JP2003314702A - メカニカルシール装置 - Google Patents

メカニカルシール装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メカニカルシール装置用の密封環を保持する
カップガスケットの耐久性と密封能力を向上させること
にある。 【解決手段】 密封環2の接合面2Bと段状取付面50
Aとの間にゴム状弾性材製のカップガスケット10を有
し、カップガスケット10には1体に支持板13を有す
ると共に支持板13の支持面13Aが対向する密封環2
の接合面2Bとほぼ平行に配置されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ポンプな
どに用いられるシール能力と耐久性を有するメカニカル
シール装置に関する。更に詳しくは、高圧の被密封流体
を確実にシールすると共に、耐久能力を有するメカニカ
ルシール装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の関連技術として図6に示すメカ
ニカルシール装置100が存在する。図6は、ポンプに
用いられているメカニカルシール装置100の半断面図
である。図6に於いて、機内側Fは水等を処理する被密
封流体領域である。また、反対の外部側Tは潤滑油又は
大気領域である。
【0003】このメカニカルシール装置100は、ハウ
ジング102と回転軸103との間に装着される。回転
軸103に連結された回転体104には段部104Aが
設けられている。この段部104Aは、回転体104の
内周面104B側の端部104Cに形成されている。こ
の内周面104Bは大きくしなければならないので、段
部104Aの径方向面104Dを大きく形成することが
困難である。この段部104Aにカップガスケット10
5を介して回転密封環106が装着されている。カップ
ガスケット105の内径面105Aは、回転密封環10
6の大きさから、回転体104の内周面104Bより小
径に形成されている。
【0004】回転密封環106と密接する固定密封環1
07は、図6に示すように、ケース108に移動自在に
嵌合してる。又、このケース108はハウジング102
に嵌着している。そして、回転密封環106は、スプリ
ング111により回転密封環106へ押圧されている。
このスプリング111は、断面がU形状の底部に更にU
形状に折曲げた形状で全体が円筒状のダイヤフラム10
9と、断面がL形状で全体が環状のばね座110、11
0をダイヤフラム109の両端に設た間に両端のばね座
110、110に支持された状態で配置されている。
【0005】このように構成されたメカニカルシール装
置100は、機内側Fから被密封流体の圧力を受ける
と、カップガスケット105はシール能力が発揮され
る。更に、カップガスケット105により弾性的に回転
密封環106を支持するのでシール面106Aの密接が
優れることになる。しかし、被密封流体の圧力によりカ
ップガスケット105は、硬質の回転密封環106と回
転体104とにより圧着されるので、図7の破断面10
5Xに示すように損傷することになる。このようにカッ
プガスケット105が損傷すると回転密封環106は支
持面が不安定になるから、シール面106Aは密接でき
なくなり、被密封流体が漏洩することになる。
【0006】このカップガスケット105は強度を有す
るゴム材質に構成しても、常に高圧力を回転密封環10
6に受けると耐久性を失い破損することになる。このカ
ップガスケット105をOリングに変更した従来技術も
存在するが、回転密封環106と回転体104との取付
面間のシール能力に問題が存する。更に、回転密封環1
06が弾性的に支持されないから、シール面106Aの
シール能力が低下する。更に、弾性的に支持されない回
転密封環106の取付精度によっては、シール面106
Aが偏芯して偏摩耗を惹起し、シール能力が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
問題点に鑑み成されたものであって、その発明が解決し
ようとする技術的課題は、密封環を支持するカップガス
ケットの耐久性を向上させることにある。又、密封環の
シール面の密封能力をカップガスケットの支持により発
揮させることにある。更に、カップガスケット及び密封
環の装着を容易にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述のような
技術的課題を解決するために成されたものであって、そ
の技術的解決手段は以下のように構成されている。
【0009】請求項1に係わる本発明のメカニカルシー
ル装置は、回転体に取り付けられる第1密封環とシール
ハウジングに取り付けられる第2密封環のシール面が互
いに密接して高圧被密封流体側と低圧側とをシールする
メカニカルシール装置であって、前記密封環の内1方の
密封環は取り付けられる段状取付面に固定される接合面
を有すると共に前記接合面と反対側にシール面を有し、
前記密封環の接合面と前記段状取付面との間にゴム状弾
性材製のカップガスケットを有し、前記カップガスケッ
トには1体に支持板を有すると共に前記支持板の支持面
が対向する前記密封環の接合面とほぼ平行に配置されて
いるものである。
【0010】この請求項1に係わる本発明のシール装置
では、ゴム状弾性材製のカップガスケットは弾力性があ
るために、カップガスケット単体では段状取付面に嵌着
することが困難であるが、カップガスケットに支持板が
1体に形成されているから、段状取付面に接合面を嵌着
することが容易になる。そして、カップガスケットに設
けられた支持板により密封環が被密封流体の圧力を受け
ても被密封流体の圧力に対抗して密封環を支持するか
ら、カップガスケットのゴム材質に損傷が発生するのを
効果的に防止する。しかも、カップガスケットの外周部
には支持板が介在していないから、弾力性を有して段状
取付面の外周面と密接してシール能力を発揮する。
【0011】この請求項2に係わる本発明のメカニカル
シール装置は、前記カップガスケットの支持板の内径が
前記段状取付面を貫通する内周面の内径寸法以下である
と共に前記密封環の内径より大きな寸法に形成されてい
るものである。
【0012】この請求項2に係わる本発明のメカニカル
シール装置では、カップガスケットに1体化された支持
板の内径が段状取付面を貫通する内周面の直径より小径
に形成されているからカップガスケットのゴム材を補強
して密封環の外周面から段状取付面内の内周面にかけて
亀裂が発生するのを効果的に防止する。
【0013】請求項3に係わる本発明のメカニカルシー
ル装置は、前記支持板は円板状の外周に筒状部を有し、
前記筒状部の長さが前記密封環の外周角部の面取りされ
た軸方向長さ以内に形成されているものである。
【0014】この請求項3に係わる本発明のメカニカル
シール装置では、支持板に筒状部が設けられているか
ら、カップガスケットを段状取付面に挿入するのが容易
になる。このために、段状取付面と密接するカップガス
ケットの外周面が正常に密接した状態になるので、カッ
プガスケットの密封能力を向上できる効果がある。更
に、被密封流体の圧力がカップガスケットの外周面に作
用しても外周部が筒状部により支持されるから、外周面
の密封能力が向上する。更には、筒状部によりカップガ
スケット全体を支持するから、耐圧性を発揮すると共
に、密封環のシール面を対向シール面に対応させること
が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる好ましい実
施の形態のメカニカルシール装置を、その図面に基づい
て詳述する。尚、以下に説明する各図面は、特許用の概
念図ではなく、実施した正確な設計図である。図1は、
本発明に係わる第1実施の形態のメカニカルシール装置
の断面図である。図2は、本発明に係わる第2実施の形
態のメカニカルシール装置の1部を示す半断面図であ
る。又、図3は、図2のカップガスケットと密封環との
組み合わせの半断面図である。図4は、本発明に係わる
第3実施の形態のカップガスケットと密封環との組み合
わせの半断面図である。図5は、本発明に係わる第4実
施の形態のカップガスケットと密封環との組み合わせの
半断面図である。
【0016】図1に於いて、メカニカルシール装置1
は、第1密封環2に取り付けたカップガスケット10を
中心にして第1密封環2と、第2密封環3と、ベローズ
4とばね7を組み合わせた弾発手段9と、第2密封環3
とベローズ4とを結合する連結環5とが設けられてい
る。
【0017】第1密封環2は、断面が方形状で環状体を
成している。この環状体の先端面には第1シール面2A
が形成されている。又、第1密封環2に於ける第1シー
ル面2Aと反対の背面2B1と外周面2B2とは、L形
の接合面2Bに形成されている。更に、第1密封環2の
内周面2Cは、回転軸60の外径よりも大径に形成され
ており、回転軸60との間に間隙が形成されている。こ
の第1密封環2は、硬質材で構成されている。例えば、
炭化珪素、セラミック、超硬合金、カーボン材等で形成
されている。
【0018】ハウジング50には、第1密封環2を取り
付ける段状取付面50Aが形成されている。この段状取
付面50Aは、径方向面と軸方向面を成す段面で環状に
形成されている。この段状取付面50Aの径方向面に
は、段状取付面50Aの軸心を中心にして軸方向に貫通
又は凹部状の通孔51が形成されている。
【0019】この段状取付面50Aと第1密封環2との
間にはカップガスケット10が設けられている。このカ
ップガスケット10はゴム状弾性体の本体11と、硬質
板の支持板13とから構成されている。この本体11は
断面L形で孔付き有底部11Aと筒部11Bとから成る
孔付有底筒体に形成されている。この本体11のL形内
外周面は対向する段状取付面50Aと密接する外周密接
面11Cと、第1密封環2の接合面2Bと密接する内周
密接面11Dに形成されている。そして、本体11の外
周密接面11Cの軸方向面には環状に突起した複数のシ
ール部12、12、12が形成されており、このシール
部12、12、12は段状取付面50Aと密接してシー
ルするようになされている。本体11の孔付き有底部1
1Aの内周面11A1の直径X1は、通孔51の直径D
3より小径に成る寸法に形成されている。又、筒部11
Bの外直径X2は、シール部12が段状取付面50Aに
弾性変形して密接する寸法に形成されている。つまり、
筒部11Bの外直径X2は、段状取付面50Aの内径X
2と同一である。この本体11の材質は、FKM、NB
R、IIR、U、Q、CR等が好んで用いられる。
【0020】この本体11の孔付き有底部11Aには、
支持板13が内部に埋設されている。この支持板13は
円盤状を成しており、この内外周は内径面13Bと外径
面13Cとに形成されている。この支持板13の平面形
状は、六角形、楕円形、又はリングの内周部又は外周部
にスリットを入れたもの等種々のものが存する。そし
て、図2に示すように、この内径面13Bの直径はD1
であり、外径面13Cの直径はD2である。又、支持板
13の側面は、被密封流体等の圧力を受けたときに第1
密封環2と平行度を有して支持できるような支持面13
Cに形成されている。更に、支持板13には貫通孔を設
けて孔付き有底部13Aを成形するときに貫通孔を孔付
き有底部13Aが連結して強力に1体化できるように構
成されている。尚、この本体11の内周面11A1の直
径X1と支持板13の内径面13Bの直径D1とはほぼ
同一径に形成されている。しかし、この両部品の寸法関
係では、支持板13の内径面13Bの直径D1は、通孔
51の直径D3以下であり第1密封環2の内周面2Cの
直径以上の寸法範囲に形成される。この支持板13の材
質は、鉄、鋼、ステンレス鋼、アルミニュウム、樹脂等
から形成される。
【0021】第2密封環3は、断面軸方向へ凸状に形成
されており、この凸部に第1密封環2の第1シール面2
Aと密接する第2シール面3Aが形成されている。又、
第2密封環3は、内周面が回転軸60と摺動自在に嵌合
るると共に、外周面には係止用溝3Bが複数設けられて
いる。又、第2密封環3の第2シール面3Aに対する背
面は、接触面3Cに形成されており、この接触面3Cに
ベローズ4の一端が圧接するように構成されている。
【0022】更に、ベローズ4は、断面が図に示すよう
にZ形に折曲げられて先端部が第2密封環3の接触面3
Cに圧接している。また、ベローズ4の内周側の円筒部
4Aが回転軸60に嵌合している。この円筒部4Aの外
周には保持環6が1体化しており、この保持環6には軸
方向を成す係止凹部6Aが形成されている。
【0023】第2密封環3の接触面3Cにベローズ4の
先端部を接触させると共に、第2密封環3とベローズ4
とを1体回動するように連結する連結環5が第2密封環
3とベローズ4の外周面に嵌着している。この連結環5
は、第2密封環3の接触面3Cにベローズ4の先端部を
密接状態に保持するように両端がカシメられていると共
に、第2密封環3の外周側の連結環5の1部に形成した
凸部5Aを係止用溝3Bに係止させている。又、連結環
5の後端部には周方向に等配に複数形成された突出板5
Bが保持環6の係止凹部6Aに係止している。
【0024】又、回転軸60に嵌着した回転体60Aの
段部には、断面L形のばね支持環8が嵌着されており、
このばね支持環8に支持されたばね7が連結環5のカシ
メ部のばね受け面を弾発に押圧する状態に配置されてい
る。
【0025】このように構成されたメカニカルシール装
置1は、弾発手段9により弾発して押圧された第2密封
環3の第2シール面3Aがカップガスケット10の支持
板13に支持された孔付き有底部11Aを介して第1密
封環2の第1シール面2Aと対向して密接し、このシー
ル面2A、3Aにより被密封流体をシールする。更に、
第1密封環2は、機内被密封流体側Aの被密封流体の圧
力Fを受けてカップガスケット10を押圧する。このと
き、カップガスケット10の本体11はゴム状弾性材で
あるために第1密封環2の圧力を受けるとその圧力に対
応して接合面2Bに密接し、被密封流体をシールする。
同時に、カップガスケット10には支持板13が設けら
れているから、第1密封環2からの圧力を受けてもカッ
プガスケット10の本体11は、支持板13により剪断
応力を分散させて損傷するのが防止される。
【0026】そして、カップガスケット10に設けられ
た支持板13は、被密封流体の圧力が筒部11Bに作用
したときには、筒部11Bの弾性変形を支持して筒部1
1Bのシール能力を発揮させる。特に、筒部11Bにシ
ール部12が設けられているときには、支持板13がシ
ール部12の変形を防止してシール部12のシール効果
を発揮させる。更に、カップガスケット10に設けられ
た支持板13により孔付き有底部11Aのゴム状弾性材
を介して第1密封環2の第1シール面2Aを第2シール
面3Aに平行に密接させることが可能になる。このため
に、第1シール面2Aの偏摩耗等が防止できる。
【0027】次に、図2と図3に示す第2実施の形態の
メカニカルシール装置1について詳述する。メカニカル
シール装置1の全体の構成は、図1のメカニカルシール
装置1とほぼ同様である。図1のメカニカルシール装置
1と図2のメカニカルシール装置1の相違する点は、カ
ップガスケット10の構成である。図2に於いて、支持
板13の内径面13Bの直径D1が本体11の内周面1
1A1の直径X1より小径に形成されている。又、支持
板13は、本体11の孔付き有底部11Aの低圧側Bの
径方向面とほぼ同一面に成るように露出している。更
に、通孔51の直径D3に対して支持板3の内径面13
Bの直径D1を第1密封環2の内周面2Cの直径に近い
小径に形成したものである。そして、支持板13により
孔付き有底部11Aが支持されて段状取付面50Aによ
り直接に孔付き有底部11Aが支持されないように構成
されている。このようにすることにより、ハウジング5
0の通孔51の直径D3を大径にすることが可能になる
ので、処理機械の構造を機能的に設計することができる
ことになる。又、シール部12は筒部11Bに2個形成
されている。そして、段状取付面50Aに取り付けられ
たシール部12は図2に示すようにほぼ1/3位圧縮さ
れる。更に、支持板13の内径面13Bの直径D1は、
通孔51の直径以下で第1密封環2の内周面2Cの直径
以上の寸法範囲にすることが好ましい。
【0028】このカップガスケット10のように構成す
ることにより、孔付き有底部11Aを確実に支持してカ
ップガスケット10の耐久能力を向上させることが可能
になる。更に、孔付き有底部11Aの内周面の直径X2
−通孔51の直径D3との寸法差が小さくともメカニカ
ルシール装置1を取り付けることが可能になり、結果的
にメカニカルシール装置1の小型化が可能になる。
【0029】図4は、本発明に係わる第3実施の形態の
カップガスケット10である。このカップガスケット1
0は、図3とほぼ同様な構成であるが、支持板13が孔
付き有底部11Aの内部で低圧側Bに近接して埋設され
ている。このようにすると、支持板13を成型時に孔付
き有底部11Aに1体化が可能になる。又、支持板13
をアルミニュウム、合成樹脂材にすることも可能であ
る。このカップガスケット10に於ける支持板13の内
径面13Bの寸法は、通孔51の直径D3以下で第1密
封環2の内周面2Cの直径以上にした寸法範囲にするこ
とが好ましい。
【0030】図5は、本発明に係わる第4実施の形態の
カップガスケット10である。図5に於いて、図3と相
違する点は、支持板13の外周部が円筒部13Dに形成
されているものである。この円筒部13Dの端面Laま
での長さLは第1密封環2の外周面の角を面取2Dした
軸方向の長さ寸法以下にすると良い。この円筒部13D
の形成はカップガスケット10の挿入を容易にする。
又、支持板13は筒部11Bを支持して筒部11Bの段
状取付面50Aに対するシール能力を向上させるもので
ある。更に、カップガスケット10により第1密封環2
を保持する能力が向上する。
【0031】
【発明の効果】本発明に係わるメカニカルシール装置に
よれば、以下のような効果を奏する。すなわち、請求項
1に係わる本発明のメカニカルシール装置によれば、ゴ
ム状弾性材製のカップガスケットに支持板が1体に接着
されているから、段状取付面に密封環の接合面が密封能
力と弾性力を有する状態に支持されると共に、密封環の
シール面を対向するシール面とが密接できて偏摩耗を防
止できる効果を奏する。そして、カップガスケットに設
けられた支持板により密封環が被密封流体の圧力を受け
ても被密封流体の圧力に対抗して密封環を支持するか
ら、カップガスケットの本体に損傷が発生するのを効果
的に防止できる。しかも、カップガスケットの外周部に
は支持板が介在していないから、弾力性を有して段状取
付面の外周面と密接し、シール能力を発揮する効果を奏
する。
【0032】請求項2に係わる本発明のメカニカルシー
ル装置によれば、カップガスケットに1体化された支持
板の内径面が段状取付面を貫通する通孔の直径より小径
に形成されているからカップガスケットの本体を補強し
て密封環の外周面から段状取付面内の通孔にかけて亀裂
が発生するのを効果的に防止する。
【0033】請求項3に係わる本発明のメカニカルシー
ル装置によれば、支持板に円筒部が設けられているか
ら、密封環をカップガスケットに嵌着すること及びこの
カップガスケットを損傷させることなく段状取付面に挿
入すること等が極めて容易になる。このために、段状取
付面と密接するカップガスケットの外周面が正常に密接
した状態になるので、カップガスケットの密封能力が向
上できる効奏を奏する。更に、被密封流体の圧力がカッ
プガスケットの筒部に作用しても筒部が円筒部により支
持されるから、筒部の密封能力が向上する。更には、円
筒部と支持面によりカップガスケット全体を支持するか
ら、カップガスケットの耐圧性を発揮させると共に密封
環のシール面を対向シール面に平行に対応させて密封
し、シール面の偏摩耗が防止できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1実施の形態のメカニカルシ
ール装置の断面図である。
【図2】本発明に係わる第2実施の形態のメカニカルシ
ール装置の1部断面図である。
【図3】図2に示すメカニカルシール装置1に於ける第
1密封環2とカップガスケット10とを組み合わせた取
付前の半断面図である。
【図4】本発明に係わる第3実施の形態の第1密封環2
とカップガスケット10とを組み合わせた取付前の半断
面図である。
【図5】本発明に係わる第3実施の形態の第1密封環2
とカップガスケット10とを組み合わせた取付前の半断
面図である。
【図6】従来のメカニカルシール装置の半断面図であ
る。
【図7】従来の第1密封環2とカップガスケット10と
の組み合わせの半断面図である。
【符号の説明】
1 メカニカルシール装置 2 第1密封環 2A 第1シール面 2B 接合面 2B1 背面 2B2 外周面 2C 内周面 2D 面取 3 第2密封環 3A 第2シール面 3B 係止用溝 3C 接触面 4 ベローズ 4A 円筒部 5 連結環 5A 凸部 5B 突出板 6 保持環 6A 係止凹部 7 ばね 8 ばね支持環 9 弾発手段 10 カップガスケット 11 本体 11A 孔付き有底部 11A1 内周面 11B 筒部 11C 外周密接面 11D 内周密接面 12 シール部 13 支持板 13A 支持面 13B 内径面 13C 外径面 13D 円筒部 50 ハウジング 50A 段状取付面 51 通孔 60 回転軸 A 機内被密封流体側 B 低圧側 F 被密封流体の圧力

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体に取り付けられる第1密封環とシ
    ールハウジングに取り付けられる第2密封環のシール面
    が互いに密接して高圧被密封流体側と低圧側とをシール
    するメカニカルシール装置であって、前記密封環の内1
    方の密封環は取り付けられる段状取付面に固定される接
    合面を有すると共に前記接合面と反対側にシール面を有
    し、前記密封環の接合面と前記段状取付面との間にゴム
    状弾性材製のカップガスケットを有し、前記カップガス
    ケットには1体に支持板を有すると共に前記支持板の支
    持面が対向する前記密封環の接合面とほぼ平行に配置さ
    れていることことを特徴とするメカニカルシール装置。
  2. 【請求項2】 前記カップガスケットの支持板の内径が
    前記段状取付面を貫通する内周面の内径寸法以下である
    と共に前記密封環の内径より大きな寸法に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール
    装置。
  3. 【請求項3】 前記支持板は円板状の外周に筒状部を有
    し、前記筒状部の長さが前記密封環の外周角部の面取り
    された軸方向長さ以内に形成されていることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のメカニカルシール装
    置。
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