JP2005221437A - 振動ジャイロ - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動子の振動が回路基板に漏れて回路基板が共振したり、あるいは外部からの振動が回路基板を介して振動子に簡単に伝わったりするのを有効に抑制することができ、コリオリ力に対して高い検出感度が得られる振動ジャイロを提供する。
【解決手段】 振動子2と、振動子2の駆動検出用の回路部品3,4,5と、振動子2および回路部品3,4,5を搭載する回路基板12とを備え、回路基板12には、振動子2が搭載される表面と反対側の裏面に凹部25が形成され、この凹部25内に回路部品の一部を構成する集積回路部品5が配置されるとともに、凹部25が集積回路部品5と共に回路基板12よりも剛性の高い合成樹脂26により封止されている。
【選択図】 図4
【解決手段】 振動子2と、振動子2の駆動検出用の回路部品3,4,5と、振動子2および回路部品3,4,5を搭載する回路基板12とを備え、回路基板12には、振動子2が搭載される表面と反対側の裏面に凹部25が形成され、この凹部25内に回路部品の一部を構成する集積回路部品5が配置されるとともに、凹部25が集積回路部品5と共に回路基板12よりも剛性の高い合成樹脂26により封止されている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、例えば角速度を検出する場合に使用される振動ジャイロに関する。
近年、車両の姿勢検知、ナビゲーション装置の進行方向検知、カメラの手振れ補正、仮想現実操作などには角速度の大きさやその方向を検出するために振動ジャイロが使用されている。従来、このような振動ジャイロとして、例えば音片形の振動子を検出素子として使用したものがある(特許文献1参照)。
すなわち、この種の振動ジャイロの中には、図5(a)に示すように、両端開放屈曲振動をする四角柱状をした音片形の振動子2を備え、この振動子2が4つの支持部材8,9,10,11を介して回路基板12の表面に搭載されているものがある。この場合の振動子2は、その厚み方向において分極方向が互いに逆になるよう2枚の圧電体16,17を接合したバイモルフ構造のものであり、その長手方向が回路基板12の表面と平行になるように、ノード部付近が各支持部材8,9,10,11によって固定支持されている。なお、各支持部材8,9,10,11は振動子2を回路基板12に電気的に接続するリード線の役目も果たしている。
また、回路基板12の表面には、上記の振動子2や支持部材8,9,10,11と共に、振動子2を励振して屈曲振動させる駆動回路や、振動子2のコリオリ力による屈曲振動を検出する角速度検出回路などを構成するための複数の回路部品3,4,5が搭載されている。
このような構成において、駆動回路によって振動子2を励振すると、振動子2がその厚み方向に屈曲振動する。この状態で振動子2の長手方向を回転軸とする角速度が加わると、これに伴って生じたコリオリ力によって振動子2が幅方向に振動する。そして、この幅方向の振動の大きさに応じて振動子2に生じる出力を、リード線として働く支持部材8,9,10,11を介して電気的に取り出して角速度検出回路により角速度を検出する。
ところで、上記構成の振動ジャイロにおいて、振動子2が屈曲振動をする際、その振動が支持部材8〜11を介して回路基板12に伝搬する。すなわち、支持部材8〜11には振動子2の接触側端部から回路基板12の接触側端部に至るまでの途中にクッションの役割を果たすための屈曲部分が形成されているものの、振動子2の振動を十分に吸収することは難しく、振動が支持部材8〜11を介して回路基板12に伝搬して、図5(b)に示すように、回路基板12自身が振動子2と共振して屈曲振動することが起こる。
つまり、振動子2の振動が回路基板12に漏れると、回路基板12も同時に振動して振動子2の振動が不安定になり、そのためコリオリ力の検出感度が低下する。また、逆に外部からの振動が回路基板12、支持部材8〜11を介して振動子2に簡単に伝わることにもなるので、この点でもコリオリ力の検出精度の低下をもたらすことになる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、振動子の振動が回路基板に漏れて回路基板が共振したり、あるいは外部からの振動が回路基板を介して振動子に簡単に伝わったりするのを有効に抑制することができ、コリオリ力に対する高い検出感度が得られる振動ジャイロを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、振動子と、この振動子に対する駆動検出用の回路部品と、前記振動子および回路部品を搭載する回路基板とを備えた振動ジャイロにおいて、次の構成を採用している。
すなわち、請求項1記載の発明では、前記回路基板には、前記振動子が搭載される表面と反対側の裏面に凹部が形成され、この凹部内に前記回路部品の一部を構成する集積回路部品が配置されるとともに、前記凹部が前記集積回路部品と共に回路基板よりも剛性の高い合成樹脂により封止されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の構成において、前記合成樹脂は、遮光性を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記回路基板の裏面側には、前記凹部と共に外部接続用のランドが形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明の構成において、前記集積回路部品はベアチップICであり、このベアチップICがフリップチップ実装されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、凹部内を封止する合成樹脂によって、回路基板単体の場合よりも剛性が高まるので、振動子の振動が回路基板に漏れて振動子と回路基板とが共振するのを抑制することができる。また、逆に外部からの振動が回路基板を介して振動子に簡単に伝わるのを抑制することができる。このため、振動子の振動が安定化してコリオリ力の検出感度が低下することを有効に防止できるとともに、外部からの振動の影響が低減されるので、コリオリ力に対する高い検出感度を得ることが可能になる。
しかも、集積回路部品を回路部品の裏面側の凹部内に実装することにより、表面側の実装面積は小さくても他の回路部品を十分に搭載できるようになる。このため、回路基板全体の寸法を小さくでき、ひいては装置の小型化が可能になる。さらに、基板の裏面側に集積回路部品が隠れるため、振動子は集積回路部品からの発熱の影響を受け難くなり、振動子の温度特性が改善される。
請求項2記載の発明によれば、合成樹脂は遮光性を有するため、凹部内に配置された集積回路部品には外光が入射しなくなり、集積回路部品が外光によって誤動作するなどの不具合発生を確実に防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、回路基板の裏面側には凹部と共に外部接続用のランドが形成されているので、この振動ジャイロ実装用のプリント配線基板に搭載するだけで、振動ジャイロの回路基板とプリント配線基板との電気的な接続が可能になり、振動ジャイロの実装作業を容易に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、回路基板の凹部に設けられる集積回路部品はベアチップICであり、このベアチップICがフリップチップ実装されるので、ワイヤボンディングなどが不要で、集積回路部品の実装を極めて容易に行える。
図1は本発明の実施の形態における振動ジャイロの全体を示す分解斜視図、図2は振動ジャイロを構成する振動子、支持部材、および回路基板を示す分解斜視図、図3は回路基板を裏面側から見た斜視図、図4は振動ジャイロを構成する振動子、支持部材、および回路基板を一部切欠して示す側面図である。なお、図5に示した従来技術と対応する構成部分には同一の符号を付している。
この実施の形態における振動ジャイロ1は、角速度検出素子としての振動子2、この振動子2に対する駆動検出用の回路部品3,4,5、振動子2を支持する支持部材8,9,10,11、およびこれらを搭載する回路基板12、およびカバー13を備えている。
振動子2は、それぞれ厚み方向に分極された四角柱状の2つの圧電体16,17を備え、一方の圧電体16の一方主表面には幅方向に2分割された駆動兼検出用の電極18a,18bが形成され、また、他方の圧電体17の一方主表面には全面に電極19が形成されており、さらに、両圧電体16,17の他方の主表面同士が電極20を介して接合されてバイモルフ構造に構成されている。この場合、両圧電体16,17の分極方向は、接合状態において互いに厚み方向で逆になっている。
そして、この振動子2は、電極18a,18bに印加された駆動信号によって厚み方向に両端開放屈曲振動を行って数KHz〜数十Hzで振動する。この場合、振動子2の両端からそれぞれ振動子2の長さの約0.224倍の位置でかつ厚み方向の中央において幅方向に貫く2つの軸がノード軸となり、その近傍がノード部となる。また、振動子2の左右のノード軸で挟まれる長手方向中央部が屈曲振動の腹となる。
各支持部材8〜11は、例えばFe−Ni合金やりん青銅などの金属からなる導電性の板材を成形加工したもので、振動子2を支持するのと同時にリード線として作用する。すなわち、2つの支持部材8,9は、振動子2の幅方向を横切る部分が一方の圧電体16のノード部に半田や導電性接着剤によって電極18a,18bと電気的に接続されており、また、その下端部が回路基板12に電気的かつ機械的に固定されている。また、残り2つの支持部材10,11は、振動子2の幅方向を横切る部分が他方の圧電体17のノード部に半田や導電性接着剤によって電極19と電気的に接続されており、また、その下端部が回路基板12に電気的かつ機械的に固定されている。これにより、振動子2全体が回路基板12の表面に対して平行に支持されている。また、各支持部材8〜11は下端部に至るまでの途中が屈曲形成されており、これによって振動子2で生じる振動が回路基板12に伝わるのを途中で吸収するクッションの役割を果たしている。
回路基板12は、例えば絶縁性のガラスエポキシ樹脂やセラミックなどでできており、その表面には上記の各支持部材8〜11の下端を固定するランド部22が形成されるとともに、所定の箇所に積層チップコンデンサやチップ抵抗などの個別チップ部品3,4が半田や導電性接着剤などを介して固定されている。また、回路基板12の裏面には、その周縁の上下左右の4箇所に振動ジャイロ1を実装するプリント配線基板23と電気的に接続するためのランド24が形成されるとともに、各ランド24よりもさらに内側の略中央部には、平面視長方形の凹部25が形成されている。そして、この凹部25内に能動素子などが集積された集積回路部品としてのベアチップIC5がAuバンプ等によりフリップチップ実装されている。そして、上記の個別チップ部品3,4やベアチップIC5などの回路部品によって、振動子2を励振して屈曲振動させる駆動回路や、振動子2のコリオリ力による屈曲振動を検出する角速度検出回路などが構成されている。
しかも、この実施の形態では、ベアチップIC5が取り付けられた凹部25内には回路基板12よりも剛性の高い、例えばガラスエポキシ樹脂などの合成樹脂26が充填されることにより凹部25内が封止されている。この場合の合成樹脂26は、遮光性の顔料等を含漬させることにより、ベアチップIC5に対して外光が入射しないようにしている。合成樹脂26に含漬させる顔料としては、例えば濃い色、できれば黒色であることが望ましい。なお、ここでは凹部25にベアチップIC5を実装しているが、パッケージ化されたICを搭載することも可能である。
上記構成を有する振動ジャイロ1において、振動子2が駆動信号によって励振されると、これに応じて振動子2がその厚み方向に屈曲振動する。この状態で振動子2の長手方向を回転軸とする角速度が加わると、これに伴って生じたコリオリ力によって振動子2が幅方向に振動する。そして、この幅方向の振動の大きさに応じて振動子2に生じる出力が支持部材8,9から回路基板12の配線を介してベアチップIC5等に入力されることより角速度が検出される。
上述のように振動子2が厚み方向あるいは幅方形に振動すると、その振動は支持部材8〜11によって大部分が吸収されるものの、その一部は回路基板12に伝搬する。しかし、回路基板12は、凹部25内に充填された合成樹脂26によって、回路基板12単体の場合よりも剛性が高められているので、振動子2の振動に伴って回路基板12が共振するのが抑制される。このことは、逆に外部からの振動が回路基板12を介して振動子2に伝わることも抑制される。その結果、振動子2の振動が安定化してコリオリ力の検出感度が低下するのを防止できるともに、外部からの振動の影響が低減されるので、コリオリ力に対する高い検出感度を得ることが可能になる。
また、回路部品の一部であるベアチップIC5を回路基板12の裏面側の凹部25内に実装することにより、回路基板12の表面側の実装面積は小さくても他の回路部品3,4を十分に搭載できるようになる。その結果として、回路基板12全体の寸法を小さくでき、ひいては装置の小型化が可能になる。さらに、回路基板12の裏面側にベアチップIC5が隠れるため、振動子2はこのベアチップIC5からの発熱の影響を受け難くなり、振動子2の温度特性が改善される。
しかも、従来の場合、個別チップ部品3,4やベアチップIC5などの回路部品は回路基板12の同じ表面側に搭載される構成なので、半田ペースト等を印刷してからでないとこれらの各部品3,4,5を搭載できないが、そうすると、半田やフラックスの飛散によりベアチップIC5を実装するためのフリップチップ用のランド面が汚染されてベアチップIC5との接合強度が劣化する恐れがある。
これに対して、この実施の形態では、個別チップ部品3,4を実装する側とベアチップIC5を実装する側とは回路基板12の表裏に分離されているので、凹部25内の図示しないフリップチップランド面が清浄な状態で先にベアチップIC5をフリップチップ実装し、その後、回路基板12の表面側に半田ペーストを印刷して個別チップ部品3,4を搭載することが可能となる。このため、フリップチップ実装されるベアチップIC5の接合強度が劣化するなどの問題が起こらない。また、ベアチップIC5を他の回路部品よりも先に回路基板12に実装できるので、ベアチップIC5の性能チェックを事前に行うことができ、ゲイン等の調整が容易になる。
また、この実施の形態では、凹部25に充填される合成樹脂26は、遮光性を有するので、外部から光が照射されても、フリップチップ実装されているベアチップIC5に光が到達して起電力が発生することで誤動作するなどの問題が生じるのを確実に防止することができる。
さらに、この実施の形態では、回路基板12の裏面側には外部接続用のランド24が形成されているので、この振動ジャイロ1をプリント配線基板23に搭載するだけで、振動ジャイロ1の回路基板12とプリント配線基板23との電気的な接続が可能になり、振動ジャイロ1の実装作業を容易に行うことができる。
上記の実施の形態では、回路基板12に両端開放屈曲振動を行う音片形の振動子2を搭載する場合を例にとって説明したが、本発明はこのような音片形の振動子2に限らず、音叉形やカスケード形の振動子を回路基板12に搭載する場合についても適用することが可能である。
1 振動ジャイロ
2 振動子
3,4 個別チップ部品(回路部品)
5 ベアチップIC(集積回路部品)
12 回路基板
24 ランド
25 凹部
26 合成樹脂
2 振動子
3,4 個別チップ部品(回路部品)
5 ベアチップIC(集積回路部品)
12 回路基板
24 ランド
25 凹部
26 合成樹脂
Claims (4)
- 振動子と、この振動子に対する駆動検出用の回路部品と、前記振動子および回路部品を搭載する回路基板とを備えた振動ジャイロにおいて、
前記回路基板には、前記振動子が搭載される表面と反対側の裏面に凹部が形成され、この凹部内に前記回路部品の一部を構成する集積回路部品が配置されるとともに、前記凹部が前記集積回路部品と共に回路基板よりも剛性の高い合成樹脂により封止されていることを特徴とする振動ジャイロ。 - 前記合成樹脂は、遮光性を有することを特徴とする請求項1記載の振動ジャイロ。
- 前記回路基板の裏面側には、前記凹部と共に外部接続用のランドが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動ジャイロ。
- 前記集積回路部品はベアチップICであり、このベアチップICがフリップチップ実装されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の振動ジャイロ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004031273A JP2005221437A (ja) | 2004-02-06 | 2004-02-06 | 振動ジャイロ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8087296B2 (en) | 2006-03-15 | 2012-01-03 | Panasonic Corporation | Angular velocity sensor |
JP2012184993A (ja) * | 2011-03-04 | 2012-09-27 | Nec Tokin Corp | 圧電式加速度センサ |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002181550A (ja) * | 2000-10-02 | 2002-06-26 | Ngk Insulators Ltd | 角速度測定装置 |
JP2003240555A (ja) * | 2002-02-14 | 2003-08-27 | Ngk Insulators Ltd | 振動型ジャイロスコープ用モジュール |
JP2003279355A (ja) * | 2002-03-25 | 2003-10-02 | Murata Mfg Co Ltd | 振動ジャイロおよびそれを用いた電子装置 |
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2004
- 2004-02-06 JP JP2004031273A patent/JP2005221437A/ja active Pending
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