JP2005107305A - 走査型露光用平版印刷版の製造方法 - Google Patents

走査型露光用平版印刷版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度、硬調化された95モル%以上の塩化銀乳剤で、印刷版として保存安定性に優れた走査型露光用の平版印刷版を提供する。
【解決手段】支持体上に少なくとも下塗層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を順次塗布されてなり、該ハロゲン化銀乳剤層は600nm以上の波長領域に極大分光感度を付与する増感色素を含有し、該ハロゲン化銀は塩化銀を95モル%以上含む走査型露光用平版印刷版の製造において、物理現像核層を塗布、乾燥直後に塗布物を15から45℃、相対湿度40%以下の条件で調湿した状態で巻き取り、その後、塗布物を相対湿度40%以下の条件のまま、35から45℃の条件で24時間以上加温することを特徴とする走査型露光用平版印刷版の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、レーザー光を光源として用いるに適した銀錯塩拡散転写法を利用する走査型平版印刷版の製造方法に関するものである。
銀錯塩拡散転写法(DTR法)によって得られる転写銀画像を直ちにインキ受理性として利用することができる平版印刷版は、既に特公昭48−30562、特開昭53−21602、同昭54−103104、同昭56−9750等々に記載され、よく知られている。
かかる平版印刷版の製版法に適した銀錯塩拡散転写法の代表的な実施法によれば、支持体及びその上にハレーション防止をかねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層からなる感光材料を画像露光し、現像処理を行うと潜像が形成されているハロゲン化銀は乳剤層中で黒化銀となる。同時に潜像が形成されていないハロゲン化銀は現像処理液中に含まれるハロゲン化銀錯化剤の作用で溶解し、感光材料の表面に拡散してくる。溶解し拡散してきた銀錯塩が、表面層の物理現像核の上に現像主薬の還元作用によって銀画像として析出する。得られた銀画像のインキ受理性を強化させるために現像処理に続いて必要ならば感脂化処理が施された後、オフセット印刷機にセットされ、印刷物へとインキ画像が転写される。
上記のような銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版には、原稿を製版カメラを用いて焼き付けるカメラタイプのものと、電子組版された原稿をレーザー光を用いてダイレクトに焼き付ける走査型露光タイプに分類される。今日ではコンピューターでの画像処理技術及びレーザー露光装置の進歩と共に、コンピューター・トゥ・プレート、いわゆるCTPシステムが急速に普及する中、走査型露光タイプの平版印刷版の開発に力が注がれている。走査型露光タイプの平版印刷版としては、特開平2−251853、同平3−274055、同平4−9853、同平5−281644、同平6−130673、同平7−152105、同平9−6006等に開示されている。
走査型露光に用いられる光源としては、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、半導体レーザー、発光ダイオード等が一般に知られているが、本発明は波長が600nm以上の赤色から近赤外の光源を持つ走査型露光装置に対応した平版印刷版を対象とする。特に600〜700nmの赤色タイプに属するものである。上記の平版印刷版は極大分光感度が600nm以上になるように増感色素により分光増感されている。このような平版印刷版の一つの課題として、保存経時での感度の変動があった。
一般的にDTR時の転写速度が速く、高耐刷の銀画像を得るのに適している高塩化銀乳剤は逆に高い感度が得られにくいという問題がある。従って、高塩化銀乳剤を用いて走査型露光用の高感度を得るには、0.1%から3モル%の沃化銀で置換したり、比較的多量の増感色素を添加する必要があった。増感色素の多量添加は前述した保存性の劣化を助長していた。また、CTPに用いられる走査型露光用の平版印刷版は、カラー印刷にも対応できるように一般的にカメラタイプに比べて高い解像力が要求されている。このためロジウム塩を用いた硬調化技術が通常採用されているが、ロジウム塩を用いた場合、感度が低下しやすく、上記の問題を更に深刻にしていた。特開2001−235871ではこれらの問題を解決する方法が提案されている(特許文献1参照)が、自然経時による保存安定性に対しては不十分であった。
一方、平板印刷版は印刷品質として、耐刷性、インキ乗り、インキ汚れ等の性能が要求される。銀錯塩拡散転写法表を利用した平版印刷版では表面層の物理現像核の上に現像主薬の還元作用によって析出した銀画像にインキが乗り、それ以外の部分は(銀画像がない部分)インキが乗らないことが必要である。インキ乗りは生成された表面層の銀画像の親油性に影響を受けるが、それらは銀画像を形成している銀の性質、形状、経時による安定性に左右される。一方、インキ汚れはそれ以外の部分(銀画像がない部分)で用いられているバインダ−(主としてゼラチンや親水性ポリマ−等)の親水性に影響を受け、これもバインダ−の性質、経時による安定性が重要なファクタ−となっている。
平版印刷版の製造方法は、一般的な感光材料を製造することの出来る塗布装置にて、公知の方法で塗布、乾燥、巻き取りの連続工程で製造されており、特開2000−275849では巻き取り後の加温処理により耐刷性やインキ受理性に対して効果があることが記載されている(特許文献2参照)が、巻き取り時及び加温時の調湿条件に関しては考慮されておらず、インキ乗りやインキ汚れに関しては更に改良が望まれていた。
特開2001−235871号公報 特開2000−275849号公報
本発明の課題は、高感度、硬調化された95モル%以上の塩化銀乳剤において、保存経時での感度の安定化と、印刷版としてインキ乗りが良く、インキ汚れの少ない優れた走査型露光用平版印刷版を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために研究を行った結果、支持体上に少なくとも下塗層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を順次塗布されてなり、該ハロゲン化銀乳剤層は600nm以上の波長領域に極大分光感度を付与する増感色素を含有し、該ハロゲン化銀は塩化銀を95モル%以上含む走査型露光用平版印刷版の製造において、物理現像核層を塗布、乾燥直後に塗布物を15から45℃、相対湿度40%以下の条件で調湿した状態で巻き取り、その後、塗布物を相対湿度40%以下の条件のまま、35から45℃の条件で24時間以上加温することを特徴とする製造方法によって達成出来ることを見出した。
銀錯塩拡散転写法表を利用した平版印刷版の製造において、物理現像核層の塗布工程で、乾燥直後に物理現像層が塗布された塗布物を本発明の条件で調湿、加温することにより保存経時で感度が安定し更に、印刷版としてインキ乗りが向上し、インキ汚れが減少する効果を得られる。
以下本発明を詳細に説明する。本発明の効果は物理現像核層を塗布、乾燥直後に塗布物を15から45℃、相対湿度40%以下の条件で調湿した状態で巻き取り、その後、塗布物を相対湿度40%以下の条件のまま、35から45℃の条件で24時間以上加温することにより得られるのもので、本発明の条件から外れた条件では本発明の効果が得られないか、もしくは写真特性や印刷品質の悪化を招く。
本発明で言う乾燥直後とは塗布物の含水率が20%以下になってから、あるいは塗布物の表面温度が乾燥雰囲気の温度と同一になってから2分以内を言う。一般に感光材料はロ−ル状の支持体又は塗布物(裏塗り層、下引き層、乳剤層が塗布された塗布物)に塗布機で塗布後、乾燥、調湿、ロ−ルの巻取りの連続工程で製造されることは公知である。本発明では公知の方法で塗布、乾燥直後、調湿ゾ−ン及びロ−ル巻き取り室を本発明の調湿条件に設定し、巻き取られたロ−ル物を本発明の条件で加温すればよいが、これらは連続工程で行うことが望ましい。調湿後、塗布物を一旦保存した後、加温しても良いが、このときは相対湿度40%以下で保存をしておくか、湿気を透過しない包装材料で包装しておく必要がある。加温日数は24時間以上あればよいが、好ましくは24時間から7日である。
本発明では物理現像核層の塗布、乾燥直後の調湿時間は10〜120秒でよく、この時間を満たすように塗布機の調湿ゾ−ン及び巻き取り室までのライン長さの設備の改善や、ラインスピ−ドを考慮すればよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀は、塩化銀を95モル%以上、より好ましくは97モル%以上含有する塩化銀、塩沃化銀、塩臭化銀、もしくは塩沃臭化銀である。より好ましくは、沃化銀を0.1〜3モル%含む塩沃化銀である。これらのハロゲン化銀は、ロジウム塩をハロゲン化銀1モル当たり1×10-4〜1×10-8モル、より好ましくは1×10-7〜1×10-8モル、イリジウム塩をハロゲン化銀1モル当たり1×10-4〜1×10-8モル、より好ましくは1×10-6〜1×10-7モルを含有するのが好ましい。ハロゲン化銀粒子の形態、晶癖等には特に限定はなく、0.2μm〜1.0μmの粒子サイズのものを用いることができる。
本発明において、ハロゲン化銀に600nm以上の波長領域に極大分光感度を付与する増感色素は、例えば特開平2−251853、同平3−274055、同平4−9853、同平9−244196に記載されている増感色素を用いることができるが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。添加量は広範囲に変化することができるが、良好な結果はハロゲン化銀1モル当たり1×10-6〜1×10-2モル、より好ましくは5×10-4〜1×10-2モルの比較的多量の増感色素を添加した場合に得ることができる。最適添加量は、ハロゲン化銀乳剤の条件、例えばハロゲン組成、ハロゲン化銀粒子の平均粒径、晶癖などによって変化する。
本発明の対象たる平版印刷版はゼラチン及び他の高分子化合物を含有しており、その含有層は下塗り層であり、乳剤層であり、また物理現像核層でもありうる。これらのゼラチン含有層は、ゼラチン硬膜剤で硬化することができる。ゼラチン硬膜剤としては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザ−ル、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN、N、N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上を用いることができる。
硬膜剤はすべての層に添加することもでき、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製造時に添加したり、塗布時にインラインで添加することもできる。
本発明のゼラチン含有層におけるゼラチンは、その一部を他の高分子化合物、例えば、水溶性ゼラチン、澱粉、デキストリン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロ−ス、アラビアゴム、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロ−ス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエ−テル−無水マレイン酸共重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換することも出来る。さらにビニル重合体水性分散物(ラテックス)をゼラチン層に添加することも出来る。
下塗層のゼラチン及び、又は高分子化合物の含有量は、一般に0.5〜10g/m2 より好ましくは1〜6g/m2 である。下塗層にはハレ−ション防止の目的でカ−ボンブラック等の顔料、染料等を含むことができる。さらに現像主薬等の写真用添加物も含むことができる。また下塗層は特開昭48−5503、同昭48−100203、同昭49−16507に記載のようなものであってもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時又は塗布される時に種々な方法で増感することができる。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によって、又はこれらの両者の併用など当該技術分野において良く知られた方法で化学的に増感することが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層の上部に存在する物理現像核層にはアクリルアミドとグアニルチオ尿素等で置換されたメチルスチレンの共重合体を含んだ物理現像核を含む。物理現像核としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶であっても良い。さらに物理現像核層には、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知の硬膜剤を含んでいてもよい。
下塗層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層等の各塗布層には、塗布助剤として、陰イオン、陽イオンもしくは中性界面活性剤のいくつかを含んでいてもよいし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防止剤等を含むことができる。
本発明の平版印刷版の支持体としては、紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐えるものであれば使用することが出来る。支持体の表面を一層又はそれ以上の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両面を被覆することもできる。これらの支持体の表面を塗布層との接着を良くする為に表面処理することも可能である。
特に好ましく用いられる支持体は、両面もしくは片面をポリオレフィン重合体で被覆した紙、ポリエステルフィルム、表面を親水化処理したポリエステルフィルム、表面処理を行ったアルミニウム板等である。これらの支持体にはハレ−ション防止のための顔料や表面物性改良の為に固形微粒子を含んでいてもよい。又支持体は裏面露光が可能なように光透過性であっても良い。
本発明で使用する現像処理液には、アルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤としての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス等、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、特開昭47−26201に記載の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン類、カテコ−ル、1−フェニル−3−ピラゾリジノン等、現像変性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合物等を含むことができる。さらに現像処理液には、米国特許第3,776,728に記載の如き表面銀層のインキ乗りを良くする化合物等を使用することができる。
本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ないしは受容性を増強することができる。このような処理液としては、例えば特公昭48−29723、米国特許第3,721,559等に記載されている。印刷方法、あるいは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られた方法によることができる。
以下に本発明を実施例により説明するが、勿論本発明はこれだけに限定されるものではない。
<ハロゲン化銀乳剤の作製>
混合温度を60℃に保ちながら、pAgコントロールドダブルジェット法により、平均粒子径0.30ミクロンの立方体単分散で、塩化ロジウムを5×10-7モル/モルAg、塩化イリジウムを6.0×10-6モル/モルAgを含有する塩ヨウ化銀乳剤粒子(塩化物含有率98%、ヨウ化物含有率2%)をイオン交換された石灰処理オセインゼラチンの存在下に形成させた。
<化学熟成及び塗布工程>
上記乳剤をゼラチン凝集剤として、50質量%の硫酸マグネシュウム水溶液を添加して、ハロゲン化銀−ゼラチンを沈殿させ40℃で再溶解した後、温度を60℃に保ち、乳剤にゼラチンと増感色素として下記化1または化2を銀(硝酸銀換算)1モル当たり300mg添加し、銀電位を120mv(塩化銀比較電極に対して)に調整した。添加5分後に銀(硝酸銀換算)1モル当たりチオ硫酸ナトリウム8mg、塩化金酸10mgを加え、60℃で40分間加熱する化学増感を施した。
Figure 2005107305
Figure 2005107305
上記の化学増感済みのそれぞれの乳剤のPHを4.5に調整し、1−フェニル−3−ピラゾリジノンをハロゲン化銀1モル当たり1×10-2モル、1−フェニル−5−メルカプトトリアゾ−ルをハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モルを添加、更にゼラチンに対し5質量%の平均粒径4μmのシリカ粉末、硬膜剤としてホルマリンをゼラチンに対して0.5mg/gを加え塗布液とした。この塗布液を下記の裏塗り層を設けたロ−ル状ポリエステル支持体の表面側に、下記の下塗り層と共に塗布機で重層塗布をした。塗布液の銀量(硝酸銀換算)の塗布量は1.2g/m2ゼラチン塗布量は1.0g/m2となるようにした。
塗布乾燥後、40℃で7日間加温したハロゲン化銀乳剤層の上に、下記の物理現像核を含む上塗り液を塗布機で核塗布した。核塗布に際し、乾燥直後の調湿条件と加温条件を異なるような条件(表1に示す)で、それぞれの試料を製造した。これらは調湿ゾ−ンから巻き取り室の相対湿度、時間を調整した。また加温はロ−ル状で相対湿度、温度、時間を調整した加温庫で行った。これらの工程は連続的に実施した。加温されたロ−ルは25℃以下に冷やされた後、508mmの幅、60mの長さのスリットロ−ル品に裁断し試料として供した。
<下塗り層>
ゼラチン、カーボンブラック1.0g/m2、ゼラチンに対して20質量%の平均粒径4μmのシリカ粉末を含ませ、硬膜剤としてホルマリンをゼラチンに対して0.5mg/gを添加し、pH4.5に調整した塗布液を塗布し下塗層とした(下塗層のゼラチン塗布量は3.0g/m2)。
<裏塗り層>
下引き加工が施されているポリエステルフィルム支持体にゼラチン1g/m2、カ−ボンブラック1.5g/m2に界面活性剤、更に硬膜剤として2、4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン塩を用いて塗布した。
<物理現像層の塗布>
物理現像層の塗布は、ハロゲン化銀乳剤層の上に特開昭57−86825号明細書の実施例1に記載の核塗液にハイドロキノン0.7g/m2となるように加えた液を塗布した。
<写真特性及び印刷特性の評価>
本発明の効果を見るために塗布物を本発明の条件で調湿、加温した試料、及びその条件以外の試料、更に感度の経時安定性を見るためにそれらの試料を経時した試料(表1参照)を作成し、ステップウエッジ及び600nm以上の波長のみを透過する色フィルターを通してキセノンフラッシュ感光計で10-5秒露光し、下記組成の転写現像液で、30℃15秒現像処理を行いセンシトメトリ−用サンプルとした。評価結果は表2に示した。ここで感度は、センシトメトリーにより得られた反射濃度1.0を与える露光量の逆数で、塗布直後または加温直後の感度を100とした相対感度で表した。
上記平版印刷版を633nmで発光するレーザーダイオードスキャナーFT−R3050(大日本スクリーン製造製)で原稿を焼き付け、これを印刷用サンプルとした。
画像露光した各印刷版を下記の現像液でそれぞれ30℃、15秒間現像した。
<転写現像液>
水 700ml
水酸化ナトリウム 18g
水酸化カリウム 7g
無水亜硫酸ナトリウム 50g
2−メルカプト安息香酸 1g
ウラシル 10g
2−メチルアミノエタノ−ル 30g
5−フェニル−2−メルカプト 0.1g
−1,3,4−オキサジアゾール
臭化カリウム 1g
水を加えて1リットルとする。
現像処理後、該原版を2本の絞りロ−ラ−間に通し、余分の現像液を除去し、直ちに下記組成を有する中和液で25℃20秒間処理し、絞りロ−ラ−で余分の液を除去し室温で乾燥した。
<中和液>
水 600ml
クエン酸 10g
クエン酸ナトリウム 35g
コロイダルシリカ(20%液) 5ml
エチレングリコ−ル 5ml
水を加えて1リットルとする。
以上の操作により作成した平版印刷版をオフセット印刷機に装着し、下記の不感脂化液を版面にくまなく与え、下記給湿液を用いて印刷を行った。
<不感脂化液>
水 600ml
イソプロピルアルコ−ル 400ml
エチレングリコ−ル 50g
3−メルカプト−4−アセトアミド− 1g
5−n−ヘプチル−1,2,4−トリアゾ−ル
<給湿液>
o−リン酸 10g
硝酸ニッケル 5g
亜硝酸ナトリウム 5g
エチレングリコ−ル 100g
コロイダルシリカ(20%液) 28g
水を加えて2リットルとする。
印刷特性のインキ乗りについては、印刷機リョ−ビ3200CD(リョ−ビ製)、インキはABdick3−1012(ABDick製)を使用し、反射濃度1.0のインキ濃度となるまでの枚数による絶対評価とした。ただし、本発明の効果をより明確にするため、インキの温度を15℃以下とし、インキの乗りにくい条件下での強制的な評価をおこなった。
印刷特性のインキ汚れについては、印刷機はリョ−ビ3200CD(リョ−ビ製)、インキはABdick3−1012(ABDick製)を使用し、地汚れが発生し印刷が不可になった枚数によって、次の評価基準により判定した。ただし、本発明の効果をより明確にするため、比較が×〜△レベルになるよう水送りの量を絞ることにより調整し、強制的な条件で評価をおこなった。
◎ 5000枚以上
○ 2000〜5000枚
△ 1000〜2000枚
× 300〜1000枚
×× 300枚以下
各平版印刷版の試料内容を表1に、結果を表2に示す。
Figure 2005107305
Figure 2005107305
上記結果から明らかなように、乾燥直後に塗布物を15から45℃、相対湿度40%以下の条件で調湿した状態で巻き取り、その後、塗布物を相対湿度40%以下の条件のまま、35から45℃の条件で24時間以上加温する本発明の製造条件により、保存経時での感度の安定した、インキ乗りが良く、インキ汚れの少ない平版印刷版を得られる。また、巻き取り時の調湿時間が長くなると場合と、加温時間が長くなりすぎる場合は、保存経時での感度安定性が劣化する傾向にあるので、調湿時間は120秒以内、加温時間は7日以内が望ましいことも明らかである。

Claims (1)

  1. 支持体上に少なくとも下塗層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を順次塗布されてなり、該ハロゲン化銀乳剤層は600nm以上の波長領域に極大分光感度を付与する増感色素を含有し、該ハロゲン化銀は塩化銀を95モル%以上含む走査型露光用平版印刷版の製造方法において、物理現像核層を塗布、乾燥直後に塗布物を15から45℃、相対湿度40%以下の条件で調湿した状態で巻き取り、その後、塗布物を相対湿度40%以下の条件のまま、35から45℃の条件で24時間以上加温することを特徴とする走査型露光用平版印刷版の製造方法。
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