JP2005206993A - 表面処理ガラスクロス - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸化チタン薄膜を形成した表面処理ガラスクロスにおいて、被着強度を高めて酸化チタン薄膜の脱落量を著しく抑えたガラスクロスを提供する。
【解決手段】 ガラス糸を製織してなるガラスクロスであって、該ガラス糸の表面に、平均一次粒子径が1〜100nmである酸化チタン超微粒子、及び/又は表層に他の金属酸化物を有する該酸化チタン超微粒子と、下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤とを、該ガラス糸に対してそれぞれ0.1〜10.0質量%、0.01〜3.0質量%含有する混合薄膜を有することを特徴とする表面処理ガラスクロス。
X(R)3-nSiYn ・・・(1)
(式中、Xはアミノ基、不飽和二重結合基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する有機官能基であり、Yはアルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rはアルキル基及び/又は芳香族基である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子・電機分野で使用されるプリント配線板に用いられるガラスクロスに関し、特にUV−YAGレーザ加工性を改良したガラスクロスに関するものである。
従来、プリント配線板におけるスルーホール、IVH(インナービアホール)、BVH(ブラインドビアホール)、マーカ穴等の穴の形成には、主として精密ドリルによる加工が行われてきた。しかし、今日のプリント配線板の高密度回路形成、及び高密度実装化に伴い、より微細な穴加工が要求されるようになってきた。
これらプリント配線板に対する市場の要求を受けて、従来のドリル加工技術に替わるものとして、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等を用いたレーザ加工技術が発達してきた。
とりわけ後者のYAGレーザは小径穴加工対応の加工技術であるが、一般にプリント配線板に使用されるEガラスはYAGレーザ波長355nm光をほとんど吸収しないため、ガラスクロスを使用したプリント配線板へのYAGレーザ加工の適応は困難とされていた。
一方、プリント配線板用に使用されるガラスクロスにおいては、紫外線両面同時露光時の裏焼きを防ぐために紫外線遮蔽性を付与する目的で、金属酸化物をガラスクロスの表面に付着させることが知られている(特許文献1参照)。また、プリント配線板の熱膨張係数をシリコンに近づける目的で、無機粒子を固定したガラスクロス補強複合材料が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−271487号公報 特開平09−111012号公報
本願発明者は、特許文献1、特許文献2に記載の酸化チタン微粒子を表面に付着させたガラスクロスによって、YAGレーザ加工性を改良したプリント配線板を作成しようと試みた。しかしながら、上記文献記載の方法で表面に付着させた酸化チタン薄膜は、ガラスへの被着強度が十分ではなく、次工程のプリプレグ製造時に、該酸化チタン薄膜の一部がガラスクロスから脱落してしまうという問題が生じることが判明した。
本発明の目的は、酸化チタン薄膜を形成した表面処理ガラスクロスにおいて、被着強度を高めて酸化チタン薄膜の脱落量を抑えたガラスクロス、及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を鋭意検討した結果、超微粒子の酸化チタンと特定のシランカップリング剤との混合薄膜をガラス糸表面に形成させることで、該酸化チタン微粒子の脱落量を著しく抑えたガラスクロスを得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下のものである。
1.ガラス糸を製織してなるガラスクロスであって、該ガラス糸の表面に、平均一次粒子径が1〜100nmである酸化チタン超微粒子、及び/又は表層に他の金属酸化物を有する該酸化チタン超微粒子と、下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤とを、該ガラス糸に対してそれぞれ0.1〜10.0質量%、0.01〜3.0質量%含有する混合薄膜を、有することを特徴とする表面処理ガラスクロス。
X(R)3-nSiYn ・・・(1)
(式中、Xはアミノ基、不飽和二重結合基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する有機官能基であり、Yはアルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rはアルキル基及び/又は芳香族基である。)
2.上述の金属酸化物が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、または酸化ケイ素からなる群から選択された少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする上記1.に記載の表面処理ガラスクロス。
3.平均一次粒子径が1〜100nmである酸化チタン超微粒子、または表層に他の金属酸化物を有する該酸化チタン超微粒子と、下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を、水にそれぞれ0.1〜60質量%、0.1〜10質量%分散させた処理液を、超音波攪拌をしながらガラスクロスに塗布し、90〜300℃で加熱乾燥させることを特徴とする表面処理ガラスクロスの製造方法。
X(R)3-nSiYn ・・・(1)
(式中、Xはアミノ基、不飽和二重結合基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する有機官能基であり、Yはアルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rはアルキル基及び/又は芳香族基である。)
本発明による表面処理ガラスクロスは、酸化チタン薄膜の脱落量が著しく少ないという効果を有し、YAGレーザ加工性に優れたプリント配線板用の表面処理ガラスクロスを容易に得ることができる。
(A)超微粒子酸化チタン
本発明では、YAGレーザ波長355nm光を吸収させるために、平均一次粒子径が1〜100nmである酸化チタン超微粒子、及び/又は表層に他の金属酸化物を有する該酸化チタン超微粒子により、ガラスクロスの表面に酸化チタンを含む混合薄膜を形成する。
該超微粒子のガラスクロス表面への付着量は、ガラス糸の質量に対して0.1〜10.0質量%であることが好ましく、0.5〜5.0質量%であることがより好ましい。付着量が0.1質量%よりも小さい場合にはYAGレーザ加工性改良効果が小さく、10.0質量%よりも大きい場合にはプリント配線板形成時の絶縁性、耐熱性、誘電率特性に問題が生じる。なお、「酸化チタン超微粒子」には酸化チタンのみならず、他の金属酸化物が不純物として混在または混融した酸化チタンの超微粒子も含まれる。
該酸化チタン薄膜は、平均一次粒子径1〜100nmの粒子(以下、「超微粒子」という。)からなることが好ましく、5〜80nmの超微粒子からなることがより好ましく、紫外線吸収効率の観点から10〜20nmの超微粒子であることが最も好ましい。平均一次粒子径が1nmより小さい場合には、取扱い性が極端に悪くなる。平均一次粒子径が100nmより大きい粒子(以下、「微粒子」という。)の場合には、溶媒中での分散性が超微粒子ほどよくないため、塗布後にガラスクロス表面に酸化チタン薄膜で覆われていない部分(以下、「付着欠陥」という。)が生じやすい。また、該微粒子は、該超微粒子に比較してガラス糸を構成するフィラメント間への浸入性も劣るため、ガラスクロス表面に面したフィラメント表面に偏って塗布されやすい。そのため、該ガラスクロスをマトリックス樹脂の樹脂浴に通してプリプレグを作成する際に、付着した微粒子の脱落による付着欠陥が発生しやすい。また、YAGレーザ波長の吸収性についても局所的なばらつきを発生させる原因となりうる。
このようにガラスクロス表面に付着欠陥が存在する場合は、プリント配線板を形成した後のYAGレーザによる穴加工時に、穴径のばらつきとなって現れる。穴径のばらつきが大きいと加工不良が発生しやすいため、該ばらつきを小さくすることは極めて重要である。
上述の超微粒子は、ルチル型構造の酸化チタンからなる超微粒子であることが好ましく、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物を表層に有する酸化チタン超微粒子であることがより好ましい。酸化チタンは、室内灯や太陽光を受けると光触媒活性を帯びるため、ガラスクロス表面のシランカップリング剤や、ガラスクロスに接するマトリックス樹脂基材を損傷させる可能性があるが、上述の光活性のない金属酸化物で該超微粒子の表面を覆うことによって光触媒活性の問題を解決することができる。
(B)シランカップリング剤
本発明において好ましく使用できるシランカップリング剤は、下記の一般式(1)で示されるシラン化合物である。
X(R)3-nSiYn ・・・(1)
(式中、Xはアミノ基、不飽和二重結合基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する有機官能基であり、Yはアルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rはアルキル基及び/又は芳香族基である。)
上記のYとしては、何れのアルコキシ基も使用できるが、ガラスクロスへの安定処理化の為には、炭素数5以下のアルコキシ基が好ましい。また、上記のRとしては、メチル基、エチル基、およびフェニル基からなる群から選択されるいずれかのアルキル基であることが好ましい。
具体的に好ましいシランカップリング剤としては、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)メチルジメトキシシラン及びその塩酸塩、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−N−γ−(N−ビニルベンジル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)−N−γ−(N−ビニルベンジル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、アミノプロピルトリメトキシシラン、並びにビニルトリメトキシシラン等の単体、又はこれらの混合物が例示できる。
シランカップリング剤が有する上記有機官能基Xの選択には、マトリックス樹脂の硬化反応を考慮し、選択することが好ましい。マトリックス樹脂がエポキシ樹脂の場合、アミノ基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群の中から選択される少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤を選択するのが好ましい。また、マトリックス樹脂がエポキシアクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアネート等の、ラジカル重合により硬化する樹脂の場合、ビニルベンジル基、メタクリル基、アクリル基等の不飽和二重結合基、及びアミノ基からなる群の中から選択される少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤を選択することが好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤を選択することが最も好ましい。
本発明では、上記シランカップリング剤の、ガラス糸表面への付着量は、ガラス糸の質量に対して0.01〜3.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましい。付着量が0.01質量%未満の場合は超微粒子の脱落抑制の効果が小さい。一方、付着量が3.0質量%より大きい場合には、酸化チタンとシランカップリング剤の混合薄膜内で生じるシランカップリング剤同士の縮合物によるガラスクロスとマットリックス樹脂の界面での吸水量が極端に多くなるので好ましくない。
(C)ガラスクロス
本発明では、バスケットホール部分(ガラスクロスにおいて、経糸も緯糸も存在しない部分)の占める面積の割合が少ないガラスクロスを好ましく使用することができる。ガラスクロスの面積に対するバスケットホール部分の面積の割合(以下、「バスケットホール占有面積」という。)は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、1%以下であることが最も好ましい。バスケットホール部分の割合が20%より大きなガラスクロスは、面内でのガラス充填密度のばらつきが大きくなり、面内でのYAGレーザ加工性のばらつきも大きくなるからである。
バスケットホール占有面積が20%以下のガラスクロスは、ガラスクロスに扁平化加工を行うこと等の公知の方法で得ることができる。扁平化加工法の例としては、高圧水による開繊加工が挙げられる。
ガラスクロスの経糸及び緯糸の打ち込み密度は、10〜100本/25mmの範囲のものが好ましく、30〜80本/25mmがより好ましい。また、布重量(目付け)は15〜110g/m2 の範囲のものが好ましく、15〜90g/m2 のものがより好ましい。
織り構造については平織り構造を基本とするが、ななこ織り、朱子織り、綾織り、等の織り構造を有するガラスクロスでもよい。YAGレーザ加工性のばらつきを小さくするためには、経糸及び緯糸の交差部の隙間が小さい平織り構造がより好ましい。
プリント配線板に使用される基材には、通常Eガラス(無アルカリガラス)と呼ばれるガラスが好適に使用されるが、Dガラス、Sガラス、高誘電率ガラス等を使用してもよい。
(D)表面処理ガラスクロスの製法
本発明の酸化チタンを含む混合薄膜を有する表面処理ガラスクロスを製造するには、酸化チタン超微粒子、又は表層に他の金属酸化物を有する酸化チタン超微粒子と、シランカップリング剤とを同じ溶媒に分散させた混合処理液をガラスクロスに塗布し、乾燥して溶媒成分を除去する方法が好適に使用できる。該溶媒には、水、有機溶媒の何れも使用できるが、安全性、地球環境保護の観点から、水を主溶媒とすることが好ましい。
表面処理ガラスクロスを製造する工程としては、製織したガラスクロスを加熱脱糊後、上述した超微粒子酸化チタンとシランカップリング剤の混合処理液を塗布し、加熱乾燥後にガラス糸上に超微粒子酸化チタンとシランカップリング剤の混合薄膜を固着形成させる手順を採用することが好ましい。
表面処理において使用される処理液中の超微粒子の濃度は、均一薄膜の形成、処理液の安定性確保、及び処理時間短縮の目的から、0.1質量%以上、60質量%以下で選定されるのが好ましい。また、同処理液中のシランカップリング剤の濃度は、均一シランカップリング層の形成、処理液の安定性確保、及び、処理時間短縮の目的から、0.1質量%以上、10質量%以下に選定されるのが好ましい。
該処理液をガラスクロスに塗布する方法としては、(i)処理液をバスに溜め、ガラスクロスを浸漬、通過させて処理する方法、(ii)ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等で処理液をガラスクロスに直接塗布する方法、等が可能である。処理液内の処理剤の分散安定化、及び、処理の均一化のため、処理液に超音波攪拌を施しながらガラスクロスに処理液を塗布する方法を採用することが好ましい。超音波振動子の振動数は10〜100kHz、超音波振動子を駆動する超音波発振器の出力は20〜5000Wの範囲で選択することが好ましい。
ガラスクロスに処理液を塗布した後、溶媒を乾燥させる方法としては、熱風、電磁波、等公知の方法が適用可能であり、特に方法が限定されるものではない。超微粒子酸化チタンとシランカップリング剤による混合薄膜の形成においては、塗布に使用した溶媒を乾燥させる必要がある。溶媒乾燥後、さらに加熱し、混合薄膜を固着させるのがより好ましい。加熱温度は、90〜300℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。また、該混合薄膜の加熱固着後に、該ガラスクロスにさらにシランカップリング剤を塗布することも好ましい。こうすることによりマトリックス樹脂とガラスの界面での吸水をより抑制することができる。
該表面処理ガラスクロスはさらに開繊加工してもよい。開繊の方法としては、高圧柱状流開繊、高圧ウォータージェット開繊、高圧蒸気開繊等、公知の方法が適用可能であり、特に方法が限定されるものではない。
次に実施例、及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
扁平化加工をし、加熱脱糊した後のガラスクロス(旭シュエーベル社製;スタイル1027MS 経糸密度75本/25mm 緯糸密度75本/25mm バスケットホール占有面積2% 布重量20g/m2)に、酸化アルミニウムを表層に有する平均一次粒子径10nmの超微粒子酸化チタン(堺化学工業社製;STR100W)とN−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランの塩酸塩(信越化学株式会社製;KBM6123)と、酢酸を、それぞれ5.0質量%、0.5質量%、0.05質量%、水に分散させた混合処理液を塗布した。次に、170℃で1分間加熱乾燥し、ガラスクロスの2.0質量%の超微粒子酸化チタンと0.2質量%のシランカップリング剤の混合薄膜が表面に付着したガラスクロスを得た。
(実施例2)
実施例1の混合薄膜が表面に付着したガラスクロスに、さらにN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)と酢酸を、水にそれぞれ0.5質量%、0.05質量%溶解させた処理液で表面処理した。次に、170℃で1分間加熱乾燥し、実施例1の混合薄膜の上に、さらにシランカップリング剤が付着したガラスクロスを得た。
(比較例1)
扁平化加工をし、加熱脱糊した後のガラスクロス(旭シュエーベル社製;スタイル1027MS 経糸密度75本/25mm 緯糸密度75本/25mm バスケットホール占有面積2% 布重量20g/m2)に、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;SZ6032)と酢酸を、水にそれぞれ0.5質量%、0.05質量%溶解させた処理液で表面処理した。次に、170℃で1分間加熱乾燥し、シランカップリング剤が付着したガラスクロスを得た。
(比較例2)
扁平化加工をし、加熱脱糊した後のガラスクロス(旭シュエーベル社製;スタイル1027MS 経糸密度75本/25mm 緯糸密度75本/25mm バスケットホール占有面積2% 布重量20g/m2)に、酸化アルミニウムで表面処理された平均一次粒子径10nmの超微粒子酸化チタンの5.0質量%水分散処理液を塗布し、170℃で1分間加熱乾燥し、ガラスクロスの1.7質量%の超微粒子酸化チタン薄膜を形成した。さらに、N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランの塩酸塩(信越化学株式会社製;KBM6123)と酢酸を、水にそれぞれ0.5質量%、0.05質量%溶解させた処理液で表面処理した。次に、170℃で1分間加熱乾燥し、ガラスクロスの1.9質量%の超微粒子酸化チタン膜を形成した上に、さらにシランカップリング剤が付着したガラスクロスを得た。
(比較例3)
扁平化加工をし、加熱脱糊した後のガラスクロス(旭シュエーベル社製;スタイル1027MS 経糸密度75本/25mm 緯糸密度75本/25mm バスケットホール占有面積2% 布重量20g/m2)に、酸化アルミニウムを表層に有する平均一次粒子径10nmの超微粒子酸化チタンとN−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランの塩酸塩(信越化学株式会社製;KBM6123)、酢酸を、それぞれ5.0質量%、0.005質量%、0.0005質量%水に分散させた混合処理液を塗布した。次に、170℃で1分間加熱乾燥し、ガラスクロスの1.9質量%の超微粒子酸化チタンと0.0002質量%のシランカップリング剤の混合薄膜が表面に付着したガラスクロスを得た。
(比較例4)
扁平化加工をし、加熱脱糊した後のガラスクロス(旭シュエーベル社製;スタイル1027MS 経糸密度75本/25mm 緯糸密度75本/25mm バスケットホール占有面積2% 布重量20g/m2)に、平均一次粒子径200nmの超微粒子酸化チタン(堺化学工業社製;R310)と、N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランの塩酸塩(信越化学株式会社製;KBM6123)と、酢酸を、それぞれ5.0質量%、0.5質量%、0.05質量%、水に分散させた混合処理液を塗布した。次に、170℃で1分間加熱乾燥し、ガラスクロスの2.5質量%の超微粒子酸化チタンと0.28質量%のシランカップリング剤の混合薄膜が表面に付着したガラスクロスを得た。
1.積層板の作成方法:
上述の実施例・比較例の表面処理ガラスクロスに、表1の組成表に示すエポキシ樹脂を含浸させ、160℃で4分乾燥させてプリプレグを得た。このプリプレグの上下に厚さ9μmの銅箔を重ね、175℃、40kg/cm2で加熱加圧して積層板を得た。
2.積層板のYAGレーザ加工性評価方法:
esi社製UV−YAGレーザ;MODEL5150機を使用し、トレパン加工法により、スルーホール加工を施し、経糸が存在する部分の加工穴の底面径を光学顕微鏡により断面観察し、YAGレーザ加工性を評価した。
3.超微粒子酸化チタンの脱落量評価方法:
上述の実施例、比較例の表面処理ガラスクロスを、速度1m/min.、張力20kg/mで1リットルのジメチルホルムアミド溶剤に6秒間浸漬洗浄し、洗液の波長350nm光の吸収量を紫外線可視吸光光度計により測定し、検量線から脱落量を評価した。
4.超微粒子酸化チタン/シランカップリング剤混合薄膜の付着量評価方法: 未処理のガラスクロスと該混合薄膜処理のガラスクロスをそれぞれ120℃で1時間乾燥し、それぞれ1m2の質量を測定し、両値の差から混合薄膜の付着量を求めた。さらに、未処理のガラスクロスと該混合薄膜処理のガラスクロスをそれぞれ830℃で1分加熱し、ガスクロマトグラフィーで発生する二酸化炭素量をそれぞれ測定し、両値の差から混合薄膜中のシランカップリング剤の付着量を求めた。超微粒子酸化チタンの付着量は両者の差を計算することで求めた。
実施例1、2と比較例1、2、3、4のYAGレーザによるスルーホール底面径の測定結果を表2に示す。また、実施例1、2と比較例2、3、4の超微粒子酸化チタン脱落量評価結果を表3に示す。
表2の実施例1、2と比較例1の結果を比較すると、超微粒子酸化チタンとシランカップリング剤の混合薄膜を表面処理したガラスクロスを用いた積層板では、スルーホール底面平均径が著しく大きく、且つばらつきも小さいことが分かった。さらに、表2の実施例1、2と比較例4の結果を比較すると、平均一次粒径10nmの超微粒子を表面処理したガラスクロスを用いた積層板では、平均一次粒径200nmの超微粒子を表面処理したガラスクロスを用いた積層板に比べ、スルーホール底面平均径のばらつきが著しく小さいことが分かった。本発明の表面処理ガラスクロスが、YAGレーザ加工性に極めて優れることが明らかになった。
また、表3の実施例1、2と比較例2、3、4の結果を比較すると、超微粒子酸化チタンとシランカップリング剤の混合薄膜を表面処理したガラスクロスでは、DMF洗液の濁りが、超微粒子酸化チタンとシランカップリング剤を順次処理した比較例2に対して17%であり、さらに平均一次粒子径200nmの超微粒子酸化チタンを処理した比較例4に対して8%であり、本発明の表面処理ガラスクロスが、超微粒子の脱落を著しく抑制し得るYAGレーザ加工性改良ガラスクロスであることが明らかになった。
Figure 2005206993
Figure 2005206993
Figure 2005206993
本発明の表面処理ガラスクロスは、電子・電機分野で使用されるプリント配線板の分野で好適に使用できる。

Claims (3)

  1. ガラス糸を製織してなるガラスクロスであって、該ガラス糸の表面に、平均一次粒子径が1〜100nmである酸化チタン超微粒子、及び/又は表層に他の金属酸化物を有する該酸化チタン超微粒子と、下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤とを、該ガラス糸に対してそれぞれ0.1〜10.0質量%、0.01〜3.0質量%含有する混合薄膜を有することを特徴とする表面処理ガラスクロス。
    X(R)3-nSiYn ・・・(1)
    (式中、Xはアミノ基、不飽和二重結合基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する有機官能基であり、Yはアルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rはアルキル基及び/又は芳香族基である。)
  2. 他の金属酸化物が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の表面処理ガラスクロス。
  3. 平均一次粒子径が1〜100nmである酸化チタン超微粒子、または表層に他の金属酸化物を有する該酸化チタン超微粒子と、下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を、水にそれぞれ0.1〜60質量%、0.1〜10質量%分散させた処理液を、超音波攪拌をしながらガラスクロスに塗布し、90〜300℃で加熱乾燥させることを特徴とする表面処理ガラスクロスの製造方法。
    X(R)3-nSiYn ・・・(1)
    (式中、Xはアミノ基、不飽和二重結合基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する有機官能基であり、Yはアルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rはアルキル基及び/又は芳香族基である。)
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