JP2005206170A - ストローの差込が可能な酸素吸収性キャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 頂板部及び頂板部から垂下するスカート部から成り、該頂板部に開口部が設けられて成るキャップシェルと、該開口部を覆うように形成されるライナーから成るキャップにおいて、前記ライナーは、開口部に対応する部分に穿孔可能な薄肉部が形成されていると共に酸素吸収剤を含有する樹脂からなり、該キャップシェルとライナーとが一体成形により形成されていることを特徴とするキャップ。
【選択図】 図1
Description
またこのタイプのキャップにおいては、キャップシェルに開口部が形成され、かかる部分が薄肉部を有するライナーで覆われているだけであるので、薄肉部の厚みなどによっては、頂板部に開口のない通常のキャップシェルを有するものに比して外部から透過する酸素が多い可能性もあり、キャップ内の残存酸素と共に外部からの侵入酸素をも有効に捕捉して、内容物の保存性及び香味保持性を向上することが好ましい。
本発明のキャップにおいては、
1.ライナーが、キャップシェル内で圧縮成形又は射出成形されることにより一体成形されていること、
2.キャップシェルの頂板部内面には、頂板部と一体に形成されたシール部が設けられており、前記開口部がシール部で区画される頂板部に形成されていると共に、シール部で区画される頂板部内面にライナーが形成されていること、
3.ライナーがキャップシェル頂板部内面のほぼ全面を覆うように形成されていること、
が好ましい。
更に螺子キャップにおいて、キャップシェル頂板部内面に設けられたシール部で区画される頂板部中央にのみ酸素吸収剤が配合されたライナーを設けることにより、酸素吸収剤配合による開栓トルクの上昇を防止でき、開栓性にも優れたものとなる。
尚、本発明において頂板部に一体に形成されたシール部は、インナーリング及び/又はアウターリング、更には小突条から形成されていることが好ましい。
また本発明によれば、内容物の保存性及び香味保持性に優れたキャップを提供できる。
更に本発明によれば、キャップシェルとライナーとを別の素材から形成できるので、ライナーにはストローによる穿孔性及びキャップシェルには耐熱性をそれぞれ付与することが可能となり、内容液を高温充填する、所謂ホットパック用の容器にも適用し得るキャップを提供できる。
図1は、本発明のキャップの一例を示す図であり、(A)は上面図、(B)は側断面図を示す。また図2は、図1に示すキャップにストローを差し込んだ状態の図であり、(A)は上面図、(B)は左半分が側断面図、右半分が側面図を示す。
全体を1で示す本発明のキャップは、概略的に言って合成樹脂から成るキャップシェル2とライナー20から成っている。尚、このライナー20は、後述するように、酸素吸収剤を含有する樹脂から成っている。
キャップシェル2は、頂板部3、頂板部3の周縁から垂下するスカート部4から成り、頂板部3の中央部には開口部5が形成されている。頂板部3の内面側には、容器口部内周面に密着するインナーリング6、容器口部外周面に密着するアウターリング7、インナーリング6とアウターリング7の間に位置し容器口部天面に密着する小突条8が形成されている。
スカート部4には容器口部(図示せず)の螺子部と螺合するための螺子部9が形成されており、またスカート部下方には、破断可能な弱化部10を介してタンパーエビデントバンド11が形成されている。
図1に示すように、ライナー20には、中央部に円形薄肉部21及び円形薄肉部21よりも外側且つキャップシェル開口部5の端縁12よりも内側で、円形薄肉部21と同心状の環状薄肉部22が形成され、円形薄肉部21から環状薄肉部22に向かって放射状に延びる放射状薄肉部23がキャップ内面側からの加工により形成されている。また、隣り合う放射状薄肉部23で区画される扇形部分には厚肉部24が、また環状薄肉部22の外側には、環状厚肉部25が形成されている。環状薄肉部22は円形薄肉部21及び放射状薄肉部23よりも厚肉であることが特に好適であり、これによりストロー差込の際に環状薄肉部22の破断により厚肉部24が容器内に脱落することが有効に防止できる。
また勿論、キャップ1を回転させて容器口部(図示せず)から取外せば、容器口部から直接内容物を取出すことができ、この場合、キャップ1を回転上昇させることにより、タンパーエビデントバンド11の内面側に設けられたフラップ片13が容器口部の係合突起と係合するため、弱化部10が破断され、タンパーエビデントバンド11は容器口部側に残り、これにより一端開封されたものであることが明示される。
本発明においては、キャップシェルには開口部5が形成され、しかもこの開口部を覆うライナー20には、円形薄肉部21、環状薄肉部22及び放射状薄肉部23が形成されているため、外部からの酸素透過が問題になるが、前述した通り、ライナー20は酸素吸収剤を含有する樹脂から成っているため、キャップ内の残存酸素は勿論、外部からの透過酸素をライナーで捕捉することができ、キャップ内に酸素が侵入することが有効に防止されている。
図2に示す態様においても図1に示した態様と同様に、ライナー20に薄肉部が形成されているが、ライナーが酸素吸収剤を含有するので、キャップ内の残存酸素は勿論、薄肉部を通して侵入しようとする透過酸素をライナーで有効に捕捉することが可能となるのである。
本発明において、キャップシェルの形状は、頂板部中央に開口部が形成されている限り、任意の形状を採用することができ、螺子タイプのもの或いは容器口部及びキャップ内面に設けられた係合突起同士の係合によるタイプのもの等を挙げることができ、更に、密封性の確保もインナーリング及び/又はアウターリング及び小突条との組み合わせによるもの、或いはライナーによるものの何れでもよい。
尚、螺子タイプのキャップにおいては、酸素吸収剤配合ライナーによる開栓トルクの上昇を防止するために、図1及び図2に示すように、キャップシェル頂板部内面にインナーリングが形成され、インナーリングで区画される頂板部内面にライナーが形成されるものであることが望ましいが、酸素吸収剤配合ライナーでシール部を一体に形成してもかまわない。
本発明のライナーに配合することができる酸素吸収剤としては、還元性でしかも実質上水に不溶なものが好ましく、その適当な例としては、還元性を有する金属粉、金属低位酸化物などの他、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、亜硫酸塩、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エルカ酸、及びこれらの塩類、或いはトコフェロールと電子供与物質との組み合わせ、また多価フェノールを骨格内に有する高分子化合物、例えば多価フェノール含有フェノール・アルデヒド樹脂や、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マルトース、セロビオースなどの糖類と電子供与物質、特に塩基性物質或いはグルコースオキシターゼ等の糖類酸化酵素との組み合わせ等、従来公知の任意の酸素吸収剤を用いることができる。
これらの中でも特に亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロールを好適に用いることができる。酸素吸収剤として鉄系の酸素吸収剤を用いた場合には、内容物への鉄の溶出を防止するため被覆層を設ける必要があるが、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やトコフェロールなどは、内容液の味覚等に与える影響が極めて少ないため、被覆層を設ける必要がないので好ましい。
尚、用いる酸素吸収剤の種類によっても異なるが、酸素吸収剤はライナー用樹脂中5乃至40重量%、特に5乃至25重量%の量で含有されていることが、酸素吸収性、成形性の点から望ましい。
酸素吸収剤を配合すべきライナー用樹脂としては、インシェルモールドが可能な従来公知の熱可塑性樹脂を好適に使用することができる。例えば、ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン系共重合体(アイオノマー)等のオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、水素化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のゴムオレフィン系エラストマー;SBSエラストマー、ブチルゴム、SBR等の一種又は二種以上の各種軟質プラスチックや、軟質塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。
キャップシェルが合成樹脂から成る場合には、2色成形等によりキャップシェルの成形と、ライナーの成形及びライナーのキャップシェル内へのセッティングを同時に行うことができる。また先にキャップシェルを圧縮成形し、このキャップシェルを圧縮成形型の一部としてライナー形成用樹脂を圧縮成形することによってもライナーの成形とセッティングを同時に行うことができる。
またキャップシェルが金属から成る場合には、予めプレス成形などによりキャップシェルを成形して、合成樹脂から成るキャップシェルの場合と同様に、ライナー用樹脂を圧縮成形又は射出成形することによってライナーの成形とセッティングを同時に行うことができる。
また図1の環状薄肉部22や図2の薄肉基部29のように、破断されない薄肉部の厚みは、上記薄肉部の肉厚よりも大きいことが隣り合う放射状薄肉部で区画される厚肉部24の容器内への脱落を防止する上で好ましく、一般に上記薄肉部の厚みよりも厚く且つ0.25乃至0.5mmの範囲にあることが好ましい。
またキャップシェル頂板部に設けられる開口の大きさ(直径)は、穿孔に用いるストローの大きさなどによって相違するが、直径4乃至8mm程度のストローを用いる場合には、キャップシェルの頂板部の直径の35乃至55%の範囲にあることが好ましい。上記範囲よりも大きい場合には開口部のライナーが衝撃などにより予定外に破断してしまう可能性が高くなり、一方上記範囲よりも小さい場合にはストローによる穿孔が困難になるおそれがある。
5 開口部、6 インナーリング、7 アウターリング、8 小突条、9 螺子部、 10 弱化部、20 ライナー、21 中央薄肉部、22 環状薄肉部、
23 放射状薄肉部、24 厚肉部、25 環状厚肉部、26 円弧状主部、
27 付加部、28 開口領域、29 薄肉の基部。
Claims (4)
- 頂板部及び頂板部から垂下するスカート部から成り、該頂板部に開口部が設けられて成るキャップシェルと、該開口部を覆うように形成されるライナーから成るキャップにおいて、
前記ライナーは、開口部に対応する部分に穿孔可能な薄肉部が形成されていると共に酸素吸収剤を含有する樹脂からなり、該キャップシェルとライナーとが一体成形により形成されていることを特徴とするキャップ。 - 前記ライナーが、キャップシェル内で圧縮成形又は射出成形されることにより一体成形されている請求項1記載のキャップ。
- 前記キャップシェルの頂板部内面には、頂板部と一体に形成されたシール部が設けられており、前記開口部がシール部で区画される頂板部に形成されていると共に、シール部で区画される頂板部内面にライナーが形成されている請求項1又は2に記載のキャップ。
- 前記ライナーがキャップシェル頂板部内面のほぼ全面を覆うように形成されている請求項1又は2に記載のキャップ。
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