JP2005187733A - ポリエステルエラストマ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、異なる2種以上のアルキレンオキシド単位から構成される脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(B)重量部および/またはカルボン酸のアルカリ金属塩(C)および/または有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(D)を配合する。
【選択図】 なし
Description
Log(E’1/E’2)<0.3・・・・・(1)
(ただし、E’1は−10℃における貯蔵弾性率(Pa)、E’2は23℃における貯蔵弾性率(Pa)を示す。)
また、本発明の好ましい形態によれば、
更に、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に、ヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(c)0.05〜2.5重量部と過酸化物分解剤(d)0.05〜2.5重量部の組み合わせからなる酸化防止剤(E)、光安定剤(F)0.05〜5重量部、可塑剤(G)1〜50重量部の3種類の中から選ばれた1種類以上を配合すること、
前記ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)が、ネオペンチレンオキシド単位とテトラメチレンオキシド単位から構成される脂肪族ポリエーテルであること、
が、好ましい条件であり、これらの条件を適用した場合には一層優れた効果の取得を期待することができる。
o−クロロフェノールを溶媒とした0.5%のポリマ溶液を25℃で測定した。
差動走査熱量計(デュポン社製DSC−910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
ASTM D−1238に従って、温度220℃、荷重2160gで測定した。
ASTM K−7215に従って測定した。
プレス成形法によって作成した厚さ約2mmのシートを用い、直読ヘイズメーター(東洋精機社製NO.206型)で測定した。
プレス成形法によって作製した厚さ約2mmのシートの透明性を肉眼にて目視で判定した。また、シートを印刷物の上に置いて、印刷物の文字が見えるか、見えないか評価した。
プレス成形法によって作製した厚さ約2mmのシートから、長さ約50mm、幅約15mmの寸法で打ち抜いたものを用い、粘弾性スペクトロメーター(TAインスツルメンツ社製983型DMA)により、スパン長を約20mm、昇温速度を3℃/min.、共鳴周波数モードで、−150℃〜150℃の貯蔵弾性率を評価した。
プレス成形法によって作製した厚さ約2mmのシートを80℃の恒温槽中で4週間熱処理し、取り出した後、変色の状態を目視で観察した。
プレス成形法によって作製した厚さ約2mmのシートをポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる部分に光が照射されるよう紫外線カーボンアークランプを光源とするフェードオーメーター中で、槽内温度50℃で10時間処理し、取り出した後、変色の状態を目視で観察した。
[ポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)の製造]
ジメチルテレフタレート320部、ジメチルイソフタレート93部、1,4−ブタンジオール345部、エチレンオキシドで末端をキャッピングしたポリ(プロピレンオキシド)グリコール(数平均分子量2200、EO含量26.8%)550部を、チタンテトラブトキシド2部およびトリメリット酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1330(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで、50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で1時間50分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
テレフタル酸234部、1,4−ブタンジオール228部および数平均分子量約2000のエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体(EO/THFモル比40/60)グリコール754部を、チタンテトラブトキシド2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1330(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で3時間30分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
テレフタル酸348部、1,4−ブタンジオール352部および数平均分子量約1800のネオペンチレンオキシドとテトラメチレンオキシドの共重合体615部を、チタンテトラブトキシド2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
テレフタル酸348部、1,4−ブタンジオール340部および数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール576部を、チタンテトラブトキシド2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
ジメチルテレフタレート酸273部、1,4−ブタンジオール120部および数平均分子量約2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール723部を、チタンテトラブトキシド3部およびトリメリット酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させた。反応混合物に”イルガノックス”1330(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで、50分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で1時間50分重合をおこなった。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレットとした。
表1にA−1、A−2、A−3、A−4、A−5の組成と物性を示す。
参考例で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体として三井・デュポンポリケミカル社製の”ハイミラン”1707(イオンタイプはナトリウム)(B−1)、ステアリン酸ナトリウム(C−1)、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム(旭電化社製”アデカスタブ”NA−11)(D−1)、表2に示すような配合になるようにドライブレンドし、45mmφのシリンダー径を有する二軸押出機を用いて、表2に示す温度で溶融混練したのちペレット化した。このペレットを80℃で3時間乾燥後、ポリテトラフルオロエチレン製シート(ニチアス(株)製”ナフロン”テープ、TOMBO 9001)にはさみ、溶融混練温度と同じ成形温度でプレスし、60℃で冷却したのち、ポリテトラフルオロエチレン製シートを剥がして、厚み約2mmのシートを成形した。このプレスシートについて、全光線透過率およびヘイズ値を測定するとともに、透明性を外観と印刷物の上にシートを置いた時の文字の見え方で評価した。さらに粘弾性挙動を測定した。結果を表2に示す。
参考例で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−4)、(A−5)に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体として三井・デュポンポリケミカル社製の”ハイミラン”1707(イオンタイプはナトリウム)(B−1)、および/またはステアリン酸ナトリウム(C−1)、を表2に示すような配合比率でドライブレンドし、実施例1〜8と同様に溶融混練とペレット化し、プレス成形した。また、ポリエーテルエステルブロック共重合体のみをプレス成形して得られたシートを用いて試験を行った結果と併せて表2に示す。
参考例で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)に、ステアリン酸ナトリウム(C−1)、チバガイギー社製のヒンダードフェノール系酸化防止剤(”イルガノックス”1010)(E−1)、旭電化社製のホスファイト系酸化防止剤(”アデカスタブ”PEP−8)(E−2)、第一工業製薬社製のチオエーテル系酸化防止剤(”ラスミット”LG)(E−3)を表3に示すような配合になるようにドライブレンドし、実施例1〜8と同様に溶融混練とペレット化し、プレス成形を行った。得られた厚さ約2mmのシートを用いて全光線透過率とヘイズ値、粘弾性挙動を測定するとともに、熱変色性を調べた。その結果を表3に示す。
参考例で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)に、ステアリン酸ナトリウム(C−1)、チバガイギー社製のヒンダードフェノール系酸化防止剤(”イルガノックス”1010)(E−1)、旭電化社製のホスファイト系酸化防止剤(”アデカスタブ”PEP−8)(E−2)、チバイギー社製のベンゾトリアゾール系光安定剤(”チヌビン”327)(F−1)、住友化学社製のベンゾフェノン系光安定剤(”スミソーブ”130)(F−2)、チバガイギー社製のヒンダードアミン系光安定剤(”チヌビン”144)(E−3)を表4に示すような配合になるようにドライブレンドし、実施例1〜8と同様に溶融混練とペレット化し、プレス成形を行った。得られた厚さ約2mmのシートを用いて全光線透過率とヘイズ値、粘弾性挙動を測定するとともに、熱変色性と光変色性を調べた。その結果を表4に示す。
参考例で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(”ハイミラン”1707)、カルボン酸のアルカリ金属塩(ステアリン酸ナトリウム)、フタル酸エステル系可塑剤(ジオクチルフタレート)(G−1)、グリコールジベンゾエート系可塑剤(ジプロピレングリコールジベンゾエート)(G−2)を、表5に示すような配合になるようにドライブレンドし、実施例1〜8と同様に溶融混練とペレット化し、プレス成形を行った。得られた厚さ約2mmのシートを用いて全光線透過率とヘイズ値、粘弾性挙動、およびメルトフローレート(MFR)を測定するとともに、熱変色性と光変色性を調べた。その結果を表5に示す。
Claims (3)
- 主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10〜50重量%と、異なる2種以上のアルキレンオキシド単位から構成される脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90〜50重量%とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(B)0.2〜20重量部および/またはカルボン酸のアルカリ金属塩(C)0.01〜5重量部および/または有機リン酸エステル化合物のアルカリ金属塩(D)0.01〜5重量部を配合してなるポリエステルエラストマ樹脂組成物であって、厚さ約2mmのシートで測定した全光線透過率が40%以上で、かつヘイズ値(曇度)が85%以下であり、さらに粘弾性挙動において下記(1)式を満たすことを特徴とする単一成形体を得るためのポリエステルエラストマ樹脂組成物。
Log(E’1/E’2)<0.3・・・・・(1)
(ただし、E’1は−10℃における貯蔵弾性率(Pa)、E’2は23℃における貯蔵弾性率(Pa)を示す。) - 更に、前記ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対し、ヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(c)0.05〜2.5重量部と過酸化物分解剤(d)0.05〜2.5重量部の組み合わせからなる酸化防止剤(E)、光安定剤(F)0.05〜5重量部、可塑剤(G)1〜50重量部の3種類の中から選ばれた1種類以上を配合してなる請求項1に記載のポリエステルエラストマ樹脂組成物。
- 前記ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)が、ネオペンチレンオキシド単位とテトラメチレンオキシド単位から構成される脂肪族ポリエーテルである請求項1または2のいずれか1項に記載のポリエステルエラストマ樹脂組成物。
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2003
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