マイクロエレクトロニクス基板から物体を選択的に除去するための方法が様々な実施形態において説明される。当業者であれば、様々な実施形態が、特定の詳細の1つ以上を用いることなく、又は、他の置換及び/又は追加の方法、材料、又はコンポーネントを用いて実施され得ることを認識するであろう。他の例では、本開示の様々な実施形態の態様を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造、材料、又は動作を詳細に図示又は説明しない。同様に、本発明の完全な理解を提供するために、説明の目的で、特定の数、材料、及び構成が示されている。しかしながら、システム及び方法は、具体的な詳細なしで実施されることができる。さらに、図面に示された様々な実施形態は、例示的なものであり、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解される。
本明細書を通じて、「一実施形態」又は「実施形態」は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、あらゆる実施形態にそれらが存在することを意図するものではない。したがって、本明細書全体を通して、様々な箇所における「一実施形態において」又は「実施形態において」という表現の出現は、必ずしも本発明の同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、複数の、特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。種々の追加層及び/又は構造は含まれることができ、及び/又は、記載されている特徴は他の実施形態様で省略されることができる。
通常、本明細書で用いられる「マイクロエレクトロニクス基板」とは、本発明に従って処理されるべき対象を意味する。マイクロエレクトロニクス基板は、デバイスの、特に半導体デバイス又は他のエレクトロニクスデバイスの、任意の材料部分又は構造を含むことができ、例えば、半導体基板のようなベース基板構造であるか、又は、ベース基板構造上の若しくはベース基板構造を覆う薄膜のような層でありうる。したがって、基板は、パターン化された又はパターン化されていない、任意の特定のベース構造、下地層又はオーバーレイ層に限定することを意図しておらず、任意のそのような層又はベース構造、及び、層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことを意図する。以下の説明は、特定の種類の基板を参照することができるが、これは例示の目的に過ぎず、限定するものではない。マイクロエレクトロニクス基板に加えて、本明細書に記載の技術は、フォトリソグラフィ技術を用いたマイクロエレクトロニクス基板のパターニングに使用され得るレチクル基板のクリーニングにも使用され得る。
低温流体クリーニングは、汚染物質とマイクロエレクトロニクス基板との間の付着力を克服するために、エアロゾル粒子又はガスジェット粒子(例えば、ガスクラスタ)から十分なエネルギーを与えることによって、汚染物質を除去するために使用される技術である。したがって、適切なサイズ及び速度の低温流体混合物(例えば、エアロゾルスプレー及び/又はガスクラスタジェットスプレー)を生成し又は膨張させる(expanding)ことが望ましい場合がある。エアロゾル又はクラスタの運動量は質量及び速度の関数である。運動量は、速度又は質量を増加させることによって増加させることができ、これは、特に、粒子が非常に小さい場合に(<100nm)、粒子と基板の表面との間の強い付着力を克服するために重要であり得る。
低温流体の速度に影響を与えるために、比較的小さい、又は大きい原子量の原子/分子で構成されるキャリアガスを、流体混合物に組み込むことができ、基板上の汚染物質のクリーニングを強化することができる。キャリアガスは、残りの流体混合物と共に低温冷却されてもよいし、されなくてもよい。一次低温混合物の分圧に加えて、キャリアガスが分圧を供給する。分圧及びガス温度は、システムのクリーニング能力を強化するために、流体混合物が液体/ガス状態又はガス状態に置かれるように調整され得る。この技術は、従来のエアロゾル技術が不十分な運動エネルギーのために制限されている小さな汚染物による基板のクリーニングを強化するために、半導体産業において増大するニーズを満足させる。
図1は、エアロゾルスプレー又はガスクラスタジェット(GCJ)スプレーを用いてマイクロエレクトロニクス基板をクリーニングするために使用され得るクリーニングシステム100の概略図と、クリーニングが行われるプロセスチャンバ104の断面図102とを含む。エアロゾルスプレー又はGCJスプレーは、低温冷却された(cryogenically cooled)流体混合物をプロセスチャンバ104内で大気圧以下の環境へと膨張させることによって形成することができる。図1に示すように、1つ以上の流体源106は、プロセスチャンバ104内のノズル110を通して膨張される前に、加圧された(複数の)流体を低温冷却システム108に供給することができる。真空システム134は、プロセスチャンバ104内の大気圧以下の環境を維持し、必要に応じて流体混合物を除去するために使用することができる。
この適用において、マイクロエレクトロニクス基板から物体を除去するために、以下の変数のうちの1つ以上が重要である:膨張前のノズル110内に流入する流体混合物の圧力及び温度、流体混合物の流速、流体混合物の組成及び比率、並びにプロセスチャンバ104内の圧力。したがって、コントローラ112を使用してプロセスレシピをメモリ114に格納し、コンピュータプロセッサ116を使用して、本明細書で開示するクリーニング技術を実施するクリーニングシステム100の種々のコンポーネントを制御するネットワーク138を介して命令を発行することができる。
半導体処理の当業者は、本明細書で開示される実施形態を実施するために、(複数の)流体源、低温冷却システム、真空システム134及びそれらそれぞれのサブコンポーネント(図示されない、例えばセンサ、コントローラ等)を構成することができる。例えば、一実施形態では、クリーニングシステム100のコンポーネントは、50psig~800psigの加圧流体混合物を提供するように構成することができる。流体混合物の温度は、低温冷却システム108の液体窒素デュワーに流体混合物を通すことによって、70K~270K、好ましくは70K~150Kの範囲に維持することができる。真空システム134は、エアロゾル及び/又はガスクラスタの形成を促進するために、35Torr未満、又はより好ましくは10Torr未満の圧力にプロセスチャンバ104を維持するように構成されることができる。
加圧冷却された流体混合物を、エアロゾルスプレー又はGCJスプレーをマイクロエレクトロニクス基板118に方向づけることができるノズル110を通してプロセスチャンバ104内に膨張させることができる。少なくとも1つのノズル110は、プロセスチャンバ104内に支持されることができ、ノズル110は、流体混合物をマイクロエレクトロニクス基板118に方向づける少なくとも1つのノズルオリフィスを有する。例えば、一実施形態では、ノズル110は、ノズルスプレーの長さに沿って複数の開口を有するノズルスプレーバーであってもよい。ノズル110は、マイクロエレクトロニクス基板118に衝突する流体スプレーの角度が特定の処理のために最適化され得るように、調節可能であってもよい。マイクロエレクトロニクス基板118は、好ましくは真空チャンバ120の長手軸に沿って、少なくとも1つの並進自由度124を提供する移動可能なチャック122に固定されてもくよく、ノズル110から放射される流体スプレーを介してマイクロエレクトロニクス基板118の少なくとも一部を直線走査することを容易にする。可動チャックは、可動チャック122の移動経路を画定するための1つ以上のスライド及びガイド機構を含むことができる基板並進駆動システム128に結合されてもよく、駆動機構は、そのガイド経路に沿って可動チャック122に移動(the movement)を付与するために利用されてもよい。駆動機構は、任意の電気的、機械的、電気機械的、液圧的、又は気圧的装置を含むことができる。駆動機構は、少なくとも1つのノズル110から放射される流体スプレーの領域を少なくとも部分的に通って、マイクロエレクトロニクス基板118の露出表面の移動を可能にするのに十分な長さの範囲を提供するように設計されてもよい。基板並進駆動システム128は、真空チャンバ120の壁内のスライド真空シール(図示せず)を通って延在するように配置された支持アーム(図示せず)を含んでもよく、第1遠位端は可動チャック122に取り付けられ、第2遠位端は真空チャンバ120の外側に位置するアクチュエータ機構に係合される。
さらに、可動チャック122は、好ましくはマイクロ電子基板118の露出表面に垂直な軸の周りに少なくとも1つの回転自由度126を提供する基板回転ドライブシステム130を含むこともでき、第1所定インデックス位置から、マイクロエレクとニクス基板118の別の部分を流体スプレーに露出する第2所定インデックス位置まで、マイクロエレクトロニクス基板118の回転インデックス容易にする。他の実施形態では、可動チャック122は、インデックス位置で停止することなく連続速度で回転することができる。さらに、可動チャック122は、ノズル110の角度を変えることに関連して、又はそれ自体で、マイクロエレクトロニクス基板118の位置を変えることにより、流体スプレーの入射角を変えることができる。
別の実施形態では、可動チャック122は、マイクロエレクトロニクス基板118の露出表面への少なくとも1つの流体スプレーの衝突中に、マイクロエレクトロニクス基板118を可動チャック122の上表面に固定するための機構を含むことができる。マイクロエレクトロニクス基板118は、例えば半導体処理の当業者によって実施され得るように、機械的ファスナ又はクランプ、真空クランプ、又は静電クランプを使用して可動チャック122に固定されてもよい。
さらにまた、可動チャック122は温度制御機構を含むことができ、マイクロエレクトロニクス基板118の温度を周囲温度より上に上昇した温度、又は、周囲温度より下に低下した温度に制御することができる。温度制御メカニズムは、可動チャック122及びマイクロエレクトロニクス基板118の温度を調整及び/又は制御するように構成された加熱システム(図示せず)又は冷却システム(図示せず)を含むことができる。加熱システム又は冷却システムは、冷却時に、可動チャック122から熱を受け取って熱交換システム(図示せず)に熱を伝達する、又は、加熱時に熱交換システムから可動チャックに熱を伝達する、熱伝達流体の再循環流を有することができる。他の実施形態では、可動チャック122は、抵抗加熱要素、又は熱電加熱器/冷却器等の加熱/冷却要素を有することができる。
図1に示すように、プロセスチャンバ104は、同一の真空チャンバ120内で、低温エアロゾル及び/又はGCJスプレー又はそれらの組み合わせを用いて基板118の処理を可能にするデュアルノズル構成(例えば、第2ノズル132)を含んでもよい。しかしながら、デュアルノズル構成は、必要とされない。ノズル110の設計のいくつかの例は、図2A~4の説明で説明される。ノズル110、132は、平行に配置されるように示されているが、クリーニングプロセスを実施するために互いに平行である必要はない。他の実施形態では、ノズル110、132は真空チャンバ120の対向端部にあり、可動チャック122は、1つ以上のノズル110、132が流体混合物をマイクロエレクトロニクス基板118に噴霧できる位置の中へ基板118を移動させることができる。
別の実施形態では、マイクロエレクトロニクス基板118の露出表面積(例えば電子デバイスが含まれるエリア)が、第1ノズル110及び/又は第2ノズル132から同時に又は類似の時間(並列処理)に又は異なる時間(例えば連続処理)に、流体混合物(例えばエアロゾル又はGCJ)によって衝突され得るように、マイクロエレクトロニクス基板118が移動し得る。例えば、クリーニングプロセスには、エアロゾルクリーニングプロセスとそれに続くGCJクリーニングプロセス、又はその逆が含まれ得る。さらに、第1ノズル110及び第2ノズル132は、それらのそれぞれの流体混合物が異なる位置で同時にマイクロエレクトロニクス基板118に衝突するように配置されてもよい。一例では、基板118を回転させて、マイクロエレクトロニクス基板118全体を異なる流体混合物に曝露させることができる。
ノズル110は、放出口圧力(outlet pressures)(例えば、<35Toor)よりも実質的に高い注入口圧力(inlet pressures)(例えば、50psig~800psig)を有する低温(例えば、<273K)流体混合物を受け取るように構成されてもよい。ノズル110の内部設計は、流体混合物の膨張を可能にし、マイクロ電子基板118に向けて方向づけられ得る固体及び/又は液体粒子を生成し得る。ノズル110の寸法は、膨張流体混合物の特性に強い影響を与え、スプレーバーに沿って配置された単純なオリフィスから、マルチ膨張容積構成、単一膨張容積構成までの構成の範囲に及ぶ可能性がある。図2A乃至図4は、使用することができるいくつかのノズル110の実施形態を示している。しかしながら、本開示の範囲は、例示された実施形態に限定されず、本明細書に開示された方法は、任意のノズル110設計に適用され得る。上記のように、ノズル110の図は縮尺通りに描かれていない場合がある。
図2Aは、2段ガスノズル200の断面図を含み、2段ガスノズル200は、互いに流体連通し得る2つのガス膨張領域を含み得、流体混合物が2段ガス(TSG)ノズル200を通って進行するにつれて、流体混合物に圧力変化を受けさせ得る。TGSノズル200の第1段は、低温冷却システム108及び流体源106と流体連通し得る注入口204を介して流体混合物を受け入れることができるリザーバコンポーネント202であり得る。流体混合物は、注入口圧力未満であり得る圧力まで、リザーバコンポーネント202内へと膨張し得る。流体混合物は、移行オリフィス206を介して放出口コンポーネント208に流れることができる。いくつかの実施形態において、流体混合物は、移行オリフィス206を介して流れる場合、より高い圧力に圧縮され得る。流体混合物が放出口オリフィス210を介して真空チャンバ120の低圧環境に暴露されるにしたがって、流体混合物は、放出口コンポーネント208内へと再び膨張し、エアロゾルスプレー又はガスクラスタジェットの形成に寄与し得る。概して、TGSノズル200は、注入口オリフィス204と放出口オリフィス210との間の流体混合物のデュアル膨張を可能にし得る任意の寸法設計を組み込むことができる。TGSノズル200の範囲は、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
図2Aの実施形態では、リザーバコンポーネント202は、注入口オリフィス204から移行オリフィス206まで延在するシリンダ形状の設計を含んでもよい。シリンダは、移行オリフィス206のサイズから移行オリフィス206のサイズの3倍以上まで変化し得る直径212を有し得る。
一実施形態において、TGSノズル200は、0.5mm~3mm、好ましくは0.5mm~1.5mmの範囲であり得る注入口オリフィス204の直径を有し得る。リザーバコンポーネント202は、2mm~6mm、好ましくは4mm~6mmの直径212を有するシリンダを含むことができる。リザーバコンポーネント208は、20mm~50mm、好ましくは20mm~25mmの長さ214を有することができる。リザーバコンポーネント208の非注入口端部(the non-inlet end)では、移行オリフィス206を介して流体混合物を放出口コンポーネント208の中へと圧縮させることができるより小さい直径に移行することができる。
移行オリフィス206は、いくつかの異なる実施形態において存在することができ、リザーバコンポーネント202と放出口コンポーネント208との間での移行の際に、流体混合物を調整するために使用されることができる。一実施形態では、移行オリフィス206は、リザーバコンポーネント202の一端における単純なオリフィス又は開口であってもよい。この移行オリフィス206の直径は、2mm~5mmの範囲であってもよいが、好ましくは2mm~2.5mmである。別の実施形態では、図2Aに示すように、移行オリフィス206は、先の実施形態における単純な開口部よりも、より大きな実質的容積(a more substantial volume)を有し得る。例えば、移行オリフィス206は、5mm未満であり得る距離に沿って一定であり得るシリンダ形状を有し得る。この実施形態では、移行オリフィス206の直径は、放出口コンポーネント208の初期直径よりも大きくなり得る。この例では、移行オリフィス206と放出口コンポーネント208との間のステップ高さが存在し得る。ステップ高さは、1mm未満であり得る。1つの特定の実施形態において、ステップ高さは約0.04mmであり得る。放出口コンポーネント208は、移行オリフィス206と放出口オリフィス210との間で直径が増加する円錐形状を有し得る。放出口コンポーネント208の円錐部分は、3°~10°、好ましくは3°~6°の半角(a half angle)を有することができる。
図2Bは、移行オリフィス206とほぼ同じサイズの直径218を有するリザーバコンポーネント202を含むTGSノズル200の別の実施形態220を示す。この実施形態では、直径218は、2mm~5mmであり得、図2Aの実施形態と同様の長さ214を有し得る。図2Bの実施形態は、リザーバコンポーネント202と放出口コンポーネント208との間の圧力差を低減することができ、TGSノズル200の第1段の間の流体混合物の安定性を改善することができる。しかしながら、他の実施形態では、TSGノズル200の実施形態において圧力変動を低減するために1段ノズル300を使用することができ、流体混合物の乱流を低減することができる。
図3は、注入口オリフィス302と放出口オリフィス304との間に単一の膨張チャンバを組み込み得る1段ガス(SSG)ノズル300の一実施形態の断面図を示す。SSGノズル300の膨張チャンバは変化し得るが、図3の実施形態では、注入口オリフィス302(例えば、0.5mm~1.5mm)よりもわずかに大きい初期直径306(例えば、1.5mm~3mm)を有し得る円錐形の設計を示す。円錐形の設計は、3°~10°、好ましくは3°~6°の半角を含み得る。半角は、(注入口オリフィス302及び放出口オリフィス304から)SSGノズル300の膨張チャンバを通る仮想中心線と膨張チャンバの側壁(例えば、円錐壁)との間の角度であり得る。最後に、SSGノズル300は、18mm~40mm、好ましくは18mm~25mmの長さを有し得る。SSGノズル300の別の変形例は、図4に示すように、注入口オリフィス302から放出口オリフィス304への膨張容積の連続テーパを有し得る。
図4は、フラッシュガス(FG)ノズル400の断面図を含み、FGノズル400は注入口オリフィス402と放出口オリフィス404との間のオフセット又は収縮部を含まない連続膨張チャンバを有し得る。その名前が示すように、膨張容積の初期直径は、注入口直径402と同一平面であり得、0.5mm~3mm、好ましくは1mm~1.5mmであり得る注入口直径を有し得る。一実施形態では、放出口直径404は、注入口直径402のサイズの2~4倍、好ましくは2mm~12mmであり得る。さらに、半角は、3°~10°、好ましくは3°~6°であり得る。膨張容積の長さ406は、注入口オリフィス402と放出口オリフィス404との間で10mm~50mmの間で変化するはずである。さらに、以下の実施形態は、図3及び図4の実施形態の両方に適用され得る。1つの特定の実施形態において、ノズルは、20mmの円錐長さ、3°の半角、及び約4mmの放出口オリフィス直径を有し得る。別の特定の実施形態では、円錐長さは15mm~25mmであり得、放出口オリフィス直径は3mm~6mmであり得る。他の特定実施例において、放出口オリフィス直径は約4mmであり得、注入口直径は約1.2mm及び円錐長さは約35mmであり得る。
クリーニングシステム100のクリーニング効率に影響を及ぼし得る別の特徴は、ノズル放出口404とマイクロエレクトロニクス基板118との間の距離であり得る。いくつかのプロセス実施形態において、ギャップ距離は、除去される粒子の量によってだけでなく、基板118をにわたる単一の経路の間に粒子が除去され得る表面積の量(the amount of surface area)によっても、クリーニング効率に影響を与え得る。いくつかの例では、ノズル110の放出口オリフィスがマイクロエレクトロニクス基板118により近い(例えば、<50mm)場合、エアロゾルスプレー又はGCJスプレーは、基板118のより大きな表面積をクリーニングすることができる。
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ノズル110の放出口オリフィス404とマイクロエレクトロニクス基板118との間のギャップ距離502を示す図500を含む。一例では、ギャップ距離502は、ノズル110のための構造又は支持体を形成するノズル110アセンブリの端部から測定され得る。別の例では、ギャップ距離502は、マイクロエレクトロニクス基板118に露出される円錐形拡張領域の最大直径にわたって延在する平面から測定されてもよい。
ギャップ距離502は、チャンバ圧力、ガス組成、流体混合物温度、注入口圧力、ノズル110設計、又はそれらのいくつかの組み合わせに依存して変化し得る。通常、ギャップ距離502は、2mm~50mmであり得る。通常、真空チャンバ120の圧力は35Torr未満であり得、2mm及び50mmのギャップ距離502内で動作し得る。しかしながら、チャンバ圧力は10Torr未満であり得、ガスノズル110が6mm未満の放出口オリフィスを有する場合、ギャップ距離502は10mm未満になるように最適化され得る。いくつかの特定の実施形態では、真空チャンバ120の圧力が10Torr未満であって5mm未満の放出口直径を有するノズル110に対する所望のギャップ距離502は約5mmであり得る。
他の実施形態では、ギャップ距離502は、少なくとも部分的に、真空チャンバ120の圧力との反比例の関係(an inverse relationship)に基づいてもよい。例えば、ギャップ距離502は、一定値をチャンバ120の圧力で除算することによって導出される値以下であってもよい。一実施形態において、定数は、無次元パラメータであってもよく、又はmm×Torrの単位であってもよく、真空チャンバ120の圧力は、Torrで測定されてもよい。式1を参照されたい:
ギャップ距離 ≦ 定数/チャンバ圧力 (1)
このようにして、チャンバ圧力で定数を除算することによって得られる値は、クリーニングプロセスに使用され得るギャップ距離502を提供する。例えば、1つの特定の実施形態において、定数は50であってもよく、チャンバ圧力は約7Torrであってもよい。この場合、ギャップ距離は、式(1)の下で7mm以下である。他の実施形態では、定数は40~60の範囲であり得、圧力は1Torr~10Torrの範囲であり得る。別の実施形態では、定数は0.05~0.3の範囲であり得、圧力は0.05Torr~1Torrの範囲であり得る。ギャップ距離502は、クリーニング効率にプラスの影響を与え得るが、エアロゾルスプレー及びガスクラスタジェットスプレーを用いるクリーニング効率に寄与し得るいくつかの他のプロセス変数がある。
図1~5の説明に記載されたハードウェアは、エアロゾルスプレー及びガスクラスタジェット(GCJ)スプレーを、ハードウェアのわずかな変化、及びプロセス条件に対する実質的な変化で可能にするために使用することができる。プロセス条件は、異なる流体混合組成物及び比率、注入口圧力、注入口温度、又は真空チャンバ120圧力の間で変化し得る。エアロゾルスプレーとGCJスプレープロセスとの間の1つの実質的な差異は、ノズル110へ流入する流体混合物の相組成であり得る。例えば、エアロゾルスプレー流体混合物は、GCJ流体混合物よりも高い流体濃度を有し得、これは、ノズル110へ流入するGCJ流体混合物中に流体が非常に少ないか又は全くない気体状態で存在し得る
エアロゾルスプレーの実施形態では、低温冷却システム108の温度は、ノズル110へ流入する流体混合物の少なくとも一部が液相で存在し得る点に設定され得る。この実施形態では、ノズル混合物は、液体状態で少なくとも10重量%であり得る。次いで、液体/気体混合物は、高圧でプロセスチャンバ104内に膨張され、そこで、低温エアロゾルが形成され得、固体及び/又は液体粒子の相当な部分(a substantial portion)を含み得る。しかしながら、後述するように、流体混合物の状態は、エアロゾルプロセスとGCJプロセスとの間の唯一の差異ではない可能性がある。
対照的に、ノズル110に流入するGCJスプレー流体混合物は、非常に少ない液相しか含まず(例えば、<1体積%)、又は、液相を含まず完全にガス状であってもよい。例えば、低温冷却システム108の温度は、GCJクリーニングプロセスのために流体混合物が液相で存在するのを阻止する点に設定されてもよい。したがって、状態図は、プロセスチャンバ104内でエアロゾルスプレー又はGCJスプレーを形成することを可能にするために使用され得るプロセス温度及び圧力を特定するための1つの方法であり得る。
図6A乃至6Bを参照すると、状態図600、608は、流入する流体混合物の成分がどの相で存在し得るか、又は液相、気相、若しくはそれらの組み合わせを含む可能性がより高いかを示すことができる。例示的な状態図を説明し及び図示するために、アルゴンの状態図602、窒素の状態図604、酸素の状態図610、及びキセノンの状態図612が示されている。当業者は、文献、又はメリーランド州ゲーサーズバーグの国立標準技術研究所又は他のソースを介して、状態図情報を見つけることができるかもしれない。本明細書に記載される他の化学物質も、代表的な状態図を有し得るが、説明を容易にする目的で本明細書には示されていない。
状態図600、608は、圧力(例えば、y軸)と温度(例えば、x軸)との関係、及び元素がガス状又は液体状で存在し得る可能性を強調するグラフ表示によって表すことができる。状態図は、元素が液体状態又は気体状態の間で転移するところを表すことができる気液相転移線(a gas-liquid phase transition line)606(又は気液転移線(a vapor-liquid transition line))を含むことができる。これらの実施形態では、元素の圧力及び温度が気液転移線606の左側にある場合には、液相が存在する可能性が高くなり、元素の圧力及び温度が気液転移線606の右側にある場合には、気相が優勢になり得る。さらに、元素の圧力及び温度が気液相転移線606に非常に近い場合、元素が気液相中に存在する可能性は、気液相転移線606から圧力及び温度がさらに離れている場合よりも高い。例えば、アルゴンの状態図602を考慮すると、アルゴンが100Kの温度で300psiの圧力に維持される場合には、アルゴンが130Kの温度で300psiの圧力に維持される場合よりも、アルゴンは液相である部分を含むか、又は、より高い液体の(重量による)濃度を有する可能性がより高い。アルゴンの液体濃度は、300psiの圧力を維持しながら、温度が130Kから低下するにつれて増加し得る。同様に、130Kの温度を維持すると共に、圧力が300psiから増加するときに、アルゴンの液体濃度は増加し得る。通常、状態図600によれば、アルゴンを気体状態に維持するためには、温度は83K以上であるべきであり、窒素を気体状態に維持するためには、温度は63K以上であるべきである。しかしながら、任意の窒素-アルゴン混合物、アルゴン又は窒素の相は、元素の相対濃度に依存し得、流体混合物の圧力及び温度にも依存し得る。しかしながら、状態図600は、アルゴン-窒素混合物、アルゴン又は窒素環境の相の指標、又は少なくとも液体が存在し得る可能性の指標を提供し得るガイドラインとして使用され得る。例えば、エアロゾルクリーニングプロセスの場合、流入する流体混合物は、流入する流体混合物の1つ以上の元素について、気液転移線606の上又は左側に、温度又は圧力を有し得る。対照的に、GCJクリーニングプロセスは、GCJ流入流体混合物中の1つ以上の元素について、気液相転移線606の右側にあり得る圧力及び温度を有し得る流入流体混合物を使用する可能性がより高い。場合によっては、システム100は、流体混合物の流入温度及び/又は圧力を変えることにより、エアロゾルプロセスとGCJプロセスとを交互に行うことができる。
気液相転移線606が各状態図600、608と類似している点に留意する必要がある、しかしながら、それらの値は、各状態図600、608に割り当てられる化学物質に対して特有であり得るが、アルゴンの状態図602の説明での記載のように、当業者によって用いられることができる。当業者は、状態図600、608を用いることができ、エアロゾル又はGCJスプレーの流体混合物中の液体及び/又は気体の量を最適化することができる。
低温エアロゾルスプレーは、少なくとも1つの流体の液化温度又はその付近低温温度にさらされた流体または流体混合物で形成され、その後、ノズル110を通じて流体混合物をプロセスチャンバ104の低圧環境で膨張させることができる。流体混合物の膨張条件及び組成は、基板118に衝突し得るエアロゾルスプレーを有する、小さな小液滴及び/又は個体粒子を形成する役割を果たし得る。エアロゾルスプレーは、汚染物質とマイクとエレクトロニクス基板118との間の付着力を克服するために、エアロゾルスプレー(例えば小液滴、個体粒子)から十分なエネルギーを与えることによって、マイクロエレクトロニクス基板118の汚染物質(例えば粒子)を取り払うために使用され得る。エアロゾルスプレーの運動量(The momentum)は、前述の付着力に必要とされ得るエネルギーの量に、少なくとも部分的に、基づいて粒子を除去する際に重要な役割を果たし得る。粒子除去効率は、種々の質量及び/又は速度の成分(例えば、小液滴、結晶など)を有し得る低温エアロゾルを生成することによって最適化され得る。汚染物質を除去するのに必要な運動量は質量と速度の関数である。質量及び速度は、特に粒子が非常に小さい場合(<100nm)には、粒子と基板の表面との間の強い付着力を克服するために非常に重要であり得る。
図7は、粒子を除去するためにマイクロエレクトロニクス基板118を低温エアロゾルで処理する方法のフローチャート700を示す。上述のように、粒子除去効率を改善するための1つのアプローチは、エアロゾルスプレーの運動量を増加させることであり得る。運動量は、エアロゾルスプレーの内容物の質量及び速度の積であり得、したがって、エアロゾルスプレーの成分の質量及び/又は速度を増加させることによって運動エネルギーが増加し得る。質量及び/又は速度は、流体混合物組成物、流入流体混合物の圧力及び/又は温度、及び/又はプロセスチャンバ104の温度及び/又は圧力を含み得るが、これらに限定されない、種々の要因に依存し得る。フローチャート700は、窒素及び/又はアルゴン、及び少なくとも1つの他のキャリアガス及び/又は純粋なアルゴン又は純粋な窒素の種々の組み合わせを使用することによって、運動量を最適化する一実施形態を示す。
図7を参照すると、ブロック702において、システム100は、プロセスチャンバ104内にマイクロエレクトロニクス基板118を受け入れ得る。マイクロエレクトロニクス基板118は、メモリデバイス、マイクロプロセッサデバイス、発光ディスプレイ、太陽電池などを含み得るが、これらに限定されない電子デバイスを製造するために使用され得る半導体材料(例えば、シリコンなど)を含み得る。マイクロエレクトロニクス基板118は、パターン化された膜又はブランケット膜を含み得、これは、システム100上で実施されるエアロゾルクリーニングプロセスによって除去され得る汚染を含み得る。システム100は、低温冷却システム108及び1つ以上の流体ソース106と流体連通するプロセスチャンバ104を含得る。プロセスチャンバはまた、流体混合物を膨張させてマイクロエレクトロニクス基板118をクリーニングするためのエアロゾルスプレーを形成するために使用され得る流体膨張コンポーネント(例えば、TSGノズル200など)を含み得る。
ブロック704において、システム100は、流体混合物を273K未満に冷却し得る低温冷却システム108を介して流体膨張コンポーネントに流体混合物を供給することができる。1つの実施形態において、流体混合物の温度は、70K以上及び200K以下であり得、より具体的には、温度は130K未満であり得る。また、システム100は、大気圧よりも高い圧力で流体混合物を維持することができる。一実施形態において、流体混合物の圧力は、50psig~800psigの間に維持されることができる。
一実施形態において、流体混合物は、原子量が28未満の分子を含む第1流体成分、及び原子量が少なくとも28の分子を含む少なくとも1つの付加的流体成分を含み得る。当業者であれば、2つ以上の流体の流体混合物を最適化して、エアロゾルスプレー成分の所望の運動量を達成して、粒子除去効率を最大化するか、異なるタイプ又はサイズの粒子を標的化することができるであろう。この場合、第1流体成分は、ヘリウム、ネオン、又はそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。少なくとも1つの付加的流体成分は、窒素(N2)、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素、又はそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。1つの特定の実施形態において、付加的流体成分はN2及びアルゴン混合物を含み、第1流体成分はヘリウムを含んでもよい。しかしながら、流体混合物の温度、圧力及び濃度は、異なるタイプのエアロゾルスプレーを提供するために変化し得る。他の実施形態において、流体混合物の相又は状態は、以下に記載される種々の濃度の気体、液体、気体-液体を含み得る。
第1流体成分と付加的流体成分との間の比率は、マイクロエレクトロニクス基板118をクリーニングするために所望のスプレーのタイプに依存して変化し得る。流体混合物は、化学組成及び濃度によって、及び/又は物質の相又は状態(例えば、気体、液体など)によって変化し得る。1つのエアロゾル実施形態において、第1流体成分は、流体混合物の少なくとも50重量%から100重量%までを有し、流体混合物は、気体状態の第1部分及び液体状態の第2部分を含み得る。ほとんどの場合、流体混合物は、液相において少なくとも10重量%を有し得る。流体混合物は、パターン化上又はパターン化されたマイクロエレクトロニクス基板118上に(on patterned or patterned microelectronic
substrates 118)存在し得る粒子の異なるタイプ及び/又はサイズに対応するように最適化され得る。粒子除去性能を変化させるための1つのアプローチは、粒子除去性能を向上させるために流体混合物の組成及び/又は濃度を調整することである。別の流体混合の実施形態では、第1流体成分は、流体混合物の10重量%~50重量%を含む。別の実施形態では、第1流体成分は、流体混合物の20重量%~40重量%を含み得る。別の流体混合の実施形態では、第1流体成分は、流体混合物の30重量%~40重量%を含み得る。前述のエアロゾル流体混合物の相も、基板118上の異なる種類の粒子及び膜に対して調整するために、広く変化し得る。例えば、流体混合物は、気体状態であり得る第1部分と、液体状態であり得る第2部分とを含み得る。
一実施形態において、第2部分は、流体混合物の少なくとも10重量%であり得る。しかしながら、特定の場合には、粒子を除去するために、より低い濃度の液体が望ましいことがある。より低い液体濃度の実施形態では、第2部分は、流体混合物の1重量%以下であり得る。流体混合物の液体部分は、流体混合物を含み得る複数の液相又は1つ以上の気体を含み得る。これらの流体混合物の実施形態では、システム100は、付加的流体成分を120slm~140slmの間で流し、第1流体成分を30slm~45slmの間で流すことによって、エアロゾルスプレーを実施することができる。
流体混合物の流入圧力、濃度、及び組成に加えて、エアロゾルスプレーの運動量及び組成もまた、プロセスチャンバ104内の圧力によって影響され得る。より具体的には、チャンバ圧力は、エアロゾルスプレー中の小液滴(the liquid droplets)及び/又は固体粒子の質量及び/又は速度に影響を及ぼし得る。流体混合物の膨張は、ノズル110にわたる圧力差に依存し得る。
ブロック706において、システム100は、流体混合物の少なくとも一部がマイクロエレクトロニクス基板118と接触するように、流体混合物をプロセスチャンバ104内に提供することができる。流体膨張コンポーネント(例えば、ノズル110)を介した流体混合物の膨張は、エアロゾルスプレーの小液滴及び/又は固体粒子を形成し得る。システム100は、プロセスチャンバ104を35Torr以下のチャンバ圧力に維持し得る。特定の場合には、エアロゾルスプレー中の小液滴及び/又は固体粒子の質量及び/又は速度を最適化するために、プロセスチャンバ104をはるかに低い圧力に維持することが望ましい場合がある。1つの特定の実施形態において、エアロゾルスプレーの粒子除去特性は、プロセスチャンバが10Torr未満に維持される場合、特定の粒子に対してより望ましい場合がある。また、プロセスチャンバ104が、流体混合物の膨張中に5Torr未満に維持される場合、粒子除去効率はより大きな表面積をカバーすることが注目された。
流体混合物が流体膨張コンポーネントを通って流れるとき、流体混合物は、比較的高い圧力(例えば、>大気圧)から比較的低い圧力(例えば、<35Torr)への流体混合物の膨張に関連する相転移を受けることができる。一実施形態では、流入する流体混合物は、気体又は液体-気体相中に存在することができ、プロセスチャンバ104よりも比較的高い圧力下にある。しかしながら、流体混合物がプロセスチャンバ104の低圧を通って流れるか又は膨張すると、流体混合物は転移し始めて、上述のように、小液滴及び/又は固体状態を形成し得る。例えば、膨張した流体混合物は、気相、液相、及び/又は固相の部分の組み合わせを含んでもよい。これには、上記の低温エアロゾルが含まれ得る。さらに別の実施形態では、流体混合物はまた、ガスクラスタを含んでもよい。一実施形態では、弱い引力(例えば、ファンデルワールス力)による原子又は分子の凝集であってもよい。一例では、ガスクラスタは、ガスと固体との間の物質の相であると考えられ、ガスクラスタのサイズは、数個の分子又は原子から105個を超える原子までの範囲であり得る。
もう1つの実施形態において、流体混合物は、同じマイクロエレクトロニクス基板118を処理しながら、同じノズル内のエアロゾルとガスクラスタ(例えば、GCJ)との間で転移してもよい。このようにして、流体混合物は、より高い液体濃度から、流体混合物中のより低い液体濃度に進むことによって、エアロゾルとGCJとの間で転移し得る。あるいは、流体混合物は、流体混合物中のより低い液体濃度からより高い液体濃度に進むことによって、GCJとエアロゾルとの間で転移してもよい。図6A~6Bの説明で上述したように、液相濃度は、温度、圧力、又はそれらの組み合わせによって制御することができる。例えば、エアロゾルからGCJへの転移において、1つの特定の実施形態において、流体混合液の濃度は、10重量%から1重量%未満に遷移し得る。別の特定の実施形態では、流体混合物の液体濃度が1重量%から10重量%未満に遷移するときに、GCJからエアロゾルへの転移が起こり得る。しかしながら、エアロゾルとGCJとの間の転移、及びその逆は、前述の特定の実施形態におけるパーセンテージに限定されるものではなく、また、説明のための単なる例示に過ぎず、限定されるものではない。
ブロック708において、膨張した流体は、マイクロエレクトロニクス基板118に向けて方向づけられることができ、流体膨張コンポーネントがマイクロエレクトロニクス基板118の表面にわたって移動するにつれて、マイクロエレクトロニクス基板118から粒子を除去することができる。いくつかの実施形態において、システム100は、マイクロエレクトロニクス基板118の周りに配置され得る複数の流体膨張コンポーネントを含み得る。複数の流体膨張コンポーネントは、粒子を除去するために同時に又は連続的に(concurrently or serially)使用されることができる。あるいは、複数の流体膨張コンポーネントのいくつかは、エアロゾル処理専用であってもよく、残りの流体膨張コンポーネントは、GCJ処理に使用されてもよい。
エアロゾル処理に加えて、マイクロエレクトロニクス基板118は、GCJ処理を用いてクリーニングされてもよい。低温ガスクラスタは、アルゴン又は窒素又はそれらの混合物等の気体種が、任意の気体成分の液化温度を超え得る低温温度にガスを曝すデュワー等の熱交換器ベッセル(例えば、低温冷却システム108)を通過するときに形成され得る。次いで、高圧の低温ガスは、マイクロエレクトロニクス基板118の表面に対して角度をなす又は垂直なノズル110又はノズルアレイを介して膨張し得る。GCJスプレーは、マイクロエレクトロニクス基板118の表面への損傷を引き起こすことなく、又は損傷の量を制限して(without causing any damage or limiting the
amount of damage)、半導体ウエハの表面から粒子を除去するために使用され得る。
ガスクラスタは、力(例えば、ファンデルワールス力)によって一緒に保持される原子/分子の集合又は凝集であり得るが、気体中の原子又は分子と固相との間の物質の別個の相として分類され、サイズは数個の原子から105個の原子までの範囲であり得る。式(2)で与えられるHagenaの経験的クラスタスケーリングパラメータ(Γ*)は、クラスタサイズに影響し得る臨界パラメータを提供する。kは結合形成に関連する凝縮パラメータ(ガス種特性)、dはノズルオリフィス直径、αは膨張半角、Po及びToは膨張前圧力及び温度である。円錐形状を有するノズルの幾何学的形状は、膨張するガスを制約し、より効率的なクラスタ形成のために原子又は分子間の衝突の数を増加させるのに役立つ。このようにして、ノズル110は、基板118の表面から汚染物質を取り除くのに十分な大きさのクラスタの形成を促進することができる。ノズル110から放出されるGCJスプレーは、基板118に衝突する前にイオン化されないが、原子の中性集合として残る。
クラスタを構成する原子又は分子の集合体は、マイクロエレクトロニクス基板118上の汚染物サイズに低温クラスタサイズが近接していることにより、より良好なプロセス能力を提供し得るサイズ分布を有することができ、100nm未満のサイズの汚染物のクリーニングを目標とすることができる。また、マイクロエレクトロニクス基板118に衝突する低温クラスタのサイズが小さいことは、処理中に保護する必要がある高感度構造を有し得るマイクロエレクトロニクス基板118の損傷を防止又は最小限に抑えることができる。
エアロゾルプロセスと同様に、GCJプロセスは、図1のシステム100の説明に記載されたものと同じ、又は類似のハードウェア、及び図2A~5の説明に記載されたコンポーネントを使用することができる。しかしながら、GCJ法の実施は、本明細書に記載されるハードウェアの実施形態に限定されない。特定の実施形態では、GCJプロセスは、エアロゾルプロセスと同じ又は類似のプロセス条件を使用することができるが、GCJプロセスは、流体混合物に対してより低い液相濃度を有してもよい。しかしながら、GCJプロセスは、本明細書に記載されるエアロゾルプロセスの全ての実施形態よりも低い液体濃度を有する必要はない。当業者は、本明細書に記載されるGCJ方法において存在し得る任意の小液滴及び/又は固体粒子(例えば、凍結液体)に対するガスクラスタの量又は密度を増加させるGCJ方法を実施することができる。これらのGCJ方法は、クリーニングプロセスを最適化するためのいくつかの異なる技術を有してもよく、当業者は、これらの技術の任意の組み合わせを使用して、任意のマイクロエレクトロニクス基板118をクリーニングすることができる。例えば、当業者は、マイクロエレクトロニクス基板118をクリーニングするために、ノズル110の設計及び/又は配向、流体混合物の組成又は濃度、流体混合物の流入圧力及び/又は温度、及びプロセスチャンバの104の圧力及び/又は温度を変化させることができる。
図8は、マイクロエレクトロニクス基板118から粒子を除去するためのGCJプロセスを生成するための低温法のためのフローチャート800を提供する。この実施形態では、本方法は、図2A乃至2Bの説明で本明細書に記載される2段ガス(TSG)ノズル200と同様に、多段ノズル110を使用することができるGCJプロセスを代表することができる。図8の実施形態は、流体混合物が多段ノズル110を介して高圧環境から低圧環境に移行する際に、流体混合物の圧力差又は変化を反映し得る。
図8を参照すると、ブロック802において、システム100は、流体膨張コンポーネント(例えば、TSGノズル200)を含むことができる真空プロセスチャンバ120内にマイクロエレクトロニクス基板118を受け入れることができる。このシステムは、マイクロエレクトロニクス基板118を低温冷却システム108によって提供される任意の流体混合物に曝す前に、プロセスチャンバ104を大気圧以下の状態にしてもよい。
ブロック804において、システム100は、273K未満の温度及び大気圧よりも高い圧力である流体混合物を供給又は調整することができる。例えば、流体混合物の温度は、70K~200Kの間、又はより具体的には70K~120Kの間であり得る。混合流体の圧力は、50psig~800psigの間であってもよい。一般に、流体混合物の少なくとも大部分(重量による)は、気相中にあってもよい。しかしながら、他の実施形態において、流体混合物は、気相において10重量%未満であってもよく、より詳細には、気相において1重量%未満であってもよい。
流体混合物は、N2、アルゴン、キセノン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、二酸化炭素、又はこれらの任意の組み合わせ(combination)を含み得る単一の流体組成物又は流体の組み合わせであり得るが、これらに限定されない。当業者は、前述の流体の1つ以上の組み合わせを選択し、一度に1つの流体混合物を用いて基板を処理し、又は、同一のマイクロエレクトロニクス基板118に対して、流体混合物の組み合わせを用いて基板を処理することができる。
一実施形態において、流体混合物は、1:1~11:1の間の比において、N2及びアルゴンの組み合わせを含んでもよい。当業者は、マイクロエレクトロニクス基板118から粒子を除去するために、N2及び/又はアルゴンの液体濃度に関連して比率を最適化することができる。しかしながら、他の実施形態において、当業者は、粒子除去効率を最適化するために、GCJ流体混合物のエネルギー又は運動量を最適化することもできる。例えば、流体混合物は、GCJプロセスの質量及び/又は速度を変化させ得る別のキャリアガスを含み得る。キャリアガスとしては、キセノン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、二酸化炭素、又はこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、流体混合物は、アルゴン対N2の1:1~1:4の混合物であることができ、キセノン、クリプトン、二酸化炭素、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上のキャリアガスが混合され得る混合物を含み得る。他の例では、キャリアガスの組成及び濃度は、異なる比率のキャリアガスを有する異なる比率のN2及びアルゴンで最適化され得る。他の実施形態において、キャリアガスは、表1に示すように、Hagena値、kに基づいて含まれてもよい。
通常、いくつかの実施形態では、N2、アルゴン、又はそれらの組み合わせと混合されている場合、k値の低い流体は、濃度が同等又はそれ以上でなければならない。例えば、キャリアガスをN2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と混合する場合は、N2、アルゴン又はそれらの組み合わせと、キャリアガスとの間の比は、少なくとも4:1の混合比(a ratio mixture)を用いて行われるべきであり、ここでは、キセノン、クリプトン、二酸化炭素又はこれらの任意の組み合わせを11:1までの混合比で用いる。対照的に、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせを、N2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と組み合わせる場合、混合比は、N2、アルゴン又はそれらの組み合わせ(例えば1:1~4:1)と、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせと、の間で少なくとも1:4であり得る。上記のN2、アルゴン及び/又はキャリアガスの組み合わせは、本明細書に記載の他のエアロゾル及びGCJ法にも適用することができる。
他の実施形態において、流体混合物は、1:1~11:1の間の比で、アルゴン及びN2の組み合わせを含むことができる。この流体混合物はまた、キャリアガス(例えば、表1)を含むことができる。しかしながら、流体混合物は、本明細書中に記載されるエアロゾル又はGCJ法を用いて使用され得る純粋アルゴン又は純粋窒素組成物も含み得る。
ブロック806において、システム100は、流体源106から及び/又は低温冷却システム108から流体膨張コンポーネントに流体混合物を提供することができる。システム100はまた、プロセスチャンバ104を35Torr未満の圧力に維持してもよい。例えば、システム100は、プロセスチャンバ104の圧力を制御するために真空システム134を使用し、流体混合物がプロセスチャンバ104に導入される前又はその時に、プロセスチャンバ104を制御してもよい。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ104の圧力は、5Torr~10Torrの間であってもよく、いくつかの実施形態では、圧力は、5Torr未満であってもよい。
GCJスプレーは、流体混合物が、比較的高圧の環境(例えば、ノズル110の上流)と低圧の環境(例えば、プロセスチャンバ)との間で移行するときに形成されてもよい。図8の実施形態において、流体膨張コンポーネントは、マイクロエレクトロニクス基板118に衝突する前に、流体混合物を少なくとも2つの圧力変化又は膨張の下におくことができるTSGノズル200であってもよい。
ブロック808において、流体混合物は、注入口オリフィス204を通ってリザーバコンポーネント202へと膨張し、プロセスチャンバ104圧力を超え、流体混合物の流入圧力未満のリザーバ圧力を達成し又は維持することができる。概して、リザーバ圧力は、800psig未満で35Torr以上であり得る。しかしながら、図2A乃至2Bに図示される限られた空間内でのガス流の変動により、リザーバ圧力が変動し得る。
流体混合物は、リザーバコンポーネント202の直径より小さいか又は小さくなくてもよい移行オリフィス206へ進むことができる。移行オリフィス206がリザーバコンポーネント202の直径より小さい場合、流体混合物は、移行オリフィス206を流れ又は移行オリフィス206を通り抜けて、TSGノズル200の放出口コンポーネント208内へ流入するときに、より高い圧力に圧縮され得る。
ブロック810において、流体混合物は、流体膨張コンポーネントの放出口コンポーネント208内の放出口圧力に維持され得る。放出口圧力は、チャンバ圧力を超え、リザーバコンポーネント202圧力未満であることができる。移行オリフィス206と出口オリフィス210との間の移行の間に、流体混合物は膨張し得、上述のようにガスクラスタを形成し得る。放出口コンポーネント210とプロセスチャンバ104との間の圧力の差は、プロセスチャンバ104のより大きな容積と比較して放出口コンポーネント210のより小さな限られた容積に起因し得る。
ガスクラスタは、放出口オリフィス210に向けて方向づけられることができ、流体混合物は、流体混合物がTSGノズル200を出た後も膨張し続け得る。しかしながら、運動量は、ガスクラスタスプレーの少なくとも大部分をマイクロエレクトロニクス基板118に方向づけることができる。上述のように、ガスクラスタのサイズは、105までのいくつかの原子間で変化し得る。プロセスは、上述のプロセス条件によって変化することにより、ガスクラスタの数及びサイズを制御するために最適化されることができる。例えば、当業者は、マイクロエレクトロニクス基板118から粒子を除去するために、流入する流体混合物圧力、流体混合物の組成/濃度、プロセスチャンバ104圧力、又はそれらの任意の組み合わせを変更することができる。
ブロック812では、GCJスプレーのコンポーネントを使用して、マイクロエレクトロニクス基板118から物体又は汚染物を動力学的又は化学的に除去することができる。物体は、GCJスプレーの運動学的衝撃によって、及び/又は流体混合物が有し得る物体との化学的相互作用によって、除去することができる。しかしながら、対象物の除去は、動力学的及び/又は化学的除去の理論に限定されるものではなく、GCJスプレーを適用した後の物体の除去は、物体の除去を説明するために用いられる任意の適用可能な理論のための十分な証拠となり得るという点で、物体の除去を説明するための任意の理論を適用可能である。
また、TSGノズル200とマイクロエレクトロニクス基板118との相対位置を用いて、物体の除去を最適化することができる。例えば、GCJスプレーの入射角は、TSGノズル200を、マイクロエレクトロニクス基板118の表面と放出口オリフィス210との間で、0°~90°移動させることによって調整することができる。1つの特定の実施例において、マイクロエレクトロニクス基板118上の組成又はパターンに基づいて物体を除去するために、入射角は30°から60°であってもよい。あるいは、入射角は、60°と90°との間、より具体的には約90°とすることができる。他の実施形態では、2つ以上のノズル110を使用して、同様の又は変化する入射角でマイクロエレクトロニクス基板118を処理してもよい。
上述の除去の実施形態では、マイクロエレクトロニクス基板118は、除去プロセスの間に並進及び/又は回転されることができる。除去速度は、マイクロエレクトロニクス基板118の特定の部分上のGCJスプレーの所望の滞留時間に最適化することができる。当業者は、所望の粒子除去効率を達成するために、滞留時間及びGCJスプレー衝突位置を最適化することができる。例えば、所望の粒子除去効率は、粒子測定の前と後の間で80%を超える除去であってもよい。
同様に、放出口オリフィス210とマイクロエレクトロニクス基板118の表面との間のギャップ距離を最適化して、粒子除去効率を高めることができる。ギャップ距離は、図5の説明でより詳細に説明されるが、一般にギャップ距離は、50mm未満であってもよい。
また、GCJプロセスは、図3及び4の説明に記載されるものと同様に、単一段ノズル300、400を使用して実施されてもよい。単一段ノズル300、400は、膨張領域の直径306が注入口オリフィス302と放出口オリフィス304との間で同じであるか又は増加するという点で連続的であり得る単一の膨張チャンバを含むことができる。例えば、単一段ノズル300、400は、TSGノズル200のような移行オリフィス206を有していなくてもよい。しかしながら、単一段のGCJ方法は、TSGノズル200システム100によっても使用されることができ、単一段ノズルシステム100に限定されない。同様に、図9乃至12の説明に記載される方法は、単一段ノズル300、400によっても使用され得る。
図9は、GCJスプレーでマイクロエレクトロニクス基板118を処理する別の方法のためのフローチャート900を示す。マイクロエレクトロニクス基板118に対するノズル110の位置決めは、粒子除去効率に強いインパクトを有し得る。特に、放出口オリフィス304とマイクロエレクトロニクス基板118の表面との間のギャップ距離は、粒子除去効率に影響を及ぼし得る。ギャップ距離は、GCJスプレーの、流体の流れ及び分布に影響を及ぼし、ノズル110によるクリーニング表面積のサイズに影響を及ぼしうる。このようにして、GCJプロセスのためのサイクルタイムは、ノズル110のためのより少ない経路又は短い滞留時間のため低減されることができる。
図9を参照すると、ブロック902において、マイクロエレクトロニクス基板118は、ガス膨張コンポーネント(GEC)(例えば、ノズル300、400)を有し得るプロセスチャンバ104内に受け入れられることができる。GECは、本明細書に記載されるノズル110のいずれであってもよいが、特に、TSGノズル200、SSGノズル300、又はフラッシュノズル400と同じ又は類似の構成であることができる。通常、ノズルは、流体混合物を受け入れる注入口オリフィス402と、流体混合物をプロセスチャンバ104内に流入させる放出口オリフィス404とを含むことができる。
ブロック904で、システム100は、放出口オリフィス404がマイクロエレクトロニクス基板118の上に又は隣接して配置されるように、GECの反対側にマイクロエレクトロニクス基板118を配置することができる。また、GECは、マイクロエレクトロニクス基板118の表面に対してある角度に配置されてもよい。その表面は、マイクロエレクトロニクスデバイスが製造される部分である。角度は、0°から90°の範囲であり得る。GECの位置決めはまた、図5に記載されるように、ギャップ距離502に基づいて最適化されることができる。ギャップ距離502は、マイクロエレクトロニクス基板118へ向かう及び/又はマイクロエレクトロニクス基板118にわたる(across)流れの分布に影響を与え得る。ギャップ距離502が増加するにつれて、クリーニング表面積は減少し、粒子除去効率を維持又は改善するために追加のノズル経路を必要としうる。膨張流体混合物の速度はまた、ギャップ距離502に依存して変化してもよい。例えば、マイクロエレクトロニクス基板118にわたる流体の横方向の流れは、ギャップ距離502が減少するときに増加してもよい。いくつかの実施形態において、より高い速度は、より高い粒子除去効率を提供することができる。
通常、GECは、マイクロエレクトロニクス基板118の表面から50mm以内にあり得る。しかし、ほとんどの実施形態では、ギャップ距離502は、本明細書に記載のエアロゾル又はGCJプロセスに対して10mm未満であり得る。1つの特定実施形態において、ギャップ距離502は、GECを介してプロセスチャンバ104に流体混合物を配送する前に約5mmであってもよい。
ブロック906において、システム100は、273K未満であり得る温度であって、かつ流体混合物が提供される温度において流体混合物中の液体形成を阻止する圧力において、流体混合物をGECに供給することができる。このようにして、流体混合物内の液体濃度は、流体混合物が存在しないか、少なくとも1重量%未満であることができる。化学処理の当業者は、流体混合物の液体濃度を測定するために、任意の既知の技術を使用することができる。さらに、当業者は、状態図600、608、又は、単一の種若しくは種の混合物について入手可能である、その他の既知の状態図の文献を使用して、温度及び圧力の適切な組み合わせを選択することができる。
一実施形態において、温度は、70K以上273K未満の、窒素、アルゴン、キセノン、ヘリウム、二酸化炭素、クリプトン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る流体混合物であってもよい。同様に、圧力は、状態図600、608を使用して、又は液体混合物中の液体濃度を1重量%未満に最小化する他の既知の測定技術によって選択されてもよい。ほとんどの実施形態では、圧力は10Torr以下であってもよいが、他の実施形態では、粒子除去効率を最大にするために圧力は10Torrを超えることができる。
ブロック908において、システムは、流体混合物の少なくとも一部がマイクロエレクトロニクス基板118と接触するように、GECを介してプロセスチャンバ104内に流体混合物を提供することができる。上述のように、流体混合物は、プロセスチャンバ104内で比較的高い圧力から低い圧力まで膨張し得る。一実施形態において、プロセスチャンバ104は、35Torr以下のチャンバ圧力に維持されてもよい。
1つの実施形態において、流体混合物は、1:1と11:1の間の比、特に4:1未満の比で、N2とアルゴンの組み合わせを含むことができる。他の実施形態において、流体混合物は、GCJスプレーの質量及び/又は速度を変化させることができる別のキャリアガスを含むことができる。キャリアガスは、キセノン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、二酸化炭素又は何かそれらの組み合わせを含むが、これに限定されるものではあることができない。一実施形態では、流体混合物は、キセノン、クリプトン、二酸化炭素又はそれらの任意の組み合わせのうちの、1つ以上のキャリアガスと混合され得るN2対アルゴンの1:1から4:1の混合物を含み得る。
他の実施形態において、流体混合物は、1:1から11:1の間の比で、アルゴン及びN2の組み合わせを含んでもよい。この流体混合物はまた、キャリアガス(例えば、表1)を含んでもよい。しかしながら、流体混合物は、本明細書中に記載されるエアロゾル又はGCJ法を用いて使用され得る純粋なアルゴン又は純粋な窒素組成物も含み得る。
例えば、キャリアガスをN2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と混合する場合は、N2、アルゴン又はそれらの組み合わせと、キャリアガスとの間の比は、少なくとも4:1の混合比(a ratio mixture)を用いて行われるべきであり、ここでは、キセノン、クリプトン、二酸化炭素又はこれらの任意の組み合わせを11:1までの混合比で用いる。対照的に、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせを、N2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と組み合わせる場合、混合比は、N2、アルゴン又はそれらの組み合わせ(例えば1:1~4:1)と、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせと、の間で少なくとも1:4であり得る。上記のN2、アルゴン及び/又はキャリアガスの組み合わせは、本明細書に記載の他のエアロゾル及びGCJ法にも適用することができる。
別の実施形態では、流体混合物は、ヘリウム又はネオンと組み合わされたN2、及びアルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素のうちの少なくとも1つを含んでもよい。1つの特定の実施形態において、前記組み合わせの混合比は、1:2:1.8であり得る。
ブロック910では、膨張した流体混合物(例えば、GCJスプレー)をマイクロエレクトロニクス基板118に向けて射出することができ、表面上の物体と接触し(例えば、運動学的及び/又は化学的相互作用)、かかる物体は、マイクロエレクトロニクス基板118から除去されることができる。GCJスプレーの運動学的及び/又は化学的相互作用は、物体とマイクロエレクトロニクス基板118との間の付着力を克服し得る。物体は、真空システム134を介してプロセスチャンバ104から除去されてもよく、又はプロセスチャンバ104内の他の場所に堆積されてもよい。
図10は、マイクロエレクトロニクス基板118を低温流体で処理する別の方法の別のフローチャート1000を示す。この実施形態において、流体混合物は、比較的低い液体濃度を有し得るGCJスプレーを生成し得る。上述のように、流体混合物の温度及び圧力は、流体混合物中の液体の量(重量)に影響を及ぼし得る。この場合、流体混合物の液体濃度は、温度を変化させることによって最適化され得る。
図10を参照すると、ブロック1002において、マイクロエレクトロニクス基板118は、ガス膨張コンポーネント(GEC)(例えば、ノズル300、400)を含み得るプロセスチャンバ104内に受け入れられ得る。GECは、本明細書に記載されるノズル110のいずれであってもよいが、特に、TSGノズル200、SSGノズル300、又はフラッシュノズル400と同じ又は類似の構成であり得る。通常、ノズルは、流体混合物を受け入れる注入口オリフィス402と、流体混合物をプロセスチャンバ104内に流入させる放出口オリフィス404とを含み得る。
ブロック1004において、システム100は、マイクロエレクトロニクス基板118の上方に又は隣接して配置される放出口オリフィス404が、マイクロエレクトロニクス基板118と反対の位置に配置され得る。また、GECは、マイクロエレクトロニクス基板118の表面に対してある角度に配置され得る。その表面はマイクロエレクトロニクスデバイスが製造される部分である。角度は、0°から90°の範囲であり得る。GECの位置決めは、図5に記載されるように、ギャップ距離502に基づいて最適化されることもできる。通常、GECは、マイクロエレクトロニクス基板118の表面から50mm以内にあり得る。しかし、大部分の実施態様で、ギャップ距離502は、本明細書に記載されるGCJ又はエアロゾルに対して20mm未満であり得る。1つの特定の実施形態において、GECを通してプロセスチャンバ104内に流体混合物を分配する前に、ギャップ距離502は約5mmであり得る。
ブロック1006において、システム100は、大気圧より大きい圧力、及び、所与の圧力における流体混合物の凝集温度よりも大きい温度であって273K未満である温度において、ガス混合物をGECに供給し得る。凝縮温度は、異なるガス間で変化することができ、異なる組成及び濃度を有する異なるガス混合物間で変化することができる。当業者は、既知の文献(例えば、状態図)又は、流体混合物の観察及び/又は測定に、少なくとも部分的に基づいた経験的技術を用いて、流体混合物のガス凝縮温度を特定することができる。
一例では、凝縮温度は、所与の圧力で、流体が液相に転移し得る温度であってもよい。例えば、流体混合物が凝縮温度よりも高い温度に保持されている場合、流体混合物は、いかなる液相も存在せず、又は非常に少量の液体(例えば、<1重量%)と共に、気体状態で存在し得ることを示す。ほとんどの実施形態において、流体混合物の温度は、異なる凝縮温度を有するガスを含む流体混合物の組成に応じて、50K~200Kの間で変化してもよいが、より具体的には、70K~150Kの間で変化する。
例えば、N2流体混合物の実施形態において、液体の重量による量は、N2状態図604を用いることによって推定され得る。約100psiの流入圧力に対して、流体混合物の温度は、液体の量を最小にするために100Kを超え得る。この実施形態では、流体混合物は、流入温度が約120Kであり、100psiの圧力を伴う場合、何ら液体を有さないか、又は少なくとも1重量%未満を有し得る。
ブロック1008において、システム100は、流体混合物の少なくとも一部がマイクロエレクトロニクス基板118と接触するように、GECを介してプロセスチャンバ104内に流体混合物を提供することができる。この実施形態では、プロセスチャンバ104の圧力は、少なくとも大気圧以下であってもよいが、特に10Torr未満であり得る。
1つの実施形態において、流体混合物は、1:1と11:1の間の比、特に4:1未満の比で、N2とアルゴンの組み合わせを含み得る。他の実施形態において、流体混合物は、GCJスプレーの質量及び/又は速度を変化させることができる別のキャリアガスを含み得る。キャリアガスとしては、キセノン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、二酸化炭素、又はこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、流体混合物は、1:1~4:1のN2対アルゴンを含むことができ、キセノン、クリプトン、二酸化炭素、又はそれらの任意の組合せのキャリアガスのうちの1つ以上が混合され得る。
例えば、キセノン、クリプトン、二酸化炭素又はこれらの任意の組み合わせを11:1までの混合比(a ratio mixture)で用いる場合に、キャリアガスがN2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と混合される場合は、N2とアルゴン又はそれらの組み合わせとの間の比は、少なくとも4:1レベルの混合比を用いて行われるべきである。対照的に、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせを、N2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と組み合わせる場合、混合比は、N2、アルゴン又はそれらの組み合わせ(例えば1:1~4:1)と、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせと、の間で少なくとも1:4であり得る。上記のN2、アルゴン及び/又はキャリアガスの組み合わせは、本明細書に記載の他のエアロゾル及びGCJ法にも適用することができる。
他の実施形態において、流体混合物は、1:1から11:1の間の比で、アルゴン及びN2の組み合わせを含んでもよい。この流体混合物はまた、キャリアガス(例えば、表1)を含んでもよい。しかしながら、流体混合物は、本明細書中に記載されるエアロゾル又はGCJ法を用いて使用され得る純粋なアルゴン又は純粋な窒素組成物も含み得る。
ブロック1010において、膨張した流体混合物(例えば、GCJスプレー)は、マイクロエレクトロニクス基板118に向かって射出され、表面上の物体(例えば、運動学的及び/又は化学的相互作用)と接触し、かかる物体は、マイクロエレクトロニクス基板118から除去され得る。GCJスプレーの運動学的及び/又は化学的相互作用は、物体とマイクロエレクトロニクス基板118との間の付着力を克服し得る。物体は、真空システム134を介してプロセスチャンバ104から除去されてもよく、又はプロセスチャンバ104内の他の場所に堆積されてもよい。
図11は、マイクロエレクトロニクス基板118を低温流体で処理する別の方法のフローチャート1100を示す。この実施形態において、流体混合物は、比較的低い液体濃度を有し得るGCJスプレーを生成し得る。上述のように、流体混合物の温度及び圧力は、流体混合物中の液体の量(重量)に影響を及ぼし得る。この場合、流体混合物の液体濃度は、圧力を変化させることによって最適化され得る。さらに、ギャップ距離502は、レシピ圧力及び以下に説明する一定値を用いて計算するためにコントローラ112を使用して特定され得る。
図11を参照すると、ブロック1102において、マイクロエレクトロニクス基板118は、ガス膨張コンポーネント(GEC)(例えば、ノズル300)を含み得るプロセスチャンバ104内に受け入れられ得る。GECは、本明細書に記載されるノズル110のいずれであってもよいが、特に、TSGノズル200、SSGノズル300、又はフラッシュノズル400と同じ又は類似の構成であり得る。通常、ノズルは、流体混合物を受け入れる注入口オリフィス402と、流体混合物をプロセスチャンバ104内に流入させる放出口オリフィス404とを含み得る。
ブロック1104において、273K未満の温度及び流入温度でのガス混合物中の液体形成を阻止する流入圧力で、ガス混合物をGECに供給する。例えば、N2の実施形態では、N2状態図604は、約100Kの流体混合物が、N2を気相に維持するために、100psi未満の圧力を有する可能性が高いことを示す。圧力が約150psi以上であれば、N2プロセスガス中に液相が存在する可能性がより強くなる。
ブロック1106において、システム100は、流体混合物の少なくとも一部がマイクロエレクトロニクス基板118と接触するように、GECを介してプロセスチャンバ104内に流体混合物を提供することができる。この実施形態では、プロセスチャンバ104の圧力は、少なくとも大気圧以下であってもよいが、特に10Torr未満であり得る。
1つの実施形態において、流体混合物は、1:1と11:1の間の比、特に4:1未満の比で、N2とアルゴンの組み合わせを含み得る。他の実施形態において、流体混合物は、GCJスプレーの質量及び/又は速度を変化させることができる別のキャリアガスを含み得る。キャリアガスは、キセノン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、二酸化炭素又は何かそれらの組み合わせを含むが、これに限定されるものではあることができない。一実施形態では、流体混合物は、キセノン、クリプトン、二酸化炭素又はそれらの任意の組み合わせのうちの、1つ以上のキャリアガスと混合され得るN2対アルゴンの1:1から4:1の混合物を含み得る。
例えば、キセノン、クリプトン、二酸化炭素又はこれらの任意の組み合わせを11:1までの混合比(a ratio mixture)で用いる場合に、キャリアガスがN2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と混合される場合は、N2とアルゴン又はそれらの組み合わせとの間の比は、少なくとも4:1レベルの混合比を用いて行われるべきである。対照的なのは、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせを、N2、アルゴン、又はそれらの組み合わせ(例えば、1:1~4:1)と組み合わせる場合である。混合物の比は、N2、アルゴン又はそれらの組み合わせ(例えば1:1~4:1)と、ヘリウム、ネオン又はそれらの組み合わせと、の間で少なくとも1:4であり得る。上記のN2、アルゴン及び/又はキャリアガスの組み合わせは、本明細書に記載の他のエアロゾル及びGCJ法にも適用することができる。
他の実施形態において、流体混合物は、1:1から11:1の間の比で、アルゴン及びN2の組み合わせを含んでもよい。この流体混合物はまた、キャリアガス(例えば、表1)を含んでもよい。しかしながら、流体混合物は、本明細書中に記載されるエアロゾル又はGCJ法を用いて使用され得る純粋なアルゴン又は純粋な窒素組成物も含み得る。
ブロック1108で、システム100は、放出口(例えば、放出口オリフィス404)とマイクロエレクトロニクス基板118の間のギャップ距離502にマイクロ電子基板118を配置し得る。ギャップ距離502は、少なくとも部分的に、図5の説明において式1に示されるように、チャンバ圧力と、40と60との間の値を有する定数パラメータとの比に基づいている。一実施形態において、定数パラメータの単位は、長さ/圧力(例えば、mm/Torr)の単位を有してもよい。
ブロック1110では、膨張した流体混合物は、マイクロエレクトロニクス基板118に向かって射出され、表面上の物体(例えば、運動学的及び/又は化学的相互作用)と接触し、かかる物体は、マイクロエレクトロニクス基板118から除去され得る。GCJスプレーの運動学的及び/又は化学的相互作用は、物体とマイクロエレクトロニクス基板118との間の付着力を克服し得る。物体は、真空システム134を介してプロセスチャンバ104から除去されてもよく、又はプロセスチャンバ104内の他の場所に堆積されてもよい。
図12は、マイクロエレクトロニクス基板118を低温流体で処理する別の方法のためのフローチャート1200を示す。この実施形態において、流体混合物は、比較的低い液体濃度を有し得るGCJスプレーを生成し得る。上述のように、流体混合物の温度及び圧力は、流体混合物中の液体の量(重量)に影響を及ぼし得る。この場合、システム100は、流入する流体混合物の圧力とチャンバ104圧力との間の比を維持して、運動量又は組成(例えば、ガスクラスタなど)を最適化することができる。さらに、システム100は、流入する流体混合物の圧力を最適化することもでき、流入圧力とプロセスチャンバ104圧力との間の圧力比関係の範囲内で流入流体混合物の液体濃度を制御し得る。
図12を参照すると、ブロック1202において、マイクロエレクトロニクス基板118は、ガス膨張コンポーネント(GEC)(例えば、ノズル300,400)を含み得るプロセスチャンバ104内に受け入れられ得る。GECは、本明細書に記載されるノズル110のいずれであってもよいが、特に、TSGノズル200、SSGノズル300、又はフラッシュノズル400と同じ又は類似の構成であり得る。通常、ノズルは、流体混合物を受け入れる注入口オリフィス402と、流体混合物をプロセスチャンバ104内に流入させる放出口オリフィス404とを含み得る。
ブロック1204において、システム100は、流体混合物を真空プロセスチャンバ104に供給することができ、システム100は、流体混合物を気相中に維持する温度及び/又は圧力に流体混合物を維持することができる。流体混合物は、窒素、アルゴン、キセノン、クリプトン、酸化炭素又はヘリウムのうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。
別の実施形態では、流体混合物はN2を含むことができ、少なくともヘリウム又はネオンと組み合わされ、かつ、アルゴン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素のうちの少なくとも1つと組み合わされることができる。1つの特定の実施形態において、前述の流体混合物の組み合わせの比は、約1:2:2であり得る。別のより具体的な実施形態では、前述の流体混合物の比は、1:2:1.8であり得る。
ブロック1206で、システム100は、圧力比を用いて、プロセスチャンバ04の圧力及び流入する流体混合物の圧力を維持する。このようにして、システム100は、流入圧力とプロセス圧力との間に、バランス又は関係があることを保証することができる(例えば、比率=(流入圧力/プロセス圧力))。圧力比は、超えることも超えないこともできる閾値であり得、又は、圧力比は、流入圧力又はチャンバ圧力の変化にもかかわらず維持され得る範囲を含んでもよい。圧力比の値は、200~500,000の範囲であってもよい。しかしながら、圧力比は、コントローラ112に格納された所与のレシピ条件を維持し得る範囲を超えられるか、超えられないか、又は、範囲を指定することができる、閾値に作用し得る。このようにして、ノズルにわたる圧力差は制御されることができ、GCJ/エアロゾルスプレーの運動量又は組成(例えば、ガスクラスタサイズ、ガスクラスタ密度、固体粒子サイズなど)を維持することができる。
圧力比の実施形態では、コントローラ112が圧力を同一の又は類似の単位に変換して流入圧力及びチャンバ圧力を制御し得るように、値は同様の単位を考慮する。
上限閾値実施形態は、チャンバ圧力に対する流入圧力が上限閾値比よりも小さくなり得るように、超えてはならない圧力比を含んでもよい。例えば、上限閾値は、300000、5000、3000、2000、1000又は500のいずれかの値であってもよい。
別の実施形態では、コントローラ112は、流入圧力及びプロセス圧力を圧力比値の範囲内に維持することができる。例示的な範囲には、100000~300000、200000~300000、50000~100000、5000~25000、200~3000、800~2000、500~1000、又は700~800が含まれ得るが、これらに限定されない。
ブロック1208において、システム100は、マイクロエレクトロニクス基板118を、放出口(例えば、出口オリフィス404)とマイクロエレクトロニクス基板118との間のギャップ距離502に配置することができる。ギャップ距離502は、少なくとも部分的に、図5の説明において式1に示されるように、チャンバ圧力と、40と60との間の値を有する定数パラメータとの比に基づいている。一実施形態において、定数パラメータの単位は、長さ/圧力(例えば、mm/Torr)の単位を有してもよい。
ブロック1210において、膨張した流体混合物は、マイクロエレクトロニクス基板118に向かって射出され、表面上の物体(例えば、運動学的及び/又は化学的相互作用)に接触し、かかる物体は、マイクロエレクトロニクス基板118から除去され得る。GCJスプレーの運動学的及び/又は化学的相互作用は、物体とマイクロエレクトロニクス基板118との間の付着力を克服し得る。物体は、真空システム134を介してプロセスチャンバ104から除去されてもよく、又はプロセスチャンバ104内の他の場所に堆積されてもよい。
図13は、非液体含有流体混合物(例えば、GCJ)と液体含有流体混合物(例えば、エアロゾル)との間の粒子除去効率向上の棒グラフ1300を含む。本明細書に開示された、予想外の結果の1つは、100nm以下(sub-100nm)の粒子についての改良された粒子除去効率に関し、及び100nmを超える粒子についての粒子除去効率を維持又は改善することに関する。従前の技術は、液体濃度が10%を超える低温流体混合物でマイクロエレクトロニクス基板を処理することを含み得る。予想外の結果を生み出す新しい技術は、液化濃度を有さない低温流体混合物でマイクロエレクトロニクス基板118を処理することを含み得る。
図13の実施形態では、マイクロエレクトロニクス基板118は、市販の堆積システムを用いて窒化シリコン粒子(silicon nitride particles)で堆積された。窒化シリコン粒子は、両方の試験で同様の密度及びサイズを有した。ベースラインの低温プロセス(例えば、>1重量%の液体濃度)を、少なくとも1つのマイクロエレクトロニクス基板118に適用し、GCJを、窒化シリコン粒子で覆われた、異なるグループのマイクロエレクトロニクス基板118にも適用した。この場合、GCJプロセスは、約9Torrに維持された真空チャンバから高圧流体源を分離するノズル110の前に、83psigの注入口圧力を伴う、2:1の窒素対アルゴン流量比を含む。ノズル110の注入口径は~0.06”であった。ガス距離502は2.5~4mmであった。ウエハは、粒子で汚染された領域がGCJスプレーに2回曝露されるように、ノズルの下方を2回通過した。粒子は、カリフォルニア州ミルピタスのKLA-TencorTM製のKLA-SURF SCAN SP2-XPを用いて処理の前後に測定した。
従前の技術の下では、図13に示されるように、100nm以下の粒子除去効率(PRE)は、90nmを超える粒子では80%を超えるものの、42nm未満の粒子では30%未満に低下した。具体的には、PREは、65nm~90nmの間の粒子について、~87%(@>90nm粒子)から~78%に低下した。55nm~65nmの粒子と40nm~55nmの粒子の間のPREの減少はより顕著であった。PREはそれぞれ~61%及び~55%に低下した。最後に、PREの最大の低下は、40nm以下の粒子、~24%のPREで見られた。
このデータを考慮すると、100nm以下の粒子効率の改善は、粒子サイズの減少に伴い、同様に減少するリターン(return)を示すことが期待された。しかしながら、本明細書中に開示されたGCJ技術は、100nm以下のPREを改良しただけでなく、予想よりも高い程度のPREを維持した。例えば、図13に示すように、GCJ PREは、いずれの粒子ビンサイズに対しても~80%を下回らなかった。
図13に示すように、90nmを超える粒子についてのGCJ PREは、95%を超えるまで改善され、これは、従来の技術を用いた結果よりも5%を超える改善である。さらに、GCJプロセスは、従前の技術と比較して、粒子サイズが減少するにつれて、100nm以下の粒子を除去するより大きな能力を示した。例えば、65nm~90nm、55nm~65nm及び40nm~55nmビンは、少なくとも90%のPREを有した。各ビンサイズで~15%から~35%の間の改善である。しかし、最大の改善は40nm以下のビンサイズの場合であり、PREは25%から~82%に改善した。
GCJ PREの予想外の結果は二重であった。第一に、90nmを超える粒子のPREの増加は、90nm未満の粒子のPREの増加と連動していた。第二に、GCJプロセスに対するサイズのビン間(between the bins sizes)の差は、同様の範囲のプロセス条件を用いたエアロゾルプロセスのPRE結果よりもはるかによりタイトな分布を示した。
図14は、少なくとも部分的に、ノズル110とマイクロエレクトロニクス基板118との間のより小さいギャップ距離502に基づく、より広いクリーニングエリアを示すマイクロエレクトロニクス基板の粒子マップ1400を含む。通常、ガスが高圧環境から低圧環境へと膨張するにつれて、ガスはより大きな表面積又はカバーエリアをカバーする可能性が高くなり、ガスは、初期膨張点からさらに離れる。このようにして、ガスノズルをマイクロエレクトロニクス基板118から離して配置すると、有効クリーニングエリアが大きくなると考えられた。しかしながら、これは事実ではなく、実際には、より小さなギャップ距離502を有すると、マイクロエレクトロニクス基板118上のより広いクリーニングエリアを得るという、完全に直観に反する結果を達成した。
クリーニング後粒子マップに示されるように、5mmギャップ距離は、10mmギャップ距離よりも幅広のクリーニングエリアを有する。5mmギャップ粒子マップ1406は、マイクロエレクトロニクス基板118の右半分について、PREが~70%であることを示す。対照的に、10mmギャップ粒子マップ1408は、200mmマイクロエレクトロニクス基板118の右半分に対して~50%のPREを有した。この場合、5mmギャップの粒子マップは、6mm以下の放出口オリフィスを有するノズル110から約80mm幅のクリーニングエリア1410を示す。かかる小さな放出口オリフィスを有するノズル110は、それ自体のサイズの12倍を超える有効クリーニング距離を有することができることは予期されなかった。
図15は、従前の技術(例えば、エアロゾル)と、本明細書に開示された技術(例えば、GCJ)との間の、異なるフィーチャ損傷差異を示すマイクロエレクトロニクス基板フィーチャの画像1500を含む。損傷の差異は肉眼で視認され、走査型電子顕微鏡(SEM)によるより詳細な検査によって確認される。この実施形態では、ポリシリコンフィーチャは、既知のパターニング技術を用いてマイクロエレクトロニクス基板上に形成された。フィーチャは、約20nmの幅及び約125nmの高さを有した。別個のフィーチャサンプル(例えば、ライン構造)を、本明細書に開示されているGCJプロセス及びエアロゾルプロセスと同様のプロセスに曝露した。
従前の技術では、エアロゾルクリーニングプロセスに曝されたマイクロエレクトロニクス基板118の画像1502、1504の変色によって、ライン構造の損傷が明らかにされた。可視のライン損傷は、エアロゾルSEM画像1506によって確認される。対照的に、GCJ画像1508、1510では変色がなく、GCJ SEM画像1512では損傷が示されていない。従って、GCJ画像1508、1510における変色の欠如及びGCJ SEM画像1512における損傷の欠如は、本明細書に記載されるGCJ技術が、エアロゾルプロセスよりもマイクロエレクトロニクス基板118に対して破壊的ではないことを示唆する。
図2A乃至図5の説明において本明細書に記載されているノズル設計に加えて、ノズル内のガス流に対する小さな障害を含むようにノズル設計を変更することによって、粒子除去効率を改善することができることが分かった。典型的なノズル又は多段ノズルは、ノズルコンポーネント間の流れの障害を最小限にするために共通の軸に沿って整列された流れ導路を有するように設計される。しかしながら、ノズル設計に流れの障害(a flow obstruction)を組み込むことにより、粒子除去効率を改善できることを見出した。流れの障害は、いくつかの方法で導入することができ、この概念は、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
いくつかの実施形態において、流れの障害は、ノズル又は流動導路コンポーネントをわずかにずらすこと(slightly misaligning)によって導入されることができる。他の実施形態では、流れの障害は、ノズル内の又は流体がノズルを離れた後の、流体流路又は特性を変化させるために、障害コンポーネントを追加することによって、導入することができる。例えば、本開示の図16乃至22の説明に記載された障害ノズル設計は、当業者がノズル内に障害を形成する方法の単なる例に過ぎない。障害ノズル設計は、一実施形態では、流れの障害を形成するために、2つのコンポーネントの間でずらされた長手軸を有する2ピースの実施形態を実施することができるが、これに限定されるものではない。別の実施形態では、ノズル設計は、ノズルの流体導路内の流路の一部を妨害するために、2ピースノズル設計の間に配置された追加のコンポーネントを含んでもよい。
図16は、ガス膨張コンポーネント1604に結合されたガス配送コンポーネント1602を組み込んだ、2ピースノズル1600設計の断面図を含み、これらは共に、流体又はガス混合物をマイクロエレクトロニクス基板118に向ける流体導路を形成する。一実施形態では、2ピースノズルは、図1に示すように、プロセスチャンバ104内のノズル110の代わりに使用される。
一実施形態では、ガス配送コンポーネント1602は、流体源106から流入するガス混合物が受け取られる一端にVCR接続(図示せず)を有し、他端にはガス膨張コンポーネント1604に隣接する嵌合フランジを有することができる。ガス配送コンポーネント1602のガス配送流体導路1606は、直径が、流体源106からのガス供給線(例えば、1/4インチ)(図示せず)と同様であり得る。ガス配送流体導路1606は、ガス膨張コンポーネント1604の嵌合端と同じであってもよく、又は類似であってもよい、コンポーネントの嵌合端上に直径の小さい穴を有することができ、ガス配送流体導路1606とガス膨張導路1608との間の流体連通を可能にすることができる。2ピースノズル1600のインタフェースにおける流体導路又はオリフィスの寸法は、図17の説明で説明される。
2ピースノズル1600のコンポーネントは、スクリュー(例えば、小ねじ)を用いて互いに取り付けられることができ、コンポーネントの流体導路のインタフェース1610は、Oリング又は当業者によって使用される他の任意のガス封止技術を用いて、漏れのない密封を形成するように封止されることができる。さらに、2ピースノズル1600は、加圧ガス(例えば、>10psi)を収容し、ガス流をプロセスチャンバ104内に方向づけることができる任意の材料で作製されてもよい。材料は、ステンレス鋼、及び本明細書に開示されたマイクロエレクトロニクス基板処理を実施するための清浄度、ガス温度、及び圧力の要件に適合するために使用される任意の他の材料を含んでもよいが、これらに限定されない。他の実施形態では、ガス膨張コンポーネント1604は、2ピース設計に導出され得る、図2A~4の説明に記載されるノズルの同様の設計であってもよい。
一実施形態では、2ピースノズル1600流体導路の位置合わせは、流体導路のうちの1つの中心線に沿って、長手軸(図16には図示せず)に沿ってわずかにずれてもよい。ずれ(The misalignment)は、2ピースノズル1600のコンポーネント間のスクリュー配置によって誘発され得る。2つのコンポーネントのインタフェース1610におけるずれは、図17に詳細に示されている。
図17は、連結されたガス配送コンポーネント1602と2ピースノズル1600のガス膨張コンポーネント1604との間のインタフェース1610の断面拡大図1700を含む。
本実施形態では、ガス配送コンポーネント1602は、ガス配送導路1606の側面から等距離にあるガス配送コンポーネント1602に沿った長手軸であるガス配送中心線1702に沿って配置されたガス配送導路1606を含んでもよい。同様に、ガス膨張中心線1704は、ガス膨張流体導路1608に沿った、流体導路の側面から等距離にある別の長手軸である。本実施形態では、ガス配送中心線1702及びガス膨張中心線1704は、2ピースノズル1600の嵌合表面に平行な水平方向に互いにオフセット又はずれている。例えば、円形オリフィスのずれは、コンポーネントがずれているとき、インタフェース1610における有効表面積を、円形表面積から円形表面積より小さい長円形表面積へとサイズにおいて減少させる。この長円形の表面積の一例を図20に示す。ずれは、ガス配送コンポーネント1602とガス膨張コンポーネント1606との間の嵌合表面に平行な水平方向において0mmから1.5mmの範囲であり得る。
図17に示すように、ガス配送導路1606は、ガス配送チャネル又はガス配送導路1606の一端に配置された、注入口オリフィス1708と反対側にある放出口オリフィス1706を有してもよい。この実施形態では、注入口オリフィス1708は、ガス配送コンポーネント1602の長手軸(例えば、ガス配送中心線1702)から偏心(off-center)している。一例では、2つのノズルコンポーネントのずれは、インタフェース1610の反対側に突出部(an overhang)1712を有する棚1710を形成することによって、流入ガスに対する障害を形成し得る。このように、ガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604の組み合わせは、ガス混合物の流動特性を変更するために、ガス配送導路1606のガス流障害(例えば、棚1710)を形成する。障害(例えば、棚1710)は、注入口オリフィス1708及び放出口オリフィス1706よりも小さくなるように開口部のサイズを減少又は変更する。さらに、棚オリフィス1714の形状は、円形開口から長円形開口に変更され、これにより、ガス混合物がツーピースノズル1600から出てマイクロエレクトロニクス基板118と相互作用する際のガス混合物の横方向の流れの特性がさらに変化し得る。
さらに、棚1710によって形成される障害に加えて、ずれは、棚1710にわたる、又はその反対側の突出部1712も形成する。この突出部1712は、ガス配送導路1606とガス膨張導路1608との間のインタフェース1610の一部での横方向ガスの流れを可能にする。また、突出部1712は、ガス混合物がノズルを離れるときに、ガス流の特性を変えることができる。本実施例において、オリフィスのサイズ(例えば、出口オリフィス1706及び入口オリフィス1708)及びずれの量は、棚オリフィス1714、棚1710、及び突出部1712のサイズ及び形状に影響を及ぼす。
いくつかの実施形態では、インタフェース1610における流体導路の直径(例えば、放出口オリフィス1706及び注入口オリフィス1708)は、0.125mmから5mmの範囲であってもよいが、1つの特定の実施形態では、約2.6mmであってもよい。しかしながら、図17に示す他の実施形態では、オリフィス直径が同じである必要はない。さらに、ガス膨張中心線1704とガス配送中心線1702との間のずれは、インタフェース1600において長円表面を達成するために、0.1mmと0.15mmとの間で変化し得る。特定の一実施形態では、ガス膨張中心線1704及びガス配送中心線1702は、約0.25mmだけ互いにオフセットされてもよい。当業者は、本明細書に開示された処理方法を用いて、所望の粒子除去効率結果を達成するために、直径及びずれを変更することができる。
他の実施形態では、2ピースノズル1600のコンポーネントのずれは、図16~17に記載される実施形態に限定されず、ガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604のずれを生じることなく実施されてもよい。例えば、図18及び図19は、そのような実施形態の一例である。
図18は、ガス配送コンポーネント1602とガス膨張コンポーネント1604との間のインタフェース1610に長円形オリフィスを形成するように配置されたオフセットプレート1802を組み込んだオフセットプレートノズル1800設計の断面図を含む。
この実施形態では、図17に示されるように、ガス配送中心線1702及びガス膨張中心線1704(図18では図示せず)は、ノズル障害物を形成するために、オフセットされておらず又はずらされていない。対照的に、障害物は、図19に示すように、オフセットプレート1802によって導入されてもよく、オフセットプレート1802は、オフセットオリフィス1804を有してもよく、又は、整列されたガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604の中心線からオフセットされ得る中心線を有することができる直径を有してもよい。オフセットプレートオリフィス1804は、オフセットプレート1802のインタフェース1610における棚オリフィス1714と同様に、オフセットプレートノズル1800にわたる長円形の表面積を形成してもよい。
この実施形態では、ガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604は、図16及び17の説明に記載されるのと同じ又は類似の設計特性を有してもよい。例えば、オフセットプレートノズル1800は、ガス配送コンポーネント1602とガス膨張コンポーネント1604との間のインタフェース1610においてオフセットプレート1802に隣接する出口オリフィス1706で終端する、ガス配送コンポーネント1602の流体導路に沿った長手軸に沿って配置されるガス配送チャネル(例えば、送達流体導路1606)を有するガス配送コンポーネント1602を含んでもよい。ガス膨張コンポーネント1604は、オフセットプレート1802の他側に結合されてもよく、ガス供給中心線1702及びガス膨張中心線1704が整列されるように、ガス配送チャネルの長手軸と整列される入口オリフィス1708を含んでもよい。したがって、この実施形態のための流れ障害物は、オフセットプレート1802を用いて導入される。
一実施形態では、オフセットプレート1802は、オフセットプレート1802がガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604に接続されたときに、オフセットオリフィス1804がガス配送コンポーネント1602の長手軸線の中心からずれるように、オフセットプレート1802内に配置されたオフセットオリフィス1804を含んでもよい。オフセット設計は、オフセットプレート1802の一部が、オフセットプレートノズル1800のガス流導路内に延在し、図17の実施形態の棚1712と同様にガス流特性を変更する障害物を形成することを可能にする。オフセットオリフィス1804のサイズ及び位置は、粒子除去効率を最大にするために、所望の流れ特性に応じて変化してもよい。
特定の一実施形態では、出口オリフィス1706、入口オリフィス1708、及びオフセットオリフィス1804は、同じ直径を有してもよいが、直径は、それらの中心点に沿ってずれていてもよく、その結果、流れ障害がガス流導路内に形成される。しかしながら、これらの3つのオリフィス直径は、他の実施形態では同じサイズである必要はない。例えば、サイズは、マイクロエレクトロニクス基板118上の粒子除去効率を改善するために、インタフェース1610において長円形エリアを調整するのに応じて変更されてもよい。図19を参照すると、オフセットプレートノズル1800の設計が詳細に説明され、オフセットオリフィス1804の設計バリエーションの例が提供される。
図19は、オフセットプレートノズル1800のインタフェース1610の断面図の拡大図1900を含む。この実施形態では、ガス配送コンポーネント1602の出口オリフィス1706、ガス膨張コンポーネント1604の入口オリフィス1708は、図16~17の説明に記載されるように、同様の寸法を有してもよい。しかしながら、前述の実施形態とは対照的に、ガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604は、共通の縦軸1908に沿って整列される。この実施形態では、流れ障害物(例えば、棚1710)は、オフセットプレート1802によって導入されてもよい。流れ障害物は、図19に示すように、共通の長手軸1908と整列しないオフセット中心線1910を有するオフセットプレートオリフィス1804を有するようにオフセットプレート1802を設計することによって実現することができる。
オフセットプレート1802は、0.5mm~1.5mmの厚さを有してもよく、特定の一実施形態では、厚さは、+/0.1mmの公差で約1mmである。一実施形態では、オフセットプレートオリフィス1804は、入口オリフィス1708又は出口オリフィス1706の直径以下の直径を有するオフセットプレート1802を貫通して切断された円形オリフィスであってもよい。例えば、入口オリフィス1708又は出口オリフィス1706は、0.125mm~5mmの直径を含んでもよく、オフセットプレートオリフィス1804は、0.15mm~4.5mmの直径を含んでもよい。図19の実施態様において、オフセットプレートオリフィス1804は、ガス送達コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604と組み立てられたときに、オフセット棚1902がマイクロ電子基板118をクリーニングするために使用される処理ガスの流路内に突出するように、オフセットプレート1802内に配置されてもよい。オフセットオリフィス1804の位置決めによって生じるコンポーネント部分の意図的なずれの例が、図20に示されている。
オフセットプレートオリフィス1804の非対称性を考慮して、オフセットギャップ1904は、オフセット棚1902の反対側に形成される。オフセットギャップ1904は、ガス配送コンポーネント1602とガス膨張コンポーネント1604との間のエアギャップであり、これは、オフセットプレート1802の厚さと同じか又は類似の高さを有する。しかしながら、オフセットプレートノズル1800の有効オリフィス寸法は、図19に示されるように、オフセットプレート1906の露出端部及びガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604の反対側壁からの距離である有効オリフィス直径1906に制限されてもよい。オフセットプレートオリフィス1804の円形の性質を考慮して、有効オリフィス直径1906の表面積は、図18に示す横断面ライン1806から取られたオフセットプレートノズル1800の上面図を示す図20に示すような長円形状を有してもよい。
他の実施形態では、図20に示すように、楕円形のオフセットオリフィス1906は、マイクロエレクトロニクス基板118上の粒子除去効率についての予想外の結果を示す限定オリフィス技術の単なる例示にすぎない。しかしながら、他の実施形態では、オフセットオリフィス1906は、ガス配送コンポーネント1602の共通の長手方向軸線1908からオフセットされず、その結果、オフセットオリフィス1906の中心は、図21に示されるように、共通の長手方向軸線1908とセンタリングされるか、又は整列される。
図21は、ガス配送コンポーネント1602とガス膨張コンポーネント1604との間に配置された中心プレート2102のインタフェースの断面の拡大図を示す。この実施形態では、ガス配送コンポーネント1602の出口オリフィス1706、ガス膨張コンポーネント1604の入口オリフィス1708は、図16~20の説明に記載されるように、同様の寸法を有してもよい。しかしながら、前述の実施形態とは対照的に、ガス配送コンポーネント1602、ガス膨張コンポーネント1604、及び中心プレート2102はすべて、共通の長手軸1908に沿って整列される。図21の実施形態における流れの障害物は、共通の縦軸1910と整列された中心プレートオリフィス2104を有するように中心プレート2102を設計することによって実現され得る。
中心プレート(The centered-plate)2102は、0.5mm~1.5mmの厚さを有してもよく、特定の一実施形態では、厚さは、+/0.1mmの公差で約1mmである。一実施形態では、中心プレート2102は、中心プレート2102を貫通して切断された円形オリフィスを有してもよく、中心プレート2102は、入口オリフィス1708又は出口オリフィス1706の直径以下の直径を有する。例えば、入口オリフィス1708又は出口オリフィス1706は、0.125mm~5mmの直径を含んでもよく、一方、中心プレート2102は、0.13mm~4.9mmの直径を含んでもよい。特定の一実施形態では、中心プレートオリフィス2106は、約2.35mmであってもよい。
中心プレート2102は、ガス配送コンポーネント1602及びガス膨張コンポーネント1604と組み立てられた場合に、中心棚2106が、図21に示すように、ノズルを介して流れる処理ガスの流路に突出するように設計されてもよい。例えば、流入ガスは、入口オリフィス178に到達し、ノズルの下に配置されたマイクロエレクトロニクス基板118に向かって流れ続ける前に、出口オリフィス1706に向かって流れ、中心棚2106によってわずかに妨げられる。
以上、本発明の特定の実施形態のみを詳細に説明したが、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更が実施形態において可能であることを当業者は容易に理解するであろう。したがって、そのような改変はすべて本発明の範囲内に含まれることが意図される。例えば、上述の実施形態は、一緒に組み込まれてもよく、必要に応じて、実施形態の一部を追加又は省略してもよい。したがって、実施形態の数は、本明細書に記載される特定の実施形態のみに限定されず、当業者は、本明細書に記載される教示を使用してさらなる実施形態を作成することができる。