JP2005226591A - 過給機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、この過給機を稼動している場合におけるウェイストゲートバルブからの騒音の発生を極力抑制する。
【解決手段】 ウェイストゲートバルブ13を備えた過給機1において、過給機1の筐体3に設けられ、タービン11の上流側流体経路21と下流側流体経路23との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔25と、ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を開閉するための弁体19と、弁体19を支持し、ウェイストゲートバルブ用貫通孔25に対して弁体19を移動させる弁体支持部材33と、弁体19と弁体支持部材33との間に設けられた中間部材35とを有し、弁体19と中間部材35との間には僅かな隙間が形成されていると共に、中間部材35と弁体支持部材33との間にも僅かな隙間が形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、過給機に係り、特に、ウェイストゲートバルブを備えたものに関する。
従来、ピストンエンジン等に使用される過給機のコンプレッサーのサージングを防ぐために、ウェイストゲートバルブを使用する技術が知られている(たとえば特許文献1参照)。
なお、ウェイストゲートバルブは、上記コンプレッサーを回転駆動するタービンの上流側から下流側へ、バイバス経路を設けると共に、上記バイパス経路中にバルブを設けた構成のものであり、上記タービンの上流側の圧力が高くなったときに、上記タービンの上流側から下流側へ流体を直接逃がし、上記タービンと上記コンプレッサーの回転数が上昇することを防止し、上記コンプレッサーのサージングを防止するものである。
図13は、従来の過給機のウェイストゲートバルブ100の概略構成を示す図である。
ウェイストゲートバルブ100は弁体102を備え、この弁体102は弁体支持部材104に支持されている。
また、弁体支持部材104が矢印AR51の方向に回動することによって、過給機の筐体106にあけられている貫通孔(バイパス経路)108を開閉するようになっている。
そして、図13に実線で示すPS51の位置に弁体102や弁体支持部材104が存在している状態や、図13に二点鎖線で示すPS53の位置に弁体102や弁体支持部材104が存在している状態では、上記貫通孔108は閉じられておらず、上記タービンの上流側から下流側へ排気ガス等の流体の一部が、上記タービンを通過しないで直接流れるようになっている。
一方、図13に実線で示すPS51の位置に弁体102や弁体支持部材104が存在している状態よりも、弁体102や弁体支持部材104がさらに左側に移動し、弁体102の弁座部102Aと、貫通孔108の周辺に設けられている弁座部108Aとが互いに接触すると、上記貫通孔108が閉じられて、上記タービンの上流側から下流側へ排気ガス等の流体が直接流れないようになっている。
なお、上記ウェイストゲートバルブの弁体102を移動させるために、上記弁体支持部材104を回動させるのであるが、上記弁体支持部材104は、たとえばダイヤフラムシリンダーによって回動されるようになっている。
また、上記ダイヤフラムシリンダーは、上記過給機のコンプレッサーの下流側の流体圧力に応じて駆動するようになっており、コンプレッサーの下流側の流体圧力が所定の圧力以下のときには、上記弁体102で貫通孔108を閉じた状態を維持し、コンプレッサーの下流側の流体圧力が所定の圧力を超えたときには、上記弁体支持部材104や上記弁体102が、上記貫通孔108から離反する方向に移動して、上記貫通孔108を開くようになっている
さらに、上記ダイヤフラムシリンダーの動作を円滑にするために、上記コンプレッサーの下流側と上記ダイヤフラムシリンダーとの間には、数十ヘルツの振動数で上記コンプレッサーの下流側から上記ダイヤフラムシリンダーへの圧縮空気等の流体の供給をオン・オフするバルブ(DSVバルブ)が設けられている場合がある。
特公2001−304441号公報
上記従来の過給機のウェイストゲートバルブの弁体102と、弁体支持部材104との間には、僅かな隙間が形成されている。
なお、上記ウェイストゲートバルブの弁体102と上記弁体支持部材104との互いの係合部の形状が円筒の表面の形状に形成されているとすると、上記隙間として、半径方向の隙間GP51とスラスト方向の隙間GP53との各隙間が存在する。
上記各隙間GP51、GP53が設けられている理由は、上記弁体102の平面状の弁座部102Aと、貫通孔108周辺の平面状の弁座部108Aとを互いに面で密着させて、貫通孔108を確実に閉じることができるようにするためである。
すなわち、もしも、各隙間GP51、GP53が存在しないとすると、弁体102や弁体支持部材104の僅かな加工精度の低下や組み立て精度の低下によって、上記弁体102の平面状の弁座部102Aと、貫通孔108周辺の平面状の弁座部108Aとが互いに面で接触しなくなり、貫通孔108を確実に閉じることができないおそれが生じるからである。
そして、貫通孔108を確実に閉じることができないと、貫通孔108を閉じる必要があるときでも、僅かではあるが、タービンの上流側から下流側に、貫通孔108を通過する漏れが存在し、過給機の効率が低下することになる。
また、各隙間GP51、GP53が存在しないとすると、弁体102や弁体支持部材104の僅かな加工精度の低下や組み立て精度の低下によって、弁体102で貫通孔108を閉じる場合、弁体102が、貫通孔108周辺の平面状の弁座部108Aと点接触や線接触をし、弁体102や貫通孔108周辺の平面状の弁座部108Aが異常磨耗等をするおそれがあるからである。
ところで、上記各隙間GP51、GP53によって、過給機の運転中に、上記弁体102が、上記弁体支持部材104や上記筐体106(貫通孔108の周辺の部位)に繰り返してぶつかり騒音が発生するという問題がある。
より詳しく説明すると、図13に実線で示すPS51の位置に弁体102や弁体支持部材104が存在している状態よりも、弁体102や弁体支持部材104がさらに左側に移動し、弁体102の弁座部102Aと貫通孔108の周辺に設けられている弁座部108Aとが互いに接触し、上記貫通孔108は閉じられている状態では、上記騒音は発生しない。
しかし、図13に二点鎖線で示すPS53の位置に弁体102や弁体支持部材104が存在している状態では、上記過給機の運転による振動や、上記エンジンの運転による振動等により、上記弁体102と上記弁体支持部材104とが互いに衝突し騒音が発生する。
さらに、図13に実線で示すPS51の位置に弁体102や弁体支持部材104が存在している状態では、上記弁体102と上記弁体支持部材104との互いの衝突に加えて、上記弁体102と上記筐体106とが互いに繰り返し衝突し騒音が発生する。
さらに、上述したようなDSVバルブを設けてこのDSVバルブを稼動させると、上記問題は一層顕著になる。この理由は、DSVバルブによって弁体102は十数ヘルツの振動数で、貫通孔108を開閉し、図13に実線で示すPS51の位置に弁体102や弁体支持部材104が存在している状態が、十数ヘルツの振動数に対応した周期でおとずれるからである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、この過給機を稼動している場合におけるウェイストゲートバルブからの騒音の発生を極力抑制することができる過給機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と、上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対して上記弁体を移動させる弁体支持部材と、上記弁体と上記弁体支持部材との間に設けられた中間部材とを有し、上記弁体と上記中間部材との間には僅かな隙間が形成されていると共に、上記中間部材と上記弁体支持部材との間にも僅かな隙間が形成されている過給機である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の過給機において、上記弁体支持部材は、基端部側に設けられた所定の中心軸を揺動中心軸にして揺動するようになっており、また、上記弁体支持部材は、先端部側で上記弁体を支持しており、上記中間部材は、円筒状の第1の中間部材で構成されており、上記弁体支持部材の上記揺動中心軸と垂直な平面上に形成された中心軸を回動中心軸として、上記弁体支持部材に対し上記弁体が回動するように構成されている過給機である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の過給機において、上記弁体支持部材には、上記第1の中間部材の外径と係合する円柱状の貫通孔である支持体貫通孔が設けられており、この支持体貫通孔の入口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の入口部位が設けられており、上記支持体貫通孔の出口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の出口部位が設けられており、上記支持体貫通孔の穿孔方向の両端には面取りがされており、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を塞ぐための部位を備えた上記弁体の一端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記入口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体支持部材を挟んで上記弁体の一端部側の部位とは反対側に設けられた上記弁体の他端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記出口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体の中間部は、上記第1の中間部材の内径と係合し円柱形状に形成されている過給機である。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の過給機において、上記回動中心軸の延伸方向における上記第1の中間部材の両端部のうちの少なくとも一方の端部側であって、上記回動中心軸の延伸方向における上記弁体と上記弁体支持部材との間には、上記中間部材を構成する第2の中間部材が設けられている過給機である。
請求項5に記載の発明は、ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と、上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対して上記弁体を移動させる弁体支持部材とを有し、上記弁体と上記弁体支持部材との間には僅かな隙間が形成されており、上記揺動中心軸と垂直な平面上に形成された中心軸を回動中心軸として上記弁体が上記弁体支持部材に対して回動しても、この回動角度にかかわらず上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を閉じることが可能な形状に上記弁体が形成されていると共に、上記回動中心軸を回動中心として上記弁体支持部材に対し上記弁体が所定の僅かな角度以上回転しないように構成されている過給機である。
請求項6に記載の発明は、ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と、先端部側で上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために、基端部側に設けられている所定の中心軸を揺動中心軸として揺動し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対し上記弁体を移動させる弁体支持部材とを有し、上記弁体と上記弁体支持部材との間には僅かな隙間が形成されていることにより、上記弁体が上記弁体支持部材に対して、相対的に僅かに移動可能になっており、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りには平面状の部位が設けられており、上記弁体には上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りの平面状部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記各平面状部位が互いに面接触することによって、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔が閉じられるように構成されており、上記弁体支持部材の上記揺動中心軸に垂直な平面と上記弁体の平面状部位の平面とが互いに交差することにより生成される直線に平行な中心軸を第1の回動中心軸とし、上記揺動中心軸と平行な中心軸を第2の回動中心軸とし、上記弁体の平面状部の平面に対して垂直な中心軸を第3の回動中心軸とした場合、上記第1の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量が、上記第2の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されており、上記第3の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されている過給機である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の過給機において、上記弁体支持部材には、上記弁体と係合する円柱状の貫通孔である支持体貫通孔が設けられており、この支持体貫通孔の入口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の入口部位が設けられており、上記支持体貫通孔の出口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の出口部位が設けられており、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を塞ぐための部位を備えた上記弁体の一端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記入口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体支持部材を挟んで上記弁体の一端部側の部位とは反対側に設けられた上記弁体の他端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記出口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体の中間部は、上記支持体貫通孔の内径と係合し円柱形状に形成されており、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りの平面状部位と係合する上記弁体の平面状部位と、上記入口部位と係合する平面状部位と、上記出口部位と係合する平面状部位とが互いにほぼ平行になっており、上記入口部位、上記出口部位のうちの少なくとも一方には、上記支持体貫通孔を挟んで上記第2の回動中心軸の延伸方向に並んで配置された突起が設けられている過給機である。
請求項8に記載の発明は、ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と、先端部側で上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために、基端部側に設けられている所定の中心軸を揺動中心軸として揺動し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対し上記弁体を移動させる弁体支持部材とを有し、上記弁体と上記弁体支持部材との間には僅かな隙間が形成されていることにより、上記弁体が上記弁体支持部材に対して、相対的に僅かに移動可能になっており、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りには平面状の部位が設けられており、上記弁体には上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りの平面状部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記各平面状部位が互いに面接触することによって、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔が閉じられるように構成されており、上記弁体支持部材の上記揺動中心軸に垂直な平面と上記弁体の平面状部位の平面とが互いに交差することより生成される直線に平行な中心軸を第1の回動中心軸とし、この上記揺動中心軸と平行な中心軸を第2の回動中心軸とし、上記弁体の平面状部の平面に対して垂直な中心軸を第3の回動中心軸とした場合、上記第1の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量が、上記第2の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されており、上記第3の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されており、上記第3の回動中心軸を回動中心として、上記弁体が上記弁体支持部材に対して回動してもこの回動角度にかかわらず上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を閉じることが可能な形状に上記弁体が形成されていると共に、上記第3の回動中心軸を回動中心として上記弁体支持部材に対し上記弁体が所定の僅かな角度以上回転しないように構成されている過給機である。
本発明によれば、ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、この過給機を稼動している場合におけるウェイストゲートバルブからの騒音の発生を極力抑制することができるという効果を奏する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る過給機1とこの過給機1が設置されているエンジンE1の概略構成を示す図である。
過給機1は、筐体3と、この筐体3の内部でたとえば流体軸受け5を介して上記筐体3に対して回転する回転軸部材7と、この回転軸部材7の一端部7A側に設けられた遠心式圧縮機(遠心式コンプレッサー)9と、上記回転軸部材7の他端部7B側に設けられた遠心式タービン11とを備えている。
過給機1は、レシプロエンジンまたはロータリエンジンに使用され、たとえば、4サイクルピストンエンジンE1から出てきた高温高圧の排気ガスG3で上記タービン11を回転駆動し、この回転によって上記圧縮機(コンプレッサー)9を回転駆動し、この圧縮機9の回転によって得られた圧縮空気G1を、上記エンジンE1に供給するようになっている。
なお、上記圧縮空気G1は、上記エンジンE1のシリンダー内での燃料の燃焼に供され、この燃焼によって上記高温高圧の排気ガス(上記タービン11を回転駆動する燃焼ガス)G3が排出されるものである。
また、過給機1には、コンプレッサー9のサージングを防止するためのウェイストゲートバルブ13が設けられている。
ここで、ウェイストゲートバルブ13の構成について例を掲げて説明する。
ウェイストゲートバルブ13は、コンプレッサー9によって圧縮された圧縮空気(エンジンE1に供給される前の圧縮空気)によって作動するダイヤフラムシリンダー15を備えている。このダイヤフラムシリンダー15のピストンロッド17の先端部17A側には、弁体19が設けられている。
上記筐体3には、上記過給機1のタービン11の上流側流体経路21と下流側流体経路23との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔25が設けられていると共に、上記ピストンロッド17が矢印AR1の方向に移動して、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を、上記弁体19で開閉できるようになっている。
そして、コンプレッサー9によって圧縮された圧縮空気の圧力が所定の圧力を超えていない場合には、上記ダイヤフラムシリンダー15に設けられている圧縮バネ27により付勢されて、弁体19が貫通孔25を閉じるようになっている。
一方、コンプレッサー9によって圧縮された圧縮空気の圧力が所定の圧力を超えた場合には、上記ダイヤフラムシリンダー15により、弁体19が貫通孔25から離されて貫通孔25が開き、上記過給機1のタービン11の上流側流体経路21から下流側流体経路23へ、タービン11を通らないで、排気ガスG3が直接排出されるようになっている。
このように、排気ガスG3が直接排出されることにより、タービン11の回転速度を低下させることができ、コンプレッサー9の回転数が低下し、エンジンE1に対して過大な圧縮空気を与えることを防止することができるようになっている。
次に、ピストンロッド17の先端部17A側における弁体19の設置状態や弁体19と貫通孔25との関係等について説明する。
図2は、ピストンロッド17の先端部17A側における弁体19の設置状態や弁体19と貫通孔25との関係等について説明する図であり、図3は、図2におけるIII矢視を示す図であり、図4は、図3におけるIVA―IVB断面を示す図である。
筐体3には、円柱形状のロッド部材29が回動自在に設けられており、このロッド部材29の一端部(筐体3の外部の端部)側には、棒状のリンク部材31の一端部側が一体的に設けられており、上記棒状のリンク部材31の他端部側には、ピストンロッド17の先端部17A側が回動自在に係合している。
また、このロッド部材29の他端部(筐体3の内部の端部)側には、一端部側で弁体19を支持している弁体支持部材33が上記他端部側で一体的に設けられている。
そして、上記ピストンロッド17が、図2で示す矢印AR1の方向に移動することにより、揺動中心軸CL1を揺動中心にしてロッド部材29が揺動し、この揺動によって弁体19が貫通孔25を開閉するようになっている。
なお、上記ピストンロッド17の移動量は少なく、また、上記棒状のリンク部材31の他端部側とピストンロッド17の先端部17A側との係合部には、僅かな隙間が存在しているので、ダイヤフラムシリンダー15の本体部15Aが筐体3に一体的に固定されていても、上記ロッド部材29を揺動させることができる。
また、上記ロッド部材29の他端部側、上記弁体19、上記弁体支持部材33は、上記過給機1のタービン11の下流側流体経路23内に設けられている。
弁体支持部材33は、上述したように、上記弁体19を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を開閉するために上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25に対して、上記弁体19を移動させるものであり、上記弁体19と上記弁体支持部材33との間には、図4に示すように中間部材35が設けられている。
上記弁体19と上記中間部材35との間には僅かな隙間GP1が形成されていると共に、上記中間部材35と上記弁体支持部材33との間にも僅かな隙間GP3が形成されている。
また、上述したように、上記弁体支持部材33は、基端部(他端部)側に設けられた所定の揺動中心軸CL1を揺動中心軸にして、筐体3に対し揺動するようになっており、また、上記弁体支持部材33は、先端部(一端部)側で上記弁体19を支持している。
上記中間部材35は、円筒状の部材で構成されており、上記弁体支持部材33の上記揺動中心軸CL1と垂直な平面上に形成された中心軸CL3を回動中心軸として、上記弁体支持部材33に対し上記弁体19が回動するように構成されている。
なお、上記中心軸CL3の延伸方向(上記弁体19のスラスト方向)にも、僅かな隙間GP5、GP7が形成されている。
また、図4は、弁体19で貫通孔25を閉じた状態を示しているので、実際には、弁体支持部材33と弁体19とが接触しているが、説明の便宜のために、弁体支持部材33と弁体19とを離反して示してある。
さらに、図4に示す状態から弁体支持部材33が右に移動すると、図13に示した位置PS51や位置PS53に対応する位置に、弁体19が位置することになる。
図13に示した位置PS51や位置PS53に対応する位置に、弁体19が位置している状態における弁体19等の動作について説明する。
図5は、過給機1の弁体19と弁体支持部材33と中間部材35とをあらわした図であり、図4におけるVA―VB断面を示す図である。
図6は、従来の過給機100の弁体102と弁体支持部材104とをあらわした図であり、図13におけるVIA―VIB断面を示す図である。
まず、過給機1において、弁体19の振動により弁体19が図5に示す矢印AR3の方向に移動する場合について考える。弁体19は、まず中間部材35に衝突し、この衝突により中間部材35が矢印AR5の方向に移動し、弁体支持部材33に衝突する。つまり、弁体19は、中間部材35を介して弁体支持部材33に衝突する。
一方、従来の過給機100において、弁体19の振動により弁体19が図5に示す矢印AR7の方向に移動する場合について考えると、弁体19は、弁体支持部材33に直接衝突する。
したがって、過給機1では、中間部材35を介することにより、衝突時の中間部材35の弾性変形や減衰により衝突エネルギーがある程度消費され、この結果、従来の過給機1のように弁体102が弁体支持部材104に直接衝突する場合に比べ、チャタリングによる騒音の発生を抑制することができる。
また、図4に示すように、弁体支持部材33には、上記中間部材35の外径と係合する円柱状の貫通孔である支持体貫通孔33Aが設けられており、この支持体貫通孔33Aの入口33Bの周辺には、上記支持体貫通孔33Aの穿孔方向(貫通孔33Aのスラスト方向)と直角な円環状で平面状の入口部位33Cが設けられており、上記支持体貫通孔33Aの出口33Dの周辺には、上記支持体貫通孔33Aの穿孔方向(貫通孔のスラスト方向)と直角な円環状で平面状の出口部位33Eが設けられており、上記支持体貫通孔33Aの穿孔方向の両端(入口33B、出口33D)には面取りがされている。
上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を塞ぐための部位19Aを備えた上記弁体19の一端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位19Bには、上記入口部位33Cと面接触して係合する円環状で平面状の部位19Cが設けられている。
上記弁体支持部材33を挟んで上記弁体19の一端部側の部位19Bとは反対側に設けられた上記弁体19の他端部側の部位であって上記弁体支持部材33と対向する部位19Dには、上記出口部位33Eと面接触して係合する円環状で平面状の部位19Eが設けられている。
上記弁体19の中間部(上記一端部側の部位19Bと上記他端分側の部位19Dとの間に存在する中間部)19Fは、上記中間部材35の内径と係合し円柱形状に形成されている。
したがって、上記弁体支持部材33と上記中間部材35との係合部は、円柱側面形状に形成されており、上記中間部材35と上記弁体19との係合部は、円柱側面形状に形成されている。
なお、貫通孔33Aの入口部位33Cと出口部位33Eとの間の距離L1は、中間部材35の長さL3よりも僅かに短くなっており、中間部材35の長さL3は、弁体19の部位19Cと19Eとの間の距離L5よりも僅かに短くなっている。
次に、図4に示す状態から、弁体19が移動し中間部材35を介して弁体支持部材33に衝突する場合について説明する。
弁体19が中間部材35を介して弁体支持部材33に衝突する場合、通常は、弁体19が平行移動して弁体支持部材33に衝突するわけではなく、弁体19が斜めに傾いて移動し衝突する。
すなわちたとえば、弁体19の部位PT1が中間部材35の部位(内径の一端部の部位)PT3に衝突し、中間部材35の外径の部位PT5が、弁体支持部材33で面取りがされた部位PT7に衝突する。
ここで、上記部位PT5が上記部位PT7に衝突する際、上記部位PT7に面取りがされているので、つまり鈍角の部位PT7に部位PT5が衝突するので、面取りがされていない部位に部位PT5が衝突する場合よりも、衝突エネルギーが分散され、すなわち、衝突エネルギーを弁体支持部材33で分散して受け止めることができ、したがって、中間部材35と弁体支持部材33とが互いに衝突したときのチャタリング音を小さくすることができる。
なお、弁体支持部材33に設けた面取りと同様な面取りを、中間部材35に設けてもよい。
過給機1のウェイストゲートバルブ13によれば、弁体19と弁体支持部材33との間に中間部材35を設け、上記弁体19と上記中間部材35との間に僅かな隙間GP1が形成されていると共に、上記中間部材35と上記弁体支持部材33との間にも僅かな隙間GP3が形成されているので、上述したように、上記過給機1を稼動しているときに弁体19と弁体支持部材33とが互いに繰り返し衝突することによってウェイストゲートバルブ13から発生する騒音(チャタリング音;打撃音)を極力抑制することができると共に、上記隙間GP1、GP3等の存在によって、弁体支持部材33に対する弁体19の位置や姿勢の自由度を維持でき、弁体19で貫通孔25を確実に閉じることができ、弁体19と筐体3との偏あたりを防止でき、弁体19や筐体3の異常磨耗を防止することができる。
また、弁体19と弁体支持部材33との衝突エネルギーが小さくなり、同様に弁体19と筐体3との衝突エネルギーも小さくなるので、上記繰り返しの衝突による弁体19や弁体支持部材33や筐体3の磨耗を極力抑制することができる。
また、過給機1のウェイストゲートバルブ13によれば、上記弁体支持部材33が揺動して弁体19を移動させる構成であるので、たとえば上記弁体支持部材33が直線的に移動する場合よりも、簡素な構成で上記弁体19を移動させることができる。
また、上記中間部材35が円筒状なので容易に製造することができると共に、上記弁体19の回動中心軸CL3に対して直交しかつ上記弁体19の回動中心軸CL3から離反するいずれの方向においても、上記弁体19と上記弁体支持部材33との間の隙間の大きさをほぼ一定にすることが容易になり、弁体19が衝突する際の移動方向にかかわらず、弁体19が弁体支持部材33に一様に衝突し、騒音を抑制することができる。
また、過給機1のウェイストゲートバルブ13によれば、弁体19と中間部材35および中間部材35と弁体支持部材33との係合部が円筒状であることにより、弁体19の回動中心軸CL3の延伸方向の端部における係合部(部位19C、19E、33C、33E等の係合部位)がリング状で平面状に形成されているので、上記弁体19、弁体支持部材33、中間部材35の製造が容易になると共に、上記支持体貫通孔33Aの延伸方向(弁体19の回動中心軸CL3の延伸方向)における弁体19と弁体支持部材33との衝突部位を面で形成することができ、衝突エネルギーを吸収しやすくなり、騒音を低減することができる。
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブにおける弁体19と弁体支持部材33との係合部の状態を示す断面図であり、図4に対応する図である。
第2の実施形態に係る弁体19と弁体支持部材33の係合部では、上記支持体貫通孔33Aの延伸方向(弁体19の回動中心軸CL3の延伸方向)にも中間部材37が設けられている点が、第1の実施形態に係るものとは異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るものとほぼ同様に構成されている。
すなわち、第2の実施形態に係るものでは、弁体19の回動中心軸CL3の延伸方向における中間部材35の一方の端部側であって、上記回動中心軸CL3の延伸方向における上記弁体19と上記弁体支持部材33との間に、たとえばリング状の中間部材37が設けられている。
なお、上記中間部材37は上記中間部材35と一体的に形成されていてもよいし、別部材で構成されていてもよい。
さらに、図8(第2の実施形態の変形例を示す図)に示すように、弁体19の回動中心軸CL3の延伸方向における中間部材35の他方の端部側であって、上記回動中心軸CL3の延伸方向における上記弁体19と上記弁体支持部材33との間に、たとえばリング状の中間部材39を設けてもよい。
第2の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブによれば、上記回動中心軸CL3の延伸方向における中間部材35の両端部のうちの少なくとも一方の端部側であって、上記回動中心軸CL3の延伸方向における上記弁体19と上記弁体支持部材33との間に、中間部材37、39が設けられているので、上記回動中心軸CL3の延伸方向におけるチャタリング音の発生を、図5に示す場合と同様に抑制することができる。
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブにおける弁体39と弁体支持部材41との係合部の状態を示す断面図であり、図4に対応する図である。
図10は、図9におけるX矢視を示す図である。
第3の実施形態に係る弁体39と弁体支持部材41の係合部では、弁体39の回動中心軸CL3を回動中心とした弁体39の回動量が抑制されている点が、第1の実施形態や第2の実施形態に係るものとは異なり、その他の点は、第1の実施形態や第2の実施形態に係るものとほぼ同様に構成されている。
すなわち、第3の実施形態に係るものでは、弁体39と上記弁体支持部材41との間には、上述したように僅かな隙間が形成されており、弁体支持部材41の揺動中心軸CL1と垂直な平面上に形成された中心軸CL3を回動中心軸として上記弁体39が上記弁体支持部材41に対して回動しても、この回動角度にかかわらず上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を閉じることが可能な形状(たとえば円形状)に、上記弁体39が形成されていると共に、上記回動中心軸CL3を回動中心として上記弁体支持部材41に対し上記弁体39が所定の僅かな角度以上回転しないように構成されている。
より詳しく説明すると、弁体支持部材41の形状が非円形(弁体39の回動中心軸CL3の延伸方向に直角な平面による支持体貫通孔41Aの形状が、たとえば円を互いが平行な2本の直線(上記円の中心に対して互いが対称な2本の直線)で切断したときに中央部にできる形状)に形成され、この貫通孔41Aと係合する弁体39の中間部39Fも、上記形状よりも僅かに小さな同様の形状に形成されていることにより、上記回動中心軸CL3を回動中心として上記弁体支持部材41に対し上記弁体39が所定の僅かな角度以上回転しないようになっている。
さらに、第3の実施形態に係るものでは、上記弁体39と上記弁体支持部材41との間には僅かな隙間が形成されていることにより、上記弁体39が上記弁体支持部材41に対して、相対的に僅かに移動可能になっている。
また、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25の周りには平面状の部位25Aが設けられており、上記弁体39には上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25の周りの平面状部位25Aと係合する円形状で平面状の部位39Aが設けられており、上記各平面状部位25A、39Aが互いに面接触することによって、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25が閉じられるように構成されている。
また、上記弁体支持部材の上記揺動中心軸CL3に垂直な平面と上記弁体39の平面状部位39Aの平面とが互いに交差することより生成される直線に平行な中心軸CL5を第1の回動中心軸とし、上記揺動中心軸CL1と平行な中心軸を第2の回動中心軸CL7とし、上記弁体39の平面状部位39Aの平面に対して垂直な中心軸(上記第1の回動中心軸CL5に対して垂直でありかつ上記第2の回動中心軸CL7に対して垂直な中心軸)CL3を第3の回動中心軸とした場合、上記第1の回動中心軸CL5を回動中心とした上記弁体支持部材41に対する上記弁体39の回動量が、上記第2の回動中心軸CL7を回動中心とした上記弁体支持部材41に対する上記弁体39の回動量よりも小さく構成されており、また、上記第3の回動中心軸CL3を回動中心とした上記弁体支持部材41に対する上記弁体39の回動量よりも小さく構成されている。
すなわち、たとえば、上記弁体支持部材41には、上記弁体39と係合する円柱状の貫通孔である支持体貫通孔41Aが設けられており、この支持体貫通孔41Aの入口41Bの周辺には、上記支持体貫通孔41Aの穿孔方向(支持体貫通孔41Aのスラスト方向)と直角な平面状の入口部位41Cが設けられており、上記支持体貫通孔41Aの出口41Dの周辺には、上記支持体貫通孔41Aの穿孔方向(支持体貫通孔41Aのスラスト方向)と直角な平面状の出口部位41Eが設けられている。
さらに、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を塞ぐための部位39Aを備えた上記弁体39の一端部側の部位39Bであって上記弁体支持部材41と対向する部位39Cは、上記入口部位41Cと面接触して係合するように平面状になっており、上記弁体支持部材41を挟んで上記弁体39の一端部側の部位39Bとは反対側に設けられた上記弁体39の他端部側の部位39Dであって上記弁体支持部材41と対向する部位39Eは、上記出口部位41Eと面接触して係合するように平面状になっている。
また、上記弁体39の中間部(上記一端部39Bと上記他端部39Dとの間に存在する中間部)39Fは、上記支持体貫通孔41Aの内径と係合し円柱形状に形成されており、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25の周りの平面状部位25Aと係合する上記弁体39の平面状部位39Aと、上記入口部位41Cと係合する平面状部位39Cと、上記出口部位41Eと係合する平面状部位39Eと、上記入口部位41Cと、上記出口部位41Eとが互いがほぼ平行になっている。
また、上記入口部位41C、上記出口部位41Eのうちの少なくとも一方には、上記支持体貫通孔41Aを挟んで上記第2の回動中心軸CL7の延伸方向に並んで配置された突起(上記平面状部位39Cや上記平面状部位39Eと接触する突起)43が設けられている。
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態や第2の実施形態に係るもののように、中間部材35や中間部材37や中間部材39を設けてもよい。
第3の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブによれば、弁体39と弁体支持部材41との間には僅かな隙間が形成されており、回動中心軸CL3として上記弁体39が上記弁体支持部材41に対して回動しても、この回動角度にかかわらず上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を閉じることが可能な形状に上記弁体39が形成されているにもかかわらず、上記回動中心軸CL3を回動中心として上記弁体支持部材41に対し上記弁体39が所定の僅かな角度以上回転しないように構成されているので、すなわち、弁体39が回動してもウェイストゲートバルブ用貫通孔25を閉じる機能が損なわれることは無いにもかかわらず、上記弁体39の回動量を抑制している。
したがって、上記弁体支持部材41に対して上記弁体39が無限に回転するによる騒音の発生を無くすことができる。すなわち、上記弁体39が無限に回転すると回転速度が徐々に上がり騒音が上昇する場合があるが、回動量を抑制しているので回動速度が徐々に上昇することがなく、騒音の発生を抑制することができる。
また、第3の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブによれば、上記第1の回動中心軸CL5を回動中心とした上記弁体支持部材41に対する上記弁体39の回動量が、上記第2の回動中心軸CL7を回動中心とした上記弁体支持部材41に対する上記弁体39の回動量、上記第3の回動中心軸CL3を回動中心とした上記弁体支持部材41に対する上記弁体39の回動量よりも小さく構成されているので、上記第1の回動中心軸CL5を回動中心とした弁体39の回動量(がたつきの量)が少なくなり、弁体39、弁体支持部材41等から発生する騒音を抑制することができる。
なお、上記第1の回動中心軸CL5を回動中心とした回動量を少なくしても、上記弁体支持部材41の上記揺動中心軸CL1の延伸方向における上記弁体39の一端部側と他端部側の回動量が少なくなるだけなので、上記第1の回動中心軸CL5の延伸方向における上記弁体39の一端部側と他端部側の回動量が少なくなる場合とは異なり、上記弁体39が上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔25を塞ぐ機能が、阻害されるおそれは少ない。
また、第3の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブによれば、上記突起43を設けることにより、上記第1の回動中心軸CL5を回動中心とした上記弁体支持部材41に対する上記弁体39の回動量を少なくしているので、簡素な構成で騒音の発生を防止することができる。
なお、上記突起43が、図10に示すように、上記第2の回動中心軸CL7の延伸方向に連続して形成された形状になっているので、上記突起43を機械加工(たとえばエンドミル加工)で形成することが容易になると共に、上記突起43と上記弁体39とが互いに接触するときの面圧を下げることができる。
なお、上記突起43を、弁体支持部材41ではなく弁体39に設けてもよい。
図11は、第3の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブにおける弁体と弁体支持部材との係合部の変形例を示す断面図であり、図4に対応する図である。
図12は、図11におけるXII矢視を示す図である。
上記変形例の弁体45の一端部側には、上記第2の回動中心軸CL7の延伸方向に延伸している円柱形状の係合部45Aが設けられ、また、弁体支持部材47には、上記係合部45Aと係合する円柱形状に貫通孔が設けられている。
また、上記係合部45Aにはキー49が設けられ、上記弁体支持部材47には、上記キー49と係合し、上記キー49の幅よりも広い幅の係合部47Aが設けられている。そして、図9や図10に示した場合と同様な挙動を弁体45がするようになっている。
本発明の第1の実施形態に係る過給機とこの過給機が設置されているエンジンの概略構成を示す図である。 ピストンロッドの先端部側における弁体の設置状態や弁体と貫通孔との関係等について説明する図である。 図2におけるIII矢視を示す図である。 図3におけるIVA―IVB断面を示す図である。 過給機の弁体と弁体支持部材と中間部材とをあらわした図であり、図4におけるVA―VB断面を示す図である。 従来の過給機の弁体と弁体支持部材とをあらわした図であり、図13におけるVIA―VIB断面を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブにおける弁体と弁体支持部材との係合部の状態を示す断面図であり、図4に対応する図である。 第2の実施形態の変形例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブにおける弁体と弁体支持部材との係合部の状態を示す断面図であり、図4に対応する図である。 図9におけるX矢視を示す図である。 第3の実施形態に係る過給機のウェイストゲートバルブにおける弁体と弁体支持部材との係合部の変形例を示す断面図であり、図4に対応する図である。 図11におけるXII矢視を示す図である。 従来の過給機のウェイストゲートバルブの概略構成を示す図である。
符号の説明
1 過給機
3 筐体
9 コンプレッサー
11 タービン
13 ウェイストゲートバルブ
19 弁体
25 ウェイストゲートバルブ用貫通孔
33 弁体支持部材
35 中間部材
CL1 揺動中心軸
CL3、CL5、CL7 回動中心軸
GP1、GP3、GP5、GP7 隙間

Claims (8)

  1. ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、
    上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と;
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と;
    上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対して上記弁体を移動させる弁体支持部材と;
    上記弁体と上記弁体支持部材との間に設けられた中間部材と;
    を有し、上記弁体と上記中間部材との間には僅かな隙間が形成されていると共に、上記中間部材と上記弁体支持部材との間にも僅かな隙間が形成されていることを特徴とする過給機。
  2. 請求項1に記載の過給機において、
    上記弁体支持部材は、基端部側に設けられた所定の中心軸を揺動中心軸にして揺動するようになっており、また、上記弁体支持部材は、先端部側で上記弁体を支持しており、
    上記中間部材は、円筒状の第1の中間部材で構成されており、
    上記弁体支持部材の上記揺動中心軸と垂直な平面上に形成された中心軸を回動中心軸として、上記弁体支持部材に対し上記弁体が回動するように構成されていることを特徴とする過給機。
  3. 請求項2に記載の過給機において、
    上記弁体支持部材には、上記第1の中間部材の外径と係合する円柱状の貫通孔である支持体貫通孔が設けられており、この支持体貫通孔の入口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の入口部位が設けられており、上記支持体貫通孔の出口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の出口部位が設けられており、上記支持体貫通孔の穿孔方向の両端には面取りがされており、
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を塞ぐための部位を備えた上記弁体の一端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記入口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体支持部材を挟んで上記弁体の一端部側の部位とは反対側に設けられた上記弁体の他端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記出口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体の中間部は、上記第1の中間部材の内径と係合し円柱形状に形成されていることを特徴とする過給機。
  4. 請求項2に記載の過給機において、
    上記回動中心軸の延伸方向における上記第1の中間部材の両端部のうちの少なくとも一方の端部側であって、上記回動中心軸の延伸方向における上記弁体と上記弁体支持部材との間には、上記中間部材を構成する第2の中間部材が設けられていることを特徴とする過給機。
  5. ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、
    上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と;
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と;
    上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対して上記弁体を移動させる弁体支持部材と;
    を有し、上記弁体と上記弁体支持部材との間には僅かな隙間が形成されており、上記揺動中心軸と垂直な平面上に形成された中心軸を回動中心軸として上記弁体が上記弁体支持部材に対して回動しても、この回動角度にかかわらず上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を閉じることが可能な形状に上記弁体が形成されていると共に、上記回動中心軸を回動中心として上記弁体支持部材に対し上記弁体が所定の僅かな角度以上回転しないように構成されていることを特徴とする過給機。
  6. ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、
    上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と;
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と;
    先端部側で上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために、基端部側に設けられている所定の中心軸を揺動中心軸として揺動し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対し上記弁体を移動させる弁体支持部材と;
    を有し、上記弁体と上記弁体支持部材との間には僅かな隙間が形成されていることにより、上記弁体が上記弁体支持部材に対して、相対的に僅かに移動可能になっており、
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りには平面状の部位が設けられており、上記弁体には上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りの平面状部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記各平面状部位が互いに面接触することによって、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔が閉じられるように構成されており、
    上記弁体支持部材の上記揺動中心軸に垂直な平面と上記弁体の平面状部位の平面とが互いに交差することにより生成される直線に平行な中心軸を第1の回動中心軸とし、上記揺動中心軸と平行な中心軸を第2の回動中心軸とし、上記弁体の平面状部の平面に対して垂直な中心軸を第3の回動中心軸とした場合、上記第1の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量が、上記第2の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されており、上記第3の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されていることを特徴とする過給機。
  7. 請求項6に記載の過給機において、
    上記弁体支持部材には、上記弁体と係合する円柱状の貫通孔である支持体貫通孔が設けられており、この支持体貫通孔の入口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の入口部位が設けられており、上記支持体貫通孔の出口の周辺には、上記支持体貫通孔の穿孔方向と直角な平面状の出口部位が設けられており、
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を塞ぐための部位を備えた上記弁体の一端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記入口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体支持部材を挟んで上記弁体の一端部側の部位とは反対側に設けられた上記弁体の他端部側の部位であって上記弁体支持部材と対向する部位には、上記出口部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記弁体の中間部は、上記支持体貫通孔の内径と係合し円柱形状に形成されており、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りの平面状部位と係合する上記弁体の平面状部位と、上記入口部位と係合する平面状部位と、上記出口部位と係合する平面状部位とが互いにほぼ平行になっており、
    上記入口部位、上記出口部位のうちの少なくとも一方には、上記支持体貫通孔を挟んで上記第2の回動中心軸の延伸方向に並んで配置された突起が設けられていることを特徴とする過給機。
  8. ウェイストゲートバルブを備えた過給機において、
    上記過給機の筐体に設けられ、上記過給機のタービンの上流側流体経路と下流側流体経路との間を互いにつないでいるウェイストゲートバルブ用貫通孔と;
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するための弁体と;
    先端部側で上記弁体を支持し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を開閉するために、基端部側に設けられている所定の中心軸を揺動中心軸として揺動し、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔に対し上記弁体を移動させる弁体支持部材と;
    を有し、上記弁体と上記弁体支持部材との間には僅かな隙間が形成されていることにより、上記弁体が上記弁体支持部材に対して、相対的に僅かに移動可能になっており、
    上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りには平面状の部位が設けられており、上記弁体には上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔の周りの平面状部位と係合する平面状の部位が設けられており、上記各平面状部位が互いに面接触することによって、上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔が閉じられるように構成されており、
    上記弁体支持部材の上記揺動中心軸に垂直な平面と上記弁体の平面状部位の平面とが互いに交差することより生成される直線に平行な中心軸を第1の回動中心軸とし、この上記揺動中心軸と平行な中心軸を第2の回動中心軸とし、上記弁体の平面状部の平面に対して垂直な中心軸を第3の回動中心軸とした場合、上記第1の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量が、上記第2の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されており、上記第3の回動中心軸を回動中心とした上記弁体支持部材に対する上記弁体の回動量よりも小さく構成されており、
    上記第3の回動中心軸を回動中心として、上記弁体が上記弁体支持部材に対して回動してもこの回動角度にかかわらず上記ウェイストゲートバルブ用貫通孔を閉じることが可能な形状に上記弁体が形成されていると共に、上記第3の回動中心軸を回動中心として上記弁体支持部材に対し上記弁体が所定の僅かな角度以上回転しないように構成されていることを特徴とする過給機。
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