JP2005200053A - 被包装物の支持装置 - Google Patents

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Yoshikatsu Fujiwara
原 義 勝 藤
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Abstract

【課題】 紙製の包装容器内の任意形状の被包装物をクッション材や詰め物チップを使用することなく確実に支持できる被包装物の支持装置の提供。
【解決手段】 包装容器(2)内で被包装物(32)を覆う帯状のフィルム(10)と、そのフィルム(10)の長さ方向の両端(10a、10b)にそれぞれ取り付けられたフィルム支持部(12)と、それぞれのフィルム支持部(12)を包装容器(2)の外側に貫通させるために包装容器(2)に設けられたスリット孔(6)と、それぞれのフィルム支持部(12)を包装容器(2)の外側に貼着させる接着部材(14)とで構成されている。
【選択図】図1

Description

紙製の包装容器内に任意形状の被包装物を支持するための被包装物の支持装置に関する。
近年、廃棄や焼却する場合に便利であり、また軽量であることから、段ボールやクラフト紙のような紙製の包装容器が多く用いられている。
しかしながら、被包装物の形状は種々雑多であるために、被包装物を包装容器内に固定しなければならず、箱状の包装容器の内側の空間に粒状の充填材を充填したり、或は、例えば気泡を有するクッション性のシートで被包装物を被覆したりする技術が知られている。
このように充填材を充填したり或はシートで被覆することは作業が面倒であり、また使用後の廃棄処分も必要となる。
また、被包装物と包装容器である紙製箱の内側の空間に被包装物の形状と適合した発泡スチロール等のクッション材を用いて固定することも行われているが、固状の発泡スチロールではその製造に際し型が必要であり、使用後に不要となったクッション材の廃棄処分に手間や経費がかかる等の不具合があった。
さらに、例えば図9に示すような変形6面体の被包装物30を段ボール箱25に収納する場合に、図8に示すようにその被包装物30の支持部30aの断面形状に適合する孔42を設けた移動防止部材40(図10参照)を用いて支持する技術も知られている。しかしながら、この場合、被包装物に応じて孔の形状を変えねばならない。
また、梱包用のクッション材として、外箱の段ボールの隅部に段ボールでL字状をした筒状体を形成してその内部にエアが密封されたクッション体を配置する例がある(例えば特許文献1参照)。しかし、このクッション材によれば形状が複雑となり、かつ、使用前にクッション材としての在庫占有容積が必要となる共に、使用後に廃棄処分が必要という欠点がある。
その他、収納物が形や大きさが異なる同種や異種であっても安定的に同時収納して携行できる物品収納ケース(例えば特許文献2参照)が提案されている。
しかし、これは開閉可能なケースの一側にクッション材を内蔵させて携行の安全性をはかったもので、紙製の一般の段ボール内の大〜小の被包装物の収納とは異なっている。
本出願人は小物商品の展示装置として、対向する2枚のフィルムで物品を挟んで位置を固定して外方から観察できる装置を提案した(特許文献3参照)。そしてその後の研究によって、この技術が包装容器の中にある被包装物を確実に支持することに適用できることがわかった。
特開2003−292051号公報 特開2003−325221号公報 特許第3349126号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、紙製の包装容器に任意形状の被包装物をがたつきなく、確実に支持するための被包装物の支持装置を提供することを目的としている。
本発明の被包装物の支持装置は、紙製の包装容器内に任意形状の被包装物を支持するための被包装物の支持装置において、包装容器(2)内で被包装物(32)を覆う帯状のフィルム(10)と、そのフィルム(10)の長さ方向の両端(10a、10b)にそれぞれ取り付けられたフィルム支持部(12)と、それぞれのフィルム支持部(12)を包装容器(2)の外側に貫通させるために包装容器の底部に設けられたスリット孔(6)と、それぞれのフィルム支持部(12)を包装容器(2)の外側に貼着させるための接着部材(14)とで構成されている。(請求項1)
実施に際しては、前記フィルムは被包装物の形状と大きさに応じて単数でも複数でもよく、適度の弾性と適度の強度を有することが必要である。
この構成によって被包装物はフィルムに覆われて抑えられ、包装容器内にがたつくことなく支持される。
前記フィルムは、透明であることが好ましい。(請求項2)
これによって、フィルムに覆われた被包装物の形状が明確に確認できる。
以上の構成による本発明によれば、
(a) フィルムで包装容器に被包装物を覆って支持するだけであり、包装作業が簡単となり、従来のようなクッション材を必要としないので、クッション材の充填作業が不要である利点がある。
(b) フィルムと支持部は、再利用が可能なので、使用後のクッション材の廃棄処理が不要である利点がある。
(c) フィルムで被包装物を覆って支持するので、被包装物の外形形状が滑らかでなくてもフィルムの弾性で支持できる利点がある。
(d) フィルムを透明材にすれば、覆われて支持された状態の被包装物が確認できる利点がある。
図1〜図7は本発明の被包装物の支持装置の実施形態を示す図であり、図を参照して説明する。
側断面を示す図1において、段ボール製の箱状包装容器2は後述する被包装物の支持装置の構成を除いてそれ自体公知の6面体で構成されている。
この包装容器2の底部4に被包装物32が配置され、その被包装物32はその外面が止着体8を構成するフィルム10で覆われている。
このフィルム10は、図2に示されているようにその両端に厚紙製のフィルム支持部12が貼着されており、このフィルム10の端部の一方、図においては左方の端部10aは箱体2の底部4に設けた第1のスリット孔6aを通って包装容器2の底部4の下面4aに達し、端部の他方、図においては右方の端部10b、は第2のスリット孔6bを通って底部4の下面4aに達している。
第1のスリット孔6aの近傍を拡大して示す図2も参照して、第1のスリット孔6aを貫通したフィルム10の端部10aは板状のフィルム支持部12で、例えばガムテープ等の接着部材14によって底部4の底下面4aに貼着されている。
図における符号34及び35は、例えば電線端子、ボルト頭部等の被包装物32の突起部を示していて、符号7はそれらの突起34及び35を着座させて保護させ、かつ底部4の損傷を防ぐためのパッドを示している。
図3は図1を上面から見た平面図であって、包装容器2の上部の長蓋2aと短蓋2bが開放された状態を示している。
底部4の上面に配置された被包装物32の上部に、図においては左右方向にフィルム10がかけられて、そのフィルム10は左右のスリット孔6a、6bを挿通している。
図4は、図3を下方から見た図であって、スリット孔6a、6bを貫通したフィルム10のフィルム支持部12が、その外部から長方形の、例えばガムテープ等の接着部材14によって底下面4aに貼着されているところが示されている。
図5は長蓋2aと短蓋2bが開放されている段ボール包装容器2の上面図であって、包装容器2の長手方向にフィルム10の端部を貫通させる一対のスリット孔6a、6bが設けられている。なお、スリット孔6a、6bは被包装物32の形状によって位置と方向を自由にきめてよい。
図6及び図7は、被包装物32を覆って支持する止着体8を示している。
平面図6において、止着体8は帯状のフィルム10と、フィルム10の両端10a、10bに取り付けられたフィルム支持部12、12とで構成されている。
フィルム10は、透明な、適度の弾性と適度な強度を備えた熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましく、市販品としては例えば東洋紡ウレタンDD3080あるいはDD3090がよい。フィルム10の厚さは、40、70、100μ等の市販性のあるもののいずれでもよい。
フィルム支持部12は、長さがフィルム10と同長の矩形で、適度な剛性を有する薄板で形成されていて、包装用の紙器用板紙で熱融着性のある例えばチップボール等が好ましい。厚さは1〜3mm程度がよい。
上記構成の支持装置の使用例を以下に記す。
図5を参照して、被包装物32に適合するスプリット孔6a、6bを設けた包装容器2を準備する。また、被包装物32の底部突起34、35にあわせてパッド7、7を底部4に貼着させる。
同時に、図6、7を参照して、被包装物32を覆って緊締できる幅と長さを有するフィルム10の両端部10a、10bにフィルム支持部12を熱融着させる。接着は熱融着でなく、接着剤接着でもクリップ止めでもよい。
ついで、被包装物32を包装容器2の底部4に配置してする。
ついで、止着体8のフィルム10で被包装物32を覆い、フィルム10の両端10a、10bに取り付けられたフィルム支持部12、12でスリット孔6a、6bを挿通させて底下面4aの外部に取り出す。
フィルム支持部12の一方を接着部材14によって底部4の底下面4aに貼着させ、ついでフィルム支持部12の他方をフィルム10に緊張力を与えながら接着部材14によって底下面4aに貼着させて被包装物32を底部4に支持する。
上記構成の支持装置を確かめる2m落下試験の結果は、強度向上に極めて効果があった。
上記支持は、長方形の被包装物32を幅方向で1枚のフィルム10によって覆う例であるが、被包装物32の形状に応じて複数の止着体14で、複数組のスリット孔6を有する包装容器を使用してもよい。またスリット孔6は、被包装物の形状に応じて例えば包装容器尾2の側面でもよくまた、現場合わせであけることも可能である。
本発明の被包装物の支持装置の実施形態を示す側断面構成図である。 図1のスリット孔近傍の拡大詳細を示す側断面図である。同上の支持装置の上面図である。 同上の支持装置の上面図である。 支持装置の底部を外部から見た平面図である。 包装容器の上面図である。 止着体を示す平面図である。 図6の側面図である。 従来の被包装物の支持例を示す側断面図である。 図8中の被包装物を示す斜視図である。 図8の上面図である。
符号の説明
2・・・包装容器
4・・・底部
6・・・スリット孔
7・・・パッド部
8・・・止着体
10・・・フィルム
12・・・フィルム支持部
14・・・接着部材
32・・・被包装物
34、35・・・突起物

Claims (2)

  1. 紙製の包装容器内に任意形状の被包装物を支持するための被包装物の支持装置において、包装容器内で被包装物を覆う帯状のフィルムと、そのフィルムの長さ方向の両端にそれぞれ取り付けられたフィルム支持部と、それぞれのフィルム支持部を包装容器の外側に貫通させるために包装容器の底部に設けられたスリット孔と、それぞれのフィルム支持部を包装容器の外側に貼着させるための接着部材とで構成されていることを特徴とする被包装物の支持装置。
  2. 前記フィルムは、透明である請求項1の被包装物の支持装置。
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