JP2005195208A - 設備機器の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】設備機器の制御装置31は、所定の設備ネットワークの通信ライン10により上位の設備管理装置に接続され、第1通信用接続部31a、第2通信用接続部31b、受信部32、機器制御部33および情報異常判定部34を備える。機器制御部33は、必須制御情報に基づいて設備機器16を制御する。情報異常判定部34は、電源オンとなった後所定時間、受信部32において受信される必須制御情報が異常であるかを判定する。そして、機器制御部33は、所定時間の経過時点で情報異常判定部34において必須制御情報が異常であると判定された場合、所定時間の経過後、代替制御情報に基づいて設備機器16を制御する。
【選択図】図2
Description
図1に示される空気調和システムは、主に、ビル管理用中央監視盤(上位システム)12、エアーハンドリングユニット14、およびVAV(Variable Air Volume;可変風量装置)16から構成される。そして、ビル管理用中央監視盤12およびエアーハンドリングユニット14はオープンネット対応の通信ライン10を介して接続され、VAV16はローカル通信ライン20を介してエアーハンドリングユニット14に接続される。
本発明の一実施形態に係るコントローラ31を備える複数の設備機器から成る空調システム13を、図1および図2に示す。この空調システム13は、エアハン14、VAV16、および排気ファン51を1パック化したパッケージシステムであり、エアハン14内のコントローラ31によりパック内の制御を完結させることが可能である。このため、上位システムであるBAS(ビル・オートメーション・システム)に接続する場合の試運転調整などの工事費用を削減することが可能である。なお、空調システム13のコントローラ31は、LonWorksネットワークによって上位システムと接続される。
エアハン14内のコントローラ31は、VAVコントローラ61へと制御データを送信するとともに、VAVコントローラ61から送信されてくる監視データを受信する。制御データとは、発停指令、室内温度設定、冷暖房モード指令などである。監視データとは、室内計測温度、VAV状態、VAV要求風量、VAV計測風量、VAV開度状態などのデータである。
コントローラ31は、空調システム13において、給気温度制御、給気露点温度制御、ウォーミングアップ制御、給気風量制御、給気温度ロードリセット制御、外気冷房制御などを行う。後述するようにLonWorksネットワークの通信ライン10およびゲートウェイ12aを介して上位の設備管理装置12と接続された後には、設備管理装置12からの指令によってコントローラ31が各種制御を行うことになるが、コントローラ31が上位のシステムと接続されていない状態であっても、コントローラ31が主体的に各種制御を実行することが可能である。この場合には、図示しないリモコンからのコントローラ31への操作入力に従って各種制御が実行される。
VAVコントローラ61は、「ニューロンチップ」と呼ばれるLonWorksネットワークに対応した通信用ICを備えており、その通信用ICのネットワーク機能を利用した接続ポート61aによってローカル通信ライン20に接続されている。すなわち、VAV16は、オープンな制御ネットワークの国際標準になりつつあるLonWorksネットワークに対応した設備機器である。
コントローラ31を備える空調システム13は、上記のように、エアハン14やVAV16を単独で制御・監視することができるが、BASという上位のシステムから見れば、数あるサブシステムの1つとなる。BASは、LonWorksネットワークの技術を利用したオープンシステムであり、通信ライン10に空調システム13のような複数のサブシステムおよびビル管理用の設備管理装置12がゲートウェイ12aを経由して接続される構成となっている。そして、空調システム13等のサブシステムは、設備管理装置12によって制御や監視を受けることになる。
コントローラ31は、図示しない制御基板を有している。そして、その制御基板上には、EEPROMが設けられている。このEEPROMには、コントローラ31の電源遮断直前または停電直前における空調システム13の運転/停止状態データ、給気温度設定値、ウォーミングアップ許可/禁止状態データ、スケジュール設定状態データおよび給気温度ロードリセット許可/禁止状態データが記憶保存される。なお、ウォーミングアップ許可/禁止状態データとは、ウォーミングアップ制御の許可/禁止を示すデータである。また、給気温度ロードリセット許可/禁止状態データとは、給気温度ロードリセット制御の許可/禁止を示すデータである。
コントローラ31の制御基板上には、電源投入時/停電復電時動作設定スイッチが設けられている。この電源投入時/停電復電時動作設定スイッチが予めONに設定されている場合、コントローラ31は、電源投入時または停電復電時に、EEPROMに記憶保存される各種データを読み込んで、電源遮断直前または停電直前の状態で復帰する。つまり、電源遮断直前または停電直前に運転/停止状態データが運転状態であった場合、コントローラ31は、電源投入時または停電復電時に運転状態で復帰する。また、電源遮断直前または停電直前に運転/停止状態データが停止状態であった場合、コントローラ31は、電源投入時または停電復電時に停止状態で復帰する。一方、この電源投入時/停電復電時動作設定スイッチがOFFに設定されている場合、コントローラ31は、電源投入時または停電復電時に、EEPROMに記憶保存される運転/停止状態データ以外のデータを読み込んで必ず停止状態で復帰する。
このコントローラ31は、電源投入後もしくは停電復電後に運転状態で復帰した場合または電源投入後もしくは停電復電後に運転指令を受信した場合、所定時間TP、空調システム13に対して送風運転のみを行わせる。そして、このコントローラ31は、この所定時間TP内に、設備管理装置12およびVAVコントローラ61から送信される種々のデータを受信し、この空調システム13の稼働に必要とされる全てのデータ値が予め規定される正常範囲内にあるかを判定する。そして、所定時間TP経過時点において全てのデータ値が正常範囲内にあると判定された場合には、その所定時間TP経過後、そのコントローラ31は、通常通り、種々の制御方法により空調システム13の運転を制御する。一方、所定時間TP経過時点においていずれかのデータ値が正常範囲にないと判定された場合には、その所定時間TP経過後、そのコントローラ31は、限定された制御方法により空調システム13の運転を制御する。
(設備管理装置との通信に異常があった場合)
コントローラ31は、運転/停止状態データ、給気温度設定データ、給気露点温度設定データ、外気計測温度データ、および外気計測湿度データのいずれかのデータ値が予め規定される正常範囲内にないと判定された場合、設備管理装置12に異常の発生を通知する。そしてその後、コントローラ31は、これらのデータ値すべてが正常範囲に収まった時点で異常を解除する。なお、上記のデータの初期値はInvalidであり、このInvalid値は正常範囲外とみなされる。
図4において、コントローラ31が空調システム13の運転を開始すると、ステップS21では、コントローラ31が、給気温度ロードリセット許可/禁止状態データの状態を確認する。なお、電源投入時/停電復電時動作設定スイッチがONに設定されている場合はEEPROMの給気温度ロードリセット許可/禁止状態データが、電源投入時/停電復電時動作設定スイッチがOFFに設定されている場合は設備管理装置12からの給気温度ロードリセット許可/禁止状態データが参照される。ステップS21の確認の結果、給気温度ロードリセット許可/禁止状態データが許可状態である場合は、ステップS23に移る。ステップS21の確認の結果、給気温度ロードリセット許可/禁止状態データが禁止状態である場合は、ステップS22に移る。ステップS22では、コントローラ31が、給気温度ロードリセット許可/禁止状態データを許可状態と読み替える。ステップS23では、コントローラ31が、給気温度設定値を自動的に決定する。すると、コントローラ31は、その後、給気温度ロードリセット処理を行う。
コントローラ31は、所定時間TPが経過するまでに外気計測温度値および外気計測湿度値のいずれかが正常範囲内に収まらなければ、無条件に外気冷房制御を禁止する。そしてその後、上記全てのデータ値が正常範囲内に収まり且つ全ての外気冷房条件を満足すれば、コントローラ31は、外気冷房制御を開始する。
コントローラ31は、所定時間TPが経過するまでにVAV室内計測温度値、VAV要求風量値、およびVAV計測風量値のいずれかが正常範囲内に収まらなければ、そのVAV16を異常とみなして制御対象から除外する。また、このとき、コントローラ31は、設備管理装置12に異常の発生を通知する。そしてその後、コントローラ31は、これらのデータ値すべてが正常範囲に収まった時点で異常を解除する。なお、いずれかのVAV16が異常と見なされた場合、給気風量は、そのVAV16の要求風量値が最低風量値と等しいと仮定して決定される。また、所定時間TP経過後、ある時点においてVAV室内計測温度値、VAV要求風量値、およびVAV計測風量値のすべての値が正常範囲内に収まった場合、コントローラ31は、そのVAV16をリアルタイムに自動復帰させ制御対象とし、各制御を反映させる。なお、すべてのVAV16が異常とみなされた場合、コントローラ31は、空調システム13を異常停止させる。また、異常停止後においては、コントローラ31は、いずれかのVAV16のVAV室内計測温度値、VAV要求風量値、およびVAV計測風量値の全てが正常範囲内に収まるまで、給気ファン47を運転させない(設備管理装置12から運転指令を受信したとしても給気ファン47は運転されない)。また、給気風量制御において1台のVAV16のVAV室内計測温度値、VAV要求風量値、およびVAV計測風量値の全てが正常範囲内に収まっている場合、給気ファン47の回転数の補正は、その1台のVAV16の開度に基づいて行われる。異常とみなされるVAV16の開度は、給気ファン47の回転数の補正には採用されない。また、VAV要求風量の総和を計算する場合、要求風量値が正常範囲にないVAV16については、最低風量を使用する。
コントローラ31は、所定時間TP経過後は給気設定温度データ、給気露点温度データ、外気計測温度データ、外気計測湿度データ、VAV室内計測温度データ、VAV要求風量データ、およびVAV計測風量データを監視し、一度正常範囲内に収まり、その後データ値が正常範囲内から逸脱すれば異常データ毎の処理を行う。なお、本処理は、コントローラ31の通電中にノイズなどで設定値がふらついたりした場合に即その異常値を採用することを防止し制御のハンチングを防止することを目的としている。
給気設定温度データおよび給気露点温度データについては、正常範囲内において変化があり、変化後の値が60秒間監視して一定であればその値が採用される。なお、60秒以内に変化があったときは、その時点から時間計測を開始して再度監視する。また、データ値が確定するまでは変化前のデータ値を制御値とする。所定時間TP経過後に異常確定し、その後、データ値が正常範囲内に収まり、そのデータ値が60秒間監視して一定であればその時点のデータ値を設定温度とする。また、データ値が正常範囲内から逸脱した後に、そのデータ値が60秒間監視して正常範囲内に復帰しない場合は、異常と確定し異常確定前のデータ値を採用する(すなわち、異常データを無視する)。その後、データ値が正常範囲内に収まり、そのデータ値が60秒間監視して一定であれば、そのデータ値に更新する。
外気計測温度データおよび外気計測湿度データについては、データ値が正常範囲から60秒間逸脱すれば異常が確定される。また、データ値が正常範囲内に60秒間維持されれば異常が解除される。なお、異常が確定されると、コントローラ31は、設備管理装置12に異常の発生を通知する。また、コントローラ31は、本データ値のいずれかが正常範囲から逸脱して外気冷房動作がハンチングしないように外気冷房制御の開始条件が満足されれば、180秒間は外気冷房制御の禁止判定を行わないようにする。また、外気冷房制御中に本データ値のいずれかが正常範囲から逸脱した場合、コントローラ31は、その逸脱した時刻から3分経過後に外気冷房制御を禁止する。そしてその後、本データ値の両方が正常範囲内に収まり、そのデータ値が60秒以上一定であれば、その60秒経過時点で外気冷房制御の開始判定を行う。また、コントローラ31は、外気冷房制御中に、設備管理機器12から外気冷房禁止指令を受信するとリアルタイムに外気冷房制御を中止する。そしてその後、コントローラ31が設備管理機器12から外気冷房許可指令を受信して外気冷房制御を開始すると、180秒間のタイマを再セットする。
VAV室内計測温度データ、VAV要求風量データおよびVAV計測風量データについては、[限定された制御方法]の(VAVコントローラとの通信に異常があった場合)において行われる処理と同様とする。
<本実施形態の空調システムの特徴>
(1)
本実施の形態に係る空調システム13では、電源投入時または停電復電時に所定時間TP、コントローラ31の情報異常判定部34が、通信部32において受信される給気温度設定値、給気露点温度設定値、外気計測温度値、外気計測湿度値、VAV室内計測温度値、VAV要求風量値、およびVAV計測風量値が正常範囲内にあるか否かを判定する。そして、情報異常判定部34において上記の値が正常範囲にないと判定された場合、機器制御部33が、限定された制御方法によりVAV16を制御する。このため、設備管理装置12やVAV16に異常が生じても空気調和運転が可能となる。また、この空気調和システム13では、上記全てのデータが正常範囲に収まっていると判定されない限り通常運転が実行されない。したがって、この空気調和システム13では、誤判断されることなく無駄のない確実な制御を実現することができる。この結果、この空気調和システム13は、信頼性の高い運転を実現することができる。
本実施の形態に係る空調システム13では、コントローラ31のいずれの接続ポート31a,31bもオープンネットであるLonWorksネットワークのLonTalkプロトコルに対応したものであるから、接続される設備機器(VAV)はメーカーを問わず使用が可能であり、将来の設備機器の交換や追加の際にも、LonTalkプロトコルに対応した設備機器であればメーカーを問わず採用することが可能である。
本実施の形態に係る空調システム13は、1パック化されており、LonWorksネットワークを使った上位システムとは別個に作動することも可能である。したがって、設備管理装置12などの上位のシステムに障害が発生した場合にも、例えばLonWorksネットワークの通信ライン10上で障害が発生した場合にも、リモコン等を介してコントローラ31に直接指令を送ることによって、空調システム13を正常に作動させることができる。
(A)
上記実施形態では、エアハン14やVAV16から成る空調システムに対して本発明を適用しているが、熱源機および二次側のユニットから成るセントラルシステム、エアハンおよび床ファンユニットから成る空調システム、室外機および室内機から成るパッケージエアコンシステムなどに対して同様に本発明を適用することが可能である。いずれの場合においても、主たる制御を行うコントローラに相当する親機に2つの接続ポートを設け、そのうち片方の接続ポートを利用して親機に従属する端末機器(子機)をローカルに接続してやれば、上記の実施形態の空調システムと同様の効果を享受することができる。
上記実施形態では、制御対象がVAV16のみであったが、これに代えて又はこれに加えて、ファンコイルユニットや排気ファン51などを制御対象対象としてもよい。
12 設備管理装置
16 VAV(設備機器)
20 ローカル通信ライン(専用ライン)
31 コントローラ(制御装置)
31a 上位通信用接続ポート(第1通信用接続部)
31b ローカル通信用接続ポート(第2通信用接続部)
32 通信部(受信部)
33 機器制御部
34 情報異常判定部
Claims (1)
- 所定の設備ネットワークの通信ライン(10)により上位の設備管理装置(12)に接続され、設備機器(16)を制御する制御装置(31)であって、
前記設備管理装置(12)と第1通信を行うための、前記設備ネットワークに対応した第1通信用接続部(31a)と、
前記設備機器(16)と第2通信を行うための、前記設備ネットワークに対応した第2通信用接続部(31b)と、
前記設備機器(16)の制御に必須となる情報である必須制御情報を、前記設備管理装置(12)から前記第1通信用接続部(31a)を介して及び前記設備機器(16)から前記第2通信用接続部(31b)を介して受信する受信部(32)と、
前記必須制御情報に基づいて前記設備機器(16)を制御する機器制御部(33)と、
電源オンとなった後所定時間、前記受信部において受信される前記必須制御情報が異常であるかを判定する情報異常判定部(34)と、
を備え、
前記機器制御部(33)は、前記所定時間の経過時点で前記情報異常判定部(34)において前記必須制御情報が異常であると判定された場合、前記所定時間の経過後、前記必須制御情報の代替として用意される代替制御情報に基づいて前記設備機器(16)を制御する、
設備機器の制御装置(31)。
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