JP2005224283A - ゴルフボール - Google Patents

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政利 横田
Takahiro Sajima
隆弘 佐嶌
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Abstract

【課題】飛行性能に優れたゴルフボール2の提供の提供。
【解決手段】ゴルフボール2は、センター、中間層及びカバーを備える。センターの基材ゴムは、1質量%以上30質量%以下のポリイソプレンを含む。このゴルフボールは、直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプルと、直径が3.90mm未満である円形ディンプルとを備える。直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプルの個数Naがディンプル総数Nに占める比率PNは、75%以上である。直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプルの容積Vaは、300mmよりも大きい。この容積Vaが全ディンプルの総容積Vに占める比率PVは、95.0%よりも大きい。仮想球の表面積に対するディンプルの合計面積の占有率は、75%以上である。このゴルフボール2の圧縮変形量は、2.0mm以上2.6mm以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、センター、中間層及びカバーを備え、その表面にディンプルが形成されたゴルフボールに関する。
市販されているゴルフボールの大半は、架橋ゴムからなるセンターを備えている。センターには、反発性能に優れたポリブタジエンが用いられている。ポリブタジエンと共に、他のポリマーが併用されることがある。特開平6−190083号公報には、加工性改善の目的で、ポリイソプレンが用いられたゴルフボールが開示されている。
The Royal and Ancient Golf Club of St. Andrews (R&A)は、ゴルフボールの規格を定めている。この規格によれば、所定の仕様を備えたホイールマシンで打撃されたときのゴルフボールの初速は、255f/sを超えてはならない。ゴルファーは、ゴルフボールの飛行性能を重視する。反発係数が大きなゴルフボールほど、飛距離が大きい傾向がある。一流のメーカーは、反発係数が大きく、ホイールマシンによる初速が255f/sを超えるゴルフボールを製作する技術を有している。これらのメーカーは、ホイールマシンによる初速が規格の上限を若干下回るように、ゴルフボールの反発係数をコントロールしている。
ゴルファーは、ゴルフボールの打球感も重視する。一般的なゴルファーは、ソフトな打球感を好む。ゴルフボールの圧縮変形量が高められることにより、ソフトな打球感が達成される。大きな圧縮変形量は、スピン速度の抑制にも寄与する。
ゴルフボールは、その表面に多数のディンプルを備えている。ディンプルは、ゴルフボールの空力特性を高める。ディンプルは、ゴルフボールの飛行性能に寄与する。
特開平6−190083号公報
ゴルフボールは、ゴルフクラブで打撃され、飛行する。ゴルフボールの速度は、ゴルフボールのみならずゴルフクラブにも依存する。近年、ゴルフクラブの進化がめざましい。ドライバーでは、チタン合金からなるヘッドが主流となっている。このヘッドは、変形能に優れたフェースを備えている。飛行性能向上が意図されたゴルフボールの開発では、ゴルフクラブとのマッチングが考慮される必要がある。本発明の目的は、飛行性能に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、コアと、カバーと、240個以上360個以下のディンプルとを備えている。このコアは、架橋ゴムからなるセンターと、架橋ゴムからなる中間層とを備えている。このセンターに用いられるゴム組成物は、基材ゴムと、不飽和カルボン酸又はその金属塩と、有機過酸化物とを含んでいる。この基材ゴムは、70質量%以上99質量%以下のポリブタジエンと、1質量%以上30質量%以下の天然ゴム又はポリイソプレンとを含んでいる。このゴルフボールは、
(x)直径が3.90mm以上4.80mm以下である2種以上の円形ディンプル
及び
(y)非円形ディンプル又は直径が3.90mm未満である円形ディンプル
を備えている。直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)の個数Naがディンプル総数Nに占める比率PNは、75%以上である。直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)の容積Vaは、300mmよりも大きい。この容積Vaが全ディンプルの総容積Vに占める比率PVは、95.0%よりも大きい。このゴルフボールでは、仮想球の表面積に対するディンプルの合計面積の占有率は、75%以上である。このゴルフボールの圧縮変形量は、2.0mm以上2.6mm以下である。
好ましくは、カバーの主成分は、アイオノマー樹脂又は熱可塑性エラストマーである。このカバーの硬度は、50以上60以下である。このカバーの厚みは、1.0mm以上1.5mm以下である。
好ましくは、このゴルフボールにおける縦方向たわみの一次固有振動数は、950Hz以上1300Hz以下である。
好ましくは、センターの直径は20mm以上35mm以下であり、このセンターの圧縮変形量Caは2.5mm以上4.0mm以下であり、コアの直径は39.8mm以上41.7mm以下であり、このコアの圧縮変形量Cbは2.1mm以上2.8mm以下である。圧縮変形量の差(Ca−Cb)は、0.5mm以上1.0mm以下である。
本発明に係るゴルフボールの圧縮変形量は、小さい。換言すれば、このゴルフボールは硬い。一般に、圧縮変形量の小さなゴルフボールではホイールマシンによる初速が大きい傾向が見られる。本発明では、センターに天然ゴム又はポリイソプレンが用いられているので、圧縮変形量が小さいにもかかわらず、ホイールマシンによる初速がR&A規格の上限を超えない。
一方、このゴルフボールは硬いので、大きな一次固有振動数を有する。このゴルフボールの一次固有振動数は、ゴルフクラブヘッドの一次固有振動数に近い。このゴルフボールでは、ゴルフクラブで打撃されたときのエネルギーロスが少ない。このゴルフボールでは、ゴルフクラブで打撃されたときの初速が大きい。
硬いゴルフボールでは、スピン速度が大きい傾向がある。大きなスピン速度はホップ弾道を招くおそれがあるが、本発明ではディンプルがホップを抑制する。
このように、本発明に係るゴルフボールでは、ホイールマシンによる初速が小さく、ゴルフクラブで打撃されたときの初速が大きい。しかもこのゴルフボールでは、ディンプルによって弾道が適正化される。このゴルフボールは飛行性能に優れ、しかもR&Aの規格に合致する。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、カバー6とを備えている。コア4は、球状のセンター8と、中間層10とからなる。カバー6の表面には、多数のディンプル12が形成されている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル12以外の部分は、ランド14である。このゴルフボール2は、カバー6の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。中間層が、2以上の層から構成されても良い。カバーが2以上の層から構成されても良い。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
このゴルフボール2の圧縮変形量Ccは、2.6mm以下である。換言すれば、このゴルフボール2は硬い。このゴルフボール2は、大きな一次固有振動数を有する。この一次固有振動数は、チタン合金製フェースを備えたドライバーのヘッドの一次固有振動数に近い。このゴルフボール2がドライバーで打撃されたときの、ドライバーからゴルフボール2へと伝達されるエネルギーのロスは小さい。このゴルフボール2では、ゴルフクラブで打撃されたときの初速が大きい。大きな初速により、大きな飛距離がもたらされる。飛行性能の観点から、圧縮変形量Ccは2.5mm以下がより好ましく、2.4mm以下が特に好ましい。圧縮変形量Ccが過小であると、ゴルフボール2の打球感が阻害される。この観点から、圧縮変形量Ccは2.0mm以上、さらには2.1mm以上、特には2.2mm以上が好ましい。
圧縮変形量の測定では、まず測定対象である球体(この例ではゴルフボール2)が金属製の剛板の上に置かれる。次に、球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球体に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量である。
このゴルフボール2における、縦方向たわみの一次固有振動数は、950Hz以上1300Hz以下が好ましい。固有振動数が上記範囲未満であると、十分な初速が得られにくい。この観点から、固有振動数は980Hz以上がより好ましく、1060Hz以上が特に好ましい。固有振動数が上記範囲を越えると、打球感が不十分となることがある。この観点から、固有振動数は1200Hz以下がより好ましく、1180Hz以下が特に好ましい。
図2は、縦方向たわみの固有振動数が測定されるための装置16が示された概念図である。この装置16は、加振機18、レーザー照射器20、マニピュレーター22、レーザードップラー速度計24、FFTアナライザー26、パワーアンプ28、加振機アンプ30及び加速度ピックアップ32を備えている。加振機18は、台34及び支柱36を備えている。レーザー照射器20は、マニピュレーター22に接続されている。このマニピュレーター22は、レーザードップラー速度計24を介して、FFTアナライザー26に接続されている。加速度ピックアップ32は、台34に固定されている。加速度ピックアップ32は、パワーアンプ28に接続されている。このパワーアンプ28は、FFTアナライザー26と接続されている。加振機アンプ30は、FFTアナライザー26及び加振機18に接続されている。
この装置16によって固有振動数が測定されるには、まずゴルフボール2の表面が研磨され、輪郭が直径10mmの円である平坦面が形成される。次にこの平坦面が、支柱36の上端に接着剤で固定される。次に、ゴルフボール2の上端に、反射テープ38(住友スリーエム社の商品名「スコッチライト」)が貼り付けられる。レーザー照射器20からは、反射テープ38に向けてレーザービームLが発せられる。FFTアナライザー26からは、加振波信号が発せられる。この信号は、加振機アンプ30で増幅される。台34及び支柱36は、この信号によって上下に振動する。これにより、ゴルフボール2も上下に振動する。台34の振動は、加速度ピックアップ32で検知される。加速度ピックアップ32は電圧信号を発する。この電圧信号はパワーアンプ28で増幅され、FFTアナライザー26に送られる。この電圧信号により、入力加速度Aiが得られる。一方、レーザー照射器20、マニピュレーター22及びレーザードップラー速度計24により、ゴルフボール2の振動の出力速度Voが測定され、FFTアナライザー26に送られる。FFTアナライザー26において、出力速度Voがフーリエ変換されて得られた値が、入力加速度Aiがフーリエ変換されて得られた値で除されることにより、周波数伝達関数が得られる。周波数が400Hzから4000Hzの範囲内で、周波数伝達関数が最大となる周波数が、縦方向たわみの一次固有振動数である。
このゴルフボール2のセンター8は、架橋ゴムからなる。一般的なゴルフボールでは、センターに、反発性能に優れるポリブタジエンが用いられている。本発明に係るゴルフボール2では、センター8の基材ゴムとして、ポリブタジエンと、天然ゴム又はポリイソプレンとが併用されている。天然ゴム及びポリイソプレンは、ホイールマシンによる初速を抑制する。このゴルフボール2は、天然ゴム又はポリイソプレンが用いられているので、圧縮変形量Ccが小さいにも関わらず、R&A規格に合致する。
好ましいポリイソプレンの具体例としては、日本ゼオン社の商品名「Nipol IR2200M」、グッドイヤー社の商品名「Natsyn2200」及びジェイエスアール社の商品名「IR2200」が挙げられる。
基材ゴムに占めるポリブタジエンの比率は、70質量%以上99質量%以下である。飛行性能の観点から、ポリブタジエンの比率は75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。基材ゴムに占める天然ゴム及びポリイソプレンの比率は、1質量%以上30質量%以下である。ホイールマシンによる初速の抑制の観点から、天然ゴム及びポリイソプレンの比率は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
センター8の架橋には、共架橋剤が用いられている。好ましい共架橋剤は、炭素数が3から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。アクリル酸亜鉛が特に好ましい。
共架橋剤として、炭素数が3から8であるα,β−不飽和カルボン酸と金属酸化物とが配合されてもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、架橋反応に寄与する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル酸及びメタクリル酸が挙げられ、特にアクリル酸が好ましい。好ましい金属酸化物としては酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられ、特に酸化亜鉛が好ましい。
共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以上40質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール2の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は25質量部以上がより好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール2の打球感が硬くなることがある。この観点から、配合量は35質量部以下がより好ましい。
センター8に用いられるゴム組成物には、共架橋剤と共に有機過酸化物が配合されるのが好ましい。有機過酸化物は、架橋反応に寄与する。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイドである。
有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上1.5質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール2の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は0.3質量部以上がより好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール2の打球感が硬くなることがある。この観点から、配合量は1.2質量部以下がより好ましい。
センター8の直径は、20mm以上35mm以下が好ましい。直径が上記範囲未満であると、ホイールマシンでの初速が規格の上限を超えることがある。この観点から、直径は24mm以上がより好ましく、28mm以上が特に好ましい。直径が上記範囲を越えると、ゴルフクラブでの初速が不十分となることがある。この観点から、直径は34mm以下がより好ましく、33mm以下が特に好ましい。
センター8の圧縮変形量Caは、2.5mm以上4.0mm以下が好ましい。圧縮変形量Caが上記範囲未満であると、打球感が不十分となることがある。この観点から、圧縮変形量Caは2.7mm以上がより好ましく、2.9mm以上が特に好ましい。圧縮変形量Caが上記範囲を越えると、ゴルフボール2の飛行性能が不十分となることがある。この観点から、圧縮変形量Caは3.8mm以下がより好ましく、3.7mm以下が特に好ましい。
中間層10は、架橋ゴムからなる。中間層10に好適な基材ゴムは、ポリブタジエンである。中間層10のゴム組成物にセンター8と同様の共架橋剤及び有機過酸化物が配合されるのが好ましい。共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して25質量部以上50質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール2の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は30質量部以上がより好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール2の打球感が硬くなることがある。この観点から、配合量は45質量部以下がより好ましい。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上1.5質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール2の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は0.3質量部以上がより好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール2の打球感が硬くなることがある。この観点から、配合量は1.2質量部以下がより好ましい。
コア4の直径は、39.8mm以上41.7mm以下である。コア4の圧縮変形量Cbは、2.0mm以上3.0mm以下が好ましい。圧縮変形量Cbが上記範囲未満であると、打球感が不十分となることがある。この観点から、圧縮変形量Cbは2.1mm以上がより好ましく、2.2mm以上が特に好ましい。圧縮変形量Cbが上記範囲を越えると、ゴルフボール2の飛行性能が不十分となることがある。この観点から、圧縮変形量Cbは2.8mm以下がより好ましく、2.7mm以下が特に好ましい。
圧縮変形量の差(Ca−Cb)は、0.5mm以上1.0mm以下が好ましい。差(Ca−Cb)が上記範囲未満であると、スピン速度が過大となり飛距離が不十分となることがある。この観点から、差(Ca−Cb)は0.6mm以上がより好ましい。差(Ca−Cb)が上記範囲を越えると、ゴルフボール2の耐久性が不十分となることがある。この観点から、差(Ca−Cb)は0.9mm以下がより好ましい。
カバー6には、アイオノマー樹脂及びスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーが含まれている。このカバー6は、軟質でしかも反発性能に優れる。このゴルフボール2は、コントロール性能、打球感及び飛行性能に優れる。アイオノマー樹脂及びスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの合計量がカバー6の基材ポリマー全量に占める比率は、50質量%以上、さらには70質量%以上、特には90質量%以上が好ましい。
カバー6には、
(1)曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり1価の金属イオンで中和さ れたアイオノマー樹脂、
(2)曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり2価の金属イオンで中和さ れたアイオノマー樹脂
及び
(3)スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー
が併用されることが好ましい。曲げ弾性率は、「ASTM−D 790」の規格に準拠して測定される。曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であるアイオノマー樹脂は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、ゴルフボール2の打球感及びコントロール性能に寄与する。1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂とが用いられることにより、ゴルフボール2の反発性能がより高められる。
曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂(1)の配合量は、全基材ポリマー100質量部に対して10質量部以上60質量部以下が好ましい。配合量は、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上が特に好ましい。中和のための1価の金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びリチウムイオンが挙げられる。曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂(1)の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」及び「ハイミラン1601」;並びにデュポン社の商品名「サーリン8528」、「サーリン8550」及び「サーリン8660」が挙げられる。
曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂(2)の配合量は、全基材ポリマー100質量部に対して10質量部以上60質量部以下が好ましい。配合量は、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上が特に好ましい。中和のための2価の金属イオンとしては、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、銅イオン、ニッケルイオン及び鉄イオンが挙げられる。曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂(2)の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1554」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1650」、「ハイミラン1652」、「ハイミラン1702」及び「ハイミラン1705」;デュポン社の商品名「サーリン9450」、「サーリン9650」、「サーリン9730」、「サーリン9945」及び「サーリン9970」;並びにエクソン社の商品名「アイオテック720」、「アイオテック730」及び「アイオテック7010」が挙げられる。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの配合量は、全基材ポリマー100質量部に対して5質量部以上30質量部以下が好ましい。配合量は、7質量部以上がより好ましい。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、SBSの水添物、SISの水添物及びSIBSの水添物が含まれる。SBSの水添物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が挙げられる。SISの水添物としては、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)が挙げられる。SIBSの水添物としては、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が挙げられる。
本発明において、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEPS及びSEEPS並びにこれらの水添物からなる群から選択された1種又は2種以上と、オレフィンとのアロイが含まれる。このアロイ中のオレフィン成分は、熱可塑性エラストマーとアイオノマー樹脂との相溶性向上に寄与すると推測される。このアロイが用いられることにより、ゴルフボール2の反発性能が向上する。好ましくは、炭素数が2以上10以下のオレフィンが用いられる。エチレン、プロピレン、ブテン及びペンテンが特に好ましい。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーにおけるスチレン成分の含有率は、10質量%以上50質量%以下が好ましい。含有率が上記範囲未満であると、ゴルフボール2の反発性能が不十分となることがある。この観点から、含有率は12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。含有率が上記範囲を超えると、ゴルフボール2の打球感が不十分となることがある。この観点から、含有率は47質量%以下がより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの具体例としては、ダイセル化学工業社の商品名「エポフレンドA1010」;クラレ社の商品名「セプトンHG−252」;並びに三菱化学社の商品名「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」、「ラバロンSR04」及び「ラバロンT3339C」が挙げられる。
カバー6に、
(1)曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり1価の金属イオンで中和さ れたアイオノマー樹脂、
(2)曲げ弾性率が100MPa以上250MPa以下であり2価の金属イオンで中和さ れたアイオノマー樹脂、
(3)スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー
及び
(4)他のポリマー
が併用されてもよい。他のポリマー(4)としては、他のアイオノマー樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが挙げられる。
他のアイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1855」及び「ハイミラン1856」;デュポン社の商品名「サーリン6320」、「サーリン8120」、「サーリン8320」、「サーリン8945」及び「サーリン9120」;並びにエクソン社の商品名「アイオテック820」、「アイオテック830」、「アイオテック7510」及び「アイオテック8000」が挙げられる。熱可塑性ポリウレタンエラストマーの具体例としては、クラレ社の商品名「クラミロン9180」及び「クラミロン9195」並びにBASFポリウレタンエラストマーズ社の商品名「エラストランET880」及び「エラストランET890」が挙げられる。熱可塑性ポリアミドエラストマーの具体例としては、東レ社の商品名「ペバックス2533」が挙げられる。熱可塑性ポリエステルエラストマーの具体例としては、東レ・デュポン社の商品名「ハイトレル4047」、「ハイトレル4767」及び「ハイトレル5557」並びに三菱化学社の商品名「プリマロイA1500」が挙げられる。熱可塑性ポリオレフィンエラストマーの具体例としては三井化学社の商品名「ミラストマーM4800NW」並びに住友化学社の商品名「TPE3682」及び「TPE9455」が挙げられる。
カバー6の硬度は、50以上60以下である。このカバー6は、軟質である。軟質なカバー6は、ゴルフボール2の打球感及びコントロール性能に寄与する。硬度が上記範囲未満であると、スピンが過剰となり、ゴルフボール2の飛行性能が不十分となることがある。この観点から、硬度は53以上がより好ましく、55以上が特に好ましい。本発明においてカバー6の硬度は、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、スプリング式硬度計ショアD型が取り付けられた自動ゴム硬度計(高分子計器社の商品名「LA1」)によって測定される。測定には、当該ポリマー組成物からなり、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるシートが用いられる。測定に先立ち、シートは23℃の温度下に2週間保管される。測定時には、3枚のシートが重ね合わされる。
カバー6の厚みは、1.0mm以上1.5mm以下が好ましい。厚みが上記範囲未満であると、ゴルフボール2の耐久性が不十分となることがある。この観点から、厚みは1.1mm以上がより好ましく、1.2mm以上が特に好ましい。厚みが上記範囲を越えると、ゴルフボール2の反発性能が不十分となることがある。この観点から、厚みは1.4mm以下がより好ましい。
カバー6には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が適量配合される。比重調整の目的で、カバー6にタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末が配合されてもよい。カバー6の比重は、0.80以上1.20以下である。カバー6は通常、圧縮成形法又は射出成形法によって成形される。
前述のように、このゴルフボール2の圧縮変形量Ccは小さく、しかもカバー6は軟質である。このゴルフボール2がゴルフクラブで打撃されると、大きなスピン速度を伴って飛行する。大きなスピン速度は、ゴルフボール2のホップを招来するおそれがある。ホップを抑制するディンプルパターンが採用されることにより、弾道が適正化される。
図3は、図1のゴルフボール2が示された拡大正面図である。図3から明らかなように、全てのディンプル12の平面形状は、円形である。本明細書において「平面形状」という用語は、仮想球面とディンプル12との境界である輪郭線が無限遠から見られたときの形状を意味する。
図3には、ゴルフボール2の表面が12個の等価なユニットに区画された場合の1個のユニットに関し、AからGの符号によってディンプル12の種類が示されている。図3における二点差線は、ユニット同士の境界を表す仮想線である。このゴルフボール2は、直径が4.55mmであるディンプルAと、直径が4.40mmであるディンプルBと、直径が4.25mmであるディンプルCと、直径が4.15mmであるディンプルDと、直径が4.05mmであるディンプルEと、直径が3.90mmであるディンプルFと、直径が2.70mmであるディンプルGとを備えている。ディンプルAからFは、直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)に相当する。このゴルフボール2は、直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)を6種備えている。ディンプルGは、直径が3.90mm未満である円形ディンプル(y)に相当する。このゴルフボール2は、直径が3.90mm未満である円形ディンプル(y)を1種備えている。
図3に示されたゴルフボール2では、ディンプルAの個数は42個であり、ディンプルBの個数は72個であり、ディンプルCの個数は66個であり、ディンプルDの個数は84個であり、ディンプルEの個数は42個であり、ディンプルFの個数は12個であり、ディンプルGの個数は12個である。このゴルフボール2のディンプル12の総数Nは、330個である。このゴルフボール2では、直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)の個数Naは318個である。個数Naの総数Nに対する比率PNは、96.4%である。
図4は、図3のゴルフボール2の一部が示された模式的拡大断面図である。この図には、ディンプル12の平面形状の重心及びゴルフボール2の中心を通過する平面による断面が示されている。この図から明らかなように、ディンプル12の断面形状はほぼ円弧である。換言すれば、ディンプル12は球面の一部である。このディンプル12は、シングルラジアスディンプルと称されている。もちろん、他の断面形状を有する円形ディンプルが採用されてもよい。図4において二点鎖線40で示されているのは、仮想球である。仮想球40の表面は、ディンプル12が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。図4において両矢印Diで示されているのは、ディンプル12の直径である。この直径Diは、ディンプル12の両端に共通の接線Tが画かれたときの両接点Edの距離である。接点Edは、ディンプル12のエッジでもある。エッジEdの連続したものは、ディンプル12の輪郭線である。
本明細書において「総容積V」とは、全てのディンプル12の容積vの総和を意味する。ここで「ディンプルの容積v」とは、円形ディンプルの場合、輪郭線を含む平面とディンプルの表面とに囲まれた部分の容積を意味する。非円形ディンプルの場合は、この非円形ディンプルの面積と同一の面積を備え、かつこの非円形ディンプルの深さと同一の深さを備えた円形のシングルラジアスディンプルが想定され、このシングルラジアスディンプルの容積が当該非円形ディンプルの容積と定義される。直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)の容積vの合計は、Vaである。容積Vaの総容積Vに対する比率は、PV(%)である。図3に示されたゴルフボール2のディンプルAの容積vは1.140mmであり、ディンプルBの容積vは1.066mmであり、ディンプルCの容積vは0.994mmであり、ディンプルDの容積vは0.948mmであり、ディンプルEの容積vは0.903mmであり、ディンプルFの容積vは0.838mmであり、ディンプルGの容積vは0.402mmである。このゴルフボール2の総容積Vは322.7mmであり、容積Vaは317.9mmであり、比率PVは98.5%である。
本発明では、全てのディンプル12の面積sの合計Sが仮想球40の表面積に占める比率は、占有率Yと称される。「ディンプルの面積s」とは、当該ディンプル12の平面形状の面積を意味する。円形ディンプルの場合は、下記数式によって面積sが算出される。
s = ( Di / 2 ) ・ π
図3に示されたゴルフボール2では、ディンプルAの面積sは16.26mmであり、ディンプルBの面積sは15.21mmであり、ディンプルCの面積sは14.19mmであり、ディンプルDの面積sは13.53mmであり、ディンプルEの面積sは12.88mmであり、ディンプルFの面積sは11.95mmであり、ディンプルGの面積sは5.73mmである。このゴルフボール2におけるディンプル12の合計面積Sは、4604.2mmである。このゴルフボール2の仮想球40の表面積は5754.9mmなので、占有率Yは80.0%である。
本発明に係るゴルフボール2では、比率PNが75%以上に設定される。換言すれば、このゴルフボール2では、大径ディンプル(x)が数多く配置されている。大径ディンプルは、ゴルフボール2のホップを抑制する。このゴルフボール2が打撃されると、ゴルフボール2の圧縮変形量Ccが小さくかつカバー6が軟質であるにもかかわらず、適正な弾道が得られる。このゴルフボール2では、大きなキャリーが得られる。飛行性能の観点から、比率PNは85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。極端に大きなディンプルは実質的に球であるというゴルフボール2の特徴を損なうので、直径が4.80mmを越えるディンプルは配置されないことが好ましい。
ゴルフボール2の表面に大径ディンプル(x)のみが配置されると、複数のディンプル12に囲まれた領域(ランド14)の面積が大きくなる。ランド14の面積が大きなゴルフボール2は、弾道の後半に失速する傾向がある。失速は、ランの低下を招来する。本発明に係るゴルフボール2には、大径ディンプル(x)に加えて直径が3.90mm未満である小径の円形ディンプル(y)も配置されている。この小径ディンプルは、面積の大きなランド14が発生することを抑制する。これにより、大きな占有率Yが達成されうる。大径ディンプル(x)と小径ディンプル(y)との併設により、トータル距離が高められる。占有率Yの観点から、小径ディンプルの直径は3.70mm以下がより好ましく、3.50mm以下がより好ましい。極端に小さなディンプルは空力特性に寄与し得ないので、小径ディンプルの直径は2.00mm以上が好ましく、2.50mm以上がより好ましい。小径ディンプルとともに、又は小径ディンプルに代えて、非円形ディンプルが設けられてもよい。非円形ディンプルは、大径の円形ディンプルに囲まれた領域にも配置されやすい。非円形ディンプルも、小径ディンプルと同様に、失速を抑制しうる。飛行性能の観点から、非円形ディンプル及び直径が3.90mm未満である円形ディンプル(y)の数が総数Nに占める比率は1%以上が好ましく、2%以上が特に好ましい。換言すれば、比率PNは99%以下が好ましく、98%以下が特に好ましい。
このゴルフボール2では、前述のように6種類の大径ディンプル(x)を備えている。大径ディンプル種類が2以上とされることにより、単一種類の大径ディンプルが配置される場合に比して、ゴルフボール2の表面へ密にディンプル12が配置されうる。これにより、大きな占有率Yが達成されうる。本発明では、互いの直径の差が0.05mmであるディンプル同士は、種類が異なると判断される。占有率Yの観点から、直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)の中で最大のものの直径と最小のものの直径との差は、0.10mm以上が好ましく、0.15mm以上が特に好ましい。小径ディンプル及び非円形ディンプルの種類数は1でもよく、2以上でもよい。
本発明に係るゴルフボール2では、占有率Yは75%以上に設定される。占有率Yが上記範囲未満であると、弾道の後半においてゴルフボール2が失速し、ランが不十分となることがある。この観点から、占有率Yは78%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。通常得られる占有率Yは90%以下、特には86%以下である。
本発明に係るゴルフボール2では、総容積Vは250mm以上380mm以下が好ましい。総容積Vが上記範囲未満であると、ランが不足するおそれがある。この観点から、総容積Vは270mm以上がより好ましく、290mm以上が特に好ましい。総容積Vが上記範囲を超えると、キャリーが不足するおそれがある。この観点から、総容積Vは375mm以下がより好ましく、370mm以下が特に好ましい。
本発明に係るゴルフボール2では、容積Vaは300mmよりも大きい。換言すれば、総容積Vに対する容積Vaの比率PVが大きい。このゴルフボール2では、大きなキャリーが得られる。キャリーの観点から、PVは95%よりも大きいことが好ましく、96%以上がより好ましい。大きなランが得られるには、前述のように、非円形ディンプル又は直径が3.90mm未満である円形ディンプル(y)も必要である。ランの観点から、PVは99.5%以下が好ましい。
本発明に係るゴルフボール2では、ディンプル12の総数Nは、240個以上360個以下である。総数Nが上記範囲未満であると、実質的に球であるというゴルフボール2の特徴が損なわれる。この観点から、総数Nは280個以上がより好ましい。総数Nが上記範囲を超えると、抗力係数(Cd)が大きくなってキャリーが不足することがある。この観点から、総数Nは350個以下がより好ましい。
個々のディンプル12の深さは、0.05mm以上0.60mm以下が好ましい。深さが上記範囲未満であると、ゴルフボール2の空力特性が不十分となることがある。この観点から、深さは0.075mm以上がより好ましく、0.10mm以上が特に好ましい。深さが上記範囲を越えると、ディンプル12の中に砂塵がたまりやすい。この観点から、深さは0.50mm以下がより好ましく、0.45mm以下が特に好ましい。深さとは、ディンプル12の輪郭線を含む平面とディンプル12の最深点Pとの距離である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
90.0質量部のハイシスポリブタジエン(ジェイエスアール社の商品名「BR−18」)、10質量部のポリイソプレン(前述の「IR2200M」)、28質量部のアクリル酸亜鉛、5.0質量部の酸化亜鉛、22.3質量部の硫酸バリウム及び0.8質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃の温度下で15分間加熱して、直径が31.5mmであるセンターを得た。このセンターは、下記表1に示されたタイプC2である。一方、100質量部のハイシスポリブタジエン(前述の「BR−18」)、36質量部のアクリル酸亜鉛、5.0質量部の酸化亜鉛、6.4質量部の硫酸バリウム及び0.8質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物は、下記表2に示されたタイプM2である。このゴム組成物からハーフシェルを形成し、上記センターを2枚のハーフシェルで覆った。このセンター及びハーフシェルを共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃の温度下で15分間加熱して、直径が39.9mmであるコアを得た。さらに、45質量部のナトリウム中和二元アイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン1555」)、45質量部の亜鉛中和二元アイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン1557」)、10質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「ラバロンSR04」)及び3質量部の二酸化チタンを混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物は、下記表3に示されたタイプaである。次に、上記コアを内周面に多数の突起を備えた金型に投入し、コアの周囲に上記樹脂組成物を射出成形法により注入して、厚みが1.4mmであるカバーを成形した。カバーには、突起の形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。このディンプルの仕様は、下記表4に示されたタイプIである。このカバーに塗装を施して、直径が約42.8mmであり質量が約45.4gである実施例1のゴルフボールを得た。
[実施例2から9及び比較例1から9]
センター、中間層、カバー及びディンプルの仕様を下記表5から8に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から9及び比較例1から9のゴルフボールを得た。
Figure 2005224283
Figure 2005224283
Figure 2005224283
Figure 2005224283
[ホイールマシンによる初速の測定]
ホイールマシンにより、R&Aの規格に準じてゴルフボールの初速を測定した。12回の測定の平均値が、下記の表5から8に示されている。
[打撃テスト]
ツルテンパー社のスイングマシンに、チタン合金製ヘッドを備えたドライバー(住友ゴム工業株式会社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:S、ロフト角:10°)を装着した。このドライバーで、ヘッド速度が45m/secである条件でゴルフボールを打撃して、ゴルフボールの初速、打ち出し角度、打撃直後のバックスピンの速度、キャリー、ラン及びトータル距離を測定した。5回の測定の平均値が、下記表5から8に示されている。
[打球感の評価]
10名のゴルファーにドライバーでゴルフボールを打撃させ、打球感を評価させた。打球感が良いと回答したゴルファーの数にもとづき、下記の格付けを行った。
A:7名以上
B:2名以上6名以下
C:0名又は1名
この結果が、下記表5から8に示されている。
[コントロール性の評価]
10名のゴルファーにウェッジでゴルフボールを打撃させ、コントロール性を評価させた。コントロールしやすいと回答したゴルファーの数にもとづき、下記の格付けを行った。
A:7名以上
B:2名以上6名以下
C:0名又は1名
この結果が、下記表5から8に示されている。
[耐久性の評価]
上記飛距離テストと同等の条件で、ゴルフボールを繰り返し打撃した。100回打撃されるまでに破壊したゴルフボールの数にもとづき、下記の格付けを行った。
A:12個中で0個
B:12個中で1個又は2個
C:12個中で3個以上
この結果が、下記表5から8に示されている。
Figure 2005224283
Figure 2005224283
Figure 2005224283
Figure 2005224283
表5から8に示されるように、実施例のゴルフボールは飛行性能、打球感、コントロール性及び耐久性の全てに優れている。しかも、実施例のゴルフボールは、R&Aの定める規格に合致している。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフコースでのプレーや、ドライビングレンジでの練習に適している。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図である。 図2は、縦方向たわみの一次固有振動数が測定される装置が示された概念図である。 図3は、図1のゴルフボールが示された拡大正面図である。 図4は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・カバー
8・・・センター
10・・・中間層
12・・・ディンプル
14・・・ランド
A・・・ディンプルA
B・・・ディンプルB
C・・・ディンプルC
D・・・ディンプルD
E・・・ディンプルE
F・・・ディンプルF
G・・・ディンプルG
Ed・・・エッジ

Claims (4)

  1. コアと、カバーと、240個以上360個以下のディンプルとを備えており、
    このコアが、架橋ゴムからなるセンターと、架橋ゴムからなる中間層とを備えており、
    このセンターに用いられるゴム組成物が、基材ゴムと、不飽和カルボン酸又はその金属塩と、有機過酸化物とを含んでおり、
    この基材ゴムが、70質量%以上99質量%以下のポリブタジエンと、1質量%以上30質量%以下の天然ゴム又はポリイソプレンとを含んでおり、
    このディンプルが、
    (x)直径が3.90mm以上4.80mm以下である2種以上の円形ディンプル
    及び
    (y)非円形ディンプル又は直径が3.90mm未満である円形ディンプル
    を含んでおり、
    直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)の個数Naがディンプル総数Nに占める比率PNが75%以上であり、
    直径が3.90mm以上4.80mm以下である円形ディンプル(x)の容積Vaが300mmよりも大きく、
    この容積Vaが全ディンプルの総容積Vに占める比率PVが95.0%よりも大きく、
    仮想球の表面積に対するディンプルの合計面積の占有率が75%以上であり、
    圧縮変形量が2.0mm以上2.6mm以下であるゴルフボール。
  2. 上記カバーの主成分がアイオノマー樹脂又は熱可塑性エラストマーであり、このカバーの硬度が50以上60以下であり、このカバーの厚みが1.0mm以上1.5mm以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 縦方向たわみの一次固有振動数が950Hz以上1300Hz以下である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記センターの直径が20mm以上35mm以下であり、このセンターの圧縮変形量Caが2.5mm以上4.0mm以下であり、
    上記コアの直径が39.8mm以上41.7mm以下であり、このコアの圧縮変形量Cbが2.1mm以上2.8mm以下であり、
    差(Ca−Cb)が0.5mm以上1.0mm以下である請求項1から3のいずれかに記載のゴルフボール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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