JP2006270287A - 高周波電力増幅回路 - Google Patents

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Satoru Matsuyama
覚 松山
Fumiaki Chiba
文昭 千葉
Hiroyuki Nagai
浩之 長井
Hirokazu Tsurumaki
宏和 弦巻
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Abstract

【課題】 出力電力を検出してフィードバック制御を行なう無線通信システムにおいて、製造ばらつきにより増幅素子の特性がばらついても安定した高周波電力増幅特性を得ることができる高周波電力増幅回路を提供する。
【解決手段】 少なくとも最終段の電力増幅用素子(211)を直列形態の2つの電界効果トランジスタにより構成し、該2つの電界効果トランジスタの一方の制御端子に増幅されるべき高周波信号を入力して共通ソース・ドレイン端子から出力信号を取り出すとともに、該出力信号を抵抗素子(Ri)を介して前記出力電力検出回路(220)の検波用トランジスタの制御端子に入力させるように構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話機等の無線通信システムに使用され高周波の送信信号を増幅して出力する高周波電力増幅回路さらには増幅素子としてFET(電界効果トランジスタ)を使用した高周波電力増幅回路に適用して有効な技術に関する。
一般に、携帯電話機等の無線通信装置(移動体通信装置)における送信側出力部には、変調後の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路が設けられている。従来の無線通信装置においては、ベースバンド回路もしくはマイクロプロセッサ等の制御回路からの送信要求レベルに応じて高周波電力増幅回路の増幅率を制御するため、高周波電力増幅回路もしくはアンテナの出力電力を検出して帰還をかけることが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。そして、出力電力の検出は、従来は一般に、カプラや検波回路などを使用して行なっており、検波回路は高周波電力増幅回路とは別個の半導体集積回路またはディスクリートの部品で構成されることが多い。
特開2000−151310号公報 特開2004−328555号公報
カプラを使用した従来の高周波電力増幅回路の出力電力検出方式にあっては、カプラ自身の大きさもさることながら、その検出出力を検波するためダイオードが必要であり、高周波電力増幅回路とは別の半導体集積回路や電子部品を数多く使用しているため、モジュールの小型化を困難になっていた。また、カプラを使用すると、電力損失も比較的大きいという不具合がある。さらに、出力電力の検出感度を上げるため、ある一定のバイアス電圧を検出回路内部に印加しなくてはならないことがあり、その場合には電圧の設定を個々の素子のばらつきに応じて外部より調整しなければならず、セットメーカの負担が大きいという問題がある。
無線通信システムにおける高周波電力増幅回路の出力電力検出回路に要求される特性のうち、特に重要な特性は次の5点である。第1に小型であること、第2に高感度であること、第3に挿入損失が低いこと、第4に電源電圧変動や温度変化など使用環境の変化の影響を受けにくいこと、第5に実際の電力増幅回路の出力状態とフィードバック制御による出力制御とのミスマッチにより電力増幅回路に異常な電流が流れたりそれによって電力増幅回路が破壊されたりしないこと、である。
また、上記のほかに、高周波電力増幅器全体として要求される特性として、高効率で低消費電力であること、製造ばらつきに依存しない安定した特性を有すること、がある。従来のカプラを用いた検出方式は、上記第2と第4および第5の特性については、ほぼ要求を満たすものであったが、第1の小型化と第3の低挿入損失に関しては、充分に要求を満たすものではなかった。
そこで、本出願人は、カプラを使用しない高周波電力増幅回路の出力電力の検出方式として、高周波電力増幅回路の最終増幅段の後段に接続されたインピーダンス整合回路の途中から容量素子を介して出力電力の交流成分を取り出して出力電力検出回路で検出するようにした発明をなし、先に出願した(特許文献2)。
この先願発明にかかる出力電力検出回路は、カプラを使用する検出方式に比べて小型化や低挿入損失に関しては有利であるが、カレントミラー回路や減算回路などを使用しているため、チップ面積の低減および消費電力の抑制という点に関しては充分に要求を満たすものではなかった。また、出力電力検出回路を高周波電力増幅回路の最終段の増幅素子とは別の半導体チップ上に形成してフィードバック制御を行なうため、製造ばらつきにより増幅素子の特性と検出回路の特性のマッチングをとるのが困難であるという課題があることが明らかとなった。
本発明の目的は、出力電力を検出してフィードバック制御を行なう無線通信システムにおいて、製造ばらつきにより増幅素子の特性がばらついても安定した高周波電力増幅特性を得ることができる高周波電力増幅回路を提供することにある。
本発明の他の目的は、出力電力を検出してフィードバック制御を行なう無線通信システムにおいて、出力電力検出回路を簡素化してチップサイズ低減し小型化および低消費電力化を図ることができる高周波電力増幅回路を提供することにある。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明の高周波電力増幅回路は、電力増幅用素子を備え高周波信号を増幅する電力増幅回路と、検波用トランジスタを備え前記電力増幅回路の出力電力のレベルを検出する出力電力検出回路と、該出力電力検出回路の検出信号と外部から供給される出力レベル指示信号との差に応じた出力電力制御電圧を生成する誤差増幅回路と、前記出力電力制御電圧に応じて前記電力増幅用素子の制御端子に与えるバイアス電圧を生成するバイアス回路とを備える。本発明は、かかる高周波電力増幅回路において、少なくとも最終段の電力増幅用素子を直列形態の2つの電界効果トランジスタにより構成し、該2つの電界効果トランジスタの一方の制御端子に増幅されるべき高周波信号を入力して共通ソース・ドレイン端子から出力信号を取り出すとともに、該出力信号を抵抗素子を介して前記出力電力検出回路の検波用トランジスタの制御端子に入力させるように構成したものである。
上記した手段によれば、出力電力検出回路の検波用トランジスタの動作点を与えるバイアス電圧を生成する回路や検波出力から該バイアス電圧を引いてバイアス電圧の影響をなくす減算回路等が不要になる。そのため、出力電力検出回路を簡略化し、高周波電力増幅回路ひいてはそれを実装したモジュールの小型化を図ることができる。
ここで、望ましくは、前記2つの電界効果トランジスタは、2つのチャネル領域およびゲート電極を有しバックゲート領域を共通にするとともに前記2つのチャネル領域間に共通ソース・ドレイン領域を有する2ゲート型トランジスタにより構成する。これにより、増幅素子のサイズを小さくすることでき、よりいっそう高周波電力増幅回路およびモジュールの小型化を図ることができる。
また、本願の他の発明は、電力増幅用素子を備え高周波信号を増幅する電力増幅回路と、出力電力制御電圧に応じて前記電力増幅用素子の制御端子に与えるバイアス電圧を生成するバイアス回路とを備えた高周波電力増幅回路において、少なくとも初段の電力増幅用素子を直列形態の2つの電界効果トランジスタにより構成し、該2つの電界効果トランジスタのうち一方のトランジスタの制御端子に増幅されるべき高周波信号を入力して共通ソース・ドレイン端子から出力信号を取り出すようにしたものである。ここで、望ましくは、前記共通ソース・ドレイン端子と他方の電界効果トランジスタのドレイン端子との間に容量素子を接続する。
上記した手段によれば、共通ソース・ドレイン端子から出力信号を取り出すため、直列形態の2つの電界効果トランジスタのうち増幅されるべき高周波信号が入力されない側のトランジスタのオン抵抗がばらついてもその影響を小さくすることができる。また、容量素子を接続することにより、初段の電力増幅用素子の出力信号の振幅中心レベルを高くして出力振幅が低下したり出力信号の波形が歪んだりするのを防止することができる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、出力電力を検出してフィードバック制御を行なう無線通信システムにおいて、製造ばらつきにより増幅素子の特性がばらついても安定した高周波電力増幅特性を得ることができるとともに、出力電力検出回路を簡素化してチップサイズ低減し小型化および低消費電力化を図ることができる高周波電力増幅回路を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した高周波電力増幅器(以下、パワーモジュールと称する)の一実施例を示したものである。なお、本明細書においては、表面や内部にプリント配線が施されたセラミック基板のような絶縁基板に複数の半導体チップとディスクリート部品が実装されて上記プリント配線やボンディングワイヤで各部品が所定の役割を果たすように結合されることであたかも一つの電子部品として扱えるように構成されたものをモジュールと称する。
この実施例のパワーモジュール200は、入力高周波信号Pinを増幅する電力増幅用FET(電界効果トランジスタ)213を含む高周波電力増幅部210と、該高周波電力増幅部210の出力電力を検出する出力電力検出回路220と、前記高周波電力増幅部210の電力増幅用FET213にバイアス電圧を与えて各FETに流すアイドル電流を制御するバイアス回路230と、外部のベースバンド部から供給される出力レベル指示信号Vrampと前記出力電力検出回路220からの検出電圧Vdetとを比較してその電位差に応じた出力電力制御電圧Vapcを前記バイアス回路230へ与える誤差アンプ(APC回路)240とからなる。
図1の実施例では、高周波電力増幅部210が1つの電力増幅用FET213のみから構成されているものが示されているが、2個あるいは3個の電力増幅用FETを従属接続、すなわち前段のFETのドレイン端子に容量素子を介して後段のFETのゲート端子を接続してなる多段構成の増幅回路として構成される。
また、この実施例の高周波電力増幅部210は、少なくとも最終段のFET213が1つのウェル領域に2つのチャネル領域を有するつまりバックゲート領域を共通にするとともに、2つのチャネル領域間に共通ソース・ドレイン領域を有する直列形態の2つのMOSFET(以下、デュアルゲートFETと称する)により構成されている。ただし、上段EFT(Q3_1)のゲート長は下側FET(Q3_2)のゲート長よりも充分に長くなるように設計される。そして、上段EFT(Q3_1)と下側FET(Q3_2)の中点が、直流電圧を遮断する容量素子C4を介して出力端子OUTに接続されている。
また、上段EFT(Q3_1)のドレイン端子がインダクタL3を介して電源電圧端子Vddに接続されている。これとともに、上段EFT(Q3_1)と下側FET(Q3_2)の中点の電位が、抵抗Riを介して出力電力検出回路220を構成する検波用MOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)Q1のゲート端子に入力されている。これにより、検波用MOSFET Q1には出力電力Poutに比例した電流が流される。
出力電力検出回路220は、上記検波用MOSFET Q1と、電源電圧端子Vddとの間にQ1と直列に接続されたMOSFET Q2およびQ2とゲート端子同士が結合されたMOSFET Q3と、Q3に流れる電流を電圧に変換するインダクタ(もしくは抵抗)L0とから構成されている。MOSFET Q2はゲートとドレインが結合されたダイオード接続とされることにより、Q2とQ3はカレントミラー回路を構成し、Q2にはQ1のドレイン電流と同一の電流が流れ、Q3にはQ2とQ3のサイズ比に応じた電流が流れるように構成されている。
これにより、出力電力検出回路220からは出力電力Poutに比例した検出電圧Vdetを出力させることができる。しかも、実施例の出力電力検出回路220は、検波用MOSFET Q1のゲート端子に下側FET(Q3_2)のドレイン電圧が抵抗を介して入力される形態である。そのため、容量素子を介して検波用MOSFETのゲート端子に検波出力を受ける特許文献2等に記載の出力電力検出回路のように検波用MOSFETに動作点を与える回路や出力電圧からバイアス電圧分を差し引く減算回路が不要であり、検出回路を簡略化することができる。
さらに、本実施例においては、増幅用トランジスタ213として、チップ上で横方向に電極を拡散させたいわゆるLDMOS(Laterally Diffused MOSFET)と呼ばれる比較的高いソース・ドレイン間耐圧を有するMOSFETが用いられている。出力電力検出回路220の検波用MOSFET Q1は、増幅用トランジスタ213と同じ半導体チップIC1上に形成された同一素子構造のLDMOSにより構成されている。
これにより、増幅用トランジスタ213が製造ばらつきでその特性がばらついたとしても検波用トランジスタQ1が同じようにばらつくことで検出電圧Vdetの精度を高めることができる。また、検波用MOSFET Q1は増幅用トランジスタ213と同じ温度特性を持つこととなるため、温度が変化しても正確な出力電力の検出が可能となる。ただし、Q1のサイズ(ゲート幅)は増幅用トランジスタ213よりも充分に小さい。そのため、Q1に流れる電流は少なく、検出回路220の消費電力も少ない。
カレントミラー回路を構成するトランジスタQ2,Q3および電流−電圧変換用インダクタL0は、検波用MOSFET Q1と別個の半導体チップIC2上に形成される。誤差アンプ240はカレントミラー回路(Q2,Q3)と同一の半導体チップIC2上に形成されてもよいし、さらに別個の半導体チップ上に形成しても良い。バイアス回路230は増幅用トランジスタ213と同じ半導体チップIC1上に形成されてもよいし、誤差アンプ240とともにカレントミラー回路(Q2,Q3)と同一の半導体チップIC2上に形成されてもよい。
バイアス回路230は誤差アンプ240から供給される出力電力制御電圧Vapcを例えば抵抗で分圧することによって、デュアルゲートFETからなる増幅用トランジスタ213の上段EFT(Q3_1)と下側FET(Q3_2)のゲート端子にそれぞれ印加されるバイアス電圧Vb3_1,Vb3_2を生成して印加する。これにより、増幅用トランジスタ213にはバイアス電圧Vb3_1,Vb3_2に応じたアイドル電流が流されるようにされている。なお、バイアス電圧Vb3_1,Vb3_2のうちVb3_2は抵抗R33を介して下側FET(Q3_2)のゲート端子に印加される。抵抗R33を設けているのは、入力高周波信号Pinがバイアス回路230に回り込むことによって、バイアス電圧Vb3_1,Vb3_2がPinの影響を受けて変動しないようにするためである。
この実施例の高周波電力増幅器においては、少なくとも最終段の増幅用トランジスタ213をデュアルゲートのFETとし、上段EFT(Q3_1)と下側FET(Q3_2)のゲート端子をそれぞれ異なるバイアス電圧Vb3_1,Vb3_2で制御することができるため、出力電力やノイズ等に関して、シングルゲートのFETの場合よりもより精密な制御が行なえるという利点がある。
この実施例においては、誤差アンプ240からの出力電力制御電圧Vapcがバイアス電圧Vb3_1として上段EFT(Q3_1)のゲートに印加される一方、下側FET(Q3_2)のゲート端子には出力電力制御電圧Vapcを、図示しないブリーダ抵抗で分割した電圧がバイアス電圧Vb3_2として印加されるようにしている。具体的には、Vb3_1:Vb3_2が1.3:1となるように、ブリーダ抵抗の抵抗比が設定されている。
図2には、Vapcをそのままバイアス電圧Vb3_1として上段EFT(Q3_1)のゲート端子に印加するとともに、Vb3_1(=Vapc)を一定にした状態で下側FET(Q3_2)のゲート端子のバイアス電圧Vb3_2を変化させたときのトランジスタ213の性能を表わす"gm"(伝達コンダクタンス)を計算して、そのうち代表としてVb3_1=1.3V,1.43V,1.56VのときのVb3_2−gm特性を示したものである。また、図2において一点鎖線はVb3_1に対してVb3_1:Vb3_2が1.3:1となるVb3_2の値を結んだ線である。
図2を参照するとVb3_1:Vb3_2が1.3:1となるときのVb3_2のポイントは、そのときのVb3_1に対して"gm"が最も大きくなるポイント"●"に近いことが分かる。これより、上記のように、Vb3_1:Vb3_2が1.3:1となるように上段EFT(Q3_1)と下側FET(Q3_2)のゲートバイアス電圧Vb3_1,Vb3_2を設定すれば、デュアルゲートFETをその"gm"が最大となるポイントに近いポイントで動作させることができる。
なお、上段EFT(Q3_1)のゲート端子に印加するバイアス電圧Vb3_1は、VapcそのものではなくVapcをブリーダ抵抗で分圧したVapcに比例した電圧(ただしVb3_1>Vb3_2)であっても良い。つまり、トランジスタ213の上段EFT(Q3_1)のゲートバイアス電圧Vb3_1と下側FET(Q3_2)のゲートバイアス電圧Vb3_2の比が、出力電力制御電圧Vapcに対して一定であればよい。
図3は、図1に示す第1の実施例のパワーモジュールの変形例の要部を示したものである。この変形例は、図1におけるデュアルゲートFETからなる増幅用トランジスタ213を、並列接続のトランジスタ213a,213bにより構成し、トランジスタ213aの下段EFT(Q3a_2)とトランジスタ213bの下側FET(Q3b_2)のゲート端子には増幅したい入力高周波信号Pinを印加する。一方、トランジスタ213aの上段EFT(Q3a_1)とトランジスタ213bの上側FET(Q3b_1)のゲート端子には、バイアス回路230からそれぞれ異なるバイアス電圧Vb1とVb2を印加するようにしたものである。出力電力検出回路220や誤差アンプ240の図示は省略してある。
この変形例によれば、上段EFT(Q3a_1)と(Q3b_1)を別個のバイアス電圧で別々に制御することができる。微細化プロセスを用いてゲート長の小さなFETを増幅用トランジスタ213として用いる場合、僅かなゲート電圧の変化でドレイン電流を大きく変化させることができる一方、製造ばらつきでゲート長がばらつくことによってもドレイン電流が大きく変化してしまう。そこで、この変形例のように、上段EFT(Q3a_1)と(Q3b_1)を別個のバイアス電圧で別々に制御するようにすれば、ドレイン電流の調整が可能になる。また、上段EFT(Q3a_1)と(Q3b_1)を別個のバイアス電圧Vb1とVb2で別々に制御することにより、下段EFT(Q3a_2)と(Q3b_2)の負荷インピーダンスが一定になるように制御することが容易となる。
ところで、上段EFT(Q3a_1)と(Q3b_1)を別個のバイアス電圧Vb1とVb2で別々に制御するようにするとバイアス回路230が複雑な回路になる。そこで、このバイアス電圧Vb1とVb2のうち一方は、前記実施例と同様に誤差アンプ240からの出力電力制御電圧Vapcに応じて変化させるとともに、他方は固定の電圧とすることでバイアス回路230を簡素化することができる。
なお、増幅用トランジスタ213として使用されるパワーMOSFETのようなサイズの大きなMOSFETは、1つの半導体チップ上に数1000〜数10000個の単位MOSFETを並べて形成しておく。そして、それらのゲート同士とドレイン同士とソース同士をそれぞれ配線パターンもしくは電極により相互に結合することによってあたかも1つのFETとして動作するように構成したものが提供されている。そのようなパワーMOSFETを使用する場合、数1000〜数10000個の単位MOSFETを所定の比率になるように2つのグループに分け、それぞれのグループの単位MOSFETを並列結合したものを、上記並列トランジスタ213a,213bとして用いるようにすることができる。
さらに、増幅用トランジスタ213が上記のような数1000〜数10000個の単位MOSFETからなる場合には、図3の破線SELのような個所にセレクタを設けて、バイアス電圧Vb1を印加するFETとVb2を印加するFETの比率を変えることで、製造ばらつきによる出力制御感度のずれの調整を行なうように構成すれば、比較的容易に調整を行うことが可能になる。
図4には、本実施例を初段の増幅用トランジスタ211に適用したものが示されている。図4に示されているように、増幅用トランジスタ211は、図1の最終段の増幅用トランジスタ213と同様に、バックゲート領域を共通にするとともに、2つのチャネル領域間に共通ソース・ドレイン領域を有する直列形態の上段EFT(Q1_1)と下側FET(Q1_2)とからなるデュアルゲートFETにより構成されている。ただし、ゲート幅は最終段の増幅用トランジスタ213よりも小さく形成される。
そして、上段EFT(Q1_1)と下側FET(Q1_2)の中点から出力が取り出されて、直流電圧を遮断する容量素子C2を介して次段の増幅用トランジスタ(FET)の制御端子(ゲート端子)に供給されるように構成されている。また、上段EFT(Q1_1)のドレイン端子がインダクタL1を介して電源電圧端子Vddに接続され、Q1_1とQ1_2のドレイン電流が供給される。これにより、下側FET(Q1_2)により増幅された高周波信号の交流成分のみが次段の増幅用トランジスタに供給される。
さらに、この実施例においては、上段EFT(Q1_1)と下側FET(Q1_2)のゲート端子が、バイアス回路230からのバイアス電圧Vb1_1,Vb_2によって出力電力制御電圧Vapcに応じてそれぞれ最適な動作条件となるように制御される。上段EFT(Q1_1)と下側FET(Q1_2)の中点から出力が取り出されることによって、上段EFT(Q1_1)のオン抵抗がバイアス電圧Vb1_1や製造ばらつきで変化したとしても、その影響を受けない増幅信号を次段の増幅用トランジスタに供給できるという利点がある。
図5は、本発明を適用したパワーモジュールの第2の実施例を示したものである。図5において、図1に示されている回路および素子と同一の回路および素子には同一の符号を付して、重複した説明は省略する。
この第2の実施例においては、高周波電力増幅回路210が3個の増幅用トランジスタ211,212,213を従属接続した3段構成の増幅回路として構成されている。各段の増幅用トランジスタ211,212,213のドレイン端子にはそれぞれインダクタL1,L2,L3を介して電源電圧Vddが印加されている。初段の増幅用トランジスタ211のゲート端子と入力端子Inとの間には、インピーダンス整合回路251および直流カットの容量素子C1が設けられ、これらの回路及び素子を介して高周波信号Pinが増幅用トランジスタ211のゲート端子に入力される。
初段の増幅用トランジスタ211のドレイン端子と2段目の増幅用トランジスタ212のゲート端子との間には、インピーダンス整合回路252および直流カットの容量素子C2が接続されている。また、2段目の増幅用トランジスタ212のドレイン端子と最終段の増幅用トランジスタ213のゲート端子との間には、インピーダンス整合回路253および直流カットの容量素子C3が接続されている。そして、最終段のFET213のドレイン端子がインピーダンス整合回路254を介して出力端子OUTに接続されており、高周波入力信号Pinの直流成分をカットし交流成分を増幅した信号Poutを出力する。インピーダンス整合回路251〜254を構成するインダクタは、半導体チップのパッド間に接続されたボンディングワイヤあるいはモジュール基板上に形成されたマイクロストリップラインにより形成することができる。
また、この第2の実施例においては、これらの増幅用トランジスタ211〜213のうち、初段の増幅用トランジスタ211と最終段の増幅用トランジスタ213がそれぞれデュアルゲートのFETにより構成されている。最終段の増幅用トランジスタ213の接続関係は図1の実施例のものと同じである。一方、初段の増幅用トランジスタ211に関しては図4の実施例のものと若干相違している。
第1の相違点は、上段EFT(Q1_1)のドレイン電圧が直流カットの容量素子C2を介して2段目の増幅用トランジスタ212のゲート端子に供給されるとともに、上段EFT(Q1_1)のドレイン端子と下段EFT(Q1_2)のドレイン端子との間に容量素子C0が接続されている点にある。これにより、1段目の増幅用トランジスタ211は、下段EFT(Q1_2)によって増幅された交流信号をQ1_2のドレイン端子より取り出し、上側FET(Q1_1)のドレイン電圧を動作点として変動する信号を、容量素子C2を介して2段目の増幅用トランジスタ212のゲート端子へ伝達する。つまり、出力の振幅中心電位が、容量素子C0がない場合よりも高くされる。
第2の相違点は、初段の増幅用トランジスタ211の上段EFT(Q1_1)のゲート端子には、バイアス回路230から誤差アンプ240の出力電力制御電圧Vapcがそのままバイアス電圧Vb1_1として印加され、下段EFT(Q1_2)のゲート端子には、バイアス回路230のブリーダ抵抗R11〜R13でVapcを分圧した電圧がバイアス電圧Vb1_2として印加される。したがって、バイアス電圧Vb1_2はVapcに比例した電圧となる。これにより、上段EFT(Q1_1)と下段EFT(Q1_2)のゲートバイアス比がVapcに対して一定にされる。なお、2段目の増幅用トランジスタ212のゲート端子に印加されるバイアス電圧Vb2もVapcを抵抗分割した電圧とされる。ただし、一般には、Vb1_2<Vb2<Vb3_2である。
初段の増幅用トランジスタ211がシングルゲートのFETにより構成されている場合、制御電圧Vapcが小さい低出力電力時に、トランジスタ211のバイアス点が入力高周波信号によってスイングされてFETの"gm"が変動する。これによって、トランジスタ211でAM−AM変換誤差が生じて出力信号に歪が発生してしまうという不具合がある。これに対して、本実施例では、初段の増幅用トランジスタ211としてデュアルゲートのFETを用い、そのゲートバイアス電圧Vb1_1,Vb1_2としてVapcに対してバイアス比が一定の電圧を用いている。これによって、バイアス点でのFETの"gm"と入力高周波信号によってスイングされたFETの"gm"との差が小さくなって、AM−AM変換誤差による信号の歪みを小さくすることができる。
また、従来より、高周波電力増幅器の増幅用トランジスタとしてデュアルゲートのFETを用い上段EFT(Q1_1)のドレイン端子から出力を取り出すようにした回路が提案されている。デュアルゲートのFETを用いたとしても容量素子C0がない場合には、高出力電力時に上段EFTのオン抵抗によって出力電力が低下してしまう。また、上段EFTのオン抵抗の製造ばらつきによって次段の増幅段との間でインピーダンスの整合状態がくずれて特性の安定化が図れなくなってしまうとともに、電力効率がばらついてしまうという問題がある。
これに対して、本実施例では、上段EFT(Q1_1)のドレイン端子と下段EFT(Q1_2)のドレイン端子との間に容量素子C0が接続されている。そのため、動作上、上段EFTのオン抵抗がみえなくなって、インピーダンスの不整合による特性の不安定化を回避できるとともに電力効率のばらつきも回避することができる。本出願人が知る限りでは、デュアルゲートのFETの上段EFTのドレイン端子と下段EFTのドレイン端子との間に容量素子を接続することを提案しているのは本出願が初めてである。
さらに、本実施例では、増幅用トランジスタ211の出力信号は下段EFT(Q1_2)のドレイン電圧ではなくそれよりも高い上段EFT(Q1_1)のドレイン電圧を動作点として変動するので、交流波形の下側が潰れてしまうようなことがなく、これにより信号の歪を少なくすることができる。また、前述の図4の実施例のように、上段EFT(Q1_1)と下段EFT(Q1_2)のゲート端子がそれぞれ可変バイアス電圧Vb1_1,Vb1_2によって制御される場合、上段EFT(Q1_1)のインピーダンスが変化して、2段目との間に設けられているインピーダンス整合回路252との整合を取るのが難しくなってしまう。これに対し、図5の実施例では、上段EFT(Q1_1)のゲート端子に制御電圧Vapcをそのまま印加する構成であるため、図4の実施例に比べてインピーダンスの整合を取るのが容易となる。
次に、図4および図5の実施例の高周波電力増幅回路210の増幅用トランジスタ211として用いられるデュアルゲートのFETの構造と、電極および周辺配線のレイアウトの具体例を、図6および図7を用いて説明する。
図4および図5の実施例で使用されるデュアルゲートFETは、図6に示されているように、単結晶シリコンのような半導体基板261の表面に形成されたP型エピタキシャル層262の一部にP型ウェル領域263が形成されている。そして、このP型ウェル領域263の一方の端(図では左側)に接するようにして下端が基板261に達するP型給電領域264が形成されている。また、P型ウェル領域263の表面のほぼ中央に下側FETのゲート電極265dがゲート絶縁膜266dを介して、またP型ウェル領域263の表面のウェル端に近い部位に上側FETのゲート電極265uがゲート絶縁膜266uを介してそれぞれ形成されている。
さらに、P型ウェル領域263の表面のゲート電極265d両側にはソース領域となる高濃度のN型拡散層267aおよびドレイン領域となる高濃度のN型拡散層267bが、またゲート電極265uのN型拡散層267bと反対側のP型エピタキシャル層262の表面には上側FETのドレイン領域となる高濃度のN型拡散層267cがそれぞれ形成されている。特に制限されるものでないが、ゲート電極265dとN型拡散層267bとの間のウェル領域263の表面には低濃度のN型拡散層267dが、またゲート電極265uとN型拡散層267cとの間のエピタキシャル層262の表面には低濃度のN型拡散層267eがそれぞれ形成され、高耐圧のLDMOS構造とされている。
なお、図6は左右対称に形成されるFETの左半分の構造すなわち図7の一点鎖線V−Vに沿った部位の断面構造を示す。図6および図7において、271はデュアルゲートFETの下側FETのソース電極、272は下側FETと上側FETの共通ドレイン・ソース電極、273は上側FETのドレイン電極である。
周辺配線のレイアウトを示す図7のように、下側FETのゲート電極265dおよび上側FETのゲート電極265uは、FETの活性領域270の外側(図7では上側)にて、これらのゲート電極と直交する方向にそれぞれ配設された2層目と3層目のメタル層からなるゲート引出し線274,275に接続されている。
下側FETと上側FETの共通ドレイン・ソース電極272は、該電極の上方に形成された1層目のメタル層276に接続され、該メタル層276と絶縁膜を介して対峙するように2層目のメタル層280が形成されることによって、図4および図5における容量C0となるMIM構造の容量素子が構成されている。そして、この2層目のメタル層280の端部が、図7のように3層目のメタル層からなる出力引出し線277から直角に延設された枝部277aにスルーホールTH0によって接続されている。これによって、初段増幅用トランジスタ211の共通ドレイン・ソース端子と上側FETのドレイン端子との間に接続される容量素子C0を別途形成する場合よりも、回路の面積を減らすことができる。
上側FETのドレイン電極273は、該電極の上方に形成された1層目のメタル層からなる引出し線278に接続され、該引出し線278によって出力引出し線277の下を通って基板の端まで引き出され、図示しないドレイン用のパッドに接続される。
ここで、ドレイン電極273の引出し線278と出力引出し線277との交差する部分に着目すると、ここでは2つのメタル層が層間絶縁膜を介して相対峙しているため、寄生のカップリング容量が存在する。そのため、当該デュアルゲートFETを図4の実施例の初段増幅用トランジスタ211に使用する場合、この寄生カップリング容量を介して出力引出し線277上の高周波信号がドレイン引出し線278に飛び込むおそれがある。
これを回避するため、図6および図7に一点鎖線279で示すように、3層目のメタル層からなる出力引出し線277と1層目のメタル層からなるドレイン引出し線278との間に、2層目のメタル層からなる緩衝層279を設け、該緩衝層279に接地電位を印加するようにするのが望ましい。これによって、出力引出し線277からドレイン引出し線278へのノイズの飛び込みを抑えることができる。
また、図6および図7に示されているデュアルゲートFETが、図5における初段増幅用トランジスタ211として用いられる場合は、容量C0の一方の端子と上側FET(Q1_1)のドレイン端子とを接続する必要がある。そこで、上記緩衝層279を設けた箇所にスルーホールを設けて、出力引出し線277とドレイン引出し線278とが電気的に接続されるようにする。
一方、図示のような構造のデュアルゲートFETが図1や図5の実施例における最終段の増幅用トランジスタ213として用いられる場合は、出力引出し線277から直角に延設された枝部277aが下側FETと上側FETの共通ドレイン・ソース電極272の上方までさらに延設され、共通ドレイン・ソース電極272に接続された1層目のメタル層276と、2層目のメタル層280およびスルーホールにて接続される。
(応用例)
図8は、前記実施例のパワーモジュールを適用して有効な無線通信システムの一例として、880〜915MHz帯の周波数を使用するGSM(Global System for Mobile Communication)と呼ばれる方式の他に例えば1710〜1785MHz帯の周波数を使用するDCS(Digital Cellular System)の2つの通信方式の無線通信が可能なシステムの概略の構成を示す。
図8において、ANTは信号電波の送受信用アンテナ、100はGSMやDCSのシステムにおけるGMSK変調や復調を行なうことができる変復調回路や送信データ(ベースバンド信号)に基づいてI,Q信号を生成したり受信信号から抽出されたI,Q信号を処理する回路を有する高周波信号処理回路(ベースバンド回路)110や受信信号を増幅するロウノイズアンプLNA1,LNA2等が1つの半導体チップ上に形成されてなる高周波信号処理用半導体集積回路(ベースバンドIC)と送信信号から高調波成分を除去するバンドパスフィルタBPF1,BPF2、受信信号から不要波を除去するバンドパスフィルタBPF3,BPF4などが1つのパッケージに実装されてなる電子デバイス(以下、RFデバイスと称する)である。Tx‐MIX1,Tx-MIX2は各々GSMとDCSの送信信号をアップコンバートするミキサ、Rx‐MIX1,Rx-MIX2は各々GSMとDCSの受信信号をダウンコンバートするミキサである。
また、図8において、200はベースバンドIC100から供給される高周波信号を増幅する前記実施例のパワーモジュール、300は送信信号に含まれる高調波などのノイズを除去するフィルタLPF1,LPF2、GSMの信号とDCSの信号を合成したり分離したりする分波器DPX1,DPX2、送受信の切替えスイッチT/R−SWなどを含むフロントエンド・モジュールである。
図8に示されているように、この実施例では、ベースバンドIC110からバイアス回路230に対してGSMかDCSかを示すモード選択信号Vbandが供給され、バイアス回路230はこの制御信号Vbandに基づいて、モードに応じたバイアス電流を生成しパワーアンプ210aと210bのいずれかに供給する。また、ベースバンドIC110からパワーモジュール200内のAPC回路(誤差アンプ)250へ出力レベル指示信号Vrampが供給され、APC回路(誤差アンプ)250は出力レベル指示信号Vrampと出力電力検出回路220からの検出電圧Vdetとを比較してバイアス回路230に対する出力電力制御信号Vapcを生成し、バイアス回路230は出力電力制御信号Vapcに応じてパワーアンプ210a,210bのゲインを制御し、これに応じてパワーアンプ210a,210bの出力電力が変化するように制御される。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば前記実施例においては、高周波電力増幅回路の電力増幅用トランジスタを、バックゲート領域を共通にする直列形態の2つのFETからなるデュアルゲートFETにより構成した例が示されているが、別個のウェル領域にそれぞれチャネルとソースおよびドレイン領域が形成されている通常のFETを2個直列に接続したものを使用し、それらのソース端子とドレイン端子の結合ノードから出力を取り出すように構成する変形例も考えられる。ただし、そのような構造に比べて、前記実施例のようなデュアルゲートのFETを使用する方がチップサイズを小さくすることができるという利点がある。
さらに、前記実施例では、最終段の増幅用トランジスタ213の出力信号は下段EFT(Q1_2)のドレイン端子から取り出しているが、初段の増幅用トランジスタ211と同様に容量素子C0を設けて上段EFT(Q1_1)のドレイン端子から出力信号を取り出すように構成しても良い。また、第2の実施例(図5)においては、2段目の増幅用トランジスタ212をシングルゲートのFETにより構成しているが、2段目もデュアルゲートのFETにより構成しても良い。逆に、2段目と最終段のトランジスタ212,213をシングルゲートのFETにより構成するようにしても良い。最終段のトランジスタ213をシングルゲートのFETにより構成した場合における出力電力の検出は、特許文献1に記載されているカプラとダイオード検波回路を用いた方式あるいは特許文献2に記載されている検出方式など、従来用いられている方式を適用することができる。
また、前記実施例では、増幅用トランジスタ211〜213として、LDMOSが使用されているが、通常のCMOSプロセスで形成されるMOSFETやGaAsMESFET等他のトランジスタを用いても良い。ただし、その場合、検波用トランジスタQ1も増幅用トランジスタ213と同一の素子で構成するのが望ましい。
さらに、前記実施例では、ベースバンド部からの出力レベル指示信号Vrampと出力電力検出回路220からの検出電圧Vdetとを比較してバイアス回路230へ出力電力制御電圧Vapcを生成する誤差アンプ(APC回路)250が電力増幅回路210や出力電力検出回路220と同一の半導体チップ上に形成されている場合を説明したが、誤差アンプ(APC回路)250は別個の半導体チップ上に形成されていても良い。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるGSMとDCSの2つの通信方式による送受信が可能なデュアルモードの無線通信システムを構成するパワーモジュールに適用した場合を説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、他の通信方式や、GSMとDCSとPCS(Personal Communications System)など3以上の通信方式による送受信が可能なマルチモードの携帯電話機や移動電話機などの無線通信システムを構成するパワーモジュールあるいは無線LAN用の高周波電力増幅回路およびパワーモジュールに利用することができる。
本発明に係る高周波電力増幅器(パワーモジュール)の第1の実施例を示す回路構成図である。 上段EFT(Q3_1)のゲート電圧Vb3_1(=Vapc)を一定にした状態で下側FET(Q3_2)のゲート電圧Vb3_2を変化させたときのVb3_2−gm特性を示す特性図である。 第1の実施例のパワーモジュールの変形例の要部を示す回路構成図である。 第1の実施例のパワーモジュールの他の適用例を示す回路構成図である。 本発明を適用したパワーモジュールの第2の実施例を示す回路図である。 実施例の高周波電力増幅回路の増幅用トランジスタとして用いられるデュアルゲートのFETの構造の一例を示す断面図である。 実施例の高周波電力増幅回路の増幅用トランジスタとして用いられるデュアルゲートのFETの電極および周辺配線のレイアウトの具体例を示す平面図である。 本発明の高周波電力増幅回路を適用したGSMとDCSの2つの通信方式の無線通信が可能なシステムの概略の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 RFデバイス
110 ベースバンド回路
200 パワーモジュール
210,210a,210b 高周波電力増幅回路
211,212,213 電力増幅用FET
220 出力電力検出回路
230 バイアス回路
240 誤差アンプ(APC回路)
251〜254 インピーダンス整合回路
300 フロントエンド・モジュール

Claims (12)

  1. 電力増幅用素子を備え高周波信号を増幅する電力増幅回路と、検波用トランジスタを備え前記電力増幅回路の出力電力のレベルを検出する出力電力検出回路と、該出力電力検出回路の検出信号と外部から供給される出力レベル指示信号との差に応じた出力電力制御電圧を生成する誤差増幅回路と、前記出力電力制御電圧に応じて前記電力増幅用素子の制御端子に与えるバイアス電圧を生成するバイアス回路とを備え、
    前記電力増幅回路は、少なくとも最終段の電力増幅用素子が直列形態の2つの電界効果トランジスタにより構成され、該2つの電界効果トランジスタのうち一方のトランジスタの制御端子に増幅されるべき高周波信号が入力されて当該2つのトランジスタの共通ソース・ドレイン端子から出力信号が取り出されるとともに、該出力信号が抵抗素子を介して前記出力電力検出回路の検波用トランジスタの制御端子に入力されるように構成されていることを特徴とする高周波電力増幅回路。
  2. 前記2つの電界効果トランジスタは、2つのチャネル領域およびゲート電極を有しバックゲート領域を共通にするとともに前記2つのチャネル領域間に共通ソース・ドレイン領域を有する2ゲート型トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の高周波電力増幅回路。
  3. 前記バイアス回路により前記2つの電界効果トランジスタのそれぞれの制御端子に印加されるバイアス電圧の比が前記出力電力制御電圧にかかわらず一定にされることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波電力増幅回路。
  4. 前記最終段の電力増幅用素子を構成する前記直列形態の2つの電界効果トランジスタはそれぞれ、互いにソース端子とドレイン端子同士が接続された複数の電界効果トランジスタからなり、増幅されるべき高周波信号が入力される側の複数のトランジスタの制御端子には前記バイアス回路より同一レベルのバイアス電圧が印加され、増幅されるべき高周波信号が入力されない側の複数のトランジスタは複数のグループに分けられ各グループのトランジスタの制御端子には前記バイアス回路よりグループごとにレベルの異なるバイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波電力増幅回路。
  5. 前記電力増幅回路の最終段の電力増幅用素子と前記出力電力検出回路の検波用トランジスタは同一の半導体チップ上に形成された同一構造の素子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周波電力増幅回路。
  6. 前記出力電力検出回路は、前記検波用トランジスタと直列に接続された第2トランジスタと、該第2トランジスタとカレントミラー接続された第3トランジスタと、該第3トランジスタと直列に接続された電流−電圧変換手段とを備えることを特徴とする請求項5に記載の高周波電力増幅回路。
  7. 前記第2トランジスタおよび第3トランジスタは、前記検波用トランジスタが形成された半導体チップとは別個の半導体チップ上に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の高周波電力増幅回路。
  8. 電力増幅用素子を備え高周波信号を増幅する電力増幅回路と、出力電力制御電圧に応じて前記電力増幅用素子の制御端子に与えるバイアス電圧を生成するバイアス回路とを備え、
    前記電力増幅回路は、少なくとも初段の電力増幅用素子が直列形態の2つの電界効果トランジスタにより構成され、該2つの電界効果トランジスタのうち一方のトランジスタの制御端子に増幅されるべき高周波信号が入力されて当該2つのトランジスタの共通ソース・ドレイン端子から容量を介して出力信号が取り出されるように構成されていることを特徴とする高周波電力増幅回路。
  9. 前記2つの電界効果トランジスタは、2つのチャネル領域およびゲート電極を有しバックゲート領域を共通にするとともに前記2つのチャネル領域間に共通ソース・ドレイン領域を有する2ゲート型トランジスタであることを特徴とする請求項8に記載の高周波電力増幅回路。
  10. 電力増幅用素子を備え高周波信号を増幅する電力増幅回路と、出力電力制御電圧に応じて前記電力増幅用素子の制御端子に与えるバイアス電圧を生成するバイアス回路とが形成された半導体チップを備え、
    前記電力増幅回路は、少なくとも初段の電力増幅用素子が直列形態の2つの電界効果トランジスタにより構成され、該2つの電界効果トランジスタのうち一方のトランジスタの制御端子に増幅されるべき高周波信号が入力され、制御端子に増幅されるべき高周波信号が入力されていない方の電界効果トランジスタのドレイン端子が交流的に次段の増幅用トランジスタの制御端子に結合されるとともに、前記2つの電界効果トランジスタの共通ソース・ドレイン端子と前記ドレイン端子との間に容量が接続されていることを特徴とする高周波電力増幅用半導体装置。
  11. 前記2つの電界効果トランジスタは、2つのチャネル領域およびゲート電極を有しバックゲート領域を共通にするとともに前記2つのチャネル領域間に共通ソース・ドレイン領域を有する2ゲート型トランジスタであることを特徴とする請求項10に記載の高周波電力増幅用半導体装置。
  12. 前記容量は、前記共通ソース・ドレイン領域に接続された第1の導電体と、その上方に該第1の導電体と絶縁膜を介して対峙するように形成された第2の導電体との間に形成された容量であることを特徴とする請求項11に記載の高周波電力増幅用半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017175296A1 (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 三菱電機株式会社 増幅器
RU2732966C1 (ru) * 2019-12-30 2020-09-25 Федеральное государственное унитарное предприятие "18 Центральный научно-исследовательский институт" Министерства обороны Российской Федерации Широкополосная модификация высокочастотного ключевого усилителя мощности

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