JP2005194291A - ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005194291A
JP2005194291A JP2001369563A JP2001369563A JP2005194291A JP 2005194291 A JP2005194291 A JP 2005194291A JP 2001369563 A JP2001369563 A JP 2001369563A JP 2001369563 A JP2001369563 A JP 2001369563A JP 2005194291 A JP2005194291 A JP 2005194291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyphenylene ether
resin composition
ether resin
weight
polyphenylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001369563A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Mitsui
昭 三井
Mutsumi Maeda
睦 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp, Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001369563A priority Critical patent/JP2005194291A/ja
Priority to AU2002349729A priority patent/AU2002349729A1/en
Priority to PCT/JP2002/012453 priority patent/WO2003048254A1/ja
Priority to US10/491,490 priority patent/US7544741B2/en
Publication of JP2005194291A publication Critical patent/JP2005194291A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L71/00Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L71/08Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives
    • C08L71/10Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives from phenols
    • C08L71/12Polyphenylene oxides
    • C08L71/123Polyphenylene oxides not modified by chemical after-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/34Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives
    • C08G65/46Post-polymerisation treatment, e.g. recovery, purification, drying

Abstract

【課題】流動性と耐薬品性、及び、製品の外観が向上したポリフェニレンエーテル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル樹脂組成物中のポリフェニレンエーテルのプロトン核磁気共鳴スペクトルで、3.55ppmにトリプレットシグナルが特定量有する樹脂組成物を用いることにより課題が解決する。好ましくは、DSCの昇温過程の測定で観測されるポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークが0〜0.1J/gの範囲のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を用い、更に好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物中の揮発分含量が2重量%以下であるポリフェニレンエーテル樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは特異的に流動性と耐薬品性のバランスが向上し、成形品外観に優れるポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ポリフェニレンエーテル樹脂は耐熱性、電気特性、耐酸性、耐アルカリ性、寸法安定性等に優れ、しかも低比重、低吸水性であるなどの優れた特性を有する樹脂であり広く使用されている。しかしながら、ポリフェニレンエーテル自体のガラス転移点が高いことや、加熱溶融時にポリフェニレンエーテル自体が分子量の増大反応を引き起こすという特性のために、一般に流動性が低いという欠点、即ち、溶融成形加工が困難であるという欠点を有する。この欠点をカバーするために古くから、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンの相溶性を利用してスチレン系樹脂とのアロイとして利用されてきた。しかしこの良く知られた方法ではポリフェニレンエーテルの優れた耐熱性が犠牲となっている。
【0003】
ポリフェニレンエーテル自体の流動性を改良するために種々の方法が模索されてきた。例えば、流動性を改良するためには低分子量のポリフェニレンエーテルが必要となる。この改良方法は結果としてポリフェニレンエーテルの分子量分布を低分子量側へ広げることに帰着される方法である。この点については特公昭45−25992号公報の実施例中に記載されている通りであるが、該特許では2種類の特定の溶液粘度をもつポリフェニレンエーテルの混合物を含有する樹脂組成物が提案されている。
【0004】
しかしながら特定の溶液粘度を持つポリフェニレンエーテルをそれぞれ製造し、これらを混合するには製造上非常に煩雑な設備構成が必要であり好ましくない。特許番号2648887号公報に開示されている内容も同様である。また単に低分子量のポリフェニレンエーテルを混合しても流動性は改良されるものの、耐薬品性などの物性の低下、及び、成形品外観の悪化を伴ってしまっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ポリフェニレンエーテルの分子量及び分布を改良することで達成されるポリフェニレンエーテル樹脂組成物の流動性の改良方法は、ポリフェニレンエーテルのバルクの流動特性が分子量(及び分布)というパラメータによって規制されることを意味しており、それ以上の改良効果を望むことは困難である。よって別の面からのアプローチを必要とする時期に来ていると考えられる。しかしながらポリフェニレンエーテルの分子構造と流動性と耐薬品性の関係について詳細な検討はこれまで全くといって良いほどなされていないのが現状であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を有しないポリフェニレンエーテル樹脂組成物について鋭意検討を進めた結果、ポリフェニレンエーテルを核磁気共鳴分析でプロトンを分析することにより、ポリフェニレンエーテル中の特定のシグナルが流動性と耐薬品性に関連していることと成形品外観に関連することを見いだし、本発明に至った。
すなはち、本発明は以下のとおりである。
1. ポリフェニレンエーテル樹脂組成物において該ポリフェニレンエーテル樹脂組成物中の一般式(1)
【0007】
【化2】
Figure 2005194291
【0008】
で表されるポリフェニレンエーテルを、核磁気共鳴分析装置でプロトンを分析した際、約6.47ppmに得られるシグナルの積分強度を100とした時に、約3.55ppmを中心とするトリプレットシグナルの積分強度が0.05以上0.25以下の量存在し、かつ重量平均分子量が30000から100000であることを特徴とするポリフェニレンエーテルを0.1〜99.9重量%含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
【0009】
2. DSCの昇温過程の測定で観測される230℃〜270℃をピークトップとするポリフェニレンエーテルに由来する吸熱ピークが0〜0.1J/gであることを特徴とする特許請求項1記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
3. 揮発分含量が2重量%以下であることを特徴とする上記1または2に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物である。
以下本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の組成物に使用されるポリフェニレンエーテルの製造方法については特に制限はない。例えば特公昭59−23332号公報、特公昭61−20576号公報、特公平5−13966号公報等に記載の方法で2,6−ジメチルフェノールを酸素含有ガスを用いて酸化重合させて得られたポリフェニレンエーテルが本発明の樹脂組成物として用いられる。本発明で用いられる2,6−ジメチルフェノール中には少量のフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等を含んでいても実質上差し支えない。
【0011】
通常ポリフェニレンエーテル樹脂組成物はポリフェニレンエーテルと他の材料を混合し、押出機等で加熱溶融混練する押出法により製造されることが一般的であるが、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を構成する各成分を混合し組成物とする方法はいかなる方法でも良い。加工温度についてはポリフェニレンエーテルのガラス転移点以上の温度とすることが好ましい。これらの方法は例えば、溶液ブレンドと脱気を組み合わせた方法、押出機、加熱ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ヘンシェルミキサー等使用することができる。
【0012】
本発明の好ましいポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、DSCの昇温過程の測定で観測されるポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークが0〜0.1J/gであるポリフェニレンエーテル樹脂組成物である。
本発明でのDSCとは示差熱走査型熱量計を意味し、パーキンエルマー社製DSC−7型の示差熱走査型熱量計及び、これと同等性能の示差熱走査型熱量計が好ましく使用できる。
【0013】
本発明の昇温過程の測定とは、上記好ましく使用できる示差熱走査型熱量計を用いた測定において、窒素雰囲気下で事前に180℃以上の加熱処理を行っていないポリフェニレンエーテル樹脂組成物4〜8mgを測定の対象とし、昇温速度5〜80℃/分で50℃〜300℃の範囲を走査する過程での測定を意味する。
上記した公知の製造方法で製造されたポリフェニレンエーテル樹脂は、DSCの昇温過程の測定で観測されるポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークが1〜25J/gの範囲にある。
【0014】
本発明の好ましいポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂にその他の組成物を混合した後に、270℃〜340℃の範囲の温度で十分な滞留時間と剪断をかけて、DSCの昇温過程の測定で観測されるポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークが0〜0.1J/gの範囲になるように溶融混練したポリフェニレンエーテル樹脂組成物である。
【0015】
本発明の更に好ましいポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物中の揮発分含量が2重量%以下であるポリフェニレンエーテル樹脂組成物である。
揮発分含量は得られたポリフェニレンエーテル樹脂組成物を150℃に保たれた真空乾燥機中にて2日間乾燥し、乾燥前後の重量を測定しその重量減少から揮発分の量を求める。
【0016】
本発明の組成物中のポリフェニレンエーテルにおいて該ポリフェニレンエーテルを重水素化クロロホルムの溶液とし、核磁気共鳴分析装置でプロトンを分析した際、テトラメチルシランのケミカルシフト値を0ppmとした基準で表されるケミカルシフト値で、ポリフェニレンエーテルの主たる繰り返しユニットにおける約6.47ppmに得られる3位及び5位のプロトン(一般式(1)中のRb)のシグナルの積分強度を100とした時に、約3.55ppmを中心とするトリプレットシグナルの積分強度が0.05以上0.25以下の量存在し、重量平均分子量が30000から100000の範囲になるようなポリフェニレンエーテル樹脂組成物と本発明の範囲外のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を比較すると、驚異的なことであるが、樹脂組成物中のポリフェニレンエーテルの分子量から予想されるよりも本発明の組成物は流動性が良く耐薬品性に優れ、かつ成形品の表面外観が良いという事実が判明した。
【0017】
この事実はポリフェニレンエーテル樹脂組成物中からポリフェニレンエーテルを分離精製し得られたポリフェニレンエーテルを核磁気共鳴分析装置でプロトンを分析した際、ポリフェニレンエーテルの微細構造に基づくシグナルの強度の違いとなっていることが明白となった。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物中のポリフェニレンエーテルの核磁気共鳴分析を行うには樹脂組成物中からポリフェニレンエーテルを核磁気共鳴分析に支障がない程度まで精製分離を行った後に分析することが好ましい。この手段については特に制限はない。既知のいかなる方法で精製しても分析に供することができる。
【0018】
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物からポリフェニレンエーテルを精製分離する一般的方法について代表的組成物を例に取り以下に記載する。
<ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系樹脂組成物の場合>
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物約10gを150mlのクロロホルムに溶解させ、遠心分離により組成物中の固形物を除去する。上澄みを取りだし、この液にメタノールを多量に添加して溶解しているポリマー成分を沈殿させる。これを濾過して繰り返しメタノールで洗浄し、得られた固形分を110℃に保たれた真空乾燥機で乾燥させる。この固体を塩化メチレン約100mlに溶解させ、−5℃で24時間放置し析出物を濾過する。濾残を可及的速やかに冷塩化メチレンで洗浄した後、110℃に保たれた真空乾燥機で乾燥させる。これでも精製が不十分の場合には、再度この固体を塩化メチレン約100mlに溶解させ、−5℃で24時間放置し析出物を濾過する。濾残を可及的速やかに冷塩化メチレンで洗浄した後、110℃に保たれた真空乾燥機で乾燥させる。このような操作で得られた分離精製ポリフェニレンエーテルが核磁気共鳴分析に使用できる。
【0019】
<ポリフェニレンエーテル/ポリアミド系樹脂組成物の場合>
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物約10gを500ml程度のギ酸に溶解させ、遠心分離により上澄みと、固形物を分離する。上澄みを捨て、残留固体を新しいギ酸で数度洗浄する。残留物をクロロホルムに溶かし、溶けない成分は濾過して除く。濾液にメタノールを多量に添加して溶解しているポリマー成分を沈殿させる。これを濾過して繰り返しメタノールで洗浄し、得られた固形分を110℃に保たれた真空乾燥機で乾燥させる。これでも精製が不十分の場合にはこの固体を塩化メチレン約100mlに溶解させ、−5℃で24時間放置し析出物を濾過する。濾残を可及的速やかに冷塩化メチレンで洗浄した後、110℃に保たれた真空乾燥機で乾燥させる。このような操作で得られた分離精製ポリフェニレンエーテルが核磁気共鳴分析に使用できる。
【0020】
前述したように核磁気共鳴分析装置を用いて本発明におけるポリフェニレンエーテル樹脂組成物中のポリフェニレンエーテルのプロトンを分析したときに観測される、約3.55ppmのトリプレットシグナルがいかなる構造であるかについては現在の段階では残念ながら明白ではない。
上記のポリフェニレンエーテルを0.1から99.9重量%含有する本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物に関して、配合される種々の他の成分は特に限定されない。いかなる組成物についても本発明の範囲に含まれる。他の成分として代表的な物は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、添加剤、安定剤、変性剤等である。熱可塑性樹脂としては例えば、ポリスチレン系樹脂(ゴム補強ポリスチレンやAS,ABS樹脂等も含む)、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、液晶樹脂等との組成物であり、熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン、架橋アリール、ビスマレイミド、フェノール性樹脂等との組成物が挙げられるがこの例に限定されない。
【0021】
添加剤としては例えば、可塑剤、安定剤、変性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、離型剤及びガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤、更にはガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤を添加することができる。
安定剤や変性剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフェノール類、含イオウ酸化防止剤、アルカノールアミン類、酸アミド類、ジチオカルバミン酸金属塩類、無機硫化物、金属酸化物類、無水カルボン酸類、スチレンやステアリルアクリレート等のジエノフィル化合物類、エポキシ基含有化合物などが挙げられるがこれらの例には限定されない。これらの他の成分は単独でもいくつか組み合わせても用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に本発明について、本発明によるポリフェニレンエーテル樹脂組成物の内、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系樹脂組成物ついての性質を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
なお各種の測定は以下の条件で行った。
【0023】
1.組成物中のポリフェニレンエーテルの分子量測定
昭和電工(株)製ゲルパーミェーションクロマトグラフィーSHODEX・GPCsystem21で標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し測定した。標準ポリスチレンの分子量は550、1300、2960、9680、28600、65900、172000、629000、996000、1960000、3900000のものを用いた。カラムはSHODEX製K−800D、K−805L、K−805Lを直列につないで使用した。また、溶媒はクロロホルム、溶媒の流量は1.0ml/min、カラムの温度は40℃で測定した。検出部にはUV検出器を用い、波長は標準ポリスチレンの検量線作成にあたっては254nm、測定対象のポリフェニレンエーテルにあたっては283nmで測定した。サンプルはクロロホルムに溶かし、メンブランフィルターで不溶分を除去した溶液として測定に供した。
【0024】
2.ポリフェニレンエーテルのプロトン核磁気共鳴吸収スペクトル測定
プロトン核磁気共鳴吸収スペクトルは日本電子(株)製のGSX−400型で重水素化クロロホルムを溶媒として、ポリフェニレンエーテル50mgを0.8mlの重水素化クロロホルムに溶かした溶液で測定した。またテトラメチルシランをケミカルシフトの基準(0ppm)として用いた。
【0025】
3.流動性の測定
3−1.MFR:東洋精機(株)のメルトインデクサーP−111を用いて、ASTM/D1238−95に準拠し250℃、10kg荷重で測定した。(単位:g/10min)。
3−2.SSP:ASTM/D638−95試験片が成形されるに必要な最低ゲージ圧力を射出成形機(東芝機械製IS−80C)を用いて測定した。成形温度290℃、金型温度80℃(単位:MPa)。
【0026】
4.耐薬品性の測定
ダンベル成形品をイソプロパノール/ノルマルヘキサン=70/30(wt/wt)混合液に、1%歪下・23℃×30分浸漬後、ASTM/D638−95に準拠して引張試験し、浸漬前後のTY保持率を測定した。
【0027】
5.成形品の表面外観の測定
長さ90mm、幅50mm、厚さ2mmの平板状成形片を射出成形機(東芝機械製IS−80C)を用いて成形温度290℃、金型温度80℃条件で成形し、この成形片を用いて成形片表面全体のシルバーストリークスの発生状況を目視にて評価した。シルバーストリークスはA(全面にシルバーストリークスの発生が認められる)、B(半分程度にシルバーストリークスの発生が認められる)、C(一部にシルバーストリークスの発生が認められる)、D(わずかにシルバーストリークスの発生が認められる)、E(シルバーストリークスの発生が認められない)の5段階評価を行った。
【0028】
6.DSC測定
実施例と比較例で得られたポリフェニレンエーテル樹脂組成物がペレット状の形態である場合は、ミクロトームを用いてペレットを切削し、厚さ約20μmのフィルムを数枚作成し、総重量が4〜6mgになるようなフィルムの集合をDSC測定用のサンプルとする。
サンプルを専用のアルミパンに封入して、パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、50℃〜300℃の間を昇温速度20℃/分で走査し、ポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークを測定する。
【0029】
上記230〜270℃の範囲に他の組成物由来のピークが存在する場合には、次の手法でポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークを測定する。
即ち、上記吸熱ピークの測定方法に引き続き、5分間300℃に保温した後に20℃/分の冷却速度で50℃まで冷却し、さらに引き続いて、50℃〜300℃の間を昇温速度20℃/分で走査し、吸熱ピークを測定する。5分間300℃に保温することによりポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークは完全に消滅する。当初測定した第一回目の昇温過程の測定結果と第二回目の昇温過程の測定結果との差スペクトルから、ポリフェニレンエーテルに由来する230℃〜270℃をピークトップとする吸熱ピークを測定する。DSCの温度、及び、吸熱ピーク熱量はインジウムを用いて校正する。
【0030】
7.樹脂組成物の揮発分検査
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を150℃に保たれた真空乾燥機中にて2日間乾燥し、次いで乾燥前後の重量を測定し、その重量減少から揮発分の含有量を求めた。
【0031】
【実施例1】
(ポリフェニレンエーテルの作成)
特公昭59−23332号公報実施例3に記載の方法に従って、各触媒とジ−n−ブチルアミンの存在下、酸素を通気しながら2,6−ジメチルフェノールのトルエン溶液を35分間かけて加え、100分後に酸素供給を停止させた。重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3ナトリウム塩の水溶液を加え、混合物を70℃で保った。その後、混合物をシャープレス遠心分離器に送り、ポリマー溶液相と水性相に分けた。ポリマー溶液相にメタノールを加えて沈殿させて濾過し、メタノールで洗い、それから140℃の真空乾燥器内で乾燥させ、パウダー粒子状の乾燥ポリフェニレンエーテルを得た。このポリフェニレンエーテルを用いて以下の樹脂組成物を作成した。
【0032】
(樹脂組成物の作成)
以下に示す組成で樹脂組成物を作成した。
前記ポリフェニレンエーテルを78重量部、ホモポリスチレン樹脂(A&Mポリスチレン製GPPS685)を11重量部、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(A&Mポリスチレン製ハイインパクトポリスチレンH9405)を11重量部、大八化学製CR−741を9重量部、更に[酸化亜鉛(15重量部)/硫化亜鉛(15重量部)/IRGANOX−MARK2112(15重量部)/ハイインパクトポリスチレンH9405(19重量部)]からなる混合物を0.81重量部の割合で配合し、ヘンシェルミキサーで混合する。
【0033】
混合したものを特開2001−47496号公報実施例1に開示したスクリュー構成のスクリュー径25mmの二軸押出機を用いて、200g/分の押出速度で溶融混練押出を行い、ストランドを水温60℃設定のストランドバスに通した後、ペレタイザーで切断しペレット状の樹脂組成物を得た。樹脂組成物を作成中、押出機吐出口における組成物温度は320℃から330℃の間に保たれた。このペレットを用いて揮発分の検査とDSC測定を行った。更にこのペレットを用いてメルトフローレート(MFR)をメルトフローインデクサで測定した。またこのペレットを用いてGPCで測定する事により組成物中のポリフェニレンエーテルの分子量を調べた。
【0034】
さらにまたこのペレットを用いて核磁気共鳴スペクトル測定に供するための分離精製処理を行った後に組成物中のポリフェニレンエーテルの核磁気共鳴スペクトル測定を行った。更に樹脂組成物ペレットを射出成形機(東芝機械製IS−80C)を用いてSSP、耐薬品性の測定、及び成形品の表面外観を測定した。結果をまとめて表1に示した。
【0035】
【実施例2】
押出機吐出口における組成物温度を335℃から345℃の間に保ったことを除いて実施例1と同様の方法でポリフェニレンエーテル樹脂組成物を作成した。また各測定も行った。結果をまとめて表1に示した。
【0036】
【実施例3】
押出機吐出口における組成物温度を290℃から300℃の間に保ったことを除いて実施例1と同様の方法でポリフェニレンエーテル樹脂組成物を作成した。また各測定も行った。結果をまとめて表1に示した。
【0037】
【比較例1】
押出速度が600g/分であることを除いて実施例3と同様の方法でポリフェニレンエーテル樹脂組成物を作成した。また各測定も行った。結果をまとめて表1に示した。
【0038】
【比較例2】
押出速度が600g/分であることを除いて実施例1と同様の方法でポリフェニレンエーテル樹脂組成物を作成した。また各測定も行った。結果をまとめて表1に示した。
【0039】
【比較例3】
ポリフェニレンエーテルを作成する際に2,6−ジメチルフェノールのトルエン溶液を5分間で加えたことと、添加開始後90分で酸素の供給を止めたことを除いて、実施例1と同様の方法でポリフェニレンエーテルを得、また実施例1と同様の方法でポリフェニレンエーテル樹脂組成物を作成した。また各測定も行った。結果をまとめて表1に示した。
【0040】
【表1】
Figure 2005194291
【0041】
【発明の効果】
本発明でのポリフェニレンエーテル樹脂組成物中のポリフェニレンエーテルの核磁気共鳴分析において特定の位置に特定量のシグナルを有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、特異的な流動特性と耐薬品性の良好なバランスを示すことが明らかである。また本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物は表面外観が良好である。よってこの組成物は流動性や耐薬品性を要求される様々な局面において使用することが可能である。

Claims (3)

  1. ポリフェニレンエーテル樹脂組成物において該ポリフェニレンエーテル樹脂組成物中の一般式(1)
    Figure 2005194291
    で表されるポリフェニレンエーテルを、核磁気共鳴分析装置でプロトンを分析した際、約6.47ppmに得られるシグナルの積分強度を100とした時に、約3.55ppmを中心とするトリプレットシグナルの積分強度が0.05以上0.25以下の量存在し、かつ重量平均分子量が30000から100000であることを特徴とするポリフェニレンエーテルを0.1〜99.9重量%含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
  2. DSCの昇温過程の測定で観測される230℃〜270℃をピークトップとするポリフェニレンエーテルに由来する吸熱ピークが0〜0.1J/gであることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
  3. 揮発分含量が2重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
JP2001369563A 2001-12-04 2001-12-04 ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 Withdrawn JP2005194291A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001369563A JP2005194291A (ja) 2001-12-04 2001-12-04 ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
AU2002349729A AU2002349729A1 (en) 2001-12-04 2002-11-28 Polyphenylene ether resin composition
PCT/JP2002/012453 WO2003048254A1 (fr) 2001-12-04 2002-11-28 Composition de resine de polyphenylene ether
US10/491,490 US7544741B2 (en) 2001-12-04 2002-11-28 Composition comprising poly(2,6-dimethylphenylene) ether

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001369563A JP2005194291A (ja) 2001-12-04 2001-12-04 ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005194291A true JP2005194291A (ja) 2005-07-21

Family

ID=19178932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001369563A Withdrawn JP2005194291A (ja) 2001-12-04 2001-12-04 ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7544741B2 (ja)
JP (1) JP2005194291A (ja)
AU (1) AU2002349729A1 (ja)
WO (1) WO2003048254A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008291976A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd バルブ
JP2021017466A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 旭化成株式会社 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7244813B2 (en) * 2003-08-26 2007-07-17 General Electric Company Methods of purifying polymeric material
US20080076885A1 (en) * 2006-09-21 2008-03-27 Gary William Yeager Poly(arylene ether) composition and method
CN105403650A (zh) * 2015-12-07 2016-03-16 中华人民共和国临沂出入境检验检疫局 木制品中氯代磷酸酯类阻燃剂的测定方法
JP2017179009A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 旭化成株式会社 ポリフェニレンエーテルの製造方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3642699A (en) * 1969-08-12 1972-02-15 Gen Electric Formation of polyphenylene ethers
US4092294A (en) 1976-08-30 1978-05-30 General Electric Company Method for preparing polyphenylene ethers
US4788277A (en) * 1986-12-04 1988-11-29 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing a polyphenylene ether
JPS6433131A (en) * 1987-04-01 1989-02-03 Asahi Chemical Ind Production of polyphenylene ether
JPS6433131U (ja) 1987-08-21 1989-03-01
US4831115A (en) * 1988-02-16 1989-05-16 General Electric Company Method for removing volatile impurities from polyphenylene ethers
US4992222A (en) * 1988-12-29 1991-02-12 General Electric Company Method for removing volatile substances from polyphenylene ether or polyphenylene ether/styrene resin compositions
JP2882689B2 (ja) * 1991-01-17 1999-04-12 旭化成工業株式会社 樹脂組成物の製造方法
DE4328873A1 (de) * 1993-08-27 1995-03-02 Basf Ag Polyarylenetheragglomerate
US5693742A (en) * 1994-12-01 1997-12-02 General Electric Company Solventless method for making polyarylene ethers
JP3655376B2 (ja) * 1995-11-15 2005-06-02 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製造用二軸押出機
DE19947832A1 (de) * 1998-10-07 2000-04-13 Sumitomo Chemical Co Polyphenylenetherharzmasse
JP4176924B2 (ja) 1999-08-11 2008-11-05 旭化成ケミカルズ株式会社 熱可塑性樹脂の溶融混練方法
US6841629B1 (en) * 2000-04-21 2005-01-11 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Modified polyphenylene ether resin
JP3504586B2 (ja) * 2000-06-19 2004-03-08 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリフェニレンエーテルの製造方法
JP4674989B2 (ja) * 2001-04-13 2011-04-20 旭化成ケミカルズ株式会社 物性が良好な混練方法
CN100453516C (zh) * 2001-08-07 2009-01-21 旭化成化学株式会社 2,6-二甲基酚组合物
JP4108395B2 (ja) * 2002-07-17 2008-06-25 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリフェニレンエーテル

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008291976A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd バルブ
JP2021017466A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 旭化成株式会社 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP7280133B2 (ja) 2019-07-17 2023-05-23 旭化成株式会社 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
AU2002349729A1 (en) 2003-06-17
US20040249109A1 (en) 2004-12-09
US7544741B2 (en) 2009-06-09
WO2003048254A1 (fr) 2003-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2628760B1 (en) Polyphenylene ether powder and polyphenylene ether composition
RU2479605C2 (ru) Формовочные массы с улучшенным качеством поверхности, содержащие простой полиарилэфир
JP6528678B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP3109735B2 (ja) 安定化ポリフェニレンエーテル樹脂の製法とその組成物
RU2516420C2 (ru) Полимерная формовочная масса
JPH0428748B2 (ja)
JP5570440B2 (ja) 樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成物の製造方法ならびに該樹脂組成物を成形して得られる成形体
CN103764722A (zh) 聚醚酰亚胺组合物及其制备方法和用途
JPH0853621A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂およびその成形品
JP2005194291A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
JP5362410B2 (ja) ポリフェニレンエーテル
EP3747934B1 (en) Polyarylene sulfide copolymer and method for producing same
EP0212805A2 (en) Polyether ketone/polysulphone resin composition
JPWO2003014050A1 (ja) 2,6−ジメチルフェノール組成物
WO2019219870A1 (en) Process for preparing a poly(biphenyl ether sulfone) (ppsu) polymer
JP6337971B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法
JPH0772228B2 (ja) ポリフェニレンエーテル・ポリアミド共重合体樹脂の製造方法
JPH04234430A (ja) ポリフェニレンエーテル共重合物
JPH049180B2 (ja)
JP2018188610A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法
JP5635862B2 (ja) ポリフェニレンエーテル
JPH04178352A (ja) 芳香族オリゴマーおよびその製造方法
KR20230163556A (ko) 폴리아릴렌 (에테르) 설폰을 포함하는 입자의 제조 방법
JP2008214460A (ja) ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及び成型体
JP5626877B2 (ja) ポリフェニレンエーテル

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050802