JP2005009530A - シール装置 - Google Patents

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JP2005009530A
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Hajime Tsuboi
一 坪井
Hideki Maruyama
秀樹 丸山
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Eagle Industry Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/34Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member
    • F16J15/36Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member connected by a diaphragm or bellow to the other member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
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    • F16J15/34Sealings between relatively-moving surfaces with slip-ring pressed against a more or less radial face on one member
    • F16J15/3436Pressing means
    • F16J15/344Pressing means the pressing force being applied by means of an elastic ring supporting the slip-ring

Abstract

【課題】各密封環を支持する各弾性シールリングの弾性力を長期に渡り発揮させるとともに、シール部の固定部との密接するシール能力を向上させる。
【解決手段】第1密封環4の第1シール面4Aを第2密封環5の第2シール面5Aへ押圧する第1弾性シール部12Aを有するとともに、第1弾性シール部の一端に第1密封環4の第1保持部4Bに嵌着する第2シール部12Cを有し、且つ第1弾性シール部の他端に一方の部品に密着する第1シール部12Bとを有するゴム状弾性材製の第1弾性シールリング2を具備する。又、第2密封環5の第2シール面を第1密封環4の第1シール面へ押圧する第2弾性シール部13Aを有するとともに、第2弾性シール部の一端に第2密封環5の第2保持部5Bに嵌着する第2シール部13Cを有し、且つ第2弾性シール部13Aの他端に他方の部品に密着する第1シール部13Aを有するゴム状弾性材製の第2弾性シールリング3を具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、履帯用ローラ、トラックローラ、減速装置、油圧モータ等の相対回動間に設けられるシール装置に関する。特に、車両の減速装置、各種機械の油圧モータ等の相対部品間でスラリを含む被密封流体や高圧な被密封流体をシールするシール装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明に先行する第1関連技術として図8に記載のリングシールが存在する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特表2001−507111号公報(第5−7頁、図2)
【特許文献2】
特開2003ー56153号公報(図1)
【0004】
この特許文献1に記載のリングシールは、図8に示すような構成である。この図8に示すリングシール101は、履帯装置100に取り付けた断面図である。
【0005】
図8に於いて、120は軸である。この軸120はローラ125の貫通孔内に配置されている。そして、軸120とローラ125との間の空間部にリングシール101が配置されている。このリングシール101は、軸120とローラ125との空間部に浸入する微粉水や泥水の被密封流体をシールする。
【0006】
このリングシール101において、第1弾性リング102は外周が凹曲面105に形成された断面J形状を成す環状体に形成されている。そして、第1弾性リング102は、一端が外周取付部102Aに形成されていると共に、他端が内周取付部102Bに形成されている。又、第2弾性リング103も外周に凹曲面105が形成された断面J形状を成す環状体に形成されている。そして、第2弾性リング103も一端が外周取付部103Aに形成され、他端が内周取付部103Bに形成されている。
【0007】
次に、第1シールリング110は、断面U形状に形成されて環状体を成している。そして、第1シールリング110の環状体の径方向を成す端面は、シール面110Aに形成されている。又、シール面110Aと反対側の溝は取付凹部110Bに形成されている。更に、第2シールリング111も、断面U形状に形成されて環状体を成している。そして、第2シールリング111の環状体の径方向を成す端面は対向シール面111Aに形成されている。更に、シール面と反対側の溝は取付凹部111Bに形成されている。
【0008】
上述のように構成された第1弾性リング102及び第2弾性リング103と、第1シールリング110及び第2シールリング111とは、図8に示すように軸120とローラ125との間の空間部に組立てられている。つまり、第1弾性リング102と第2弾性リング103は、大気連通室126に対して各々凹曲面105、105を成している。又、第1弾性リング102と第2弾性リング103は、潤滑側内部室127に対して凸曲面を成している。そして、第1弾性リング102は、第1シールリング110のシール面110Aを第2シールリング111の方向へゴムの弾性力で押圧している。又、第2弾性リング103は、第2シールリング111の対向シール面111Aを第1シールリング110の方向へゴムの曲げ弾性力で押圧している。そして、各シール面110A、111Aは、互いに押圧されて大気連通室126側の被密封流体をシールする。
【0009】
次に、第1関連技術のうちの特許文献2のメカニカルシールは、図示省略するが、掘削機のローラカッタに設けられて図8と略同様に構成されている。図8と相違する点として、図8の第1弾性リング102と第2弾性リング111に相当する各ゴム材製スプリングは、対称に配置されて断面が軸方向へ傾斜したリングに形成されている。このメカニカルシールにおいても、特許文献1と同様な問題が存する。特に、被密封流体が各スプリングの外周側の大気連通室に浸入すると、その被密封流体の圧力により各スプリングは、脈動したような繰り返しの弾性変形によりポンプ作用を成して大気連通室の被密封流体の圧力を徐々に高圧にする。そして、この高圧の被密封流体は、各スプリングに対して不具合を惹起する。
【0010】
更に、図9に示すフローティングシール装置150は、本発明に先行する第2関連技術である(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
【特許文献3】
実開昭62−4665号全文明細書(第1−4頁、第5図)
【0012】
このフローティングシール装置150は、第1シールリング152と第2シールリング153とが軸の廻りで軸方向へ対称に配置されている。そして、第1シールリング152のシール面152Aと第2シールリング153のシール面153Aは密接している。この第1シールリング152のシール面152Aと第2シールリング153のシール面153Aとの密接は、ゴム材製の第1Oリング155と第2Oリング156の断面楕円で示すゴムの厚さの圧縮力により押圧されている。このために、第1Oリング155と第2Oリング156は、径方向へ斜めに楕円形を成してケーシングと第1シールリング152及びケーシングと第2シールリング153との間に配置される。そして、各第1密封面155Aと第1密封面156Aが各ケーシングに接合するとともに、各第2密接面155Bと第2密封面156Bが第1シールリング152及び第2シールリング153に接合している。この第1Oリング155と第2Oリング156により押圧された各シール面152A、153Aの密接は、ゴム自身が圧縮された反力であるために、ゴム材質の硬度の選定が多種類になるので困難になる。
【0013】
このフローティングシール装置150は、スラリを含む被密封流体をシールするものである。又、粉体を含む被密封流体をシールする。そして、対称に配置された各第1Oリング155及び第2Oリング156のゴムが圧縮されて第1シールリング152と第2シールリング153の各シール面152A、153Aが互いに密接している。この為に、各シール面152A、153Aが第1Oリング155及び第2Oリング156の曲げ弾性変形を伴わないゴム自身の圧縮力により圧接されているために、各シール面152A、153Aの摩耗を早めることになる。又、第1Oリング155と第1シールリング152及び第2Oリング156と第2シールリング153との接合面間にスラリ等が入り込むと、第1Oリング155及び第2Oリング156はゴム材であるために、各第1Oリング155と第1シールリング152及び第2Oリング156と第2シールリング153との接合面間に入り込んだスラリは、接合面間に介在して逃げられずに各第1Oリング155及び第2Oリング156を摩耗させる。又、常にゴム自身が圧接されている第1Oリング155及び第2Oリング156は、応力緩和して圧縮されている状態に変形し、押圧弾性力を低下させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第1関連技術は、大気連通室126側の被密封流体の圧力が蓄積されて各第1弾性リング102及び第2弾性リング103に作用すると、このJ形状の各第1弾性リング102及び第2弾性リング103は大気連通室126側が各々凹曲面105、105に形成されているから、この各凹曲面105、105に作用する力により更に各凹曲面105、105が内部室127側へ曲げられて各シール面110A、111Aの圧接力を弱めることになる。又、各第1弾性リング102と第2弾性リング103は、ゴム材としての応力緩和が進み異常変形状態となる。同時に、各第1弾性リング102及び第2弾性リング103の各内周取付部102B、103Bは、取付凹部110B、111Bから離脱する方向へ弾性変形するので、各内周取付部102B、103Bのシール能力も低下する。そして、大気連通室126側の被密封流体や土砂等の粉末が各内周取付部102B、103Bと各取付凹部110B、111Bとの接合間隙に浸入して内周取付部102B、103Bを摩耗させ、シール能力を低下させる結果となる。
【0015】
更に、第2関連技術は、第1シールリング152と第2シールリング153が各第1Oリング155、第2Oリング156のゴム材に支持されてOリング155、156のゴム自身の圧縮による反発力で押圧されているので、弾発作用が小さくなる。この為に、各シール面152A、153Aの圧接力を強くしなければならないから、この強い圧接力により各シール面152A、153Aの摩耗を早めることになる。又、第1Oリング155及び第2Oリング156のゴム自身の圧縮力により押圧しているので、各第1Oリング155、第2Oリング156の応力緩和が進み、時間の経過とともに、各シール面152A、153Aを押圧する弾性能力が低下する。更に、第1Oリング155の接合面間及び第2Oリング156の接合面間にスラリが入り込むと、入り込んだスラリにより各第1Oリング155、第2Oリング156を摩耗させることになる。
【0016】
本発明は上述のような問題点に鑑み成されたものであって、その解決しようとする課題は、高圧力又はスラリを含む被密封流体が作用しても、シール面の摩耗を防止することにある。又、弾性シールリングを取付た接合面間に泥水等が入り込んで接合面間が摩耗するのを防止するとともに、この接合面間のシール能力を向上することにある。更に又、弾性シールリングの弾性変形に伴う応力緩和を防止して弾性シールリングのシール能力を発揮させることにある。更に、弾性シールリングに弾性力を付与して弾性シールリングのシール能力の材質のみを考慮できるようにし、弾性シールリングの機能を最適に設計できるようにすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した技術的課題を解決するために成されたものであって、その課題を解決するための技術的手段は以下のように構成されている。すなわち、
請求項1に係わる本発明のシール装置は、相対回動する一方の部品と他方の部品との間をシールするシール装置である。
このシール装置は、端面に第1シール面を有すると共に第1シール面と反対側に第1保持部を有する第1密封環が設けられている。
又、第1密封環の第1シール面に対向して密接可能な第2シール面を有すると共に第2シール面と反対側に第2保持部を有する第2密封環が設けられている。
更に、第1密封環の第1シール面を第2密封環の第2シール面へ押圧する第1弾性シール部を有するとともに第1弾性シール部の一端に第1密封環の第1保持部に密封に嵌合する第2シール部を有し且つ第1弾性シール部の他端に一方の部品に密着する第1シール部とを有するゴム状弾性材製の第1弾性シールリングと、
第2密封環の第2シール面を第1密封環の第1シール面へ押圧する第2弾性シール部を有するとともに第2弾性シール部の一端に第2密封環の第2保持部に密封に嵌合する第2シール部を有し且つ第2弾性シール部の他端に他方の部品に密着する第1シール部を有するゴム状弾性材製の第2弾性シールリングとを具備する。
そして、第1弾性シールリングには第1弾性シール部を補強する第1弾性部を有するとともに第1弾性部の一端に第1シール部を支持する第1支持部を有し且つ第1弾性部の他端に第2シール部を支持する第2支持部を有する第1補強環及び第2弾性シールリングには第2弾性シール部を補強する第2弾性部を有するとともに第2弾性部の一端に第1シール部を支持する第1支持部を有し且つ第2弾性部の他端に第2シール部を支持する第2支持部を有する第2補強環を設けたものが要件である。
【0018】
この請求項1に係わる本発明のシール装置では、各第1シール部が各第1支持部により支持されているから、各第1シール部を取付面に対し安定した密接状態に保持することができる。そして、各第1シール部が外力を受けても変動することなく各第1及び第2弾性シール部を確実に支持することが可能になる。この為に、各第1シール部の接合間にスラリや異物が入り込むことも少ないので、異物により各第1シール部が摩耗してシール能力を悪化させることも防止できる。又、各第2シール部も第1シール部と同様な効果が発揮できる。特に、各第2シール部により各密封環を強固に保持することが可能になる。そして、各第1、第2弾性部により各第1、第2弾性シール部を弾性的に補強し、各第1、第2弾性部により各第1、第2弾性シール部の応力緩和による弾性力の低下を効果的に補強する。この為に、一対の密封環のシール能力を長期に渡り発揮することができる。
【0019】
請求項2に係わる本発明のシール装置は、第1補強環の第1弾性部及び第2補強環の第2弾性部の少なくとも一方の弾性部には周面に沿って複数に切欠部又はスリット部を有するものである。
【0020】
この請求項2に係わる本発明のシール装置では、補強環に切欠部やスリット部が設けられているから、切欠部やスリット部の間の各弾性部を板ばねのように構成して弾性部の弾力を任意に設計(又は、各弾性部のばね定数を設計に応じて変更できる)することが可能になる。同時に、弾性シール部を成形するときに切欠部やスリット部内に弾性シール部の一部の材料を入り込ませて弾性シール部と補強環との結合力を向上させることが可能になる。この切欠部やスリット部は弾性部に窓のように形成しても良く、第1支持部及び第2支持部のうちの一方の支持部を貫通状態で弾性部に形成しても良い。
【0021】
請求項3に係わる本発明のシール装置は、第1弾性シールリングの第1補強環が第1弾性シールリングの被密封流体側と反対面に接合されているとともに、第2弾性シールリングの第2補強環が第2弾性シールリングの被密封流体側と反対面に接合しているものである。
【0022】
この請求項3に係わる本発明のシール装置では、各弾性シールリングに各補強環が被密封流体側と反対に接合されているから、被密封流体中の異物が第1シール部及び第2シール部の各接合面間に入り込んでも各シール部に抱き込むように押し込まれるので、対面する取付面と各シール部との間で異物が研磨作用をしないようにすることができる。この為に、各シール部の摩耗を防止してシール能力を発揮させることができる。そして、各補強環は被密封流体に接触しないから、錆の発生を効果的に防止できる。又、各補強環により各弾性シールリングの被密封流体と反対の背面から各弾性シールを補強して長期に渡り各密封環を弾性的に押圧することが可能になる。
【0023】
請求項4に係わる本発明のシール装置は、各第2支持部が円弧状又は複数段に折り曲げられていとともに第2シール部に埋設されているものである。
【0024】
この請求項4に係わる本発明のシール装置では、各第2支持部が円弧状又は複数段に折曲げられているとともに、各第2支持部が各第2シール部に埋設されているので、各第2シール部は折曲げられた強度のある第2支持部を内在して各密封環のシール面が密接するように支持することができる。この為に、スラリが第2シール部の接合面と対向面間に入り込むのを防止できるとともに、例え、スラリが入り込んでもスラリにより摩耗するのを効果的に防止できる。更に、各第2シール部のゴム状弾性力により各第2シール部が各保持部に密接に嵌着することが可能になる。この為に、各第2シール部の接合面のシール能力を向上できる。又、各第2シール部は各密封環の保持部と接触幅を小さくして確実に嵌着し、小型の密封環でも支持することが可能になる。
【0025】
請求項5に係わる本発明のシール装置は、第1弾性シールリングには第1弾性シールリングの厚さの中立面より被密封流体側に第1補強環が埋設されているとともに、第2弾性シールリングには第2弾性シールリングの厚さの中立面より被密封流体側に第2補強環が埋設されているものである。
【0026】
この請求項5に係わる本発明のシール装置では、各弾性シールリングの肉厚が厚肉に形成されている場合に有効である。又、第1シール部及び第2シール部を大きくする場合も有効である。そして、各弾性シール部の弾性力と各弾性部の弾性力を加減して設計する場合に最適である。この構成のシール装置では、各補強環の肉厚を弾性シール部に比較して薄肉にすることが可能になる。そして、各補強環を各弾性シールの被密封流体側に埋設することにより、取り付け時の弾性変形を容易にできるとともに、各シール部の接合面にスラリが浸入するのを被密封流体側に埋設された補強環と補強環より被密封流体側の肉厚の協動作用により効果的に防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳述する。以下の図面は本発明の設計図を基にしたものである。
図1は、本発明に係わる第1実施の形態を示すシール装置1の半断面図である。又、図2は図1のシール装置1を減速装置に装着した断面図である。
【0028】
図1及び図2に於いて、シール装置1はローラ50と軸60との間に形成されたシール室70内に設けられている。このシール室70は、ローラ50の端部側にOリング20を介して設けられたブッシュ51の第1固定面51Aと、軸60と、軸60に取り付けられたカバー61の第2固定面61Aとに囲まれた内部に形成されている。このシール室70には大気連通路Aが連通している。
【0029】
シール装置1には、第1弾性シールリング2及び第2弾性シールリング3を配置する。この第1弾性シールリング2は、ゴム材製の環状を成す第1弾性体12と金属製の第1補強環22が一体に接合している。この第1弾性体12の胴体は傾斜した第1弾性シール部12Aに形成する。更に、第1弾性シール部12Aの外周は、第1シール部(以下、第1外周シール部という)12Bに形成するとともに、内周は第2シール部(以下、第2内周シール部と言う)12Cに形成する。第1外周シール部12Bの外周面には、複数の突起する密接部を設けて第1固定面51Aと圧接しても良い。又、第2内周シール部12Cは、第1密封環4に於ける円筒状の第1保持部4Bの外周面に嵌合するように形成する。この第2内周シール部12Cの折り曲がる一端は第1接合部12Dに形成されて第1密封環4の第1角部4B1と接合する。この第2内周シール部12Cの接合面にも、断面が波形である密接部を設けると良い(図示は省略する)。
この第1弾性シールリング2の第1弾性体12は、ゴム材製である。このゴム材は、例えば、ニトリルゴム(NBR)の硬度DuroA60から70、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム(FKM)、ブチルゴム(IIR)、弾性力を有する樹脂等が用いられる。
【0030】
又、第1弾性体12の側面には、第1補強環22を接着する。この第1補強環の全体形状は鋼板又は第1弾性体12より硬度が高い樹脂板を第1弾性体12と相似形に形成する。この第1補強環22の胴体は第1弾性シール部12Aと同一に傾斜した第1弾性部22Aに形成されている。又、第1弾性部22Aの外周端には第1支持部(以下、第1外周支持部と言う)22Bを設ける。この第1外周支持部22Bは、第1外周シール部12Bの背面に接着して第1外周シール部12Bを第1固定面51Aと密接するように弾性的に支持する。又、第1弾性部22Aの内周端には、第2支持部(以下、第2内周支持部と言う)22Cが形成されており、この第2内周支持部22Cが第2内周シール部12Cの背面に接着して第2内周シール部12Cを第1密封環4と密接するように支持する。
この第1補強環22の材質は、ばね鋼、ステンレス鋼、硬質樹脂等である。この材質の板材をプレス加工又は成形して第1補強環22に形成する。
【0031】
次に、第1弾性シールリング2と対称に配置された第2弾性シールリング3は、第1弾性シールリング2と対称形に形成されている。この第2弾性シールリング3は第2弾性体13と第2補強環23とを一体に形成する。第2弾性体13には、傾斜した第2弾性シール部13Aを設けている。更に、第2弾性シール部13Aの外周端には第1シール部(以下、第1外周シール部と言う)13Bを形成するとともに、内周端には第2シール部(以下、第2内周シール部と言う)13Cを形成している。第1外周シール部13Bの外周面には、複数に突起するシール部を設けて第2固定面61Aと接合しても良い。又、第2内周シール部13Cは、第2密封環5に於ける円筒状の第2保持部5Bの外周面と密接して嵌合する。この第2内周シール部13Cの折り曲がる一端は第2接合部13Dに形成されて第2密封環5の第2角部5B1と接合する。この第2内周シール部13Cの接合面にも、図示省略する断面が波形にしたシール部を設けると良い。
この第2弾性シールリング3の第2弾性体13は、第1弾性体12と同様にゴム材製である。このゴム材は、例えば、ニトリルゴム(NBR)の硬度DuroA60から70、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム(FKM)、ブチルゴム(IIR)、弾性力を有する樹脂等が用いられる。
【0032】
又、第2弾性体13の側面には、第1弾性シールリング2と同様に、鋼板又は第2弾性体13より硬度が高い樹脂板を加工して第2弾性体13と相似形状に形成した第2補強環23が接着されている。この第2補強環23には第2弾性シール部13Aと同様に傾斜した第2弾性部23Aを設けている。又、第2弾性部23Aの外周端には第1外周シール部13Bに接着する第1支持部(以下、第1外周支持部と言う)23Bを形成する。又、第2弾性部23Aの内周端に第2内周シール部13Cに接着する第2支持部(以下、第2内周支持部と言う)23Cを形成する。この第2補強環23の材質は、ばね鋼、ステンレス鋼、硬質樹脂等である。この材質の板をプレス加工又は成形して第2補強環23に形成する。
【0033】
次に、一対を成す第1密封環4と第2密封環5も互いに対称に配置されている。そして、第1密封環4と第2密封環5も第1シール面4A及び第2シール面5Aを対称にしたとき同形状になるように形成されている。更に詳しくは、第1密封環4は、断面L形状に形成されてフランジ部と円筒部からなる環状体を成している。そして、第1密封環4のフランジ部の端面には第1シール面4Aを設けている。更に、第1シール面4Aを設けた端面の内周は、対向端面と接触しないようにテーパ面に形成されている。又、第1密封環4の円筒部は第1保持部4Bに形成されている。この第1保持部4Bのうちのフランジ部側は第1角部4B1に形成する。又、第1密封環4の孔の内周面4Eは軸60と間隙を設けた遊合状態に嵌合している。
【0034】
又、一対を成す他方の第2密封環5も、断面L形状に形成されてフランジ部と円筒部からなる環状体を成している。そして、第2密封環5のフランジ部の端面には第1シール面4Aと密接する第2シール面5Aが設けられている。この端面の第2シール面5Aの内周は対向端面と接触しないように軸方向へ傾斜したテーパ面に形成されている。又、第2密封環5の円筒部は第2保持部5Bに形成されている。この第2保持部5Bのフランジ部側は第2角部5B1に形成する。この第2密封環5の孔の内周面5Eは軸60と間隙を設けた遊合状態に嵌合している。
【0035】
この第1密封環4及び第2密封環5は、鋳鉄、SiC、超硬合金、アルミナセラミック等の材料で形成する。又、第1密封環4と第2密封環5のうちの一方をカーボン材にすることもできる。これらの材料は圧縮成形により各密封環4、5に加工される。
【0036】
このように構成された第1弾性シールリング2は、図1及び図2に示すように、第1外周シール部12Bがブッシュ51の第1固定面51Aに嵌着すると共に、第2内周シール部12Cの内周面が第1密封環4の第1保持部4Bに嵌着する。このとき、第1接合部12Dは、第1角部4B1に係止して第1密封環4を弾性的に支持する。そして、第1弾性シールリング2の第1弾性シール部12Aと第1弾性部22Aとのばね力により第1密封環4の第1シール面4Aを第2密封環5の第2シール面5Aへ弾発に押圧する。この為に、この第1弾性部22Aを設けた第1補強環22により第2内周シール部13Cがシール室70内の大気連通路A側からの圧力により内部室B側へ移動するのを防止する。
【0037】
又、第2弾性シールリング3も、第1弾性シールリング2と同様に、第1外周シール部13Bが第2固定面61Aに嵌着すると共に、第2内周シール部13Cの内周面が第2密封環5の第2保持部5Bに嵌着する。同時に、第2接合部13Dが第2角部5B1に係止して第2密封環5の第2保持部5Bを弾性的に支持する。そして、第2弾性シールリング3の第2弾性シール部13Aと第2補強環23の第2弾性部23Aとの弾性力により第2密封環5の第2シール面5Aを第1密封環4の第1シール面4Aへ弾発に押圧する。この為に、この第2弾性部23Aを設けた第2補強環23により第2内周シール部13Cがシール室70内の大気連通路A側からの圧力により内部室B側へ移動するのを防止する。そして、第2シール面5Aは、第1シール面4Aに対する密接力を第2弾性シールリング3の弾性力により常に保持される。図2のシール装置1においては、ローラ50が回動するように構成されているので、第1密封環4が回動する。そして、第2密封環5が静止する。この回動する第1密封環4と静止する第2密封環5の構成は、シール装置1が取り付けられる機械により相対回転が逆の構成にもなる。
【0038】
そして、ローラ50の回動とともに、大気連通路Aから浸入して徐々に蓄積された圧力を伴う被密封流体及び泥水等をシールすることができる。又、内部室Bの一方には、ローラ50と軸60との間にベアリング25が設けられているので、潤滑油が介在されている。しかし、第1弾性シールリング2及び第2弾性シールリング3は、この潤滑油の圧力を受けても第1補強環22と第2補強環23とにより支持されるから弾性変形してシール能力が低下することもなく、むしろ、各第1補強環22と第2補強環23との弾性力により各シール面4A、5Aを互いに圧接してシール能力を発揮させる。
【0039】
図3は、本発明に係わる第2実施の形態の第1弾性シールリング2の半断面図である。尚、第2弾性シールリング3は、図1に示すように、第1弾性シールリング2と配置及び形状が対称を成している。この為、第2弾性シールリング3の説明は省略する。図3に於いて、図1に示す第1弾性シールリング2(第2弾性シールリング3も同じ)と相違する点は、第1補強環22の第1外周支持部22Bの端部を内周側へ折曲げて第1補強部22B1に形成したものである。又、第2内周支持部22Cの端部を外周側へ折曲げて第2補強部22C1に形成したものである。このような第1補強環22に構成することにより、第1外周支持部22Bと第2内周支持部22Cの嵌着したときの強度を向上させるものである。そして、第1外周シール部12Bと第2内周シール部12Cの周面に突起した複数のシール部を設けた場合でも(図示は省略する)、各第1外周シール部12B及び第2シール部12Cの弾性力のある嵌着を可能として各第1外周シール部12B及び第2内周シール部12Cのシール能力を向上させることが可能になる。図3に示すその他の符号の部品は図1の同一符号の部品と同じである。
【0040】
図4は、第3実施の形態を示す第1弾性シールリング2の半断面図である。図4の第1弾性シールリング2は、図1の第1弾性シールリング2の第2内周支持部22Cを円形状に折曲げて第3支持部(折曲支持部)22Dに形成したものである。このようにした第1補強環22の第3支持部22Dを第2内周シール部12Cに埋設することにより両部を一体化し、第3支持部22Dが第2内周シール部12Cを介して第1密封環4と密封に嵌合することができる。そして、第2内周シール部12Cの第1密封環4との密接能力を向上させる。更に、作動中の第1密封環4の変動に対して第1弾性部22Aの弾性支持能力を向上させることが可能になる。図4に示すその他の符号の部品は図1の同一符号の部品と同一である。
【0041】
図5は、本発明に係わる第4実施の形態を示す第1弾性シールリング2の半断面図である。この図5に示す第1弾性シールリング2に於いて、図3の第1弾性シールリング2と相違する点は、第1補強環22の第1弾性部22Aに周面に沿って等配に複数のスリット部26を設ける。そして、第1弾性体12となるゴム材を成形するときに第1補強環22のスリット部26に第1弾性シール部12Aの一部が入り込んで一体に結合する(尚、各弾性シール部12A、13Aと各スリット部26とは一体に結合しなくとも同様の効果は生じる)。このように第1弾性シールリング2の第1補強環22にスリット部26を設けることにより、スリット部26を設けた第1補強環22は、第1弾性体12との接着強度とともに、弾性能力を最適に加減して設計することができる。そして、第1弾性部22Aにより第1密封環4に対して弾発的な押圧力を最適にさせることができる。この為に、第1シール面4Aの密接力を弾発可能にして第1シール面4A、第2シール面5Aが異常に圧接されて摩耗するのを効果的に防止することが可能になる。尚、スリット部26は、工作機械に設けたスリワリ又はエンドミルで加工できるような周方向に幅の狭いものである。又、周方向に幅が広いものは切欠部と定義する。そして、切欠部は、第1弾性部22A及び第2弾性部23Aに径方向へ長手の長方形の窓に形成しても良い。又、一方の支持部22B又は22Cを切り取る切欠部又はスリット部26に形成することもできる。この切欠部は図5に示すスリット部26から判断して任意に設計することができる。図5に示すその他の符号の部品は図1の同一符号の部品と同一である。
【0042】
図6は、本発明に係わる第5実施の形態を示す第1弾性シールリング2の半断面図である。図6に示す第1弾性シールリング2は、第1弾性体12の背面に凸部状の嵌着部15を設ける。又、第1補強環22にも嵌着部15に対応した位置に貫通孔の取付孔25を設ける。そして、この嵌着部15を取付孔25に嵌め込んで第1弾性体12と第1補強環22を一体に結合する。このように構成された第1弾性シールリング2は、第1補強環22に設けた取付孔25により第1弾性部22Aの第1密封環4に対する弾性支持能力を向上させることが可能になる。同時に、第1弾性体12と第1補強環22を別々に加工して両部品を必要に応じて結合することが可能になる。この第1補強環22の取付孔15は嵌着部25に結合できるようにしたので、両部品の材質により両部品の接着力が良くなくとも第1補強環22を第1弾性体12から離脱しないように一体化することが可能になる。図6に示すその他の符号の部品は図1の同一符号の部品と同一である。
【0043】
図7は、本発明に係わる第6実施の形態を示すシール装置1の半断面図である。
図7のシール装置1において、図1と相違する点は、第1補強環22及び第2補強環23をそれぞれの第1弾性体12の第1対向面2P1側(大気連通路A側)と、第2弾性体13の第2対向面3P1側(大気連通路A側)に埋設したものである。この第1補強環22と第2補強環23の配置は、それぞれの第1弾性体12と第2弾性体13の各中立線Nより各第1対向面2P1側と、第2対向面3P1側にすると良い。各中立線Nは、各第1弾性体12の対向面2P1と、第2弾性体13の対向面3P1からそれぞれX1の位置と、第1背面2P2と第2背面3P2からそれぞれX2の位置で中立となる位置である。そして、図1の各第1弾性体12及び第2弾性体13に比較して図7の各第1弾性体12及び第2弾性体13の肉厚をX1+X2となる厚肉にしたものである。又、図7の第1補強環22及び第2補強環23は、図1の第1補強環22及び第2補強環23に比較して薄肉にできるとともに、第1外周支持部22B及び第1外周支持部23Bの各端部を内方に折曲げた第1補強部22B1と第1補強部23B1とに形成する。又、図1の第2内周支持部22C及び第2内周支持部23Cを円弧状に曲げた各第4支持部(弾性支持部)22E及び第4支持部(弾性支持部)23Eに形成したものである。
【0044】
この第1弾性シールリング2を第1密封環4とブッシュ51の間に配置するとともに、第2弾性シールリング3を第2密封環5とカバー61との間に配置すると各第1対向面2P1と第2対向面3P1及び各第1背面2P2と第2背面3P2は図7に示すように大気連通路A側へ凸状に弾性変形させると被密封流体に対するシール能力を向上できる。この図7に示すように第1弾性シールリング2及び第2弾性シールリング3を弾性変形状態にすると、大気連通路Aから流入した被密封流体が蓄圧して各第1弾性シールリング2及び第2弾性シールリング3に高圧力として作用するのも各第1補強環22及び第2補強環23の作用により防止できる。又、第2内周シール部12Cが第1密封環4から内部室B側へ外れることも防止できる。更に、第2内周シール部13Cも同様に、第2密封環5から外方へ外れることも防止できる。そして、第2内周シール部12C 及び 第2内周シール部13Cが各々嵌合する第1密封環4及び第2密封環5との密接力を向上することができる。
【0045】
図3から図7に示す第1弾性シールリング2は、ゴム材としてニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、スチロールゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム等の弾性ゴムが必要に応じて用いられる。又、図3から図6までは第1弾性シールリング2のみを記載したが、第2弾性シールリング3も第1弾性シールリング2と対称になるだけで形状及び材質は略同一である。そして、第1弾性シールリング2の第1弾性体12及び第2弾性シールリング3の第2弾性体13は、各第1補強環22及び第2補強環23により弾性力が補強されているので、ゴム又は樹脂の硬度を柔らかくすることが可能になる。この為に、各第1外周シール部12B、第1外周シール部13B及び各第2内周シール部12C、第2内周シール部13Cは、各第1固定部51A及び第2固定部61Aと、第1保持部4B及び第2保持部5Bとの接合に対してシール能力を向上させることが可能になる。更に、各内外シール部12B、12C、13B、13Cのゴム質が柔らかくなることは、各内外シール部12B、12C、13B、13Cの接合面にスラリが付着しても摩耗が防止できることになる。更に、図1において、第1弾性シールリング2のみを図7に示す第1弾性シールリング2と交換した構成にすることができる。又、図1において、第2弾性シールリング3を図3に示す第2弾性シールリング3と交換した構成にすることも可能である。つまり、被密封流体の作用条件及び内部室Bの圧力条件に応じて、第1弾性シールリング2と第2弾性シールリング3とを異なる形状に組み合わせることが可能である。このような組み合わせは、上述の複雑な条件でも各第1及び第2シール面4A、5Aを効果的に密接させることができ、各第1及び第2シール面4A、5Aのシール能力を向上させることが可能になる。
【0046】
【発明の効果】
本発明のシール装置は以下のような効果を奏する。
本発明のシール装置によれば、第1弾性シールリング及び第2弾性シールリングにそれぞれ第1補強環と第2補強環を接合して補強することにより、各第1支持部により各第1シール部を各一方の部品と他方の部品に確実に密接することが可能になる。
又、各第2支持部により各第2シール部を第1密封環及び第2密封環に対して弾性的に保持し、第2シール部と第1密封環並びに第2シール部と第2密封環との接合間にスラリが入り込んでも各第2シール部の接合面が異物に対して弾性に凹むので、各接合面間の摩耗が効果的に防止できる。
更に、各第1弾性シール部及び第2弾性シール部は、各第1補強環及び第2補強環により弾性力が補強されるから、第1弾性シールリングと第2弾性シールリングの弾性力の大きさを正確に設計することが可能になる。更に、第1弾性体及び第2弾性体が応力緩和しても第1補強環及び第2補強環により第1密封環及び第2密封環に対する支持弾性力を長期に発揮させる効果が期待できる。
【0047】
更に、本発明のシール装置によれば、第1補強環及び第2補強環に各スリット部又は切欠部を設けることにより、各第1補強環及び第2補強環の弾性力の大きさを加減して設計することが可能になる。この為に第1密封環及び第2密封環の各シール面に対して最適な弾発による支持を可能にする。更に、各第1弾性体及び第2弾性体と各第1補強環及び第2補強環とのスリット部を介した結合は、両部品の結合強度を向上させるとともに、接着力の悪い両部品でも結合させて弾性支持能力を向上させることが可能になる効果を奏する。
【0048】
更に又、本発明のシール装置によれば、各第1弾性体及び第2弾性体の背面に各第1補強環及び第2補強環を接合することにより、各第1シール部を第1固定部と第2固定部に密接できるとともに、各第2シール部を第1密封環と第2密封環とに密接できるので、各接合力を向上させることが可能になる。更に、各第1シール部を第1固定部と第2固定部との接合間にスラリが入り込んでも、ゴム状の各第1シール部により、又、各第2シール部の第1密封環と第2密封環との接合間にスラリが入り込んでも、ゴム状の各第2シール部により、スラリによる摩耗を効果的に防止することが可能になる。
【0049】
更に、本発明のシール装置によれば、第1補強環及び第2補強環の各第3支持部を円弧状又は複数段に折曲げることにより、各第2シール部の接合力を向上させるとともに、第1密封環及び第2密封環の各シール面が密接するような自由度のある弾性的な支持を可能になる効果が期待できる。
更に又、第1弾性体及び第2弾性体の肉厚を厚くするとともに、第1弾性体及び第2弾性体の対向する正面側に第1補強環及び第2補強環を埋設することにより、第1弾性部及び第2弾性部の弾性的な支持が発揮できる効果を奏する。そして、各第1弾性体及び第2弾性体のゴム状弾性力を柔らかくして各第1シール部及び第2シール部の接合面のスラリによる摩耗を防止するとともに、各第1シール部及び第2シール部の接合面のシール能力が向上できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態のシール装置の半断面図である。
【図2】図1のシール装置を減速装置に取り付けた状態の半断面図である。
【図3】本発明に係る第2実施の形態のシール装置の第1弾性シールリングの半断面図である。
【図4】本発明に係る第3実施の形態のシール装置に用いられる第1弾性シールリングの半断面図である。
【図5】本発明に係る第4実施の形態のシール装置に用いられる第1弾性シールリングの半断面図である。
【図6】本発明に係る第5実施の形態のシール装置に用いられる第1弾性シールリングの半断面図である。
【図7】本発明に係る第6実施の形態のシール装置の半断面図である。
【図8】本発明に係わる第1関連技術のシール装置の断面図である。
【図9】本発明に係わる第2関連技術のシール装置の半断面図である。
【符号の説明】
1 シール装置
2 第1弾性シールリング
3 第2弾性シールリング
4 第1密封環
4A 第1シール面
4B 第1保持部
4B1 第1角部
4E 第1内周面
5 第2密封環
5A 第2シール面
5B 第2保持部
5B1 第2角部
5E 第2内周面
12 第1弾性体
12A 第1弾性シール部
12B 第1シール部(第1外周シール部)
12C 第2シール部(第2内周シール部)
12D 第1接合部
13 第2弾性体
13A 第2弾性シール部
13B 第1シール部(第1外周シール部)
13C 第2シール部(第2内周シール部)
13D 第2接合部
15 嵌着部
20 Oリング
22 第1補強環
22A 第1弾性部
22B 第1支持部(第1外周支持部)
22B1 第1補強部
22C 第2支持部(第2内周支持部)
22C1 第2補強部
22D 第3支持部(折曲支持部)
22E 第4支持部(弾性支持部)
23 第2補強環
23A 第2弾性部
23B 第1支持部(第1外周支持部)
23C 第2支持部(第2内周支持部)
23D 第3支持部(折曲支持部)
23E 第4支持部(弾性支持部)
25 取付孔
26 スリット部
50 ローラ
51 ブッシュ
51A 第1固定部
60 軸
61 カバー
61A 第2固定部
70 シール室
A 大気連通路
B 内部室

Claims (5)

  1. 相対回動する一方の部品と他方の部品との間をシールするシール装置であって、
    端面に第1シール面を有すると共に前記第1シール面と反対側に第1保持部を有する第1密封環、
    前記第1密封環の第1シール面に対向して密接可能な第2シール面を有すると共に前記第2シール面と反対側に第2保持部を有する第2密封環、
    前記第1密封環の第1シール面を前記第2密封環の第2シール面へ押圧する第1弾性シール部を有するとともに前記第1弾性シール部の一端に前記第1密封環の第1保持部に嵌着する第2シール部を有し且つ前記第1弾性シール部の他端に前記一方の部品に密着する第1シール部を有するゴム状弾性材製の第1弾性シールリング及び
    前記第2密封環の第2シール面を前記第1密封環の第1シール面へ押圧する第2弾性シール部を有するとともに前記第2弾性シール部の一端に前記第2密封環の第2保持部に嵌着する第2シール部を有し且つ前記第2弾性シール部の他端に前記他方の部品に密着する第1シール部を有するゴム状弾性材製の第2弾性シールリングを具備し、
    前記第1弾性シールリングには前記第1弾性シール部を補強する第1弾性部を有するとともに前記第1弾性部の一端に前記第1シール部を支持する第1支持部を有し且つ前記第1弾性部の他端に前記第2シール部を支持する第2支持部を有する第1補強環と、
    前記第2弾性シールリングには前記第2弾性シール部を補強する第2弾性部を有するとともに前記第2弾性部の一端に前記第1シール部を支持する第1支持部を有し且つ前記第2弾性部の他端に前記第2シール部を支持する第2支持部を有する第2補強環とを設けたことを特徴とするシール装置。
  2. 前記第1補強環の第1弾性部及び第2補強環の第2弾性部の少なくとも一方の弾性部には周面に沿って複数に切欠部又はスリット部を有することを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記第1弾性シールリングは第1補強環を被密封流体側と反対の背面に接合しているとともに、第2弾性シールリングは第2補強環を被密封流体側と反対の背面に接合していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシール装置。
  4. 前記各第2支持部が円弧状又は複数段に折り曲げられているとともに前記第2シール部に埋設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載のシール装置。
  5. 前記第1弾性シールリングには前記第1弾性シールリングの肉厚の中立面より被密封流体側に第1補強環が埋設されているとともに、第2弾性シールリングには前記第2弾性シールリングの肉厚の中立面より被密封流体側に第2補強環が埋設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項4に記載のシール装置。
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