JP2005205397A - 流体供給ノズル、基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 形成されたパターンに対するダメージを抑制しながら、均一であり且つ処理効率の高い基板の流体処理を行なう。また、基板処理装置の構成を単純化する。
【解決手段】 流体供給ノズル100は、流体が流入する流体流入部101と、流体を蓄積する液溜め部102と、流体流入部101と液溜め部102との間に設けられ、流速を低減しながら流体を液溜め部102に流入させるためのオリフィス103aを有する流速調整壁103と、液溜め部102に加わる流体の圧力によって流体を吐出するためのスリット105を有する吐出部104とを備える。基板処理装置は、このような流体供給ノズル100を用いて構成する。
また、基板処理方法は、連続した一層の膜状に流体を吐出して基板上に供給することにより基板の処理を行なう工程を含む。このために、流体供給ノズル100を用いることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、流体供給ノズルに関するものであり、特に、半導体装置又はフラットディスプレイパネル(液晶表示装置及びPDP(Plasma display panel)等)等の基板処理に用いる流体供給ノズルと、それを用いた基板処理装置及び基板処理方法に関する。
半導体装置の製造工程における半導体基板の流体を用いた基板処理には、半導体基板のウエットエッチングのみならず、種々の流体による半導体基板洗浄等があり、その処理は半導体装置製造工程の随所で行われている。従来は、複数枚のウエハを同時に流体槽に浸漬し、ウエットエッチングまたは洗浄処理を行うバッチ式の処理方法が多く採用されていた。しかし、このようなバッチ式の処理方法では、半導体基板の処理枚数の多少に関わらず大きな流体処理槽が必要となるため、半導体基板の大口径化に伴って製造装置全体が大型化してしまうという課題を有していた。
また、複数の半導体基板に対してバッチ式の処置装置で同時に処理を行っても、次工程が枚葉式処理装置を用いる工程である場合、半導体基板毎に処理待ち時間が異なることになる。この結果、ウエットエッチング処理の後に処理待ち時間が長くなった半導体基板については、半導体基板表面上の自然酸化膜の発生等、半導体装置のデバイス特性を左右する不都合な現象が発生することとなる。
そこで、流体を用いた基板処理装置においても、他工程と同様、半導体基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が提案されている。
枚葉式の流体を用いた基板処理装置は、処理チャンバー内において、回転テーブルに装着した半導体基板を回転させながら、半導体基板中央位置付近に設置された流体供給ノズルから流体を半導体基板表面あるいは裏面に一定時間供給し、半導体基板のウエットエッチング又は表面処理等を行う装置である。しかしながら、枚葉式の流体を用いた基板処理装置についても、半導体基板の大口径化に伴い以下のような課題が発生している。
つまり、半導体基板の中心部には大量の清浄な流体が供給され半導体基板表面が十分に流体処理されるのに対して、半導体基板の外周部に行くほど単位面積あたりの処理流体量が減少する。さらに、流体も吐出直後に比較して外周部に行くほど劣化した状態となり、半導体基板面内における処理の均一化が難しくなる。
この課題を解決するための枚葉式基板処理装置が例えば特許文献1において提案されている。以下、これについて、図面を参照しながら説明する。
図13は、従来の流体を用いた枚葉式基板処理装置の概略構成図である。
処理チャンバー10内に回転テーブル11が設置され、回転テーブル11は駆動部12に接続されて駆動部12の回転動作によって回転できるようになっている。
シリコン基板13は回転テーブル11上に設置され、回転テーブル11と共に回転する。
処理チャンバー10内の上部に設置された流体供給ノズル14は、流体15をシリコン基板13上に供給すると共に、ノズル調整機構16によって角度及び方向等を制御されている。ここでは、流体15とは薬液及び純水等の液体のことである。
また、流体15はポンプ装置17によって流体供給ノズル14に供給されており、ポンプ装置17及びノズル調整機構16は制御システム18によって制御されている。このようにして、シリコン基板13上に供給される流体15の流量等を処理に応じて最適な状態に制御するようになっている。
シリコン基板13の処理に用いられた流体15は、廃液ドレイン19を通して処理チャンバー10内から排出される。
このような処理装置による処理は、シリコン基板13を回転テーブル11上に設置し、回転しながら流体供給ノズル14によってシリコン基板13上に流体15を供給することによって行なう。
図13に示す基板処理装置は、シリコン基板13にける平面内の処理を均一化するための流体供給ノズル14の配置が用いられている。これについて、図14に一例を平面図として示す。
図14に示すように、シリコン基板13における中心付近の位置A、位置Aよりも外周寄りの位置B及び位置Bよりも更に外周に近い位置Cを考える。このとき、位置Aを狙って流体15を供給する流体供給ノズル14aは1本、位置Bを狙って流体15を供給する流体供給ノズル14bは2本、位置Cを狙って流体15を供給する流体供給ノズル14cは4本、それぞれ設置されている。つまり、流体供給ノズル14は合計7本用いられ、シリコン基板13における外周部に近い位置になるほど数を増やすように配置されている。
このようにすることにより、シリコン基板13の外周部に対しては流体15の流量を増やすことができるから、シリコン基板13上の全面に亘って均一に流体を供給することができる。
以上に加え、制御システム18によってノズル調整機構14及びポンプ装置17が制御され、流体供給ノズル14が流体15を吐出する方向及び角度、流体15の流量等がシリコン基板13に対して行なう処理に応じて最適となるように設定される。
このようにすることにより、回転テーブル11上に設置したシリコン基板13を回転させ、7本の流体供給ノズル14から流体15を供給すると、シリコン基板13上の全面に対して劣化していない流体15を供給することができる。この結果、シリコン基板13に対する処理の面内不均一性を軽減することができる。
尚、従来の基板処理装置における流体供給ノズルとしては、一般に、単純な管が用いられている。
また、基板全面の均一な処理を行なうための処理装置の別の例としては、例えば特許文献2の装置がある。
特許文献2の装置によると、シリコン基板13全面を覆うことが可能なように複数の流体供給ノズルと複数の流体回収ノズルとを配置している。
特開2002−151455号公報(第3−4頁、第1、2図) 特開2001−68449号公報
しかしながら、以上に説明した基板処理装置においては、基板の大口径化に伴いノズル本数が増加する。このため、装置構成が複雑になり、流体吐出に関して制御しなければならないパラメーターが増大する。この結果、基板の処理に最適な条件を決定するために非常に長い時間が必要になる。また、装置構成が複雑になると、流体供給ノズル又は流体供給配管等においてパーティクルが発生する等の問題が生じた場合、原因箇所を突き止めるのは困難になる。
更に、流体処理工程においては、複数の流体による流体処理を連続して行うことも多い。そこで、従来の基板処理装置においては、同一の処理チャンバー内において異なる流体を用いる処理を連続して行なうために、それぞれの流体を供給する個別の流体供給ノズルが設けられる。この結果、非常に多くの流体供給ノズルが設置されることになり、最適な処理条件のパラメーターを決定するのに要する時間が更に増大すると共に、装置のメンテナンス作業が非常に煩雑になる。
また、一般に単純な管である従来構造の流体供給ノズルを用いて流体を供給すると、流体供給ノズルを複数用いる処理方法であっても、基板の処理が基板上の領域によって不均一になる場合がある。これは、基板上において、流体供給ノズルから吐出された流体が直接衝突する領域と、そのような領域から流体が流動することによって流体と接触する領域とが存在するためである。
また、処理効率、処理速度及び処理の均一性等を向上するためには流体の流量を大きくする(このためには、例えば流体に加える吐出圧力を高くする)と共に、基板の回転速度を上げることが望まれる。このようにすると、基板上において流体が置換される速度(液置換性又は除去率という)が高くなるためである。
しかし、流体の流量を大きくすると、吐出された流体が基板に接触する際の物理的衝撃が大きくなり、基板上に形成されたパターンが倒れる又は剥離する等の基板に対するダメージが発生する。
更に、例えば超純水を用いた基板(ウエハ等)の洗浄処理等を行なう場合等において、回転している基板と超純水との摩擦によって電荷が発生して基板に蓄積され、基板内に電界が生じることがある。このような電界が大きくなり、基板内に形成された絶縁膜等の絶縁耐圧を越える電圧が発生すると、基板内に形成されたパターンが破壊される。ここで、基板の回転速度が速い場合、また、流体の吐出圧力が高い(流体の流量が大きい)場合に帯電しやすくなり、パターンの破壊が多くなる。これは、CO2 を添加して超純水の比抵抗値を下げる等の方法によって緩和が図られているが、そのようにする場合にも、基板の回転速度及び流体の吐出圧力によっては問題となる。
以上の課題に鑑み、本発明は、装置の構造を単純化すると共に、基板処理の効率、速度及び均一性を向上し且つ基板に対するダメージを軽減することができる基板処理方法、該方法に用いることのできる流体供給ノズル及び該流体供給ノズルを備えた基板処理装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係る流体供給ノズルは、流体が流入する流体流入部と、流体流入部に接続され、流体を蓄積する液溜め部と、流体流入部と液溜め部との間に設けられ、流速を低減しながら流体を通過させるためのオリフィスを有する流速調整壁と、液溜め部に接続され、オリフィスを通過した流体の圧力によって流体を吐出するためのスリットを有する吐出部とを備える。
本発明の流体供給ノズルによると、流体流入部に流入した流体は、流速調整壁が有するオリフィスを通ることによって流速を低減されながら液溜め部に移動する。このため、液溜め部の内部においては、流体流入部に流入する際の流速を持った流体による圧力が直接加わることはなく、流速調整壁によって流速を調整された流体の圧力が均一に加わる。このような均一な圧力によって吐出部が有するスリットから流体が吐出されるため、流体は膜状に吐出されると共に、吐出される際に膜の各部において流量が均一となる。
尚、スリットは、幅に対する長さの比が10以上である開口面を有することが好ましい。
このようにすると、流体を確実に膜状に供給することができる。ここで、スリットは例えば矩形状の開口面を有しているが、その長辺の寸法を長さ、短辺の寸法を幅というものとする。矩形以外の形状の開口部である場合にも、長い方の寸法を長さ、短い方の寸法を幅と呼ぶ。また、開口面とは、スリットにおける液溜め部とは反対側の端の面をいうものとする。
また、液溜め部は、スリットの開口面の長さ方向に対して垂直な断面において、液溜め部の内壁と流速調整壁との接点及び液溜め部の内壁とスリットとの接点を結ぶ直線に対し、流量調整壁と反対側に脹らんだ断面形状を有していることが好ましい。
このようにすると、液溜め部は十分多くの流体を溜めることができるため、液溜め部の内部において確実に圧力が均一に加わるようになり、流体を吐出の際に各部において流量が均一な膜状に吐出することが確実にできる。
また、液溜め部は、スリットの開口面の長さ方向に対して垂直な断面において、液溜め部の内壁と流速調整壁との接点及び液溜め部の内壁とスリットとの接点を結ぶ直線に対し、流量調整壁と反対側に曲線状に脹らんだ断面形状を有していることが好ましい。
このようにすると、液溜め部は十分多くの流体を溜めることができるため、液溜め部の内部において確実に圧力が均一に加わるようになる。これに加えて、液溜め部の内壁が曲線状であることから、流体が円滑に流れる。以上から、流体を各部において流量の均一な膜状に吐出することが確実にできると共に、より流量を増加することができる。
また、スリットは、流体供給ノズルの中心軸に対して角度を持った方向に流体を吐出することが好ましい。
このようにすると、流体供給ノズルを設置する向きと流体が吐出される方向とを個別に設定することができるため、該流体供給ノズルを例えば基板処理装置に組み込んで用いる際に、基板処理装置の設計の自由度が向上する。
前記の目的と達成するため、本発明の基板処理装置は、本発明の流体供給ノズルと、該流体供給ノズルに流入する流体の流量を制御する流量制御部とを備え、流体供給ノズルから基板に流体を供給するようになっており、スリットが有する開口面の長さ方向は、基板に対して実質的に平行である。
本発明の基板処理装置によると、被処理体である基板等に対し、流体が基板に接触する際の接触領域各部における流体の流量が均一である連続した膜状に流体を供給することができる。この理由は、まず、本発明の流体供給ノズルを用いて流体の吐出を行なうと、流体が膜状に吐出されると共に、吐出の際に膜の各部において流量が均一となる。これに加え、スリットの開口面の長さ方向を基板に対して平行になるようにしているため、基板と流体が接触する際にも流体の流量(単位時間あたり及び単位面積あたりの流体の供給量)は各部において均一となるのである。
また、単純な管である従来の流体供給ノズルを用いる場合に比べ、1つの流体供給ノズルによって広い範囲に対して流体を供給することができる。
以上の結果、本発明の基板処理装置を用いると、次のような効果が得られる。
膜状に吐出することにより、広い範囲に流体を供給することができるため、基板が大口径化しても流体供給ノズルの数を増やす必要が生じない。このため、基板処理装置の構造が複雑化するのを防ぐことができる。
また、基板上に、各部で均一な流量を有する膜として流体を供給することができるため、基板の処理が位置によって不均一になるのを防ぐことができる。
また、均一な膜状に供給される流体は、基板上に落下する際の物理的衝撃が小さいため、基板上に形成されているパターンが倒れる又は剥離するなどのダメージを軽減することができる。更に、超純水等による処理の際に、物理的衝撃が小さいことから静電気の発生も小さくなり、基板に電界が発生して基板内部に形成されたパターンが破壊されるのを防ぐこともできる。
また、従来の流体供給ノズルによって流体を供給する場合に比べ、基板に対するダメージを抑制ながら供給する流体の流量を増やすことができる。このため、液置換性を高くして処理効率及び処理速度を向上させることができる。
尚、スリットの開口面の長さ方向と基板とは、実質的に平行であれば良く、厳密に平行であることは要求されない。つまり、厳密な平行を外れる場合であっても、基板に対する処理の均一性等の効果が要求を満たす程度に実現されているのであれば、実質的に平行と考えることができる。
前記の目的を達成するため、本発明の基板処理方法は、基板上に流体を供給することにより基板の処理を行なう基板処理方法であって、流体は連続した膜状に基板に供給され、流体が基板に接触する際の接触領域各部における流体の流量が均一になっている。
本発明の基板処理方法によると、基板に接触する際の接触領域各部の流量が均一である連続した膜状に流体を供給するようになっている。このことから、本発明の基板処理装置の説明において説明したのと同様に、基板の全面に亘って均一であり且つダメージの少ない処理を効率よく行なうことができる。
尚、基板に対する流体の供給は、本発明の流体供給ノズルを用いて行なうことが好ましい。
このようにすると、確実に、流体は連続した膜状に基板に供給され、流体が基板に接触する際の接触領域各部における流体の流量が均一になる。そのため、本発明の効果を確実に実現することができる。
また、基板上に、パターン幅0.13μm以下であり且つアスペクト比2.5以上であるパターンが形成されていることが好ましい。
このようなパターンが基板上に形成されていると、パターンに対するダメージを軽減しながら基板の処理を行なう本発明の効果を確実に実現することができる。
本発明の流体供給ノズルを用いると、流体は膜状に吐出されると共に、吐出される際に膜の各部において流量が均一となる。このように流体を供給して基板の処理を行なうと、基板全面に亘って均一な処理が可能となる。また、基板と接触する際の物理的衝撃を抑制しながら流体の流量を増加することができるため、基板に形成されたパターンに対する物理的ダメージ及び発生する電荷によるダメージを共に軽減しながら基板処理の効率を向上することができる。更に、1つの流体供給ノズルによって広い範囲に流体を供給できることから、大口径の基板を処理するために必要な流体供給ノズルの数は少数で良く、例えば1つでも良い。このことから、本発明の流体供給ノズルを用いる基板処理装置は、構造が単純になる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、流体とは、例えばエッチング液及び純水等の基板の処理に用いる液体を考える。但し、これに限るものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る流体供給ノズル100の外観を示す図である。
また、図1におけるIIa-IIa'線による断面(以後、水平断面と呼ぶ)を図2(a)に、IIb-IIb'線による断面(以後、垂直断面と呼ぶ)を図2(b)に、それぞれ示す。
図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、流体供給ノズル100は、流体流入部101と、流体流入部101に流入する流体を蓄積する液溜め部102と、流体流入部101と液溜め部102との間に設けられた流速調整壁103(図1においては示していない)及び液溜め部102に接続された吐出部104とを備える。流速調整壁103は平板状であり、流速を低減しながら流体を通過させるためのオリフィス103aが設けられている。オリフィス103aは、液溜め部102の側が細くなった円錐台形の形状を有している。
ここで、流速調整壁103の中心を通り且つ流速調整壁103に垂直な直線を考えて、これを中心軸200と呼ぶ。
また、吐出部104は、流体を吐出するためのスリット105を備えている。スリット105は、図2(b)に示すように、液溜め部102と接する側から反対側の先端(以後、開口面と呼ぶ)に向かう方向が中心軸200と平行になっている。
図2(a)に示す水平断面図及び図2(b)に示す垂直断面図において、流体流入部101と、液溜め部102と、流速調整壁103と、吐出部104とを点線で区切って示しているが、これらの構成要素は一体成形されていても良い。その場合には、点線で示した境界線は明瞭な構造としては存在しない。
図2(c)には、図2(a)におけるIIc-IIc'線による断面が示されており、吐出部104及びスリット105の断面形状が示されている。本実施形態においては、スリット105は角が丸まった矩形の断面を有している。また、Lで表す角の丸まりを無視した長辺の寸法を長さ、Wで表す角の丸まりを無視した短辺の寸法を幅と呼ぶことにする。
また、図2(b)に示すように、液溜め部102と流速調整壁103との接点及び液溜め部102と吐出部104との接点を結ぶ直線201に対し、液溜め部102は、曲線状に外側(流速調整壁103とは反対側)に脹らんだ形状を有している。このような形状とすると、液溜め部102に十分な量の流体を蓄積することができると共に、オリフィス103aから液溜め部102に入った流体は円滑に流動して吐出部104に到達する。
尚、水平断面は中心軸200を含み且つスリット105の開口面の長さ方向に平行な面であり、垂直断面は、中心軸200を含み且つ水平断面と直交する面である。
以上のような構造を有する流体供給ノズル100を用いる流体の吐出について、以下に図面を参照して説明する。
図3(a)は、本発明の流体供給ノズル100を用いて流体を吐出する際の流体の流れを模式的に示しており、図2(a)と同様の図1におけるIIa-IIa'線による断面図である。また、図3(b)は、比較のための対照流体供給ノズル100bを用いて流体を吐出する際の流体の流れを模式的に示している。対照流体供給ノズル100bは、本発明の流体供給ノズル100において、流速調整壁103が形成されておらず、流体流入部101と液溜め部102とが直接接続されている構成を有する。
本実施形態の流体供給ノズル100を用いる場合、図3(a)に示すように、流体は矢印202に従うように流体流入部101に流入する。流体はこの後、流速調整壁103に設けられたオリフィス103aを通ることによって流速を低減されると共に、液溜め部102に移動し、液溜め部102に蓄積される。
スリット105の幅を十分に狭くしておくことにより、液溜め部102はほぼ密閉された状態とすることができる。このようにして、液溜め部102が流体によって満たされると、液溜め部102中の流体にはオリフィス103aを通じて流入する流体によって均一な圧力を受ける。このような均一な圧力により、図3(a)に矢印の配列202aによって示したように、流体は、一層の連続した膜状に吐出される。
吐出された流体は、空中に一定の安定した形状を示しながら落下する。この際、流体の示す形状はスリット105の断面形状に応じて一層の薄い膜状となり、このような流体の流れが作る膜は、一定の距離を落ちるまで乱れることなく維持される。例えば、基板処理を行なう場合には、吐出された流体が基板上に落下するまで膜を維持することができる。また、流体供給ノズル100に対し、流体を連続的に供給し続けることにより、形状が乱れる又は途切れる等を防ぎながら、流体を膜状に連続して吐出し続けることができるのである。流体が一層の連続した膜状に吐出されるとは、このようなことを意味する。
この際、吐出面において、単位面積あたり及び単位時間あたりの流体の流量は均一である。
以上に対し、対照流体供給ノズル100bを用いて流体の吐出を行なう場合を以下に説明する。
図3(b)に示したように、矢印202に従って流体流入部101に流体が流入する点は図3(a)に示した流体供給ノズル100を用いる場合と同様である。
しかし、対照流体供給ノズル100bにおいては流速調整壁103が設けられていないため、流体は、流体流入部101に流入した際の流速をほぼ維持したまま液溜め部102に移動する。
ここで、液溜め部102は、流体流入部101の側は円形、吐出部104の側は扁平な形状をしている。このため、流体流入部101に供給される流体の流量が多すぎる(言い換えると、流速が高すぎる)場合、液溜め部102内に充填された流体に対する圧力が不均一になる。つまり、スリット105の中央付近(中心軸200の近傍)と両端付近(中心軸200から離れた位置)とにおいて、圧力が異なることになる。この結果、対照流体供給ノズル100bのスリット105から吐出される流体は、スリット105の断面形状と同じ断面形状を維持することができない。具体的には、図3(b)に矢印の配列202bによって示したように、吐出部104から吐出された直後にスリット105の両端と中央とで分離し、一層の膜として吐出することができない。このため、吐出面において、単位面積あたり及び単位時間あたりの流体の流量は均一ではない。
以上に説明したように、本実施形態の流体供給ノズル100は、幅の狭いスリット105を有する吐出部104と、外側(流速調整壁103とは反対側)に脹らんだ形状を有することによって十分な流体を蓄積することのできる液溜め部102と、流体の流速を低減しながら通過させるオリフィス103aを有する流速調整壁103とを備えることにより、流体を連続した一層の膜状に吐出することができる。
尚、本実施形態に係る流体供給ノズル100は、例えば、流体流入部101が内径25mmの円形、流速調整壁103の厚さが10mmとしてもよい。また、オリフィス103aの流体流入部101側の内径は5mm、液溜め部102側の内径は4mmとすることができる。
また、吐出部104の液溜め部102との接点から先端までの長さを5mmとし、図2(c)に示す吐出部104の断面形状において、長さを53mm、厚さは1.5mmとしている。スリット105の幅は、0.7mmである。
以上の寸法は、直径200mmのシリコン基板を処理する場合に適した一例であり、このような値の他にも、必要とする流体の流量又は流体供給ノズル100を形成する際の加工のし易さ等に応じて適宜設定すればよい。
また、スリット105の断面形状については、例えば幅が0.5mm以上で且つ1mm以下あり、幅に対する長さの比が10以上となる矩形状とすると、流体を膜状に吐出する効果を確実に得ることができる。また、液溜め部102には、十分な量の流体を蓄積できるようになっていることが望ましく、このために、液溜め部102を直線201に対して外側(流速調整壁103と反対側)に脹らんだ形状としている。
また、本実施形態において、流体供給ノズル100は一体整形されていても良いが、任意の複数の部分に分割して形成し、組み合わせて図1及び図2(a)〜(c)に示した形状として使用しても良い。その場合、各部品の接合部に液漏れ防止のためのOリングを填め込む等をしてもよい。
また、本実施形態においては、スリット105の断面形状を角の丸い矩形としているが、これには限らない。例えば、角の丸まっていない矩形であっても良いし、弧状に湾曲した断面形状及び開口面を有するスリットであってもよい。
また、本実施形態においては、流速調整壁103に対して円錐台形のオリフィス103aを2つ設けているが、このことは必須の要素ではない。一層の膜状に流体の吐出を行なうために流速を調整し、液溜め部102に対して均一な圧力を加えることができるようになっていれば良い。このためには、例えば、液溜め部102に充填された流体に対し、流体流入部101に流入する流体の圧力が、流速調整壁103の一部分からかかる構造となっていればよい。そして、流体の種類、必要とする流量等に応じてオリフィスの数及び形状等を設計すれば良い。
更に、流速調整壁103を平板状としているが、これに限るものではない。
また、流体供給ノズル100の材料としては、吐出する流体の種類に応じた対薬品性等の性質を選択し、例えば、処理対象であるシリコン基板を不純物によって汚染するのを防ぐ。例えば、フッ素樹脂又はステンレス等を用いることが考えられる。
また、CMP(Chemical Mechanical Polishing )工程の後のように、表面の平坦なシリコン基板を処理する際等には、液溜め部102と吐出部104との接続部付近にメッシュ等を設けることも好ましい。このようにすると、気泡を発生させて吐出される流体中に含ませることができ、基板に対する物理的衝撃を更に緩和することができる。このため、基板に対するダメージを防止しながら、流体の吐出量を更に増加することができる。
次に、本実施形態の流体供給ノズル100に供給される流体の流量と、スリット105から吐出される流体が示す吐出形状の関係について、図4を用いて説明する。
図4は、流体供給ノズル100をスリット105が水平になるように設置して流体を吐出させている様子を示す図である。つまり、本実施形態の流体供給ノズル100は、スリット105が液溜め部102と接する側から開口面に向かう方向が中心軸200と平行になっていることから、中心軸200及びスリット105の開口面の長さ方向が共に水平になるように設置している。
また、吐出された流体は、例えば水平設置されたシリコン基板上に落下し、シリコン基板の流体による処理を行なうようになっている。この際、シリコン基板は回転している。
まず、(B)に示す、適正流量の場合について説明する。
この場合、流体供給ノズル100に流入する流体の流量は適正である。具体的には、先に例示した直径200mmのシリコン基板を処理する際に適正な寸法の流体供給ノズル100であれば、例えば10〜20リットル/分の範囲の流量である。
このとき、吐出部104の中心軸200付近及び両端部付近のいずれにおいても吐出時の流速が同等であり、流体は一層の連続した膜状に吐出される。この後、膜を維持したまま、吐出部104から一定の距離だけ離れた位置においてシリコン基板状に落下する。
このため、上面から観測すると、吐出形状は四角形状となっている。また、側面から観測すると、ほぼ円弧を描くような曲線の吐出形状をもってシリコン基板上に落下している。また、流体による一層の膜がシリコン基板と接触する接触領域の各部において、流体の流量は均一になっている。つまり、接触領域の内のどの部分についても、単位面積あたり及び単位時間あたりの流体の供給量が等しくなっている。
これに対し、次に、(A)に示す流量不足の場合について説明する。
この場合、流体供給ノズル100に対する流体の流量が不足している。前記と同じ流体供給ノズル100であれば、例えば10リットル/分以下の流量となっている。
このようなとき、液溜め部102中の流体に対して加わる均一な圧力によって流体を吐出することができず、流体は液垂れに近い状態で吐出される。
具体的には、吐出部104から流体が吐出された直後には膜状になっているのであるが、落下するのに従って膜を維持することができなくなる。上面から観測すると、中心軸200付近において両端付近よりも多く吐出される凸状の吐出形状となっている。側面から観測すると、吐出形状は一本の線状にはなっておらず、吐出部104の直下に近い位置から一定の距離までに広がって流体が落下している。この結果、基板上に不均一に落下することになる。更に、このような場合、流体の流量は(B)の適正流量の場合に比べて少ないにも関わらず、一部は液滴として基板上に落下するため、基板に対して流体が与える物理的衝撃は部分的に、(B)の場合に比べて大きくなることがある。
次に、(C)に示した流体過多の場合について説明する。
この場合、流体供給ノズル100に対する流体の流量が過剰である。前記と同じ流体供給ノズル100であれば、例えば20リットル/分以上の流量となっている。
このような時、流量が過多であるため、流速調整壁103によって流速を十分低下させることができず、液溜め部102中の流体に過剰な圧力が加わる。このため、均一な圧力によって流体をスリット105から吐出することができない。
具体的には、スリット105の両端部付近において中心軸200付近よりも流量が多くなり、上面から観測すると、凹状の吐出形状となる。また、側面から観測すると、吐出形状は一本の線状にはなっておらず、吐出部104の直下からは大きく離れた一定の範囲に広がって流体が落下している。結果として、基板に対して流体が落下して接触する接触領域において、各部の流量は一定ではない。
以上のように、本実施形態の流体供給ノズル100に対し、適切な流量をもって流体を供給すると、均一且つ一層の膜状に流体を吐出することができる。
ここで、シリコン基板の流体処理を行なう目的の1つである、シリコン基板上のパーティクルの除去について考える。この場合、流体の吐出形状に関わらず、流体の流量が大きいほど単位時間あたりのパーティクルの除去は上昇する。しかし、シリコン基板上に形成されたパターンは、流量が大きくなるとダメージを受けやすくなる。アスペクト比の高いパターンである場合には特にダメージを受けやすい。流量が大きくなるとシリコン基板に加わる流体の圧力が大きくなり、形成されたパターンが倒れる又はシリコン基板から剥がれる等の損傷が生じるのである。
図5(a)に、シリコン基板210上に密集して形成されたラインパターン211の断面図を示す。ここで、ラインパターン211は、例えば、幅が0.13μmであり且つアスペクト比が3であるものとする。図5(a)は、正常に形成されているラインパターン211の様子を示している。適正な流体流量等の条件において流体処理を行なうと、このような正常なラインパターン211を処理の後にも維持することができる。
これに対し、流体の流量が過多であった場合、シリコン基板に対して流体が接触する領域等において流体からシリコン基板にかかる圧力が高くなり、図5(b)に示すように、ラインパターン211にダメージが生じる。例えば、213に示すようにシリコン基板210からラインパターン211が剥がれて消失する。あるいは、214に示すように、ラインパターン211が倒れることもある。特に、ラインパターンの幅が0.13μm以下の場合、ダメージが生じやすい。
このようなダメージが生じると、製造する半導体装置の不良の原因となる。
そこで、次に、流体の流量とパーティクルの除去率及びパターンの破壊率について説明する。
図6は、本実施形態の流体供給ノズル100を用いて流体を吐出することによって基板の処理を行ない、流体の流量に対するパーティクルの除去率とパターンの破壊率とを調査した結果を示している。ここで、横軸が流体流量、縦軸はパーティクルの除去率及びパターンの破壊率である。
図6において、Cで示した流量過多の領域においては、パーティクルの除去率は非常に高い。しかし、同時にパターンの破壊率も高くなっており、半導体装置を製造する際の歩留り低下の原因となる。
また、Aで示した流量不足の領域においては、パターンの破壊率は非常に低いが、パーティクルの除去率も低いため、長時間の処理を行なうことが必要になる。この結果、スループットが低下し、生産効率が落ちることになる。
そこで、パターンの破壊率が上昇し始める直前の流体流量によって基板の処理を行なうと、半導体装置の製造について、最も効率が良い。これは、図6においてBで表している適正流量の領域に当てはまる。先に説明したように、直径200mmのシリコン基板であれば、例えば10〜20リットル/分が適正な流量である。
尚、ラインパターン211は、エッチングを行うためのマスクとして形成されたレジストパターンであっても良い。また、エッチング後の絶縁膜や導電膜を含む半導体装置上に形成されたパターンでも構わない。
また、アスペクト比は3としているが、2.5以上のパターンであればパターン倒れ等の防止に効果がある。パターン幅については、0.13μmである例を示したが、0.13μm以下である場合に効果が顕著である。更に、ラインパターンだけではなく、ドットパターンに対しても、同様にパターン倒れ防止に効果がある。
また、流体がシリコン基板210に落下する際の物理的衝撃が大きいほど、流体とシリコン基板210との摩擦によって生じる電荷も大きくなる。このような電荷はシリコン基板210に蓄積し、これによって電界が大きくなると、シリコン基板210内に形成されたパターンが破壊される原因となる。
このような理由によるダメージについても、流体を膜状に吐出して処理を行なうことにより物理的衝撃を緩和することができることから軽減できる。
以上に説明したように、本実施形態の流体供給ノズル100を用い、適正な流量をもってシリコン基板等の被処理体に流体を供給することによって処理を行なうと、次のような効果が得られる。
まず、膜状に流体を吐出することから、1つの流体供給ノズルによって広い範囲に亘って流体を供給できる。このため、多数の流体供給ノズルを設置する必要を排除できる。
また、被処理体に対して流体が落下して基板に接触する領域の各部において、流体の流量(単位面積あたり及び単位時間あたりの流体の供給量)は均一になっている。このため、基板上の位置によって処理にバラツキが生じるのを防ぐことができる。
また、安定した膜状に流体を吐出すると、基板上に落下する際の物理的衝撃を軽減することができる。このため、基板に対するダメージを軽減すると共に流体の流量を増加することが可能であり、処理の効率及び生産性が向上する。
また、物理的衝撃が軽減されることから、基板と流体との間に発生する静電気も軽減される。このため、基板に電荷が蓄積し、電界によって基板内部に形成されたパターンが破壊される現象を抑制することもできる。
尚、図4においては、中心軸200が水平になるように流体供給ノズル100が設置され、流体が水平方向に吐出される場合について説明した。しかし、このような構成は、望ましい構成ではあるが、必須ではない。これについて、以下に説明する。
流体供給ノズル100によって吐出された流体は、鉛直方向に吐出された場合を除き、供給圧力に由来する水平方向の推進力を有する。しかし、このような水平方向の推進力は、吐出後、空気抵抗等によって失われる。結果として、一層の連続した膜状に吐出された流体は、膜を維持しながら、重力によって垂直に落下するようになる。流体は、このように水平方向の推進力が失われた後に基板に対して垂直に落下することが望ましい。このようにすると、水平方向の推進力によって基板上のパターン等が損傷を受けるのを防ぐことができるからである。
更に、吐出後に水平方向の推進力が失われて垂直方向に落下し始めた位置から基板等までの距離は、短い方が好ましい。具体的には、例えば5mm以下であることが好ましい。このような距離が長くなると、重力による流体の落下速度の増加が大きくなるため、基板に与える物理的衝撃が大きくなって基板が損傷を受けることになる。そのため、ダメージを軽減するためには流体が垂直に落下する距離は短い方が良いのである。
以上のことは、流体供給ノズルの寸法、構造、設置する角度及び基板等に対する設置位置の高さ等を設定することにより実現することができる。
このようになっているのであれば、中心軸200が水平になるように流体供給ノズル100が設置されていること及び流体が水平に吐出されることは必須ではない。但し、吐出時における垂直方向の推進力による影響を緩和できることから、水平に吐出するのが望ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第1の実施形態に係る流体供給ノズル100を用いる枚葉式の基板処理装置の概略構成を示す図である。該装置においては、一例としてシリコン基板の処理を行なうものとする。
処理チャンバー300内に回転テーブル301が水平に設置され、回転テーブル301は駆動部302に接続されて駆動部302の回転動作によって回転できるようになっている。
シリコン基板303は回転テーブル301上に載置され、回転テーブル301と共に回転する。
処理チャンバー300内におけるシリコン基板303上方には、シリコン基板303に対してエッチング等の処理を行なうための薬液を供給する薬液供給ノズル304と、シリコン基板303の純水洗浄を行なうための純水供給ノズル305とが設けられている。薬液供給ノズル304及び純水供給ノズル305は、いずれも本実施形態の流体供給ノズル100と同じ構成である。また、いずれもスリット105(図2(b)を参照)がシリコン基板303と平行になるように設置されている。つまり、スリット105の開口面の長さ方向及び中心軸200がいずれもシリコン基板303に対して平行になるように設置されている。このため、流体はシリコン基板303と平行な膜状に吐出され、その後に落下する。
薬液供給ノズル304から吐出される薬液は、処理チャンバー300外部に設けられ且つ温度調整機能及び流量調整機能等を備える薬液供給システム306により、温度及び流量等を調整された上で供給される。供給される薬液は、集中配管によって薬液供給システム306に供給されても良いし、薬液供給システム306内に薬液タンクが備えられ、ここに保持されていても良い。
純水供給ノズル305から吐出される純水は、処理チャンバー300外部に設けられ且つ温度調整機能及び流量調整機能等を備える純水供給システム307により、温度及び流量等を調整された上で供給される。純水については、通常は集中配管を用いて供給されるが、これに限るわけではない。
処理チャンバー300内には、シリコン基板303の処理に用いた流体(薬液及び純水等)が処理チャンバー300内に飛散するのを防ぐ防護壁308が設けられている。処理に用いられた流体は、廃液として、処理チャンバー300内の下部に設けられた廃液配管を通じて廃液処理システム309に輸送される。輸送された流体は、種類に応じて、廃液処理システム309において処理及び回収されるか、又は、基板処理装置の外部に輸送されて処理される。
また、制御システム310が設けられており、駆動部302、薬液供給システム306、純水供給システム307及び廃液処理システム309等を制御している。つまり、駆動部302の回転速度及び回転時間、薬液及び純水の温度及び流量、廃液の処理方法等が制御システム310によって指示されるようになっている。
尚、薬液供給ノズル304のスリットがシリコン基板303から30mm上に位置している。また、吐出されたフッ酸311はシリコン基板303の中央付近に落下するようになっている。このようにすると、処理効率及び処理の均一性等の点において望ましいが、これに限るものではない。
基板処理装置を以上に説明したような構成とすると、従来の基板処理装置に比べて構造が単純になる。これは、従来の基板処理装置においては、一種類の薬液を供給するために同時に複数の薬液供給ノズルを用いていたのに対し、本実施形態の基板処理装置によると、単一の薬液供給ノズル304を用いて薬液を供給するようになっているからである。但し、必要であれば、本実施形態の薬液供給ノズル304を複数用いる基板処理装置を構成することは当然可能である。
次に、本実施形態の基板処理装置を用いたシリコン基板の処理方法について説明する。ここでは、エッチング処理を例とする。
まず、被処理体であるシリコン基板303が処理チャンバー300内の回転テーブル301上に載置される。制御システム310によって決定された回転数及び時間に従って駆動部302が動作することにより、シリコン基板303は、回転テーブル301と共に回転する。
次に、回転しているシリコン基板303に対し、薬液としてフッ酸311が吐出される。
吐出されたフッ酸は、シリコン基板303上に落下する。この際、薬液供給ノズル304のスリット105がシリコン基板303に対して平行になるように設置されているから、吐出の直後には、フッ酸はシリコン基板303に対して平行な膜として吐出される。この後、フッ酸311は、一層の膜を維持しながらほぼ円弧を描くようにシリコン基板303上に落下する。フッ酸311の吐出は制御システム310によって決められた時間だけ連続して行なわれるから、フッ酸311による一層の膜は連続したものとなる。
このようにしてシリコン基板303に供給されるフッ酸311により、シリコン基板303のウェットエッチング処理が行なわれる。
ウェットエッチング処理の後、純水供給システム307によって供給される純水が純水供給ノズル305から吐出され、ウェットエッチングを行なったシリコン基板303の洗浄を行なう。
この際にも、純水は一層の連続した膜状に吐出され、放物線を描くようにシリコン基板303上に落下する。
尚、ウェットエッチング処理及び純水洗浄の後には、シリコン基板303は回転乾燥される。つまり、シリコン基板303を回転させることにより、遠心力を利用してシリコン基板303上に残留しているフッ酸又は純水を除去している。
また、ウェットエッチングの際、フッ酸は、例えば30℃に調整され且つ15リットル/分の流量をもって供給される。純水洗浄の際の純水は、例えば25℃に調整され且つ15リットル/分の流量をもって供給される。このような、温度及び流量等の調整は、薬液供給システム306及び純水供給システム307と、これらを制御する制御システム310によって設定及び調整される。但し、以上に挙げた数値はいずれも一例であり、必要に応じて設定すれば良い。
また、処理に用いられたフッ酸311及び純水は、廃液処理システム309に回収され、処理される。
また、本実施形態の基板処理装置においては薬液は一系統のみ使用しているが、必要に応じて複数の薬液供給システム等を設置することにより、複数の薬液を使用することもできる。
本実施形態に係る基板処理装置を用いて基板の処理を行なうと、基板上に流体によって直接加わる力を増加させることなく、流体の流量を増加することができる。このため、基板において、ラインパターンが倒れる又は剥がれて消失する等のダメージを軽減することができると共に、処理の効率及び生産性を向上することができる。
また、一系統の薬液に対しては一本の流体供給ノズルを用いるため、基板処理装置の構造を単純化できると共に、同一の処理チャンバー内において複数の流体処理を行なう基板処理装置を構成することも容易になる。更に、処理を行なう際の条件決定についても単純化することができ、短時間で決定することができるようになる。
尚、本実施形態においては、中心軸200が水平になるように薬液供給ノズル304等を設置した。しかし、実施形態1において説明したのと同様に、一層の連続した膜状に吐出された流体が、水平方向の推進力を失って基板303上に垂直に落下するのであれば、このような構成は必須ではない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る流体供給ノズルについて図面を参照して説明する。
図8は、本実施形態に係る流体供給ノズル150の垂直断面を示す図である。つまり、第1の実施形態の流体供給ノズル100の垂直断面を示す図2(b)に相当する図である。後に説明する点を除いて、流体供給ノズル150の外観は図1に示した流体供給ノズル100と同様であり、また、水平断面図は図2(a)と同様である。このため、図8において、図2(b)と同じ構成要素については同じ符号を付すことによって詳しい説明を省略する。但し、図2(a)及び図8はいずれも概略構成を示す図であり、スケールは一致しない。
図8が図2(b)と異なっている点は、吐出部104及び吐出部104に設けられたスリット105が折れ曲がった形状になっていることである。つまり、スリット105は、液溜め部102から中心軸200に沿うように伸びているスリット後部105aと、スリット後部105aと接続され、中心軸200に対して角度をもって伸びているスリット前部105bとを含んでいる。吐出部104は、このような構成のスリット105を備えていることになる。
尚、スリット前部105bの断面は、図2(c)と同様である。
その他の構成については、先述したように、図1及び図2(a)〜(c)に示す流体供給ノズル100と同様である。
尚、スリット前部105bの方向を直線203によって表すと、スリット後部105aが伸びる中心軸200の方向に対して、例えば60度の角度を成している。
本実施形態に係る流体供給ノズル150を用いて流体の吐出を行なうと、第1の実施形態の流体供給ノズル100と同様に、一層の連続した膜状に流体を吐出し、吐出された流体は均一な流量を有するようにすることができる。このため、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明した本発明の効果をいずれも実現することができる。
また、流体供給ノズルを複数の部品の組み合わせによって構成するようにすること、液溜め部102のスリット105付近にメッシュ等を設置して気泡を含ませること等についても、第1の実施形態の流体供給ノズル100と同様に当然に利用することができる。
但し、第1の実施形態の流体供給ノズル100においては、中心軸200と平行に流体が吐出されるのに対し、第3の実施形態の流体供給ノズル150の場合には、中心軸200とは角度をもった直線203の方向に向かって流体を吐出することができる。これは、スリット105が折れ曲がっていることによる。このため、流体供給ノズル150を基板処理装置に用いると、基板処理装置の構成について、流体供給ノズル100を用いる場合よりも自由度が高くなる。これいついて、以下に説明する。
図9は、第3の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す概略図である。ここで、該基板処理装置は、流体供給ノズル150である薬液供給ノズル354及び純水供給ノズル355を用いていることを除いて、図7に示した第2実施形態に係る基板処理装置と同様の構成になっている。そこで、図7と同じ構成要素については、図9において図7と同じ符号を付すことによって詳しい説明を省略する。また、処理チャンバー300の外部に設けられている薬液供給システム306等については、図示も省略している。
第2の実施形態の基板処理装置においては、流体供給ノズル100は、中心軸200が水平になるように設置されていた。これに対し、本実施形態の基板処理装置においては、流体供給ノズル150である薬液供給ノズル354及び純水供給ノズル355は、図9に示すように、いずれもスリット前部105bの向き203が水平に(シリコン基板303と平行に)なるように設置されている。この結果、中心軸200が斜めになっている。
ここで、薬液供給ノズル354等は、流体の吐出を行なうとき以外には、シリコン基板303上方から他の位置に移動させて収納するようになっていることがある。このような場合、薬液供給ノズル354等の中心軸200が斜めになるように設置されていると、基板処理装置を真上から見た際の投影面積が小さくなるため、薬液供給ノズル354等を収納のためのスペースを確保しやすい。
このため、第2の実施形態の基板処理装置に比べ、多くの流体供給ノズル150を処理チャンバー300内に設置することが可能になる。
また、流体が処理チャンバー300内において飛散するのを防止する防護壁308を設置する場合、防護壁308と薬液供給ノズル354等が干渉する可能性を抑制することができる。これは、第2の実施形態の場合のとは異なり、薬液供給ノズル354等は水平に設置する必要がなく、斜めに設置することができるからである。
このように、流体供給ノズル150を用いると、流体供給ノズルの中心軸200の方向と、流体の吐出される方向であるスリット前部105bの方向203とを別々の方向にすることができることから、基板処理装置の設計の自由度が増加する。
尚、流体供給ノズル150においては、スリット前部105bは、中心軸200に対して60度の角度を有するようにスリット後部105aと接続されている。しかし、60度以外の角度であっても良く、必要に応じて設定すればよい。
また、スリット105は折れ曲がりの無い真っ直ぐな構造とし、液溜め部102との接続部分から直接、中心軸200に対して角度をもって接続されているような構成であっても良い。更に、滑らかに曲がった垂直断面を有するスリットであっても良く、中心軸200に対して角度をもって流体を吐出できるようになっていればよい。
以上のように、本実施形態の流体供給ノズル150は、第1及び第2実施形態と同じ効果をいずれも実現できるのに加え、基板処理装置の設計の自由度を高める効果を有している。例えば、処理チャンバー300内において収納に必要なスペースを縮小できることから、処理チャンバー300内に設置できる流体供給ノズルの数を増やすことができる。
尚、本実施形態において、スリット前部105bの向き203が水平になるように薬液供給ノズル354等を設置し、薬液が基板303に対して平行な膜状に吐出される構成としている。しかし、吐出された流体が、第1の実施形態において説明したのと同様に、このような構成は必須ではなく、スリット前部105bの向き203が斜めになっていても良い。但し、スリット105の長さ方向については、水平になっていることが好ましい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る流体供給ノズルについて、図面を参照して説明する。
第4の実施形態の流体供給ノズルは、後に述べる点を除いては、図2(a)〜(c)に示した第1の実施形態の流体供給ノズルと同様の構成を有している。そのため、第4の実施形態に係る流体供給ノズルの構成を図10(a)〜(c)に示しているが、図2(a)〜(c)と同じ構成要素については同じ符号を付すことにより、詳しい説明を省略する。
尚、図2(a)〜(c)と同様に、(a)は流体供給ノズルの水平断面、(b)は流体供給ノズルの垂直断面を示している。また、(c)は、吐出部104及びスリット105の断面形状を示している。
本実施形態に係る流体供給ノズルの構成は、第1の実施形態の流体供給ノズルと比較して、図10(b)に示した垂直断面の形状が異なっている。
第1の実施形態の流体供給ノズルにおいては、図2(b)に示すように、液溜め部102及び流速調整壁103の接点と液溜め部102及び吐出部104の接点とを結ぶ直線201に対し、液溜め部102は曲線状に外側に脹らんだ形状を有している。
これに対し、本実施形態の流体供給ノズルにおいて、図10(b)に示すように、液溜め部102は直線201に一致する形状を有する。
第1の実施形態の流体供給ノズルのように、液溜め部102が外側に脹らんだ形状を有していると、液溜め部102に十分な量の流体を蓄積することができるため、望ましい形状であった。
しかし、使用する流体の種類及び液溜め部102の寸法等によっては、本実施形態のような形状の液溜め部102であっても、十分な量の流体を蓄積し、第1の実施形態の流体供給ノズルと同様の効果を発揮することは可能である。
具体的な一例としては、流体として超純水を用いる場合には、流体流入部101が内径20mmの円形であり、中心軸200に沿った流速調整壁103から吐出部104までの長さが46mm、スリット105の長さ方向の寸法が48mmであれば良い。例えばこのような寸法であれば、流体を一層の連続した膜状に吐出することができるという本発明の効果を十分に発揮することができる。
本実施形態の流体供給ノズルを用いて基板の処理を行なうと、第1の実施形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。つまり、基板を処理した際のバラツキの軽減、基板に形成されたパターンに対するダメージの抑制、処理効率及びスループットの向上等の効果である。
また、本実施形態の流体供給ノズルを用いて基板処理装置を構成すると、第2の実施形態において説明したのと同様に、基板処理装置の構成を単純化できる等の効果を得ることができる。
更に、本実施形態の流体供給ノズルは、第3の実施形態の流体供給ノズルと同様に、折れ曲がった構造のスリット105を備えていても良く、このようにすれば第3の実施形態において説明したのと同様の効果を得ることができる。基板処理装置の構成に関し、自由度が向上する等の効果である。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る流体供給ノズルについて、図面を参照して説明する。
第5の実施形態の流体供給ノズルは、後に述べる点を除いては、図2(a)〜(c)に示した第1の実施形態の流体供給ノズルと同様の構成を有している。そのため、第5の実施形態に係る流体供給ノズルの構成を図11(a)〜(c)に示しているが、図2(a)〜(c)と同じ構成要素については同じ符号を付すことにより、詳しい説明を省略する。
尚、図2(a)〜(c)と同様に、(a)は流体供給ノズルの水平断面、(b)は流体供給ノズルの垂直断面を示している。また、(c)は、吐出部104及びスリット105の断面形状を示している。
本実施形態に係る流体供給ノズルの構成は、以下に説明するように、第1の実施形態の流体供給ノズルと比較して、図11(a)に示した水平断面の形状が異なっている。
第1の実施形態の流体供給ノズルにおいて、図2(a)の水平断面図に示すように、液溜め部102は、水平方向について流速調整壁103から吐出部104に向かって広がった形状を有している。
これに対し、本実施形態の流体供給ノズルにおいて、図11(a)の水平断面図に示すように、液溜め部102は、水平方向について幅が一定である形状を有している。
一例として、直径が200mmであるシリコン基板の処理を行なう場合に適した本実施形態の流体供給ノズルは、内径が50mmの流体流入部101を備えている。また、流速調整壁103の厚さは10mmであり、オリフィス103aは、流体流入部101側の直径が5mmであり且つ液溜め部102側の直径が4mmである円錐台形をしている。更に、スリット105は、液溜め部102との接点から先端(開口面)までが5mm、長さ方向の長さが50mm、幅が0.7mmである。但し、当然に、これ以外の寸法及び形状を有する流体供給ノズルであっても良い。
このような構成の流体供給ノズルとする場合にも、第1の実施形態の流体供給ノズルと同様の効果を発揮することができる。
また、本実施形態の流体供給ノズルを基板処理装置に使用することによって第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能であるし、スリット105を折れ曲がった構造とする第3の実施形態と同様の効果を得ることもできる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係る流体供給ノズルについて、図面を参照して説明する。
本実施形態の流体供給ノズルの構成は、流速調整壁103及び流速調整壁103に設けられたオリフィス103aの形状が異なることを除き、図2(a)〜(c)に示した第1の実施形態の流体供給ノズルと同様の構成を有している。そのため、図12に第6の実施形態に係る流体供給ノズルの水平断面図を示しているが、図2(a)〜(c)と同じ構成要素については同じ符号を付すことにより詳しい説明を省略する。
第1の実施形態の流体供給ノズルにおいて、流速調整壁103は流体流入部101と液溜め部102とを区切る平板状であり、このような流速調整壁103に設けられたオリフィス103aは、流体流入部101の側が広がった円錐台形を有している。
これに対し、第6の実施形態の流体供給ノズルにおいて、オリフィス103aは、流体流入部101よりも断面積の小さい円筒形の空隙103cと、流体流入部101側及び液溜め部102側の両方に設けられたテーパー形状の空隙103bとを含む構成となっている。言い換えると、オリフィス103aは、流速調整壁103の中央に形成された断面積の小さい中央の空隙103cに対し、流体流入部101側及び液溜め部102側の両方から円錐状に滑らかに狭くなる構造を有している。本実施形態の流体供給ノズルにおける流速調整壁103の垂直断面の形状は個別には図示していないが、水平断面と同様である。但し、このことは必須要素ではない。
このような構成の流速調整壁103を備えた流体供給ノズルによっても、流体を一層の連続した膜状に吐出する効果が得られるため、既に説明した本発明の効果をいずれも実現できる。
また、オリフィス103aを本実施形態のような構造とすると、流速調整壁103が平板状になっている第1の実施形態の流体供給ノズル等に比べ、流体流入部101から液溜め部102に向かって流体が円滑に流動する。このため、膜状の吐出形状を維持しながら流体流量を増加することができ、液置換性を向上できる。結果として、処理効率及び処理速度が更に改善されることになる。
一例として、直径200mmのシリコン基板を処理する際には、以下に示すような寸法及び形状を有しているのが良い。つまり、流体流入部101は内径20mmの円形、流速調整壁103の厚さは24mmであり、空隙103cは内径及び長さが共に5mmの円筒形となっているのが良い。
このように、流速調整壁103及びオリフィス103aの構成については、特に限定するものではなく、液溜め部102に流体が流入する際に流速が十分低下するようになっていればよい。
尚、液溜め部102の形状については、第1、第4及び第5の実施形態のいずれか1つと同様の形状を有していても良い。
尚、第1〜第6の実施形態において、いずれもシリコン基板を流体によって処理する場合について示したが、これに限るものではない。これ以外にも、例えばリソグラフィ工程におけるレジスト現像装置に利用し、現像処理後の純水洗浄において用いる等も可能である。
また、流体流量を増大する必要があり且つ高い圧力で流体を吐出することができない場合に本発明は特に顕著な効果を示す。具体的には、例えば、液晶表示装置及びPDP等のようなフラットディスプレイパネルの製造等に使用できる。更に、それらを製造するために使用するフォトマスクの製造等にも使用できる。
このような場合、被処理体の大きさによって処理に適した流体の流量が異なるが、流体供給ノズルの各部の大きさを変更し、一層の連続した膜状の吐出形状を維持したまま被処理体上に落下させることができるようにすればよい。
また、基板を回転さて処理を行なう場合について説明したが、シリコン基板等に比べて大きいフラットディスプレイパネル等の処理を行なう場合には、被処理体を回転させて処理を行なうことが困難となる場合がある。このような場合には、流体供給ノズルを被処理体の上に走査させることによって処理を行なっても良い。あるいは、流体供給ノズルは静止させておき、被処理体を移動させることによって処理を行なうこともできる。
また、被処理体が特に大型である場合等、一本の流体供給ノズルによる処理能力が不足する場合、複数の流体供給ノズルによって同一の流体を供給することは当然に可能である。
また、いずれの実施形態の流体供給ノズルの場合についても、水平断面及び垂直断面において、中心軸200に対して対称な形状の流体流入部101、液溜め部102を有している。しかし、このことは必須事項ではない。
また、いずれの実施形態の流体供給ノズルの場合についても、スリット105を有する吐出部104が液溜め部102に接続された個別の部材として設けられている。しかし、個別の部材として吐出部104を設けることなく、液溜め部102にスリット105を直接設ける構成を取ることもできる。
本発明の流体供給ノズル、流体供給ノズルを用いる基板処理装置及び基板処理方法によると、被処理体である基板に対するダメージを軽減すると共に処理効率及び処理速度を向上することができる。また、基板処理装置の構成を単純化することができる。このため、流体による基板等の処理に有用であり、特に、大口径のシリコン基板及びフラットディスプレイパネル等の処理に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る流体供給ノズルの一例の外観を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る流体供給ノズルの概略構成を示す断面図であり、(a)は水平断面、(b)は垂直断面を示す。また、(c)は、吐出部104及びスリット105の断面形状を示す。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る流体供給ノズルによる流体吐出の様子を示す図であり、(b)は、流速調整壁103を備えていない対照流体供給ノズルによる流体吐出の様子を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体供給ノズルを用いて吐出を行なう場合の流体流量と流体の吐出形状の関係を示す図である。 (a)は、シリコン基板に形成された正常なラインパターンを示す模式図であり、(b)は、流体処理によって破壊されたラインパターンを示す模式図である。 流体流量に対するパーティクル除去率及びパターン破壊率を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体供給ノズルの垂直断面を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に係る流体供給ノズルの概略構成を示す断面図であり、(a)は水平断面、(b)は垂直断面を示す。また、(c)は、吐出部104及びスリット105の断面形状を示す。 (a)〜(c)は、本発明の第5の実施形態に係る流体供給ノズルの概略構成を示す断面図であり、(a)は水平断面、(b)は垂直断面を示す。また、(c)は、吐出部104及びスリット105の断面形状を示す。 本発明の第6の実施形態に係る流体供給ノズルの垂直断面を示す模式図である。 従来の流体供給ノズルを用いる基板処理装置の構成を示す模式図である。 複数の流体供給ノズルを用いる従来の基板処理方法を説明する平面図である。
符号の説明
100 流体供給ノズル
101 流体流入部
102 液溜め部
103 流速調整壁
103a オリフィス
103b テーパー形状の空隙
103c 空隙
104 吐出部
105 スリット
105a スリット後部
105b スリット前部
150 流体供給ノズル
200 中心軸
201 液溜め部の形状を説明するための直線
202 流体の流れを示す矢印
202a、202b 矢印の配列
203 スリット前部の向き
210 シリコン基板
211 ラインパターン
213 シリコン基板から剥がれて消失したラインパターンの位置
214 倒れたラインパターン
300 処理チャンバー
301 回転テーブル
302 駆動部
303 シリコン基板
304 薬液供給ノズル
305 純水供給ノズル
306 薬液供給システム
307 純水供給システム
308 防護壁
309 廃液処理システム
310 制御システム
354 薬液供給ノズル
355 純水供給ノズル

Claims (9)

  1. 流体が流入する流体流入部と、
    前記流体流入部に接続され、前記流体を蓄積する液溜め部と、
    前記流体流入部と前記液溜め部との間に設けられ、流速を低減しながら前記流体を通過させるためのオリフィスを有する流速調整壁と、
    前記液溜め部に接続され、前記オリフィスを通過した前記流体の圧力によって前記流体を吐出するためのスリットを有する吐出部とを備えることを特徴とする流体供給ノズル。
  2. 前記スリットは、幅に対する長さの比が10以上である開口面を有することを特徴とする請求項1に記載の流体供給ノズル。
  3. 前記液溜め部は、前記スリットの開口面の長さ方向に対して垂直な断面において、
    前記液溜め部の内壁と前記流速調整壁との接点及び前記液溜め部の前記内壁と前記スリットとの接点を結ぶ直線に対し、前記流量調整壁と反対側に脹らんだ断面形状を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体供給ノズル。
  4. 前記液溜め部は、前記スリットの開口面の長さ方向に対して垂直な断面において、
    前記液溜め部の内壁と前記流速調整壁との接点及び前記液溜め部の前記内壁と前記スリットとの接点を結ぶ直線に対し、前記流量調整壁と反対側に曲線状に脹らんだ断面形状を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の流体供給ノズル。
  5. 前記スリットは、前記流体供給ノズルの中心軸に対して角度を持った方向に前記流体を吐出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の流体供給ノズル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の流体供給ノズルと、
    前記流体供給ノズルに流入する流体の流量を制御する流量制御部とを備え、
    前記流体供給ノズルから基板に流体を供給するようになっており、
    前記スリットが有する開口面の長さ方向は、前記基板に対して実質的に平行であることを特徴とする基板処理装置。
  7. 基板上に流体を供給することにより前記基板の処理を行なう基板処理方法であって、
    前記流体は連続した膜状に前記基板に供給され、
    前記流体が前記基板に接触する際の接触領域各部における前記流体の流量が均一になっていることを特徴とする基板処理方法。
  8. 基板上に流体を供給することにより前記基板の処理を行なう基板処理方法であって、
    前記流体は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の流体供給ノズルを用いて連続した膜状に前記基板に供給され、
    前記流体が前記基板に接触する際の接触領域各部における前記流体の流量が均一になっていることを特徴とする基板処理方法。
  9. 前記基板上に、パターン幅0.13μm以下であり且つアスペクト比2.5以上であるパターンが形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の基板処理方法。
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