JP2005199583A - キャリッジ及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 摺動摩擦抵抗の軽減を図るキャリッジ及びこのキャリッジを備えた記録装置を提供する。
【解決手段】 記録ヘッドが搭載されるキャリッジ本体61に、キャリッジ軸31が挿通される軸受部62を備え、この軸受部62を介してキャリッジ軸31上を摺動するキャリッジにおいて、キャリッジ本体61が、軸受部62の外側にキャリッジ軸31の軸方向に沿って延びる延出部65を備え、延出部65に、キャリッジ軸31に当接するオイルパッド66を設けた。
【選択図】 図7
【解決手段】 記録ヘッドが搭載されるキャリッジ本体61に、キャリッジ軸31が挿通される軸受部62を備え、この軸受部62を介してキャリッジ軸31上を摺動するキャリッジにおいて、キャリッジ本体61が、軸受部62の外側にキャリッジ軸31の軸方向に沿って延びる延出部65を備え、延出部65に、キャリッジ軸31に当接するオイルパッド66を設けた。
【選択図】 図7
Description
潤滑油をキャリッジ軸に供給するオイルパッドを備えたキャリッジ、及びこのキャリッジを備えた記録装置に関する。
一般に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを備え、このキャリッジがサイドフレームに支持されたキャリッジ軸上を摺動し、記録ヘッドによりプラテンに搬送されたシートに画像を記録する記録装置が知られている。
この種の記録装置のキャリッジとして、キャリッジ軸が挿通される軸受部がキャリッジ本体の両端に設けられ、これら一対の軸受部の間にキャリッジ軸に当接して当該キャリッジ軸に潤滑油を供給するオイルパッドが設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、通常は、キャリッジがキャリッジ軸を摺動自在となるように、キャリッジの軸受部とキャリッジ軸との間に僅かな隙間が設けられている。
実開平5−90097号公報
しかしながら、上記記録装置では、キャリッジ軸とキャリッジの軸受部との間には隙間が設けてられているので、キャリッジを移動させた際には、キャリッジが隙間分だけ摺動方向に傾くことがある。このように、キャリッジが傾くことによって、キャリッジの軸受部とキャリッジ軸との接触面積が小さくなるので、摺動摩擦抵抗が大きくなる傾向にあり、オイルパッドを軸受部間に配置したのでは、キャリッジの軸受部がキャリッジ軸上を通過する前に潤滑油がキャリッジ軸に供給されず、キャリッジの軸受部又はキャリッジ軸が削れやすくなってしまったり、摺動摩擦抵抗が大きくなってしまうので、キャリッジの移動動作が不安定になってしまうという問題があった。
また、キャリッジを長期間駆動した場合、キャリッジ軸に供給された潤滑油がキャリッジ軸に付着した異物(例えば、紙粉等のシート粉や粉塵)によって吸収されたり、キャリッジ軸から潤滑油が飛散してしまう等、キャリッジ軸の潤滑油の量が減少してしまい、摺動摩擦抵抗が大きくなって、キャリッジの移動動作が不安定になってしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、キャリッジ軸とキャリッジの軸受部との摺動摩擦抵抗を軽減することができるキャリッジ及びこのキャリッジを備えた記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、記録ヘッドが搭載されるキャリッジ本体に、キャリッジ軸が挿通される軸受部を備え、この軸受部を介して前記キャリッジ軸上を摺動するキャリッジにおいて、前記キャリッジ本体が、前記軸受部の外側に前記キャリッジ軸の軸方向に沿って延びる延出部を備え、この延出部に、前記キャリッジ軸に潤滑油を供給するオイルパッドを設けたことを特徴とするものである。
このキャリッジにおいて、前記キャリッジ軸に対向する前記延出部の対向面に、前記オイルパッドを収容する凹部を形成し、この凹部に連通する給油孔を前記延出部に形成してもよい。
また、上記キャリッジにおいて、前記オイルパッドが、前記給油孔内に突出する突起部を備えてもよい。
更に、上記キャリッジにおいて、前記オイルパッドが、前記給油孔から前記キャリッジ軸に向けてオイル密度が低くなるように、密度の異なるオイル吸収体を積層して形成されていてもよい。
更にまた、上記キャリッジにおいて、前記オイルパッドの前記給油孔の対向面に窪み部を備えてもよい。
また、上記キャリッジにおいて、前記オイルパッドが、前記キャリッジ軸に当接する当接面を有し、この当接面が、前記キャリッジ軸の外周面に沿って湾曲していてもよい。
また、記録ヘッドが搭載されるキャリッジを備え、このキャリッジがキャリッジ軸上を摺動し、前記記録ヘッドによりプラテンに搬送されたシートに画像を記録する記録装置において、前記キャリッジのキャリッジ本体に、前記キャリッジ軸が挿通される軸受部を備えるとともに、前記キャリッジ本体が、前記軸受部の外側に前記キャリッジ軸の軸方向に沿って延びる延出部を備え、この延出部に、前記キャリッジ軸に当接するオイルパッドを設けたことを特徴とするものである。
この記録装置において、前記前記キャリッジ軸に対向する前記延出部の対向面に、前記オイルパッドを収容する凹部を形成し、この凹部に連通する給油孔を前記延出部に形成してもよい。
また、上記記録装置において、前記オイルパッドが、前記給油孔内に突出する突起部を備えてもよい。
更に、上記記録装置において、前記オイルパッドが、前記給油孔から前記キャリッジ軸に向けてオイル密度が低くなるように、密度の異なるオイル吸収体を積層して形成されていてもよい。
更にまた、上記記録装置において、前記オイルパッドの前記給油孔の対向面に窪み部を備えてもよい。
また、上記記録装置において、前記オイルパッドが、前記キャリッジ軸に当接する当接面を有し、この当接面が、前記キャリッジ軸の外周面に沿って湾曲していてもよい。
本発明によれば、キャリッジ軸とキャリッジの軸受部との摺動摩擦抵抗を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[1]第1実施形態
図1は、本発明に係る記録装置の第1実施形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。図2及び図3は、ドットインパクトプリンタのプリンタ本体の構成を示す斜視図である。また、図4は、プリンタ本体の断面図である。
図1は、本発明に係る記録装置の第1実施形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。図2及び図3は、ドットインパクトプリンタのプリンタ本体の構成を示す斜視図である。また、図4は、プリンタ本体の断面図である。
図1乃至図3に示す記録装置としてのドットインパクトプリンタ10は、記録ヘッド20(図3参照)が備える記録ワイヤを、インクリボン(共に図示せず)を介してシート(記録用紙)に押し付け、このシート上にドットを形成することにより、文字を含む画像を記録するものである。このシートとしては、所定長さに切断されたカットシートと、複数枚が連接された連続シートとがある。カットシートとしては、例えば単票紙や単票複写紙などの普通紙の他、通帳や葉書、封筒などがあり、連続シートとしては、連続紙、連続複写紙がある。
上記ドットインパクトプリンタ10は、大別すると、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、プリンタ本体11に着脱自在に装着されたプッシュトラクタユニット12(図2)及び排出ユニット13と、プリンタ本体11の上方、下方のそれぞれを覆う外装体としてのアッパケース14A及びロアケース14Bとを備えて構成されている。
上記プリンタ本体11は、図2乃至図4に示すように、本体フレームとしてのベースフレーム15、フロントフレーム16、リアフレーム17(図4)、左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19と、記録ヘッド20及びキャリッジ21を備えた記録機構部22と、プラテン23、シート案内24(図4)、第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26を備えた第1シート搬送機構部27、第3従動ローラ28及び駆動ローラ29を備えた第2シート搬送機構部30と、を有して構成される。
ベースフレーム15、フロントフレーム16及びリアフレーム17の略両端部に、左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19が立設して固定される。これら左サイドフレーム18と右サイドフレーム19との間に、キャリッジ軸31が架け渡されて、回動自在に枢支される。更に、左サイドフレーム18と右サイドフレーム19との間にプラテン23が架け渡されて回転自在に配設されるとともに、更にシート案内24がリアフレーム17上に固定して配設される。
プラテン23を含む上記第1シート搬送機構部27は、図4に示すように、プラテン23の下方に第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26が配置され、プリンタ本体11のリア側のシート搬送機構として構成される。第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26は、従動ローラホルダ32に回転自在に枢支される。従動ローラホルダ32は、リアフレーム17に一端が固定された付勢ばね33によりプラテン23側に付勢され、これにより第1従動ローラ25及び第2従動ローラ26がプラテン23に対して下方から当接しプラテン23の回転力を受けて回転駆動される。
また第2シート搬送機構部30は、第3従動ローラ28と駆動ローラ29とが当接状態で配置されて、プリンタ本体11のフロント側のシート搬送機構として構成される。
プラテン23及び駆動ローラ29は、駆動輪列部34により正または逆方向に回転駆動される。この駆動輪列部34は、左サイドフレーム18又は右サイドフレーム19の一方、例えば右サイドフレーム19に設置される。この駆動輪列部34は、正転又は逆転可能なシート搬送モータ35(図2)と、シート搬送モータ35の駆動軸に回転一体に固定されたモータピニオンと、このモータピニオンからの駆動力をプラテン23へ伝達する複数の減速ギアと、駆動ローラ29へ伝達する複数の減速ギアとを備えて構成される。この構成により、プラテン23と駆動ローラ29とが反対方向に回転し、カットシートまたは連続シートを、プリンタ本体11の前方から後方へ搬送可能とし、または、プリンタ本体11の後方から前方へ搬送可能とする。従って、カットシート及び連続シートは、キャリッジ21の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19のプリンタ本体11におけるフロント側及びリア側の各々には、トラクタユニット装着部40A、40Bが形成され、各々にプッシュトラクタユニット12が着脱自在に装着される。なお、図2は、プリンタ本体11のフロント側にのみプッシュトラクタユニット12が装着された状態を示す。
プリンタ本体11のリア側に装着されるプッシュトラクタユニット12は、連続シート(例えば連続紙)を、リア側の上記第1シート搬送機構部27へ供給するものであり、フロント側に装着されるプッシュトラクタユニット12は、フロント側の上記第2シート搬送機構部30へ供給するものである。プリンタ本体11のフロント側及びリア側に装着されるプッシュトラクタユニット12は、各々略同様な構成となっており、左右に一対のトラクタ36を有する。これらのトラクタ36は、トラクタ駆動軸37に回転一体且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ駆動プーリ(不図示)と、トラクタガイド軸38に回転自在且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ従動駆動プーリ(不図示)とにトラクタベルト39が巻き掛けられ、シート押え蓋(不図示)を備えて構成される。
一対のトラクタ36間の距離は、搬送すべき連続シート(連続紙)の幅寸法に応じて調整可能とされる。また、トラクタベルト39の全外周には複数のピンが突設され、連続シートの幅方向両側に穿設された穴に係合可能とされる。このトラクタベルト39も前述の駆動輪列部34により駆動される。
上記キャリッジ21は、キャリッジ軸31に摺動自在に挿通されると共に、フロントフレーム16の上端部に摺接され、更に、記録ヘッド20を搭載する。キャリッジ軸31がプラテン23と平行に配置されることから、キャリッジ21は、これらプラテン23、キャリッジ軸31の軸方向と一致する主走査方向に走行(走査)可能に設けられる。
キャリッジ21は、キャリッジ軸31の一端の近傍におけるキャリッジ駆動モータ41に回転一体に軸支されたベルト駆動プーリ(不図示)と、キャリッジ軸31の他端の近傍におけるベースフレーム15に設けられたベルト従動プーリ(不図示)とに架け渡されたタイミングベルト42(図4)に結合される。従って、キャリッジ21は、キャリッジ駆動モータ41の正転又は逆転により、タイミングベルト42を介し、キャリッジ軸31及びフロントフレーム16に案内されて、主走査方向における図1乃至3の左向き又は右向きに走査される。ここで、キャリッジ駆動モータ41は、シート搬送モータ35とともに例えばステッピングモータにて構成される。
キャリッジ軸31の前方左側には、リボン駆動軸43が設けられる。このリボン駆動軸43は、左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19に装着されたリボンカセット44内のインクリボン(不図示)を移動させるものである。このインクリボンは、記録ヘッド20とプラテン23との間に引き回され、リボン駆動軸43により移動可能に設けられる。
上記記録ヘッド20は、多数の記録ワイヤ(不図示)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方にインクリボンが位置する。記録ヘッド20は、キャリッジ21と共に主走査方向に走行される間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン23と記録ヘッド20との間に搬送されるシートに付着させて、このシートに文字を含む画像を記録する。
記録ヘッド20による記録動作は、キャリッジ21が図1乃至3の主走査方向左向き又は右向きに走行される間に、記録ヘッド20の記録ワイヤにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、上記第1シート搬送機構部27又は第2シート搬送機構部30が、それぞれシートを所定長(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
上記排出ユニット13は、図4に示すように、ローラ軸45に回転一体に設けられた排出ローラ46を備え、この排出ローラ46の回転によって、記録ヘッド20により記録されたシートがプリンタ10外に排出される。
上記右サイドフレーム19の外側には、レリースレバー47が設けられ、このレリースレバー47の操作によって、シート搬送モータ35の駆動力を伝達する伝達ギア(不図示)が、プリンタ本体11のリア側に装着されたプッシュトラクタユニット12のトラクタ駆動軸37を駆動するトラクタ駆動ギア(不図示)と噛み合い、または離脱可能に構成される。伝達ギアがトラクタ駆動ギアと噛み合っている時には、図4に示すレリース軸48に形成されたカム49の作用で、第1シート搬送機構部27の第1従動ローラ25がプラテン23から離反して、シートとしての連続紙が、プリンタ本体11のリア側に装着されたプッシュトラクタユニット12からプラテン23へ供給され搬送される。
また、レリースレバー47の操作により、伝達ギアがトラクタ駆動ギアから離脱したときには、上記カム49の作用で、第1シート搬送機構部27の第1従動ローラ25がプラテン23に接触して回転し、図示しないシート供給ガイド等から、シートとしての単票紙が、第1シート搬送機構部27のシート案内24からプラテン23へ供給され搬送される。
上記左サイドフレーム18の外側には、アジャストレバー50が設けられ、このアジャストレバー50の操作によって、その操作量に応じた分だけキャリッジ軸31がプラテン23から離間又は接近可能に構成される。従って、アジャストレバー50の手動操作によって、上記キャリッジ軸31に支持されたキャリッジ21に搭載される記録ヘッド20とプラテン23との間のプラテンギャップを、シート厚等に応じて調整可能となる。
また、プラテン23、プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13の駆動制御と、キャリッジ21の走行制御と、記録ヘッド20の記録ワイヤによる記録動作の制御は、制御装置としての制御基板部51により実施される。この制御基板部51は、例えばプリンタ本体11のリア側下方に配置される。
ところで、キャリッジ21は、図4に示すように、記録ヘッド20が搭載されるキャリッジ本体61と、このキャリッジ本体61に保持され、キャリッジ軸31が挿通される軸受部としてのキャリッジブッシュ62とを備えている。キャリッジブッシュ62は、キャリッジ本体61の両端に設けられる。そして、キャリッジ本体61は、キャリッジ軸31に直交する方向に延出する延部63を備え、この延部63の先端に、フロントフレーム16の上端部に摺接される摺接部64が設けられている。また、キャリッジ21には、記録ヘッド20が搭載されているので、記録ヘッド20及びキャリッジ21の自重により、キャリッジ21の摺接部64がフロントフレーム16に押し付けられて摺接することとなる。
図5は、記録機構部22近傍の断面概略図である。
図5に示すように、キャリッジ21がキャリッジ軸31を摺動自在となるように、キャリッジブッシュ62とキャリッジ軸31との間に隙間Rが設けられている。キャリッジブッシュ62は、例えば、焼結金属製の耐摩耗性材料であり、潤滑油が含浸され、この潤滑油でキャリッジブッシュ62とキャリッジ軸31と間の摺動摩擦抵抗の低減が図られている。
図6は、記録ヘッド20を取り外した状態のキャリッジ21近傍の斜視図である。図7は、記録ヘッド20を取り外した状態のキャリッジ21近傍の上面図である。図8は、記録機構部22の正面から見た断面図である。
キャリッジブッシュ62は、図7及び図8に示すように、キャリッジ21のキャリッジ本体61の摺動方向における両端にそれぞれ設けられている。
ここで、キャリッジ21を移動させる場合、キャリッジ21がキャリッジ軸31とキャリッジブッシュ62との隙間Rによって摺動する方向に傾いて摺動する。具体的には、一対のキャリッジブッシュ62の内、摺動する方向側のキャリッジブッシュ62におけるキャリッジ軸31に接触する接触面積が小さくなるとともに、摺動する方向側のキャリッジブッシュ62とキャリッジ軸31との摺動摩擦力が大きくなるように傾いて摺動する。
本第1実施形態では、このキャリッジ本体61には、図6乃至図8に示すように、キャリッジブッシュ62を保持する位置からキャリッジブッシュ62の外側(サイドフレーム18、19側)にキャリッジ軸31の軸方向に沿って延びる延出部65がそれぞれ備えられ、これら延出部65に、キャリッジ軸31に当接するオイルパッド66が設けられている。
具体的に説明すると、延出部65には、図8に示すように、当該延出部65においてキャリッジ軸31に対向する対向面65Aに、オイルパッド66を収容する凹部65Bが形成されている。つまり、キャリッジブッシュ62の外側にオイルパッド66が配置されることとなる。このオイルパッド66は、キャリッジ軸31に潤滑油を供給するものである。このオイルパッド66は、スポンジ状の多孔質部材であり、このオイルパッド66には、潤滑油が含浸されている。
従って、キャリッジブッシュ62の外側にオイルパッド66が配置されるので、キャリッジ21を移動させた際には、キャリッジブッシュ62が通過する直前にオイルパッド66によりキャリッジ軸31に潤滑油が供給されることとなる。従って、キャリッジ軸31とキャリッジブッシュ62との摺動摩擦抵抗を効果的に軽減することができ、キャリッジブッシュ62又はキャリッジ軸31の削れを抑制することができる。
また、キャリッジ軸31とキャリッジブッシュ62との摺動摩擦抵抗が軽減するので、キャリッジ21をスムーズに安定して移動させることができる。このように、キャリッジ21がスムーズに安定して移動させることができるので、キャリッジ21を移動させる際のキャリッジ駆動モータ41(図1)にかかる負荷変動を小さくすることができ、キャリッジ駆動モータ41の脱調を抑制することができる。更に、キャリッジ21がスムーズに安定して移動させることができるので、印字乱れを抑制することができる。
また、キャリッジ21が、摺動する方向に傾いて移動する際には、摺動する方向側のオイルパッド66がキャリッジ軸31に押し付けられることとなるので、オイルパッド66に含浸されている潤滑油がキャリッジ軸31に供給されやすくなり、より効果的にキャリッジ軸31とキャリッジブッシュ62との摺動摩擦抵抗を軽減することができる。
また、一対のキャリッジブッシュ62の両方の外側に延出部65が形成され、これら延出部65のそれぞれにオイルパッド66が設けられるので、より効果的にキャリッジ軸31とキャリッジブッシュ62との摺動摩擦抵抗を軽減することができる。
更に、本第1実施形態では、延出部65には、対向面65Aの反対側の面65Cから凹部65Bに連通する給油孔67が形成されている。この給油孔67は、オイルパッド66へ潤滑油を注入するための孔であり、記録ヘッド20が搭載される位置を避けた位置に形成されている。
従って、このオイルパッド66において潤滑油の含浸量が減少し、潤滑油を給油する必要がある場合には、この給油孔67に潤滑油を注入することで、オイルパッド66に給油することができる。従って、オイルパッド66に潤滑油を供給する際に記録ヘッド20を取り外す必要がなく、また、記録ヘッド20をキャリッジ21に再度取付けた際の記録ヘッド20と記録ヘッド20に対向するプラテン23との間の距離の再調整を行う必要がないので、注油の作業が容易であり、メンテナンス性が向上する。また、この給油孔67によって容易にオイルパッド66に注油できるので、キャリッジ21の長期間の駆動が可能になる。
図9は、延出部65の凹部65Bに収容されるオイルパッド66の斜視図である。
このオイルパッド66は、キャリッジ軸31に当接する当接面としての下面66Aを有しており、この下面66Aが、キャリッジ軸31の外周面に沿って湾曲しているものである。これによって、オイルパッド66とキャリッジ軸31との接触面積が増大し、より効果的にキャリッジ軸31に潤滑油を供給することができる。
また、キャリッジ軸31の上部の面に当接するようにオイルパッド66の下面66Aが湾曲していることにより、オイルパッドが円筒形であってキャリッジ軸に挿通される場合のように、潤滑油の自重によりオイルパッドの円筒の下部に潤滑油が溜まり、オイルパッドの円筒の上部において潤滑油不足となるようなことがないので、安定して潤滑油をキャリッジ軸31に供給することができる。
[2]第2実施形態
本第2実施形態において、上記第1実施形態と異なるのは、オイルパッドが給油孔内に突出する突起部を備えている点である。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
本第2実施形態において、上記第1実施形態と異なるのは、オイルパッドが給油孔内に突出する突起部を備えている点である。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図10は、第2実施形態における延出部65の凹部65Bに収容されるオイルパッド66の斜視図である。
図10において、オイルパッド66は、給油孔67内に突出する突起部66Bを備えている。つまり、オイルパッド66は、オイルパッド66を延出部65の凹部65Bに収容した際に、給油孔67に挿入される突起部66Bを備えている。この突起部66Bは、給油孔67と略同形状である。また、この突起部66Bは、給油孔67の長さよりも短く設定されている。この突起部66Bによって、潤滑油をオイルパッド66に供給する際に、給油が容易となり、メンテナンス性が向上する。
なお、この突起部66Bの先端に、窪み部を設けてもよい。これによって、給油孔67からオイルパッド66に潤滑油を供給した際に、潤滑油が供給過剰となりそうな場合には、この窪み部に潤滑油が溜まり込むので、早期に給油過剰となりそうな状態を確認することができる。従って、潤滑油がオイルパッド66から漏れるのを抑制することができ、よりメンテナンス性が向上する。
[3]第3実施形態
本第3実施形態において、上記第1実施形態と異なるのは、オイルパッドが密度の異なるオイル吸収体を積層して形成される点である。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
本第3実施形態において、上記第1実施形態と異なるのは、オイルパッドが密度の異なるオイル吸収体を積層して形成される点である。以下、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図11は、第3実施形態における延出部65の凹部65Bに収容されるオイルパッド81の斜視図である。
図11において、オイルパッド81は、密度の異なる複数(例えば、2つ)のオイル吸収体81A、81Bが積層して形成されている。このオイルパッド81は、給油孔67からキャリッジ軸31に向けて密度が低くなるように、延出部65の凹部65Bに収容される。ここで、上段のオイル吸収体81Aは、下段のオイル吸収体81Bよりも密度が高く設定されている。つまり、給油孔67に対向するオイル吸収体81Aは、オイル吸収体81Bよりも潤滑油が通りにくい材質である。従って、給油孔67に潤滑油を注入した際には、オイルパッド81のオイル吸収体81Aに瞬時に吸収されることなく、ゆっくり吸収されることとなるので、オイルパッド81に給油する際に、過剰に給油されるのを抑制することができる。更に、潤滑油の密度(オイル密度)がキャリッジ軸31に向けて低くなるので、潤滑油がオイルパッド81から漏れるのを抑制することができ、シートが潤滑油で汚れるのを抑制することができる。
また、本第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、キャリッジ軸31に当接するオイルパッド81の下面81Cが、キャリッジ軸31の外周面に沿って湾曲しているので、オイルパッド81とキャリッジ軸31との接触面積が増大し、より効果的にキャリッジ軸31に潤滑油を供給することができる。
[4]第4実施形態
本第4実施形態において、上記第3実施形態のオイルパッドと異なるのは、オイルパッドが給油孔に臨む位置に窪み部を備えている点である。以下、この第4実施形態において、上記第3実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
本第4実施形態において、上記第3実施形態のオイルパッドと異なるのは、オイルパッドが給油孔に臨む位置に窪み部を備えている点である。以下、この第4実施形態において、上記第3実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図12は、第4実施形態における延出部65の凹部65Bに収容されるオイルパッド81の斜視図である。
図12において、オイルパッド81は、延出部65の凹部65Bにオイルパッド81を収容した際に、給油孔67に対向するオイルパッド81の対向面81Dに窪み部81Eが形成されている。つまり、上段のオイル吸収体81Aにおける給油孔67に臨む位置に、窪み部81Eが形成されているものである。これによって、給油孔67からオイルパッド81に潤滑油を供給した際に、潤滑油が供給過剰となりそうな場合には、この窪み部81Eに潤滑油が溜まり込むので、早期に給油過剰となりそうな状態を確認することができる。従って、潤滑油がオイルパッド81から漏れるのを抑制することができ、よりメンテナンス性が向上する。
[5]第5実施形態
本第5実施形態において、上記第1乃至第4実施形態では、サイドフレーム間の間隔が十分に広い場合であり、キャリッジが移動した場合にサイドフレームに当たることなく、キャリッジの移動領域がサイドフレーム間内に収まるものであったが、本第5実施形態において、上記第1乃至第4実施形態と異なるのは、キャリッジの移動領域がサイドフレーム間内に収まらない場合に、キャリッジの延出部がサイドフレームに当たらないように、サイドフレームに延出部が衝突するのを回避する逃げ部を形成した点である。以下、この第5実施形態において、上記第1乃至第4実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
本第5実施形態において、上記第1乃至第4実施形態では、サイドフレーム間の間隔が十分に広い場合であり、キャリッジが移動した場合にサイドフレームに当たることなく、キャリッジの移動領域がサイドフレーム間内に収まるものであったが、本第5実施形態において、上記第1乃至第4実施形態と異なるのは、キャリッジの移動領域がサイドフレーム間内に収まらない場合に、キャリッジの延出部がサイドフレームに当たらないように、サイドフレームに延出部が衝突するのを回避する逃げ部を形成した点である。以下、この第5実施形態において、上記第1乃至第4実施形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図13は、記録ヘッド20を取り外した状態であってキャリッジ21が右サイドフレーム19に移動した場合のキャリッジ21近傍の部分拡大斜視図である。また、図14は、右サイドフレーム19においてキャリッジ軸31を支持する部分の部分断面図である。
図13において、キャリッジ21の延出部65が右サイドフレーム19に当たらないように、右サイドフレーム19に延出部65の衝突を回避する逃げ部19Aが形成されている。具体的には、この逃げ部19Aは、右サイドフレーム19の平板部分から延出部65の衝突を避けるように外側に向けて段状に窪んで形成されている。そして、キャリッジ軸31は、逃げ部19Aにおける段状に窪んだ側板19Bに支持される。これによって、サイドフレーム間の間隔を狭くすることができるので、プリンタ10を小型化することができる。
なお、図示は省略したが左サイドフレームについても右サイドフレーム19と同様に逃げ部を設けてもよい。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、上記第1乃至第5実施形態では、キャリッジ本体61において、一対のキャリッジブッシュ62の外側にキャリッジ軸31の軸方向に沿って延びる延出部65をそれぞれ備え、これら延出部65のそれぞれに、キャリッジ軸31に当接するオイルパッド66を設けた場合について説明したが、これに限るものではなく、キャリッジ本体において、一対のキャリッジブッシュの内、一方のキャリッジブッシュの外側にキャリッジ軸の軸方向に沿って延びる延出部を備え、この延出部に、キャリッジ軸に当接するオイルパッドを設ける場合であってもよい。
10…プリンタ(記録装置)、18…左サイドフレーム(サイドフレーム)、19…右サイドフレーム、20…記録ヘッド、21…キャリッジ、23…プラテン、31…キャリッジ軸、61…キャリッジ本体、62…キャリッジブッシュ(軸受部)、65…延出部、66…オイルパッド、66B…突起部、67…給油孔、81…オイルパッド、81A,81B…オイル吸収体、81E…窪み部。
Claims (12)
- 記録ヘッドが搭載されるキャリッジ本体に、キャリッジ軸が挿通される軸受部を備え、この軸受部を介して前記キャリッジ軸上を摺動するキャリッジにおいて、
前記キャリッジ本体が、前記軸受部の外側に前記キャリッジ軸の軸方向に沿って延びる延出部を備え、
この延出部に、前記キャリッジ軸に潤滑油を供給するオイルパッドを設けたことを特徴とするキャリッジ。 - 請求項1に記載のキャリッジにおいて、
前記キャリッジ軸に対向する前記延出部の対向面に、前記オイルパッドを収容する凹部を形成し、
この凹部に連通する給油孔を前記延出部に形成したことを特徴とするキャリッジ。 - 請求項2に記載のキャリッジにおいて、
前記オイルパッドが、前記給油孔内に突出する突起部を備えたことを特徴とするキャリッジ。 - 請求項2に記載のキャリッジにおいて、
前記オイルパッドが、前記給油孔から前記キャリッジ軸に向けてオイル密度が低くなるように、密度の異なるオイル吸収体を積層して形成されていることを特徴とするキャリッジ。 - 請求項4に記載のキャリッジにおいて、
前記オイルパッドの前記給油孔の対向面に窪み部を備えたことを特徴とするキャリッジ。 - 請求項1乃至請求項5に記載のキャリッジにおいて、
前記オイルパッドが、前記キャリッジ軸に当接する当接面を有し、この当接面が、前記キャリッジ軸の外周面に沿って湾曲していることを特徴とするキャリッジ。 - 記録ヘッドが搭載されるキャリッジを備え、このキャリッジがキャリッジ軸上を摺動し、前記記録ヘッドによりプラテンに搬送されたシートに画像を記録する記録装置において、
前記キャリッジのキャリッジ本体に、前記キャリッジ軸が挿通される軸受部を備えるとともに、前記キャリッジ本体が、前記軸受部の外側に前記キャリッジ軸の軸方向に沿って延びる延出部を備え、
この延出部に、前記キャリッジ軸に当接するオイルパッドを設けたことを特徴とする記録装置。 - 請求項7に記載の記録装置において、
前記前記キャリッジ軸に対向する前記延出部の対向面に、前記オイルパッドを収容する凹部を形成し、
この凹部に連通する給油孔を前記延出部に形成したことを特徴とする記録装置。 - 請求項8に記載の記録装置において、
前記オイルパッドが、前記給油孔内に突出する突起部を備えたことを特徴とする記録装置。 - 請求項8に記載の記録装置において、
前記オイルパッドが、前記給油孔から前記キャリッジ軸に向けてオイル密度が低くなるように、密度の異なるオイル吸収体を積層して形成されていることを特徴とする記録装置。 - 請求項10に記載の記録装置において、
前記オイルパッドの前記給油孔の対向面に窪み部を備えたことを特徴とする記録装置。 - 請求項7乃至請求項11に記載の記録装置において、
前記オイルパッドが、前記キャリッジ軸に当接する当接面を有し、この当接面が、前記キャリッジ軸の外周面に沿って湾曲していることを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004009000A JP2005199583A (ja) | 2004-01-16 | 2004-01-16 | キャリッジ及び記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004009000A JP2005199583A (ja) | 2004-01-16 | 2004-01-16 | キャリッジ及び記録装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005199583A true JP2005199583A (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=34822162
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JP2004009000A Pending JP2005199583A (ja) | 2004-01-16 | 2004-01-16 | キャリッジ及び記録装置 |
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JP (1) | JP2005199583A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008230065A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Seiko Epson Corp | 記録装置および液体噴射装置 |
JP2008238785A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Seiko Epson Corp | シリアルプリンタ |
JP2012131236A (ja) * | 2012-04-11 | 2012-07-12 | Seiko Epson Corp | シリアルプリンタ |
-
2004
- 2004-01-16 JP JP2004009000A patent/JP2005199583A/ja active Pending
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