JP2005212180A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 キャリッジ軸上の異物を効果的に除去すること。
【解決手段】 キャリッジ軸31に沿って往復移動するキャリッジ21に記録ヘッド20を搭載し、この記録ヘッド20によってプラテン上に搬送されるシートに画像を記録する記録装置において、画像記録時におけるキャリッジ21の最大移動範囲Rを避けたキャリッジ軸31の周面に、キャリッジ軸31の周方向に延び、キャリッジ軸31上の異物Xを落とし込むための周溝61を形成した。
【選択図】 図6
【解決手段】 キャリッジ軸31に沿って往復移動するキャリッジ21に記録ヘッド20を搭載し、この記録ヘッド20によってプラテン上に搬送されるシートに画像を記録する記録装置において、画像記録時におけるキャリッジ21の最大移動範囲Rを避けたキャリッジ軸31の周面に、キャリッジ軸31の周方向に延び、キャリッジ軸31上の異物Xを落とし込むための周溝61を形成した。
【選択図】 図6
Description
記録ヘッドを搭載したキャリッジを案内するキャリッジ軸を備えた記録装置に関する。
一般に、キャリッジ軸に沿って往復移動するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、この記録ヘッドによってプラテン上に搬送される記録シートに画像を記録する記録装置が知られている。
この種の記録装置のキャリッジには、キャリッジ軸が挿通される軸受部が備えられており、キャリッジ軸には、キャリッジが記録動作時にキャリッジ軸上を摺動して左右往復移動する際の摺動摩擦抵抗を減少させるために、潤滑油が供給されるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−314420号公報
しかしながら、上記記録装置では、キャリッジ軸に潤滑油が塗布されているので、シート粉(例えば、用紙の紙粉)や記録装置の外部から侵入した粉塵等の異物が、キャリッジ軸に付着しやすい。このようにシート粉や粉塵等の異物をキャリッジ軸に付着したまま放置しておくと、この異物がキャリッジの軸受部とキャリッジ軸との間の隙間に入り込んでしまうことがあり、この入り込んだ異物によってキャリッジの軸受部とキャリッジ軸との間の摺動摩擦抵抗が増大し、キャリッジの動作が不安定となって記録品質が低下したり、入り込んだ異物によってキャリッジの軸受部或いはキャリッジ軸が磨耗してしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、キャリッジ軸上の異物を効果的に除去することができる記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、キャリッジ軸に沿って往復移動するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、この記録ヘッドによってプラテン上に搬送されるシートに画像を記録する記録装置において、画像記録時における前記キャリッジの最大移動範囲を避けた前記キャリッジ軸の周面に、前記キャリッジ軸の周方向に延び、前記キャリッジ軸上の異物を落とし込むための周溝を形成したことを特徴とするものである。
この記録装置において、前記キャリッジ軸上の異物を前記周溝に落とし込むように、画像記録時における前記キャリッジの最大移動範囲を超えて前記キャリッジを移動させるキャリッジ制御手段を備えてもよい。
また、上記記録装置において、前記キャリッジは、前記キャリッジ軸が挿通される軸受部を備え、前記キャリッジ制御手段は、前記キャリッジを、前記軸受部の端面と前記周溝の壁面とが略揃うように移動させてもよい。
更に、上記記録装置において、前記キャリッジは、前記キャリッジ軸が挿通される軸受部を備え、前記キャリッジが、画像記録時に前記キャリッジ軸における最大移動範囲の端部に移動した場合に、前記軸受部の端面と、前記周溝の壁面とが略揃うようにしてもよい。
更にまた、上記記録装置において、前記キャリッジ軸の周溝の下方に、当該周溝から落下する異物を受ける受け部を配置してもよい。
本発明によれば、キャリッジ軸上の異物を効果的に除去することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[1]第1実施形態
図1は、本発明に係る記録装置の第1実施形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。図2及び図3は、ドットインパクトプリンタのプリンタ本体の構成を示す斜視図である。また、図4は、プリンタ本体の断面図である。
図1は、本発明に係る記録装置の第1実施形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。図2及び図3は、ドットインパクトプリンタのプリンタ本体の構成を示す斜視図である。また、図4は、プリンタ本体の断面図である。
図1乃至図3に示す記録装置としてのドットインパクトプリンタ10は、記録ヘッド20(図3参照)が備える記録ワイヤを、インクリボン(共に図示せず)を介してシート(記録用紙)に押し付け、このシート上にドットを形成することにより、文字を含む画像を記録するものである。このシートとしては、所定長さに切断されたカットシートと、複数枚が連接された連続シートとがある。カットシートとしては、例えば単票紙や単票複写紙などの普通紙の他、通帳や葉書、封筒などがあり、連続シートとしては、連続紙、連続複写紙がある。
上記ドットインパクトプリンタ10は、大別すると、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、プリンタ本体11に着脱自在に装着されたプッシュトラクタユニット12(図2)及び排出ユニット13と、プリンタ本体11の上方、下方のそれぞれを覆う外装体としてのアッパケース14A及びロアケース14Bとを備えて構成されている。
上記プリンタ本体11は、図2乃至図4に示すように、本体フレームとしてのベースフレーム15、フロントフレーム16、リアフレーム17(図4)、左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19と、記録ヘッド20及びキャリッジ21を備えた記録機構部22と、プラテン23、シート案内24(図4)、第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26を備えた第1シート搬送機構部27、第3従動ローラ28及び駆動ローラ29を備えた第2シート搬送機構部30と、を有して構成される。
ベースフレーム15、フロントフレーム16及びリアフレーム17の略両端部に、左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19が立設して固定される。これら左サイドフレーム18と右サイドフレーム19との間に、キャリッジ軸31が架け渡されて、回動自在に枢支される。更に、左サイドフレーム18と右サイドフレーム19との間にプラテン23が架け渡されて回転自在に配設されるとともに、更にシート案内24がリアフレーム17上に固定して配設される。
プラテン23を含む上記第1シート搬送機構部27は、図4に示すように、プラテン23の下方に第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26が配置され、プリンタ本体11のリア側のシート搬送機構として構成される。第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26は、従動ローラホルダ32に回転自在に枢支される。従動ローラホルダ32は、リアフレーム17に一端が固定された付勢ばね33によりプラテン23側に付勢され、これにより第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26がプラテン23に対して下方から当接しプラテン23の回転力を受けて回転駆動される。
また第2シート搬送機構部30は、第3従動ローラ28と駆動ローラ29とが当接状態で配置されて、プリンタ本体11のフロント側のシート搬送機構として構成される。
プラテン23及び駆動ローラ29は、駆動輪列部34により正または逆方向に回転駆動される。この駆動輪列部34は、左サイドフレーム18又は右サイドフレーム19の一方、例えば右サイドフレーム19に設置される。この駆動輪列部34は、正転又は逆転可能なシート搬送モータ35(図2)と、シート搬送モータ35の駆動軸に回転一体に固定されたモータピニオンと、このモータピニオンからの駆動力をプラテン23へ伝達する複数の減速ギアと、駆動ローラ29へ伝達する複数の減速ギアとを備えて構成される。この構成により、プラテン23と駆動ローラ29とが反対方向に回転し、カットシートまたは連続シートを、プリンタ本体11の前方から後方へ搬送可能とし、または、プリンタ本体11の後方から前方へ搬送可能とする。従って、カットシート及び連続シートは、キャリッジ21の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19のプリンタ本体11におけるフロント側及びリア側の各々には、トラクタユニット装着部40A、40Bが形成され、各々にプッシュトラクタユニット12が着脱自在に装着される。なお、図2は、プリンタ本体11のフロント側にのみプッシュトラクタユニット12が装着された状態を示す。
プリンタ本体11のリア側に装着されるプッシュトラクタユニット12は、連続シート(例えば連続紙)を、リア側の上記第1シート搬送機構部27へ供給するものであり、フロント側に装着されるプッシュトラクタユニット12は、フロント側の上記第2シート搬送機構部30へ供給するものである。プリンタ本体11のフロント側及びリア側に装着されるプッシュトラクタユニット12は、各々略同様な構成となっており、左右に一対のトラクタ36を有する。これらのトラクタ36は、トラクタ駆動軸37に回転一体且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ駆動プーリ(不図示)と、トラクタガイド軸38に回転自在且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ従動駆動プーリ(不図示)とにトラクタベルト39が巻き掛けられ、シート押え蓋(不図示)を備えて構成される。
プリンタ本体11のフロント側から第2シート搬送機構部30へ手差しでシートを供給する場合には、不図示の手差しトレーをフロント側のサイドフレーム18、19間に装着する。
一対のトラクタ36間の距離は、搬送すべき連続シート(連続紙)の幅寸法に応じて調整可能とされる。また、トラクタベルト39の全外周には複数のピンが突設され、連続シートの幅方向両側に穿設された穴に係合可能とされる。このトラクタベルト39も前述の駆動輪列部34により駆動される。
上記キャリッジ21は、キャリッジ軸31に摺動自在に挿通されると共に、フロントフレーム16の上端部に摺接され、更に、記録ヘッド20を搭載する。キャリッジ軸31がプラテン23と平行に配置されることから、キャリッジ21は、これらプラテン23、キャリッジ軸31の軸方向と一致する主走査方向に走行(走査)可能に設けられる。
具体的に説明すると、キャリッジ21は、図4に示すように、記録ヘッド20が搭載されるキャリッジ本体21Aと、このキャリッジ本体21Aに保持され、キャリッジ軸31が挿通される軸受部としてのキャリッジブッシュ21Bとを備えている。更に、キャリッジ本体21Aは、キャリッジ軸31に直交する方向に延出する延出部21Cを備え、この延出部21Cの先端に、フロントフレーム16の上端部に摺接される摺接部21Dが設けられている。そして、キャリッジ21がキャリッジ軸31を摺動自在となるように、キャリッジブッシュ21Bとキャリッジ軸31との間に隙間が設けられている。このキャリッジブッシュ21Bは、例えば、焼結金属製の耐摩耗性材料であり、潤滑油が含浸され、この潤滑油でキャリッジブッシュ21Bとキャリッジ軸31と間の摺動摩擦抵抗の低減が図られている。また、キャリッジ21には、記録ヘッド20が搭載されているので、記録ヘッド20及びキャリッジ21の自重により、キャリッジ21の摺接部21Dがフロントフレーム16に押し付けられて摺接されることとなる。
このキャリッジ21は、キャリッジ軸31の一端の近傍におけるキャリッジ駆動モータ41に回転一体に軸支されたベルト駆動プーリ(不図示)と、キャリッジ軸31の他端の近傍に設けられたベルト従動プーリ(不図示)とに架け渡されたタイミングベルト42(図4)に結合される。従って、キャリッジ21は、キャリッジ駆動モータ41の正転又は逆転により、タイミングベルト42を介し、キャリッジ軸31及びフロントフレーム16に案内されて、主走査方向における図1乃至3の左向き又は右向きに走査される。ここで、キャリッジ駆動モータ41は、シート搬送モータ35とともに例えばステッピングモータにて構成される。
キャリッジ軸31の前方左側には、リボン駆動軸43が設けられる。このリボン駆動軸43は、左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19に装着されたリボンカセット44内のインクリボン(不図示)を移動させるものである。このインクリボンは、記録ヘッド20とプラテン23との間に引き回され、リボン駆動軸43により移動可能に設けられる。
上記記録ヘッド20は、多数の記録ワイヤ(不図示)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方にインクリボンが位置する。記録ヘッド20は、キャリッジ21と共に主走査方向に走行される間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン23と記録ヘッド20との間に搬送されるシートに付着させて、このシートに文字を含む画像を記録する。
記録ヘッド20による記録動作は、キャリッジ21が図1乃至3の主走査方向左向き又は右向きに走行される間に、記録ヘッド20の記録ワイヤにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、上記第1シート搬送機構部27又は第2シート搬送機構部30が、それぞれシートを所定長(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
上記排出ユニット13は、図4に示すように、ローラ軸45に回転一体に設けられた排出ローラ46を備え、この排出ローラ46の回転によって、記録ヘッド20により記録されたシートがプリンタ10外に排出される。
上記右サイドフレーム19の外側には、レリースレバー47が設けられ、このレリースレバー47の操作によって、シート搬送モータ35の駆動力を伝達する伝達ギア(不図示)が、プリンタ本体11のリア側に装着されたプッシュトラクタユニット12のトラクタ駆動軸37を駆動するトラクタ駆動ギア(不図示)と噛み合い、または離脱可能に構成される。伝達ギアがトラクタ駆動ギアと噛み合っている時には、図4に示すレリース軸48に形成されたカム49の作用で、第1シート搬送機構部27の第1従動ローラ25がプラテン23から離反して、シートとしての連続紙が、プリンタ本体11のリア側に装着されたプッシュトラクタユニット12からプラテン23へ供給され搬送される。
また、レリースレバー47の操作により、伝達ギアがトラクタ駆動ギアから離脱したときには、上記カム49の作用で、第1シート搬送機構部27の第1従動ローラ25がプラテン23に接触して回転し、図示しないシート供給ガイド等から、シートとしての単票紙が、第1シート搬送機構部27のシート案内24からプラテン23へ供給され搬送される。
上記左サイドフレーム18の外側には、アジャストレバー50が設けられ、このアジャストレバー50の操作によって、その操作量に応じた分だけキャリッジ軸31がプラテン23から離間又は接近可能に構成される。従って、アジャストレバー50の手動操作によって、上記キャリッジ軸31に支持されたキャリッジ21に搭載される記録ヘッド20とプラテン23との間のプラテンギャップを、シート厚等に応じて調整可能となる。
また、プラテン23、プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13の駆動制御と、キャリッジ21の走行制御と、記録ヘッド20の記録ワイヤによる記録動作の制御は、制御装置としての制御基板部51により実施される。この制御基板部51は、例えばプリンタ本体11のリア側下方に配置される。
図5は、プリンタ本体11におけるキャリッジ軸31の一端部付近を示す拡大斜視図である。なお、図5において、記録ヘッド20の図示を省略している。また、図6は、シートに画像を記録する画像記録時におけるキャリッジ軸31の一端部付近を示す部分断面図である。
キャリッジ21は、図6に示すように、キャリッジ本体21Aの両端に一対のキャリッジブッシュ21Bが設けられている。一対のキャリッジブッシュ21Bの間には、オイルパッド53がキャリッジ軸31に当接するようにキャリッジ本体21Aに保持されている。このオイルパッド53によりキャリッジ軸31及びキャリッジブッシュ21Bに潤滑油が供給される。なお、キャリッジ軸31の偏心軸31Aは、サイドフレーム19に嵌め込まれた支持部材55に回動自在に支持されている。また、キャリッジ軸31の偏心軸31Aには、図5に示すように、圧縮ばね54が嵌め込まれて、キャリッジ軸31が軸方向に移動するのを抑制している。
この潤滑油が塗布されたキャリッジ軸31及びキャリッジブッシュ21Bには、シート粉(例えば、紙粉)やプリンタ本体11内に入り込んだ粉塵等の異物が付着しやすい。そして、キャリッジ軸31の端部には、キャリッジ21がキャリッジ軸31上を摺動することによって押し退けられ、潤滑油を吸収したシート粉や粉塵等の異物Xが堆積することとなる。この堆積した異物Xをキャリッジ軸31上に放置しておくと、キャリッジ軸31とキャリッジブッシュ21Bとの間に巻き込む恐れがある。
本第1実施形態では、図5及び図6に示すように、キャリッジ軸31の一端部(例えば、右サイドフレーム19側の端部)において、キャリッジ軸31の周面に、キャリッジ軸31の周方向に延び、キャリッジ軸31上の異物Xを落とし込むための周溝61が形成されている。この周溝61は、画像記録時におけるキャリッジ21の最大移動範囲Rを避けたキャリッジ軸31の周面に形成されている。つまり、画像記録時にキャリッジ21が移動しない範囲Pにおけるキャリッジ軸31の周面に形成されている。ここで、周溝61の壁面63は、キャリッジ軸31の軸方向に対して略垂直な平面である。また、キャリッジブッシュ21Bの端面62は、キャリッジ軸31の軸方向に対して略垂直な平面である。
制御基板部51は、キャリッジ21を、画像記録時におけるキャリッジ21の最大移動範囲Rを超えて、キャリッジ軸31上の異物を周溝61に落とし込むように移動させる制御を行う(キャリッジ制御手段)。
このキャリッジ軸31上の異物を周溝61に落とし込む動作は、定期的に行われる。例えば、シートに画像を記録する画像記録時を避けたタイミングであって、プリンタ10の電源投入時、記録開始時、或いは記録終了時等に行われる。
以下、キャリッジ軸31上の異物を周溝61に落とし込む動作について詳述する。図7乃至図9は、キャリッジ軸31上の異物を周溝61に落とし込む動作を行った場合のキャリッジ軸31の一端部付近を示す部分断面図である。
制御基板部51は、キャリッジ軸31に堆積した異物Xを除去すべく、キャリッジ21を画像記録時における最大移動範囲Rを超えてキャリッジ軸31上を移動させ(図7)、キャリッジ21のキャリッジブッシュ21Bの端面62と周溝61の壁面63とが略揃う位置でキャリッジ21を停止させる(図8)。
ここで、キャリッジ21のキャリッジブッシュ21Bの端面62と、周溝61の壁面63とが略揃う場合とは、キャリッジブッシュ21Bの端面62と、周溝61の壁面63とが揃わずに僅かにずれている場合を含んでいるものである。つまり、制御基板部51が、キャリッジブッシュ21Bの端面62と、周溝61の壁面63とが揃うようにキャリッジ21を制御しても、完全に揃わずに、僅かにずれている場合があるためである。なお、キャリッジブッシュ21Bの端面62と、周溝61の壁面63とが略揃う場合には、キャリッジブッシュ21Bの端面62と、周溝61の壁面63とが揃う場合も含まれているものである。更に、キャリッジブッシュ21Bの端面62と、周溝61の壁面63とが略揃うとは、キャリッジブッシュ21Bの内周面と端面62との境界である縁辺62Aと、キャリッジ軸31の周面と周溝61の壁面63との境界である縁辺63Aとが略揃うことである。
図8に示すように、キャリッジ21のキャリッジブッシュ21Bの端面62と周溝61の壁面63とが略揃う位置でキャリッジ21を停止させるのは、仮に、キャリッジブッシュ21Bがこの周溝61上を通過してしまうと、この周溝61に落ち込んだ異物Xがキャリッジブッシュ21Bの内周面に付着してしまうからである。
これによって、キャリッジ軸31上に堆積した異物Xは、キャリッジ21のキャリッジブッシュ21Bによって押し退けられて周溝61に落とし込まれる。この周溝61に落とし込まれた異物Xは、図9に示すように、自重により周溝61の下方に落下することとなり、キャリッジ軸31に堆積した異物Xが効果的に除去される。
従って、異物Xがキャリッジ軸31とキャリッジブッシュ21Bとの間に入り込むのを抑制することができ、ひいてはキャリッジ21の移動動作を安定に保つことができ、キャリッジブッシュ21B或いはキャリッジ軸31の磨耗を抑制することができる。
ところで、図示は省略するが、キャリッジ軸31の他端部にも同様に、キャリッジ21の最大移動範囲Rを避けてキャリッジ軸31の周面に周溝を形成するのが好ましい。これによって、キャリッジ軸31の両端の異物を効果的に除去することができる。
周溝61の深さは、周溝61の部分の径が、キャリッジ軸31の偏心軸31Aの径よりも太くなるように設定されている。これによって、キャリッジ軸31の剛性を保つことができる。
また、本第1実施形態では、キャリッジ軸31の周溝61の下方に、当該周溝61から落下する異物Xを受ける受け部64が配置されている。この受け部64は、平板状であり、ベースフレーム15の上方にサイドフレーム18、19に支持されている。
この受け部64によって、異物Xがシートやベースフレーム15等に落下するのを防止することができる。従って、シートやベースフレーム15等が異物Xで汚れることはない。
[2]第2実施形態
本第2実施形態において、上記第1実施形態と異なるのは、キャリッジが画像記録時にキャリッジ軸における最大移動範囲の端部に移動した場合に、キャリッジブッシュの端面と周溝の壁面とが略揃う位置に、キャリッジ軸の周溝が形成されている点である。図10は、第2実施形態におけるシートに画像を記録する画像記録時におけるキャリッジ軸31の一端部付近を示す部分断面図である。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
本第2実施形態において、上記第1実施形態と異なるのは、キャリッジが画像記録時にキャリッジ軸における最大移動範囲の端部に移動した場合に、キャリッジブッシュの端面と周溝の壁面とが略揃う位置に、キャリッジ軸の周溝が形成されている点である。図10は、第2実施形態におけるシートに画像を記録する画像記録時におけるキャリッジ軸31の一端部付近を示す部分断面図である。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図10に示すように、キャリッジ軸31の周溝71は、キャリッジ軸31におけるキャリッジ21の最大移動範囲Rを避けた範囲Pの周面であって、キャリッジ21が画像記録時にキャリッジ軸31における最大移動範囲Rの端部に移動した場合に、キャリッジブッシュ21Bの端面62と周溝71の壁面73とが略揃う位置に形成されている。
従って、シートに画像を記録する画像記録時に、異物Xが周溝71に落とし込まれるので、周溝71に異物Xを落とし込むためのキャリッジ21の制御を行わなくてもよい。このように、周溝71に異物Xを落とし込むための制御を行わなくても、キャリッジ軸31に堆積した異物Xが効果的に除去される。従って、異物Xがキャリッジ軸31とキャリッジブッシュ21Bとの間に入り込むのを抑制することができ、ひいてはキャリッジ21の移動動作を安定に保つことができ、キャリッジブッシュ21B或いはキャリッジ軸31の磨耗を抑制することができる。
[変形例]
[3.1]第1変形例
上記第1、第2実施形態においては、周溝61、71の壁面63、73が、キャリッジ軸の軸方向に対して略垂直な面である場合について説明したが、これに限るものではなく、周溝の壁面は、いかなる状態の面であってもよい。例えば、図11に示すように、周溝81の壁面83が、キャリッジ軸31の軸方向に垂直な垂直方向に対して傾斜していてもよい。
[3.1]第1変形例
上記第1、第2実施形態においては、周溝61、71の壁面63、73が、キャリッジ軸の軸方向に対して略垂直な面である場合について説明したが、これに限るものではなく、周溝の壁面は、いかなる状態の面であってもよい。例えば、図11に示すように、周溝81の壁面83が、キャリッジ軸31の軸方向に垂直な垂直方向に対して傾斜していてもよい。
更にまた、上記第1、第2実施形態においては、キャリッジブッシュ21Bの端面62は、キャリッジ軸31の軸方向に対して略垂直な面である場合について説明したが、これに限るものではなく、キャリッジブッシュの端面は、いかなる状態の面であってもよい。例えば、キャリッジブッシュの端面がキャリッジ軸の軸方向に垂直な垂直方向に対して傾斜していてもよい。
なお、キャリッジブッシュの端面と、周溝の壁面とが略揃うとは、キャリッジ軸の周面と周溝の壁面との境界である縁辺(例えば図11中、縁辺83A)と、キャリッジブッシュの内周面と端面との境界である縁辺とが略揃うことである。
また、キャリッジブッシュの端面或いは周溝の壁面は、平面に限らず、湾曲面であってもよい。
[3.2]第2変形例
また、キャリッジ軸の周溝は、キャリッジ21の最大移動範囲Rを避けた範囲Pであれば任意の幅に設定することができる。例えば、キャリッジ軸に付着する異物の量が多くなる場合には、図12に示すように、キャリッジ軸31の周溝91の溝幅を広く設定してもよい。つまり、周溝の幅は、当該周溝に落とし込まれた異物が周面に溢れない程度に設定されている。これによって、効果的に異物を除去することができる。
また、キャリッジ軸の周溝は、キャリッジ21の最大移動範囲Rを避けた範囲Pであれば任意の幅に設定することができる。例えば、キャリッジ軸に付着する異物の量が多くなる場合には、図12に示すように、キャリッジ軸31の周溝91の溝幅を広く設定してもよい。つまり、周溝の幅は、当該周溝に落とし込まれた異物が周面に溢れない程度に設定されている。これによって、効果的に異物を除去することができる。
[3.3]第3変形例
また、上記第1、第2実施形態では、受け部64は、平板状であり、ベースフレーム15の上方にサイドフレーム18、19に支持されている場合について説明したが、これに限らず、キャリッジ軸の周溝の下方に受け部が配置されていればよい。例えば、ベースフレームの上方に皿状の受け部を配置してもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、受け部64は、平板状であり、ベースフレーム15の上方にサイドフレーム18、19に支持されている場合について説明したが、これに限らず、キャリッジ軸の周溝の下方に受け部が配置されていればよい。例えば、ベースフレームの上方に皿状の受け部を配置してもよい。
10…プリンタ(記録装置)、20…記録ヘッド、21…キャリッジ、21A…キャリッジ本体、21B…キャリッジブッシュ(軸受部)、23…プラテン、31…キャリッジ軸、51…制御基板部(キャリッジ制御手段)、61,71,81,91…周溝、62…端面、63,73,83壁面、64…受け部、X…異物。
Claims (5)
- キャリッジ軸に沿って往復移動するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、この記録ヘッドによってプラテン上に搬送されるシートに画像を記録する記録装置において、
画像記録時における前記キャリッジの最大移動範囲を避けた前記キャリッジ軸の周面に、前記キャリッジ軸の周方向に延び、前記キャリッジ軸上の異物を落とし込むための周溝を形成したことを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、
前記キャリッジ軸上の異物を前記周溝に落とし込むように、画像記録時における前記キャリッジの最大移動範囲を超えて前記キャリッジを移動させるキャリッジ制御手段を備えたことを特徴とする記録装置。 - 請求項2に記載の記録装置において、
前記キャリッジは、前記キャリッジ軸が挿通される軸受部を備え、
前記キャリッジ制御手段は、前記キャリッジを、前記軸受部の端面と前記周溝の壁面とが略揃うように移動させることを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、
前記キャリッジは、前記キャリッジ軸が挿通される軸受部を備え、
前記キャリッジが、画像記録時に前記キャリッジ軸における最大移動範囲の端部に移動した場合に、前記軸受部の端面と、前記周溝の壁面とが略揃うことを特徴とする記録装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記キャリッジ軸の周溝の下方に、当該周溝から落下する異物を受ける受け部を配置したことを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004019374A JP2005212180A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004019374A JP2005212180A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005212180A true JP2005212180A (ja) | 2005-08-11 |
Family
ID=34903602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004019374A Pending JP2005212180A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005212180A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008238785A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Seiko Epson Corp | シリアルプリンタ |
JP2012131236A (ja) * | 2012-04-11 | 2012-07-12 | Seiko Epson Corp | シリアルプリンタ |
-
2004
- 2004-01-28 JP JP2004019374A patent/JP2005212180A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008238785A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Seiko Epson Corp | シリアルプリンタ |
JP2012131236A (ja) * | 2012-04-11 | 2012-07-12 | Seiko Epson Corp | シリアルプリンタ |
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