JP7434863B2 - Ntcサーミスタ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ素子に関する。
知られているNTCサーミスタ素子は、サーミスタ素体と、サーミスタ素体内に配置されており、互いに対向している複数の内部電極と、を備えている(たとえば、特許文献1参照)。サーミスタ素体は、複数の内部電極のうち互いに隣り合う内部電極で挟まれる領域を含んでいる。
特許第6428797号公報
本発明の一つの態様は、抵抗値のばらつきを低減し得ると共に、強度の向上を図り得るNTCサーミスタ素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、抵抗値のばらつきが低減されているNTCサーミスタ素子について、調査研究を行った。その結果、本発明者らは、以下の知見を新たに得て、本発明を想到するに至った。
本発明者らは、サーミスタ素体の上記領域に着目した。この領域は、互いに隣り合う内部電極の間を連続して並んでいる複数の結晶粒を含んでいる。複数の結晶粒は、少なくとも、互いに隣り合う内部電極のうち一方の内部電極と接している第一結晶粒と、互いに隣り合う内部電極のうち他方の内部電極と接している第二結晶粒と、を含んでいる。複数の結晶粒が、第一結晶粒と第二結晶粒とに接していない結晶粒を含んでいる構成では、複数の結晶粒が、第一結晶粒と第二結晶粒とに接していない結晶粒を含んでいない構成に比して、結晶粒の径が小さい。上記二つの構成では、互いに隣り合う内部電極間の距離(層間距離)は同等である。径が大きい結晶粒では、径が小さい結晶粒に比して、結晶粒内での組成が偏りやすい。したがって、複数の結晶粒の径が大きい構成は、複数の結晶粒の径が小さい構成に比して、抵抗値のばらつきを増大させる傾向にある。すなわち、複数の結晶粒の径が小さい構成は、複数の結晶粒の径が大きい構成に比して、抵抗値のばらつきを低減させる傾向にある。
複数の結晶粒が、第一結晶粒と第二結晶粒とに接していない結晶粒を含んでいる構成では、複数の結晶粒が、第一結晶粒と第二結晶粒とに接していない結晶粒を含んでいない構成に比して、結晶粒の数が多い。結晶粒の数が多い構成は、結晶粒の数が少ない構成に比して、結晶粒界が多く存在するので、サーミスタ素体の強度が向上する。
一つの態様は、サーミスタ素体と、サーミスタ素体内に配置されており、互いに対向している複数の内部電極と、を備えている。サーミスタ素体は、複数の内部電極のうち互いに隣り合う内部電極で挟まれる領域を含んでいる。サーミスタ素体の上記領域は、互いに隣り合う前記内部電極の間を連続して並んでいる複数の結晶粒を含んでいる。複数の結晶粒は、互いに隣り合う内部電極のうち一方の内部電極と接している第一結晶粒と、互いに隣り合う内部電極のうち他方の内部電極と接している第二結晶粒と、第一結晶粒と第二結晶粒とに接していない第三結晶粒と、を含んでいる。
上記一つの態様では、複数の結晶粒が、第一結晶粒と第二結晶粒とに接していない第三結晶粒と、を含んでいる。したがって、上記一つの態様は、抵抗値のばらつきを低減し得ると共に、強度の向上を図り得る。
上記一つの態様は、0201サイズであるNTCサーミスタ素子であってもよい。
0201サイズであるNTCサーミスタ素子は、0402サイズ以上であるNTCサーミスタ素子に比して、サーミスタ素体の容積が小さい。したがって、0201サイズであるNTCサーミスタ素子は、熱応答性に優れる。
上記一つの態様では、互いに隣り合う内部電極が対向している方向に沿った断面において、複数の結晶粒の平均粒径が、2μm以下であってもよい。
上記断面において、複数の結晶粒の平均粒径が、2μm以下である構成は、サーミスタ素体の上記領域での緻密化を促進する。したがって、この構成は、抵抗値のばらつきをより一層低減し得ると共に、強度の更なる向上を図り得る。
上記一つの態様では、サーミスタ素体の領域が、Zrが存在している結晶粒界を有していてもよい。
サーミスタ素体の領域が、Zrが存在している結晶粒界を有している構成は、特性の経時変化が生じがたい。したがって、この構成は、信頼性が向上するNTCサーミスタ素子を実現する。
上記一つの態様は、サーミスタ素体の一端に配置されている第一外部電極と、サーミスタ素体の他端に配置されている第二外部電極と、を備えていてもよい。複数の内部電極は、第一内部電極と、第二内部電極と、第三内部電極と、を有していてもよい。この場合、第一内部電極は、第一外部電極に接続されている。第二内部電極は、第一外部電極と第二外部電極とがサーミスタ素体を挟んで対向している第一方向で第一内部電極と離間すると共に、第二外部電極に接続されている。第三内部電極は、第一内部電極と第二内部電極とに対向していると共に、第一外部電極と第二外部電極とには接続されていない。
本発明の一つの態様によれば、抵抗値のばらつきを低減し得ると共に、強度の向上を図り得るNTCサーミスタ素子が提供される。
一実施形態に係るNTCサーミスタ素子を示す斜視図である。 本実施形態に係るNTCサーミスタ素子の断面構成を示す図である。 本実施形態に係るNTCサーミスタ素子の断面構成を示す図である。 本実施形態に係るNTCサーミスタ素子の断面構成を示す図である。 内部電極を示す図である。 内部電極及びダミー電極を示す図である。 サーミスタ素体の構成を示す模式図である。 サーミスタ素体の断面写真である。 サーミスタ素体の比抵抗ρと、25℃でのゼロ負荷抵抗値R25との関係を示す線図である。 本実施形態の変形例に係るNTCサーミスタ素子の断面構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1~図6を参照して、本実施形態に係るNTCサーミスタ素子T1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係るNTCサーミスタ素子を示す斜視図である。図2、図3、及び図4は、本実施形態に係るNTCサーミスタ素子の断面構成を示す図である。図5は、内部電極を示す図である。図6は、内部電極及びダミー電極を示す図である。
NTCサーミスタ素子T1は、図1に示されるように、直方体形状を呈しているサーミスタ素体3と、複数の外部電極5と、を備えている。本実施形態では、NTCサーミスタ素子T1は、一対の外部電極5を備えている。一対の外部電極5は、サーミスタ素体3の外表面に配置されている。一対の外部電極5は、互いに離間している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。
サーミスタ素体3は、互いに対向している一対の主面3aと、互いに対向している一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を有している。一対の主面3a、一対の側面3c、及び一対の端面3eは、長方形状を呈している。一対の端面3eが対向している方向が、第一方向D1である。一対の主面3aが対向している方向が、第二方向D2である。一対の側面3cが対向している方向が、第三方向D3である。NTCサーミスタ素子T1は、たとえば、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。NTCサーミスタ素子T1では、一方の主面3aが、電子機器と対向する。一方の主面3aは、実装面を構成するように配置される。一方の主面3aは、実装面である。他方の主面3aが、実装面であってもよい。
第一方向D1は、各端面3eに直交する方向であり、第二方向D2と直交している。第二方向D2は、各主面3aに直交する方向であり、第三方向D3は、各側面3cに直交する方向である。第三方向D3は、各主面3aと各端面3eとに平行な方向であり、第一方向D1と第二方向D2とに直交している。一対の側面3cは、一対の主面3aを連結するように第二方向D2に延在している。一対の側面3cは、第一方向D1にも延在している。一対の端面3eは、一対の主面3aを連結するように第二方向D2に延在している。一対の端面3eは、第三方向D3にも延在している。
サーミスタ素体3の第一方向D1での長さは、サーミスタ素体3の長さである。サーミスタ素体3の第二方向D2での長さは、サーミスタ素体3の厚みTHである。サーミスタ素体3の第三方向D3での長さは、サーミスタ素体3の幅である。サーミスタ素体3の長さは、0.4mm未満である。サーミスタ素体3の幅は、0.2mm未満である。サーミスタ素体3の厚みTHは、0.2mm未満である。
本実施形態では、サーミスタ素体3の長さは、たとえば、0.225mmであり、NTCサーミスタ素子T1の第一方向D1での長さは、たとえば、0.240mmである。サーミスタ素体3の幅は、たとえば、0.1mmであり、NTCサーミスタ素子T1の第三方向D3での長さは、たとえば、0.115mmである。NTCサーミスタ素子T1は、JIS表記では、0201サイズである。NTCサーミスタ素子T1は、EIA表記では、008004サイズである。本実施形態では、サーミスタ素体3の厚みTHは、たとえば、0.0446mmであり、NTCサーミスタ素子T1の第二方向D2での長さは、たとえば、0.0596mmである。すなわち、NTCサーミスタ素子T1は、低背である。
サーミスタ素体3は、第二方向D2に複数のサーミスタ層が積層されて構成されている。サーミスタ素体3は、積層されている複数のサーミスタ層を有している。サーミスタ素体3では、複数のサーミスタ層の積層方向が第二方向D2と一致する。各サーミスタ層は、たとえば、NTCサーミスタとして機能するNTCサーミスタ材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。NTCサーミスタ材料は、たとえば、半導体セラミック材料である。NTCサーミスタ材料は、たとえば、Mn、Ni、Co、及び、Feなどの遷移金属元素の中から選ばれる2種あるいはそれ以上の元素を有し、スピネル構造を有する複合酸化物を主成分として含む材料である。NTCサーミスタ材料には、特性向上などのために副成分が含有されていてもよい。副成分は、たとえば、Cu、Al、又はZrを含む。本実施形態では、副成分は、少なくともZrを含んでいる。主成分及び副成分の組成、並びに、含有量は、NTCサーミスタ素子T1に求められる特性に応じて適宜決定される。実際のサーミスタ素体3では、各サーミスタ層は、各サーミスタ層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
外部電極5は、図1に示されるように、サーミスタ素体3の第一方向D1での両端にそれぞれ配置されている。一方の外部電極5は、サーミスタ素体3の一端に配置されている。他方の外部電極5は、サーミスタ素体3の他端に配置されている。各外部電極5は、サーミスタ素体3における、対応する端面3e側に配置されている。外部電極5は、少なくとも、端面3eと、主面3aとに配置されている。本実施形態では、各外部電極5は、一対の主面3a、一対の側面3c、及び一つの端面3eに配置されている。外部電極5は、一対の主面3a、一つの端面3e、及び一対の側面3cの五つの面に形成されている。外部電極5は、図2~図4に示されるように、各主面3a上に位置している部分と、各側面3c上に位置している部分と、端面3e上に位置している部分と、を有している。たとえば、一方の外部電極5が第一外部電極を構成する場合、他方の外部電極5は第二外部電極を構成する。一対の外部電極5は、サーミスタ素体3を挟んで、第一方向D1で対向している。一対の外部電極5は、第一方向D1で離間している。
外部電極5は、焼結金属層を有している。外部電極5が有している各部分が、焼結金属層を有している。焼結金属層は、サーミスタ素体3の表面に付与された導電性ペーストを焼き付けることにより形成されている。焼結金属層は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粉末)が焼結することにより形成されている。焼結金属層は、貴金属又は貴金属合金からなる。貴金属は、たとえば、Ag、Pd、Au、又はPtを含む。貴金属合金は、たとえば、Ag-pd合金を含む。焼結金属層は、卑金属又は卑金属合金からなっていてもよい。卑金属は、たとえば、Cu又はNiを含む。導電性ペーストは、たとえば、上述した種類の金属粉末、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を含んでいる。
外部電極5は、めっき層を有していてもよい。めっき層は、焼結金属層を被覆するように、焼結金属層上に形成される。めっき層は、二層構造を有していてもよい。第一層は、たとえば、Niめっき層、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層である。第一層上に形成される第二層は、たとえば、Snめっき層、Sn-Ag合金めっき層、Sn-Bi合金めっき層、又はSn-Cu合金めっき層である。めっき層は、三層以上の層構造を有していてもよい。
各外部電極5の第一方向D1での長さLe1は、たとえば、50~90μmである。各外部電極5の第二方向D2での長さLe2は、たとえば、50~140μmである。各外部電極5の第三方向D3での長さLe3は、たとえば、110~140μmである。本実施形態では、長さLe1は、50μmであり、長さLe2は、59.6μmであり、長さLe3は、115μmである。本実施形態では、各外部電極5の長さLe1は同等であり、各外部電極5の長さLe2は同等であり、各外部電極5の長さLe3は同等である。
NTCサーミスタ素子T1は、図5及び図6にも示されるように、複数の内部電極を備えている。複数の内部電極は、サーミスタ素体内に配置されている。複数の内部電極は、複数の内部電極11,13,15を含んでいる。本実施形態では、複数の内部電極は、二つの内部電極11、二つの内部電極13、及び、一つの内部電極15を含んでいる。NTCサーミスタ素子T1は、複数のダミー電極17,19を含んでいる。本実施形態では、一つのダミー電極17、及び、一つのダミー電極19を含んでいる。たとえば、内部電極11が第一内部電極を構成する場合、内部電極13が第二内部電極を構成すると共に、内部電極15が第三内部電極を構成する。
複数の内部電極11,13,15と、複数のダミー電極17,19とは、外部電極5と同様に、貴金属又は貴金属合金からなる。貴金属は、たとえば、Ag、Pd、Au、又はPtを含む。貴金属合金は、たとえば、Ag-pd合金を含む。複数の内部電極11,13,15と、複数のダミー電極17,19とは、卑金属又は卑金属合金からなっていてもよい。卑金属は、たとえば、Cu又はNiを含む。各内部電極11,13,15及び各ダミー電極17,19は、サーミスタ素体3内に配置されている内部導体である。各内部電極11,13,15及び各ダミー電極17,19は、積層型電子部品の内部電極として通常用いられる導電性材料からなる。導電性材料は、たとえば、卑金属を含む。導電性材料は、たとえば、Ni又はCuを含む。複数の内部電極11,13,15と、複数のダミー電極17,19とは、上述した種類の導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。
内部電極11は、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。内部電極11の第一方向D1での長さは、サーミスタ素体3の長さの半分未満である。内部電極11の第三方向D3での長さは、サーミスタ素体3の幅より小さい。本明細書での「長方形状」は、たとえば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状を含む。内部電極11の第一方向D1での長さは、たとえば、90~110μmである。内部電極11の第三方向D3での長さは、たとえば、45~75μmである。内部電極11の厚みは、たとえば、0.5~3.0μmである。本実施形態では、内部電極11の第一方向D1での長さは、100μmであり、内部電極11の第三方向D3での長さは、60μmであり、内部電極11の厚みは、2.0μmである。
二つの内部電極11は、第二方向D2において異なる位置(層)に配置されている。各内部電極11は、一方の端面3eに露出する一端を有している。一方の外部電極5の、端面3e上に位置している部分は、各内部電極11の一端を覆っている。各内部電極11は、一方の端面3eに露出する一端で、一方の外部電極5と直接的に接続されている。各内部電極11は、一方の外部電極5と電気的に接続されている。
内部電極13は、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。内部電極13の第一方向D1での長さは、サーミスタ素体3の長さの半分未満である。内部電極13の第三方向D3での長さは、サーミスタ素体3の幅より小さい。内部電極13の第一方向D1での長さは、たとえば、90~110μmである。内部電極13の第三方向D3での長さは、たとえば、45~75μmである。内部電極13の厚みは、たとえば、0.5~3.0μmである。本実施形態では、内部電極13の第一方向D1での長さは、100μmであり、内部電極13の第三方向D3での長さは、60μmであり、内部電極13の厚みは、2.0μmである。本実施形態では、内部電極11の形状と内部電極13の形状とは、同等である。本明細書での「同等」は、必ずしも、値が一致していることだけを意味するのではない。予め設定した範囲での微差、製造誤差、又は測定誤差が含まれている場合でも、形状が同等であるとしてもよい。
二つの内部電極13は、第二方向D2において異なる位置(層)に配置されている。各内部電極13は、他方の端面3eに露出する一端を有している。他方の外部電極5の、端面3e上に位置している部分は、各内部電極13の一端を覆っている。各内部電極13は、他方の端面3eに露出する一端で、他方の外部電極5と直接的に接続されている。各内部電極13は、他方の外部電極5と電気的に接続されている。
各内部電極13は、二つの内部電極11のうち対応する内部電極11と、第二方向D2において同じ位置(層)に配置されている。一つの内部電極11と、一つの内部電極13とが、同じ層に位置している。内部電極11と、内部電極13とは、第一方向D1、すなわち、一対の外部電極5がサーミスタ素体3を挟んで対向している方向で離間している。内部電極11と内部電極13との最短距離SD1は、たとえば、5~58μmである。本実施形態では、最短距離SD1は、25μmである。
内部電極15は、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。内部電極15の第三方向D3での長さは、サーミスタ素体3の幅より小さい。内部電極15の第一方向D1での長さは、たとえば、90~168μmである。内部電極15の第三方向D3での長さは、たとえば、45~75μmである。内部電極15の厚みは、たとえば、0.5~3.0μmである。本実施形態では、内部電極15の第一方向D1での長さは、112μmであり、内部電極15の第三方向D3での長さは、60μmであり、内部電極15の厚みは、2.0μmである。
内部電極15と内部電極11,13とは、第二方向D2において異なる位置(層)に配置されている。内部電極15は、サーミスタ素体3の表面に露出している端を有していない。したがって、内部電極15は、各外部電極5には接続されていない。内部電極15は、内部電極11,13と第二方向D2で対向している。内部電極15と、内部電極11,13とは、サーミスタ素体3内において、第二方向D2に間隔を有して対向するように配置されている。内部電極15は、互いに対応している一組の内部電極11,13が位置している層と、互いに対応している別の一組の内部電極11,13が位置している層との間に位置している。本実施形態では、内部電極15が位置している層は、上記一組の内部電極11,13が位置している層と、上記別の一組の内部電極11,13が位置している層との略中間に位置している。内部電極15は、内部電極11と対向している部分と、内部電極13と対向している部分と、内部電極11,13と対向していない部分と、を含んでいる。内部電極11,13と対向していない部分は、内部電極11と対向している部分と、内部電極13と対向している部分との間に位置している。
内部電極11と内部電極15との最短距離SD2は、たとえば、3.0~31.3μmである。本実施形態では、一方の内部電極11と内部電極15との最短距離SD2と、他方の内部電極11と内部電極15との最短距離SD2とは、同等である。本実施形態では、最短距離SD2は、9.2μmである。
内部電極13と内部電極15との最短距離SD2は、たとえば、3.0~31.3μmである。本実施形態では、一方の内部電極13と内部電極15との最短距離SD3と、他方の内部電極13と内部電極15との最短距離SD3とは、同等である。本実施形態では、最短距離SD3は、9.2μmであり、最短距離SD2と同等である。最短距離SD2,SD3は、内部電極15と内部電極11,13との間に位置しているサーミスタ層の最小厚みでもある。最短距離SD2,SD3は、最短距離SD1より小さい。最短距離SD2,SD3は、サーミスタ素体3の厚みTHの1/4以下である。
内部電極15と一方の外部電極5との最短距離SD4は、たとえば、17.5~30.5μmである。本実施形態では、図6に示されるように、最短距離SD4は、内部電極15の角と一方の外部電極5の端縁との最短距離である。内部電極15の、一方の外部電極5寄りの一方の角と、当該一方の角と対向している一方の外部電極5の端縁との最短距離SD4と、内部電極15の、一方の外部電極5寄りの他方の角と、当該他方の角と対向している一方の外部電極5の端縁との最短距離SD4とは、同等である。本実施形態では、最短距離SD4は、24.4μmである。
内部電極15と他方の外部電極5との最短距離SD5は、たとえば、17.5~30.5μmである。本実施形態では、図6に示されるように、最短距離SD5は、内部電極15の角と他方の外部電極5の端縁との最短距離である。内部電極15の、他方の外部電極5寄りの一方の角と、当該一方の角と対向している他方の外部電極5の端縁との最短距離SD5と、内部電極15の、他方の外部電極5寄りの他方の角と、当該他方の角と対向している他方の外部電極5の端縁との最短距離SD5とは、同等である。本実施形態では、最短距離SD5は、24.4μmであり、最短距離SD4と同等である。最短距離SD2,SD3は、最短距離SD4,SD5より小さい。
ダミー電極17は、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。ダミー電極17の第三方向D3での長さは、サーミスタ素体3の幅より小さい。ダミー電極17の第一方向D1での長さLd1は、たとえば、10~65μmである。ダミー電極17の第三方向D3での長さは、たとえば、45~75μmである。ダミー電極17の厚みは、たとえば、0.5~3.0μmである。本実施形態では、ダミー電極17の第一方向D1での長さLd1は、30μmであり、ダミー電極17の第三方向D3での長さは、60μmであり、ダミー電極17の厚みは、2.0μmである。ダミー電極17の第三方向D3での長さは、内部電極15の第三方向D3での長さと同等である。
ダミー電極17は、内部電極15と、第二方向D2において同じ位置(層)に配置されている。ダミー電極17と、内部電極15とは、第一方向D1、すなわち、一対の外部電極5がサーミスタ素体3を挟んで対向している方向で離間している。ダミー電極17と、内部電極11とは、サーミスタ素体3内において、第二方向D2に間隔を有して対向するように配置されている。ダミー電極17は、一方の内部電極11が位置している層と、他方の内部電極11が位置している層との間に位置している。本実施形態では、ダミー電極17が位置している層は、一方の内部電極11が位置している層と、他方の内部電極11が位置している層との略中間に位置している。第二方向D2から見て、ダミー電極17の全体が、内部電極11と重なっている。
ダミー電極17は、一方の端面3eに露出する一端を有している。一方の外部電極5の、端面3e上に位置している部分は、ダミー電極17の一端を覆っている。ダミー電極17は、一方の端面3eに露出する一端で、一方の外部電極5と直接的に接続されている。ダミー電極17は、一方の外部電極5と電気的に接続されている。ダミー電極17の長さLd1は、ダミー電極17が接続されている外部電極5の長さLe1より小さい。ダミー電極17の長さLd1は、最短距離SD2,SD3より大きい。
ダミー電極19は、第二方向D2から見て、長方形状を呈している。ダミー電極19の第三方向D3での長さは、サーミスタ素体3の幅より小さい。ダミー電極19の第一方向D1での長さLd2は、たとえば、10~65μmである。ダミー電極19の第三方向D3での長さは、たとえば、45~75μmである。ダミー電極19の厚みは、たとえば、0.5~3.0μmである。本実施形態では、ダミー電極19の第一方向D1での長さLd2は、30μmであり、ダミー電極19の第三方向D3での長さは、60μmであり、ダミー電極19の厚みは、2.0μmである。ダミー電極19の第三方向D3での長さは、内部電極15の第三方向D3での長さと同等である。本実施形態では、ダミー電極17の形状とダミー電極19の形状とは、同等である。長さLd1と長さLd2とは、同等である。
ダミー電極19は、内部電極15と、第二方向D2において同じ位置(層)に配置されている。ダミー電極19と、内部電極15とは、第一方向D1、すなわち、一対の外部電極5がサーミスタ素体3を挟んで対向している方向で離間している。ダミー電極19と、内部電極13とは、サーミスタ素体3内において、第二方向D2に間隔を有して対向するように配置されている。ダミー電極19は、一方の内部電極13が位置している層と、他方の内部電極13が位置している層との間に位置している。本実施形態では、ダミー電極19が位置している層は、一方の内部電極13が位置している層と、他方の内部電極13が位置している層との略中間に位置している。第二方向D2から見て、ダミー電極19の全体が、内部電極13と重なっている。
ダミー電極19は、他方の端面3eに露出する一端を有している。他方の外部電極5の、端面3e上に位置している部分は、ダミー電極19の一端を覆っている。ダミー電極19は、他方の端面3eに露出する一端で、他方の外部電極5と直接的に接続されている。ダミー電極19は、他方の外部電極5と電気的に接続されている。ダミー電極19の長さLd2は、ダミー電極19が接続されている外部電極5の長さLe1より小さい。ダミー電極19の長さLd2は、最短距離SD2,SD3より大きい。
NTCサーミスタ素子T1は、図2~図4にも示されるように、被覆層21を備えている。被覆層21は、サーミスタ素体3の表面(一対の主面3a、一対の側面3c、及び一対の端面3e)に形成されている。被覆層21は、サーミスタ素体3の表面を被覆している。本実施形態では、サーミスタ素体3の表面の略全体を被覆している。被覆層21は、ガラス材料からなる層である。被覆層21の厚みは、たとえば、0.01~0.5μmである。本実施形態では、被覆層21の厚みは、0.15μmである。ガラス材料は、たとえば、SiO-Al-LiO系結晶化ガラスである。ガラス材料は、非晶質ガラスであってもよい。各内部電極11,13と各ダミー電極17,19とは、被覆層21を貫通し、対応する外部電極5と接続されている。
サーミスタ素体3は、図2~4に示されるように、複数の領域RE1,RE2を含んでいる。本実施形態では、サーミスタ素体3は、二つの領域RE1、及び、二つの領域RE2を含んでいる。領域RE1は、互いに隣り合っている内部電極11と内部電極15とで挟まれている。領域RE2は、互いに隣り合っている内部電極13と内部電極15とで挟まれている。各領域RE1,RE2は、図7に示されるように、複数の結晶粒CGを含んでいる。各領域RE1,RE2は、Zrが存在している結晶粒界を含んでいる。Zrは、NTCサーミスタ材料の副成分に含まれるZrが結晶粒界に析出することによって、結晶粒界に存在している。図7は、サーミスタ素体の構成を示す模式図である。
領域RE1では、図7の(a)に示されるように、複数の結晶粒CGは、内部電極11と内部電極15との間を連続して並んでいる複数の結晶粒CG11,CG12,CG13,CG14を含んでいる。複数の結晶粒CG11,CG12,CG13,CG14が連続して並んでいるとは、複数の結晶粒CG11,CG12,CG13,CG14のうち互いに隣り合っている結晶粒が直接的に接している状態である。
結晶粒CG11は、内部電極11と直接的に接している。結晶粒CG12は、内部電極15と直接的に接している。結晶粒CG13は、内部電極11と内部電極15とには直接的に接していない。結晶粒CG13は、結晶粒CG11と結晶粒CG12とにも直接的に接していない。結晶粒CG11と結晶粒CG13との間には、少なくとも一つの結晶粒CG14が位置している。結晶粒CG12と結晶粒CG13との間にも、少なくとも一つの結晶粒CG14が位置している。たとえぱ、結晶粒CG11が第一結晶粒を構成する場合、結晶粒CG12が第二結晶粒を構成すると共に、少なくとも結晶粒CG13が第三結晶粒を構成する。
領域RE2では、複数の結晶粒CGは、図7の(b)に示されるように、内部電極13と内部電極15との間を連続して並んでいる複数の結晶粒CG21,CG22,CG23,CG24を含んでいる。
複数の結晶粒CG21,CG22,CG23,CG24が連続して並んでいるとは、複数の結晶粒CG21,CG22,CG23,CG24のうち互いに隣り合っている結晶粒が直接的に接している状態である。
結晶粒CG21は、内部電極13と直接的に接している。結晶粒CG22は、内部電極15と直接的に接している。結晶粒CG23は、内部電極13と内部電極15とには直接的に接していない。結晶粒CG23は、結晶粒CG21と結晶粒CG22とにも直接的に接していない。結晶粒CG21と結晶粒CG23との間には、少なくとも一つの結晶粒CG24が位置している。結晶粒CG22と結晶粒CG23との間にも、少なくとも一つの結晶粒CG24が位置している。たとえぱ、結晶粒CG21が第一結晶粒を構成する場合、結晶粒CG22が第二結晶粒を構成すると共に、少なくとも結晶粒CG23が第三結晶粒を構成する。
第二方向D2に沿った断面において、複数の結晶粒CGの平均粒径は、2μm以下である。複数の結晶粒CGのうち、最も大きい結晶粒CGの粒径は、たとえば、略5μmである。複数の結晶粒CGのうち、最も小さい結晶粒CGの粒径は、たとえば、略0.5μmである。本実施形態では、複数の結晶粒CGの平均粒径は、各内部電極11,13,15の厚みと同等以下である。
複数の結晶粒CGの平均粒径は、たとえば、以下のようにして求めることができる。
内部電極11,13,15(領域RE1,RE2)を含む位置での、サーミスタ素体3(NTCサーミスタ素子T1)の断面写真を取得する(図8参照)。断面写真は、サーミスタ素体3を主面3aに直交する平面で切断したときの断面を撮影した写真である。断面写真は、たとえば、一対の側面3cに平行であり、かつ、一対の側面3cから等距離に位置している平面で切断したときの、サーミスタ素体3の断面を撮影した写真である。断面写真は、たとえば、一対の主面3aに平行であり、かつ、内部電極11,13と内部電極との間に位置している平面で切断したときの、サーミスタ素体3の断面を撮影した写真であってもよい。写真は、SEM(走査型電子顕微鏡)写真であってもよい。図8は、サーミスタ素体の断面写真である。
取得した断面写真をソフトウェアにより画像処理する。この画像処理により、各結晶粒CGの境界を判別し、各領域RE1,RE2に含まれる結晶粒CGの面積を算出する。算出した結晶粒CGの面積から、円相当径に換算した粒径を算出する。断面写真内の各領域RE1,RE2に含まれる、すべての結晶粒CGの粒径が算出されてもよい。断面写真内の各領域RE1,RE2に含まれる結晶粒CGのうち、任意の数の結晶粒CGの粒径が算出されてもよい。任意の数は、たとえば、50である。得られた結晶粒CGの粒径の平均値を平均粒径とする。
第二方向D2に沿った断面において、8μm四方の範囲内に存在している複数の結晶粒CGの数は、14個以上である。8μm四方の範囲内に存在している複数の結晶粒CGの数の平均値は、たとえば、18個である。8μm四方の範囲内に存在している複数の結晶粒CGの数の最大値は、たとえば、24個である。
8μm四方の範囲内に存在している複数の結晶粒CGの数は、たとえば、以下のようにして求めることができる。
内部電極11,13,15(領域RE1,RE2)を含む位置での、サーミスタ素体3(NTCサーミスタ素子T1)の断面写真を取得する。断面写真は、サーミスタ素体3を主面3aに直交する平面で切断したときの断面を撮影した写真である。断面写真は、たとえば、一対の側面3cに平行であり、かつ、一対の側面3cから等距離に位置している平面で切断したときの、サーミスタ素体3の断面を撮影した写真である。断面写真は、平均粒径を得る際に撮影した断面写真であってもよい。
取得した断面写真をソフトウェアにより画像処理する。この画像処理により、各結晶粒CGの境界を判別する。各結晶粒CGの境界が判別された画像上の、任意の8μm四方の範囲内に存在している結晶粒CGの数を求める。
サーミスタ素体3の比抵抗ρは、図9にも示されるように、サーミスタ素体3における、25℃でのゼロ負荷抵抗値R25を含む関係式
ρ=α×(S×n/T)×R25
を満たしている。上記関係式に含まれる「S」は、第二方向D2で内部電極11と内部電極15とが重なっている領域の面積と、第二方向D2で内部電極13と内部電極15とが重なっている領域の面積と、の合計値である。上記関係式に含まれる「n」は、サーミスタ素体3における、内部電極11,13と内部電極15との間に位置する領域の、第二方向D2での数である。上記関係式に含まれる「T」は、内部電極11,13と内部電極15との第二方向D2での間隔である。間隔Tは、最短距離SD2,SD3であってもよい。間隔Tは、第二方向D2で内部電極11と内部電極15とが重なっている領域と、第二方向D2で内部電極13と内部電極15とが重なっている領域とにおける、内部電極11,13と内部電極15との第二方向D2での間隔の平均値であってもよい。上記関係式に含まれる「α」は、サーミスタ素体3以外の部位の抵抗値に起因する係数である。サーミスタ素体3以外の部位は、たとえば、内部電極11,13,15及び外部電極5を含む。
本実施形態では、合計値Sは、5220μmである。数nは、2である。間隔Tは、9.2μmである。係数αは、40.54である。ゼロ負荷抵抗値R25は、略100000Ωである。サーミスタ素体3の比抵抗ρは、略4600Ω・mである。
サーミスタ素体3の比抵抗ρが比較的小さい場合、内部電極11,13と内部電極15との間隔(層間距離)のばらつきよりも、内部電極11,13と内部電極15との重なり面積のばらつきが、抵抗値のばらつきに大きな影響を与える。サーミスタ素体3の比抵抗ρが比較的大きい場合、上記重なり面積のばらつきよりも、層間距離のばらつきが、抵抗値のばらつきに大きな影響を与える。
本発明者らは、内部電極11,13,15の構成を確立した上で、内部電極11と内部電極15との距離(層間距離)及び内部電極13と内部電極15との距離(層間距離)に着目した。0402サイズ未満であるNTCサーミスタ素子T1では、内部電極11と内部電極15との距離及び内部電極13と内部電極15との距離が以下の関係を満たすことによりはじめて、抵抗値のばらつきが低減される。すなわち、内部電極11と内部電極15との距離及び内部電極13と内部電極15との距離が以下の関係を満たされない限り、抵抗値のばらつきが低減されている、0402サイズ未満であるNTCサーミスタ素子T1は実現されない。
各最短距離SD2,SD3は、最短距離SD1より小さい。各最短距離SD2,SD3は、各最短距離SD4,SD5より小さい。各最短距離SD2,SD3は、サーミスタ素体3の厚みTHの1/4以下である。
以上のように、本実施形態では、複数の結晶粒CGが、結晶粒CG13,CG23を含んでいる。
複数の結晶粒CGが、結晶粒CG13,CG23を含んでいる構成では、複数の結晶粒が、複数の結晶粒CGが、結晶粒CG13,CG23を含んでいない構成に比して、結晶粒CGの径が小さい。上記二つの構成では、内部電極11と内部電極15との距離(層間距離)及び内部電極13と内部電極15との距離(層間距離)は、同等である。領域RE1において結晶粒CG13を含んでいない構成では、複数の結晶粒CGのうち、結晶粒CG11,CG12以外の結晶粒は、結晶粒CG11及び結晶粒CG12の少なくとも一方と直接的に接している。領域RE2において結晶粒CG23を含んでいない構成では、複数の結晶粒CGのうち、結晶粒CG21,CG22以外の結晶粒は、結晶粒CG21及び結晶粒CG22の少なくとも一方と直接的に接している。
径が大きい結晶粒CGでは、径が小さい結晶粒CGに比して、結晶粒CG内での組成が偏りやすい。したがって、複数の結晶粒CGの径が大きい構成は、複数の結晶粒CGの径が小さい構成に比して、抵抗値のばらつきを増大させる傾向にある。すなわち、複数の結晶粒CGの径が小さい構成は、複数の結晶粒CGの径が大きい構成に比して、抵抗値のばらつきを低減させる傾向にある。
複数の結晶粒CGが、結晶粒CG13,CG23を含んでいる構成では、複数の結晶粒CGが、結晶粒CG13,CG23を含んでいない構成に比して、結晶粒CGの数が多い。結晶粒CGの数が多い構成は、結晶粒CGの数が少ない構成に比して、結晶粒界が多く存在するので、サーミスタ素体3の強度が向上する。
したがって、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきを低減し得ると共に、強度の向上を図り得る。
NTCサーミスタ素子T1は、0201サイズである。
0201サイズであるNTCサーミスタ素子は、0402サイズ以上であるNTCサーミスタ素子に比して、サーミスタ素体3の容積が小さい。したがって、0201サイズであるNTCサーミスタ素子T1は、熱応答性に優れる。
NTCサーミスタ素子T1では、第二方向D2に沿った断面において、複数の結晶粒CGの平均粒径が、2μm以下である。
第二方向D2に沿った断面において、複数の結晶粒CGの平均粒径が、2μm以下である構成は、サーミスタ素体3の領域RE1,RE2での緻密化を促進する。したがって、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきをより一層低減し得ると共に、強度の更なる向上を図り得る。
NTCサーミスタ素子T1では、サーミスタ素体3の領域RE1,RE2が、Zrが存在している結晶粒界を有している。
サーミスタ素体3の領域RE1,RE2が、Zrが存在している結晶粒界を有している構成は、特性の経時変化が生じがたい。したがって、本実施形態は、信頼性が向上するNTCサーミスタ素子T1を実現する。
NTCサーミスタ素子T1では、第二方向D2に沿った断面において、8μm四方の範囲内に存在している複数の結晶粒の数が、14個以上である。
第二方向D2に沿った断面において、8μm四方の範囲内に存在している複数の結晶粒の数が、14個以上である構成は、サーミスタ素体3の領域RE1,RE2での緻密化を促進する。したがって、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきをより一層低減し得ると共に、強度の更なる向上を図り得る。
NTCサーミスタ素子T1は、0402サイズ未満である。NTCサーミスタ素子T1は、サーミスタ素体3と、一対の外部電極5と、内部電極11,13,15と、を備えている。内部電極11と内部電極13は、一対の外部電極5がサーミスタ素体3を挟んで対向している第一方向D1で離間している。内部電極15は、内部電極11,13と対向していると共に、各外部電極5には接続されていない。各最短距離SD2,SD3は、各最短距離SD1,SD4,SD5より小さく、かつ、サーミスタ素体3の厚みTHの1/4以下である。
したがって、NTCサーミスタ素子T1が、0402サイズ未満であっても、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきをより一層低減し得る。
NTCサーミスタ素子T1は、被覆層21を備えている。被覆層21は、サーミスタ素体3の表面を被覆すると共に、ガラス材料からなる。
ガラス材料からなる被覆層21がサーミスタ素体3の表面を被覆している構成は、サーミスタ素体3の表面の電気絶縁性を確保する。
NTCサーミスタ素子T1では、ダミー電極17が、第一方向D1で内部電極15と離間していると共に、一方の外部電極5に接続されている。ダミー電極19が、第一方向D1で内部電極15と離間していると共に、他方の外部電極5に接続されている。
NTCサーミスタ素子T1は、ダミー電極17,19を備えているので、内部電極11と内部電極15との距離(層間距離)及び内部電極13と内部電極15との距離(層間距離)のばらつきを抑制する。したがって、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきをより一層低減し得る。
各長さLd1,Ld2が、各外部電極5の長さLe1より小さく、かつ、各最短距離SD2,SD3より大きい。
したがって、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきをより一層確実に低減し得る。
NTCサーミスタ素子T1を製造する際に、内部電極11,13,15の先端形状が、複数の結晶粒CGの径に応じて変化する。内部電極11,13,15の先端が先細りする場合、第二方向D2で内部電極11と内部電極15とが重なっている領域の面積と、第二方向D2で内部電極13と内部電極15とが重なっている領域の面積とがばらつくおそれがある。内部電極11,13と内部電極15との重なり面積のばらつきは、NTCサーミスタ素子T1に、抵抗値のばらつきを生じさせる。
複数の結晶粒CGの径が小さい構成は、複数の結晶粒CGの径が大きい構成に比して、内部電極11,13,15の先端が先細りしがたい。したがって、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきをより一層低減し得る。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
NTCサーミスタ素子T1は、図10に示されるように、ダミー電極17,19を備えていなくてもよい。ダミー電極17,19を備えていないNTCサーミスタ素子T1であっても、抵抗値のばらつきが低減される。
各内部電極11,13の数は、二つに限られない。各内部電極11,13の数は、一つでもよい。各内部電極11,13の数は、三つ以上でもよい。この場合、内部電極15の数は、二つ以上でもよい。
第二方向D2に沿った断面において、複数の結晶粒CGの平均粒径は、2μmより大きくてもよい。第二方向D2に沿った断面において、複数の結晶粒CGの平均粒径が、2μm以下である構成では、上述したように、NTCサーミスタ素子T1は、抵抗値のばらつきをより一層低減し得ると共に、強度の更なる向上を図り得る。
サーミスタ素体3の領域RE1,RE2が、Zrが存在している結晶粒界を有していなくてもよい。サーミスタ素体3の領域RE1,RE2が、Zrが存在している結晶粒界を有している構成は、上述したように、信頼性が向上するNTCサーミスタ素子T1を実現する。
3…サーミスタ素体、5…外部電極、11,13,15…内部電極、CG,CG11,CG12,CG13,CG14,CG21,CG22,CG23,CG24…結晶粒、D1…第一方向、D2…第二方向、D3…第三方向、RE1,RE2…サーミスタ素体の領域、T1…NTCサーミスタ素子。

Claims (5)

  1. サーミスタ素体と、
    前記サーミスタ素体内に配置されており、互いに対向している複数の内部電極と、を備え、
    前記サーミスタ素体は、前記複数の内部電極のうち互いに隣り合う内部電極で挟まれる領域を含み、
    前記サーミスタ素体の前記領域は、互いに隣り合う前記内部電極の間を連続して並んでいる複数の結晶粒を含み、
    前記複数の結晶粒は、
    互いに隣り合う前記内部電極のうち一方の内部電極と接している第一結晶粒と、
    互いに隣り合う前記内部電極のうち他方の内部電極と接している第二結晶粒と、
    前記第一結晶粒と前記第二結晶粒とに接していない第三結晶粒と、
    前記第一結晶粒と前記第三結晶粒との間に位置し、前記第一結晶粒と前記第三結晶粒とに接している結晶粒と、
    前記第二結晶粒と前記第三結晶粒との間に位置し、前記第二結晶粒と前記第三結晶粒とに接している結晶粒と、を含んでいる、NTCサーミスタ素子。
  2. 0201サイズである、請求項1に記載のNTCサーミスタ素子。
  3. 互いに隣り合う前記内部電極が対向している方向に沿った断面において、前記複数の結晶粒の平均粒径は、2μm以下である、請求項1又は2に記載のNTCサーミスタ素子。
  4. 前記サーミスタ素体の前記領域は、Zrが存在している結晶粒界を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載のNTCサーミスタ素子。
  5. 前記サーミスタ素体の一端に配置されている第一外部電極と、
    前記サーミスタ素体の他端に配置されている第二外部電極と、を更に備え、
    前記複数の内部電極は、
    前記第一外部電極に接続されている第一内部電極と、
    前記第一外部電極と前記第二外部電極とが前記サーミスタ素体を挟んで対向している第一方向で前記第一内部電極と離間すると共に、前記第二外部電極に接続されている第二内部電極と、
    前記第一内部電極と前記第二内部電極とに対向していると共に、前記第一外部電極と前記第二外部電極とには接続されていない第三内部電極と、を含んでいる、請求項1~4のいずれか一項に記載のNTCサーミスタ素子。
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