JP2007024151A - メカニカルシール装置 - Google Patents

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Noriaki Takigahira
宜昭 瀧ヶ平
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Abstract

【課題】 メカニカルシール装置は、密封環の摺動面に発生する摺動熱を効果的に放熱してガスケットに惹起するシール能力の不具合を防止すると共に、シール面のシール能力を向上できることにある。
【解決手段】 このメカニカルシール装置(1)は、取付段部(60A)の第1取付面(60A1)に軸方向へ嵌合する嵌着面(10C)と、取付段部(60A)の第2取付面(60A2)に接合する背面(10B)と、背面(10B)の反対側の端面に有するシール面(10A)と、を有する第1密封環(10)、及び第1密封環(10)の嵌着面(10C)と第1取付面(60A1)とに密着するゴム状弾性材製のガスケット(8)と、ガスケット(10)に埋設されて一端に露出する熱伝部(2B)を有する筒状の伝熱環(2)と、を有する取付シール(5)とを具備し、取付シール(5)の熱伝部(2B)がシールハウジングの取付面に当接するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高圧の被密封流体を密封すると共に、密封環の摺動面の摺動発熱によって密封環およびガスケットが、熱による変形又は亀裂等が惹起し、シール能力の低下を防止したメカニカルシール装置に関する。特に、密封環を保持するとともに、この保持間をシールするガスケットのシール能力が摺動面の発熱により低下するのを防止する。同時に、被密封流体の圧力変動によりシール面の変位に伴って偏摩耗するのを防止したメカニカルシール装置の技術分野に関するものである。
近年、変動圧又は/及び高圧の被密封流体を使用する機械装置用のメカニカルシール装置において、被密封流体の漏れ量の基準が厳しくなっている。そして、メカニカルシール装置からの漏れ量を少なくする改善が求められている。この密封環からの被密封流体の漏れは、密封環の摺動面に於ける発熱の上昇が起因すると言われている。特に、被密封流体の高圧又は/及び変動圧に伴う作用力から発生する密封環の摺動面の発熱を効果的に放熱することが重要な課題となっている。更に、密封環の取付面間をシールするガスケットが発熱により軟化(へたるような状態なって弾性力を失う)してシール能力を低下させる課題が存する。
このような機械装置に用いられるメカニカルシール装置において、本発明に係わる関連技術には、図6に示すメカニカルシール装置が存在する(例えば、特許文献1を参照)。図6は、工業用ポンプなどに用いられているメカニカルシール装置100の片側の断面図である。図6に於いて、機内側Tは被密封流体領域である。また、反対の機外側Fは潤滑油領域又は大気領域である。このメカニカルシール装置100は、ハウジング102と回転軸103との間の被密封流体が機外側Fへ漏洩するのをシールするために設ける。この回転軸103は、機外側Fの図示省略するモータにより回転する。このために機外側Fである固定密封環107の内周側に潤滑油が介在する場合もある。このハウジング102には、回転軸103を挿入する内周面102Dの機内側Tに嵌着面102Cと支持面102Sから成る環状面の段付部102C、102Sが形成されている。この段付部102C、102Sに断面がL形で環状を成すカップガスケット105を介して固定密封環107が装着されている。このカップガスケット105の径方向部は、固定密封環107の背面107Fを支持するために、径方向部の内径面105Dをハウジング102の内周面102Dと近似する寸法に形成されている。
また、カップガスケット105の外周面105Aには突起したシール部が二個設けられている。このシール部が嵌着面102Cに密接して被密封流体をシールする。さらに、カップガスケット105の接合面105Bは支持面102Sに接合して支持されている。また、固定密封環107は、嵌合面107Bをカップガスケット105の内周面105Cに嵌着するとともに、背面107Fがカップガスケット105を介して支持面102Sに支持されている。そして、固定密封環107は弾性なカップガスケット105を介してハウジング102に保持されている。
固定密封環107のシール面107Aと密接する対向シール面106Aを設けた回転密封環106は、ケース110に嵌合状態に結合している。又、このケース110は、孔付有底円筒状に形成されている。孔付有底部分の内径端から軸方向へ板状に突出した係止片110Bが周面に沿って複数個に形成されている。一方、係止片110Bとは反対側の嵌合円筒部110Aの周面に沿って等配に陥没させた係止部110Pを回転密封環106の外周面に設けた各溝部106Gと係合させて互いに係止している。
また、ベローズ109は、一端に設けた大径円筒状のシール部109Aを回転密封環106の背面に接合するとともに、取付円筒部109Bの内周面を回転軸103の外周面に嵌合して回転軸103と回転密封環106との間側をシールしている。さらに、取付円筒部109Bの外周面に設けたドライブリング113により取付円筒部109Bの内周面を回転軸103と密着されている。また、ドライブリング113には、外周面に沿って等配に係止溝113Gが設けられている。この係止溝113Gには係止片110Bを係合させている。そして、回転軸103からの回転力をドライブリング113からケース110に伝えるとともに、ケース110から回転密封環106へと伝達可能な構成にしている。さらに、回転軸103には、ベローズ109より機内側Tにカラー108が取り付けられており、このカラー108とケース110との間に配置されたスプリング111により回転密封環106の対向シール面106Aを固定密封環107のシール面107Aへ弾性的に押圧している。このスプリング111は、コイル状ばねである。
このように構成されたメカニカルシール装置100は、固定密封環107のシール面107Aと回転密封環106の対向シール面106Aとが密接して機内側Tと機外側Fの間を遮断する。更に、カップガスケット105によりシールハウジング102と固定密封環107との間隙をシールして機内側Tと機外側Fとの間を遮断する。しかし、シール面107Aと対向シール面106Aとの接触したシールは、互いに両シール面が相対摺動しながらシールするために、摺動時に互いのシール面が発熱する。
そして、固定密封環107の摺動時の発熱がカップガスケット105に伝熱し、このカップガスケット105の材質を軟化させると共に、この材質の応力緩和によりメカニカルシール装置100のシール能力を低下させる。これらの問題は、回転軸103が高速回転する場合のみならず、被密封流体が高圧の場合、又は、被密封流体が変動する圧力の場合、被密封流体の圧力が相対するシール面106A,107Aに作用して互いのシール面106A,107Aが摺動発熱を惹起する。
一方、固定密封環107の嵌合面107Bと背面107Fは、カップガスケット105の内周面105Cに密接して囲まれているので、固定密封環107のシール面107Aが摺動して発熱すると、熱伝導率の小さいカップガスケット105に囲い込まれた固定密封環107は放熱を困難にして熱を蓄積する。
叉、カップガスケット105は、ゴム材であるために、この摺動発熱により軟化する。この為に、カップガスケット105は、シールハウジング102と固定密封環107との間をシールする能力が低下する。更に、このカップガスケット105は、全体がゴム材であるため、固定密封環107を介して被密封流体の圧力を受けると弾性変形するから、固定密封環107を正常な状態に保持できずにシール面107Aが変位したり、傾斜したりすることになる。この為に、互いに密接するシール面107A、106Aのシール能力が低下する問題も存する。このように、上述の関連技術には技術の向上につれて摺動熱に伴うシールとしての解決すべき課題が存する。
実開平05−1075号公報(図3)
本発明は、上述のような問題点に鑑み成されたものである。その技術的課題は、密封環を密封に取り付けるガスケットが軟化してシール能力が低下するのを防止することにある。又、被密封流体の圧力が密封環に作用しても、密封環のシール面は、対向シール面と密接してシール能力を向上させることにある。
本発明は、上述のような技術的課題を解決するために成されたものである。そして、その技術的解決手段は以下のように構成されている。
請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置は、取付段部を設けた孔を有するシールハウジングとシールハウジングの孔に挿嵌する軸との間に設けられるメカニカルシール装置であって、取付段部の第1取付面と軸方向へ嵌合する嵌着面と、取付段部の第2取付面に支持される背面と、背面の反対側の端面に有するシール面と、を有する第1密封環、及び第1密封環の嵌着面と第1取付面との間に密着するゴム状弾性材製のガスケットと、このガスケットに埋設されて露出する熱伝部を有する筒状の伝熱環と、を有する取付シールとを具備し、取付シール部の伝熱環の熱伝部がシールハウジングの取付面に接触しているものである。
請求項2に係わる本発明のメカニカルシール装置は、伝熱環の熱伝部がガスケットの内径寸法より大きな寸法に内径方向へ折曲げられているものである。
請求項3に係わる本発明のメカニカルシール装置は、密封環の嵌着面に小径段部を有し、小径段部に取付シールが装着されているものである。
請求項4に係わる本発明のメカニカルシール装置は、シールハウジングの第2取付面がシールハウジングに着脱自在に保持された放熱部品の第2取付面により構成されているものである。
請求項5に係わる本発明のメカニカルシール装置は、伝熱環の両端の熱伝部と出入部がガスケットより露出しているものである。
請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置では、密封環の背面が直接に第2取付面に支持されると共に、嵌着面が環状仕切部を埋設した環状のガスケットに弾性に支持されている。このために、シール面に対して被密封流体の高圧力が作用しても、背面のシール面に対する加工精度の低下は、環状仕切部を介したガスケットが吸収し、シール面が対向シール面に対応して密接することができる。又、被密封流体の圧力が変動しても、固定用密封環は、背面を支持されながら環状仕切部により支持されているので、シール面が傾斜したり、ずれたりするのが防止できる。又、熱伝部は取付シールの温度上昇を防止するために取付段部に当接している。このために、取付シールに蓄積される摺動熱は伝熱環の熱伝部から放熱されるので、ガスケットが加熱により軟化するのを防止する。その結果、取付シール部のシール能力が発揮できる効果を奏する。
請求項2に係わる本発明のメカニカルシール装置では、伝熱環の熱伝部が底部に成るように折曲げられているので、ガスケット内に蓄積する熱を熱伝部から外方へ放出することが可能になり、ガスケットの軟化を防止してガスケットのシール能力が発揮できる。更に、伝熱環の熱伝部は折曲げ加工により形成されるから、平板から深絞を可能にして、切削加工ではなく、安価なプレス加工を可能にする。そして、プレスにより製作コストが低減できる効果を奏する。
この請求項3の本発明のメカニカルシール装置では、密封環の嵌着面に小径段部を設けると共に、この小径段部に取付シールを設けることにより、密封環の嵌着面を第1取付面に直接に接合して支持できると共に、背面を第2取付面に接合して支持させることが可能になる。このために、シール面は被密封流体の圧力を受けても変位することもないので、対向シール面と密接してシール能力を発揮させることが可能になる。しかも、密封環のシール面は変位しないから、背面を支持する第2取付面をスナップリング等の着脱自在な固定部品により保持することを可能にする。このために、シールハウジングの段部の加工が容易になり、製作コストを低減することが可能になる。
この請求項4に係わる本発明のメカニカルシール装置では、小径段部が第1取付面と放熱部により形成されているので、第1取付面と放熱部から成る取付面の加工が容易になる。このために密封環を取り付けるシールハウジングの取付面の加工コストが大きく低減できる効果を奏する。又、放熱部の着脱によって密封環の取付と共に、取り外しが容易になり、密封環の取付コストが大きく低減できる効果を奏する。
この請求項5に係わる本発明のメカニカルシール装置は、伝熱環の熱伝部と基部との両端部をガスケットから露出させることにより、露出している熱伝部又は/及び基部により取付シールの蓄熱が防止できる効果を奏する。又、熱伝部又は基部により取付シールを取付面に装着するとき、又は、取付シールを取付面から引き出すときに、熱伝部又は基部を圧入又は引き出し用にできることによりガスケットに損傷が惹起するのを防止できる。このために、ガスケットを取り付けるときに、損傷して取付シールのシール能力が低下するのを防止できる。更に、伝熱環にガスケットを成形するときに、熱伝部又は基部を成形型内で保持できるからガスケットと仕切部の位置関係が正確に成形できる効果を奏する。
以下、本発明に係わる実施の形態のメカニカルシール装置を図面に基づいて詳述する。尚、以下に説明する各図面は、寸法関係が正確な設計図を基にしたものである。
図1は、本発明に係わる第1実施の形態のメカニカルシール装置1を示す片側断面図である。この図1は、ハウジング60の段付孔60Bと回転軸50との間にメカニカルシール装置1を装着したものである。
図1に於いて、メカニカルシール装置1は、シールハウジング60に固着される固定用密封環10と、回転軸50に取り付けられる回転用密封環20とを対向して一対に構成するものである。そして、固定用密封環10を機能的に取り付けるための取付シール5と、回転用密封環20を密封に取り付けるためのベローズ47が重要な機能部品となる。尚、この回転軸50とシールハウジング60とは相対回転である。つまり、シールハウジング60を回転体の形状に構成して固定用密封環10を回転用密封環として回転させる場合もある。しかし、回転用密封環を密封する取付シール5の構成は固定用密封環10の場合と同様である。
メカニカルシール装置1を構成する一方の回転用密封環20は、カーボン材製である。この回転用密封環20は、全体が環状体を成しており、この回転用密封環20の外周面には、周面に沿って複数に配置する案内溝20Gを形成する。この案内溝20Gは外周面に対して軸方向を成す。叉、内周が回転軸50と微小間隙で貫通する貫通孔に形成する。更に、回転用密封環20の図示左先端部には対向シール面20Aを設ける。又、対向シール面20Aに対して反対側には押圧面20Bを形成する。尚、回転用密封環20は、潤滑性を重視したカーボン材の他に、硬度を重視した炭化珪素材、更には、この両者を兼ね備えるものとして炭化珪素に潤滑性を付与した複合摺動材、エンジニアリング・セラミックス等の材料により形成することもできる。
更に、回転用密封環20の外周面に嵌合する筒部43Aと、この筒部43Aの一端に孔付の底部43Bを設けたドライブケース43を形成する。このドライブケース43の筒部43Aの内周面には、案内溝20G内に入り込んで係止する凸状の係止部43Cを2条又は3条に形成する。また、底部43Bの内周端には、周面に沿って2等配又は3等配に配置して軸方向へ突出する板状の連結片43Dを形成する。このドライブケース43の材質は、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼等でプレス加工して製作する。
また、回転用密封環20の押圧面20B側にはゴム又は樹脂材製のベローズ47を配置する。このベローズ47は、外筒部47Aの一端に内方へ折り曲げられた筒状の可撓部を設けるとともに、可撓部に連結する内筒嵌合部47Bを形成する。この外筒部47Aの一端面には接合面47A1を形成する。この接合面47A1を回転用密封環20の押圧面20Bに接合した状態にしてドライブケース43の底部43Bと回転用密封環20の対向シール面20A側に設けたカシメ部とにより回転様密封環20と外筒部47Aとを両側から狭持する。なお、カシメ部は、筒部43Aの端部に周方向に沿って3等配に小さな幅で直角に折り曲げているので、図示は省略されている。
また、内筒嵌合部47Bの内周面を回転軸50の外周面に嵌合する。さらに、内筒嵌合部47Bの外周面には、結合面42Cを嵌着したドライブリング42を設ける。このドライブリング42により、内筒嵌合部47Bを回転軸50に密接合する。そして、内筒嵌合部47Bの内周面の密着により内筒嵌合部47Bと回転軸50との嵌合間をシールするとともに、回転用密封環20の押圧面20にベローズ47の接合面47A1を密接させて回転用密封環20の押圧面20B側をシールする。
このドライブリング42には、外周面の周面に沿って等配に複数個の係止溝42Gを形成する。そして、係止溝42Gには、ドライブケース43の係止片43Dを係止させてドライブリング42とドライブケース43とがともに回動するようにする。また、ベローズ47の機内領域L側には、回転軸50に嵌着面44Cを嵌着してばね受部44を回転軸50の段付部に係止状態に取り付ける。このばね受部44は、断面がL形の環状体に形成する。叉、ばね受部44の側面には、ばね受面44Aを設ける。そして、このばね受面44Aと底部43Bとの間には、回転用密封環20を弾発に押圧するコイルばね等から成る弾発手段45を配置する。この弾発手段45は、コイルばねに形成しているが、円錐状の蔓巻ばねに形成することもできる。なお、ばね受部44は、ステンレス鋼板、鋼板等の材質を加工して製作する。
そして、回転用密封環20と、ドライブケース43と、ドライブリング42と、ベローズ47とは、互いに連結して回転軸とともに回動する。同時に、ドライブリング42の係止溝42Gとドライブケース43の係止片43Dとは、軸方向へ相対移動可能にされているので、ばね手段45により弾発に押圧されたドライブケース43は、ベローズ47の可撓部の弾性変形により回転用密封環20を弾発に押圧する。そして、弾発手段45により押圧される回転用密封環20の対向シール面20Aは、固定用密封環10のシール面10Aと摺動しても密接するようになる。
次に、シールハウジング60の取付面60Aは、回転用密封環20を内装する中空面60Bと周面60Dとの堺の端面を段付部に形成する。この取付面60Aは、断面がL形を成す第1取付面60A1と第2取付面60A2とに形成する。この取付面60Aには、固定用密封環10と、この固定用密封環10を密封に取り付ける取付シール5とを取り付ける。この取付シール5はガスケット8と伝熱環2とから構成する。
この固定用密封環10は、外周に取付シール5と嵌着する嵌着面10Cを設ける。また、固定用密封環10の内周には回転軸50に間隙を設けて挿嵌する内周面10Dを形成する。さらに、固定用密封環10には、回転用密封環20の対向シール面20Aと対向する面に密封用のシール面10Aを設ける。叉、固定用密封環10のシール面10Aと反対面には背面10Bを形成する。そして、固定用密封環10は、固定用密封環10の嵌着面10Cに取付シール5を嵌着し、さらに、この取付シール5をシールハウジングの取付面60Aに嵌合すると、回転用密封環20と対向する位置に配置される。また、シール面10Aと対向シール面20Aとは、弾発手段45の弾発力又は被密封流体の圧力が回転用密封環20の押圧面20Bに作用する押圧力で密封に接触する。その結果、シール面10Aと対向シール面20Aとの密接により機内領域Lと機外領域Aとを密封に遮断できる。尚、固定用密封環10は炭化珪素で製作されているが、超硬合金、カーボン、セラミック材等で製作することもできる。
また、固定用密封環10の嵌着面10Cとシールハウジング60の第1取付面60A1との間に設けられた取付シール5は、筒状の伝熱環2と環状のガスケット8から構成されている。伝熱環2の環状仕切部2Aは円筒状に形成する。又、環状仕切部2Aの端部には熱伝部2Bを設ける。そして、環状仕切部2Aは固定用密封環10とシールハウジング60との接合面に対し、第1筒状ガスケット8Aと第2筒状ガスケット8Bとの密接を支持する。叉、熱伝部2Bは、円筒状にした端部にすることもできるが、端部を厚肉にしても良い。更に、端部を内径方向へ折曲げられて有底状に形成することもできる。そして、熱伝部2Bは、第2取付面60A2の対向面部に対して密接させると共に、ガスケット8が軸方向に移動しないように接合する。なお、図1に示すように、筒状の伝熱環2の端部を折曲げて熱伝部2Bに形成する場合には、平板を深絞り加工して有底部の内部を打ち抜けばよいから、プレス加工が容易になり、有底部を機械加工して正確に仕上げしなくとも良い。このために、取付シール5の加工コストを低減できる。この伝熱環2は、冷間圧延炭素鋼により形成されているが、銅合金、アルミニュウム合金等の熱伝導率の大きい材料で形成すると良い。
ガスケット8は、環状仕切部2Aの外周面に第1筒状ガスケット8Aを接着すると共に、内周面に第2筒状ガスケット8Bを接着して形成する。ガスケット8の外周面に2条の第1シール凸部を形成すると共に、内周面に2条の第2シール凸部を形成する。そして、第1筒状ガスケット8Aと第2筒状ガスケット8Bとの端部を一体に連結する。又、ガスケット8の肉厚を薄くすると共に、シールハウジング60の取付面60Aと固定用密封環10の嵌着面10Cとに第1シール凸部と第2シール凸部とにより密接させて密封能力を向上させる。第1シール凸部と第2シール凸部は取付面60Aと嵌着面10Cとに圧着するとガスケット8の内外周面と略同一面まで圧縮される(なお、第1シール凸部と第2シール凸部は、互いの対向面に圧接しているため、図に表示されていない)。なお、熱伝部2Bにはガスケット8を設けない。叉、環状仕切部2Aの外周面に接着する第1筒状ガスケット8Aと内周面に接着する第2筒状ガスケット8Bの厚さは、図1では略同一厚さであるが、環状仕切部2Aの内周側の第2筒状ガスケット8Bの厚さより外周側の第1筒状ガスケット8Aの厚さを厚くすると、固定用密封環10のシール面10Aの対向シール面20Aに対する平行度を形成する点で好ましい。尚、ガスケット8の材質は耐熱性ゴム材が好ましい。例えば、FKM、CM、H−NBR、IIR、等が適している。
このように構成された固定用のシール部は、取付シール5に密封環10の嵌着面10Cを嵌着して一体に構成する。そして、取付シール5をシールハウジング60の取付面60Aに嵌着して取り付ける。このとき、密封環10の背面10Bはシールハウジング60の第2取付面60A2に密接する。そして、密封環10のシール面10Aが摺動時に発熱する摺動熱を密封環10の背面10Bからシールハウジング60へ伝熱する。このために、摺動熱により密封環10に蓄積された摺動熱は、背面10Bから放熱される。又、密封環10に蓄積された摺動熱は取付シール5に伝熱してガスケット8を軟化させようとしても、伝熱環2には熱伝部2Bが設けられて第2取付面60A2に密接しているから、取付シール5に蓄積する摺動熱は、伝熱環2の熱伝部2Bからシールハウジング60へ伝熱して放熱することが可能になる。このために、取付シール5のガスケット8は摺動熱により軟化することなくシール能力を発揮することが可能になる。更に、中空面60B内には高圧の被密封流体が変動しながら密封環10に作用する場合もある。しかし、密封環10は、第2取付面60A2に背面10Bが密接してシール面10Aを支持しているから、シール面10Aは変位することなく対向シール面20Aに密接してシール能力を発揮する。更に、背面10B、又は第2取付面60A2のシール面10Aに対する平行度が加工上設計通りでなくとも、対向シール面に20Aに押圧されると、環状仕切部2Aにより支持された薄肉の第2筒状ガスケット8Bが弾性変形してシール面10Aの傾きを吸収するから、シール面10Aは対向シール面20Aと密接してシール能力を発揮することができる。
図2は本発明の第2実施の形態のメカニカルシール装置1の片側断面図である。図2に於いて、図1のメカニカルシール装置1と相違する点は、密封環10の嵌着面10Cの背面10B側に小径段部10C1を設ける。この小径段部10C1は密封環10の軸方向の長に対して1/2以上の長さにすると良い。そして、取付シール5を小径段部10C1に係合して取り付ける。更に、密封環10の内周面10Dには、引出用の係止手段10Eが設けられている。この引出手段10Eは、図示省略の着脱治具を引出手段10Eに係止してシールハウジング60の取付面60Aから密封環10を引き出すときに利用するものである。更に、シールハウジング60の孔用の周面60Dには取付溝60Cを設ける。この取付溝60Cに熱伝導率の良い材質から製作された放熱部品60Sを係止する。そして、放熱部品60Sの側面に第2取付面60A2を設ける。この放熱部品60Sの第2取付面60A2とシールハウジング60の第1取付面60A1により取付面60Aを形成する。図2に記載したその他の符号の部品は、図1に示す符号の部品と同一である。
このように構成された第2実施の形態のメカニカルシール装置1は、小径段部10C1に取付シール5を装着する。この取付シール5は図1の取付シール5と略同一構成である。相違する点は、小径段部10C1に係合できるように長さが図1に示す取付シール5より短い点である。この伝熱環2の熱伝部2Bは放熱部品60Sの第2取付面60A2に密接することができる。そして、取付シール5は密封環10の嵌着面10Cと、シールハウジング60の第1取付面60A1との間をシールする。又、取付シール5の熱伝部2Bは放熱部品60Sの第2取付面60A2の対向面部に密接して取付シール5の摺動熱を放熱する。このために、ガスケット8が軟化して密封環10の接合面間から被密封流体が漏洩するのを防止し、シール能力を発揮できる。
又、密封環10は、嵌着面10Cがシールハウジング60の第1取付面60A1に嵌着すると共に、背面10Bが第2取付面60A2に当接する。このために、密封環10は、摺動熱を嵌着面10Cと背面10Bからシールハウジング60側へ放熱することができる。更に、密封環10は嵌着面10Cと背面10Bの2点で接合しているから、高圧の被密封流体が変動しながら作用しても、シール面10Aは対向シール面20Aと密接してシール能力を発揮する。例えば、放熱部品60Sをスナップリングとした場合、スナップリングがシールハウジング60の取付溝60Cと微小間隙を有して強固に固定されなくとも、密封環10は嵌着面10Cと背面10Bの2点でシールハウジング60に接合するので、シール面10Aは変動するのが防止される。尚、第2実施の形態に於いては、密封環10が放熱部品60Sにより支持されているので、放熱部品60Sをシールハウジング60から取り出せば、密封環10も容易に機外領域A側から取り出すことが可能になる。つまり、メカニカルシール装置1はシールハウジング60に着脱自在であるから、メカニカルシール装置1の組立コストを低減できる。
図3は、本発明の第3実施の形態を示すメカニカルシール装置1の片側断面図である。図3に於いて、図2のメカニカルシール装置1と相違する点は、密封環10に設けた小径段部10C1は嵌着面10Cのシール面10A側に設けた点である。なお、取付シール5は図2の取付シール5と略同一である。そして、第2取付面60A2はシールハウジング60に直接に設けたものである(この取付面60Aは、図1の取付面60Aと同様に構成する)。この取付シール5の熱伝部2Bは、密封環10の小径段部10C1の対向面部(側面)に当接させる。図3に記載したその他の符号の部品は、図2に示す符号の部品と同一である。
本発明の第3実施の形態を示すメカニカルシール装置1は、上述のように構成される。そして、図2のメカニカルシール装置1と同様な効果を奏する。
図4は、本発明の第4実施の形態を示すメカニカルシール装置1の片側断面図である。図4に於いて、図2のメカニカルシール装置1と相違する点は、放熱部品60Sに放熱部3を設けた点である。この放熱部品60Sは周面60Dに嵌着して固定する。更に又、固定部品62をシールハウジング60の周面60Dの取付溝60Cに着脱自在に係止したものである。そして、放熱部品60Sを固定部品62により保持する。放熱部品60Sには一体に放熱部3を設ける。この放熱部3は、筒状に形成された本部3Bと、本部3Bの外周面に複数の放熱形フィン3Aを設ける。各放熱形フィン3Aの間は放熱空間3Dに形成する。
更に、本部3Bの内周面は、回転軸50との間に間隙を設ける。叉、本部3Bの端面には接合面3Cを設けて、放熱部品60Sの接着面60S1と接合する。この放熱部3の接合面3Cと放熱部品60Sの接着面60S1とは銀ロー付け叉は銅ロー付けにより接着した結合部9に形成する。尚、固定部品62は市販のスナップリングを用いることもできる。この固定部品62も熱伝導率が大きい材料を用いる。そして、放熱部品60Sと固定部品62は、アルミニュウム(Al)、銅(Cu)、錫、モリブデン、マグネシウム等を含有した合金、ステンレス鋼、鋳鉄等を機械加工叉は鋳造して製作する。なお、伝熱環2は、錆びないようにすると共に、伝熱を良くするために銀叉は錫メッキなどで被覆すると良い。
本発明の第4実施の形態を示すメカニカルシール装置1は、上述のように構成される。そして、図3のメカニカルシール装置1と同様な効果を奏する。更、図4のメカニカルシール装置1は、放熱部品60Sに放熱部3を設けることにより、摺動時に、更なる密封環10と取付シール5との摺動熱を放熱させる効果が発揮できる。
図5は、本発明の第5実施の形態のメカニカルシール装置1の片側断面図である。図5に於いて、図1と相違する点は、伝熱環2の端部に設けた基部2Cをガスケット8より機内領域L側へ突出させて露出したものである。この基部2Cには周面に沿って複数の取出孔6を設ける。この取出孔6に図示省略の引出治具を係止して取付シール5を第1取付面60A1から引き出すことができるようにしたものである。又、取付シール5を第1取付面60A1に挿入するときに、基部2Cを圧入できるようにするものである。この基部2Cを設けることにより、取付シール5を第1取付面60A1に着脱するときにガスケット8を損傷しないようにできる。この伝熱環2は冷間圧延炭素鋼、アルミニウム、叉は銅材により形成する。叉、ステンレス鋼、鋼板により形成することもできる。伝熱環2をステンレス鋼、鋼材製にする場合は、表面を銀メッキ銅メッキにより熱伝達率を向上させると良い。その他の符号は図1の符号の部品と同一である。
以上述べたように、本発明は、密封環の摺動面に発生する摺動熱を放熱し、摺動面に惹起する摩耗・損傷を防止したメカニカルシール装置として有用である。叉、密封環の取付面をシールするガスケットの軟化を防止してガスケットの耐久能力を向上したメカニカルシール装置として有用である。
本発明の第1実施の形態に係わるメカニカルシール装置を軸に装着した片側断面図である。 本発明の第2実施の形態に係わるメカニカルシール装置を軸に装着した片側断面図である。 本発明の第3実施の形態に係わるメカニカルシール装置を軸に装着した片側断面図である。 本発明の第4実施の形態に係わるメカニカルシール装置を軸に装着した片側断面図である。 本発明の第5実施の形態に係わるメカニカルシール装置を軸に装着した片側断面図である。 本発明に関連するメカニカルシール装置の片側断面図である。
符号の説明
1 メカニカルシール装置
2 伝熱環
2A 環状仕切部
2B 熱伝部
2C 基部
3 放熱部
3A 放熱形フィン
3B 本部
3C 接合面
3D 放熱空間
5 取付シール
8 ガスケット
8A 第1筒状ガスケット
8B 第2筒状ガスケット
9 結合部
10 固定用密封環(第1密封環)
10A シール面
10B 背面
10C 嵌着面
10D 内周面
20 回転用密封環
20A 対向シール面
20B 押圧面
20G 案内溝
42 ドライブリング
43 ドライブケース
44 ばね受部
45 弾発手段
47 ベローズ
60 シールハウジング
60A 取付面
60A1 第1取付面
60A2 第2取付面
60B 中空面
60C 取付溝
60D 周面
60S 放熱部品
60S1 接着面
62 固定部品
A 機外領域
L 機内領域

Claims (5)

  1. 取付段部を設けた孔を有するシールハウジングとシールハウジングの孔に挿嵌する軸との間に設けられるメカニカルシール装置であって、前記取付段部の第1取付面に軸方向へ嵌合する嵌着面と、前記取付段部の第2取付面に支持される背面と、前記背面の反対側の端面に設けたシール面と、を有する第1密封環、及び前記第1密封環の前記嵌着面と前記シールハウジングの前記第1取付面との間をシールするゴム状弾性材製のガスケットと、前記ガスケットに埋設されて一端に露出する熱伝部を有する筒状の伝熱環と、を有する取付シールを具備し、前記取付シールの前記熱伝部が前記シールハウジングの取付面に接触することを特徴とするメカニカルシール装置。
  2. 前記伝熱環の一端部に有する熱伝部がガスケットの内径寸法より大きな寸法に内径方向へ折曲げられていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
  3. 前記密封環の前記嵌着面に前記小径段面を有し、前記小径段面に前記取付シールが装着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメカニカルシール装置。
  4. 前記シールハウジングの前記第2取付面が前記シールハウジングに着脱自在に保持された放熱部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のメカニカルシール装置。
  5. 前記伝熱環の被密封流体側に設けた基部が前記ガスケットより露出していることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載のメカニカルシール装置。

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