JP2005207520A - メカニカルシール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メカニカルシール装置は、シール面に発生する歪みを防止して、シール能力の向上と共に、耐摩耗能力を向上させることにある。
【解決手段】 メカニカルシール装置(M)は、一対の密封環(2,12)のうち外周面に平面にした押え部(2B)を有する第1密封環(2)と、第1密封環(2)の内周面(2C)を支持する第1支持部(3D)と押え部(2B)を支持する第2支持部(3A)とが備えられていると共に、シールハウジング(60)又は軸(50)に固定する固定部(3C)を有する保持環(3)と、保持環(3)と第1密封環(2)とに密着するガスケット(4)とを具備し、第2支持部(3A)が押え部(2B)に圧接する締め代(H)を0.01mmから0.25mmの範囲に形成されていると共に、第1密封環(2)の周面に設けた各押え部(2B)が周面の非対称の位置に有するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 メカニカルシール装置(M)は、一対の密封環(2,12)のうち外周面に平面にした押え部(2B)を有する第1密封環(2)と、第1密封環(2)の内周面(2C)を支持する第1支持部(3D)と押え部(2B)を支持する第2支持部(3A)とが備えられていると共に、シールハウジング(60)又は軸(50)に固定する固定部(3C)を有する保持環(3)と、保持環(3)と第1密封環(2)とに密着するガスケット(4)とを具備し、第2支持部(3A)が押え部(2B)に圧接する締め代(H)を0.01mmから0.25mmの範囲に形成されていると共に、第1密封環(2)の周面に設けた各押え部(2B)が周面の非対称の位置に有するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、密封環のシール面に発生する歪みを防止したメカニカルシール装置に関する。更に詳しくは、密封環の歪みのないシール面によりシール能力と耐摩耗性能を向上させたメカニカルシール装置の技術分野に関する。
近年、被密封流体をシールする密封環は、シール面に惹起する問題点を解決するためにシール面の平面度、面粗さ、材質の改善に努力が向けられてきた。特に、密封環の材質の改善として耐摩耗性を向上させるために炭化珪素材製を採用してきた。しかし、密封環は耐摩耗性能の材質の改善と共に鏡面仕上げされているために、取付状態によりシール面に歪みが発生する。しかし、この歪みの発生が見逃されてきたために、メカニカルシール装置に於ける被密封流体の微小な漏洩はJIS規格でも仕方のないものとしてある程度の許容値が設けられてきた。その結果、技術の向上につれてメカニカルシール装置のシール能力が問題となってきた。
本発明に関連するメカニカルシール装置として図6に示す第1関連技術のメカニカルシール装置111が存在する(例えば、特許文献1参照)。この回転用密封環102は、図7に示すように外周面の径方向対称の位置に取付平面102Bが形成されている。そして、回転用密封環102の内周面はカップガスケット104の外周面に嵌着している。この回転用密封環102はカップガスケット104を介してスリーブ103の取付部103Dに嵌着されている。取付部103Dには、図7に示すように、押え板103Aが設けられている。この押え板103Aは係止平面102Bに近接状態に取り付けられている。
回転用密封環102に対向した位置には、固定用密封環112が配置されている。この固定用密封環112は、固定用密封環112とハウジングに固定されたカートリッジ115との間に配置されたベローズ114に接合している。そして、ベローズ114の両端の取付部114A、114Bは、ばね座金113、113を介してコイル状のばね119により押圧されている。ばね119により押圧された固定用密封環112のシール面112Aは、回転用密封環102の対向するシール面102Aと密接する。
このように構成されたメカニカルシール装置111は、ばね119によりベローズ114を介して固定用密封環112が押圧され、固定用密封環112のシール面112Aは回転密封環102の対向するシール面102Aと接合して機内側の被密封流体をシールする。又、スリーブ103は、回転軸に嵌着して回転軸と共に回動する。このとき、取付部103Dにカップガスケット104を介して取り付けられた回転用密封環102は、係止平面102Bが押え板103Aと係止して回転軸と回動するが、係止平面102Bと押さ板103Aとを密接させることは、困難に成る。それは、例えば、取付部103Dにカップガスケット104を嵌着すると共に、カップガスケット104を回転用密封環102に嵌着させるためである。更には、取付部103Dに直接に押え板103Aをプレス加工しなければならないので加工精度を上げることができないからである。又、係止平面102Bに押さ板103Aを強く圧接させると対向するシール面102Aに歪みが発生する。更に、図7に示すように、回転用密封環102の対称を成す係止平面102Bを押さえると、対向するシール面102Aに歪みが発生する。このため、係止平面102Bと押さ板103Aとの間には間隙を設けている。そして、対向するシール面102Aとシール面112は、相対摺動するときに、カップガスケット104の摺動方向の弾性変形及び係止平面102Bと押さ板103Aとの間隙によってスティックと相対回動を繰り返すことになる。このスティックと相対回動を繰り返すことによって鳴き現象が発生する。更に、このスティックは相対するシール面102A、112Aに摩耗を促進させる。その結果、メカニカルシール装置111のシール能力が低下する。
図8は、本発明の第2関連技術を示すメカニカルシール装置211の半断面図である。図8も図6と同様な構成である。対向するシール面202Aを設けた回転用密封環202はカップガスケット204に嵌着してスリーブ203の取付部203Dに取り付けられている。回転用密封環202の外周面には、2等配又は4等配の溝部202Gの底に係止平面202Tが形成されている。一方、取付部203Dには板状に突出する押え板203Aが設けられている。この押え板203Aは溝部202G内に挿入されて溝部202Gの側面と係止している。このように回転用密封環202をスリーブ203に取り付けた一方の回転用シール部201は固定部203Cを回転軸に嵌着させる。
固定用密封環212はベローズ214に嵌着して取り付けられている。ベローズ214の両端部外周は第1保持部213Aと第2保持部213Bが嵌合して固定されている。又、カートリッジ215は一端部がハウジングに固定されると共に、他端部が固定用密封環212の内周面と摺動自在に嵌合している。そして、第1保持部213Aとカートリッジ215との間にコイル状のばね219が配置されている。このばね219により固定用密封環212を弾発に押圧している。そして、固定用密封環212のシール面212Aを回転用密封環202の対向するシール面202Aに密接させて被密封流体をシールする。
この場合も、押え板203Aが溝部202G内に配置されているが、押え板203Aの幅を溝部202Gの幅と同一寸法に加工することは、加工技術から困難である。このために、押え板203Aの幅を溝部202Gの幅より小さく形成している。その上、回転用密封環202は、弾性変形するカップガスケット204に保持されている。その結果、回転用密封環202の対向するシール面202Aが回転中に固定用密封環212のシール面212Aと相対摺動とスティックとを繰り返しながら作動する。このとき、押え板203Aは溝部202Gの幅内で往復移動を繰り返すから、摺動するシール面202A、212Aに鳴き現象が発生する。更に、スティック現象は、摺動するシール面202A、212Aの摩耗も促進される。その結果、メカニカルシール装置211のシール能力が低下する。更に、回転用密封環202の外周の2個所又は4個所に係止平面202Tが設けられて、押え板203Aで強く係止平面202Tを押さえると、摺動するシール面202Aに歪みが発生し、摺動するシール面202A、212Aのシール能力が低下する。
本発明は上述のような問題点に鑑み成されたものである。その発明が解決しようとする技術的課題は、メカニカルシール装置の密封環のシール面に歪みが惹起するのを防止してシール能力を発揮させることにある。又、摺動時の鳴きを防止して摩耗を低減することにある。
本発明は、上述のような技術的課題を解決するために成されたものである。その技術的解決手段は以下のように構成されている。
請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置は、ハウジングに設けた孔と、孔に挿嵌する軸との間をシールするメカニカルシール装置であって、一対の密封環と、一対の密封環のうち外周面に平面の押え部を有する第1密封環と、第1密封環の内周面を支持する第1支持部と第1支持部に一体で押え部を支持する第2支持部とを有すると共に、シールハウジング又は軸に固定する固定部を有する保持環と、保持環と第1密封環とに密着するガスケットとを具備し、第2支持部が押え部に圧接する締め代を0.01mmから0.25mmの範囲に形成されていると共に、第1密封環の周面に設けた各押え部が周面の非対称の位置に有するものである。
請求項2に係わる本発明のメカニカルシール装置において、保持環の第1支持部は第1密封環の周面内に挿入される筒部と、第1密封環の端面に対向するフランジ部とを有し、第2支持部が第1支持部のフランジ部から軸方向へ片持板に形成されていると共に片持板に内径へ円弧状に変形させた締め代を有するものである。
請求項3に係わる本発明のメカニカルシール装置において、第2支持部は第1支持部から一体に筒状を成す外環に形成し、この外環を軸方向へ切り込んで片持板に形成すると共に、片持板に内径へ凸部に変形させた締め代を有するものである。
請求項4に係わる本発明のメカニカルシール装置において、第1密封環の押え部が周面に沿って3等配又は5等配に形成されているものである。
請求項5に係わる本発明のメカニカルシール装置において、第2支持部が外環に形成されていると共に、外環の一部を内径へ突出させて形成した締め代を有するものである。
この請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置では、第2支持部が第1密封環の押え部に圧接する締め代を0.01mmから0.25mmの範囲に形成されている。更に、第1密封環の周面に設けた各押え部が周面の非対称の位置に設けられている。そして、この0.01mmから0.25mmの範囲の締め代にすると第1密封環のシール面には、シール能力を低下させる面歪みがほとんど認められない。例え、歪みが生じたとしても、むしろこの歪み範囲は、微小であるがために、歪みに潤滑液が介在してシール面に潤滑能力を発揮させる。又、押え部を周面に沿って非対称の位置に設けると、互いに押え部に対して対向する力が作用しないので、シール能力を低下させるような歪みの発生は少なくなる。このために、シール面のシール能力を向上させることができる。更に、シール面の摺動時の鳴き現象を防止して、シール面の異常摩耗を防止することができる。
この請求項2に係わる本発明のメカニカルシール装置では、第2支持部がフランジ部から軸方向へ片持板に形成されていると共に、片持板を円弧状に変形させて押え部に対して設定された締め代で圧接できるので、シール面に歪みが発生するのを防止できる。又、弾性力のある片持板と弾性力のあるガスケットにより内外周から保持されているので、シール面は対向するシール面と圧接しても弾性的に対応してシール面の偏摩耗が防止できる。特に、片持板の押え部に対する変形状態の加工が容易であるから、締め代の精度が一定にでき、シール面に発生する歪みが防止できる。その結果、シール面の摩耗も防止できると共に、シール能力が長期に渡り発揮される。
この請求項3に係わる本発明のメカニカルシール装置では、第2支持部が筒状の外環に形成され、この外環を軸方向へ必要な長さだけスリット加工して片持板に形成する。更に、この片持板を内径方向へ変形して押え部に所定の圧力で圧接できる締め代を設けることができるので、シール面に歪みが発生するのを防止できる。又、第2支持部を折曲げてもスプリングバックがなくできるので、押え部を一定の力で保持することが可能になる。このために、シール面に歪みが生じることもなく、シール能力を発揮できる。又、シール面の摩耗に対する耐久能力を向上できる。
この請求項4に係わる本発明のメカニカルシール装置では、密封環の外周面に押え部を3個所又は5個所設けると、各押え部は非対称になるから、圧接する取付状態に於いてシール面に径方向の互いに押し合うこともなく、シール面に歪みの発生が防止できる。このために、シール面のシール能力を発揮できると共に、摺動時の鳴きを防止する。そして、シール面のシール能力の向上と共に、耐摩耗が向上する。
この請求項5に係わる本発明のメカニカルシール装置では、第2支持部は外環に内径方向へ突出させた形状であるから加工が容易になる。しかも、第2支持部の加工に対するスプリングバックがなく、押え部を所定の締め代で保持することが可能になる。このために、シール面に歪みを発生させることがなく、シール面のシール能力が発揮できると共に、摺動時の鳴きを防止してシール面の耐摩耗が向上できる。
以下、本発明に係わる好ましい実施の形態のメカニカルシール装置を、その図面に基づいて詳述する。尚、以下に説明する各図面は、正確な設計図を基にしたものである。図1は、本発明に係わる第1実施の形態を示すメカニカルシール装置1の断面図である。又、図2は、図1に示すメカニカルシール装置1における矢視2−2の断面図である。又、図3は、図2に示す矢視3−3の半断面図である。
以下、図1,図2,図3の各図を参照して説明する。メカニカルシール装置Mは、第1(一方の)シール部1と第2(他方の)シール部11とが対向して一対に構成される。第1シール部1に設けた第1密封環(一方の密封環)2のシール面2Aと、第2シール部11に設けた第2密封環(他方の密封環)12の対向シール面12Aが互いに密接して被密封流体をシールする。この第1密封環2は、内周面2Cと端面2Dをカップ状のガスケット4に密着する。更に、ガスケット4を保持環3に嵌合密着して保持する。一方、第2密封環12は、ベローズ14とスプリング19を介してカートリッジ15に弾発に支持されている。
図1では、回転用密封環である第1密封環2は、断面が方形状で環状体を成している。この環状体の先端面は、鏡面仕上げした第1シール面2Aに形成する。又、第1密封環2に於ける第1シール面2Aと反対側は端面2Dに形成する。更に又、第1密封環2は内周面2Cに形成する。更に、第1密封環2の外周面2Eには周面に沿って3等配に押え部2Bを形成する。尚、図2に示すように、第1密封環2の外周面2Eには、更に3等配の平面部6が設けられているが、押え部2Bに利用するものではない。この平面部6は、シール面2Aに歪みが生じるのを防止するために、歪みが生じないようにカットするものである。従って、平面部6は、各押え部2Bの間に設ける。又、押え部2Bは、周面に沿って5等配、7等配、9等配等の奇数個に形成すると良い。更に又、押え部2Bは、図2に示すように、軸に平行に外周面2Eをカットして平面に形成する。この押え部2Bの平面には、更に小さな凹みを設けて第2支持部3Aの凸部と係止しても良い。尚、第1密封環2は、硬質摺動材で製作される。硬質摺動材は、例えば、炭化珪素、セラミック、超硬合金、カーボン材等である。
保持環3は、ステンレス鋼板から製作されたスリーブである。保持環3には、円筒状に形成されて円筒状の一端側に軸50と嵌着する固定部3Cを設ける。この円筒部の固定部3Cに対し反対側は、第1支持部3Dを設ける。第1支持部3Dは円筒端部と円筒端部に設けたフランジ部とから形成されている。フランジ部の外周端には、更に短い円筒状の外環3Bを形成する。この外環3Bには、周面に沿って3等配に形成された第2支持部3Aを設ける。この第2支持部3Aは、外環3Bから軸方向へ延びた長方形状の片持板に形成されている。更に、第2支持部3Aは内径方向へ円弧状に折曲げられて押え部2Bに圧接する。この押え部2Bの圧接は、締め代Hの範囲内で接合する。
この第2支持部3Aの締め代Hの範囲は、0から0.30mmにする。更に好ましくは、第2支持部3Aの押え部2Bに対する締め代Hの範囲は0.01mmから0.25mmにすると良い。つまり、締め代Hは押え部2Bの半径より締め代Hの寸法範囲だけ小さな寸法である。尚、第2支持部3Aの自由端は、組立時に、第1密封環2を第2支持部3A内に挿入しやすくするために外方へ曲げられている。保持環3の他端部3C1は、外径方向へ拡張して軸50に挿入しやすく形成している。この保持環3の材質は、ステンレス鋼、アルミニュウム、銅、鋼板等被密封流体の適性に応じて用いられる。
カップ状ガスケット4は保持環3の第1支持部3Dに密着する。更に、ガスケット4は、第1密封環2の内周面2C及び端面2Dと密着して第1密封環2を保持環3の第1支持部3Dに保持している。ガスケット4はフランジ状の支部4Aと支部4Aの内周から筒状を成す嵌着部4Bに形成する。このガスケット4の嵌着部4Bの内周面は、第1支持部3Dに嵌着すると共に、嵌着部4Bの外周面は、第1密封環2の内周面2Cと密着する。この嵌着部4Bは第1密封環2と共に回動できるように嵌着している。又、支部4Aは第1密封環2を軸方向へ弾性的に支持する。そして、ガスケット4は保持環3と第1密封環2の間から被密封流体が漏洩するのをシールすると共に、第1密封環2をガスケット4により弾性的に保持環3に保持する。このガスケット4はゴム材製である。このガスケット3の材質は、FKM、NBR、IIR、U、Q、CR等を用いると良い。
第1密封環2と対向する第2密封環12は、ステンレス鋼板製のカートリッジ15に軸方向へ移動自在に支持されている。この第2密封環12とカートリッジ15の間には、ゴム材製のベローズ16を配置する。又、ベローズ16の一端部と第1取付環13は、スプリング19により押圧できるように連結する。そして、ベローズ16とスプリング19とにより第2密封環12を第1密封環2へ弾発に押圧する。ベローズ16の一端部は、外周面が第1取付環13に締めつけられて内周面を第2密封環12の外周面に固着する。又、ベローズ16の他端は、第2取付環14によりカートリッジ15に固着する。このカートリッジ15はシールハウジング60の孔に固着部15Aを嵌着すると共に、フランジ15Bをシールハウジング60の端面に当接して固定する。尚、第2密封環12も摺動材として好ましい炭化珪素又はカーボン或いは超硬合金材製にする。
図4と図5は本発明に係わる第2実施の形態を示すメカニカルシール装置である。図5は図4の矢視5−5断面図である。この図4に於いて、図1と相違する点は、第1シール部1に設けた保持環3の第2支持部3Aである。この第2支持部3Aは、第1支持部3Dの外周端から筒状に外環3Bを形成し、この外環3Bに対して押え部2Bの幅に対応する幅に成るように軸方向へスリット加工を施して片持板に形成する。この片持板にした第2支持部3Aを、図5に示すように、内径方向へ折曲げて押え部2Bに対する締め代Hを形成する。この締め代Hは、0から0.30mmにする。更に好ましくは、第2支持部3Aの押え部2Bに対する締め代Hを0.01mmから0.25mmにすると良い。つまり、締め代Hは、平面にした押え部2Bまでの半径に対し締め代Hの寸法範囲だけ小さくした寸法である。このように外環3Bから第2支持部3Aを形成することにより、スリット加工の軸方向の深さにより片持板状の第2支持部3Aの長さが加減できるので、第2支持部3Aで押え部2Bを押圧するときのスプリングバックが小さくできると共に、正確な締め代Hにできて、シール面2Aに歪みが発生するのを防止できる。
更に、第3に実施の形態として図示は省略するが、第2支持部3Aは第1支持部3Dの外周端から、図4及び図5と同様に、円筒状の外環3Bに形成する。そして、図5の片持板3Aと同一効果の構成として外環3Bの押え部2Bに対応する位置に内周方向へ凸部を形成する。この凸部に締め代Hを形成して押え部2Bに圧接する。凸部の形状は半球形状に突出するもの、柱状に突出するもの、楕円形状に突出するもの、十字形状に突出するもの等種々の形状がある。又、凸部の締め代Hの範囲は、0から0.30mmにする。更に好ましくは、第2支持部3Aの押え部2Bに対する締め代Hを0.01mmから0.25mmにすると良い。
次に、図1と図4に於ける第1シール装置1の組み立て方法について説明する。第1シール装置1は、図3に示すように、組み立てられている。スリーブ状にステンレス鋼板を加工した保持環3の第1支持部3Dにゴム材製のカップ状をしたガスケット4を他端部3C1から拡張して嵌合する。このガスケット4の嵌着部4Bと第2支持部3Aとの間に第1密封環2を圧入する。このとき、ガスケット4の嵌着部4Bが圧縮されると共に、第2支持部3Aは弾性変形して第1密封環2を挿入させる。そして、第1支持部3Aは押え部2Bに対して締め代H分だけ圧着して係止する。この締め代Hは0から0.30mmの範囲である。更に、好ましくは0.01mmから0.25mmの範囲に係合させるとシール面2Aに能力を低下させる歪みの発生が認められない。
本発明のメカニカルシール装置は、シール能力に優れ、摺動時に鳴き等の発生が認められず、しかも、異常摩耗がなく、シール面に耐久性があり有用である。
M メカニカルシール装置
1 第1シール部(一方のシール部)
2 第1密封環(一方の密封環、回転用密封環)
2A シール面
2B 押え部
2C 内周面
2D 端面
3 保持環
3A 第2支持部
3B 外環
3C 固定部
3C1 他端部
3D 第1支持部
4 ガスケット
4A 支部
4B 嵌着部
6 平面部
11 第2シール部(他方のシール部)
12 第2密封環(他方の密封環、固定用密封環)
12A 対向シール面
12B 嵌合面
13 第1取付環
14 第2取付環
15 カートリッジ
15A 固着部
15B フランジ
19 スプリング
50 軸
60 シールハウジング
1 第1シール部(一方のシール部)
2 第1密封環(一方の密封環、回転用密封環)
2A シール面
2B 押え部
2C 内周面
2D 端面
3 保持環
3A 第2支持部
3B 外環
3C 固定部
3C1 他端部
3D 第1支持部
4 ガスケット
4A 支部
4B 嵌着部
6 平面部
11 第2シール部(他方のシール部)
12 第2密封環(他方の密封環、固定用密封環)
12A 対向シール面
12B 嵌合面
13 第1取付環
14 第2取付環
15 カートリッジ
15A 固着部
15B フランジ
19 スプリング
50 軸
60 シールハウジング
Claims (5)
- ハウジングに設けた孔と、孔に挿嵌する軸との間をシールするメカニカルシール装置であって、一対の密封環と、前記一対の密封環のうち外周面に平面状の押え部を有する第1密封環と、前記第1密封環の内周面を支持する第1支持部と前記第1支持部と一体で押え部を支持する第2支持部とを有すると共に、前記シールハウジング又は前記軸に固定する固定部を有する保持環と、前記保持環と前記第1密封環とに密着するガスケットとを具備し、前記第2支持部が前記押え部に圧接する締め代を0.01mmから0.25mmの範囲に形成されていると共に、前記第1密封環の周面に設けた各前記押え部が周面の非対称の位置に有することを特徴とするメカニカルシール装置。
- 前記第1支持部は第1密封環の周面内に挿入される筒部と、前記第1密封環の端面に対向するフランジ部とを有し、且つ前記第2支持部は前記フランジ部から軸方向へ形成した片持板を有し、前記締め代は前記片持板を内径方向へ円弧状に変形させた面に形成したこと、を特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
- 前記第2支持部は前記第1支持部から筒状を成す外環に形成すると共に前記外環を軸方向へ切り込んで形成した片持板を有し、且つ前記締め代は前記片持板を内径へ凸状に変形させた面に形成したこと、を特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
- 前記第1密封環の前記押え部が周面に沿って3等配又は5等配に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のメカニカルシール装置。
- 前記第2支持部は前記第1支持部から一体に前記外環に形成されていると共に、前記締め代は前記外環の一部を内径へ突出させた面に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のメカニカルシール装置。
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Cited By (5)
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