6)は内周側面を構成する内筒部(6i)及び外周側面を構成する外筒部(6o)を備え、環状部材外筒部(6o)の断面積は環状容器外筒部(1bo)の断面積よりも小さく、環状容器外筒部(1bo)の開放端部側端面(1bot)と環状部材外筒部(6o)の外周面とを接続する環状の第1の接続部材(7)と、環状容器内筒部(1bi)の開放端部(1x)側端面と環状部材内筒部(6i)の閉鎖端部(1bt)側端面とを接続する第2の接続部材(33)とを設け、第1の接続部材(7)には流入流路(5)が形成され、該流入流路(5)は、環状容器(1b2)の中心軸(J)方向を開放端部(1x)から閉鎖端部(1bt)に向う速度成分を持ち且つ環状容器(1b2)の周方向へ旋回する空気の流れ(22b)を形成する様に構成されており、環状容器(1b2)の閉鎖端部(1bt)内側には燃料ノズル(4)が設けられ、該燃料ノズル(4)は、前記流入流路(5)に向けて、中心軸(J)方向を閉鎖端部(1bt)から開放端部(1x)に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されている(請求項5)。
本発明では、前記環状容器(1、1a、1b1、1b2)の内筒部(1i、1ai、1bi)に、空気を流入するための付加的な流入流路(5a)が少なくとも1箇所設けられているのが好ましい(請求項6)。
また本発明では、前記環状容器(1、1a、1b1、1b2)の閉鎖端部(1bt)の内筒部(1bi)近傍で且つ前記燃料ノズル(4)の半径方向内方に付加的な流入流路(補助空気流入口71)を設け、前記環状容器(1、1a、1b1、1b2)の中心軸(J)方向へ空気(72)が流れる様に構成されているのが好ましい(請求項7)。
さらに本発明では、前記環状容器(1d)の外筒部(1do)に、前記環状容器(1d)の半径方向内方へ空気を流入するための付加的な流入流路(19)を設けているのが好ましい(請求項8)。
本発明において、前記環状容器(1b、1c)内部の閉鎖端部(1bt、1ct)及び/又は外筒部(1bo、1co)の閉鎖端部(1bt、1ct)近傍の領域に整流構造(ガイドベーン11、11a、11b)を有し、該整流構造(ガイドベーン11、11a、11b)は、空気の旋回流(22b)を閉鎖端部(1bt、1ct)近傍で抑制する様に構成されているのが好ましい(請求項9)。
或いは本発明において、前記環状容器(1b、1c)内部の閉鎖端部(1bt、1ct)及び/又は外筒部(1bo、1co)の閉鎖端部(1bt、1ct)近傍の領域に整流構造(ガイドベーン11c、11d、11e)を有し、該整流構造(ガイドベーン11c、11d、11e)は、環状容器(1b、1c)の中心軸(J)方向を開放端部(1x)から閉鎖端部(1bt、1ct)に向う速度成分を持ち且つ環状容器(1b、1c)の周方向へ旋回する空気の流れ(22b)を、閉鎖端部(1bt、1ct)近傍の領域で半径方向内方に向かう流れに変換する様に構成されているのが好ましい(請求項10)。
これに加えて、本発明において、環状容器(1e)の外筒部(1eo)の、中心軸(J)方向について流入流路(5)より閉鎖端部(1et)側の範囲に、付加的な燃料ノズル(補助燃料ノズル12)を設けることも可能である(請求項11)。
上述した様な構成を具備する本発明によれば、断面が環状の燃焼室を有し、該燃焼室では、燃料供給手段から離隔した領域で供給された空気の流れが供給された燃料の航跡と最初に交わり、燃料供給手段近傍の領域で供給された燃料の航跡と再び交わる様に構成されている(請求項1)ので、単純な構造で、燃焼ガス再循環を積極的に発生させることが出来る。
そのため、本発明を汎用の燃焼装置に適用した場合には、安定性が高く、且つ燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来る。
そして、高い安定性で燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来るため、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼させることが出来る。そのため、従来の技術では低NOx化が困難であった液体燃料の場合であっても、安定的な蒸発挙動を持った予蒸発燃焼、気体燃料・液体燃料を問わない予混合燃焼、緩慢な燃焼を行い、均一で最高火炎温度の低い燃焼、及び燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量による平均火炎温度の低い燃焼を実現することが出来る。従って、従来技術では困難であったサーマルNOxの抑制を、実現することが出来るのである。
ここで、断面が環状の燃焼室において、空気流の航跡と燃料流の航跡とを同一にすること無く、空気流の航跡と燃料流の航跡とが2回交わり、空気流の航跡が最初に燃料流の航跡と交わるのは燃料航跡の先端近傍の領域で、空気流の航跡が燃料流の航跡と2回目に交わるのは、燃料流の航跡の根元から先端近傍までの範囲である様にするためには、空気流と燃料流とが対向しており、空気は出口方向から逆向きに流れ且つ燃料は出口方向へ流れ、燃料は噴射した側から離隔するに連れて燃焼室の中心軸と直交する方向の外側(筒状容器であれば、半径方向外方)へ広がる様にすれば良い。
ここで、空気流は燃焼装置の内壁面に沿って旋回する旋回流となれば、上記の諸条件を充足するのに好都合である。
ここで、より具体的な構成を具備する本発明(請求項2〜請求項11)によれば、前記燃料流は、燃焼室中心軸方向の速度成分と燃焼室中心軸から燃焼室壁面、つまりは半径方向外方に向う方向の速度成分とを有し、前記空気流は、燃焼室中心軸方向については燃料の流れと対向する向きの速度成分を有し且つ周方向へ旋回する速度成分を有する様に構成されており、燃料の流れは燃焼装置の出口方向へ向う速度成分を有しており、燃焼用空気の流れは出口方向と逆方向へ向う速度成分を有しているので、上述した流れを実現することが出来る。
そして本発明では、空気供給手段(流入流路5)から燃焼室内に供給された空気の流れの一部が低温の燃焼ガス(22a)或いは燃焼ガスとはならない空気流(20e)として、燃焼室内壁面に沿って流れる。その結果、燃焼装置の内壁は、低温の燃焼ガス(22a)或いは燃焼ガスとはならない空気流(20e)によって、燃焼装置内部の熱から保護される。その結果、燃焼熱に対する耐久性の高い燃焼装置の提供が実現する。
上述した様に、本発明によれば、燃焼ガス再循環を積極的に発生させることが出来る単純な構造が提供されるので、セラミックス等の耐熱材料の使用が容易で、分解及び部品交換が容易で、しかも、整備性に優れた燃焼装置が実現する。
また、補助燃料ノズル(付加燃料ノズル12:請求項11)を設けた場合は、気体燃料/液体燃料の混焼や、低発熱量の燃料や廃液の燃焼においても、サーマルNOxの生成を抑制できる。
上述したような構成を具備する本発明を、1次燃焼領域としてガスタービン燃焼装置に適用した場合には、単純な構造で燃焼ガス再循環を積極的に発生させることが出来るので、ガスタービン燃焼装置の1次燃焼領域において、安定性が高く、且つ燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来る。
そして、高い安定性を有することに起因して、本発明を適用したガスタービン燃焼装置においては、1次燃焼領域をより希薄に設計できるので、平均燃焼温度を低く抑えて、サーマルNOxの生成をさらに抑制できるという作用効果を奏する。
また、本発明の燃焼装置を適用したガスタービン燃焼装置では、高い安定性で燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来るため、例えば従来の技術では低NOx化が困難であった液体燃料の場合であっても、サーマルNOxの生成を抑制できる。
また、上述した通り、本発明の燃焼装置では、内壁が好適に低温の空気流によって冷却されるため、耐久性の高いガスタービン燃焼装置を提供出来る。
さらに、本発明の燃焼装置では構造が簡単であることに起因して、セラミックス等の耐熱材料の使用が容易で、且つ分解、交換が容易になされるため、整備性に優れたガスタービン燃焼装置の提供が実現する。
これに加えて、本発明の燃焼装置を適用したガスタービンでは、1次燃焼領域の外側に空気が流れず、ライナを露出させた構造とすることが出来るため、燃料ノズルや点火装置等を単純な構造で配置でき、コストダウンが可能である。
これに加えて、ケーシングに対するライナの熱膨張を低減出来るため構造が単純になり、更なるコストダウンが可能である。
そして、補助燃料ノズル(付加燃料ノズル12:請求項10)を設けた本発明の燃焼装置でガスタービンを構成すれば、気体燃料/液体燃料の混焼や低発熱量の燃料や廃液の燃焼においてもサーマルNOxの生成を抑制できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
尚、各実施形態において同一部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
先ず、図1及び図2を参照して、第1実施形態を説明する。
図1において、第1実施形態の燃焼装置は、上端(閉鎖端部)1tが閉じられた環状容器1と、その環状容器1の外周(後述の外筒部1o)側面に形成され、燃焼用空気20を環状容器1内に流入させる図示の例では共通ピッチの複数の空気流入部5と流入ケーシング3及び旋回器2から成る流入流路と、前記環状容器1の上端(閉鎖端部)1tの裏面に設けた燃料ノズル4から構成されている。
前記環状容器1は、図2に詳細を示すように、内筒部1iと、外筒部1oとを有し、その内筒部1i及び外筒部1oとが、前記閉鎖端部1tによって閉塞するように構成されている。尚、環状容器1の下端は開放された燃焼ガスの出口1xとなる。
尚、環状容器1の内筒部1iにおいて、前記外筒部1oに形成された空気流入部5よりも上方側の位置には複数の内側空気流入部5aが複数形成されている。
前記旋回器2は、図示(図1及び図2)では明確に描かれていないが、例えば、前記共通ピッチの複数の空気流入部5と同数で、中心軸に対して法線方向ではなく捩れつつ、斜め上方に配置され、内方の端部が前記空気流入部5近傍に接続されるような案内羽根を有している。その他の詳しい旋回器2の構成については後述する。
前記ケーシング3は、環状容器1の内筒部1iの内側に所定の隙間部Siが形成されるように配置された内筒3iと、環状容器1の外筒部1oの外側に所定の隙間部Soが形成されるように配置された外筒3oと、前記内筒3iの下端と環状容器1の内筒部1iの下端を接続する内側底部材3biと、前記外筒3oの下端と環状容器1の外筒部1oの下端を接続する外側底部材3boとで構成されている。
前記ノズル4は、図示では明確に描かれていないが、例えば、中空材で作成された単一の環に多数の孔(噴孔)を穿孔したり、多数のノズルチップを取り付けることによって実現出来る。
上述したように構成された第1実施形態では、燃焼用空気20は、図示しない送風機又は圧縮機によって前記流入ケーシング3の外筒3oと環状容器1の外筒部1oとで形成された前記隙間Soに流入し、旋回器2を経由して空気流入部5から斜め上方向きに環状容器1に流入する。燃料21は図示しない燃料ポンプ、又はブロア、或いは圧縮機によって燃料ノズル4を介して環状容器1内に噴射される。
環状容器1内では、燃料21と燃焼用空気20が混合して燃焼し、燃焼ガス22が環状容器1の開口端1xから排出される。
第1実施形態においては、図2に示すように、燃焼用空気20が環状容器1の閉鎖端部1tから環状容器1の軸方向に所定距離だけ離れた位置において、環状容器1の閉鎖端部1tから開放端部1xに向う向き(出口方向)に対して逆向きの速度成分を持って(前記空気流入部5から斜め上方に向って)環状容器1内に流入して旋回する。すなわち、空気流入部5から環状容器1内に流入する空気20は、環状容器1の中心軸J方向を開放端部1xから閉鎖端部1tに向う速度成分及び環状容器1の周方向を旋回する速度成分を有する流れ22bを形成する。
それと共に、燃料23が環状容器1の閉鎖端部1tから出口1x方法に向けて、環状容器1の中心軸に対して径方向に広がり角度を持って、且つ、燃焼用空気20の流入部5をめがけて噴射される。すなわち、燃料23は、流入部5(流入流路)に向けて、中心軸J方向を閉鎖端部1tから開放端部1xに向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して噴射される。
さらに、前記内側空気流入部5aからは環状容器1内において斜め下方に向って、空気20aが流入するので、環状容器1の内筒部1iの内壁を好適に冷却する。
図示はしないが、空気流入部5の環状容器1側面に対する開口割合や形状及びピッチは任意に設定出来る。また、図示しないが燃焼用空気20の環状容器1への流入部5において、流入する燃焼用空気20の流れを、出口1xと逆向きの速度成分を持つ限りにおいて偏向する構造を設けてもよい。
尚、図2において、符号22bは、空気流入部5から流入した燃焼用空気20と、燃料が混合、燃焼して発生した燃焼ガスにより構成され、出口1xと逆方向に大きな速度成分を有する旋回流を示す。
次に、図3及び図4を参照して第2実施形態を説明する。
図3及び図4の第2実施形態の燃焼装置では、図1及び図2の第1実施形態における環状容器1に対して、環状容器1aの外筒部1aoを絞った構造(段付構造)とした実施形態である。
その段付部1ad、すなわち環状容器1aの外筒部1aoの外径が不連続に変化する部分に空気流入部5が形成されている。
旋回器2及びケーシング3については後述の図7および図8の第4実施形態と概略同様であり、旋回器2及びケーシング3に関する詳細説明は第4実施形態の説明の際に行う。
そのように構成された第2実施形態によれば、前記空気流入部5から環状容器1aに流入する燃焼用空気20が出口1xと逆方向により大きな速度成分を持った旋回流22bを形成するように環状容器1a内に流入する。すなわち、環状容器1aに流入した空気20は、環状容器1aの中心軸J方向を開放端部1xから閉鎖端部1atへ向う速度成分を持ち、且つ、周方向へ旋回する速度成分を有する流れ22bを形成する。
それと共に、燃料23は、空気流入部5(流入流路)に向けて、中心軸J方向を閉鎖端部1atから開放端部1xに向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して噴射される。
図3、4において、環状容器1aの外筒部1aoの断面変化部1adは環状容器1aの軸方向に直交して描かれているが、角度は任意である。また、図示しないが、空気流入部5の開口割合や形状及びピッチに関しても任意に設定出来る。さらに、図示はしないが、空気流入部5において流入する燃焼用空気20の流れを偏向させる構造を設けてもよい。
尚、図4において、符号1aiは環状容器1aの内筒を、符号1atは環状容器1aの閉鎖端部を示す。
次に、図5、図6を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
図5、図6の第3実施形態の燃焼装置では、図3及び図4の第2実施形態における環状容器1aに対して、製作上の要請に応じて、環状容器1b1が断面変化部分(段付部)1bdで、環状容器1bの内周側側面(内筒部)1biを下流側に延長し、そして、2次筒32(筒状部材)を別途設けている。
図6から明らかな様に、2次筒32は、環状容器1b1の外筒部1boに完全に受容されてしまう程度に小さい。すなわち、2次筒32の横断面積は環状容器1b1の外筒部1boの断面積よりも小さく、当該外筒部1boを延長した仮想円筒形内に2次筒32が完全に包含されてしまう。
環状容器1b1の外筒部1boの開放端部1x側の端部1botと、2次筒32の閉鎖端部1bt側寄りの外周面とは、環状の接続部材7で接続されており、接続部材7には空気流入部5(流入流路)が形成されている。
一方、環状容器1b1の内筒部1biは、2次筒32と同軸に、環状容器1b1の開放端部1x側に延長された形状となっている。
図5、図6の第3実施形態によれば、環状容器1b1と2次筒32と接続部材7により燃焼室を構成するようになっているので、燃焼装置の組み立てが容易である。
この第3実施形態においても、流入部5から環状容器1b1内に流入した空気は、環状容器1b1の中心軸J方向を開放端部1xから閉鎖端部1btに向う速度成分を持ち、且つ、環状容器1b1の周方向へ旋回する流れ22bを形成する。それと共に、燃料は、流入部5(流入流路)に向けて、中心軸J方向を閉鎖端部1btから開放端部1xに向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して噴射される。
図5、図6の第3実施形態では、特に図6で示す様に、閉鎖端部1btの内側であって、内筒部1bi近傍で且つ前記燃料ノズル4の半径方向内方に、補助空気流入口71(付加的な流入流路)を設け、環状容器1b1の中心軸J方向へ空気が流れる様に(矢印72で示す)構成されている。これにより、内筒部1biの内壁面1bisに沿って空気72が流れることとなり、内筒部1biの内壁面1bisが効率的に冷却される。ここで、補助空気流入口71は、図5では矢印で示されている。
この補助空気流入口71については、図5、図6の第3実施形態のみならず、図1〜図4の第1実施形態及び第2実施形態でも適用することが出来る。同様に、図7以下で後述するその他の実施形態についても、補助空気流入口71から空気流71を噴射して内筒部内壁面1bisを冷却する構成を適用することが可能である。
次に、図7、図8を参照して第4実施形態を説明する。
図7、図8の第4実施形態の燃焼装置では、図3及び図4の第2実施形態における環状容器1aに対して、環状容器1b2が製作上の要請に応じて断面変化部分(段付部)1bdで2次環状容器(環状部材)6と、第1の接続部材7と、第2の接続部材33とに分割された構成に置き換えられた実施形態である。
図8において、符号6iは2次環状容器6の内筒部を示し、6oは2次環状容器6の外筒部を示す。図8から明らかな様に、2次環状容器6の外筒部6oは、環状容器1b2の外筒部1boに完全に受容されてしまう程度に小さい。すなわち、2次環状容器6の外筒部6oの横断面積は環状容器1b2の外筒部1boの断面積よりも小さく、当該外筒部1boを延長した仮想円筒形内に2次環状容器6の外筒部6oが完全に包含されてしまう。
そして、環状容器1b2の外筒部1boの開放端部1x側の端部1botと、2次環状容器6の外筒部6oの閉鎖端部1bt側寄りの外周面とは、環状の第1の接続部材7で接続されており、接続部材7には空気流入部5(流入流路)が形成されている。
一方、2次環状容器6の内筒部6iは、環状容器1b2の内筒部1biの延長上に位置しており、2次環状容器6の内筒部6iと環状容器1b2の内筒部1biは第2の接続部材33で接続されている。
なお、図7、図8では、環状容器1b2の内筒部1biと2次環状容器6の内筒部6iとは同一の内径寸法に表示されているが、環状容器1b2の内筒部1biの内径寸法と、2次環状容器6の内筒部6iの内径寸法とは相違していても良い。
図7、図8の第4実施形態によれば、環状容器1b2と、2次環状容器6と、両者を接続する第1の接続部材7及び第2の接続部材33により、燃焼室を構成するようになっているので、燃焼装置の組み立てが容易である。
次に、旋回器2について、図9〜図11(図11、10)を参照して、以下に詳述する。
旋回器2は一般的には図9に示すように、内筒30と外筒29の間に流れを偏向する旋回羽根10を配置して空気導入路9を形成して構成する。
また、旋回器2の他の方法として、図10に示すように環状部材31に流れを偏向する空気導入路9を開口してもよい。その際の空気導入路9の形状は任意である。
或いは、旋回器2と同様の作用を実現する更に別の構成として、図11に示すように、前記接続部材7の空気流入部5毎に分割された空気導入路9を、前記接続部材7に取り付けて構成してもよい。
また、図9及び図10の構成の旋回器2では、旋回器2が接続部材を兼ねてもよい。即ち、図9の例において、内筒30と外筒29とを廃止して、第3実施形態の2次筒32(図5、図6参照)と容器1b1(図5、図6参照)とを旋回羽根10で接続することにより、また、第4実施形態の2次環状容器6(図7、図8参照)と環状容器1bとを旋回羽根10で接続することにより、旋回羽根10が接続部材7を兼ねることが出来る。図10の例においては、環状部材31が接続部材7(図5〜図8)を兼ねることが出来る。
尚、図7及び図8において、第1の接続部材7は環状容器1b及び2次環状容器6の軸方向に直交して描かれているが、角度は任意である。図示はしないが、空気流入部5の開口割合や形状及びピッチは任意に設定できる。また、旋回器2は軸流形状に描かれているが、旋回器2外周からも燃焼用空気20が流入する斜流としてもよい。さらに、図示はしないが、空気流入部5において流入する空気20の流れを径方向に偏向する構造を設けてもよい。
ケーシング3は、図12に示すように、遠心圧縮機、タービンに適した所謂逆流型の流入ケーシング3bとしてもよい。
また、環状容器1(後述の環状容器1a、1bも含む)の内周側が耐熱性材料で形成されている場合で環状容器1の内周側に空気流入孔5がなくてもよい場合は、図13、図14に示すように、流入ケーシング3cは環状容器1bと一体化してもよい。その場合の流入ケーシング3cは環状容器1bの空気流入部5よりも閉鎖端部1bt側、又は環状容器1b全体をケーシング3cで包囲して2重構造とする必要がなくなるので、燃料ノズル4や図示しない点火装置を、ケーシング3cを貫通することなく取り付けることが出来る。
すなわち、構造が単純になり、コストダウンが可能となる(その場合、露出した環状容器1bは断熱材で断熱することが望ましい)。
ケーシングに関しては、図示はしないが、図11に示す様な分割された空気導入路9で旋回器2の作用を果たす場合、空導入路9に例えば延長管を接続して、その延長管を合流させた流入管を設けて流入ケーシング3に変えてもよい。他の空気導入路がある場合も同様である。
燃料ノズルの構成方法としては、単一の環型燃料ノズル4(図1〜図8)に変えて、図15及び図16に示すように、複数のノズル4aを同心円状に配置してもよい。
この場合も、燃料が環状容器1bの閉鎖端部1btから出口1x方向に向けて、環状容器1bの中心軸に対して径方向外方に角度を持って噴流状、又は比較的小さい広がり角度の円錐状に、又は扇状に、且つ、燃焼用空気の流入部5をめがけて噴射される限りにおいて、単一のノズルと同様の作用が実現出来る。ノズル4aを複数とすることで、特に大型の燃焼装置で単一のノズルが適用しにくい場合に有効である。
以上の旋回器、ケーシング、燃料ノズルに関する同様な構造は第1実施形態〜第4実施形態、及び以降の全ての実施形態においても適用可能である。
上述した実施形態の作用について、図17、図18の第4実施形態を例にとって、以下において更に詳しく説明する。
図17及び図18において、燃料21は燃料ノズル4から環状容器1b2の中心軸J(図18参照)に対して径方向外側に広がり角度を持って噴射される。すなわち、空気流入部5に向けて、中心軸J方向を閉鎖端部1btから開放端部1xに向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して噴射される。
環状容器1b2の軸方向に対して広がり角度を持って噴射された燃料のいくつかの燃料航跡23a、23b(図17参照)を考える。
一方、燃焼用空気20は、図18において、図示しない送風機又は圧縮機によって前記流入ケーシング3の外筒3oと環状容器1b2の外筒部1boとで形成された前記隙間Soに流入し、旋回器2を経由して前記接続部材7に形成された図示しない空気流入部から環状容器1b2内に流入する。環状容器1b2に流入した燃料用空気20bは、環状容器1b2内を出口1xとは逆方向に旋回しながら遡り、一つの航跡23aと位置25で交わる(図17参照)。換言すれば、空気流入部から環状容器1b2内に流入した空気20bは、環状容器1b2の中心軸J方向を開放端部1xから閉鎖端部1btに向う速度成分を持ち、且つ、環状容器1b2の周方向へ旋回する流れ22bを形成する。
液体燃料の場合を考えたとき、位置25において燃料航跡23aを経由してきた燃料21は幾分蒸発して粒子の径が小さくなっており、且つ空気流の中を進んできたためにノズル4の出口近傍と比べて速度が遅く、且つ燃料21と燃料用空気20の速度が対向する向きになっているため、燃料21は燃焼用空気20bの流れに乗り、着火して火炎を形成して燃焼する。
燃焼用空気20bは環状容器1b2を出口と逆方向に旋回しながら更に遡上しつつ、高温低酸素濃度の燃焼ガス22bとなる。
そして環状容器1b2の閉鎖端部1btに近づくに連れて環状容器1b2の中心軸寄りに向きを変え、環状容器1b2の内筒1bi寄りにおいて出口1x方向に向きを変え位置26において燃料航跡23bを横切る。即ち、燃焼ガス再循環が起こる。
尚、燃焼ガス22aが横切る燃料航跡23bは燃料航跡23aと同じであってもよい。
位置26(図17参照)において、高温、低酸素濃度の燃焼ガス22bは燃料を着火させずに予蒸発させる。蒸発した燃料は燃焼ガス22bに伴流し、燃焼ガス22bが高温ではあるが、低酸素濃度であるので燃焼速度を抑制するため、蒸発した燃料はすぐには着火せず予混合される。そして、所定時間経過の後、着火して燃焼し、燃焼ガス22bは更に高温、低酸素濃度の燃焼ガス22となって出口1xから排出される。
従来技術とは異なり、第4実施形態では、大部分の燃料が燃焼用空気20と最初に接触することなく、最初に燃焼ガス22bと接触することで、実際に低酸素濃度下で着火、燃焼が実現できることが重要である。
図17、図18で例示する本発明の実施形態において、仮に燃料航跡23の根元近くでの燃料の蒸発が少ない場合には、より多くの燃料が燃料航跡23の先端で燃焼用空気20bと混合して燃焼ガス22bの温度が高くなることにより、燃料航跡23の根元での蒸発が促進される。即ち、蒸発量に対してフィードバック作用を持っている。よって、燃料噴射の条件が変化しても、(図17、図18で例示する)本発明の実施形態の作用は、安定して発現する性質を持っている。
気体燃料の場合も、噴流状に燃料が空気の流れを突き抜け、周辺部が部分的に空気と混合しながら(燃料噴流がその運動量を失う前に)位置25まで届くように噴射することによって、液体燃料の場合と同様に燃用空気20bが環状容器1b2を出口1xと逆方向に旋回しながら遡上しつつ燃料航跡23aと交わって燃料21と混合し、高温、低酸素濃度の燃料ガス22bとなる。
そして、環状容器1b2の閉鎖端部1btに近づくにつれて、環状容器1b2の中心軸寄りに向きを変え、内筒部1bi寄りにおいて反転して、位置26において燃料航跡23bを横切り、燃焼ガス再循環が起こる。
燃焼ガス22bは高温ではあるが低酸素濃度なので燃焼速度を抑制するため、直ぐに着火せず予混合となり、所定時間経過の後、着火して燃焼する。
(図17、図18で例示する)本発明の実施形態の最も基本的な作用は、空気が当該燃焼装置内で流れの向きを変えられて、燃焼装置内における燃焼用の空気と燃料のそれぞれの航跡が同一ではなく、空気の航跡と燃料の航跡とが2回交わり、且つ、空気にとって最初の交わりが燃料航跡の先端近傍で、2回目の交わりが燃料航跡の根元から先端近傍までの領域で起こるように燃料と空気とを混合することにより、燃焼ガス再循環を積極的に制御して起こすことである。
(図17、図18で例示する)本発明の実施形態における燃焼装置内の流れは、環状容器1b2の中心軸を通る断面内では、図18に示すようになっている。環状容器1b2に流入する燃焼用空気20を位置に応じて模式的に20a、20b、20c、20d、20eに分けて図示してある。
環状容器1b2に流入する燃焼用空気20の大半20b、20c、20dは夫々燃料航跡と衝突して燃焼ガス22b、22c、22dとなり、環状容器1b2内を深く遡上して再度燃料航跡23を横切る。燃焼用空気の流入位置が環状容器1b2の外筒部1boから離れるほど燃焼用空気はより浅い位置までしか遡上せずに反転する。環状容器1b2に流入する燃焼用空気20のうち、容器1b2の外筒1bo内面に最も近い位置から流入した燃料用空気20aは燃料21と衝突しないまま容器1b2内を最も深く溯上する。そして、溯上につれて燃焼ガス22bと混合して燃焼ガス22aとなる。よって、燃料航跡23に沿って満遍なく燃焼ガス22a、22b、22c、22dが横切ることとなり、燃焼ガス再循環の作用が最大限に発揮される。
図17、図18で例示する本発明の実施形態におけるその他の本質的な作用は、燃料の航跡に沿って満遍なく燃焼ガスが横切ることである。
これらの作用により、本発明の実施形態に係る燃焼装置においては、図18に示すように、環状容器1b2の内筒部1biよりの第2の環状火炎28と、外筒部1bo寄りの、しかし環状容器1b2の外筒1boの内壁からは離れた第1の環状火炎27の二つが形成される。
第1の環状火炎27は、燃焼用空気20が旋回しているため、環状容器1b2内での滞留時間が長く、且つ周方向によく混合されて均一になるとともに、燃焼用空気20と燃料21(図17参照)が対向する形に成っていること、そして、第2の環状火炎28から燃料と出会う前の燃焼用空気に高温の燃焼ガスが乱流拡散によって供給されることによる燃焼用空気の温度上昇と酸素濃度の低下が、燃料の着火を抑制しつつ蒸発を促進するため、火炎の安定度が高まる。
また、第2の環状火炎28は第1の環状火炎27の燃焼ガス22a、22b、22c、22dが燃料航跡23を横切ることにより、第1の環状火炎27が確実な着火源となって安定性が高くなるとともに、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼するために、予蒸発燃焼、予混合燃焼、且つ緩慢な燃焼となって、通常の拡散燃焼のように局所的に理論混合比となって、局所的に高温な箇所が存在する燃焼ではなく、均一で最高火炎温度の低い、且つ燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量により平均火炎温度が低い燃焼となるため、サーマルNOxの生成が抑制される。
また、冷却上の利点として、図18に示す様な環状容器1b2に流入する燃焼用空気20のうち、環状容器1b2の外筒部1boの内周面に最も近い位置から流入した燃料用空気20aは(燃料21或いは)燃料航跡23と衝突しないまま環状容器1b2内を最も深く溯上して、遡上するにつれて燃焼ガス22bと混合して燃焼ガス22aとなる。燃焼ガス22aは比較的低温であるので環状容器1b2の内面を過熱から保護する。
一方、環状容器1b2の外筒部1boの内面から最も離れた位置で環状容器1b2に流入した燃焼用空気20eは、燃料21の到達点よりも出口1x側で反転して出口1x方向に流れるため、燃焼ガスとはならないで2次環状容器6の外筒6oの内周面6ofから遠い部分から次第に主火炎(第2の環状火炎)28の燃焼ガスと混合する。
しかし、この反転した燃焼用空気20eのうち、最も2次環状容器6の外筒6oの内周面6ofに近い部分は比較的低温であり、主火炎28の高温から2次環状容器6の外筒6oの内周面6ofを保護する。環状容器1b2の内周側1bi及び2次環状容器6の内周側(内筒6i)内面は、高温の燃焼ガスが近傍を通過する。従って、必要に応じて環状容器1b2の内周側及び2次環状容器6の内筒6iの内周面6ifには空気孔5aを設けて、冷却用の空気を噴流状に、若しくは壁面に沿うように噴出して冷却してもよい。
環状容器1b2の内周側及び2次環状容器6の内筒6iの内周面6ifが耐熱性材料で構成される場合は、環状容器1b2の内周側及び2次環状容器6の内筒6iの内周面6ifに空気流入孔5aは無くても良い。
上述した本発明の実施形態における作用は、図17、図18で示す第4実施形態のみならず、第1実施形態〜第3実施形態や、第5実施形態以降のその他の実施形態でも同様である。
また、構造上の利点としては、燃焼室が環状容器1b2と下流の構造(2次環状容器)に分割されているため、環状容器1b2を容易に取り出すことが出来、従来技術と比較して燃焼装置の分解、交換、整備がしやすく、整備性が向上する。
次に、第4実施形態と互換性のある第5実施形態について、図19を参照して説明する。
図19において、第5実施形態に係る燃焼装置は、環状容器の閉鎖端部1ctが前述した第1実施形態〜第4実施形態とは異なって、断面曲線Lrが一様でない曲率の自由円弧からなる曲面で構成された環状容器1cを有する実施形態である。
尚、図示の例では、当該環状容器1cは、大部分が曲面の閉鎖端部1ctから成り、その環状容器1cの極めて短い内筒部1ciには第2の接続部材33を介して、及び外筒部1coには接続部材7を介して2次環状容器6が接続されている。
第5実施形態の燃焼装置の場合も、前記第4実施形態で説明したと同様の作用が実現出来る。環状容器1cの閉鎖端部1ctが曲面で構成されていることにより、特に燃焼温度が高温になる用途において、環状容器1cをセラミックス等の耐熱材料で構成する場合、製作がより容易になり、コストダウン出来る。
また、燃焼室が環状容器1cと下流の構造(2次環状容器6)に分割されているため、環状容器1cを容易に取り外すことが出来、従来と比較して燃焼装置の分解、交換、整備がし易く、整備性が向上する。
第5実施形態の一部曲面で構成された環状容器1cを第1実施形態〜第3実施形態に適用してもよい。
次に、図20を参照して第6実施形態を説明する。
図20の第6実施形態は、図7、図8の第4実施形態の応用型、即ち、第4実施形態に対して、環状容器の外筒部に補助空気孔を形成した実施形態である。
図20において、第6実施形態の燃焼装置は、環状容器1dの閉鎖端部1dt近くの外筒部1doに複数の補助空気孔19を形成した実施形態である。
そのように閉鎖端部1dt近くの外筒部1doに形成された複数の補助空気孔19から流入した燃焼用空気20dは向心方向にジェット状に環状容器1d内に流入するので、周囲の燃焼ガス22bを誘引して、容器1dの閉鎖端部1dt近くで全体として環状容器1dの外周(外筒部)1doから内周(内筒部)1diへ向う方向に流れを促進する。
これによって旋回して流れてきた燃焼ガス22bを環状容器1dの閉鎖端部1dt近傍で環状容器1dの内周(内筒部)1di寄りに導き、燃料航跡23に向って再循環させることが出来る。
第6実施形態の補助空気孔19を第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態に適用してもよい。
次に、図21を参照して、第7実施形態を説明する。
図21の第7実施形態は、第4実施形態(図7、図8参照)に対して、環状容器1bの閉鎖端部1bt内側に整流構造であるガイドベーン11を複数設けた実施形態である。
係るガイドベーン11を設けることにより、第6実施形態(図20参照)における補助空気孔19と同様の作用を得ることが出来る。
環状容器1bの閉鎖端部1bt内側に整流構造であるガイドベーン11を複数設けた以外は第4実施形態と実質的に同様である。また、当該ガイドベーン11は、前述の第1実施形態〜第3実施形態及び第6実施形態に対しても適用出来る。
次に、図22を参照して、第8実施形態を説明する。
図22の第8実施形態は、第6実施形態(図20参照)における補助空気孔19と同様の作用を、第4実施形態の環状容器1b2において、外筒部1boの内壁で、閉鎖端部1btに近い側の領域に、整流構造であるガイドベーン11aを複数設けて実現する実施形態である。
環状容器1bの閉鎖端部1btに近い側の外筒部1boの内壁に整流構造であるガイドベーン11aを複数設けたこと以外は、第4実施形態と実質的に同様である。また、当該ガイドベーン11aは、前述の第1実施形態〜第3実施形態及び第6実施形態に対しても適用出来る。
また、第7実施形態及び第8実施形態に示した整流構造を併設することも出来る。
次に、図23を参照して、第9実施形態を説明する。図23の第9実施形態は、第実施形態及び第8実施形態と同様のガイドベーン11bを、図19の第5実施形態に適用したものである。
即ち、ガイドベーン11bは、環状容器1cの曲面から成る閉鎖端部1ctの曲面の内側に沿って、図示の実施形態では略閉鎖端部1ctの頂部まで形成されている。
前述の第7実施形態〜第9実施形態に示したガイドベーン11、11a、11bは環状容器1b、1cの閉鎖端部1bt、1ct近傍において、旋回流れを抑制して、流れを半径方向に整える作用を奏し、結果的に第5実施形態と同様に旋回して流れてきた燃焼ガス22a(図示せず)を、環状容器1b、1cの閉鎖端部1bt、1ctの内周寄りに導き、円滑に燃料航跡23に向って再循環することが出来る。
前述の第7実施形態〜第9実施形態を更に発展させた第10実施形態〜第12実施形態について、夫々図24〜図26を参照して説明する。
先ず、図24の第10実施形態は、図21の第7実施形態における整流構造であるガイドベーン11を最適化した実施形態である。即ち、第10実施形態のガイドベーン11cでは、図21の第7実施形態のガイドベーン11の形状を、燃焼用空気が環状容器1bの内筒1bi側にスパイラル状に巻き込んで中心部に流れ易いように円弧状に湾曲させている。
該ガイドベーン11cは、第1実施形態〜第3実施形態及び第6実施形態にも適用可能である。
図25の第11実施形態は、図22の第8実施形態における整流構造であるガイドベーン11aを最適化した実施形態である。即ち、第11実施形態のガイドベーン11dでは、図22の第8実施形態におけるガイドベーン11aの形状を、環状容器1bの外筒部1boの内壁に沿って傾斜させて配置しており、そのガイドベーン11dの上方先端は図示の例では垂直方向に立ち上がるように変形している。
等該ガイドベーン11dは、第1実施形態〜第3実施形態及び第6実施形態にも適用可能である。また、第10実施形態に示したガイドベーン11cとともに用いても良い。
図26の第12実施形態は、図23の第9実施形態における整流構造であるガイドベーン11bを最適化した実施形態である。即ち、第12実施形態のガイドベーン11eでは、図23の第9実施形態のガイドベーン11bの形状を、環状容器1cの外筒部1coの湾曲した内壁に沿って傾斜させて配置しており、そのガイドベーン11eの上方先端は図示の例では垂直方向に立ち上がるように変形している。
上述の第10実施形態〜第12実施形態において、整流構造(ガイドベーン)11c、11d、11eは旋回している燃焼ガス22a(図示せず)の流れを積極的に、且つ、よりスムースに向心方向の流れに偏向する作用をし、これによって旋回して流過してきた燃焼ガス22aをよりスムースに環状容器1b、1cの閉鎖端部1bt、1ct近くにおいて環状容器1b、1cの内周(内筒部)1bi、1ci寄りに導き、燃料航跡23に向って再循環させることが出来る。
尚、旋回流れを向心方向の流れに偏向する作用を持つ限りにおいて、整流構造の詳細な形状が変化しても実質的に同一である。また、整流構造は環状容器1b、1cに板状又は台状などの物体を付加して構成してもよいし、環状容器1b、1cの内面に溝状の形状を構成してもよい。
次に、図27を参照して、第4実施形態の応用例である第13実施形態を説明する。
当該燃焼装置は、内筒部1ei及び外筒部1eoを有する環状容器1eの外筒部1eoの内面で、燃焼用空気20の流入部5のやや閉鎖端部1et寄りに補助的に燃料を噴射する補助燃料ノズル12を設けた実施形態である。
補助燃料ノズル12から噴射される燃料は主燃料ノズル4から噴射する燃料と同一であっても、異なる燃料であってもよい。燃焼装置が大型であったり、気体燃料で噴射圧力が限られていて、燃料21を燃焼用空気20の流入部5(図示せず)まで到達させるのが難しい場合でも、補助燃料ノズル12から同一燃料を噴射すると、第2の実施例と同様に燃焼ガス再循環により、サーマルNOxの生成を抑えた燃焼を実現出来る。
また、燃料ノズル4から液体燃料を、補助燃料ノズル12から気体燃料を噴射することによって、液/ガス混焼を単純な構成で実現出来る。
また、補助燃料ノズル12によってターンダウン性能をより向上させることが出来る。
更に、低発熱量で安定燃焼が難しい燃料を使用する場合、特に発熱量を有しているものの、その熱量が少ない廃液を燃焼処理するような場合には、燃料ノズル4から低発熱量燃料又は廃液を噴射し、補助燃料ノズル12から燃焼性のよい燃料を噴射することによって、第4の実施例と同様に、燃焼ガス再循環により、予蒸発、予混合した燃料となり、サーマルNOxの生成を抑制した燃焼を実現出来る。
尚、図27において補助燃料ノズル12は環状容器1eの外筒部1eoの内面に複数のノズルを設けたものであるが、別の構成としては、(図示はしないが)多数の噴射孔を開けた単一の環を環状容器1eの外筒部1eoの内面に配置してもよい。
第13実施形態の補助燃料ノズル12は、第1実施形態〜第3実施形態及び第5実施形態〜第12実施形態にも適用可能である。
本発明をガスタービンの燃焼装置に適用する場合、上述してきたような実施形態(第1実施形態〜第13実施形態)を1次燃焼領域と見做して、出口1xの下流に更に空気流入部を設ければよい。一方、ガスタービンの燃焼装置において、燃焼効率が低下して未燃焼成分が排出されたり、NOx生成が増加したりしないように1次燃焼領域の下流で空気を加えるための技術的工夫は、多く公知になっている。従って、本発明をガスタービンに適用する場合、これまで説明してきた実施形態に公知の技術を適用することで実現できるため、本発明の本質を保ったまま多くの応用的実施形態が可能となる。その全てを記すことは出来ないが1部の例について以下に説明する。
図28及び図29を参照して、第14実施形態に係るガスタービンの燃焼装置を説明する。
図28及び図29の第14実施形態は、前述の第4実施形態の燃焼装置をガスタービン燃焼装置に適用した実施形態である。
図28及び図29において、当該ガスタービン燃焼装置は、前記第4実施形態と比較すると、2次環状容器6bが出口側に延長され2次環状容器6bの適切な位置に空気孔14、14oが開口された2次環状容器6bに置き換えられている。また、2次環状容器6bは下流で断面が拡張(6bd)されているが、これは任意に設定出来る。また、2次環状容器6bは出口1xまで一体で構成されているが、製作上の要請に応じて分割されてもよい。
2次環状容器6bに複数段にわたって形成された空気孔14、14oから2次及び希釈空気18が流入する。
第4実施形態と同様に1次燃焼領域16では、燃料航跡23に沿って満遍なく燃焼ガス再循環が起こることにより、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼するために、液体燃料の場合には予蒸発燃焼、さらに気体燃料であっても液体燃料であっても予混合燃焼、且つ緩慢な燃焼となって、(通常の拡散燃焼のように局所的に理論混合比となって局所的に高温な箇所が存在する燃焼ではなく)均一で最高火炎温度の低い、且つ燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量により平均火炎温度が低い燃焼となるため、サーマルNOxの生成が抑制される。2次環状容器6bの最も上流側の2次空気孔14までの外筒部6boの内壁面は第4の実施形態と同様に1次空気17の一部で冷却される。
尚、2次環状容器6bの外筒6boの壁面には任意に冷却空気孔14oを開けてもよい。環状容器1bの内周側1bi及び2次環状容器6bの内筒6biの内面は高温のガスが近傍を通過する。従って必要に応じて環状容器1bの内周側1bi及び2次環状容器6bの内筒6biには空気孔を設けて、冷却用の空気を噴流状に、若しくは壁面に沿うように噴出して冷却してもよい。
環状容器1bの内周側1bi及び2次環状容器6bの内筒6biが耐熱材料で作られている場合、環状容器1bの内周側1bi及び2次環状容器6bの内筒6biには空気流入孔は設けなくてもよい。
更に1次燃焼領域16の安定性が高いため、全空気流量に対する1次空気17の流量比率を高めて、より希薄な1次燃焼として燃焼温度を低くすることが出来るため、さらにサーマルNOxの生成を抑制出来る。
また、燃焼室が環状容器1bと下流の構造(2次環状容器6b)に分割されているため、環状容器1bを容易に取り出すことが出来、従来技術と比較して燃焼装置の分解、交換、整備がし易く、整備性が向上する。
第4実施形態に代えて、第1実施形態〜第3実施形態、及び第6実施形態〜第13実施形態をガスタービン燃焼装置に適用した場合についても、第14実施形態の作用、効果が同様に実現出来る。また、その際、第1実施形態〜第3実施形態、及び第6実施形態〜第13実施形態夫々の作用、効果はそのまま発揮される。
次に、図30を参照して第15実施形態に係るガスタービン燃焼装置について説明する。
図30の第15実施形態は、前述の第5実施形態の燃焼装置をガスタービン燃焼装置に適用した実施形態である。
図30において、当該ガスタービン燃焼装置は、前記第5実施形態と比較すると、2次環状容器が出口1x側に延長され2次環状容器6bの適切な位置に空気孔14、14oが開口された2次環状容器6bに置き換えられている。なお、2次環状容器6bは下流で断面が拡張されているが、これは任意に設定出来る。また、2次環状容器6bは出口1xまで一体で構成されているが、製作上の要請に応じて分割されてもよい。2次環状容器6bに複数段にわたって形成された空気孔14、14oから2次及び希釈空気18が流入する。
第5実施形態と同様に1次燃焼領域16では、燃料航跡23に沿って満遍なく燃焼ガス再循環が起こることにより、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼するために、液体燃料の場合には予蒸発燃焼、更に気体燃焼であっても液体燃料であっても予混合燃焼、且つ緩慢な燃焼となって、(通常の拡散燃焼のように局所的に理論混合比となって局所的に高温な箇所が存在する燃焼ではなく)均一で最高火炎温度の低い、且つ燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量により平均火炎温度が低い燃焼となるため、サーマルNOxの生成が抑制される。2次環状容器6bの最も上流側の2次空気孔14までの外筒部6boの内壁面は第5の実施形態と同様に1次空気17の一部で冷却される。
尚、2次環状容器6bの外筒6boの壁面には図示のように、任意に冷却空気孔14oを開けてもよい。環状容器1cの内周側及び2次環状容器6bの内筒6bi内面は、高温の燃焼ガスが近傍を通過する。従って、必要に応じて、環状容器1cの内周面及び2次環状容器6bの内筒6bi内面には空気孔14を設けて、冷却用の空気を噴流状に、若しくは壁面に沿うように噴出して冷却してもよい。
環状容器1c及び2次環状容器6bの内筒6biが耐熱材料で作られている場合、環状容器1c及び2次環状容器6bの内筒6biには空気流入孔は設けなくてもよい。
更に1次燃焼領域16の安定性が高いため、全空気流量に対する1次空気17の流量比率を高めて、より希薄な1次燃焼として燃焼温度を低くすることが出来るため、さらにサーマルNOxの生成を抑制出来る。
また、燃焼室が環状容器1cの閉鎖端部1ctが曲面でドーム状に構成されていることにより、特に温度が高温になる用途において環状容器1cをセラミック等の耐熱材料で形成する場合、製作がより容易になり、コストダウンが可能となる。
また、燃焼室が環状容器1cと下流の構造(2次環状容器6b)に分割されているため、環状容器1cを容易に取り出すことが出来、従来技術と比較して燃焼装置の分解、交換、整備がし易く、整備性が向上する。
次に、図31を参照して第16実施形態に係るガスタービン燃焼装置について説明する。
図31の第16実施形態は、前述の第14実施形態の応用例である。
即ち、図27の第14実施形態の燃焼装置における2次空気18の混合部に空気孔に変えて、2次旋回器15を用いた実施形態である。
但し、2次環状容器6bの内筒6biには空気孔14が、外筒6boには空気孔14oが設けてある。
2次旋回器15で2次空気18を旋回流とすることにより、2次領域での混合を促進することが可能となる。そのように1次燃焼領域の下流で空気を加えるに当たって、燃焼効率が低下して未燃成分が排出されたり、NOx生成が増加したりしないための公知の技術的工夫を用いることにより、本発明の本質を保ったまま、様々な形の応用的実施例を得ることが出来る。
以上説明したように、本発明に係る実施形態を汎用の燃焼装置に適用した場合、単純な構造で、燃焼ガス再循環を積極的に制御して起こすことにより、安定性が高く、且つ燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来る。
また、高い安定性で燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来るため、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼させて、液体燃料の場合の安定的な蒸発挙動を持った予蒸発燃焼、気体燃料・液体燃料を問わない予混合燃焼、緩慢な燃焼となって均一で最高火炎温度の低い燃焼、燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量による平均火炎温度の低い燃焼、を実現し、従来技術では困難であったサーマルNOxの生成を抑制できる燃焼装置の提供が実現する。
そして、燃焼装置の内壁が好適に低温の空気流によって冷却されるため、耐久性の高い燃焼装置の提供が実現する。
或いは、セラミックス等の耐熱材料の使用が容易な燃焼装置の提供が実現する。また、分解、交換が容易になされるため、整備性に優れた燃焼装置の提供が実現する。
補助燃料ノズルを設けた場合は、気体燃料/液体燃料の混焼や低発熱量の燃料や廃液の燃焼においてもサーマルNOxの生成を抑制できる燃焼装置の提供が実現する。
上述の実施形態を1次燃焼領域としてガスタービン燃焼装置に適用した場合、単純な構造で、燃焼ガス再循環を積極的に制御して起こすことにより、1次燃焼領域において、安定性が高く、且つ燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来る。
高い安定性で燃焼ガス再循環の作用を最大限に発揮することが出来るため、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガスで燃焼させて、従来の技術では低NOx化が困難であった液体燃料の場合の安定的な蒸発挙動を持った予蒸発燃焼、気体燃料・液体燃料を問わない予混合燃焼、緩慢な燃焼となって均一で最高火炎温度の低い燃焼、燃焼ガス中の不活性ガスの熱容量による平均火炎温度の低い燃焼、を実現し、且つ、より1次燃焼領域を希薄に設計できることにより更に燃焼温度を低く抑えて、サーマルNOxの生成を抑制できるガスタービン燃焼装置の提供が実現出来る。
また、燃焼装置の内壁が好適に低温の空気流によって冷却されるため、耐久性の高いガスタービン燃焼装置の提供が実現する。
そして、セラミックス等の耐熱材料の使用が容易なガスタービン燃焼装置の提供が実現する。また、分解、交換が容易になされるため、整備性に優れたガスタービン燃焼装置の提供が実現する。
補助燃料ノズルを設けた場合は、気体燃料/液体燃料の混焼や低発熱量の燃料や廃液の燃焼においてもサーマルNOxの生成を抑制できるガスタービン燃焼装置の提供が実現する。
次に図36を参照して、上述した実施形態の燃焼装置をガスタービン発電機に適用した実施形態を説明する。
上述した実施形態の燃焼装置は、図36においては、符号120で示されている。
燃焼装置120は、図36において、ガスタービン装置100における燃焼器として採用されている。そして、図36のガスタービン装置100は、燃焼ガスで回転するタービン110と、燃料と空気との混合気を燃焼させる燃焼器120と、燃焼器120への燃料の供給量を調節する燃料調節弁130と、燃焼器120に空気を圧送する空気圧縮機140と、前記タービン110を間接的に制御対象とする制御装置150とを備えている。
タービン110は、燃焼ガスGを受けて回転する複数の図示しない回転翼を有しており、回転軸160を介して空気圧縮機140に接続されており、そして、図示しないケーシング内に回転自在に支持されている。空気圧縮機140は、前記回転軸160を介してタービン110により駆動され、空気圧縮機140内に供給された空気Aを圧縮する様に構成されている。この空気圧縮機140は、配管170を介して燃焼器120に接続されており、空気圧縮機140により圧縮された空気Acは、配管170を介して燃焼器120に供給される様に構成されている。
燃料調節弁130は燃焼器120の上流側に配置され、図示しない燃料供給源から供給された燃料Fは、この燃料調節弁130を通過した後、燃焼器120に供給される。燃料調節弁130は、弁の開度が可変に構成され、この開度を制御装置150によって制御信号ラインLoを介して操作することにより、燃焼器120への燃料Fの供給量が調節される。
燃焼器120に供給された燃料F及び圧縮空気Acは、燃焼器120において混合気を形成し、燃焼器120にて混合気が燃焼することにより高温・高圧の燃焼ガスGが発生する。そして、発生した高温・高圧の燃焼ガスGがタービン110に供給されることにより、タービン110が高速で回転する。
タービン110は回転軸160を介して発電機180に直結されており、タービン110が回転することによって発電機180が回転駆動されて、発電が行われる。
尚、回転軸160の軸近傍(図36では発電機180の近傍)には、タービン110の回転数を検出する回転数検出手段190が設置されている。回転数検出手段190により検出した回転速度の情報は、信号ラインLiを介して、制御装置150に伝達される。
燃焼器120の構成及び作用効果については、上述した各実施形態と同様である。
尚、以上説明してきた実施形態は、発明の本質を保つ範囲で任意に変形できるものであり、発明の技術的外延はあくまで請求項の記述によって判断されなければならない。
すなわち、図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
例えば第1実施形態〜第4実施形態において、容器1、1a、1bの断面形状は円環形(環状)であるが、任意の形状に変更することも可能である。
また、容器の中に全体として旋回流を形成する限りにおいて一方が他方を完全に包含する二つの多角形で構成される環状であってもよい。
或いは、容器1、1a、1bの断面形状は空気流入部5が形成された(軸方向)位置以外で軸方向に変化していてもよい。
さらに、環状容器1、1a、1b及び2次環状容器6の内周側には任意の空気流入口を設けてもよい。これは主に環状容器1、1a、1b及び2次環状容器6の壁面の冷却のためである。
環状容器1、1a、1bの内周側及び2次環状容器6の内筒6iが耐熱性材料で構成されている場合は、係る空気流入孔は無くてもよい。また、空気流入部5よりも下流においては、これらの空気孔から燃焼に必要な燃焼用空気を供給してもよい。
以上の容器1に関する等価な構造は、上述した全ての実施形態に適用出来る。
また、第1実施形態〜第4実施形態におけるケーシング3の形状は任意に偏向出来る。
例えば、図示はしないが、実施形態においては軸方向の閉鎖端部1t、1at、1btから流入する構造となっている流入ケーシングを、スクロール形状で周方向から流入する構造にし、環状容器1、1a、1bや2次環状容器6の出口周囲から逆向きに流入する形状としても良い。
また図12の様に、遠心圧縮機、タービンに適した所謂逆流方の流入ケーシング3bとしてもよい。
本発明の第1実施形態の構成及び作動原理を説明する斜視図。 本発明の第1実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第2実施形態の構成及び作動原理を説明する斜視図。 本発明の第2実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第3実施形態の構成及び作動原理を説明する斜視図。 本発明の第3実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第4実施形態の構成及び作動原理を説明する斜視図。 本発明の第4実施形態の構成を示す断面図。 本発明の実施形態に係る旋回器の一構成例をしめす斜視図。 本発明の実施形態に係る旋回器の第2の構成例をしめす斜視図。 本発明の実施形態に係る旋回器の第3の構成例をしめす斜視図。 本発明の実施形態に係る流入ケーシングの第2の形状例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る流入ケーシングの第3の形状例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る流入ケーシングの第3の形状例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る燃料ノズルの第2の構成例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る燃料ノズルの第2の構成例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る作用を示す斜視透視図。 本発明の実施形態に係る作用を示す断面図。 本発明の第5実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第6実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第7実施形態の構成を示す斜視透視図。 本発明の第8実施形態の構成を示す斜視透視図。 本発明の第9実施形態の構成を示す斜視透視図。 本発明の第10実施形態の構成を示す斜視透視図。 本発明の第11実施形態の構成を示す斜視透視図。 本発明の第12実施形態の構成を示す斜視透視図。 本発明の第13実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第14実施形態の構成を示す斜視図。 本発明の第14実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第15実施形態の構成を示す断面図。 本発明の第16実施形態の構成を示す断面図。 従来の筒状燃焼装置の断面図。 従来の環状燃焼装置の断面図及び正面図。 別の従来の筒状燃焼装置の断面図。 従来のガスタービン用環状燃焼装置の断面図。 本発明の燃焼装置をガスタービン発電機に適用した実施形態を示すブロック図。
符号の説明
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f・・・環状容器
2、2a・・・旋回器
3、3a、3b、3c・・・流入ケーシング
4、4a・・・燃料ノズル
5・・・空気流入部
6・・・2次環状容器
7・・・接続部材
9・・・空気導入路
10・・・旋回羽根
11、11a、11b、11c、11d、11e、・・・整流板
12・・・補助燃料ノズル
14・・・空気孔
15・・・2次旋回器
16・・・1次燃焼領域
17・・・1次空気
18・・・2次及び希釈空気
19・・・補助空気孔
20、20a、20b、20c、20d、20e・・・燃焼用空気
21・・・燃料
22、22a、22b、22c、22d・・・燃焼ガス
23、23a、23b・・・燃料の航跡
25・・・燃焼用空気と燃料との最初の衝突点
26・・・燃焼用空気と燃料との2回目の衝突点(燃焼ガスと燃料との衝突点)
27・・・第1の環状火炎
28・・・第2の環状火炎
29・・・旋回器外筒
30・・・旋回器内筒
31・・・環状部材
32・・・2次筒
33・・・第2接続部材
41・・・内筒(仕切り筒)
42・・・保炎板
43・・・保炎板による逆流
44・・・旋回流れによる中心逆流
45・・・外筒
46・・・燃焼室壁
100・・・ガスタービン装置
110・・・タービン
120・・・燃焼装置
130・・・燃料調節弁
140・・・空気圧縮機
150・・・制御装置
160・・・回転軸
170・・・配管
180・・・発電機
190・・・回転数検出手段

Claims (11)

  1. 内周側面を構成する内筒部と、外周側面を構成する外筒部と、開放端部及び閉鎖端部を有する環状容器を備え、該環状容器に、燃焼用空気を供給する空気供給手段と、燃料を供給する燃料供給手段とを備え、前記燃料供給手段から離隔した領域で環状容器内に供給された空気の流れが燃料の航跡と最初に交わり、燃料供給手段近傍の領域で燃料の航跡と再び交わる様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
  2. 内周側面を構成する内筒部と、外周側面を構成する外筒部と、開放端部及び閉鎖端部を有する環状容器を備え、該環状容器の中心軸方向に閉鎖端部から離隔した位置で環状容器の外周側面を貫通して流入流路を形成し、該流入通路は、環状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部に向う速度成分及び環状容器の周方向を旋回する速度成分を有する空気の流れを形成する様に構成されており、前記環状容器の閉鎖端部の内側に燃料ノズルを備え、該燃料ノズルは、前記流入流路に向けて、中心軸方向を閉鎖端部から開放端部に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
  3. 内周側面を構成する内筒部と、外周側面を構成する外筒部と、開放端部及び閉鎖端部を有する環状容器を備え、前記外筒部は閉鎖端部から中心軸方向へ離隔した位置で断面積が減少しており、該断面積が減少する部分には流入流路が形成されており、該流入流路は、環状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部へ向う速度成分を持ち且つ周方向へ旋回する速度成分を有する空気流を形成する様に構成されており、環状容器の閉鎖端部の内側には燃料ノズルが設けられ、該燃料ノズルは、前記流入流路に向けて、中心軸方向を閉鎖端部から開放端部に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
  4. 内周側面を構成する内筒部と、外周側面を構成する外筒部と、開放端部及び閉鎖端部を有する環状容器を備え、該環状容器の中心軸と略同軸に且つ外筒部の開放端部側に配置された筒状部材とを有し、筒状部材の断面積は外筒部の断面積よりも小さく、外筒部の端部と筒状部材の外周面とを接続する環状の接続部材を設け、該接続部材には流入流路が形成され、該流入流路は、環状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部に向う速度成分を持ち且つ環状容器の周方向へ旋回する空気の流れを形成する様に構成されており、環状容器の閉鎖端部内側には燃料ノズルが設けられ、該燃料ノズルは、前記流入流路に向けて、中心軸方向を閉鎖端部から開放端部に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
  5. 内周側面を構成する内筒部と、外周側面を構成する外筒部と、開放端部及び閉鎖端部を有する環状容器を備え、該環状容器の中心軸と略同軸で開放端部側に配置された環状部材とを有し、該環状部材は内周側面を構成する内筒部及び外周側面を構成する外筒部を備え、環状部材外筒部の断面積は環状容器外筒部の断面積よりも小さく、環状容器外筒部の開放端部側端面と環状部材外筒部の外周面とを接続する環状の第1の接続部材と、環状容器内筒部の開放端部側端面と環状部材内筒部の閉鎖端部側端面とを接続する第2の接続部材とを設け、第1の接続部材には流入流路が形成され、該流入流路は、環状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部に向う速度成分を持ち且つ環状容器の周方向へ旋回する空気の流れを形成する様に構成されており、環状容器の閉鎖端部内側には燃料ノズルが設けられ、該燃料ノズルは、前記流入流路に向けて、中心軸方向を閉鎖端部から開放端部に向う速度成分及び半径方向外方へ向う速度成分を有して燃料を噴射する様に構成されていることを特徴とする燃焼装置。
  6. 前記環状容器の内筒部に、空気を流入するための付加的な流入流路が設けられている請求項2〜5の何れか1項の燃焼装置。
  7. 前記環状容器の閉鎖端部の内筒部近傍で且つ前記燃料ノズルの半径方向内方に付加的な流入流路を設け、前記環状容器の中心軸方向へ空気が流れる様に構成した請求項2〜6の何れか1項の燃焼装置。
  8. 前記環状容器の外筒部に、前記環状容器の半径方向内方へ空気を流入するための付加的な流入流路を設けたことを特徴とする請求項2〜7の何れか1項の燃焼装置。
  9. 前記環状容器内部の閉鎖端部及び/又は外筒部の閉鎖端部近傍の領域に整流構造を有し、該整流構造は、空気の旋回流を閉鎖端部近傍で抑制する様に構成されている請求項2〜8の何れか1項の燃焼装置。
  10. 前記環状容器内部の閉鎖端部及び/又は外筒部の閉鎖端部近傍の領域に整流構造を有し、該整流構造は、環状容器の中心軸方向を開放端部から閉鎖端部に向う速度成分を持ち且つ環状容器の周方向へ旋回する空気の流れを、閉鎖端部近傍の領域で半径方向内方に向かう流れに変換する様に構成されている請求項2〜8の何れか1項の燃焼装置。
  11. 環状容器の外筒部の、中心軸方向について流入流路より閉鎖端部側の範囲に、付加的な燃料ノズルを設けた請求項2〜10の何れか1項の燃焼装置。
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CN114857619A (zh) * 2022-04-29 2022-08-05 江苏中科能源动力研究中心 一种燃气轮机微混燃烧室

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