JP2005215348A - 平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時保存における印刷性能及び感度変化の劣化を抑制した平版印刷版を提供する。
【解決手段】支持体上に塗布層として少なくとも下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、及び物理現像核層を順次有し、アルデヒド系化合物を硬膜剤として用いた平版印刷版において、前記平版印刷版の少なくとも一層が下記一般式(1)で表されるウレア誘導体を含有することを特徴とする平版印刷版。
【化1】
Figure 2005215348

【選択図】 なし

Description

本発明は、銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版に関し、特に保存性が改良された平版印刷版に関するものである。
高い感度を有し、かつスペクトル増感できるハロゲン化銀乳剤を用いた印刷版は、既にいくつかの形で実用化されている。そのうち銀画像をインキ受理性にして利用するオフセット印刷版としては、米国特許第3721559号、同第3490905号、特公昭48−30562号、米国特許第3385701号、同第3814603号、特公昭44−27242号、特開昭53−21602号、米国特許第3454398号、同第3764323号、同第3099209号、特開昭53−9603号などがある。
これらは印刷版の製造方法としては、いくつかのタイプに大別されるけれども、画像銀をインキ受理性にする点に於いては共通するものである。平版印刷版は、親油性のインキを受理する画線部分と親水性で水を受理する非画線部分とから構成される。従って、通常の平版印刷は水とインキの両方を版面に供給し、画線部分は着色性のインキを、非画線部分は水を選択的に受け入れ、該画線上のインキを例えば紙などの基質に転写させることによってなされる。
良好な印刷物を得るためには、画線部分と非画線部分の表面の親油性及び親水性の差が十分に大きいこと、また各部位が物理的にも強固に接合されていることが重要である。
当業界において、上記平版印刷版の一般的な製造方法は、支持体上にハレーション防止を兼ねた下塗層とハロゲン化銀乳剤層を塗布し乾燥した後、一旦長尺ロール状に巻取り、下塗り層とハロゲン化銀乳剤層のゼラチン皮膜を印刷に耐えるに十分な皮膜強度にするために加温処理を施した後(硬膜処理)、物理現像核層を塗布し乾燥するのが定法となっている。
加温なしで物理現像核を付与した印刷版では現像処理後に画像部位と非画像部位とのコントラストの低い製版物しか得られないこと、またインキ乗り、耐刷性も貧弱なものしか得られなかった。その原因は必ずしも明確ではないが物理現像核と接触する層、例えば乳剤層への核のマイグレーション、あるいは乳剤層バインダー、例えば乳剤層ゼラチンの核層へのマイグレーションが関係しているものと推定される。加温処理は明らかに配合された硬膜剤による下塗層、乳剤層及びその表面の硬膜を進行させ物理現像核のマイグレーションを防止する効果があるし、またバインダーのマイグレーションを防止することができる。その結果として金属光沢を有し(良好なコントラストを達成し)、インキ乗りがよく耐刷性の良い印刷版が可能となっている。
当該印刷版の設計においてホルムアルデヒドは良好な硬膜剤として知られている。ホルムアルデヒドを含む構成層を通常40℃で5〜10日間の加温もしくはそれ以上の加温を施し、十分な硬膜を施した乳剤膜上では、上記のような核及び又はバインダーゼラチンのマイグレーションを実質上防止できる。それによって印刷版の品質上の基本的特性である画像コントラスト、インキ乗り、耐刷性等を容易に維持確保することができ、このホルムアルデヒドは当該印刷版の製造には必須であり使わざるを得ないのが現状である。
この加温処理は印刷版に必要な一定の品質を保証するのに有効であるけれども、感度の安定性や、その他品質変動(例えば加温期間中の温度、湿度の変動に起因する)の一因にもなっていた。特にホルムアルデヒドを代表とするアルデヒド系硬膜剤は、この加温処理により、それ自身の持っている決して弱くはない還元性による写真特性での増感、カブリの発生など、又経時期間中での緩やかな硬膜の進行による現像進行性の遅れ、写真特性での増感、カブリの発生を引き起こし経時保存での印刷性の低下が知られており、この問題を改良することが望まれている。
こうした、経時保存での写真特性・印刷性の低下を改良する為、メルカプトトリアゾ−ル類化合物、ベンゾトリアゾール類化合物を含有せしめる技術(特許文献1)が開示されているが、十分な効果を得られていないのが現状であった。
特開平6−308735号公報(第1頁、第7頁)
従って、本発明の目的は、経時保存による印刷性能及び写真特性の変動が抑制された平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記の目的は、以下の発明によって達成された。
支持体上に塗布層として少なくとも下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、及び物理現像核層を順次有し、アルデヒド系化合物を硬膜剤として用いた平版印刷版において、前記平版印刷版の少なくとも一層が下記一般式(1)で表されるウレア誘導体を含有することを特徴とする平版印刷版。
Figure 2005215348
式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシアルキル基で表される基を表す。Lはアルキレン基を表す。式中、Aは−NH2基、下記一般式(2)、下記一般式(3)で表される基を表す。
Figure 2005215348
式中R2はアルキル基を表す。
Figure 2005215348
式中R3、R4はアルキル基を表し、R3〜R4のうち2つが結合して窒素原子と共に複素環を形成する場合や、置換基を有する場合を含む。
本発明によれば、経時保存による印刷性能及び写真特性の変動が抑制された平版印刷版を得ることができた。
以下に本発明を詳細に説明する。
平版印刷版においてホルムアルデヒドを代表とするアルデヒド系硬膜剤は良好な硬膜剤として必須であり、使わざるを得ないが、アルデヒド系硬膜剤自身の持っている決して弱くはない還元性による写真特性での増感、カブリの発生など、又経時期間中での緩やかな硬膜の進行による現像進行性の遅れを引き起こすことが大きな問題であったが、本発明者は下記一般式(1)で表されるウレア誘導体がこのアルデヒド化合物に起因する、写真特性での増感、カブリの発生を抑える効果があることを見つけだした。
Figure 2005215348
式中、R1はアルキル基(例えばメチル基、エチル基、2−エチルへキシル基など)、シクロアルキル基(例えばシクロへキシル基など)、アラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基など)アルコキシアルキル基(例えばメトキシエチル基など)で表される基を表す。Lはアルキレン基(例えばエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基など)を表す。式中、Aは−NH2基、下記一般式(2)、下記一般式(3)で表される基を表す。
Figure 2005215348
式中R2はアルキル基(例えばメチル基、エチル基など)を表す。
Figure 2005215348
式中R3、R4はアルキル基(例えばメチル基、エチル基など)を表し、R3〜R4のうち2つが結合して窒素原子と共に複素環(例えばピロリジン環、ピペラジン環、モルホリン環など)を形成する場合や、置換基を有する場合を含む。
本発明の前記一般式(1)で表されるウレア誘導体の例を以下に示す。但し、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2005215348
Figure 2005215348
Figure 2005215348
Figure 2005215348
Figure 2005215348
Figure 2005215348
Figure 2005215348
これらウレア誘導体の添加量は平版印刷版1m2当たり0.01mmol〜10mmolが好ましく、より好ましくは0.1mmol〜1mmolである。
又、これらウレア誘導体は下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層のすべての層に添加することができ、少なくとも一層に添加し、幾つか又はすべての層に添加することも可能であるが、下塗り層に添加することが最も好ましい。添加方法は塗布液製造時に添加することが好ましい。
本発明の平版印刷版の支持体としては、紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐えるものであれば使用することが出来る。支持体の表面を一層又はそれ以上の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両面を被覆することも出来る。これらの支持体の表面を塗布層との接着を良くする為に表面処理することも可能である。特に好ましく用いられる支持体は、両面もしくは片面をポリオレフィン樹脂で被覆した紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムである。これらの支持体にはハレーション防止のための顔料や表面物性改良の為に固形微粒子を含んでいてもよい。又支持体は裏面露光が可能なように光透過性であっても良い。
本発明において、下塗り層にはバインダーとしてゼラチンを含有するのが好ましい。ゼラチン量は、一般に0.5〜5g/m2、より好ましくは1〜4g/m2である。好ましいゼラチンは、不活性の脱イオンゼラチンである。必要に応じてゼラチンは、その一部を、水溶性ゼラチン、澱粉、デキストリン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換することも出来る。さらにビニル重合体水性分散物(ラテックス)をゼラチン層に添加することも出来る。
本発明において、下塗り層は、通常ハレーション防止の目的でカーボンブラック等の顔料や染料等を含む。また耐刷力向上のために平均粒径2〜10ミクロンの固形粉末(例えばシリカ粒子)を含み得る。さらに現像主薬等の写真用添加物も含むことが出来る。また下塗り層は特開昭48−5503、同昭48−100203、同昭49−16507に記載のようなものであってもよい。
ハロゲン化銀乳剤層は、例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むものからなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量はハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよく、その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム塩を含む、塩化銀が80モル%以上の単分散もしくは多分散結晶がある。
ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時又は塗布される時に種々な方法で増感することが出来る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によって、又はこれらの両者の併用など当該技術分野において良く知られた方法で化学的に増感することが好ましい。ハロゲン化銀乳剤は又、例えばシアニン、メロシアニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも増感又は減感され得る。その増感又は減感され得る波長域に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンクロ増感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得る。ハロゲン化銀乳剤層のバインダーは主としてゼラチンによって構成されるが前記の下塗り層構成で記述したような親水性コロイドとその一部を置換できる。ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン量は、0.3〜2g/m2程度が適当であり、好ましくは0.5〜1.5g/m2の範囲である。
本発明において用いる硬膜剤は、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、ムコクロル酸などの様なアルデヒド系硬膜剤の一種もしくは二種以上を併用して用いることができる。これらの中でも特にホルムアルデヒドが好ましく用いられる。
本発明において前記アルデヒド硬膜剤以外に硬膜剤として、例えばクロム明ばんのような無機化合物、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロートリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、カルボジイミド化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN、N、N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上を併用して用いることができる。
これら硬膜剤はすべての層に添加することも出来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。添加方法は塗布液製造時に添加したり、塗布時にインラインで添加することもできる。
ハロゲン化銀乳剤層の外表面上に銀錯塩拡散転写法において受像層を構成するための物理現像核層を被覆する。物理現像核としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶であっても良い。さらに物理現像核層には、親水性バインダーを0.5〜50mg/m2程度含有させるのが好ましい。当該バインダーとしては澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、特開昭53−21602記載のビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、同平8−211614記載のアクリルアミドとグアニルチオ尿素類で置換されたメチルスルホンの共重合体などが挙げられる。更にハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬や前記例示の硬膜剤を含んでいてもよい。当該塗布液のpHは弱酸性から酸性領域に設定される。具体的にはpH1.6〜4.0の範囲が妥当である。好ましくは1.6〜3.5の範囲である。
下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層等の各塗布層には、塗布助剤として、陰イオン、陽イオンもしくは中性界面活性剤のいくつかを含んでいてもよいし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防止剤、無機硫酸塩等を含むことが出来る。
本発明で使用する現像処理液には、アルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤としての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、特開昭47−26201に記載の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン類、カテコール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合物等を含むことが出来る。さらに現像処理液には、米国特許第3,776,728号に記載の如き表面銀層のインキ乗りを良くする化合物等を使用することが出来る。
本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ないしは受容性を増強せしめ得る。このような処理液としては、例えば特公昭48−29723、米国特許第3,721,559号等に記載されている。印刷方法、あるいは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られた方法によることが出来る。
以下に本発明を実施例により説明するが勿論本発明はこれだけに限定されるものではない。
支持体として厚み175μmの下引き済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。この支持体の一方の面に、導電性カーボンブラック(SD10M、大日本インキ製)2g/m2、ゼラチン1.5g/m2を含む裏塗り第1層、平均粒子サイズ3.5μmのシリカ粒子を0.1g/m2、ゼラチン1g/m2含有するマット化層の裏塗り第2層を設けた。次に、支持体の反対面に、下記の下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層をスライドホッパーコーティング法により同時重層塗布し乾燥した後一旦巻き取り、40℃で7日間加温処理した後、物理現像核層を塗布してサンプルを作成した。
<下塗り層塗布液>
ゼラチン 20 kg
シリカ微粒子 8 kg
(富士シリシア化学株式会社製SY445;平均粒径3.5μm)
カーボンブラック分散液(固形分32質量%) 8 kg
スチレン−ブタジエンラテックス(固形分48質量%) 50 kg
(日本エーアンドエル株式会社製PA9281)
界面活性剤 4 kg
ウレア誘導体
(種類と添加量は表1に記載)
pHを5.0に合わせる。
水で全量を400kgに合わす。
湿分塗布量は40g/m2である。
上記下塗り層を支持体に塗布する直前に、ホルマリンをゼラチン1gに対して1mmolとなるように添加した。
ハロゲン化銀乳剤の調製は、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.33μmの、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.006ミリモルドープさせ、0.2モル%のKI溶液でコンバージョンを行った塩化銀乳剤を調製した。その後、沈殿、水洗、脱水後、再溶解した。さらにこの乳剤を常法により硫黄−金増感を施した後、安定剤を添加し、その後赤色増感色素を銀1g当たり3mg添加し色素熟成を行い分光増感した。
(乳剤塗布液の調整)前記乳剤液に界面活性剤、チオサリチル酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩を順次加えて塗布液を作成した。
<ハロゲン化銀乳剤層塗布液>
赤感の増感色素で増感された
高感度の塩化銀乳剤(硝酸銀換算) 14 kg
(硝酸銀/ゼラチンの質量比=2/1)
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 0.09 kg
界面活性剤 7 kg
チオサリチル酸 0.6 kg
1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.15 kg
N−メチロールエチレン尿素 0.8 kg
ホルマリン 0.7 kg
pHを5.0に合わせる。
水で全量を154kgに合わす。
湿分塗布量は15.4g/m2である。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
12N−塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗布液>
上記硫化パラジウムゾル 10 kg
ハイドロキノン 6 kg
1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.4 kg
ポリマー 0.05 kg
(アクリルアミド(97)とビニルイミダゾール(3)共重合体;平均分子量10万)
界面活性剤 0.02 kg
ホルマリン(37質量%水溶液) 1 kg
水で全量を100kgに調整する。
湿分塗布量は10g/m2である。
(写真特性の評価)
上記のようにして作製したサンプルを、製造直後及び50℃相対湿度80%の条件下で6日間保存したものと、室温1ヶ月保存したものをそれぞれキセノン感光計を使用し、633nm干渉フィルターと濃度差0.05のウエッジを密着し10-5秒の露光を行った。露光後、下記の銀錯塩拡散転写現像液により30℃で15秒間現像処理を行いマクベス濃度計で反射濃度を測定し、感度(S)及び調子(γ)を求めた。感度(S)はウレア誘導体を添加していない比較の製造直後サンプルの感度を100として、相対値として示した。その結果を表1に示す。
<現像液>
水 700 ml
水酸化カリウム 20 g
無水亜硫酸ナトリウム 50 g
2−メルカプト安息香酸 1.5 g
2−メチルアミノエタノール 15 g
水を加えて1Lとする。
上記の現像処理後、下記に示すような安定液(中和液)に25℃で10秒間浸漬し、そして乾燥した。
<安定液>
リン酸 1.2 g
第一リン酸ナトリウム 25 g
エチレングリコール 5 g
モノエタノールアミン 5 g
水で1lとする。(pH6に調整)
Figure 2005215348
又、上記のようにして作製した平版印刷版をヘリウム・ネオンレーザーを光源とするプレートセッターで露光し、上記銀錯塩拡散転写現像液及び安定液で処理して印刷版を作成し、印刷を行った。印刷には、印刷機としてリョービ3200CD(リョービK.K社製オフセット印刷機の商標)、インキとしてABdick3−1012(商標)、及び下記の不感脂化液(印刷直前に版面に塗布)と給湿液を用いて行った。
<不感脂化液>
水 600 ml
イソプロピルアルコール 400 ml
エチレングリコール 50 g
3−メルカプト−4−アセトアミド−5−n−ヘプチル−1、2、4−トリアゾール
1 g
<給湿液>
O−リン酸 10 g
硝酸ニッケル 5 g
亜硝酸ナトリウム 5 g
エチレングリコ−ル 100 g
コロイダルシリカ 28 g
水を加えて2Lとする。
これらの平版印刷版について、インキ受容性及び耐刷性を評価した。その結果を表2に示した。
インキ受容性:印刷開始から良好な印刷インキ濃度の印刷物を得るまでの印刷枚数で、少ない程良好。
耐刷力:100枚の通常印刷を行なった後、印刷機のインキ/水供給ローラーをオフにして100枚の空印刷を行なう。再度インキ/水供給ローラーをオンして100枚の通常印刷を行なう。この操作を10回繰り返し、印刷画像の劣化状態を初期の印刷物と比較する。印刷画像中に組み込んだ反射濃度ステップウエッジ(△D=0.03)のインキ受容点の変化をステップウエッジの段数で表示した。変化が小さい程耐刷力は良好と評価する。評価点数3以下であれば通常印刷一万枚の印刷が可能なレベルである。
Figure 2005215348
上記の結果から、本発明の平版印刷版は、経時保存での写真特性及び印刷性能が悪化しないことが分かる。

Claims (1)

  1. 支持体上に塗布層として少なくとも下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、及び物理現像核層を順次有し、アルデヒド系化合物を硬膜剤として用いた平版印刷版において、前記平版印刷版の少なくとも一層が下記一般式(1)で表されるウレア誘導体を含有することを特徴とする平版印刷版。
    Figure 2005215348
    式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシアルキル基で表される基を表す。Lはアルキレン基を表す。式中、Aは−NH2基、下記一般式(2)、下記一般式(3)で表される基を表す。
    Figure 2005215348
    式中R2はアルキル基を表す。
    Figure 2005215348
    式中R3、R4はアルキル基を表し、R3〜R4のうち2つが結合して窒素原子と共に複素環を形成する場合や、置換基を有する場合を含む。
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