JP2003096659A - 無機繊維布帛の洗浄方法 - Google Patents
無機繊維布帛の洗浄方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課 題】 本発明は、例えば毛羽、焼却残さ、集束
剤や過剰なカップリング剤などの無機繊維布帛に存在す
る不純物を、より効果的に除去することができる無機繊
維布帛の洗浄方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 脱気水の存在下で、無機繊維布帛を超音
波で処理することを特徴とする無機繊維布帛の洗浄方
法。
剤や過剰なカップリング剤などの無機繊維布帛に存在す
る不純物を、より効果的に除去することができる無機繊
維布帛の洗浄方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 脱気水の存在下で、無機繊維布帛を超音
波で処理することを特徴とする無機繊維布帛の洗浄方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を利用した
無機繊維布帛の洗浄方法に関する。
無機繊維布帛の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維をはじめとする無機繊維から
なる布帛、特に織物は、樹脂補強用基材として広く利用
されており、特に近年はプリント配線基板用積層板とし
ての利用度が高い。無機繊維布帛のうち織物を基板とし
て用いたプリント配線基板用積層板は、(a)無機繊維
を整経工程、糊付工程にかけた後、製織して無機繊維織
物を得る工程、(b)所望により、ヒートクリーニング
処理などにより集束剤を除去する工程、(c)有機シラ
ン化合物などのカップリング剤で無機繊維織物を表面処
理する工程、(d)乾燥後、エポキシ樹脂などの樹脂を
含浸する工程により製造される。
なる布帛、特に織物は、樹脂補強用基材として広く利用
されており、特に近年はプリント配線基板用積層板とし
ての利用度が高い。無機繊維布帛のうち織物を基板とし
て用いたプリント配線基板用積層板は、(a)無機繊維
を整経工程、糊付工程にかけた後、製織して無機繊維織
物を得る工程、(b)所望により、ヒートクリーニング
処理などにより集束剤を除去する工程、(c)有機シラ
ン化合物などのカップリング剤で無機繊維織物を表面処
理する工程、(d)乾燥後、エポキシ樹脂などの樹脂を
含浸する工程により製造される。
【0003】上記工程(a)の製織において無機繊維の
毛羽が生じる場合がある。より具体的には、例えば、直
径約3〜13μm程度のフィラメントを約50〜400
本程度束ねたガラスヤーン(ストランドともいう)を縦
糸および緯糸として構成されているガラス繊維織物の場
合、縦糸は織機上でガラスヤーンが受ける屈曲摩擦によ
り収束を失い、フィラメント破断を起こしえる。また、
前記の場合、緯糸は、通常、紡糸時に付着された集束剤
(一次バインダー)のみが付着した状態で管捲し、シャ
トルの往復運動によりまたは原糸パッケージから直接流
体ジェットで緯入れし織物を構成するが、このときガラ
スヤーンが各種ガイドにより摩擦され、結束が緩み、フ
ィラメント破断が生じる。この破断したフィラメント
は、織り上がった織物表面に飛び出し、いわゆる毛羽と
なる。この製織工程で発生する毛羽は、上記(d)の樹
脂含浸工程において重大な障害となる。すなわち、無機
繊維織物中に毛羽が存在すると、毛羽に付着した樹脂の
硬化が過度に進み、積層板の品質が低下するという問題
が生じる。
毛羽が生じる場合がある。より具体的には、例えば、直
径約3〜13μm程度のフィラメントを約50〜400
本程度束ねたガラスヤーン(ストランドともいう)を縦
糸および緯糸として構成されているガラス繊維織物の場
合、縦糸は織機上でガラスヤーンが受ける屈曲摩擦によ
り収束を失い、フィラメント破断を起こしえる。また、
前記の場合、緯糸は、通常、紡糸時に付着された集束剤
(一次バインダー)のみが付着した状態で管捲し、シャ
トルの往復運動によりまたは原糸パッケージから直接流
体ジェットで緯入れし織物を構成するが、このときガラ
スヤーンが各種ガイドにより摩擦され、結束が緩み、フ
ィラメント破断が生じる。この破断したフィラメント
は、織り上がった織物表面に飛び出し、いわゆる毛羽と
なる。この製織工程で発生する毛羽は、上記(d)の樹
脂含浸工程において重大な障害となる。すなわち、無機
繊維織物中に毛羽が存在すると、毛羽に付着した樹脂の
硬化が過度に進み、積層板の品質が低下するという問題
が生じる。
【0004】無機繊維布帛に用いられる無機繊維は、紡
糸工程で集束剤(一次バインダー)が付与されている場
合がある。また、上記工程(a)において製織しやすい
ように、製織前に縦糸に集束剤(二次バインダー)を付
着し、縦糸を構成するガラスフィラメントを集束させて
いる。かかる集束剤、すなわち一次バインダーおよび二
次バインダーは、通常、上記工程(b)のヒートクリー
ニングにより除去されるが、かかる処理によって完全に
集束剤を除去できるわけではなく、一部の集束剤は無機
繊維に付着したまま残る。また、上記工程(b)のヒー
トクリーニングより生じる微細な焼却残さも無機繊維織
物中に残ってしまう。さらに、上記工程(c)のカップ
リング処理の際も、過剰なカップリング剤が無機繊維織
物中に残る。このような集束剤、微細な焼却残さ、過剰
なカップリング剤は、上記(d)の樹脂含浸工程におい
て、不純物となり、上述と同様に不純物に付着した樹脂
の硬化が過度に進み、積層板の品質が低下したり、樹脂
の含浸性が悪くなったりするという問題点が生じてい
た。
糸工程で集束剤(一次バインダー)が付与されている場
合がある。また、上記工程(a)において製織しやすい
ように、製織前に縦糸に集束剤(二次バインダー)を付
着し、縦糸を構成するガラスフィラメントを集束させて
いる。かかる集束剤、すなわち一次バインダーおよび二
次バインダーは、通常、上記工程(b)のヒートクリー
ニングにより除去されるが、かかる処理によって完全に
集束剤を除去できるわけではなく、一部の集束剤は無機
繊維に付着したまま残る。また、上記工程(b)のヒー
トクリーニングより生じる微細な焼却残さも無機繊維織
物中に残ってしまう。さらに、上記工程(c)のカップ
リング処理の際も、過剰なカップリング剤が無機繊維織
物中に残る。このような集束剤、微細な焼却残さ、過剰
なカップリング剤は、上記(d)の樹脂含浸工程におい
て、不純物となり、上述と同様に不純物に付着した樹脂
の硬化が過度に進み、積層板の品質が低下したり、樹脂
の含浸性が悪くなったりするという問題点が生じてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、例えば毛
羽、焼却残さ、集束剤や過剰なカップリング剤などの無
機繊維布帛に存在する不純物を、より効果的に除去する
ことができる無機繊維布帛の洗浄方法を提供することを
目的とする。
羽、焼却残さ、集束剤や過剰なカップリング剤などの無
機繊維布帛に存在する不純物を、より効果的に除去する
ことができる無機繊維布帛の洗浄方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討したところ、無機繊維布帛に対し
超音波処理をすることにより、例えば毛羽、焼却残さ、
集束剤や過剰なカップリング剤などの無機繊維布帛に存
在する不純物を一挙に除去できることを知見した。本発
明者らは、さらに検討を重ねた結果、超音波処理を行う
際の媒体として、溶存している空気の存在量を少なくし
た脱気水を用いれば、該媒体中で空気泡が発生すること
が少なく、超音波が伝播されやすくなるので、洗浄効率
の向上を図ることができるということを知見した。本発
明者らは、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
を達成すべく鋭意検討したところ、無機繊維布帛に対し
超音波処理をすることにより、例えば毛羽、焼却残さ、
集束剤や過剰なカップリング剤などの無機繊維布帛に存
在する不純物を一挙に除去できることを知見した。本発
明者らは、さらに検討を重ねた結果、超音波処理を行う
際の媒体として、溶存している空気の存在量を少なくし
た脱気水を用いれば、該媒体中で空気泡が発生すること
が少なく、超音波が伝播されやすくなるので、洗浄効率
の向上を図ることができるということを知見した。本発
明者らは、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、(1) 脱気水の存
在下で、無機繊維布帛を超音波で処理することを特徴と
する無機繊維布帛の洗浄方法、(2) 無機繊維布帛を
脱気水中に浸漬させ、かつ脱気水中で前記無機繊維布帛
を走行させながら、超音波で処理することを特徴とする
前記(1)に記載の無機繊維布帛の洗浄方法、(3)
無機繊維布帛が、ガラス繊維織物であることを特徴とす
る前記(1)または2に記載の無機繊維布帛の洗浄方
法、(4) 超音波が、100〜200kHzの周波数
を有することを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の
無機繊維布帛の洗浄方法、(5) 脱気水中の溶存気体
が1ppm以下であることを特徴とする前記(1)〜
(4)に記載の無機繊維布帛の洗浄方法、(6)脱気水
の生成に用いる水が電解陰イオン水であることを特徴と
する前記(1)〜(5)に記載の無機繊維布帛の洗浄方
法、に関する。
在下で、無機繊維布帛を超音波で処理することを特徴と
する無機繊維布帛の洗浄方法、(2) 無機繊維布帛を
脱気水中に浸漬させ、かつ脱気水中で前記無機繊維布帛
を走行させながら、超音波で処理することを特徴とする
前記(1)に記載の無機繊維布帛の洗浄方法、(3)
無機繊維布帛が、ガラス繊維織物であることを特徴とす
る前記(1)または2に記載の無機繊維布帛の洗浄方
法、(4) 超音波が、100〜200kHzの周波数
を有することを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の
無機繊維布帛の洗浄方法、(5) 脱気水中の溶存気体
が1ppm以下であることを特徴とする前記(1)〜
(4)に記載の無機繊維布帛の洗浄方法、(6)脱気水
の生成に用いる水が電解陰イオン水であることを特徴と
する前記(1)〜(5)に記載の無機繊維布帛の洗浄方
法、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る洗浄方法は、脱気水
の存在下で、無機繊維布帛を超音波で処理することを特
徴とする。超音波処理における媒体として脱気水を用い
ることにより、超音波処理の際に媒体中で空気泡が発生
することが少なく、超音波が伝播されやすくなるため、
洗浄効果の向上を図ることができるという利点がある。
本発明において用いる脱気水は、溶存している空気が少
ない水をいう。より具体的には、脱気水中の溶存気体が
約1ppm以下、好ましくは約0.5ppm以下である
ことが好適である。
の存在下で、無機繊維布帛を超音波で処理することを特
徴とする。超音波処理における媒体として脱気水を用い
ることにより、超音波処理の際に媒体中で空気泡が発生
することが少なく、超音波が伝播されやすくなるため、
洗浄効果の向上を図ることができるという利点がある。
本発明において用いる脱気水は、溶存している空気が少
ない水をいう。より具体的には、脱気水中の溶存気体が
約1ppm以下、好ましくは約0.5ppm以下である
ことが好適である。
【0009】上記脱気水は、公知の方法で製造すること
ができる。例えば、上記脱気水は、中空糸気体透過膜
と、該透過膜の外周を真空状態にする水封式真空ポンプ
とからなる膜式脱気装置により、原水を脱気処理するこ
とにより製造することができる。また、上記脱気水は、
加熱法や減圧法を用いて原水中の溶存気体を除去するこ
とによっても製造することができる。脱気に用いられる
水は、塩素濃度が水道水レベルであれば特に限定され
ず、例えば、純水、イオン交換水、蒸留水、脱イオン水
または電解イオン水などであってもよい。なかでも、脱
気に用いられる水としては、電解イオン水が好ましい。
ここで、電解イオン水は、純水、イオン交換水、蒸留水
または脱イオン水などを電気分解することによって陰極
側から得ることができる。具体的には、前記電解イオン
水は、公知の装置、例えば強電解型電解ユニットDSL
−55(有限会社ノフィル社製)などを用いて生成する
ことができる。さらに、前記電解イオン水は、その水酸
化イオン濃度が高いほど好ましい。具体的には、pH1
2程度の電解イオン水を用いることが、無機繊維布帛の
表面付着物に対する剥離性、溶解性がより高いのでより
好ましい。
ができる。例えば、上記脱気水は、中空糸気体透過膜
と、該透過膜の外周を真空状態にする水封式真空ポンプ
とからなる膜式脱気装置により、原水を脱気処理するこ
とにより製造することができる。また、上記脱気水は、
加熱法や減圧法を用いて原水中の溶存気体を除去するこ
とによっても製造することができる。脱気に用いられる
水は、塩素濃度が水道水レベルであれば特に限定され
ず、例えば、純水、イオン交換水、蒸留水、脱イオン水
または電解イオン水などであってもよい。なかでも、脱
気に用いられる水としては、電解イオン水が好ましい。
ここで、電解イオン水は、純水、イオン交換水、蒸留水
または脱イオン水などを電気分解することによって陰極
側から得ることができる。具体的には、前記電解イオン
水は、公知の装置、例えば強電解型電解ユニットDSL
−55(有限会社ノフィル社製)などを用いて生成する
ことができる。さらに、前記電解イオン水は、その水酸
化イオン濃度が高いほど好ましい。具体的には、pH1
2程度の電解イオン水を用いることが、無機繊維布帛の
表面付着物に対する剥離性、溶解性がより高いのでより
好ましい。
【0010】本発明において行う超音波処理は、当業界
で行われている公知の技術に従ってよい。本発明では、
中でも、約100〜500kHz程度、より好ましくは
約100〜200kHz程度の周波数を有する超音波を
用いて、上述のような無機繊維布帛を処理することが好
ましい。かかる超音波処理においては、超音波により脱
気水中で極めて小さな気泡や空洞が急速に形成され、そ
の後かかる気泡や空洞が激しく崩壊する現象が起こる。
上記ような高周波数の超音波を用いた場合、前記気泡や
空洞がはじけるときのエネルギーが小さく、かつ形成さ
れる前記気泡や空洞の数が多いため、被照射体である無
機繊維布帛に損傷を与えることなく、無機繊維布帛の繊
維間の穴や隙間などに付着した不純物を効率よく除去す
ることかできる。その結果、上述のような高周波数の超
音波を用いた超音波処理により、無機繊維布帛を効率よ
く洗浄することができる。
で行われている公知の技術に従ってよい。本発明では、
中でも、約100〜500kHz程度、より好ましくは
約100〜200kHz程度の周波数を有する超音波を
用いて、上述のような無機繊維布帛を処理することが好
ましい。かかる超音波処理においては、超音波により脱
気水中で極めて小さな気泡や空洞が急速に形成され、そ
の後かかる気泡や空洞が激しく崩壊する現象が起こる。
上記ような高周波数の超音波を用いた場合、前記気泡や
空洞がはじけるときのエネルギーが小さく、かつ形成さ
れる前記気泡や空洞の数が多いため、被照射体である無
機繊維布帛に損傷を与えることなく、無機繊維布帛の繊
維間の穴や隙間などに付着した不純物を効率よく除去す
ることかできる。その結果、上述のような高周波数の超
音波を用いた超音波処理により、無機繊維布帛を効率よ
く洗浄することができる。
【0011】本発明に係る洗浄方法は、上述のような無
機繊維布帛を脱気水中に浸漬させ、脱気水中で前記無機
繊維布帛を超音波で処理するという態様が好ましい。さ
らに、上述のような無機繊維布帛を脱気水中に浸漬さ
せ、かつ脱気水中で前記無機繊維布帛を走行させなが
ら、超音波で処理するという態様がより好ましい。
機繊維布帛を脱気水中に浸漬させ、脱気水中で前記無機
繊維布帛を超音波で処理するという態様が好ましい。さ
らに、上述のような無機繊維布帛を脱気水中に浸漬さ
せ、かつ脱気水中で前記無機繊維布帛を走行させなが
ら、超音波で処理するという態様がより好ましい。
【0012】本発明に係る洗浄方法の具体的態様を、図
1の模式図を参照しながら以下に述べる。無機繊維布帛
4は、含浸ロール5などの働きによって脱気水6中を左
から右に走行している。また、超音波の発振器1に接続
されている振動子3が、走行している無機繊維布帛4に
対し超音波を照射している。ここで図1に示すように、
振動子3は無機繊維布帛4に直接接触していなくてもよ
いが、直接接触していてもよい。接触していない場合は
超音波が無機繊維布帛4に効率よく伝わるように、振動
子3の振動面から無機繊維布帛4までの距離は約20c
m以下であることが好ましい。
1の模式図を参照しながら以下に述べる。無機繊維布帛
4は、含浸ロール5などの働きによって脱気水6中を左
から右に走行している。また、超音波の発振器1に接続
されている振動子3が、走行している無機繊維布帛4に
対し超音波を照射している。ここで図1に示すように、
振動子3は無機繊維布帛4に直接接触していなくてもよ
いが、直接接触していてもよい。接触していない場合は
超音波が無機繊維布帛4に効率よく伝わるように、振動
子3の振動面から無機繊維布帛4までの距離は約20c
m以下であることが好ましい。
【0013】振動子3と無機繊維布帛4との配置は、通
常、無機繊維布帛4の走行方向に対する振動子3の振動
方向、すなわち超音波の伝播方向が直角になるように設
定されるのが好ましい。しかし、本発明では、無機繊維
布帛4の走行方向と振動子3の振動方向のなす角が数十
度程度となるよう設定されていても良い。振動子3と無
機繊維布帛4の相対速度は、特に限定されず、優れた洗
浄効果が得られる値を適宜選択することができる。
常、無機繊維布帛4の走行方向に対する振動子3の振動
方向、すなわち超音波の伝播方向が直角になるように設
定されるのが好ましい。しかし、本発明では、無機繊維
布帛4の走行方向と振動子3の振動方向のなす角が数十
度程度となるよう設定されていても良い。振動子3と無
機繊維布帛4の相対速度は、特に限定されず、優れた洗
浄効果が得られる値を適宜選択することができる。
【0014】無機繊維布帛4の脱気水6中の浸漬時間
は、特に限定されず、優れた洗浄効果が得られる値を適
宜選択することができるが、具体的には約3〜5秒程度
が好ましい。また、上記処理は、通常、常温下で行われ
るが、冷却もしくは加熱下で行っても良い。
は、特に限定されず、優れた洗浄効果が得られる値を適
宜選択することができるが、具体的には約3〜5秒程度
が好ましい。また、上記処理は、通常、常温下で行われ
るが、冷却もしくは加熱下で行っても良い。
【0015】超音波の発振器1の出力は、約100〜2
00kHz程度の超音波を脱気水中で発振することがで
きるよう適宜選択すればよい。また、本発明に係る洗浄
方法を適用する無機繊維布帛4の種類によっても、超音
波の発振器1の出力は異なるので一概には言えないが、
超音波の平均出力密度が約30〜60W/L程度、より
好ましくは約40〜50W/L程度となるように、超音
波の発振器1の出力を調製することが好ましい。また、
周波数を微細に変動させたり、振動波を合成したりする
などして見かけ上の最大出力強度を増しても問題はな
い。
00kHz程度の超音波を脱気水中で発振することがで
きるよう適宜選択すればよい。また、本発明に係る洗浄
方法を適用する無機繊維布帛4の種類によっても、超音
波の発振器1の出力は異なるので一概には言えないが、
超音波の平均出力密度が約30〜60W/L程度、より
好ましくは約40〜50W/L程度となるように、超音
波の発振器1の出力を調製することが好ましい。また、
周波数を微細に変動させたり、振動波を合成したりする
などして見かけ上の最大出力強度を増しても問題はな
い。
【0016】超音波の発振器1としては、公知の装置を
用いればよい。例えば、超音波発振器 S8500シリ
ーズ(プランソン社製)などが挙げられる。また、振動
子3としては、金属製のものが好ましく、より具体的に
は、金、銀、チタン、ステンレススチール、ジェラルミ
ン、超硬処理を施したジェラルミンまたは鋼等からなる
ものが挙げられる。
用いればよい。例えば、超音波発振器 S8500シリ
ーズ(プランソン社製)などが挙げられる。また、振動
子3としては、金属製のものが好ましく、より具体的に
は、金、銀、チタン、ステンレススチール、ジェラルミ
ン、超硬処理を施したジェラルミンまたは鋼等からなる
ものが挙げられる。
【0017】上記図1に示した態様は、本発明に係る洗
浄方法の一実施態様であり、本発明がこれに限定されな
いことはいうまでもない。例えば、以下のような変更を
加えることができる。例えば上記図1に示した態様にお
いて、超音波の発振器1にケーブルで接続された投げ込
み振動子3を水槽底部に配置しているが、投げ込み振動
子を用いずに、底部に振動子と発振器を埋め込んだ水槽
を直接用いてもよい。また、振動子を複数用いてもよ
い。さらに、上記図1に示した態様においては、振動子
3を固定し、無機繊維布帛4を脱気水6中で走行させる
ことで連続的に処理しているが、逆に無機繊維布帛4を
固定し、振動子3を脱気水6中で走行させることで回分
的(バッチ式)に処理してもよい。また、図2に示すよ
うに、超音波照射槽2の中で無機繊維布帛4を幾重にも
折り重ねてもよい。さらに、振動子3を超音波照射槽2
の壁面に配置し、無機繊維布帛4を前記壁面に平行とな
るように走行させ、無機繊維布帛4に対し略垂直に超音
波を照射することができる装置を用いても、本発明に係
る洗浄方法を実施することができる。
浄方法の一実施態様であり、本発明がこれに限定されな
いことはいうまでもない。例えば、以下のような変更を
加えることができる。例えば上記図1に示した態様にお
いて、超音波の発振器1にケーブルで接続された投げ込
み振動子3を水槽底部に配置しているが、投げ込み振動
子を用いずに、底部に振動子と発振器を埋め込んだ水槽
を直接用いてもよい。また、振動子を複数用いてもよ
い。さらに、上記図1に示した態様においては、振動子
3を固定し、無機繊維布帛4を脱気水6中で走行させる
ことで連続的に処理しているが、逆に無機繊維布帛4を
固定し、振動子3を脱気水6中で走行させることで回分
的(バッチ式)に処理してもよい。また、図2に示すよ
うに、超音波照射槽2の中で無機繊維布帛4を幾重にも
折り重ねてもよい。さらに、振動子3を超音波照射槽2
の壁面に配置し、無機繊維布帛4を前記壁面に平行とな
るように走行させ、無機繊維布帛4に対し略垂直に超音
波を照射することができる装置を用いても、本発明に係
る洗浄方法を実施することができる。
【0018】上述した本発明に係る洗浄方法が適用され
る無機繊維布帛としては、特に限定されないが、ガラス
繊維、炭素繊維またはアルミナ繊維などからなる布帛が
挙げられる。本発明に係る洗浄方法は、特にガラス繊維
布帛に適用するのが好ましい。上記ガラス繊維布帛を構
成するガラス繊維は、いかなるガラス成分からなるもの
でもよいが、例えばEガラス、Cガラス、Sガラス等か
らなるものが好ましい。なかでも、無アルカリガラスの
Eガラスは、プリント配線基板用に使用するガラス繊維
織物に適したガラスであるため、本発明で用いるガラス
として特に好適である。
る無機繊維布帛としては、特に限定されないが、ガラス
繊維、炭素繊維またはアルミナ繊維などからなる布帛が
挙げられる。本発明に係る洗浄方法は、特にガラス繊維
布帛に適用するのが好ましい。上記ガラス繊維布帛を構
成するガラス繊維は、いかなるガラス成分からなるもの
でもよいが、例えばEガラス、Cガラス、Sガラス等か
らなるものが好ましい。なかでも、無アルカリガラスの
Eガラスは、プリント配線基板用に使用するガラス繊維
織物に適したガラスであるため、本発明で用いるガラス
として特に好適である。
【0019】本発明で用いる無機繊維布帛を構成する無
機繊維は、いかなる形態をとっていてもよい。すなわ
ち、フィラメントであってもよいし、フィラメントを複
数本あわせて得られるヤーン(ストランドともいう)で
あっても良い。また、フィラメントは、長繊維であって
もよいし、短繊維を紡糸したものであってもよい。単繊
維を紡糸する際には、集束剤(一次バインダー)が付与
されることが多い。無機繊維布帛がガラス繊維布帛の場
合は、直径約3〜13μm程度のガラスフィラメントを
約50〜400本程度束ねたヤーンを用いることが好ま
しい。
機繊維は、いかなる形態をとっていてもよい。すなわ
ち、フィラメントであってもよいし、フィラメントを複
数本あわせて得られるヤーン(ストランドともいう)で
あっても良い。また、フィラメントは、長繊維であって
もよいし、短繊維を紡糸したものであってもよい。単繊
維を紡糸する際には、集束剤(一次バインダー)が付与
されることが多い。無機繊維布帛がガラス繊維布帛の場
合は、直径約3〜13μm程度のガラスフィラメントを
約50〜400本程度束ねたヤーンを用いることが好ま
しい。
【0020】本発明で用いられる無機繊維布帛として
は、織物または編物などが挙げられる。中でも、本発明
に係る洗浄方法は、特に無機繊維織物に適用するのが好
ましい。上記無機繊維織物の織組織としては、特に限定
されず、例えば、平織、朱子織、綾織、横縞織、からみ
織または斜こ織などが挙げられる。本発明にかかる洗浄
方法は、特に、平織のガラス繊維織物に対して適用する
のが好ましい。また、上記無機繊維編物の編み組織とし
ては、特に限定されず、例えば、平編み、ゴム編みもし
くはパール編みなどの横編み、シングルデンビー編みも
しくはシングルデンビー編みなどの縦編み、またはレー
ス編み等が挙げられる。
は、織物または編物などが挙げられる。中でも、本発明
に係る洗浄方法は、特に無機繊維織物に適用するのが好
ましい。上記無機繊維織物の織組織としては、特に限定
されず、例えば、平織、朱子織、綾織、横縞織、からみ
織または斜こ織などが挙げられる。本発明にかかる洗浄
方法は、特に、平織のガラス繊維織物に対して適用する
のが好ましい。また、上記無機繊維編物の編み組織とし
ては、特に限定されず、例えば、平編み、ゴム編みもし
くはパール編みなどの横編み、シングルデンビー編みも
しくはシングルデンビー編みなどの縦編み、またはレー
ス編み等が挙げられる。
【0021】上記のような無機繊維布帛は、公知の方法
で製造することができる。例えばガラス繊維織物は、上
記のようなガラスフィラメントを複数本合わせて得られ
るガラスヤーンを整経工程、糊付工程にかけた後、製織
して得られる。上記糊付工程では、縦糸に対して集束剤
(二次バンダー)を付与することが好ましい。かかる集
束剤としては、例えば、でんぷん、界面活性剤、潤滑
剤、合成油剤、ポバールまたはアクリル系ポリマーなど
が挙げられる。上述の紡糸時に用いられる集束剤(一次
バインダー)も、前記のものを用いればよい。
で製造することができる。例えばガラス繊維織物は、上
記のようなガラスフィラメントを複数本合わせて得られ
るガラスヤーンを整経工程、糊付工程にかけた後、製織
して得られる。上記糊付工程では、縦糸に対して集束剤
(二次バンダー)を付与することが好ましい。かかる集
束剤としては、例えば、でんぷん、界面活性剤、潤滑
剤、合成油剤、ポバールまたはアクリル系ポリマーなど
が挙げられる。上述の紡糸時に用いられる集束剤(一次
バインダー)も、前記のものを用いればよい。
【0022】本発明で用いられる無機繊維布帛は、その
厚さ、単位面積当りの重さ、経糸と緯糸など使用する糸
の単位長さ当りの本数は限定されるものではなく、いか
なるものでも使用できる。無機繊維布帛がガラス繊維織
物であって、かつ該ガラス繊維織物をプリント配線基板
の基材として用いる場合は、日本工業規格のJISR−
3414やアメリカ軍用規格(MIL規格)に該当する
ものが好ましい。上記の規格に該当するガラス繊維織物
の厚さとしては、約20〜300μm程度であり、重さ
としては、約20〜350g/m2程度である。
厚さ、単位面積当りの重さ、経糸と緯糸など使用する糸
の単位長さ当りの本数は限定されるものではなく、いか
なるものでも使用できる。無機繊維布帛がガラス繊維織
物であって、かつ該ガラス繊維織物をプリント配線基板
の基材として用いる場合は、日本工業規格のJISR−
3414やアメリカ軍用規格(MIL規格)に該当する
ものが好ましい。上記の規格に該当するガラス繊維織物
の厚さとしては、約20〜300μm程度であり、重さ
としては、約20〜350g/m2程度である。
【0023】また、本発明で用いられる無機繊維布帛と
しては、1種類の繊維のみからなるものであってもよ
く、また2種類以上の繊維からなるものであってもよ
い。後者の場合、無機繊維を2種類以上組み合わせても
よいし、無機繊維と有機繊維またはセラミック繊維とを
組み合わせてもよい。組み合わせる有機繊維としては、
剛直性を有する樹脂からなる繊維であれば特に限定され
ないが、例えば芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリ
エステル繊維などが挙げられる。より詳しくは、芳香族
ポリアミド繊維としては、ポリ−p−フェニレンテレフ
タルアミドまたはポリ−m−フェニレンテレフタルアミ
ドなどからなる繊維が挙げられる。芳香族ポリエステル
繊維としては、ポリアルキレンテレフタレート、ポリア
ルキレンイソフタレートまたはポリアルキレンナフタレ
ート等の樹脂からなる繊維が挙げられる。特に、テレフ
タル酸、イソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体
と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールまた
はそのエステル形成性誘導体とから得られる重合体また
は共重合体からなる繊維が芳香族ポリエステル繊維とし
て好ましい。
しては、1種類の繊維のみからなるものであってもよ
く、また2種類以上の繊維からなるものであってもよ
い。後者の場合、無機繊維を2種類以上組み合わせても
よいし、無機繊維と有機繊維またはセラミック繊維とを
組み合わせてもよい。組み合わせる有機繊維としては、
剛直性を有する樹脂からなる繊維であれば特に限定され
ないが、例えば芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリ
エステル繊維などが挙げられる。より詳しくは、芳香族
ポリアミド繊維としては、ポリ−p−フェニレンテレフ
タルアミドまたはポリ−m−フェニレンテレフタルアミ
ドなどからなる繊維が挙げられる。芳香族ポリエステル
繊維としては、ポリアルキレンテレフタレート、ポリア
ルキレンイソフタレートまたはポリアルキレンナフタレ
ート等の樹脂からなる繊維が挙げられる。特に、テレフ
タル酸、イソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体
と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールまた
はそのエステル形成性誘導体とから得られる重合体また
は共重合体からなる繊維が芳香族ポリエステル繊維とし
て好ましい。
【0024】本発明に係る洗浄方法は、種々の無機繊維
布帛を用いた製品の製造工程において適用することがで
きる。例えば、上記したような無機繊維布帛、特に無機
繊維織物の表面を樹脂でコーティングする場合に、予め
本発明に係る洗浄方法を行うのが好ましい。それによ
り、平滑な樹脂コーティングが可能になる。また、上記
したような無機繊維布帛、特に無機繊維織物にフィルム
をラミネートする場合にも予め本発明に係る洗浄方法を
行うのが好ましい。それにより、平滑なフィルム面が得
られ、見映え、特に透過光による見映えが向上するとい
う利点がある。
布帛を用いた製品の製造工程において適用することがで
きる。例えば、上記したような無機繊維布帛、特に無機
繊維織物の表面を樹脂でコーティングする場合に、予め
本発明に係る洗浄方法を行うのが好ましい。それによ
り、平滑な樹脂コーティングが可能になる。また、上記
したような無機繊維布帛、特に無機繊維織物にフィルム
をラミネートする場合にも予め本発明に係る洗浄方法を
行うのが好ましい。それにより、平滑なフィルム面が得
られ、見映え、特に透過光による見映えが向上するとい
う利点がある。
【0025】さらに、本発明に係る洗浄方法は、プリン
ト配線基板用の積層板を製造する工程においても適用で
きる。無機繊維布帛のうち織物を基板として用いたプリ
ント配線基板用積層板は、上述したように(a)無機繊
維を整経工程、糊付工程にかけた後、製織して無機繊維
織物を得る工程、(b)所望により、ヒートクリーニン
グ処理などにより集束剤を除去する工程、(c)カップ
リング剤で無機繊維織物を表面処理する工程、(d)乾
燥後、エポキシ樹脂などの樹脂を含浸する工程により製
造される。本発明に係る洗浄方法は、上記いずれの段階
の前または後、または同時に行ってよい。なかでも、上
記(a)の製織工程後、または上記(c)のカップリン
グ処理後に行うのが好ましい。特に、上記(c)のカッ
プリング処理後に行うのがより好ましい。
ト配線基板用の積層板を製造する工程においても適用で
きる。無機繊維布帛のうち織物を基板として用いたプリ
ント配線基板用積層板は、上述したように(a)無機繊
維を整経工程、糊付工程にかけた後、製織して無機繊維
織物を得る工程、(b)所望により、ヒートクリーニン
グ処理などにより集束剤を除去する工程、(c)カップ
リング剤で無機繊維織物を表面処理する工程、(d)乾
燥後、エポキシ樹脂などの樹脂を含浸する工程により製
造される。本発明に係る洗浄方法は、上記いずれの段階
の前または後、または同時に行ってよい。なかでも、上
記(a)の製織工程後、または上記(c)のカップリン
グ処理後に行うのが好ましい。特に、上記(c)のカッ
プリング処理後に行うのがより好ましい。
【0026】上記(c)のカップリング処理に用いられ
るカップリング剤としては、有機シラン化合物が好まし
い。有機シラン化合物としては、特に限定されないが、
例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾリンシラ
ン、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランもしくはN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等
のアミノシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等のエポキシシラン類;γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン等のクロルシラン類;γ−メタクリ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシ
ラン類;または、ビニルトリメトキシシランもしくはビ
ニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類などが挙げ
られる。
るカップリング剤としては、有機シラン化合物が好まし
い。有機シラン化合物としては、特に限定されないが、
例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾリンシラ
ン、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランもしくはN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等
のアミノシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等のエポキシシラン類;γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン等のクロルシラン類;γ−メタクリ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシ
ラン類;または、ビニルトリメトキシシランもしくはビ
ニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類などが挙げ
られる。
【0027】上記のようなカップリング剤の基材である
無機繊維織物への付着量は、約0.01〜2重量%程
度、好ましくは約0.1〜1重量%程度が好適である。
本発明に係る洗浄方法を用いれば、過剰なカップリング
剤を効果的に除去することができ、カップリング剤の基
材である無機繊維織物への付着量を上記範囲に抑えるこ
とができる。
無機繊維織物への付着量は、約0.01〜2重量%程
度、好ましくは約0.1〜1重量%程度が好適である。
本発明に係る洗浄方法を用いれば、過剰なカップリング
剤を効果的に除去することができ、カップリング剤の基
材である無機繊維織物への付着量を上記範囲に抑えるこ
とができる。
【0028】プリント配線基板用の積層板を製造する工
程において本発明に係る洗浄方法を用いることにより、
基材である無機繊維布帛、好ましくは無機繊維織物の中
に存在する不純物が減ることから、樹脂含浸性が向上す
る。なお、無機繊維布帛に含浸される樹脂としては、例
えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはポリ
イミド樹脂など、当技術分野で通常用いられている樹脂
が挙げられる。
程において本発明に係る洗浄方法を用いることにより、
基材である無機繊維布帛、好ましくは無機繊維織物の中
に存在する不純物が減ることから、樹脂含浸性が向上す
る。なお、無機繊維布帛に含浸される樹脂としては、例
えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはポリ
イミド樹脂など、当技術分野で通常用いられている樹脂
が挙げられる。
【0029】
【実施例】〔実施例1〕まず電解陰イオン水(pH1
2)を減圧タンクに入れ、真空ポンプを用いて減圧
(0.1torr)し、15分間保持することにより脱
気水を生成した。かかる脱気水中の溶存酸素は0.5p
pmであった。得られた脱気水6で超音波照射槽2を満
たし、ついで案内ロール8、含浸ロール5、送りロール
7の順にガラスクロス4(IPC:スタイル#762
8)をセットした。セットしたガラスクロス4を脱気水
6中で12m毎分の速度で走行させながら、発振器1に
より振動する振動子3から超音波を照射した。超音波照
射時間は5秒であった。かかる処理における超音波は、
周波数が170kHz、出力密度が40W/Lであっ
た。以上のようにして、ガラスクロス4を洗浄すること
ができた。
2)を減圧タンクに入れ、真空ポンプを用いて減圧
(0.1torr)し、15分間保持することにより脱
気水を生成した。かかる脱気水中の溶存酸素は0.5p
pmであった。得られた脱気水6で超音波照射槽2を満
たし、ついで案内ロール8、含浸ロール5、送りロール
7の順にガラスクロス4(IPC:スタイル#762
8)をセットした。セットしたガラスクロス4を脱気水
6中で12m毎分の速度で走行させながら、発振器1に
より振動する振動子3から超音波を照射した。超音波照
射時間は5秒であった。かかる処理における超音波は、
周波数が170kHz、出力密度が40W/Lであっ
た。以上のようにして、ガラスクロス4を洗浄すること
ができた。
【0030】〔実施例2〕超音波照射槽2に電解陰イオ
ン水の代わりに純水を用いて真空脱気した水を入れた以
外は実施例1と全く同様にしてガラスクロスを処理し
た。
ン水の代わりに純水を用いて真空脱気した水を入れた以
外は実施例1と全く同様にしてガラスクロスを処理し
た。
【0031】〔比較例1〕超音波照射槽2に脱気水の代
わりに純水を入れた以外は実施例1と全く同様にしてガ
ラスクロスを処理した。
わりに純水を入れた以外は実施例1と全く同様にしてガ
ラスクロスを処理した。
【0032】〔試験例〕実施例1および2、比較例1で
得られたガラスクロスの洗浄の程度を調べるため、樹脂
の含浸性を光透過法にて評価した。かかる評価方法を以
下に示す。まず、トリアセテートフィルムを貼ったガラ
ス板の透過光の強度を測定した。次いで、トリアセテー
トフィルムを貼ったガラス板に上記ガラスクロスを置
き、その上から一定量のエポキシ樹脂をのせてから3分
後の透過光の強度を測定した。エポキシ樹脂含浸前の光
の強度に対するエポキシ樹脂含浸後の光の強度の比を百
分率で表した値を光透過率とした。含浸性が高い場合に
は、光透過率の値が大きくなる。従って、透過率の値が
大きいほど、ガラスクロスに付着している不純物が除か
れ、よりきれいに洗浄されていることになる。なお、エ
ポキシ樹脂としては、NBMA規格のFR−4組成のエ
ポキシ樹脂のメチルセロソルブ溶液を用いた。すなわ
ち、前記溶液には、エポキシ樹脂100重量部に対し5
0重量部のメチルセロソルブが混合されている。その結
果を下記表に示す。
得られたガラスクロスの洗浄の程度を調べるため、樹脂
の含浸性を光透過法にて評価した。かかる評価方法を以
下に示す。まず、トリアセテートフィルムを貼ったガラ
ス板の透過光の強度を測定した。次いで、トリアセテー
トフィルムを貼ったガラス板に上記ガラスクロスを置
き、その上から一定量のエポキシ樹脂をのせてから3分
後の透過光の強度を測定した。エポキシ樹脂含浸前の光
の強度に対するエポキシ樹脂含浸後の光の強度の比を百
分率で表した値を光透過率とした。含浸性が高い場合に
は、光透過率の値が大きくなる。従って、透過率の値が
大きいほど、ガラスクロスに付着している不純物が除か
れ、よりきれいに洗浄されていることになる。なお、エ
ポキシ樹脂としては、NBMA規格のFR−4組成のエ
ポキシ樹脂のメチルセロソルブ溶液を用いた。すなわ
ち、前記溶液には、エポキシ樹脂100重量部に対し5
0重量部のメチルセロソルブが混合されている。その結
果を下記表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明に係る洗浄方法によれば、製織時
に発生する毛羽などを無機繊維布帛から効果的に除去す
ることができる。その結果、平滑性の高い無機繊維布帛
を得ることができる。特に、かかる平滑性の高い無機繊
維布帛、特に無機繊維織物をプリント配線基板用積層板
の基材として用いることにより、表面平滑性の高いプリ
ント配線基板を得ることができる。また、本発明に係る
洗浄方法が適用された上記無機繊維布帛は、不純物の含
有量が少ないので、樹脂含浸性がよく、その結果、機械
的強度、寸法安定性およびドリル特性などに優れたプリ
ント配線基板が得られる。
に発生する毛羽などを無機繊維布帛から効果的に除去す
ることができる。その結果、平滑性の高い無機繊維布帛
を得ることができる。特に、かかる平滑性の高い無機繊
維布帛、特に無機繊維織物をプリント配線基板用積層板
の基材として用いることにより、表面平滑性の高いプリ
ント配線基板を得ることができる。また、本発明に係る
洗浄方法が適用された上記無機繊維布帛は、不純物の含
有量が少ないので、樹脂含浸性がよく、その結果、機械
的強度、寸法安定性およびドリル特性などに優れたプリ
ント配線基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る洗浄方法を実施するための装置
の一態様を示す模式図である。
の一態様を示す模式図である。
【図2】 本発明に係る洗浄方法を実施するための装置
の他の態様を示す模式図である。
の他の態様を示す模式図である。
1 発振器
2 超音波照射槽
3 振動子
4 無機繊維織物
5 含浸ロール
6 脱気水
7 送りロール
8 案内ロール
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 白木 綾子
岐阜県不破郡垂井町2210 ユニチカグラス
ファイバー株式会社垂井工場内
Fターム(参考) 3B154 AA13 AB20 BA17 BB28 BB47
BB70 BE05 BF22 BF30 DA18
DA30
3B201 AA08 AB13 AB47 BB02 BB83
BB89 BB93
Claims (6)
- 【請求項1】 脱気水の存在下で、無機繊維布帛を超音
波で処理することを特徴とする無機繊維布帛の洗浄方
法。 - 【請求項2】 無機繊維布帛を脱気水中に浸漬させ、か
つ脱気水中で前記無機繊維布帛を走行させながら、超音
波で処理することを特徴とする請求項1に記載の無機繊
維布帛の洗浄方法。 - 【請求項3】 無機繊維布帛が、ガラス繊維織物である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無機繊維布
帛の洗浄方法。 - 【請求項4】 超音波が、100〜200kHzの周波
数を有することを特徴とする請求項1〜3に記載の無機
繊維布帛の洗浄方法。 - 【請求項5】 脱気水中の溶存気体が1ppm以下であ
ることを特徴とする請求項1〜4に記載の無機繊維布帛
の洗浄方法。 - 【請求項6】 脱気水の生成に用いる水が電解陰イオン
水であることを特徴とする1〜5に記載の無機繊維布帛
の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288595A JP2003096659A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 無機繊維布帛の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288595A JP2003096659A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 無機繊維布帛の洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003096659A true JP2003096659A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19111217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001288595A Pending JP2003096659A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 無機繊維布帛の洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003096659A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007224218A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Maeda Kosen Co Ltd | 洗浄液組成物及び繊維布材の洗浄方法 |
US7497099B2 (en) * | 2003-10-06 | 2009-03-03 | Star Cluster Co., Ltd. | Ultrasonic washing method for clothes |
JP2009091668A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Arisawa Mfg Co Ltd | サイジング剤の除去方法並びに糸,繊維体及びプリプレグ |
CN104399709A (zh) * | 2014-12-16 | 2015-03-11 | 张家港锦亿化纤有限公司 | 生产化纤用超声波清洗装置 |
CN108018610A (zh) * | 2017-12-19 | 2018-05-11 | 无锡其宏包装材料厂 | 一种纤维丝板清洗装置 |
CN109610117A (zh) * | 2011-08-01 | 2019-04-12 | 伊利诺斯工具制品有限公司 | 用于准备吸附性基底的工艺以及用于基底的集成处理系统 |
JP7554949B2 (ja) | 2022-03-08 | 2024-09-20 | 旭化成株式会社 | ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板 |
-
2001
- 2001-09-21 JP JP2001288595A patent/JP2003096659A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7497099B2 (en) * | 2003-10-06 | 2009-03-03 | Star Cluster Co., Ltd. | Ultrasonic washing method for clothes |
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CN108018610A (zh) * | 2017-12-19 | 2018-05-11 | 无锡其宏包装材料厂 | 一种纤维丝板清洗装置 |
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