JP2005219934A - 酸化ジルコニウム微粒子懸濁液およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不純物の含有量が少なく且つ優れた分散性を有する酸化ジルコニウム微粒子懸濁液およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 ジルコニウム水溶液をアルカリで中和し、得られた沈殿物をろ過および洗浄し、ミキサーにより溶媒に分散させ、1気圧以上の圧力下において80℃以上の温度で水熱処理した後、高圧ホモジナイザーにより分散させることにより、溶媒中に分散した酸化ジルコニウム微粒子の1次粒子径が10nm以下、2次粒子径が100nm以下であり、ナトリウム、塩素および硝酸などの不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化ジルコニウムの微粒子懸濁液およびその製造方法に関する。
従来、酸化ジルコニア微粒子またはその懸濁液を得る方法として、(1)ジルコニウム塩を含む水溶液をアルカリで中和して水和ジルコニウムを得た後、乾燥および焼成し、溶媒に分散させて酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法(例えば、非特許文献1参照)、(2)ジルコニウム塩を含む水溶液を加水分解して酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法(例えば、非特許文献2参照)、(3)ジルコニウム塩を含む水溶液を加水分解して酸化ジルコニウム懸濁液を得た後、限外ろ過する方法 (例えば、特許文献1参照)、(4)ジルコニウムアルコキシドを加水分解して酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法(例えば、特許文献2参照)、(5)ジルコニウム塩を含む水溶液を水熱の加圧下で加熱処理することにより酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法(例えば、特許文献3および特許文献4参照)などの方法が知られている。
粉体工学便覧(第2版、粉体工学会編)(第561−562頁) Inorg.Chem.(Vol.3、No.1(1964年1月)、146−148頁) 特開昭63−185821号公報(第2−3頁) 特開平4−317414号公報(段落番号0013) 米国特許2,984,628号公報(第1−3欄) 特公昭61−43286号公報(第1−3頁)
非特許文献1に記載されたジルコニウム塩を中和した後に乾燥し焼成する方法では、中和後の水和ジルコニアを洗浄することによってナトリウムおよび塩素の含量を酸化ジルコニウム換算で200ppm以下にすることができ、その後の乾燥、焼成、分散工程を経て、酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得ることができる。しかし、その懸濁液中の酸化ジルコニウム微粒子の2次粒子径を100nm以下まで分散させることは困難であり、酸化ジルコニウム微粒子が容易に沈降してしまい、使用する都度、再度分散させなければ使用できないという問題がある。
また、非特許文献2に記載されたジルコニウム塩を加水分解する方法では、1次粒子径が10nm以下の酸化ジルコニウム微粒子を製造するためには、反応液中の未反応物が多く、収率が良くないという問題がある。このような問題を解消するため、特許文献1に記載されたように、限外ろ過により未反応のジルコニウム塩を除去する方法があるが、この方法は、工業的な大量生産には不向きである。また、特許文献2に記載されたジルコニウムアルコキシドを加水分解する方法は、ジルコニウムアルコキシドの原料が高価であるため、大量生産には不向きである。
さらに、特許文献3および特許文献4に記載されたジルコニウム塩を水熱の加圧下で処理する方法では、1次粒子径が10nm以下の酸化ジルコニウム微粒子の懸濁液を得ることができるが、通常ナトリウムや塩素などの不純物が残留するという問題があり、これらの不純物を限外ろ過により200ppm以下まで除去する方法もあるが、この方法は大量生産には不向きである。
また、例えば、酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を触媒添加剤として用いる場合に、不純物が多いと、不純物が触媒毒として性能の低下をもたらすおそれがあるので、不純物が少ないことが望ましい。また、沈降し易い酸化ジルコニウム微粒子懸濁液は、使用前にその都度分散工程を行う必要があるため、大量生産には不向きであり、そのため、沈降し難く分散性が良い酸化ジルコニウム微粒子懸濁液が求められている。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、不純物の含有量が少なく且つ優れた分散性を有する酸化ジルコニウム微粒子懸濁液およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ジルコニウム水溶液をアルカリで中和した後、得られた沈殿物をろ過および洗浄し、溶媒に分散させ、1気圧以上の圧力下において80℃以上の温度で水熱処理し、その後、分散させることにより、不純物の含有量が少なく且つ優れた分散性を有する酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による酸化ジルコニウム微粒子懸濁液は、溶媒中に分散した酸化ジルコニウム微粒子の1次粒子径が10nm以下、2次粒子径が100nm以下、好ましくは50〜100nmであり、ナトリウム、塩素および硝酸など不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下であることを特徴とする。この酸化ジルコニウム微粒子懸濁液は、イットリウムまたはセリウムの塩または酸化物などからなる安定化剤を含んでもよい。この場合、安定化剤以外の不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下であるのが好ましい。
また、本発明による酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法は、ジルコニウム水溶液をアルカリで中和し、得られた沈殿物をろ過および洗浄し、溶媒に分散させ、1気圧以上の圧力下において80℃以上の温度で水熱処理した後、分散させることを特徴とする。この酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法において、ろ過および洗浄を、沈殿物中のナトリウム、塩素および硝酸などの不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下になるように行うのが好ましい。また、ジルコニウム水溶液に、イットリウムまたはセリウムの塩または酸化物などからなる安定化剤を添加してもよい。この場合、ろ過および洗浄を、安定化剤以外の不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下になるように行うのが好ましい。さらに、熱処理後の分散を高圧ホモジナイザーにより行い、水熱処理前の分散をミキサーにより行うのが好ましい。
本発明によれば、不純物の含有量が少なく且つ優れた分散性を有する酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を製造することができる。
本発明による酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の実施の形態では、溶媒中に分散した酸化ジルコニウム微粒子の1次粒子径が10nm以下、2次粒子径が100nm以下であり、ナトリウム、塩素および硝酸などの不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下である。不純物としてさらにカリウム、アンモニウム、硫酸などを含む場合にも、これらの不純物の含有量の総量は、酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下である。
酸化ジルコニウム微粒子懸濁液では、2次凝集粒子が大きいと沈降し易くなり、2次粒子径が100nmを超えると、限界沈降速度を超えるため、凝集し易くなる。そのため、2次粒子径を100nm以下、好ましくは50〜100nmの範囲にする。また、不純物元素が多いと用途上問題があるため、原料および副原料に含まれる不純物元素が少ないことが望まれる。不純物が200ppmを超えると、電気的安定が崩れる(ζ電位が変化する)ため、凝集し易くなる。また、製造上、水溶性ジルコニア塩を原料とする限り、ジルコニウム以外の塩素や硝酸などが含まれており、中和剤であるナトリウムを含めて不純物元素の含有率を200ppm以下にするためには、酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得る工程において、これらの元素を除去する必要がある。
本発明による酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法の実施の形態では、水溶性ジルコニウム塩を原料としてアルカリで中和し、その懸濁液をろ過して洗浄し、ナトリウム、塩素および硝酸などの不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下の水和ジルコニウムを得た後、その水和ジルコニウムを溶媒に分散させ、80℃以上、1気圧以上の水熱の加圧下で加熱し、その後、分散させることにより、1次粒子径が10nm以下で2次粒子径が50〜100nmの酸化ジルコニウム微粒子の懸濁液を得る。このように、本発明による酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法の実施の形態では、原料であるジルコニウム塩を中和剤で中和した後、上記の処理を行うことにより、酸化ジルコニウム以外の不純物の含有量が少ない酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得る。
この酸化ジルコニウム微粒子懸濁液には、イットリウムまたはセリウムなどの安定化元素の塩、その水溶液またはその酸化物を添加してもよく、その添加方法としては、原料溶液に添加する方法や水熱処理後に添加する方法など特に制限はない。
本明細書中において、「1次粒子径」とは、透過型電子顕微鏡により測定可能な1〜1000nm程度の粒子径をいい、「2次粒子径」とは、レーザー光散乱粒度分布測定装置により測定される体積基準分布の粒子径をいい、累積分布で50%に相当する粒子径をいう。また、本明細書中において、「水和ジルコニウム」とは、水和ジルコニア、水酸化ジルコニウム、結晶性水和ジルコニア、非結晶水和ジルコニアなどをいう。なお、不純物の分析については、ナトリウムは原子吸光、塩素はICP、硝酸はイオンクロマトを用いて分析した。
以下、本発明による酸化ジルコニウム微粒子懸濁液およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
ZrOとして50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整してミキサーで分散させ、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た後、この懸濁液を高圧ホモジナイザーを用いて分散させた。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、塩素の含有量は10ppm以下であった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は72nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したが、1週間放置後でも上澄みと沈殿物が見られなかった。
[実施例2]
ZrOとして50g/Lの濃度の硝酸ジルコニウム溶液を48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整してミキサーで分散させ、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た後、この懸濁液を高圧ホモジナイザーを用いて分散させた。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、硝酸の含有量は120ppmであった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は59nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したが、1週間放置後でも上澄みと沈殿物が見られなかった。
[実施例3]
に換算して2.75モル%(Y換算値とZrO換算値の合計に対するモル%)となるYClを含み且つZrOとして50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を、48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整してミキサーで分散させ、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た後、この懸濁液を高圧ホモジナイザーを用いて分散させた。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、塩素の含有量は10ppm以下であった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は88nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したが、1週間放置後でも上澄みと沈殿物が見られなかった。
[実施例4]
CeOに換算して10モル%(CeO換算値とZrO換算値の合計に対するモル%)となるCeClを含み且つZrOとして50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を、48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整してミキサーで分散させ、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た後、この懸濁液を高圧ホモジナイザーを用いて分散させた。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、塩素の含有量は10ppm以下であった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は84nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したが、1週間放置後でも上澄みと沈殿物が見られなかった。
[実施例5]
ZrOとして50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整してミキサーで分散させ、120℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た後、この懸濁液を高圧ホモジナイザーを用いて分散させた。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、塩素の含有量は10ppm以下であった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は4nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は92nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したが、1週間放置後でも上澄みと沈殿物が見られなかった。
[比較例1]
ZrOとして50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを150℃で24時間乾燥させた後、330℃で3時間焼成した。得られた酸化ジルコニウムを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整し、ジルコニアビーズ(酸化ジルコニウムビーズ)をメディアとしてミルを用いて分散させて酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、塩素の含有量は10ppm以下であった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであったが、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は130nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したところ、1週間放置後の上澄みと沈殿物の境界の高さは全体の30%の高さであった。
[比較例2]
ZrOとして50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を150℃で24時間保持して、酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムおよび塩素の含有量は5000ppm以上であった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は80nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したところ、1週間放置後の上澄みと沈殿物の境界の高さは全体の85%の高さであった。
[比較例3]
ZrOとして50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整してミキサーで分散させた後、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。その後、分散は行わなかった。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、塩素の含有量は10ppm以下であった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は230nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したところ、1週間放置後の上澄みと沈殿物の境界の高さは全体の25%の高さであった。
[比較例4]
ZrOとして50g/Lの濃度の硝酸ジルコニウム溶液を48%苛性ソーダで中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整してミキサーで分散させた後、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。その後、分散は行わなかった。得られた懸濁液を分析した結果、ナトリウムの含有量は2ppm以下、硝酸の含有量は180ppmであった。また、電子顕微鏡観察により測定した1次粒子径は8nmであり、粒度分布測定装置により測定した2次粒子径は270nmであった。さらに、懸濁液の沈降性を評価するために、100mLのメスシリンダーに懸濁液を入れ、静置して沈降を確認したところ、1週間放置後の上澄みと沈殿物の境界の高さは全体の25%の高さであった。
これらの結果を表1〜表3に示す。
Figure 2005219934
Figure 2005219934
Figure 2005219934

Claims (12)

  1. 溶媒中に分散した酸化ジルコニウム微粒子の1次粒子径が10nm以下、2次粒子径が100nm以下であり、不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下であることを特徴とする、酸化ジルコニウム微粒子懸濁液。
  2. 前記不純物がナトリウム、塩素および硝酸の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液。
  3. 安定化剤を含み、この安定化剤以外の不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液。
  4. 前記安定化剤がイットリウムまたはセリウムの塩または酸化物からなることを特徴とする、請求項3に記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液。
  5. 前記2次粒子径が50〜100nmであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液。
  6. ジルコニウム水溶液をアルカリで中和し、得られた沈殿物をろ過および洗浄し、溶媒に分散させ、1気圧以上の圧力下において80℃以上の温度で水熱処理した後、分散させることを特徴とする、酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法。
  7. 前記ろ過および洗浄を、前記沈殿物中の不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下になるように行うことを特徴とする、請求項6に記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法。
  8. 前記ジルコニウム水溶液に安定化剤を添加し、前記ろ過および洗浄を、前記沈殿物中の安定化剤以外の不純物の含有量が酸化ジルコニウムの重量に対して200ppm以下になるように行うことを特徴とする、請求項6に記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法。
  9. 前記不純物がナトリウム、塩素および硝酸の少なくとも1つであることを特徴とする、請求項7または8に記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法。
  10. 前記安定化剤がイットリウムまたはセリウムの塩または酸化物からなることを特徴とする、請求項8に記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法。
  11. 前記水熱処理後の分散が、高圧ホモジナイザーにより行われることを特徴とする、請求項6乃至10のいずれかに記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法。
  12. 前記水熱処理前の分散が、ミキサーにより行われることを特徴とする、請求項6乃至11のいずれかに記載の酸化ジルコニウム微粒子懸濁液の製造方法。

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