JP2005225516A - ファスナー付き包装材料および包装体 - Google Patents

ファスナー付き包装材料および包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2005225516A
JP2005225516A JP2004035540A JP2004035540A JP2005225516A JP 2005225516 A JP2005225516 A JP 2005225516A JP 2004035540 A JP2004035540 A JP 2004035540A JP 2004035540 A JP2004035540 A JP 2004035540A JP 2005225516 A JP2005225516 A JP 2005225516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
melting point
heat seal
resin
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004035540A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4530404B2 (ja
Inventor
Teiichi Sato
禎一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Pax Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Pax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Pax Corp filed Critical Asahi Kasei Pax Corp
Priority to JP2004035540A priority Critical patent/JP4530404B2/ja
Publication of JP2005225516A publication Critical patent/JP2005225516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4530404B2 publication Critical patent/JP4530404B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Bag Frames (AREA)
  • Packages (AREA)

Abstract

【課題】 従来と同様の製造工程で製造でき、開封端をハサミ等を用いて切断する必要が無く、かつ輸送途中などでの破袋が生じにくいファスナー付き包装材料等を提供する。
【解決手段】 基材層と熱シール層とを備えたフィルムが、熱シール層を内側にして二重に積層され、外周縁に沿った帯状の額縁部の一部が熱シールされ、開封端に沿った額縁部近傍の内側に、再密封可能にファスナーが設けられた袋状のファスナー付き包装材料であって、熱シール層は、融点が135〜180℃である高融点樹脂を主体とする層Aと、融点が80〜135℃である低融点樹脂と高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層Bとの少なくとも2層とからなり、高融点樹脂の融点と低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、2層が熱シール層の熱シール面からB、Aの順に積層されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、食品等の包装に用いられる包装材料およびそれを用いた包装体に関し、具体的には、包装体をいったん開封したあとにも開閉自在とすることができるファスナー付き包装材料およびそれを用いた包装体に関する。
ファスナー付き包装袋は、輸送や保管の際には内容物を密封状態におくことができ、しかも、消費者がいったん包装袋を開封した後にも、ファスナーを閉じることにより内容物を再び密封状態にして保存することができる。そのため、湿気や酸化を嫌う乾燥食品類や、衛生状態を維持する必要がある傷絆創膏等の衛生用具類などの包装に幅広く使用されている。
一般に、ファスナー付き包装袋は、消費者が購入する段階で四方または三方がヒートシールされることで内容物が密封された包装体となっている。この包装体の指定された開封端に沿ってハサミ等で袋を切断すると、開封端のすぐ内側にファスナーが出現する。消費者は、このファスナーを手指で開いて内容物の一部または全部を取り出すことができる。内容物の一部だけを取り出した場合には、ファスナーを閉じることによって再び残りの内容物を密封することができる。次に袋を開く際には、先に切断された端部の摘み代部分を手指で開いてから内部のファスナーを開き、残りの内容物を取り出すことができる。
しかし、ハサミ等で切断された開封端部は、包装袋の両面のフィルムがぴったり合わさった状態となり、手指では開きにくい。さらに、切断によって摘み代が短くなるため持ちにくく、力をかけにくいためにファスナーも開きにくい状態となる。
ここで、内容物充填前の袋の開口部の内側に、市販のリボン状易剥離性樹脂等を重ねた一定幅の易剥離性層と、さらにその内側にジッパーとが設けられており、内容物充填後、該易剥離性層からはみ出すことなく熱シールされて密封されたプラスチック製ガス遮断性密封袋が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これでは、リボン状易剥離性樹脂を正確に位置合わせして重ねる工程が増えてしまい、コストアップの原因となる。
特開2003−237804号公報
本発明は、従来と同様の製造工程で製造でき、開封端をハサミ等を用いて切断する必要が無く、かつ輸送途中などでの破袋が生じにくいファスナー付き包装材料およびそれを用いた包装体を提供することを課題とする。
本発明の第一は、少なくとも基材層とヒートシール層とを備えた複合フィルムが、前記ヒートシール層を内側にして二重に積層され、前記複合フィルムの外周縁に沿った帯状の額縁部の少なくとも一部がヒートシールされ、前記外周縁における開封端に沿った額縁部近傍の内側に、再密封可能にファスナーが設けられた袋状のファスナー付き包装材料であって、前記ヒートシール層は、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層(A)と、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と前記高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層(B)との少なくとも2層とからなり、前記高融点樹脂の融点と前記低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、かつ前記2層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(B)、(A)の順に積層されていることを特徴とする包装材料である。
ここで、前記のヒートシールされた一部が、前記開封端に沿った額縁部である場合に、当該一部のヒートシール強度が、15N/15mm幅以下であることは好ましい。また、前記のヒートシールされた一部が、前記開封端に沿った額縁部以外の額縁部である場合に、前記ヒートシール強度が、20N/15mm幅以上であることは好ましい。また、前記ヒートシール層に、さらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂を主体とする層(C)が積層されており、前記層(C)の低融点樹脂と前記層(B)の低融点樹脂とが溶融時に互いに相溶するものであり、かつ前記3つのヒートシール層が、前記ヒートシール面から(C)、(B)、(A)の順に積層されていることは好ましい。また、前記層(B)に含まれる前記高融点樹脂の割合が5重量%以上70重量%以下の範囲であり、かつ前記低融点樹脂の割合が30重量%以上95重量%以下の範囲であることは好ましい。また、前記層(A)と前記層(B)の厚み比が3:1〜1:4であることは好ましい。また、前記層(C)のヒートシール面に、さらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂層が積層されたことは好ましい。
発明の第二は、少なくとも基材層とヒートシール層とを備えた複合フィルムが、前記ヒートシール層を内側にして二重に積層され、当該積層された間に内容物が挟まれると共に、前記複合フィルムの外周縁に沿った帯状の額縁部がヒートシールされて密封されており、前記外周縁における開封端に沿った前記額縁部の近傍の内側に、再密封可能にファスナーが設けられたファスナー付き包装体であって、前記ヒートシール層は、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層(A)と、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と前記高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層(B)との少なくとも2層とからなり、前記高融点樹脂の融点と前記低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、かつ前記2層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(B)、(A)の順に積層されており、かつ前記開封端に沿った額縁部が易開封性であることを特徴とする包装体である。
包装体形成後に開封端を手指で開封でき、ハサミ等で切断する必要がないファスナー付き包装材料が得られる。いったん開封した後も、手指による再度の密封と開封とがスムーズに行える。一方で、開封前の輸送途中などで破袋するおそれが小さい。製造工程も従来と同様であって簡単である。
本発明のファスナー付き包装材料の実施形態を図面を用いて説明する。図1−1は、ファスナー付き包装材料1の例を示した正面図である。この例では、略長方形で同じ層構成の複合フィルム2枚が、互いのヒートシール面を接して重ねられている。これらのフィルム四方の外周縁31〜34に沿って、ヒートシールによりすでに接着され、または接着される予定の帯状の額縁部40〜43が設けられている。この例では、これらの額縁部のうち、40、41、42の三ヶ所がヒートシールされており(クロスハッチングまたはハッチングで表示)、残る額縁部43は、未だヒートシールされていない状態にあり、包装材料1は袋状となっている。この状態の斜視図を図1−2に示す。なお、残りの額縁部43は、内容物が空間50から袋内に充填された後ヒートシールされる。これにより、内容物が密封された包装体が形成される。
包装材料1において未だヒートシールされていない額縁部としては、33以外のいずれかの額縁部であってもよいし、33に併せて他の額縁部を含めるようにしても良く、少なくとも隣接するか、若しくは対抗する二ヶ所の額縁部がヒートシールされて、包装材料が袋状となればよい。好ましくは、図1−1に記載のように、ヒートシールされない額縁部を33だけとし、他の額縁部はヒートシールする。このようにすると、内容物の充填がしやすく、かつ充填後のヒートシールが単純となる。また、2枚のフィルムを重ねて四方シールする形式ではなく、一枚のフィルムを半分に折って、いずれかの額縁部をヒートシールする三方シール形式でも良い。
包装材料1の開封端34は、包装体が開封される際に開封口となる。この開封端34に沿ってヒートシールされている額縁部40は、開封の際に手指で開封できるように比較的弱い接着強度となるようにヒートシールされる(図1−1においてクロスハッチングで表示)。一方で、額縁部40の接着強度が弱すぎると、包装体の輸送途中などでの破袋が生じやすくなる。そのため、額縁部40の接着強度は、15N/15mm幅以下となる条件でヒートシールされるのが好ましい。
一方、開封端34に沿った額縁部40以外の他の額縁部41〜43は、破袋が生じない十分に強い接着強度となるようにヒートシールされる。このような接着強度としては、20N/15mm幅以上であることが好ましい。つまり、包装材料1を構成する複合フィルム10と20間の接着強度は、易開封性を達成する弱シール強度と、十分な破袋耐性を実現する強シール強度との二段階となる。このような接着強度は、後述する複合フィルムを用い、これも後述するヒートシール条件でヒートシールすることにより、安定して達成することができる。
このようにすることにより、輸送途中での破袋のおそれが小さく、しかも手指の力で開封できる易開封性を付与することができる。また、開封の際に額縁部とファスナーとの間が切断されず、額縁部も含めて包装体と一体のまま留まっているから、いったん開封した後に密封して再度開封する際に、従来のような摘み代がなくて開けにくいなどの事態は生じない。さらに切断による切れ端が散乱してゴミになることもない。
開封端34には、開封の際に手指の掛かりとなる摘み形状の非接着部35が設けられている。この非接着部35は、二枚のフィルムの一部が突出して形成され、包装体を構成した後にも接着されないままとなっている。この非接着部35は無くとも良いが、非接着部35を設けることにより、包装体開封の際の手指の掛かりとなりやすく、開封しやすくなるため好ましい。また、非接着部35は、開封端34から突出していなくともよく、開封端34に沿って、額縁部より狭い一定幅で帯状に設けられていても良い。
開封端34に沿った額縁部40の近傍の内側には、開封端34に略並行方向に、包装体の開封後に再密封可能にするための開閉自在の樹脂製ファスナー30が設けられている。このファスナーの断面を含む図1−1のA−A’断面の模式図を図1−3に示す。ファスナー30は、複合フィルム10と20の内表面の相対する位置に、互いに嵌め合い構造を形成するように雄型と雌型とが接着されて構成されている。このようにファスナーを設けることで、一度開封した後で、再度密封して保存することができる。ファスナーの構造や材質は、従来のファスナー付き包装袋で用いられている密封可能なものを特に制限なく使用できる。
包装材料に用いる複合フィルムは、2枚のフィルムを重ね合わせて使用しても良いし、1枚のフィルムを二つ折りにして使用しても良い。2枚のフィルムを使用する場合は、同じフィルムであっても良いし、異なるフィルムであっても良い。ただし、異なるフィルムの場合は、ヒートシールにより互いに接着できる必要がある。いずれにせよ、複合フィルムは、フィルムの強度やバリヤ性能を担保する基材層と、ヒートシールを可能にするヒートシール層とを有したものを使用し、互いのヒートシール層が直接接するように配置して用いる。
包装材料1で用いられている複合フィルムの配置方法と層構成を図2に示す。この例では、複合フィルム10と20には、同じ層構成のフィルムが用いられ、それぞれのヒートシール面45、46どうしが接するようにして重ね合わされている。複合フィルム10と20は、同じ層構成のものを用いるのが簡便で好ましいが、異なる層構成のフィルムを用いても良い。ただし、ヒートシール可能なことが必要である。以下、代表して複合フィルム10の層構成について説明する。
複合フィルム10の層構成は、少なくとも基材層11とヒートシール層14からなる。基材層11は、フィルムの強度およびそれ以外の機能を担う部分である。基材層11のフィルムとしては、ポリプロピレン(以下PP)製延伸フィルム(以下OPP)、ナイロン樹脂(以下Ny)製延伸フィルム(以下ONy)、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)製延伸フィルム(以下PETフィルム)等が好適に用いられるが、必要に応じこれら以外のフィルムを用いても良い。
基材層11に求められる強度以外の機能としては、例えばガスバリヤー性特に酸素バリヤー性がある。これらバリヤー性の付与の方法として、例えば前記OPP、ONy、PETフィルムの表面にポリ塩化ビニリデン(以下PVDC)、ポリビニルアルコール(以下PVA)、PVAに鱗片状の無機質を混ぜたもの、オルガノシロキサン等、バリヤー性を有する層をコーティングしたフィルムを用いることができる。また、OPPの代わりにPPとエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以下EVOH)を積層し延伸したフィルム等を用いたり、ONyの代わりにNyとメタキシレンアジパミド樹脂を積層し延伸したフィルムやNyとEVOHを積層し延伸したフィルム等を用いることができる。また、前記OPP、ONy、PETフィルムの表面にアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を蒸着したフィルム等を用いることができる。さらに、前記OPP、ONy、PETフィルムに、PVDCフィルム、EVOHフィルム、アルミニウム箔等のそれ自身がガスバリヤー性を有するフィルムを積層することができる。
また、包装体に、購買意欲を希求するためや内容物に関する情報を表示するために、前述したOPP、ONy、PETフィルム等の基材層を構成するフィルムに印刷を行なうことができる。
さらに必要に応じて前記各種フィルムならびに前記以外のフィルムを積層して、基材層として用いることができる。フィルムを積層する方法には、特に制限はなく、公知の技術を利用できる。例えば、接着剤をフィルム表面に塗布して貼り合わせる方法や、溶融した樹脂を2枚のフィルムの間に押出しして介在層とする方法等がある。図3は、複合フィルムの基材層11の一構成例を示した概略模式図である。製袋した場合における外面側より順に、OPP層51、印刷層52、介在層53、蒸着アルミニウム層54、PET層55を積層している。
複合フィルム10のヒートシール層14は、少なくとも2層からなり、その2層は、融点が135℃〜180℃である高融点樹脂を主体とする層(A)12と、融点が80℃〜135℃である低融点樹脂と高融点樹脂の混合樹脂を主体とする層(B)13であり、ヒートシール層14のヒートシール面45より、層(B)13、層(A)12の順に積層されている。なお、ヒートシール面とは、ヒートシール層に対して、ヒートシール層と基材層が接する面の反対側の面を言う。また、主体とするとは、そのものを50重量%以上を含むことを意味する。また、層(A)の高融点樹脂の融点と層(B)の低融点樹脂の最も高い融点との差が、23℃以上であることは好ましく、25℃以上であることがより好ましい。
このように融点の異なる樹脂を組み合わせた2層を、この順番で積層してヒートシール層を構成した複合フィルムを用いることにより、同じフィルムに対してヒートシール条件を変えるという簡単な条件で、開封端34の額縁部40は、輸送途中の破袋のおそれが小さいにもかかわらず易開封性とすることができ、かつその他の額縁部41〜43に関しては、破袋のおそれがない十分な接着強度とすることが可能となる。
ヒートシール層14は、少なくとも3層から構成するのが好ましい。これら3層は、融点が80℃〜135℃である低融点樹脂を主体とする層(C)15、融点が135℃〜180℃である高融点樹脂を主体とする層(A)12、低融点樹脂と前記高融点樹脂の混合樹脂を主体とする層(B)13であり、層(C)の低融点樹脂と層(B)の低融点樹脂が溶融時に互いに相溶するものであり、層(A)の高融点樹脂の融点と層(B)の低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、ヒートシール面より層(C)15、層(B)13、層(A)12の順に積層されているのが好ましい。この層構成の模式図を図4に示す。
層(A)の高融点樹脂としては、融点が135℃〜165℃の熱可塑性樹脂がより好適に用いられ、特にポリプロピレン(PP)が好適に用いられる。PPには、耐寒性や柔軟性を付与する目的でエチレンやブテン等を共重合してもよい。また、前記各樹脂はそれぞれ単独で用いてもよく、2種または3種以上を混合して用いてもよい。例えば、融点が160℃であるPPのホモポリマーと融点が140℃であるPPのコポリマーを混合して用いることができる。ただし混合樹脂とする場合は、各樹脂の融点のうち最も低い融点と、後述する層(B)の低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上とすることが好ましい。このようにすることで易剥離性を比較的容易に実現することができる。好ましくは23℃以上、より好ましくは25℃以上である。
層(A)は、高融点樹脂を主体として50重量%以上含んでいれば、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいてもよい。例えば柔軟性を付与するため、ポリブテン、エチレン−プロピレンゴム等を混合することができる。
層(B)は、低融点樹脂と高融点樹脂の混合樹脂を主体とする。層(B)で用いる高融点樹脂は、層(A)の高融点樹脂と同じものを用いるのが好ましいが、異なる樹脂であっても良い。ただし、層(A)の高融点樹脂と相溶する樹脂を用いる。また、層(B)で用いる低融点樹脂としては、融点が90℃〜130℃の熱可塑性樹脂がより好適に用いられる。好ましい樹脂としては、低密度ポリエチレン(以下LDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等を上げることができる。前記各樹脂はそれぞれ単独で用いても良く、2種または3種以上を混合して用いても良い。
より好適には、層(B)に含まれる高融点樹脂の割合は5〜30重量%の範囲であり、かつ低融樹脂の割合は30〜95重量%の範囲である。層(B)に含まれる高融点樹脂の割合が5重量%以上であると、高融点樹脂の融点より高温でヒートシールした場合に、より十分なシール強度となる。また、層(B)に含まれる高融点樹脂の割合が30重量%以下であると、ヒートシール層を形成する時点での層(A)と層(B)との融着がほとんど起こらず、高融点樹脂の融点より低温でヒートシールした場合に、より安定した易剥離性を示す。また、層(B)に含まれる低融点樹脂の割合が30重量%以上であると、層(C)と層(B)との層間接着強度が十分に安定し、複合フィルムを巻き取ったり繰出したりするときの剥離がほとんど起こらなくなる。
層(B)は、前記低融点樹脂と高融点樹脂の混合樹脂を主体として50重量%以上含んでいればよく、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいてもよい。つまり、他のものの割合は0〜50重量%未満である。他のものとしては、例えば、複合フィルムの透明性をより高めるため、相容化剤としてポリオレフィン系エラストマー(以下、TPOということがある)等を混合することができる。また、層(C)にスリップ剤、帯電防止剤、防曇剤等を添加する場合、その効果を補助する目的で層(B)にも同様の添加剤を加えることができる。
複合フィルムのヒートシール層の層(A)と層(B)の厚み比は、好適には3:1〜1:4である。層(A)と層(B)の厚み比とに、易剥離性を示すヒートシール強度に関連が見られる場合が存在する。このような場合は、層(A)の厚み比が大きくなるとヒートシール強度が弱くなり、小さくなるとヒートシール強度は強くなる傾向にある。そして、層(A)と層(B)の厚み比で、層(A)の厚み比が3:1以下であると、易剥離性を示すヒートシール強度がで十分に安定するため、包装体としたとき、この部分が簡単に開封するようなトラブルを防ぎやすくなる。また、層(A)と層(B)の厚み比で、層(A)の厚み比が1:4以上であると、易剥離性を示すヒートシール強度が15N/15mm幅を超えにくくなり、安定した易剥離性を得やすい場合がある。
複合フィルムのヒートシール層14の厚みは、8μm以上がより好ましい。ヒートシール層の厚みが8μm以上であると、ヒートシールする際に、フィルムの重なりによる段差やフィルムの皺、シールする個所に付着した内容物等の異物に対する追随性がより十分となり、シールの密封性がより完全になりやすい。厚みの上限を規定する要素は特にないが、フィルムの取り扱いのし易さや経済性を考慮すれば、100μm以下が好ましい。
層(C)を設ける場合に用いる低融点樹脂は、層(B)で用いる低融点樹脂と同一であっても良いし、層(B)の低融点樹脂と溶融時に互いに相溶する別の樹脂であっても良い。例えば、層(B)の低融点樹脂がEVAや、LDPEまたは、EVAとエチレン−αオレフィン共重合体の混合樹脂等のいずれであっても、層(C)の低融点樹脂として、例えばEVAを用いることができる。なお、層(C)は低融点樹脂を主体として50重量%以上含んでいるのが好ましく、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいても良い。例えば、必要に応じ、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等を含むことができる。
複合フィルムのヒートシール層14は、前述の条件を満たせば、必要に応じて4層以上であってもよい。例えば、フィルムのカールを防ぐため対称構成としてもよく、ヒートシール面より(B)(A)(B)の順番による構成であってもよいし、また、ヒートシール面より(C)(B)(A)(B)(C)の順番による構成等とすることもできる。前者では、複合フィルムの効果はヒートシール面より2層目までで発現するため、前述した層(A)と層(B)の厚み比の好適な範囲は、ヒートシール面よりそれぞれ2層目および1層目の厚みの比が該当する。後者では、複合フィルムの効果はヒートシール面より3層目までで発現するため、前述した層(A)と層(B)の厚み比の好適な範囲は、ヒートシール面よりそれぞれ3層目および2層目の厚みの比が該当する。
このような複合フィルムのヒートシール強度は、ヒートシール温度が前記高融点樹脂の融点付近において急激に変化し、前記融点よりヒートシール温度が低温側では、ヒートシール強度が15N/15mm幅以下となって、接着状態でありながら易剥離性を示し、前記融点よりヒートシール温度が高温側ではヒートシール強度が20N/15mm幅以上となって強固なシールが可能である。従って、上述の複合フィルムを使用すれば、包装体を形成する際に、開封すべき箇所を前記高融点樹脂の融点より低温でヒートシールすることにより容易に開封することができるようになり、これ以外のヒートシール箇所を前記高融点樹脂の融点より高温でヒートシールすることにより強固な包装体となる。そのため、内容物が重量物であっても輸送等の過程でヒートシールした部分が剥がれるにくい十分な耐破袋性を有する包装体を実現できる。
特筆すべきは、前記高融点樹脂の融点前後の、ヒートシール強度が低い易剥離性を示す領域内、およびヒートシール強度が高い強固なシールとなる領域内のそれぞれにおいて、ヒートシール温度やヒートシール圧力が少々変動しても、ヒートシール強度がほとんど変化しないことである。このため、ヒートシール時の温度や圧力が多少変動しても包装体の性能に影響が出にくく、いかなる製袋システム、充填システムにも安定して利用が可能である。さらに、前記層(A)と前記層(B)の厚み比を変えることによりヒートシール強度が低い領域におけるヒートシール強度を任意に設定できる。
複合フィルムのヒートシール層の形成方法としては、公知の多層フィルムの製造方法を用いることができ、例えば共押し出ししTダイより押し出して冷却ロールにより冷却・製膜する方法、共押し出しし円形ダイより押し出してインフレーションにより冷却・製膜する方法、各層を順次押し出しし積層する方法等がある。また、一旦多層フィルムを形成してからさらに延伸してもよい。特に共押し出し製膜後、さらに延伸してヒートシール層となるフィルムを形成する方法は、ヒートシール層の各層間の接着強度を適度な範囲にコントロールすることが容易なので好ましい。
複合フィルムでは、ヒートシール層のヒートシール面に層(C)を積層すことができ、この層(C)のヒートシール面側にさらに、融点が80℃〜135℃である低融点樹脂層を積層することができる。これにより、例えば、帯電防止機能を付与したりすることが容易となる。このような低融点樹脂層には、特に低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体が好適である。前記樹脂層には、本発明の目的を妨げない限り他のものを含んでいても良い。必要に応じ、例えばスリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等を含むことができる。
図5は、複合フィルム10のヒートシール層の層(C)15のヒートシール面側に、さらにLDPE層16を積層したフィルムの概略断面図である。積層の方法に特に制限はないが、例えば複合フィルムを形成した後、ヒートシール層の層(C)のヒートシール面側に、押し出しラミネーションを行なう方法等がある。
基材層とヒートシール層を積層する方法には、特に制限はなく、公知の技術を利用できる。例えば、接着剤をフィルム表面に塗布して貼り合わせる方法や、溶融した樹脂を2枚のフィルムの間に押出しして介在層とする方法等がある。例えば、基材層とヒートシール層を、接着剤を塗布して貼り合わせてもよいし、溶融した樹脂を基材層とヒートシール層の2枚のフィルムの間に押出しして介在層としてもよい。溶融した樹脂を2枚のフィルムの間に押出しして介在層とする方法は、押し出しラミネーションの応用である。従って押し出しラミネーションと同様に、必要に応じてフィルム表面にアンカーコート剤を塗布し、接着強度の向上を図ることができる。介在層に使用する樹脂も、押し出しラミネーションに使用されている樹脂を用いればよく、例えば、LDPE、エチレン−αオレフィン共重合体、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、PP等を用いることができる。
このように構成した複合フィルムは、ヒートシール温度がある閾値より上と下とで、まったく異なるヒートシール強度を発揮し(ヒートシール強度がジャンプする)、しかも、それぞれの範囲内ではヒートシール温度が変化しても一定のヒートシール強度を発揮する。このような効果を奏する理由としては、以下のように考えている。複合フィルムのヒートシール面どうしを合わせて比較的低温度でシールすると、ヒートシール面の層(B)どうし(層(C)を設けた場合は層(C)どうし)は溶着するが、層(A)は融解しないままとなる。その結果、このようにヒートシールされた部分を剥離すると、層(A)と層(B)の界面がはがれる弱接着強度の弱シールとなる。一方、比較的高温でヒートシールした場合には、層(A)も融解し、その結果、複合フィルムのいずれの界面でも接着強度が大きくなって、強シールとなる。
このような複合フィルムを用いてファスナー付き包装材料を構成することにより、輸送途中における破袋のおそれが小さく、にもかかわらず、開封端を手指で開封できる易開封性を持たせることができる。このような包装材料を用いて構成された包装体を開封する際には、摘み形状の非接着部35を両手の手指で分けて摘んで左右に引っ張る。すると、易開封性の額縁部40の接着界面が剥がれて、ファスナーが出現する。あとはこのファスナーを開いて内容物を取り出せばよい。開封後の包装体のファスナーを閉じて再度密封した後、開封する場合には、最初に開封したのと同じようにして開封すればよい。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
まずヒートシール層として、層(A)には、融点140℃で密度0.89のランダムPP(サンアロマー社製PF4334)が100重量%の樹脂を用いた。層(B)には、低密度ポリエチレン(旭化成社製F2225.2)を70重量%と、層(A)に用いたものと同じランダムPPを20重量%と、融点67℃で密度が0.865のポリオレフィン系エラストマー(ダウ社製エンゲージEG8150)を10重量%とを用い、それぞれを加えて混合した樹脂を用いた。これらを用いて、層構成が層(B)、層(A)、層(B)の順番で、各層の厚みが10μmとなるように共押し出しして、総厚み30μmの3層のフィルムを作成した。
次に基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」25μmを使い、前記PETフィルムの貼り合わせ面にポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布後、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは20μmであり、複合フィルムの総厚みは75μmであった。得られた複合フィルムのヒートシール強度とヘイズを評価した。評価結果を表1に示す。
なお、ヒートシール強度の評価は以下のようにして行った。まず試験片は、2枚のフィルムのヒートシール面を合わせて、その一端をテスター産業(株)製ヒートシールテスターTP−701Sで、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaでヒートシールした。その際、ヒートシール温度を100℃から200℃まで20℃毎に6水準に変化させて試験片を作成した。ヒートシール強度の測定はJIS−Z1707に従い、23℃、相対湿度50%環境下にて測定した。ただし、試験速度は、毎分300±30mmとした。フィルムの流れ方向(MD)と幅方向(TD)についてそれぞれ測定した。また、ヘイズの評価は、ASTMD−1003に従って行った。
表1から、ヒートシール温度が140℃と160℃の間で、ヒートシール強度がジャンプしており、しかもその前後では、ヒートシール温度によらずに一定のヒートシール強度を示していることが分かる。つまり、ヒートシール温度を変えるという簡単な手段により、1つのフィルムを用いて、開封する部分のヒートシール強度が15N/15mm幅以下の易剥離性すなわち良好な開封性のヒートシール層分と、それ以外のヒートシール強度が20N/15mm幅以上の十分な耐破袋性のヒートシール層分とに、安定して使い分けられることがわかる。また、ヘイズも特に問題ない範囲に留まっていることが分かる。
この複合フィルムを用いてファスナー付き包装材料を作成した。上記で得た複合フィルムを巻き取ったロール二本を用意して、製袋機にセッティングした。複合フィルムのヒートシール面どうしを対向させて2軸繰出し機から連続的に繰出すと共に、樹脂ファスナー帯を繰出して三方をヒートシールしたのち、包装材料ごとに切断した。このとき、開封端の額縁部のヒートシール条件は、ヒートシール温度130℃、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaとし、その他の額縁部のヒートシール条件は、ヒートシール温度180℃、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaとした。
これで、ファスナーを付与した開封端と反対側の袋の1辺が開口し、三方がヒートシールされたシール幅10mmでフィルムの流れ方向(袋になった時は、横方向)の長さが100mm、流れと直角方向(袋になった時は、縦方向)の長さが155mmの所謂横取り製袋の袋状の包装材料を得た。なお、摘み形状の非接着部の高さは5mmとした。また、ファスナー帯は、その上端が額縁部の内端縁から10mmの位置になるように設けた。このようにして、図1−1のような底が開口部となっている包装材料を得た。従来の包装材料の製造方法に比して、ヒートシールする場所に応じてヒートシール温度を変えただけの簡単な条件で、目的とする包装材料を作成することができた。
次に、この包装材料の開口部から、内容物として幅20mm、厚さ10mmのウェハスを3個並べて挿入し、開口部をシールして4方シールされた包装体とした。この包装体の摘み形状の非接着部を両手の手指でさぐって摘み、左右に引っ張ったところ、比較的容易に包装体を開くことができた。さらに、ファスナーを開いて内容物をスムースに取出すことができた。
このいったん開封された包装体のファスナーを閉じて再び密封し、さらに手指で開く動作を繰り返したところ、容易に非接着部を摘んで開くことができ、ファスナーを開いて内容物を取り出すことができた。
まずヒートシール層として、層(C)に融点92℃のEVAを、層(A)に融点160℃のPPを70重量%とポリブテン樹脂を30重量%を混合した樹脂を、層(B)に前記EVAを60重量%と前記PPを25重量%と密度0.87のポリオレフィン系エラストマーを15重量%を混合した樹脂を用いた。これらを用いて、層構成が層(C)、層(B)、層(A)、層(B)、層(C)の順番となるように共押し出しし、さらにフィルムの流れ方向に3倍、幅方向に2.5倍延伸して、層(C)1μm、層(B)2μm、層(A)5μm、層(B)2μm、層(C)1μmの順番と厚みで、総厚み11μmの5層のフィルムを作成した。次に基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」25μmを使い、前記PETフィルムの貼り合わせ面にポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布後、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは15μmであり、複合フィルムの総厚みは51μmであった。得られた複合フィルムを実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
このフィルムでは、ヒートシール温度が160℃と180℃の間にヒートシール強度のジャンプがあり、その前後では、実施例1と同様にヒートシール温度の大小によらずにヒートシール強度が一定であるのが分かる。また、ヘイズは良好な値を示した。
この複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして包装体を作成し、手指による易開封性試験を行った。なお、ヒートシール条件は、開封端の額縁部のヒートシール条件は、ヒートシール温度120℃、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaとし、その他の額縁部のヒートシール条件は、ヒートシール温度180℃、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaとした。包装体は、良好な易開封性を示した。
まずヒートシール層として、層(C)に融点92℃のEVAを、層(A)に融点160℃のPPを70重量%とポリブテン樹脂を30重量%を混合した樹脂を、層(B)に前記EVAを60重量%と前記PPを25重量%と密度0.87のポリオレフィン系エラストマーを15重量%を混合した樹脂を、層構成が層(C)、層(B)、層(A)、層(B)、層(C)の順番となるように共押し出しし、さらにフィルムの流れ方向に3倍、幅方向に2.5倍延伸し、層(C)1μm、層(B)2μm、層(A)4μm、層(B)2μm、層(C)1μmの順番と厚みで、総厚み10μmの5層のフィルムを作成した。次に基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」12μmを使い、前記PETフィルムの貼り合わせ面にポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布後、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは20μmであり、複合フィルムの総厚みは42μmであった。得られた複合フィルムのヒートシール強度の評価結果を表2に示す。
なお、ヒートシール強度の評価は、以下のようにして行った。まず試験片は、2枚のフィルムのヒートシール面を合わせて、その一端をテスター産業(株)製ヒートシールテスターTP−701Sで、ヒートシール時間2秒でヒートシールした。その際、ヒートシール温度を100℃から200℃まで20℃毎に6水準に変化させ、さらにヒートシール圧力を98kPaと196kPaの2水準に変化させた条件でそれぞれヒートシールして試験片を作成した。ヒートシール強度はJIS−Z1707に従い、23℃、相対湿度50%環境下にて測定した。ただし、試験速度は、毎分300±30mmとした。フィルムの流れ方向と幅方向についてそれぞれ測定し、その平均値をフィルムの接着強度とした。
表2から、ヒートシール温度を変えるという簡単な手段により、1つのフィルムを用いて、開封する部分のヒートシール強度が15N/15mm幅以下の易剥離性すなわち良好な開封性のヒートシール層分と、それ以外のヒートシール強度が20N/15mm幅以上の十分な耐破袋性のヒートシール層分とに、安定して使い分けられることがわかる。
この複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして包装体を作成し、手指による易開封性試験を行った。開封端の額縁部のヒートシール条件は、ヒートシール温度140℃、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaとし、その他の額縁部のヒートシール条件は、ヒートシール温度180℃、ヒートシール時間1秒、ヒートシール圧力98kPaとした。包装体は、良好な易開封性を示した。
[比較例1] 基材層としてユニチカ(株)製PETフィルム「エンブレットPET」12μmを使い、ヒートシール層として東セロ(株)製直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「TUX−FCD」25μmを使い、実施例1と同様に、LDPEを介在層として押し出しラミネーションにより、基材層とヒートシール層を積層し、複合フィルムを得た。LDPE介在層の厚みは20μmであり、複合フィルムの総厚みは57μmであった。得られた複合フィルムを用いて、実施例3と同様にして接着強度を評価した。評価結果を表2に示す。ヒートシールの圧力や温度を変化させても、ヒートシール強度は若干変化するものの高いままであった。これを用いて実施例1と同様にして、包装体を作成したが、手指で開封することはできなかった。
Figure 2005225516
Figure 2005225516
ファスナー付き包装材料例の概略構成を示した模式図である。 ファスナー付き包装材料例の概略構成を示した斜視図である。 A−A’断面を模式的に示した断面図である。 包装材料1のフィルム配置と層構成の概略を示した模式図である。 基材層の層構成例を示した模式図である。 複合フィルムの層構成の他の例を示した模式図である。 複合フィルムの層構成のさらに他の例を示した模式図である。
符号の説明
1 包装材料
10、20 複合フィルム
11、21 基材層
12、22 層(A)
13、23 層(B)
14、24 ヒートシール層
15 層(C)
16 LDPE層
30 樹脂製ファスナー
31-33 外周縁(開封端以外)
34 外周縁(開封端)
35 非接着部
40 額縁部(開封端に沿った部分)
41-43 額縁部(開封端ではない部分)
45、46 ヒートシール面
50 空間
51 OPP層
52 印刷層
53 介在層
54 蒸着アルミニウム層
55 PET層

Claims (8)

  1. 少なくとも基材層とヒートシール層とを備えた複合フィルムが、前記ヒートシール層を内側にして二重に積層され、前記複合フィルムの外周縁に沿った帯状の額縁部の少なくとも一部がヒートシールされ、前記外周縁における開封端に沿った額縁部近傍の内側に、再密封可能にファスナーが設けられた袋状のファスナー付き包装材料であって、前記ヒートシール層は、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層(A)と、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と前記高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層(B)との少なくとも2層とからなり、前記高融点樹脂の融点と前記低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、かつ前記2層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(B)、(A)の順に積層されていることを特徴とする包装材料。
  2. 前記のヒートシールされた一部が、前記開封端に沿った額縁部である場合に、当該一部のヒートシール強度が、15N/15mm幅以下であることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記のヒートシールされた一部が、前記開封端に沿った額縁部以外の額縁部である場合に、前記ヒートシール強度が、20N/15mm幅以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材料。
  4. 前記ヒートシール層に、さらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂を主体とする層(C)が積層されており、前記層(C)の低融点樹脂と前記層(B)の低融点樹脂とが溶融時に互いに相溶するものであり、かつ前記3つのヒートシール層が、前記ヒートシール面から(C)、(B)、(A)の順に積層されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装材料。
  5. 前記層(B)に含まれる前記高融点樹脂の割合が5重量%以上70重量%以下の範囲であり、かつ前記低融点樹脂の割合が30重量%以上95重量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の包装材料。
  6. 前記層(A)と前記層(B)の厚み比が3:1〜1:4であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の包装材料。
  7. 前記層(C)のヒートシール面に、さらに、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂層が積層されたことを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の包装材料。
  8. 少なくとも基材層とヒートシール層とを備えた複合フィルムが、前記ヒートシール層を内側にして二重に積層され、当該積層された間に内容物が挟まれると共に、前記複合フィルムの外周縁に沿った帯状の額縁部がヒートシールされて密封されており、前記外周縁における開封端に沿った前記額縁部の近傍の内側に、再密封可能にファスナーが設けられたファスナー付き包装体であって、前記ヒートシール層は、融点が135℃以上180℃以下である高融点樹脂を主体とする層(A)と、融点が80℃以上135℃未満である低融点樹脂と前記高融点樹脂との混合樹脂を主体とする層(B)との少なくとも2層とからなり、前記高融点樹脂の融点と前記低融点樹脂の最も高い融点との差が20℃以上であり、かつ前記2層が、前記ヒートシール層のヒートシール面から(B)、(A)の順に積層されており、かつ前記開封端に沿った額縁部が易開封性であることを特徴とする包装体。
JP2004035540A 2004-02-12 2004-02-12 ファスナー付き包装材料および包装体 Expired - Fee Related JP4530404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035540A JP4530404B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 ファスナー付き包装材料および包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035540A JP4530404B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 ファスナー付き包装材料および包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005225516A true JP2005225516A (ja) 2005-08-25
JP4530404B2 JP4530404B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=35000544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004035540A Expired - Fee Related JP4530404B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 ファスナー付き包装材料および包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4530404B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3288119A1 (en) 2016-08-25 2018-02-28 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector assembly
US10700453B2 (en) 2016-10-31 2020-06-30 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector assembly
US11075482B2 (en) 2016-10-13 2021-07-27 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Water-resistant electrical connector assembly

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120070107A1 (en) * 2010-09-20 2012-03-22 Gustavo Jose Camargo-Parodi Unit dose articles and package therefor

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0647878A (ja) * 1992-07-31 1994-02-22 Tonen Chem Corp ポリエチレン系包装材用イージーピール性多層フイルム
JP2001219978A (ja) * 2000-02-07 2001-08-14 Tosoh Corp 医療用複室容器
JP2001226499A (ja) * 1999-12-08 2001-08-21 Nipro Corp 易剥離性フィルムおよびこれを用いた医療用包装容器
JP2002210899A (ja) * 2000-11-17 2002-07-31 Tohcello Co Ltd ポリプロピレン多層フィルム及び包装体
JP2003237804A (ja) * 2002-02-14 2003-08-27 Asahi Kasei Pax Corp 再密封可能な密封袋

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0647878A (ja) * 1992-07-31 1994-02-22 Tonen Chem Corp ポリエチレン系包装材用イージーピール性多層フイルム
JP2001226499A (ja) * 1999-12-08 2001-08-21 Nipro Corp 易剥離性フィルムおよびこれを用いた医療用包装容器
JP2001219978A (ja) * 2000-02-07 2001-08-14 Tosoh Corp 医療用複室容器
JP2002210899A (ja) * 2000-11-17 2002-07-31 Tohcello Co Ltd ポリプロピレン多層フィルム及び包装体
JP2003237804A (ja) * 2002-02-14 2003-08-27 Asahi Kasei Pax Corp 再密封可能な密封袋

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3288119A1 (en) 2016-08-25 2018-02-28 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector assembly
US10461466B2 (en) 2016-08-25 2019-10-29 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector assembly
US11075482B2 (en) 2016-10-13 2021-07-27 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Water-resistant electrical connector assembly
US10700453B2 (en) 2016-10-31 2020-06-30 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP4530404B2 (ja) 2010-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4874742B2 (ja) カットテープ付きチャックテープ、その製造方法、およびチャックテープ付き包装袋
JP4908228B2 (ja) チャック及びチャック付き袋
JP5377858B2 (ja) チャックテープ、チャックテープ付き包装袋およびチャックテープ付き包装袋の製造装置
JP4386731B2 (ja) 易開封性包装袋
JP5032945B2 (ja) カットテープおよびカットテープ付き包装袋
JP5651850B1 (ja) カットテープ付きチャックテープ、及びカットテープ付きチャックテープを具備した包装袋
WO2006041057A1 (ja) チャックテープ付き包装袋
JP2005329150A (ja) チャックテープ及びチャックテープ付き包装袋
JP2008222287A (ja) チャック付きパウチ
JP2008024324A (ja) チャックテープ付き包装袋
TWI742121B (zh) 帶及袋體
JP5651851B1 (ja) カットテープ付きチャックテープ、及びカットテープ付きチャックテープを具備した包装袋
JP4450639B2 (ja) 電子レンジ調理用袋
JP5450956B2 (ja) 包装袋、その製造装置、および包装袋の製造方法
JP4530404B2 (ja) ファスナー付き包装材料および包装体
JP2004269053A5 (ja)
JP4090831B2 (ja) チャックテープ及びそれを用いたチャックテープ付き袋
JP4521807B2 (ja) ヒートシール性複合フィルム
JP3020834B2 (ja) チャック付きプラスチック容器
JP3761745B2 (ja) ファスナーバッグ
JP2006087452A (ja) チャックテープおよびチャックテープ付き袋
JP2006176196A (ja) チャックテープ付き包装袋
JP2012035872A (ja) 開封テープ、それを用いた包装袋の製造方法及び包装袋
JP2004359293A (ja) 易開封性包装袋およびその製造方法
JP6880755B2 (ja) 包装袋

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091022

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140618

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees