JP2005217557A - 高周波電力増幅回路 - Google Patents

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慎 田部井
Fumimasa Morisawa
文雅 森沢
Shoji Suzuki
將司 鈴木
Yusuke Shimamune
祐介 島宗
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Abstract

【課題】 入力信号の振幅を固定して電力増幅用トランジスタのバイアス電圧を変化させて出力電力を制御する無線通信システムにおいて、電源電圧が変化しても増幅素子に流れるバイアス電流が変化せず、安定した出力電力が得られるバイアス制御回路を内蔵した高周波電力増幅回路を提供する。
【解決手段】 電力増幅用トランジスタ(211〜213)にカレントミラー方式でアイドル電流を流してバイアスを与えるバイアス用トランジスタ(Q17)を備え、入力信号の振幅を固定してバイアス制御電圧に応じてバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を変化させて出力電力を制御する高周波電力増幅回路(210)において、電源電圧が高い時はバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を減らし、電源電圧が低い時はバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を増やすようにバイアス制御回路(230)を構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高周波信号を増幅して出力する高周波電力増幅回路さらには電源電圧変動に伴う増幅用トランジスタのアイドル電流変動を抑制するのに適用して有効な技術に関し、例えば携帯電話機に使用される高周波電力増幅回路およびそれを組み込んだ電子部品(パワーモジュール)に利用して有効な技術に関する。
一般に、携帯電話機等の無線通信装置(移動体通信装置)における送信側出力部には、変調後の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路(パワーアンプ)が設けられている。従来の無線通信装置においては、ベースバンド回路もしくはマイクロプロセッサ等の制御回路からの送信要求レベルに応じて高周波電力増幅回路の増幅率を制御するため、高周波電力増幅回路もしくはアンテナの出力電力を検出して検出信号とベースバンドLSIからの送信要求レベル(出力レベル指示信号)に基づいて送信出力の制御信号を生成するAPC(Automatic Power Control)回路と呼ばれる回路から出力される制御電圧によって通話に必要な出力電力となるように、高周波電力増幅回路のバイアス電圧を制御する構成が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、従来、携帯電話機における通信方式の一つにGSM(Global System for Mobile Communication)と呼ばれる方式がある。このGSM方式は、変調方式に搬送波の位相を送信データに応じてシフトするGMSK(Gaussian Minimum Shift Keying )と呼ばれる位相変調方式が用いられている。GSM方式の携帯電話機では位相変調された信号を要求出力レベルに応じて増幅して出力すれば良い。そこで、このGSM方式の通信システムにおいては、一般に、入力信号の振幅を固定してバイアス制御回路で高周波電力増幅回路の各増幅素子のアイドル電流を要求出力レベルに応じて制御して出力電力を制御することが行なわれている。
特開2000−151310号公報
上記従来の高周波電力増幅回路のバイアス制御方式においては、増幅素子に流されるアイドル電流はバイアス制御回路からのバイアス電圧もしくはバイアス電流によって一義的に決まるようになっている。また、高周波電力増幅回路への入力信号の振幅も一定である。一方、携帯電話機においては、十分な出力電力を得るため、リチウム電池のような充電式のバッテリからの電圧を直接増幅素子に印加して増幅動作させるように構成される。
ところが、リチウム電池は充電直後と電池が消耗して再充電が必要なレベルまで放電したときとで電圧レベルが大きく異なる。そのため、従来の高周波電力増幅回路のバイアス制御方式においては、バイアス電圧が一定でも電源電圧が変化すると増幅素子に流れるアイドル電流が変化してしまい所望の出力電力が得られないという課題がある。また、所望の出力電力を保証するには、最低動作補償電圧を高くする必要があり、それには充電開始時機を早くしなくてはならず、一回の充電により動作可能な最大通話時間や最大待受け時間が短くなってしまうという不具合が生じる。
この発明の目的は、入力信号の振幅を固定して電力増幅用トランジスタのバイアス電圧を変化させて出力電力を制御する無線通信システムにおいて、電源電圧が変化しても電力増幅用トランジスタに流れるバイアス電流が変化せず、安定した出力電力が得られるバイアス制御回路を内蔵した高周波電力増幅回路およびそれを用いた高周波電力増幅用電子部品を提供することにある。
この発明の他の目的は、携帯電話機のような電池を電源とする無線通信システムにおいて、一回の充電により動作可能な最大通話時間や最大待受け時間を長くできるようにすることにある。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、電力増幅用トランジスタにカレントミラー方式でアイドル電流を流してバイアスを与えるバイアス用トランジスタを備え、入力信号の振幅を固定してバイアス制御電圧に応じてバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を変化させて出力電力を制御する高周波電力増幅回路において、電源電圧が高い時はバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を減らし、電源電圧が低い時はバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を増やすようにバイアス制御回路を構成した。かかる特性のバイアス制御回路は、例えばバイアス制御電圧に比例した電源電圧依存性のない基準電流を生成する基準電流生成回路と、電源電圧依存性を有する電流を生成する電源電圧変動補償電流生成回路とを設け、上記基準電流と電源電圧変動補償電流とを合成した電流に応じた電流を上記バイアス用トランジスタに流すように構成することで得られる。
上記した手段によれば、電力電源電圧が高くなると電力増幅用トランジスタの電流が増加しようとするが、電力増幅用トランジスタに流すアイドル電流をカレントミラー方式で制御するバイアス用トランジスタに流れるバイアス電流が減少するため、電源電圧が変化しても電力増幅用トランジスタに流れるアイドル電流の増加を抑えることができるようになる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、入力信号の振幅を固定して電力増幅用トランジスタのバイアス電圧を変化させて出力電力を制御する無線通信システムにおいて、電源電圧が変化しても増幅素子に流れるバイアス電流が変化せず、安定した出力電力が得られるバイアス制御回路を内蔵した高周波電力増幅回路およびそれを用いた高周波電力増幅用電子部品を実現することができる。また、本発明に従うと、携帯電話機のような電池を電源とする無線通信システムにおいて、最低動作補償電圧を高くする必要がないため、一回の充電により動作可能な最大通話時間や最大待受け時間を長くできるようになるという効果がある。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した高周波電力増幅器(パワーモジュール200)の実施例を示したものである。本明細書においては、表面や内部にプリント配線が施されたセラミック基板のような絶縁基板に複数の半導体チップとディスクリート部品が実装されて上記プリント配線やボンディングワイヤで各部品が所定の役割を果たすように結合されることであたかも一つの電子部品として扱えるように構成されたものをモジュールと称する。
この実施例のパワーモジュール200は、入力高周波信号Pinを増幅する電力増幅用FET(電界効果トランジスタ)を含む高周波電力増幅部210と、該高周波電力増幅部210の出力電力を検出する出力電力検出回路220と、前記高周波電力増幅部210の各段の電力増幅用FETにバイアス電圧を与えて各FETに流すアイドル電流を制御するバイアス制御回路230と、外部のベースバンド部から供給される出力レベル指示信号Vrampと前記出力電力検出回路220からの検出電圧Vdetとを比較してその電位差に応じた制御電圧Vapcを前記バイアス制御回路230へ与える誤差アンプ(APC回路)250とからなる。
特に制限されるものでないが、この実施例の高周波電力増幅部210は、3個の電力増幅用FET211、212、213を備え、このうち後段のFET212,213はそれぞれ前段のFET211,212のドレイン端子にゲート端子が接続され、全体で3段の増幅回路として構成されている。また、各段のFET211,212,213のゲート端子には、バイアス制御回路230から供給されるゲートバイアス電圧Vb1,Vb2,Vb3が印加され、これらの電圧に応じたアイドル電流が各FET211,212,213にそれぞれ流されるようにされている。
各段のFET211,212,213のドレイン端子には、それぞれインダクタL1,L2,L3を介して図示しないバッテリからの電源電圧Vddが印加されている。初段のFET211のゲート端子と入力端子INとの間には、インピーダンス整合回路241および直流カットの容量素子C1が設けられ、これらの回路及び素子を介して高周波信号PinがFET211のゲート端子に入力される。
初段のFET211のドレイン端子と2段目のFET212のゲート端子との間には、インピーダンス整合回路242および直流カットの容量素子C2が接続されている。また、2段目のFET212のドレイン端子と最終段のFET213のゲート端子との間には、インピーダンス整合回路243および直流カットの容量素子C3が接続されている。そして、最終段のFET213のドレイン端子がインピーダンス整合回路244および容量素子C4を介して出力端子OUTに接続されており、高周波入力信号Pinの直流成分をカットし交流成分を増幅した信号Poutを出力端子OUTより出力する。
出力電力検出回路220は、最終段の電力増幅用EFT213のドレイン端子とモジュールの出力端子OUTとの間に設けられたインピーダンス整合回路244の内部ノードに一方の端子が接続された抵抗Riおよび該抵抗と直列に接続された容量Ciにより取り出された交流信号が入力され、この交流信号を半波整流して電圧に変換して検波電圧Vdetとして出力するように構成される。出力電力検出回路220の回路形式としては種々のものが考えられるので、本実施例では具体的な回路の開示は省略する。
本実施例においては、電力増幅用EFT211〜213として、チップ上で横方向に電極を拡散させたいわゆるLDMOS(Laterally Diffused MOSFET)と呼ばれるMOSトランジスタが用いられている。
なお、この実施例のパワーモジュール200は、特に制限されるものでないが、破線で囲まれた部分が半導体集積回路化されている。すなわち電力増幅部210の各素子(インダクタL1〜L3およびインピーダンス整合回路244を除く)およびバイアス制御回路230の各素子と、出力電力検出回路220の各素子(抵抗Riおよび容量Ciを除く)、直流成分をカットする容量素子C1,C2,C3が、単結晶シリコンのような1個の半導体チップ上に半導体集積回路IC1として構成されている。そして、この半導体集積回路IC1と、電力増幅部210のインダクタL1〜L3と、出力電力検出回路220の入力用の抵抗Riおよび容量Ciとが、1つのセラミック基板上に実装されてパワーモジュールとして構成されている。インピーダンス整合回路241〜244を構成するインダクタは、半導体チップ上、または半導体チップのパッド間に接続されたボンディングワイヤあるいはモジュール基板上に形成されたマイクロストリップラインにより形成することができる。
図2は、バイアス制御回路230の具体的な回路例を示す。
この実施例のバイアス制御回路230は、入力されたバイアス制御電圧Vapcに基づいて基準となるバイアス電流IbiasBを生成する基準電流部231と、生成されたバイアス電流IbiasBを電源電圧Vddに応じて補正する電源電圧補償部232とからなる。
基準電流部231は、非反転入力端子にバイアス制御電圧Vapcが印加された差動アンプAMP1と、電源電圧Vddと接地点との間に直列に接続されたMOSトランジスタQ11および抵抗R11と、MOSトランジスタQ11と同一のゲート電圧をゲートに受けてQ11のドレイン電流に比例した電流を流すMOSトランジスタQ12と、該トランジスタQ12のドレイン電流を転写してバイアス電流IbiasBを生成するトランジスタQ13,Q14からなるカレントミラーとからなる。なお、トランジスタQ11と抵抗R11は、差動アンプAMP1の出力段とみなすことができる。
この実施例の基準電流部231は、トランジスタQ11と抵抗R11との接続ノードの電位V0が差動アンプAMP1の反転入力端子にフィードバックされることにより、V0をバイアス制御電圧Vapcに一致させるような基準電流IrefがMOSトランジスタQ11に流される。そして、トランジスタQ11とQ12のゲート幅が所定のサイズ比となるように形成されることにより、Q12にはIrefに比例した定電流IbiasAが流され、これがQ13,Q14からなるカレントミラーで転写され、電源電圧補償部232から基準電流Irefに比例したバイアス電流IbiasBを引き込むようにされている。
電源電圧補償部232は、上記トランジスタQ14のドレイン端子と電源電圧Vddとの間に接続されたトランジスタQ15と、該トランジスタQ15とゲート共通接続されてカレントミラーを構成するトランジスタQ16と、該トランジスタQ16と直列に接続されたトランジスタQ17とを備えている。このトランジスタQ17は、ゲート端子が増幅用トランジスタ211〜213のゲート端子に抵抗R12を介して接続されることにより、カレントミラー方式で増幅用トランジスタ211(212,213)にアイドル電流Iidleを流すように構成されている。なお、このバイアス用トランジスタQ17のゲート端子には接地点との間に、上記抵抗R12と共にロウパスフィルタを構成する容量C0が接続されており、トランジスタ211(212,213)のゲート端子に印加される入力高周波信号Pinの交流成分がQ17のゲートに漏れてQ17に流れるバイアス電流IbiasCが変動するのを抑制するようにされている。
また、電源電圧補償部232には、上記トランジスタQ17のゲート電圧がゲート端子に印加され、ドレイン端子が抵抗R13,R14を介して電源電圧Vddに接続されたトランジスタQ18と、抵抗R13,R14の接続ノードにゲート端子が接続されソース端子が電源電圧Vddに接続されたPチャネルトランジスタQ19とが設けられ、このトランジスタQ19のドレイン端子が前記基準電流部231のトランジスタQ14のドレイン端子に接続されている。これにより、前記基準電流部231のトランジスタQ14により引き込まれるバイアス電流IbiasBからトランジスタQ19のドレイン電流I2を引いた差分の電流I1(=IbiasB−I2)がトランジスタQ15に流されるようにされている。
なお、紙面の都合で詳しい図示を省略するが、増幅用トランジスタ212,213に対応して、図2に破線で示すような上記トランジスタQ16と並列に接続されたトランジスタQ21,Q22と、該トランジスタQ21,Q22と直列に接続されたトランジスタが設けられる。このトランジスタは、ゲート端子が増幅用トランジスタ212,213のゲート端子に抵抗を介して接続されることにより、およびこれらとそれぞれ直列に接続され抵抗を介して増幅用トランジスタ212,213とゲート共通接続されたトランジスタが設けられ、トランジスタQ15のドレイン電流I1に比例したアイドル電流Iidleをカレントミラー方式で増幅用トランジスタ212,213にそれぞれを流すように構成されている。
次に、本実施例のバイアス制御回路230の特性と作用を、図3〜図7のグラフを用いて説明する。
基準電流部231においては、差動アンプAMP1の作用によりバイアス制御電圧Vapcに応じた基準電流Irefが流され、カレントミラー回路で基準電流Irefに比例したバイアス電流IbiasBが生成されるため、図3に示すように、引き込みバイアス電流IbiasBはバイアス制御電圧Vapcに比例した電源電圧依存性のない電流となる。一方、電源電圧補償部232では、電源電圧Vddを抵抗R13,R14で分圧した電圧がトランジスタQ19のゲート端子に印加されるため、Q18が引き込むVddによって変化する電流I0とR13による電圧降下した電圧がQ19のゲート端子に印加される。そのため、Q19のドレイン電流(補償電流)I2は電源電圧Vddが変化すると変化し、図4に示すように、電源電圧依存性のある電流となる。
その結果、カレントミラー・トランジスタQ16に流れるバイアス電流IbiasCは、図5に示すようになる。なお、図5において、曲線Hは電源電圧が高いときのバイアス電流特性、曲線Lは電源電圧が低いときのバイアス電流特性、曲線Mは電源電圧が中間のときのバイアス電流特性である。かかるバイアス電流IbiasCの変化と電源電圧Vddの変化に応じてバイアス用トランジスタQ17のゲートバイアス電圧Vbiasは図6のようになる。さらに、このようなバイアス電圧Vbiasがゲート端子に印加されることにより、増幅用トランジスタ211に流されるアイドル電流Iidleの変動が小さくされる。
具体的には、基準電流部231のバイアス電流IbiasBが一定の状態で、電源電圧補償部232において電源電圧Vddが高くなると、トランジスタQ17および増幅用トランジスタ211(212,213)のゲート電圧が高くなって増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleは増加しようとするが、Q17のゲート電圧が高くなるとトランジスタQ18に流れる電流I0が多くなって抵抗R13の電圧降下量が大きくなってトランジスタQ19の電流I2が増加する。トランジスタQ17のゲート電圧は、IbiasCがVddに依存しないため一定となっており、ドレインソース間電圧も同様に一定となっている。それに対し、増幅用トランジスタ211(212,213)では、ゲート電圧はQ17と同じく一定であるが、ドレインソース間電圧はVddとなっているため高くなる。このことにより、増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleは増加しようとするが、Q18に流れるI0が211同様に多くなって、抵抗R13の電圧降下量が大きくなってトランジスタQ19の電流I2が増加する。これにより、トランジスタQ15の電流さらにはQ17のバイアス電流IbiasCが減少し、カレントミラーが増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleが減少するようになる。
また、電源電圧Vddが低くなると、トランジスタQ17および増幅用トランジスタ211(212,213)のゲート電圧が低くなって増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleは減少しようとするが、Q17のゲート電圧が低くなるとトランジスタQ18に流れる電流I0が少なくなってトランジスタQ19の電流I2が減少し、Q15の電流さらにはQ17のバイアス電流IbiasCが増加し、カレントミラーが増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleが増加するようになる。トランジスタQ17ではゲート電圧、ドレインソース間電圧は一定であるのに対し、増幅用トランジスタ211(212,213)では、ゲート電圧はQ17と共通のため一定だが、ドレインソース間電圧はVddのため減少する。このことにより増幅用トランジスタ211のアイドル電流は減少しようとするが、Q18のI0も211同様に減少するため、抵抗R13の電圧降下量が小さくなってトランジスタQ19の電流I2が減少する。これにより、トランジスタQ15の電流さらにはQ17のバイアス電流IbiasCが増加し、カレントミラーが増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleが増加するようになる。その結果、バイアス制御電圧Vapcの変動範囲全体にわたって、電源電圧変動に伴うアイドル電流Iidleの変化量が小さくなる。
図7(A)には、電源電圧補償部232がなく基準電流部231からのバイアス電流IbiasBで増幅用トランジスタ211〜213がバイアスされる高周波電力増幅回路におけるアイドル電流Iidleの電源電圧が高いときと中間のときと低いときの特性がそれぞれ実線H’,M’,L’で、また図7(B)には、電源電圧補償部232を設けた実施例のバイアス制御回路230を用いた高周波電力増幅回路におけるアイドル電流Iidleの各特性が実線H,M,Lで示されている。
同図より、実施例のバイアス制御回路230においては、バイアス制御電圧Vapcが低い領域では電源電圧Vddが高いほど増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleが若干多くなり、バイアス制御電圧Vapcが高い領域では電源電圧Vddが高いほど増幅用トランジスタ211のアイドル電流Iidleが若干多くなるが、低い領域,高い領域、全域でVddが高いときほど増幅用トランジスタ211のアイドル電流が多くなるが、本実施例を適用することにより、バイアス制御電圧Vapcに応じて増幅用トランジスタ211〜213(212,213)に流されるアイドル電流のVddの変動に対するばらつきが小さくなることが分かる。
図8は、前記実施例のパワーモジュールを適用して有効な無線通信システムの一例として、GSMとDCSの2つの通信方式の無線通信が可能なシステムの概略の構成を示す。
図8において、ANTは信号電波の送受信用アンテナ、100はGSMやDCSのシステムにおけるGMSK変調や復調を行なうことができる変復調回路や送信データ(ベースバンド信号)に基づいてI,Q信号を生成したり受信信号から抽出されたI,Q信号を処理する回路を有する高周波信号処理回路(ベースバンド回路)110や受信信号を増幅するロウノイズアンプLNA1,LNA2等が1つの半導体チップ上に形成されてなる高周波信号処理用半導体集積回路(ベースバンドIC)と送信信号から高調波成分を除去するバンドパスフィルタBPF1,BPF2、受信信号から不要波を除去するバンドパスフィルタBPF3,BPF4などが1つのパッケージに実装されてなる電子デバイス(以下、RFデバイスと称する)である。Tx‐MIX1,Tx-MIX2は各々GSMとDCSの送信信号をアップコンバートするミキサ、Rx‐MIX1,Rx-MIX2は各々GSMとDCSの受信信号をダウンコンバートするミキサである。
また、図8において、200はベースバンドIC100から供給される高周波信号を増幅する前記実施例のパワーモジュール、300は送信信号に含まれる高調波などのノイズを除去するフィルタLPF1,LPF2、GSMの信号とDCSの信号を合成したり分離したりする分波器DPX1,DPX2、送受信の切替えスイッチT/R−SWなどを含むフロントエンド・モジュールである。
図8に示されているように、この実施例では、ベースバンドIC110からバイアス制御回路230に対してGSMかDCSかを示すモード選択信号VBANDが供給され、バイアス制御回路230はこの制御信号VBANDに基づいて、モードに応じたバイアス電流を生成しパワーアンプ210aと210bのいずれかに供給する。また、ベースバンドIC110からパワーモジュール200内のAPC回路(誤差アンプ)250へ出力レベル指示信号Vrampが供給され、APC回路(誤差アンプ)250は出力レベル指示信号Vrampと出力電力検出回路220からの検出電圧Vdetとを比較してバイアス制御回路230対する出力制御信号Vapcを生成し、バイアス制御回路230は出力制御信号Vapcに応じてパワーアンプ210a,210bのゲインを制御し、これに応じてパワーアンプ210a,210bの出力電力が変化するように制御される。
なお、図8には示されていないが、上記デバイスやモジュール以外に、RFデバイス100に対する制御信号やパワー制御信号PCSの基になる出力レベル指示信号を生成してシステム全体を制御するマイクロプロセッサ(CPU)を設けるようにしても良い。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば前記実施例の高周波電力増幅回路では、電力増幅FETを3段接続しているが、2段構成としたり、4段以上の構成としても良い。
また、前記実施例では、電力増幅素子211〜213として、LDMOSが使用されているが、通常のCMOSプロセスで形成されるMOSFETやバイポーラ・トランジスタ、GaAsMESFET、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)等他のトランジスタを用いても良い。ただし、その場合、バイアス用トランジスタQ17も増幅用トランジスタ211〜213と同一の素子で構成するのが望ましい。
さらに、前記実施例では、ベースバンド部からの出力レベル指示信号Vrampと出力電力検出回路220からの検出電圧Vdetとを比較してバイアス制御回路230へ出力制御電圧Vapcを生成する誤差アンプ(APC回路)250が電力増幅回路210や出力電力検出回路220と同一の半導体チップ上に形成されている場合を説明したが、誤差アンプ(APC回路)250は別個の半導体チップ上に形成されていても良い。
また、前記実施例では、出力電力検出回路220が電力増幅回路210と同一の半導体チップ上に形成されている場合を説明したが、チップ外部に設けられたカプラおよび検波回路で出力電力を検出するようにしたパワーモジュールにも適用することができる。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるGSMとDCSの2つの通信方式による送受信が可能なデュアルモードの無線通信システムを構成するパワーモジュールに適用した場合を説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、他の通信方式や、GMSとDCSとPCS(Personal Communications System)など3以上の通信方式による送受信が可能なマルチモードの携帯電話機や移動電話機などの無線通信システムを構成するパワーモジュールあるいは無線LAN用の高周波電力増幅回路およびパワーモジュールに利用することができる。
本発明に係るバイアス制御回路およびそれを適用した高周波電力増幅器(パワーモジュール)の実施例を示す回路構成図である。 バイアス制御回路の具体的な回路例を示す回路構成図である。 実施例のバイアス制御回路のバイアス制御電圧Vapcと基準電流部の出力電流(引き込み電流)IbiasBとの関係を示すグラフである。 実施例のバイアス制御回路におけるバイアス制御電圧Vapcと電源変動補償電流I2との関係を示すグラフである。 実施例のバイアス制御回路におけるバイアス制御電圧Vapcとバイアス電流IbiasCとの関係を示すグラフである。 実施例のバイアス制御回路におけるバイアス制御電圧Vapcと増幅用トランジスタに印加されるバイアス電圧Vbiasとの関係を示すグラフである。 (A)は従来のバイアス制御回路を用いた場合におけるバイアス制御電圧Vapcと増幅用トランジスタに流されるアイドル電流Iidleとの関係を示すグラフ、(B)は実施例のバイアス制御回路を用いた場合におけるバイアス制御電圧Vapcと増幅用トランジスタに流されるアイドル電流Iidleとの関係を示すグラフである。 本発明のパワーモジュールを適用したGSMとDCSの2つの通信方式の無線通信が可能なシステムの概略の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 RFデバイス
110 ベースバンド回路
200 パワーモジュール
210,210a,210b 高周波電力増幅回路
211,212,213 電力増幅用FET
220 出力電力検出回路
230 バイアス制御回路
231 基準電流生成部
232 電源電圧補償部
241〜244 インピーダンス整合回路
250 誤差アンプ(APC回路)
300 フロントエンド・モジュール

Claims (5)

  1. 電力増幅用トランジスタと該電力増幅用トランジスタにカレントミラー方式でアイドル電流を流してバイアスを与えるバイアス用トランジスタを含むバイアス制御回路とを備え、バイアス制御電圧に応じてバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を変化させて出力電力を制御する高周波電力増幅回路であって、前記バイアス制御回路は、電源電圧が高い時はバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を減らし、電源電圧が低い時はバイアス用トランジスタに流すバイアス電流を増やすように構成されていることを特徴とする高周波電力増幅回路。
  2. 前記バイアス制御回路は、バイアス制御電圧に比例した電源電圧依存性のない基準電流を生成する基準電流生成回路と、電源電圧依存性を有する電流を生成する電源電圧変動補償電流生成回路とを備え、上記基準電流と電源電圧変動補償電流とを合成した電流に応じた電流を上記バイアス用トランジスタに流すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波電力増幅回路。
  3. 前記電源電圧変動補償電流生成回路は、前記バイアス用トランジスタと同一の制御電圧が制御端子に印加された第1のトランジスタと、電源電圧端子間に前記第1のトランジスタと直列に接続された抵抗と、該抵抗により変換された電圧が制御端子に印加された第2のトランジスタとを含んで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波電力増幅回路。
  4. 前記バイアス用トランジスタの制御端子は、前記電力増幅用トランジスタの制御端子に抵抗を介して接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波電力増幅回路。
  5. 出力レベル指示信号と出力電力検出信号とに基づいて前記バイアス制御電圧を生成して前記バイアス制御回路に供給するパワー制御回路を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周波電力増幅回路。
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