JP2003255545A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JP2003255545A
JP2003255545A JP2002052650A JP2002052650A JP2003255545A JP 2003255545 A JP2003255545 A JP 2003255545A JP 2002052650 A JP2002052650 A JP 2002052650A JP 2002052650 A JP2002052650 A JP 2002052650A JP 2003255545 A JP2003255545 A JP 2003255545A
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JP
Japan
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silver
silver halide
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mol
halide emulsion
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JP2002052650A
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English (en)
Inventor
Seiichi Sumi
誠一 角
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度で保存経時しても感度の変動がなくかつ
高い耐刷力をもつ平版印刷版を提供することにある。 【解決手段】支持体上にハロゲン化銀乳剤層を少なくと
も有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版におい
て、前記ハロゲン化銀乳剤層が塩化銀を95モル%以上
含有するハロゲン化銀粒子からなり、該ハロゲン化銀粒
子はダブルジェット法を用いて作られ、物理熟成初期に
はハロゲンイオン濃度が3×10-2〜1×10-1モル/
lに制御され、物理熟成後期にはハロゲンイオン濃度が
1×10-3〜2×10-2モル/lに制御されて作られた
ことを特徴とする平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銀錯塩拡散転写法を
利用した平版印刷版に関し、特に高感度で保存性の良い
平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法を用いた平版印刷版
は、銀錯塩拡散転写処理で硬調な写真特性を必要とする
ために塩化銀が主体のハロゲン組成をもつものがほとん
どである。しかしながら塩化銀は臭化銀や沃化銀に比べ
て化学熟成が難しく感度が高くならないという欠点を有
していた。更に塩化銀は溶解度が高くかつ還元されやす
いために長期保存中にカブリを生じたり、感度が変動し
たりする。従ってイメージセッター(プレートセッター
とも呼ぶ)等の走査露光装置で一定の露光量を与えても
目的とした濃度と網点%が得られないという欠点を有し
ていた。また保存中のカブリ上昇は耐刷力を低下させる
という不都合を生じさせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高感度で保存経時しても感度の変動がなくかつ高い
耐刷力をもつ平版印刷版を提供することにある。
【0004】
【課題と解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上にハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する銀錯塩
拡散転写法を利用した平版印刷版において、前記ハロゲ
ン化銀乳剤層が塩化銀を95モル%以上含有するハロゲ
ン化銀粒子からなり、該ハロゲン化銀粒子はダブルジェ
ット法を用いて作られ、物理熟成初期にはハロゲンイオ
ン濃度が3×10-2〜1×10-1モル/lに制御され、
物理熟成後期にはハロゲンイオン濃度が1×10-3〜2
×10-2モル/lに制御されて作られたことを特徴とす
る平版印刷版によって達成された。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層に用いられるハロゲ
ン化銀粒子は、塩化銀を95モル%以上含有する塩化
銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩臭沃化銀の中から適宜選択
して用いることができるが、好ましくは沃化銀の含有量
が2モル%以下の塩沃化銀である。即ち、本発明の好ま
しい態様は、ハロゲン化銀の物理熟成終了後に沃素イオ
ンによりコンバージョンしたハロゲン化銀粒子である。
塩化銀の含有率が95モル%未満の場合は、銀錯塩拡散
転写処理において耐刷力の高い銀画像が得られず、また
臭化銀や沃化銀の含有量が多い場合にはランニング処理
特性が悪く、かつ硬調性が得られない。
【0006】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
ダブルジェット法により作られたものである。ダブルジ
ェット法は、ハロゲンイオンを含む溶液と銀イオンを含
む溶液とを別々にかつ同時に2つの定量ポンプでゼラチ
ン溶液に加えていくのが一般的であるが、ハロゲンイオ
ンを含む溶液又は銀イオン溶液を2つ以上に分割し、3
成分以上を同時に定量的にゼラチン溶液に加えてもよ
い。
【0007】本発明のダブルジェット法は物理熟成中に
ハロゲンイオン濃度を変化させることにある。本発明に
おいて物理熟成初期とは、物理熟成に用いる全銀イオン
量の5〜50%を混合する時期を意味し、物理熟成後期
とは物理熟成に用いる全銀イオン量の50〜95%を混
合する時期を意味する。
【0008】物理熟成初期にはハロゲンイオン濃度を3
×10-2〜1×10-1モル/lにコントロールし、続く
物理熟成後期にはハロゲンイオン濃度を1×10-3〜2
×10-2モル/lにコントロールする。このハロゲンイ
オン濃度のコントロールはゼラチン溶液中に参照電極と
作用電極を入れその電位を測定しながらハロゲンイオン
を含む溶液の添加量をコントロールすることにより通常
は行う。その電位とハロゲンイオン濃度とは相関関係が
あり各自定量的に求められる。各自とは用いる参照電極
と作用電極の種類によりその電位は異なるからである。
本発明においてこの電位は、参照電極に飽和銀/塩化銀
電極を、作用電極に銀電極を用いているので、以下この
電位を銀電位とする。
【0009】つまり銀電位を物理熟成中に変化させるの
が本発明の特徴であり、物理熟成初期には銀電位を90
〜130mVにコントロールし、後期には140〜21
0mVにコントロールする。それぞれの銀電位は上記ハ
ロゲンイオン濃度に対応している。銀電位を上げる場合
にはハロゲンイオン溶液の添加を一時期止めればよい。
【0010】物理熟成初期に90mV未満に銀電位をす
ると、理由は分からないが好ましい写真特性が得られ
ず、130mVより高くすると好ましい粒径が得られな
く、その目的とする粒径を得るためには過度に温度を高
くしたり、又は過度にハロゲン溶液と銀イオン溶液の添
加速度を遅くせねばならなくなり安全上又は作業効率上
好ましくない。もちろん物理熟成初期には銀電位を90
〜130mVの範囲内で動かしてもかまわないし、物理
熟成後期に140〜210mVの範囲内で動かしても良
い。
【0011】物理熟成初期に全混合量の5%未満の銀イ
オンを使用した場合には初めから物理熟成後期の銀電位
で作った乳剤と同じ特性が得られる。また全混合量の5
0%を越えた量の銀イオン量を物理熟成初期として作っ
た場合には後期で銀電位を上げても初めから終わりまで
初期の銀電位で作った乳剤と同じ特性になる。従って物
理熟成初期の5〜50%の銀イオン量は本発明では重要
である。
【0012】上記のようにして製造したハロゲン化銀乳
剤を、600nm以上の波長領域に極大感度を持つよう
に、増感色素で分光増感したときに本発明の効果は顕著
に発現される。
【0013】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は、立方体、14面体、あるいは平板上であってもよ
いが、好ましくは立方体である。ハロゲン化銀粒子の平
均粒子サイズは、0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子には写真特性を改質するため
にRh、Ir等の多価陽イオンを加えることが好まし
い。
【0014】本発明において、ハロゲン化銀粒子には化
学熟成を施すのが好ましい、例えば、チオ硫酸ナトリウ
ム、アルキルチオ尿素によって、または金化合物、例え
ばロダン金、塩化金によって、又はこれらの両者の併用
など当該技術分野において良く知られた方法で化学的に
増感することが好ましい。
【0015】次に、本発明に用いられる増感色素につい
て説明する。本発明に用いられる増感色素としては、シ
アニン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素、更
に複合三核色素、スチリル色素など制限されないが、例
えば、特開平2−251853号、同平4−9853
号、同平7−36191号、特開2000−26721
7号、特開2001−350267号公報、特願200
1−399203号に記載の増感色素が挙げられる。こ
れらの増感色素の中でも、特に600nm以上の波長領
域にハロゲン化銀乳剤を分光増感する増感色素を用いた
ときに、本発明の効果は顕著に現れる。更に好ましい増
感色素は、含窒素ヘテロ環の窒素原子にアルキレン基を
介してスルホ基やカルボキシ基等の親水性基が置換して
いる、シアニン色素やメロシアニン色素が好ましい。以
下に、具体例を示す。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】上記した増感色素の中でも、特に下記の一
般式に含まれる増感色素が好ましい。
【0020】
【化4】
【0021】(式中、Z1及びZ2は、それぞれベンゼン
環、ナフタレン環等のアリール基を表し、これらのアリ
ール基は置換基を有していてもよい。R1は水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環、ア
ルコキシ基、ヒドロキシ基等を表し、R2及びR3は、ア
ルキル基を表し、Mはカウンターイオンを表す。好まし
くは、R2及びR3の少なくとも一方は、スルホアルキル
基もしくはカルボキシアルキル基である。)
【0022】本発明において増感色素の添加量は、ハロ
ゲン化銀1モルに対して1×10-7〜1×10-3モルの
範囲が好ましく、特に1×10-6〜1×10-4モルが好
ましい。
【0023】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を利用した
平版印刷版の実用化されているもは、大きく2つのタイ
プに分けれれる。その一つのタイプは、支持体上に下塗
層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を有してお
り、米国特許第3,721,559号、同第3,49
0,905号、同第3,385,701号、同第3,8
14,603号、同第3,454,398号、同第3,
764,323号、同第3,099,209号、特公昭
44−27242号、同48−30562号、特開昭5
3−9603号、同53−21602号、同54−10
3104号、同56−9750号公報等に記載されてい
る。
【0024】係る平版印刷版の製版法に適した銀錯塩拡
散転写法の代表的な実施法によれば、支持体上にハレー
ション防止を兼ねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤層、物理
現像核層からなる感光材料を画像露光し、現像処理を行
うと潜像が形成されているハロゲン化銀は乳剤中で黒化
銀となる。同時に潜像が形成されていないハロゲン化銀
は現像処理液中に含まれるハロゲン化銀溶剤の作用で溶
解し、感光材料の表面に拡散してくる。溶解し拡散して
きた銀錯塩が表面層の物理現像核の上に現像主薬の還元
作用によって、画像銀として析出する。
【0025】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を応用した
平版印刷版のもう一つのタイプは、アルミニウム板を支
持体としたモノシートタイプの平版印刷版で、特開昭5
7−118244号、同57−158844号、同63
−260491号、特開平3−116151号、同4−
282295号、米国特許第4,567,131号、同
第5,427,889号等の公報に詳しく記載されてお
り、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に
物理現像核を担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層
を設けた構成になっている。この平版印刷版の一般的な
製版方法は、露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュ
オフ:ハロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程
からなっている。つまり、現像処理によって物理現像核
上に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハ
ロゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に
金属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同
時に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部と
して露出する。
【0026】本発明のハロゲン化銀乳剤は、上記のいず
れのタイプにも好ましく適用することができるが、特に
前者のタイプに好適である。
【0027】本発明が対象とする平版印刷版において、
ハロゲン化銀乳剤層及び下塗り層等には、親水性バイン
ダーとしてゼラチンが好ましく用いられる。また、ゼラ
チンの一部をガぜイン等のタンパク質、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキスト
ラン等のセルロース化合物、寒天、アルギン酸ソーダ、
ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、
ポリアクリルアミド等の他の親水性ポリマーに置き換え
てもよい。
【0028】上記したゼラチンを含有した層は、ゼラチ
ン硬膜剤で硬化することができる。ゼラチン硬膜剤とし
ては、例えばクロム明礬のような無機化合物、ホルマリ
ン、グリオキサール、マレアルデヒド、グルタルアルデ
ヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN
-メチロール化合物、ムコクロル酸、2,4-ジヒドロキ
シ-1,4-ジオキサンの様なアルデヒド類、2,4-ジヒ
ドロキシ-6-クロロ-トリアジン塩の様な活性ハロゲン
を有する化合物、ジビニルスルホン、シビニルケトンや
N,N,N-トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、
活性な三員環であるエチレンイミノ基を分子中に二個以
上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド
澱粉等の化合物の一種もしくは二種以上を用いることが
できる。
【0029】硬膜剤はすべての層に添加することも出
来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。
勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一
層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製
造時に添加したり、塗布時にインラインで添加すること
もできる。
【0030】下塗り層は、ハレーション防止の目的でカ
ーボンブラックを含有することが好ましく、耐刷力向上
のために平均粒径0.1〜10ミクロンの固形粉末(例
えばシリカ粒子)を含み得る。更に現像主薬等の写真用
添加物も含むことが出来る。
【0031】物理現像核層の物理現像核としては銀、ア
ンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッ
ケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイ
ド微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン
化物、又はそれらの混合物、混晶であっても良い。物理
現像核には、親水性バインダーを含んでいてもいなくて
も良いが、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボ
キシメルセルロース、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリ
ウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスル
ホン酸、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重合
体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオ
リゴマーを含むことが出来、その含有量は0.5g/m2
以下であることが好ましい。更に物理現像核にはハイド
ロキノン、メチルハイドロキノン、カテコールト等の現
像主薬や、ホルマリン、ジクロロ-s-トリアジン等の公
知の硬膜剤を含んでいてもよい。
【0032】本発明の平版印刷版の支持体としては、
紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニ
ウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐える物であれば使
用することができる。支持体の表面を一層又はそれ以上
の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両面
を被覆することも出来る。これらの支持体の表面を塗布
層との接着を良くするために表面処理することも可能で
ある。
【0033】本発明の平版印刷版に使用する現像処理液
には、アルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム
等、保恒剤としての亜硫酸、ハロゲン化銀溶剤、例えば
チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2-メルカ
プト安息香酸、アミン等、増粘剤、例えばヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース等、カブ
リ防止剤、例え臭化カリウム、特開昭47-26201
号公報に記載の化合物等、現像剤、例えば、ハイドロキ
ノン類、カテコール、1-フェニル-3-ピラゾリドン
等、現像促進剤、例えば、ポリオキシエチレン化合物、
オニウム化合物等を含むことが出来る。さらに現像処理
液には、米国特許第3,776,728号に記載のごとき
表面銀層のインキ乗りを良くする化合物等を使用するこ
とが出来る。
【0034】本発明において、銀錯塩拡散転写法を実施
するに当たっては、例えば英国特許第1,000,115
号、第1,012,476号、第1,042,477号等の
明細書に記載されている如く、ハロゲン化銀乳剤層及び
/又は受像層またはそれに隣接する他の水透過性層中に
現像剤を混入する事が行われている。従って、この様な
材料においては、現像段階で使用される処理液は、現像
材を含まない、いわゆる「アルカリ性活性化液」を使用
しうる。
【0035】本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層
は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ない
しは受容性を増強せしめる得る。このよな処理液として
は、例えば特公昭48−29723号、米国特許3,7
21,559号等に記載されている。印刷方法あるいは
使用する不感脂化液、吸湿液等は普通に良く知られた方
法によることが出来る。
【0036】
【実施例】実施例1 <ハロゲン化銀乳剤の製造>以下の(1)〜(3)の溶
液を用意した。 溶液(1) 純水 500ml ゼラチン 20g pH 5.0 溶液(2) 純水 300ml 硝酸銀 150g 溶液(3) 純水 360ml 塩化ナトリウム 70g 0.1%4塩化イリジウム 3.0ml 0.001%3塩化ロジウム 4.0ml
【0037】上記溶液(1)に定量ポンプで溶液(2)
と(3)を銀電位を100mVに一定にし60分間で全
量を加えた。これを比較用乳剤(a)とする。
【0038】次に乳剤(a)と同じ方法で銀電位を18
0mVに一定にして乳剤を作った。これを比較用乳剤
(b)とする。
【0039】次に添加速度は、乳剤(a)及び(b)と
同じで、初め10分間を銀電位100mVで残り50分
間を180mVで乳剤を作った。これを本発明乳剤
(c)とする。
【0040】上記で作製した3種類の乳剤について、そ
れぞれ銀1モルに対し0.01モルとなるようにヨウ化
カリウム水溶液を添加してコンバージョンした。次に、
これらの乳剤に凝集沈殿と水洗脱水工程を施した。その
後これらの乳剤に平均分子量10万のゼラチンを含む溶
液を加え、更に水酸化ナトリウム水溶液にてpH5.5
になるように調整し、再溶解し、銀1モル当たりチオ硫
酸ナトリウム3mg、塩化金酸5mgを加え、50℃で
60分間加熱し化学熟成を施した。化学熟成終了後pH
を4.2に調整し、続いて例示(1)の増感色素を銀1
モル当たり0.03ミリモル加え、50℃で60分間加
熱した。
【0041】続いて乳剤の温度を38℃まで下げ保温
し、1-フェニル-3-ピラゾリドンを10mg/m2、硬
膜剤としてN-メチロールエチレン尿素を80mg/
m2、及び界面活性剤を加えて、3種類のハロゲン化銀乳
剤層の塗布液を作成した。
【0042】支持体として下引き済みの厚さ175μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この支
持体の片面に平均粒子サイズ3.5μmのシリカ粒子を
0.3g/m2とゼラチン3.0g/m2を含有する裏塗り
層を設けた。支持体の反対の面にカーボンブラックを
0.7g/m2、平均粒径3.5μmのシリカ粉末(富士
サイリシア製SY445)を0.9g/m2及び2,4-ジ
クロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジンナトリウムを17
0mg/m2を含む下塗り層(ゼラチン3.5g/m2
と、その上に上記に示した3種類の乳剤を硝酸銀として
1.2g/m2(ゼラチン1.0g/m2)になるように二
層同時塗布を行った。
【0043】下塗り層と各ハロゲン化銀乳剤層を塗布乾
燥し、40℃7日間加温後、ハロゲン化銀乳剤層の上
に、特開平8−211614号公報の実施例1に従って
作成した物理現像核層の塗布液(ポリマーとしてはP−
2を使用)を塗布、乾燥して3種類の平版印刷版を作成
した。
【0044】上記の4種類の平版印刷版について、67
0nmの干渉フィルター、及びステップウェッジを介し
て10-5秒で露光後、以下に示す現像液、中和液を用い
て処理した。感度値は、ステップウェッジを介して露光
して得られた黒化画像(化学現像銀)の反射濃度1.0
を得るのに必要な露光量の逆数として求めた。フレッシ
ュ感度は乳剤(c)の感度を100としたときの相対感
度として表した。また保存性の評価は、50℃80%
(RH)で4日間シーズニングしたものの感度を、前記
と同様に相対感度で評価した。結果を表1に示す。
【0045】<現像液> 水 700ml 水酸化カリウム 20g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2-メルカプト安息香酸 1.5g 2-メチルアミノエタノール 15g 水を加えて1リットルとする。
【0046】<中和液> 水 600ml クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 35g コロイダルシリカ(20%液) 5ml エチレングリコール 5ml 水を加えて1リットルとする。
【0047】また、上記の3種類の平版印刷版(50℃
80%(RH)で4日間シーズニングしたもの)につい
て、赤色LD(赤色半導体レーザー)搭載のプレートセ
ッターで細線、網点及びベタ画像を露光後、上記の現像
液及び中和液を用いて現像処理し印刷版を作成した。こ
れらの印刷版の耐刷力を以下のようにして評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0048】耐刷力の評価は下記の給湿液を使用し、印
刷機は、リョービ3200CD(リョービK.K社製オ
フセット印刷機の商標)を使用し、非画像部の地汚れ及
び銀画像部の欠落による画像飛びが生じて印刷に供せな
くなった時の印刷枚数で、次の評価基準により判定し
た。尚インキはABdick3−1012を使用した。 ○ 20,000枚以上 △ 10,000〜15,000枚 × 10,000枚未満
【0049】
【表1】 ──────────────────────────────── 乳 剤 フレッシュ感度 保存感度 耐刷力 備考 ──────────────────────────────── (a) 74 91 △ 比較例 (b) 89 108 △ 比較例 (c) 100 102 ○ 本発明 ────────────────────────────────
【0050】上記結果から明らかなように、物理熟成初
期には銀電位を低く、後期には銀電位を高くした本発明
の乳剤は、感度が高くかつ保存性にも優れていることが
わかる。
【0051】実施例2 実施例1の本発明の乳剤(c)を用いて実施例1と同様
にして平版印刷版を作製した。但し、増感色素を例示
(7)に代えた。実施例1と同様に試験した結果、フレ
ッシュ感度及び保存感度とも、実施例1の乳剤(c)を
用いた平版印刷版に比べて5%低かったが、その他は同
程度の性能が得られた。
【0052】実施例3 次に物理熟成初期と物理熟成後期の銀電位を種々に変化
させた。それらの銀電位は表2に示した。その他の条件
は実施例1の乳剤(c)と同じである。これらの結果を
表2に示す。表中、フレッシュ感度及び保存感度とも乳
剤(h)を100%としたときの相対感度で表した。
【0053】
【表2】 ──────────────────────────────────── 乳剤 混合初期 混合後期 フレッシュ 保存 備考 銀電位 銀電位 感度 感度 ──────────────────────────────────── (d) 85 130 45 49 比較用 (e) 85 180 48 52 〃 (f) 85 220 51 54 〃 (g) 90 130 90 105 〃 (h) 90 180 100 101 本発明 (i) 90 220 101 126 比較用 (j) 130 130 102 129 〃 (k) 130 180 100 102 本発明 (l) 130 220 105 135 比較用 (m) 140 130 110 カブリ 比較用 (n) 140 180 115 〃 〃 (o) 140 220 114 〃 〃 ────────────────────────────────────
【0054】表2が示すように、物理熟成初期の銀電位
が90mVより低い場合には感度が出ない。一方物理熟
成初期の銀電位が130mVを越えると保存中にカブリ
が発生しやすくなる。物理熟成初期の銀電位が90〜1
30mV内にあっても物理熟成後期の銀電位が140m
V未満又は210mVを越えた場合には保存中に感度が
増大する。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で、保存経時し
ても感度の変動がなくかつ高い耐刷力をもつ平版印刷版
が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を少なく
    とも有する銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版にお
    いて、前記ハロゲン化銀乳剤層が塩化銀を95モル%以
    上含有するハロゲン化銀粒子からなり、該ハロゲン化銀
    粒子はダブルジェット法を用いて作られ、物理熟成初期
    にはハロゲンイオン濃度が3×10-2〜1×10-1モル
    /lに制御され、物理熟成後期にはハロゲンイオン濃度
    が1×10-3〜2×10-2モル/lに制御されて作られ
    たことを特徴とする平版印刷版。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀乳剤層が600nm以
    上に極大感度をもつように分光増感されたものである請
    求項1に記載の平版印刷版。
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