JP4378085B2 - メカニカルシール装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ポンプ等の液体をシールするために、弾発支持装置で押圧される密封環を設けたメカニカルシール装置に関する。更に詳しくは、ばね手段と密封手段とで弾発に押圧して支持する支持装置を改良したメカニカルシール装置の技術分野に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の関連技術として特許番号第2956862号特許公報及び米国特許第4,205,858号明細書等が存在する。本発明の関連技術として図7に示すメカニカルシール装置100が存在する。図7は、ポンプに用いられているメカニカルシール装置100の半断面図である。
図7に於いて、機内側Fは水等を処理する被密封流体領域である。また、反対の外部側Tは潤滑油又は大気領域である。
【0003】
このメカニカルシール装置100は、ハウジング102と回転軸103との間に装着される。この回転軸103に固定された回転装置104には段部104A、104Dが設けられている。この段部104Aは、回転装置104の内周面104B側の端部104Cに形成されている。
この段部104A、104Dにカップガスケット105を介して回転密封環106が装着
されている。カップガスケット105の内径面105Aは、回転密封環106の大きさから、回転装置104の内周面104Bより小径に形成されている。
【0004】
回転密封環106のシール面106Aと密接する固定密封環107は、ケース108に移動自在に嵌合している。このケース108はハウジング102に嵌着されている。
そして、固定密封環107は、ケース108に支持されたスプリング111により回転密封環106へ押圧されている。又、このスプリング111を外周に遊合した円筒状のダイヤフラム109は、断面がU形状の底部に更にU形状に折曲げたダイヤフラム109に形成されている。
このダイヤフラム109は、ケース108と固定密封環107とに両端部が接合し、ケース108と固定密封環107との間をシールしている。ダイヤフラム109は、ゴム材質であり、金属製の2個のばね座環110、110をスプリング111の両端に介在してスプリング111によりダイヤフラム109のフランジ部が押圧されている。
このばね座環110、110は、ダイヤフラム109のフランジ部がスプリング111により損傷しないように保護するため、スプリング111に接合するフランジ状のばね座を設けた円筒体に形成されている。
【0005】
このように構成されたメカニカルシール装置100は、スプリング111によりダイヤフラム109を介して固定密封環107を押圧し、回転密封環106のシール面106Aに対して固定密封環107を密接させて機内側(被密封流体領域)Fをシールする。
このような構成において、スプリング111で固定密封環107を押圧したのみでは、固定密封環107は回転密封環106により回動させられる。特に、被密封流体がスラリー叉は流体中にカルシュウムが含有する場合は、回転密封環106のシール面106Aに接着介在物として付着し、シール面106Aのトルクを大きくして固定密封環107を摩擦により回動することになる。この為に、固定密封環107に軸方向の溝部107Aを設けると共に、この溝部107Aにケース108における外周へ突出する係止部108Aを係止させて、回転密封環106により固定密封環107が供回りしないように保持する。
【0006】
しかし、固定密封環107は、摺動時の摩耗を防止するために、炭化珪素等の硬質材で製作される。硬質材は、脆いために、回転密封環106と固定密封環107が流体中の不純物により接着すると溝部107Aの付近を破損させることがある。叉、係止部108Aが溝部107Aから離脱することがある。この為に、固定密封環107が回動されられてシール面106Aが異常摩耗し、更にはダイヤフラム109の固定密封環107と接合する接合面が摩耗して被密封流体の漏洩を惹起する。
【0007】
叉、図8は、本発明の関連技術であり、本発明の図6に於いて、保持部10が設けられていない場合のメカニカルシール装置の一部を示す断面図である。このように、保持部10が設けられていないメカニカルシール装置においては、回転密封環と固定密封環とのシール面がスラリー等の介在により接着すると、係合している一方の連結環の係止部206Aが他方の連結環208の溝部208Aから図8に示すように離脱しようとする。尚、209はダイヤフラムである。
このように係止部206Aが溝部208Aから離脱すると、係止部206Aがスプリング211に接合してスプリング211を摩耗し、ばね定数を劣化させることになる。この為に、スプリング211のばね力が変化してシール能力が低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような問題点に鑑み成されたものであって、その発明が解決しようとする技術的課題は、回転密封環と固定密封環の摺動するシール面の接着により第1連結環と第2連結環の連結部が離脱するのを防止して、回転密封環と固定密封環とのシール面の密封力を発揮させることにある。
更に、小型のメカニカルシール装置においては、第1連結環と第2連結環の連結部の強度を構造的に増すことができない構成でも、第1連結環と第2連結環との連結力を強化させることにある。
叉、ばね手段の摩耗によるばね定数の変化を防止することにある。そして、メカニカルシール装置の全体を小型にできるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のような技術的課題を解決するために成されたものであって、その技術的解決手段は以下のように構成されている。
【0010】
請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置は、相対回動する一方の部品に密封に取り付けられる第1密封環と他方の部品に密封に取り付けられる第2密封環とが互いに密接して被密封流体側をシールするメカニカルシール装置であって、一方の密封環を保持すると共に係止部を有する第1連結環と第1連結環の係止部と軸方向へ相対移動可能に連結すると共に周方向へは係止する連結係止部を有する第2連結環とを組み合わせた一対の連結環と、第1連結環と第2連結環との間に配置されて第1連結環を押圧するばね手段とを具備し、一対の連結環の係止部と連結係止部との組み合わされた係止部の外周に係止部が連結係止部から外周へ離脱するのを抑える保持部を有するものである。
【0011】
この請求項1に係わる本発明のメカニカルシール装置では、一対の第1及び第2連結環が互いに軸方向へ相対移動可能に連結されていると共に、保持部により、係止部と連結係止部との離脱が防止された構成である。この為に、係止部の離脱が防止され、シール面が設計された通りに押圧されてシール面の摩耗を防止すると共に、シール能力を発揮させることが可能になる。そして、ばね手段を第1連結環と第2連結環との間に配置しても係止部の脱落によりばね手段が損傷されるのを効果的に防止することが可能になる。
又、密封環と一対の連結環とばね手段とを小型にしても、一対の連結環の係止部と連結係止部との結合力を向上することができる。このために、メカニカルシール装置を小型にすることが可能になる。
【0012】
請求項2に係わる本発明のメカニカルシール装置は、係止部が第1連結環の端部から係止片に突出すると共に、連結係止部が第2連結環の筒部に軸方向を成す溝部に形成され、連結係止部に挿入された係止片の外周にリングの保持部が挿嵌されているものである。
【0013】
この請求項2に係わる本発明のメカニカルシール装置では、一対の連結環の連結係止部と係止部との外周にリングの保持部が挿嵌されているから、係止部はリングにより確実に保持されて連結係止部から係止部が離脱するのを防止できる。叉、リングの保持部は薄肉の環状に形成しても、係止部の脱落を防止できるから、ばね手段もその分小型に形成することが可能になる。そして、メカニカルシール装置全体を小型に構成できる。又、保持環の取り外しが自由になる。
【0014】
請求項3に係わる本発明のメカニカルシール装置は、保持部が筒状を成した一端部にフランジ部を有し、フランジ部がコイルばねに形成されたばね手段の端部と接合してコイルばねを支持するばね座部に成されているものである。
【0015】
この請求項3に係わる本発明のメカニカルシール装置では、筒状を成した端部のフランジ部がばね手段の端部により保持された構成であるために、保持部が振動により揺動することもなく、保持部、係止部及びばね手段が揺動により摩耗することが防止できる。叉、フランジ部に保持された構成の筒部は、薄肉の筒部に形成しても、筒部は揺動することもなく、係止部を確実に保持することが可能である。
【0016】
請求項4に係わる本発明のメカニカルシール装置は、第2連結環の第1連結環と対向する側を筒部に形成すると共に筒部の自由端側周面に溝状の連結係止部を設け且つ筒部に係止部の離脱を防止する保持部を設けたものである。
【0017】
この請求項4に係わる本発明のメカニカルシール装置では、第2連結環の筒部に溝状の連結係止部を設けると共に、この溝を突き抜けに構成する。そして、係止片を溝に突き抜けに挿入して筒部により係止部の離脱が防止される保持部を形成するものである。又、連結係止部を台形又は凸形状に形成して係止部が連結係止部から離脱しないようにしたものである。このために、連結環に保持部を形成して組み立ての効率化と部品の簡素化を図ることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる好ましい実施の形態のメカニカルシール装置を、その図面に基づいて詳述する。尚、以下に説明する各図面は、正確な設計図である。
図1は、本発明に係わる第1実施の形態を示すメカニカルシール装置1の半断面図である。
【0019】
図1に於いて、メカニカルシール装置1は、第1密封環2の第1シール面2Aと第2密封環3の第2シール面3Aとが互いに密接して被密封流体をシールするものである。
この第1密封環2は、カップガスケット17を介してケース12の段部との間がシールされている。又、第2密封環3は、ベローズ16を介してハウジング60の段部内周面との間がシールされる。以下に、この構成を更に詳細に説明する。
【0020】
第1密封環2は、回転軸50に固定される回転密封環であり、断面が方形状で、環状体を成している。この環状体の先端面には第1シール面2Aが形成されている。又、第1密封環2に於ける第1シール面2Aと反対の背面と外周面とは、断面L形の接合面2Bに形成されている。更に、第1密封環2の内周面2Cは、回転軸50の外径よりも大径に形成されており、回転軸50との間に微小間隙が形成されている。
この第1密封環2は、硬質材で構成されている。例えば、炭化珪素、セラミック、超硬合金、カーボン材等で形成されている。
【0021】
第1密封環2を取り付けるケース12には、段部が形成されている。この段部は、径方向面と軸方向面を成す断面がL型の環状段面に形成されている。叉、ケース12の段部の内周には軸方向に貫通する通孔が形成されている。そして、通孔に回転軸50が貫通すると共に、ケース12の内周部は回転軸50に固定されるように成されている。
【0022】
このケース12の段部と第1密封環2との間にはカップガスケット17が設けられている。このカップガスケット17はゴム材製であり、ケース12の内周面に焼き付けて一体に接着されている。叉、カップガスケット17の段部周面には、対向する第1密封環2の接合面2Bと密接する内周密接面17Aに形成されている。
叉、カップガスケット17の孔を形成する内周面には、突起した複数のシール部17Bが形成されており、このシール部17Bは回転軸50と密接してシールするようにされている。
このカップガスケット17の材質は、FKM、NBR、IIR、U、Q、CR等である。
【0023】
第1密封環2と対向する第2密封環3は、ハウジング60に固定される固定密封環であり、回転軸50に遊合している。この第2密封環3も摺動材として適する炭化珪素又はカーボン或いは超硬合金材製である。
第2密封環3は、ベローズ16と一対の連結環4とコイルばね(ばね手段)7とを組み合わせた支持装置により支持されている。
そして、第2密封環3には、端面に軸方向へ凸部が形成されており、この凸部に第1密封環2の第1シール面2Aと密接する第2シール面3Aが形成されている。又、第2密封環3は、内周面が回転軸50と遊合すると共に、外周と背面は取付面3Bに形成されている。
【0024】
ベローズ16は、断面が図に示すようなU形状に形成され、一端の第1密着部16Aが第2密封環3の取付面3Bに密接する形に形成されている。又、ベローズ16の他端はハウジング60に嵌着した取付環9に密接する第2密着部16Bに形成されている。更に、ベローズ16の第1密着部16Aと第2密着部16Bの間は円筒部16Dに形成されている。
又、円筒部16Dの第1密着部16A側には、段部が形成されていると共に、薄肉にされた伸縮部16Cが形成されており、第2密封環3をばね7により押圧するときに伸縮部16Cが伸縮できるように構成されている。
又、ベローズ16の材質は、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、フロロシリコ−ンゴム(FVMQ)、ポリウレタンゴム(AU)等が適している。
【0025】
このベローズ16における円筒部16Dの外周側には、一対の連結環4が外装されている。この一対の連結環4は、第1連結環5と第2連結環8とが一定距離を移動可能にした連結構造に構成されている。
第1連結環5には、断面L型の環状をした支持部5Bの内周一端に周面に沿って等配に複数の板状梁(係止片とも言う)の係止部5Aが軸方向に突出して形成されている。
【0026】
この係止部5Aは、内周面に沿って三等配に形成されている。この係止部5Aは、必ずしも三等配とは限らず、設計に応じて四等配、五等配にされる。
この係止部5Aの自由端部には、図示省略のストッパーを設けて第2連結環8から抜け出さないよう構成されている。
又、支持部5Bの第2シール面3A側の端部は、カシメ部をカシメて第2密封環3を固定している。
このカシメ部は、支持部5Bの内周面を第2密封環3と嵌合したベローズ16の第1密着部16Aの外周面に嵌合した後に、直角に第2密封環3の端面へ折曲げて第2密封環3を第1密着部16Aにより密封に挟持する。
【0027】
一方、第2連結環8は、断面U形状に形成されている。そして、第2連結環8に於ける筒状の連結部8Bの内周面がベローズ16の円筒部16Dに嵌合すると共に、有底状に折り曲げられた端部がベローズ16の一端側のフランジ部に接合している。叉、第2連結環8の外周面は取付環9の外周側の内周面に嵌着して保持されている。
叉、筒状の連結部8Bには、第1連結環5に於ける係止部5Aが挿入可能な凹部状の連結係止部6が周面に沿って3個所に形成されている。この連結係止部6の個数は3個とは限らず、設計に応じて4個、5個と設けられる。この連結係止部6は係止部5Aと対応する位置に設けられて、係止部5Aを軸方向へ挿入できると共に、係止部5Aと連結係止部6とが噛み合って周方向へは互いに係止している。
ベローズ16の内周面とフランジ部は、取付環9に囲まれるように接合している。叉、取付環9の外周面には環状のガスケット15に嵌着している。叉、ガスケット15は外周面が凹凸に形成されたシール部15Aを介してハウジング60に嵌合している。叉、取付環9の内周環は回転軸50と間隙を設けて遊嵌していると共に、第2密封環3の内周面に嵌着して第2密封環3を内周側から保持している。
【0028】
この一対の連結環4における第1連結環5と第2連結環8の間の外周にはコイル巻きのばね(ばね手段)7が設けられている。このばね7の各端部は、一対の連結環4の第1連結環5と第2連結部8との各径方向部に接合して一対の連結環4を互いに反対軸方向へ押圧している。そして、図示省略しているが、一対の連結環4は、第1連結環5と第2連結環8とが第2密封環3を押圧する移動範囲内で相対移動し、第1連結環5と第2連結環8とが離脱するのをストッパーにより防止することもできる(図1にはストッパーが無いものである)。
第2密封環3を弾発に押圧するばね7は、ばね鋼線等で作られている。このばね7の形状は、コイルばね、弦巻ばね等に形成され、一対の連結環4に嵌挿した1個のもの、又は、一対の連結環4の両連結部5、8の外周に等配に複数のコイルばねを周面に沿って配置したもの等、種々のものが存する。
【0029】
この一対の連結環4の外周面とばね7の内周との間には筒状の保持部10が嵌合されている。この保持部10は、係止部5Aと連結係止部6との互いに係合した外周に嵌合して係止部5Aが連結係止部6から外周側へ離脱するのを防止するために装着されている。
この保持部10は一端にフランジ部10Cを設ている。フランジ部10Cは、ばね座の役目をしており、ばね7の力でフランジ部10Cを抑えることにより、保持部10が作動中に揺動しないように保持される。この為に、保持部10とばね7とは当接して摺動しないから、ばね7が保持部10との摩擦により摩耗してばね定数を低下させることも防止できる。その結果、ばね7の押圧力の変化により各シール面2A、3Aのシール能力が低下するのも防止することが可能になる。
【0030】
図3から図5は、保持部(サポートリング)10の各実施例を示す断面図である。
図3は、第2実施例を示す保持部10の断面図である。この保持部10は円筒体に形成されている。保持部10の内周面10Aと外周面10Bには樹脂材がコーテングされた内周被膜11Aと外周被膜11Bが設けられている。叉、外周面10Bの一端部には大径にされた嵌合部11B1が設けられており、嵌合部11B1にばね7の内周面が嵌合してばね7が揺動により保持部10と当接するのを防止する。
【0031】
図4は、第3実施例を示す保持部10の断面図である。この保持部10は、断面がU形状に形成されている。保持部10の外周取付面10Dは、取付環9叉はハウジング60にガスケット15を介して嵌着し、固定できるように形成されている。叉、内周面10Aは、第2連結環8と嵌合する。更に、保持部10の外周面10Bは、ばね7と遊嵌してばね7と当接しないように間隔を設けている。
【0032】
図5は、第4実施例を示す保持部10の断面図である。この保持部10は、フランジ部付きの円筒体である。円筒体の内周面10Aには、樹脂材製の被膜11Aが形成されている。叉、外周面10Bにも同じ樹脂材製の被膜11Bが形成されている。更に、円筒体の端部にはフランジ部10Cが形成されている。このフランジ部10Cは、ばね7により抑えられるように設けたものである。
この、保持部10は、図1に示すように取り付けることもできるが、図1とは反対のフランジ部10Cを第2密封環3側にしてばね7のばね座としても良い。
尚、これらの保持環は樹脂材により成形して製作することもできる。この樹脂材はエンジニアリングプラスチック等の強度を有するもので製作される。
【0033】
図6は、図1に示す係止部5Aと連結係止部6とが係合した部分の径方向の断面図である。
ベローズ16に嵌合した第2連結環8には連結係止部6が溝状に形成されている。この連結係止部6に係合した係止部5Aが係合している。この係止部5Aの外面5A1は保持部10と非接触に配置されている。保持部10の内周面10Aは第2連結環8と嵌合している。この嵌合は接触嵌合させるとよいが、非接触嵌合にしても良く、必要に応じて嵌合間の間隙は設計される。
更に、保持部10の外周面10Bは、ばね7と非接蝕に嵌合している。
このように係止部5Aと連結係止部6とを係合させることにより、第1シール面2Aと第2シール面3Aとが不純物の介在により接着しても係止部5が連結係止部6から離脱するのが防止される。尚、係止部5Aが板状梁の係止片に形成されるのは加工上の問題からである。
【0034】
図2は本発明に係わる第2実施の形態を示すメカニカルシール装置1の断面図である。
図2に於いて、図1のメカニカルシール装置1と相違する点は、第2連結環8と保持部10とを連結係止部6の端部で一体にした構成である。つまり、第2連結環8の自由端側の円筒部に短い溝状の連結係止部6を形成し、連結係止部6に於ける係止部5Aの自由端側を突き抜けにして(連結係止部6の溝状の図示右側を突抜にする)係止部5Aの自由端をこの突き抜け部に挿入する。そして、保持部10の筒部(内周面10A)で係止部5Aが外周方向へ変形して離脱するのを防止する。
このようにすることにより、図1に示す係止部5Aが連結係止部6から離脱するのを防止する機能と第2実施の形態のメカニカルシール装置1の機能も同様になる。その他の構成は、図1のメカニカルシール装置1と同様である。
【0035】
更に、本発明に係わる第3実施の形態を示すメカニカルシール装置1として図示省略するが、図1に示すメカニカルシール装置1において、円筒状の保持部10の代わりに金属製のOリングを第2連結環8の周面に形成した半円状の溝に嵌め込んで係止部5Aを保持するものである。
更に、上述の第2連結環8の周面に形成した半円状の溝の代わりに方形の溝を形成して断面方形のリングを溝に嵌め込んでも良い。更に、連結係止部6の断面が台形状又は凸状の溝に形成して係止部(係止片)5Aが上方へ離脱しないようにすると良い。
【0036】
次に、図1に示すメカニカルシール装置1の作用について説明する。
第1密封環2はカップガスケット17を介して回転軸50に嵌着されて被密封流体をシールする。一方、第1密封環2の第1シール面2Aと第2密封環3の第2シール面3Aとが密接して被密封流体をシールする。
この第1シール面2Aと第2シール面3Aは、相対摺動する。このときに第2密封環3の連結係止部6に第1連結環5の係止部5Aが係止して第2密封環3が支持装置により保持されながら相対回転する。同時に、第2密封環3は、支持装置により弾発に支持されて第2シール面3Aを第1シール面2Aに密接させる。
【0037】
この第1シール面2Aと第2シール面3Aが相対回動中に両シール面間にカルシュウム等の不純物が付着し、この不純物が発熱により乾燥して両シール面2A、3Aを接着させようとするのでトルクが大きくなる。この為に、トルク力に係止部5Aの強度が耐えられずに連結係止部6から離脱しようとする。しかし、この係止部5Aは保持環10により離脱が防止されているから、第2密封環3を正常に作動させることが可能になる。
この第2密封環3を支持する支持装置は、作動時には、ばね15の弾発に応じて軸方向へ移動が可能に成されており、同時に、ベローズ16の伸縮部16Cも、このばね7の伸縮する距離に対応して伸縮する。
【0038】
【発明の効果】
本発明のメカニカルシール装置によれば、保持部が係止部と連結係止部部との係合部の外周に取り付けられているから、各シール面間に強い摩擦力が生じても係止部が連結係止部から離脱するのが防止される。この為に、シール面の異常な摩耗を防止すると共に、シール能力を発揮させることが可能になる効果を奏する。そして、ばね手段を第1連結環と第2連結環との間に配置しても係止部の脱落によりばね手段が損傷されるのを効果的に防止する。
又、密封環と一対の連結環とばね手段とを小型にしても、一対の連結環の係止部と連結部との結合力を向上することができる。そして、メカニカルシール装置を小型にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1実施の形態のメカニカルシール装置の半断面図である。
【図2】本発明に係わる第2実施の形態のメカニカルシール装置の半断面図である。
【図3】本発明のメカニカルシール装置に係わる第2実施例の保持環の半断面図である。
【図4】本発明のメカニカルシール装置に係わる第3実施例の保持環の半断面図である。
【図5】本発明のメカニカルシール装置に係わる第4実施例の保持環の半断面図である。
【図6】本発明のメカニカルシール装置に係わる係止部と連結係止部との径方向を断面にした一部の断面図である。
【図7】本発明に関連する技術のメカニカルシール装置の半断面図である。
【図8】関連技術のメカニカルシール装置に係わる係止部が連結係止部から離脱した状態の径方向を断面にした不具合を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
1 メカニカルシール装置
2 第1密封環
2A 第1シール面
2B 接合面
2C 内周面
3 第2密封環
3A 第2シール面
3B 取付面
4 一対の連結環
5 第1連結環
5A 係止部
5A1 外面
5B 支持部
6 連結係止部
7 ばね(ばね手段)
8B 連結部
8 第2連結環
9 取付環
10 保持部(サポートリング)
10A 内周面
10B 外周面
10C フランジ部
10D 外周取付面
11A 内周被膜
11B 外周被膜
11B1 嵌合部
12 ケース
15 ガスケット
16 ベローズ
16A 第1密着部
16B 第2密着部
16C 伸縮部
16D 円筒部
17 カップガスケット
17A 内周密接面
17B シール部
50 回転軸
60 ハウジング
A 機内被密封流体側
B 機外側

Claims (4)

  1. 相対回動する一方の部品に密封に保持される第1密封環と他方の部品に密封に保持される第2密封環とが互いに密接して被密封流体側をシールするメカニカルシール装置であって、一方の前記密封環を保持すると共に係止部を有する第1連結環と前記第1連結環の前記係止部と軸方向へ相対移動可能に連結すると共に周方向へは係止する連結係止部を有する第2連結環とを噛み合わせた一対の連結環と、前記第1連結環と前記第2連結環との間に配置されて前記第1連結環を押圧するばね手段とを具備し、前記一対の連結環の前記係止部と前記連結係止部との組み合わされた前記係止部の外周に前記係止部が前記連結係止部から離脱するのを防止する保持部を有することを特徴とするメカニカルシール装置。
  2. 前記係止部が前記第1連結環の端部から係止片に突出すると共に、前記連結係止部が前記第2連結環の筒部に軸方向を成す溝部に形成され、前記溝部に挿入された前記係止片の外周に前記保持部がリングに形成されて挿嵌されていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
  3. 前記保持部が筒状を成した一端部にフランジ部を有し、前記フランジ部が前記ばね手段をコイルばね状にした端部と接合してコイルばねを支持するばね座部に成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメカニカルシール装置。
  4. 前記第2連結環の前記第1連結環と対向する側を筒部に形成すると共に前記筒部の自由端側周面に前記連結係止部を溝状に形成し且つ前記筒部に係止部の離脱を防止する保持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール装置。
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