JP2005209815A - 正特性サーミスタ - Google Patents

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Yoshitaka Nagao
吉高 長尾
Yasunori Namikawa
康訓 並河
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Abstract

【課題】フラッシュ耐圧特性の向上。
【解決手段】正特性サーミスタ素子2の対向主面2aにオーミック性を有する第1の電極4を全面にわたって設ける。第1の電極4のうえに第2の電極5を設ける。第2の電極5の周縁5aと第1の電極4の周縁4aとの間に隙間6を少なくとも1つ形成する。第1の電極4の厚みt4を0.18μm以下とする。第2の電極5の厚みt5を、第1の電極4の厚みt4の2倍以上とする。これによってフラッシュ耐圧特性を向上させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正特性サーミスタに関する。
従来から、正特性サーミスタとして、円板状の正特性サーミスタ素子と電極とを備えたものがある。電極は第1の電極と第2の電極とからなる。第1の電極はオーミック性を有し、正特性サーミスタ素子の両対向主面それぞれに設けられる。第2の電極は低接触抵抗材料から構成されており、第1の電極上に設けられる。第2の電極は第1の電極より小さい面積を有しており、第1の電極の中央部に第1の電極の周縁から離間して配置される。第1の電極の周縁と第2の電極の周縁との間にはギャップ(隙間)が形成される。(特許文献1,2参照参照)
特開平5−343201号公報 特開平11−135302号公報
正特性サーミスタに要求される特性としてフラッシュ耐圧特性がある。前記フラッシュ耐圧とは、正特性サーミスタに突入電流を流したとき、正特性サーミスタが層状に割れる直前の電圧値のことである。正特性サーミスタが過電流保護等の目的で用いられる場合には、比較的高いフラッシュ耐圧特性が要求される。正特性サーミスタが組み込まれる装置の特性向上等に伴い、求められるフラッシュ耐圧特性の要求はさらに高くなりつつある。しかしながら、従来の正特性サーミスタでは、求められる高いフラッシュ耐圧特性を十分に満足させることが困難である、という課題がある。
本発明の正特性サーミスタは、正特性サーミスタ素子と、オーミック性を有し、前記正特性サーミスタ素子の対向主面それぞれに設けられる第1の電極と、前記第1の電極上に設けられる第2の電極とを備える。前記第1の電極を前記対向主面それぞれの全面にわたって設ける。前記第2の電極の周縁と前記第1の電極の周縁との間に隙間を少なくとも1つ形成する。前記第1の電極の厚みを0.18μm以下とする。前記第2の電極の厚みを、前記第1の電極の厚みの2倍以上とする。これにより、フラッシュ耐圧特性が向上する。
本発明の好ましい実施態様としては、前記第2の電極の周縁と前記第1の電極の周縁との間にその全周にわたって隙間を形成する、という構成がある。
本発明の他の好ましい実施態様としては、前記第1の電極は、乾式メッキ層から構成される、という構成がある。
なお、本発明を実施するうえで、前記第1の電極は、その主材料として、
・チタン(Ti),
・ニッケル(Ni),
・アエン(Zn),
・アルミニウム(Al),
・クロム(Cr),
のうちの少なくとも一つを含むのが好ましい。
ここで、前記チタン(Ti)、ニッケル(Ni),アエン(Zn),アルミニウム(Al),クロム(Cr)を含む合金、たとえば、ニッケルとクロムの合金であるニクロムであっても、同様の効果が得られる。
また、本発明を実施するうえで、前記第2の電極は、その主材料として、
・ニッケル(Ni),
・銅(Cu),
・銀(Ag),
のうちの少なくとも一つを含むのが好ましい。
ここで、前記ニッケル(Ni)、銅(Cu),銀(Ag)を含む合金、たとえば、ニッケルと銅の合金であるモネルであっても、同様の効果が得られる。
本発明によれば、フラッシュ耐圧特性を高めることができる。
図1(a)は、本発明の最良の実施形態に係る正特性サーミスタの構成を示す断面図であり、図1(b)はその平面図である。
本実施形態の正特性サーミスタ1は、円板状の正特性サーミスタ素子2と電極3とを備える。電極3は第1の電極4と第2の電極5とからなる。第1の電極4はオーミック性を有し、正特性サーミスタ素子2の両対向主面2a,2aそれぞれ設けられる。第1の電極4は対向主面2aの全面にわたって設けられる。第2の電極5は低接触抵抗材料から構成されており、第1の電極4上に設けられる。第2の電極5は第1の電極4より小さい面積を有しており、第1の電極4の中央部に配置される。これにより、第1の電極4の周縁4aは、第2電極5の周縁5aから離間し、周縁4aと周縁5aとの間にはギャップ(隙間)6が形成される。ギャップ6は、両周縁4a,5aの間でその全周にわたって形成されるのが最も好ましい。しかしながら、ギャップ6は、両周縁4a,5aの間で少なくとも1箇所形成されればよい。ギャップ6の間隔は0.05mm以上とするのが好ましい。これは正特性サーミスタ素子1の製造加工精度の点から必要となる下限値である。加工精度が向上すれば、ギャップ6の間隔はさらに小さくしてもよい。
第1の電極4は、乾式メッキ層や無電解メッキ層から構成される。さらに、第1の電極4は、その主材料として、
・チタン(Ti),
・ニッケル(Ni),
・アエン(Zn),
・アルミニウム(Al),
・クロム(Cr),
のうちの少なくとも一つを含んで構成される。
第2の電極5は、乾式メッキ層や無電解メッキ層から構成される。さらに、第2の電極5は、その主材料として、
・ニッケル(Ni),
・銅(Cu),
・銀(Ag),
のうちの少なくとも一つを含んで構成される。
正特性サーミスタ1は、第1の電極4の厚みt4が、0.18μm以下であり[0.18μm≧t4]、第2の電極5の厚みt5が、第1の電極4の厚みt4の2倍以上[t5≧(2×t4)]であることに特徴がある。
この構成を備えることで、正特性サーミスタ1は、1000Vという、十分に高いフラッシュ耐圧特性を獲得している。なお、上述した正特性サーミスタ1では、第1の電極4と第2の電極5とからなる2層のオーミック電極構造を有しているが、単一のオーミック電極のみを有する正特性サーミスタにおいても本発明は同様に実施することができる。その場合、単層のオーミック電極の周縁部の厚みを薄くすればよい。
このような本発明の構成を備えることで、フラッシュ耐圧特性が向上するのは次のような理由による。
通常、突入電流により生じる破壊は、正特性サーミスタ素子の対向する電極間の対向方向中心位置において層状に発生する。破壊は、前記電極に電圧を印加すると、素子中央付近の温度が上昇して素子中央部と素子表面部との間に温度差が生じることに起因して生じる。詳細にいえば、前記温度差が生じると、素子各部で温度上昇を伴う膨張率に差が生じて電極間の中心付近に応力が発生し、これによって素子に層状破壊が発生する。
これに対して、オーミック電極である第1の電極上に設けられる第2の電極を小径にすることで、第2の電極の周縁部分の電界が強くなって発熱が増大し、そのために温度が高くなる傾向がある。本発明は、このような知見に基づき、この周縁部の温度を高くすることで、素子中央部の膨張力を抑え込もうとしたものである。
本発明者らは、幾多の実験を重ねた結果、電極周縁部の温度制御に基づいた素子中央部の膨張力の抑制効果が、第1の電極と第2の電極との厚みに大いに相関関係があることを見出し、これによって本発明は完成に至った。すなわち、本発明では、第1の電極を0.18μm以下の薄層とするとともに、第2の電極を第1の電極の2倍以上の厚みとすることで、周縁部分の発熱を促して層状破壊を効果的に防止している。また、本発明の構成によれば、第2の電極の外周に位置する第1の電極の領域では、比較的発熱が抑えられることになるため、エッジ飛びという問題を無くすことができる。本発明はこのような種々の作用によってフラッシュ耐圧特性を向上させている。
以下、本発明の実施例と比較例との説明に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1〜12とその比較例1〜22)
[実施例1〜6と比較例7〜21とで共通となる構成]
実施例1〜6,比較例7〜21では、正特性サーミスタ素子2として、BaTiOを主成分とする正特性サーミスタ材料からなり、直径8.3mm,厚み1.8mmの円板状を有し、キュリー点90℃,室温抵抗35Ωの特性を有する正特性サーミスタ素子2が作製される。第1の電極4としては、ニクロムからなり、0.05〜0.25μmの範囲の厚みt4をそれぞれ有する乾式メッキ層からなる第1の電極4が実施例や比較例毎に形成される。なお、ニクロムは、ニッケルとクロムの合金であって、クロム10〜30%,鉄30%,残りはニッケル等から構成される。第2の電極5としては、銀(Ag)からなり、実施例や比較例毎に、第1の電極4の1倍から3倍の範囲(t4≦t5≦3×t4)の厚みt5をそれぞれ有する第2の電極5が実施例や比較例毎に形成される。
[実施例1〜6と比較例1〜21の中の幾つかにおいて共通となる構成]
実施例1〜6と比較例1〜9とにおいて、第1の電極4は、正特性サーミスタ素子2の両対向主面2a,2aの全面に設けられる。
比較例10〜21において、第1の電極4は、正特性サーミスタ素子2の両対向主面2a,2aの全面に設けられず、対向主面2aの中央部にのみ設けられる。そして、正特性サーミスタ素子2の側面2bと第1の電極4との間に、0.5mmの隙間が側面の全周にわたって設けられる。
以上の共通構成を備えるうえで、さらに各実施例,各比較例は次の構成を備える。
(実施例1)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(実施例2)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(実施例3)
第1の電極4の厚みt4が0.18μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(実施例4)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(実施例5)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(実施例6)
第1の電極4の厚みt4が0.18μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例1)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例2)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例3)
第1の電極4の厚みt4が0.18μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例4)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例5)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例6)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例7)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例8)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例9)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例10)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定される。第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例11)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例12)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例13)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例14)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例15)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例16)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例17)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例18)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例19)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例20)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例21)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
実施例1〜6と比較例1〜21のフラッシュ耐圧特性を測定した結果が表1,表2に示される。測定は、正特性サーミスタ1に550Ωの直列抵抗が接続された状態で実施される。
Figure 2005209815
Figure 2005209815
比較例1〜21は、
・第1の電極4の厚みt4が第2の電極5の厚みt5と同一であって2倍に達しない(比較例1〜5)、
・第1の電極4の厚みt4が0.20μm以上となる比較例6〜9や、第1の電極4が正特性サーミスタ素子2の対向主面2aの全面に形成されていない(比較例10〜21)、
という構成であるため、
正特性サーミスタ1に比較的低い電圧(760〜860V)を印加することで、層割れやエッジ飛びが生じている。これにより、各比較例のフラッシュ耐圧特性は760〜860Vとみなせる。
これに対して、実施例1〜6は、
・第1の電極4が正特性サーミスタ素子2の対向主面2aの全面に形成される、
・第1の電極4の厚みt4が0.18μm以下(0.05μm≦t4≦0.18μm)に設定される、
・第2の電極5の厚みt5が、第1の電極4の厚みt4の2倍以上(2×4t≦t5)に設定される、
という条件を満たすことで、1000Vの電圧を印加するまで正特性サーミスタ1に層割れやエッジ飛びが生じておらず、このことから、各実施例のフラッシュ耐圧特性は、1000Vという各比較例に比べて格段に向上した値とみなせる。
なお、層割れとは、正特性サーミスタ素子2が対向主面方向に沿って層状に分離して破損する現象をいう。エッジ飛びとは、正特性サーミスタ素子2の周縁部に欠けが生じる現象をいう。これらは、正特性サーミスタ素子2の内部(層割れの場合)や周縁部(エッジ飛びの場合)で電圧集中が生じてその部位で蓄熱が発生し、これによって内部応力が過剰に増大することに起因する現象である。
なお、表1,表2には記載していないが、次の比較例22も作製してそのフラッシュ耐圧特性を測定した。
(比較例22)
・実施例1〜6,比較例1〜21と同様の構成の正特性サーミスタ素子2を有する、
・正特性サーミスタ素子2の対向主面2a,2aに、ニッケル(Ni)メッキ層からなり、1μmの厚みを有する第1の電極4を設ける、
・第1の電極4のうえに、銀(Ag)からなり、厚み5μmを有し、第1の電極4との間にギャップ6が形成される第2の電極5を設ける、
比較例22では、第1の電極4の厚みt4が0.18μm以上(t4=1.0μm)であって本願発明で規定する厚みt4の範囲を逸脱しているために、630Vで電圧印加で層割れが生じた。比較例22のフラッシュ耐圧特性はおよそ630Vであって、実施例1〜6のおよそ1000Vに比して格段に劣る結果となった。
(実施例7〜12とその比較例23〜31)
[実施例7〜12と比較例23〜31とで共通となる構成]
実施例7〜12,比較例23〜31では、正特性サーミスタ素子2として、BaTiOを主成分とする正特性サーミスタ材料からなり、直径8.3mm,厚み1.8mmの円板状を有し、キューリ点90℃,室温抵抗35Ωの特性を有する正特性サーミスタ素子2が作製される。第1の電極4としては、クロムからなり、0.05〜0.25μmの範囲の厚みt4をそれぞれ有する第1の電極4が正特性サーミスタ素子2の対向主面2a,2aの全面に形成される。第1の電極4の厚みは実施例や比較例毎に設定される。第2の電極5としては、モネル(NiCu合金)と銀(Ag)とを厚み比50:50で積層してなる第2の電極5が第1の電極4のうえに形成される。第2の電極5の厚みt5は、実施例や比較例毎に、第1の電極4の1倍から3倍の範囲(t4≦t5≦3×t4)に設定される。
以上の共通構成を備えるうえで、さらに各実施例,各比較例は次の構成を備える。
(実施例7)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(実施例8)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(実施例9)
第1の電極4の厚みt4が0.18μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(実施例10)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(実施例11)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(実施例12)
第1の電極4の厚みt4が0.18μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例23)
第1の電極4の厚みt4が0.05μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例24)
第1の電極4の厚みt4が0.10μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例25)
第1の電極4の厚みt4が0.18μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例26)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例27)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4と同一(1倍)[t5=t4]に設定される。
(比較例28)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例29)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の2倍[t5=(2×t4)]に設定される。
(比較例30)
第1の電極4の厚みt4が0.20μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
(比較例31)
第1の電極4の厚みt4が0.25μmに設定され、第2の電極5の厚みt5が第1の電極4の厚みt4の3倍[t5=(3×t4)]に設定される。
実施例7〜12と比較例23〜31のフラッシュ耐圧特性を測定した結果が表3に示される。測定は、正特性サーミスタ1に550Ωの直列抵抗が接続された状態で実施される。
Figure 2005209815
第1の電極4の厚みがt4が第2の電極5の厚みt5と同一であって2倍に達しない比較例23〜27や、第1の電極4の厚みt4が0.20μm以上となる比較例28〜31では、正特性サーミスタ1に760〜860Vという比較的低い電圧を印加しても、層割れやエッジ飛びが生じている。これにより、各比較例のフラッシュ耐圧特性は760〜860Vとみなせる。
これに対して、実施例7〜12は、
・第1の電極4が正特性サーミスタ素子2の対向主面2aの全面に形成される、
・第1の電極4の厚みt4が0.18μm以下(0.05μm≦t4≦0.18μm)に設定される、
・第2の電極5の厚みt5が、第1の電極4の厚みt4の2倍以上(2×t4≦t5)に設定される、
という条件を満たすことで、1000Vの電圧を印加するまで正特性サーミスタ1に層割れやエッジ飛びが生じておらず、このことから、各実施例のフラッシュ耐圧特性は1000Vという、各比較例23〜31に比べて格段に向上した値とみなせる。
上述した各実施例1〜12では、第1の電極4として、ニクロムやクロム(Cr)を主材料とする第1の電極4を設け、第2の電極5として、モネル(NiCu合金)と銀(Ag)との積層体や銀(Ag)からなる第2電極5を設けた。しかしながら、本願発明は、前述した実施の形態に示されたように、
第1の電極4は、その主材料として、
・チタン(Ti),
・ニッケル(Ni),
・アエン(Zn),
・アルミニウム(Al),
・クロム(Cr),
のうちの少なくとも一つを含んで構成されればよい。
第2の電極5は、その主材料として、
・ニッケル(Ni),
・銅(Cu),
・銀(Ag),
のうちの少なくとも一つを含んで構成されればよい。
そうすれば、上述した各実施例と同様、正特性サーミスタ1のフラッシュ耐圧特性の向上効果が得られる。
なお、本発明において第2の電極5の厚みt5は、第1の電極4の厚みt4の2倍以上という条件で規定されており、その下限値が設定されている。厚みt5の上限値は、50μm以下とするのが好ましい。この上限値は生産コストを考慮して設定される。
また、第1の電極4の厚みt4は、0.18μm以下という条件で規定されており、その上限値が設定されている。厚みt4は、現在の生産技術が作製可能でありかつ第1の電極4がオーミック層として機能可能である厚みまで薄くすることができる。現状では、0.05μm以上とするのが好ましい。
本発明の実施の形態の正特性サーミスタの構成を示す側面図である。
符号の説明
1 正特性サーミスタ 2 正特性サーミスタ素子
2a 対向主面 2b 側面
3 電極 4 第1の電極
5 第2の電極 6 ギャップ
t4 第1の電極4の厚み t5 第2の電極5の厚み

Claims (5)

  1. 正特性サーミスタ素子と、
    オーミック性を有し、前記正特性サーミスタ素子の対向主面それぞれに設けられる第1の電極と、
    前記第1の電極上に設けられる第2の電極と、
    を備え、
    前記第1の電極を前記対向主面それぞれの全面にわたって設け、
    前記第2の電極の周縁と前記第1の電極の周縁との間に隙間を少なくとも一つ形成し、
    前記第1の電極の厚みを0.18μm以下とし、
    前記第2の電極の厚みを、前記第1の電極の厚みの2倍以上とする、
    ことを特徴とする正特性サーミスタ。
  2. 請求項1に記載の正特性サーミスタにおいて、
    前記第2の電極の周縁と前記第1の電極の周縁との間にその全周にわたって隙間を形成する、
    ことを特徴とする正特性サーミスタ。
  3. 請求項1または2に記載の正特性サーミスタにおいて、
    前記第1の電極は、乾式メッキ層から構成される、
    ことを特徴とする正特性サーミスタ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の正特性サーミスタにおいて、
    前記第1の電極は、その主材料として、
    ・チタン(Ti),
    ・ニッケル(Ni),
    ・アエン(Zn),
    ・アルミニウム(Al),
    ・クロム(Cr),
    のうちの少なくとも一つを含む、
    ことを特徴とする正特性サーミスタ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の正特性サーミスタにおいて、
    前記第2の電極は、その主材料として、
    ・ニッケル(Ni),
    ・銅(Cu),
    ・銀(Ag),
    のうちの少なくとも一つを含む、
    ことを特徴とする正特性サーミスタ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04188801A (ja) * 1990-11-22 1992-07-07 Murata Mfg Co Ltd チップ型正特性サーミスタ
JPH05343201A (ja) * 1992-06-11 1993-12-24 Tdk Corp Ptcサーミスタ

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