JP2005187597A - 吸水防止材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撥水性に優れた吸水防止材を提供すること。
【解決手段】 (1)パラフィン類及びロジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種、(2)シリコーン及び(3)アクリル樹脂を含む水系組成物からなる吸水防止材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸水防止材に関する。
外壁パネル、スレート、レンガ、コンクリートブロック、セメント瓦あるいはコンクリート構造物などの無機系建材に用いられる吸水防止材として、従来、シリコーン系の撥水剤;シリコーン系の撥水剤に水ガラスを添加したもの(例えば、特許文献1参照。);シリコーン系の撥水剤を含有するアクリル系塗料(例えば、特許文献2参照。);水溶性珪酸塩、合成樹脂エマルジョン、撥水剤及び顔料を含む塗料組成物(例えば、特許文献3参照。)などが知られているが、これらのものを用いて、無機系建材、特に吸水性を有する無機質成形体(例えば、けい酸カルシウム板、セメント板、石膏板等)に保護シート(例えば、紙、プラスチックシート、金属フィルム等)を積層した無機系建材の小口(保護シートが積層されていない断面)に防水処理を施す場合、保護シート端部の捲れ上がりを十分に抑えることができず、捲れ部分等からの吸水による防水性の低下が問題となっている。
加えて、上記吸水防止材の中で、溶剤系タイプのものは、環境汚染などの問題も心配されており、これらの問題点を解消する必要もある。
更に詳細を述べると、前記吸水性を有する無機系成形体に保護シートを積層した無機系建材としては、例えば、コンクリート構造物の床スラブ、柱、梁、壁などのコンクリート打込み施工時に用いられる型枠兼用断熱材やせっこうボード、突板張無機系化粧板などがあり、型枠兼用断熱材としては、例えば、けい酸カルシウムからなる型枠兼用断熱材(例えば、特許文献4参照。)がある。この型枠兼用断熱材にあっては、コンクリートと接する面及びその反対側の面に防水、補強等を目的として保護シート(いわゆる面材)が積層される。
しかしながら、上記断熱材を施工現場で切断加工して使用する場合、その切断加工時に保護シートが切断工具(カッター等)に追従することによって保護シートの端が捲れたり、保護シートが剥離したりする。保護シートの捲れた部分や切断面又は側面(小口)から水分が侵入することにより、型枠兼用断熱材の強度が低下する、また断熱性能が低下するといった問題点がある。
このため、現状では、図1に示すように、小口に防水性の粘着テープを貼着することにより、吸水防止及び保護シート剥離防止が図られているものの、小口に防水性の粘着テープを貼る作業が煩雑なため、型枠兼用断熱材の施工効率が非常に悪くなり、更なる改善策が望まれている。
特開昭51−126986号公報 特開昭59−65147号公報 特開昭63−310782号公報 特開平11−247341号公報
本発明の主な目的は、無機系建材の防水処理、特には吸水性を有する無機質成形体に保護シートを積層した無機系建材の小口の防水処理に優れた吸水防止材を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の成分を有する組成物を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の吸水防止材に係る。
1.(1)パラフィン類及びロジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種、(2)シリコーン及び(3)アクリル樹脂を含む水系組成物からなる吸水防止材。
2.アクリル樹脂100重量部に対して、シリコーンを3〜50重量部、パラフィン類及びロジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種を10〜250重量部含む上記項1記載の吸水防止材。
3.無機系建材に塗布するために用いられる上記項1又は2に記載の吸水防止材。
4.無機系建材が吸水性を有する無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されているものであって、当該無機系建材の少なくとも保護シートの端部と無機質成形体とを含む領域を塗布するために用いられる上記項3記載の吸水防止材。
5.無機系建材が、型枠兼用断熱材である上記項3又は4記載の吸水防止材。
6.無機系建材が、けい酸カルシウムである上記項3記載の吸水防止材。
7.無機質成形体が、けい酸カルシウムである上記項4記載の吸水防止材。
8.上記項1又は2に記載の吸水防止材が塗布されたことを特徴とする無機系建材。
9.無機系建材が吸水性を有する無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されているものである上記項8記載の無機系建材。
10.無機系建材が、型枠兼用断熱材である上記項8又は9に記載の無機系建材。
11.無機系建材が、けい酸カルシウムである上記項8記載の無機系建材。
12.無機質成形体が、けい酸カルシウムである上記項9記載の無機系建材。
本発明の吸水防止材によれば、無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層された無機系建材において、保護シート端部及び無機質成形体を含む領域に本発明吸水防止材を塗布することによって、その塗膜によって保護シートが無機質成形体に良好に密着し、保護シートの端部からの捲れを防止できる。これにより、保護シートの捲れ部分からの水分の侵入による無機系建材の強度の低下、断熱性能の低下等を防ぐことができる。
本発明の吸水防止材は、水系組成物から構成されているので、揮発性有機溶剤による環境汚染も回避することができる。
さらに、本発明によれば、小口に本発明吸水防止材を塗布するだけでよいので、防水性の粘着テープを貼るという手間が省ける。特に、本発明の吸水防止材を型枠兼用断熱材に適用した場合には、その施工効率を大幅に向上させることができる。
また、本発明の吸水防止材を保護シートが積層されていない一般の無機系建材に適用した場合も優れた防水性能を発揮する。
1.本発明の吸水防止材
本発明の吸水防止材は、(1)パラフィン類及びロジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種、(2)シリコーン及び(3)アクリル樹脂を含む水性組成物からなることを特徴とする。
(1)パラフィン類またはロジン類
パラフィン類としては、一般式:Cn2n+2(n=1〜70、好ましくは15〜70)で表されるアルカンを使用できる。その中でも、本発明の吸水防止材に配合した場合に、吸水防止材が塗布されて固化(造膜)した際に、常温で固化物から分離することのない安定なものが好ましい。このようなパラフィンは市販されており、エマルジョンタイプのものが水性なので、好適に使用できる。
ロジン類には、マツ科植物から抽出されるロジンやロジンエステルなどが使用でき、ロジンエステルエマルジョンなど市販の水性のエマルジョンタイプのものを好適に用いることができる。
本発明において、上記のパラフィン類及びロジン類からなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することができる。パラフィン類を使用する場合には、アクリル樹脂100重量部に対して、10〜200重量部程度、好ましくは、25〜150重量部程度がよく、ロジン類を使用する場合には、アクリル樹脂100重量部に対して、25〜250重量部程度、好ましくは50〜200重量部程度とすればよい。
(2)シリコーン
本発明の吸水防止材に使用するシリコーンとしては、水性のシリコネート系、シラン系、シロキサンオリゴマー系のシリコーンが使用でき、特に、シリコネート系のものが好適に使用できる。シリコネート系のものとしては、例えば、トリアルコキシシラン、トリアルコキシシランの加水分解物、及びトリアルコキシシランの金属塩からなる群から選ばれる少なくとも一種が使用できる。トリアルコキシシランとしては、下記の一般式(1):
1Si(OR23 (1)
〔式中、R1は、メチル基、エチル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基又はヘプタデカトリフルオロプロピル基を示し、R2はメチル基又はエチル基を示す。〕で表されるトリアルコキシシランが使用できる。
トリアルコキシシランの加水分解物とは、例えば、アルカリ条件下で上記のトリアルコキシシランのアルコキシ基が加水分解された化合物をいい、加水分解されるアルコキシ基の数は限定されない。また、トリアルコキシシランの金属塩とは、リチウムム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等を例示でき、中でもナトリウム塩が好ましい。具体的には、ナトリウムメチルシリコネートが好適に使用でき、市販されているものを利用できる。
本発明の吸水防止材中には、アクリル樹脂100重量部に対して、シリコーンを3〜50重量部程度、好ましくは5〜20重量部程度含むのがよい。
(3)アクリル樹脂
アクリル樹脂としては、一般に接着剤等に使用されるアクリル樹脂が使用できる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;これらの単量体の少なくとも一種を共重合させたもの;及びこれらの単量体と、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等のエチレン性不飽和単量体とを共重合させたもの等が使用できる。アクリル樹脂の製造方法は特に限定されず、乳化重合、サスペンジョン重合、あるいは溶液重合等の公知の方法により製造することができる。
本発明では、特にアクリル樹脂の水性エマルジョンを好適に使用することができる。アクリル樹脂の水性エマルジョンは特に限定されず、公知のもの又は市販品を使用することができる。
(4)溶媒
本発明の吸水防止材は、水系組成物からなる。すなわち、溶媒として、水又は水系溶媒を含む。水系溶媒としては、例えば水と水溶性有機溶媒との混合液を使用することができる。また、前記の成分として水性エマルジョンを使用する場合等は、別途に溶媒を添加しなくてもよい。溶媒の使用量は、他の成分の種類、塗布時の作業性等に応じて適宜決定することができる。
(5)添加剤
本発明では、吸水防止材に更なる性質を付加するために、必要に応じて、添加剤を使用することができる。添加剤としては、水ガラス、顔料、造膜助剤、増粘剤、消泡剤等が例示できる。
水ガラスは、コンクリートとの接着性を高める等の理由から用いられ、吸水防止材中のシリコーンに対して、必要性能に合わせて適宜選択することができるが、通常、シリコーンの1〜9倍量程度を添加すればよい。
添加物の配合量は、吸水防止材の性能を損なわない範囲で適宜選択することができるが、通常、吸水防止材中0〜20重量%程度含むのがよい。
2.本発明の吸水防止材が適用される材料
本発明の吸水防止材は、例えば、けい酸カルシウム板、セメント板、石膏版等でできた吸水性を有する無機質成形体を含めた無機系建材に適用でき、特に、吸水性を有する無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されている無機系建材において、少なくとも保護シートの端部と無機質成形体とを含む領域を塗布するために好ましく用いられる。当該無機系建材の用途としては特に限定されず、例えば型枠兼用断熱材に好適に使用することができる。このようなものとしては、上記特許文献4に示される型枠兼用断熱材が該当する。以下、無機系建材(特に型枠兼用断熱材)に用いられるけい酸カルシウム成形体及びけい酸カルシウム成形体に積層される保護シートを説明する。
(イ)けい酸カルシウム成形体
けい酸カルシウム成形体の製造方法は、公知の方法が適用でき、成形体の大きさ、形状等は限定されず、適宜選択することができる。型枠としての強度を十分に発揮するためには、成形体の密度は一般的に0.05〜0.30g/cm3程度あれば好ましい。
(ロ)保護シート(面材)
(1)コンクリートと接する側の面に積層される保護シート
成形体のコンクリートと接する側の面に積層される保護シートとしては、例えば、補強層及び/又は防湿・防水層を含む積層体を使用することができる。
補強層としては、型枠兼用断熱材の曲げ強さが20kgf/cm2程度以上になるような補強効果を有し、成形体及びコンクリートとの接着性が良いものであれば良い。例えば、アスベスト紙、炭酸カルシウム紙、水酸化アルミニウム紙、けい酸マグネシウム紙、けい酸カルシウム紙、クラフト紙、ライナー紙、耐水クラフト紙、耐水ライナー紙などの紙類;ポリエステル不織布、ガラス不織布などの不織布類などを使用することができる。当該層の厚さは限定されず、適宜選択することができる。
型枠兼用断熱材を製造する際に、型枠兼用断熱材と保護シートとの一体化加工で用いる接着剤が裏抜けしにくい点を考慮すると、紙の方が好ましい。必要に応じてこれらに難燃処理を施したものを用いても良い。
防湿・防水層としては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等の非透水性の合成樹脂フィルム;アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス箔等の金属箔などを用いることができる。当該層の厚さも限定されず、適宜選択することができる。
補強層の方が、成形体とコンクリートとの接着性が良いので、本発明の型枠兼用断熱材においては、補強層/防湿・防水層/補強層の3層構造の面材を使用するのが好ましい。また、面材を、補強層及び防湿・防水層の2層にする場合は、コンクリートとの接着性の点から、補強層をコンクリート側になるようにすればよい。
ここでは、2層又は3層からなる面材を例示したが、面材としての効果を損なわなければ、補強層と防湿・防水層の一方又は両方を多数重ねた多層構造のものにしても良い。
保護シートは、層どうしをそれぞれ接着剤により一体化してもよく、加熱により層を融着して一体化しても良いし、コーティングやラミネートにより一体化してもよい。
(2)コンクリートと接しない側の面に積層される保護シート
コンクリートと接しない側のもう一方の面に積層される保護シートとしては、上記(1)で例示したシートと同様のシートを使用することができる。
また、(1)で例示した面材と異なる保護シートを使用することも可能である。その場合、ガラスクロス、炭素繊維のクロス、アルミナ繊維のクロス等の無機繊維の織物を使用した補強層;及び、上述した紙類、又はこれら紙類に、必要に応じて難燃処理、防水(撥水)処理、着色等の加工を施したり、これらにナイロン、EVA等の透湿性プラスチックフィルムを一体化したりして得られた透湿防水層;の少なくとも一層を積層させて面材を得ることができる。
このような層を使用して2層にする場合、まず、補強層を成形体に接着剤等により直接一体化し、次いで透湿防水層を積層するのが好ましい。当該補強材の繊維の拘束力が成形体に伝わり、所望の補強効果が得られるからである。
ここでは、2層又は3層からなるシートを例示したが、保護シートとしての効果を損なわなければ、補強層と透湿防水層の一方又は両方を複数枚重ねた多層構造のものにしても良い。
保護シートは、層どうしをそれぞれ接着剤により一体化してもよく、加熱により層を融着して一体化しても良いし、コーティングやラミネートにより一体化してもよい。
本発明において、保護シートは市販されているものを使用することもできるし、例えば、特許文献4に記載されているような公知のものを用いることもできる。
本発明において好適に使用される型枠兼用断熱材は、けい酸カルシウム成形体にシーラー処理を施してなじみやすくした後に、接着剤を塗布し、保護シートを積層すればよい。また、保護シートがあらかじめ積層された市販品を使用してもよい。
3.本発明の吸水防止材による施工
本発明において、吸水防止材を塗布する方法は限定されず、吹き付け、ローラー塗り、はけ塗り等の常法で塗布することができる。塗布は一度行うだけでもよいが、複数回行うことも可能である。
本発明の吸水防止材は、けい酸カルシウム板、セメント板、石膏版等でできた吸水性を有する無機質成形体を含めた無機系建材であればいずれにも適用できる。とりわけ、吸水性を有する無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されている無機系建材において、少なくとも保護シートの端部と無機質成形体を含む領域を塗布するために好適に用いられる。すなわち、本発明の吸水防止材を塗布するに際しては、特に上記無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されている無機系建材において、少なくとも保護シートの端部と無機質成形体を含む領域に塗布することができる。
例えば、図2に示すように、直方体の無機質成形体の上底面及び/又は下底面に保護シート(面材)が積層されている場合、図2の破線部分A−A'での断面の模式図を図3に示す。図3では、無機質成形体1の上底面及び下底面にそれぞれ保護シート2が積層されており、保護シートの端部3と無機質成形体1とを含む領域に吸水防止材による塗膜4を形成する。この場合、無機質成形体1と保護シート2との隙間に吸水防止材が入ってもよい。
これにより、端部からの保護シートの捲れを効果的に防止できる結果、水の侵入を防ぐことが可能となる。
本発明は、上記の塗布によって得られるいずれの無機系建材も包含する。すなわち、吸水性を有する無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されている無機系建材であって、少なくとも保護シートの端部と無機質成形体を含む領域に本発明吸水防止材が塗布されてなる無機系建材も含まれるし、本発明吸水防止材が塗布された保護シートが積層されていない無機系建材も含まれる。これらの各構成要素は、前記に示したようなものをそれぞれ使用することができる。本発明の無機系建材としては、例えば型枠兼用断熱材を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1
(1)使用材料
無機系建材としては、けい酸カルシウムからなる型枠兼用断熱材である、日本インシュレーション(株)社製の製品名「ダンネットライト−IIフネン」(サイズ1820mm×910mm×50mmの直方体)を用いた。ダンネットライト−IIフネン(以下、「DNL−IIフネン」と略す。)は、けい酸カルシウム板の上底面及び下底面の2面に保護シート(以下、面材と云う)が接着されている。
なお、面材としては、コンクリートと接する側はポリエチレン加工クラフト紙、コンクリートと接しない側の面はガラスクロス貼合わせクラフト紙をそれぞれ使用した。また、上記けい酸カルシウム板は、撥水加工されていない。
DNL−IIフネンを200mm×100mm×50mmに裁断した。このとき、裁断直後の気乾重量(g)を測定した(この重量を「M」とする。)。次いで、DNL−IIフネンに、表1に示す吸水防止材をそれぞれ塗布して試験体を作製した。塗布量は、500g/m2とした。塗布領域は、図2の黒色部分に示すように小口(側面)のほか、面材の端部から2mmまでの領域とした。
吸水試験等
上記の吸水防止材を塗布した後、約20℃の室内に24時間放置して気乾し、水中浸漬実験の開始直前の重量を測定した(この重量を「M0」とする。)。さらに、それぞれのDNL−IIフネンを(水槽に入れ、最頂部が水面下約4cmとなるように固定し、)24時間水(約20℃)に浸漬した後の重量を測定した(この重量を「Mt」とする。)。以下の式により、吸水率を計算した。その結果を表1に示す。

吸水率(重量%)=[(Mt−M0)/M]×100

さらに、前記の水中浸漬実験の後、面材が捲れているかどうか、面材が積層されていない小口面(側面)に指の腹を押し当てた状態で上方または下方に滑らせた際に、面材の端が捲れるかどうかを検査し、捲れないものを「合格」、捲れるものを「不合格」とした。その結果を表1に示す。
参考例1
図1の斜線部に示すように、DNL−IIフネンの小口面(側面)を防水性の粘着テープ((株)寺岡製作所製;紙粘着テープ No.200)で被覆して試験体を作製し、実施例1と同様の試験を実施した。その結果を表1に示す。防水性の粘着テープにより処理した領域は、図2と同様、図1の斜線部であり、面材の端部から12.5mmまでの領域も防水性の粘着テープにより覆った。なお、吸水防止材は、使用していない。
比較例2
DNL−IIフネンを未処理のまま使用したほかは、実施例1と同様に実験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2005187597
なお、表1中で使用した成分は以下のとおりである。
シリコーンは、東レダウコーニングシリコーン(社)製の「ドライシールE」(ナトリウムメチルシリコネート)を使用した。
アクリル樹脂は、イーテック社(製)の「KT3939C」(アクリル酸エステル共重合体エマルジョン)を使用した。
パラフィン類は、日本精蝋(社)製の「EMUSTAR−0135」(パラフィンワックスエマルジョン)を使用した。
ロジン類は、荒川化学工業(社)製の「スーパーエステルE−720」(ロジンエステルエマルジョン)を使用した。
型枠兼用断熱材(DNL−IIフネン)に防水性の粘着テープを貼付した場合の模式図である。 型枠兼用断熱材(DNL−IIフネン)に吸水防止材を塗布した場合の模式図である。 図2の破線部A−A'における断面図である。
符号の説明
1 無機質成形体
2 面材
3 面材の端部
4 塗膜

Claims (12)

  1. (1)パラフィン類及びロジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種、(2)シリコーン及び(3)アクリル樹脂を含む水系組成物からなる吸水防止材。
  2. アクリル樹脂100重量部に対して、シリコーンを3〜50重量部、パラフィン類及びロジン類からなる群から選ばれる少なくとも1種を10〜250重量部含む請求項1記載の吸水防止材。
  3. 無機系建材に塗布するために用いられる請求項1又は2に記載の吸水防止材。
  4. 無機系建材が吸水性を有する無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されているものであって、当該無機系建材の少なくとも保護シートの端部と無機質成形体とを含む領域を塗布するために用いられる請求項3記載の吸水防止材。
  5. 無機系建材が、型枠兼用断熱材である請求項3又は4記載の吸水防止材。
  6. 無機系建材が、けい酸カルシウムである請求項3記載の吸水防止材。
  7. 無機質成形体が、けい酸カルシウムである請求項4記載の吸水防止材。
  8. 請求項1又は2に記載の吸水防止材が塗布されたことを特徴とする無機系建材。
  9. 無機系建材が吸水性を有する無機質成形体の一部又は全部に保護シートが積層されているものである請求項8記載の無機系建材。
  10. 無機系建材が、型枠兼用断熱材である請求項8又は9に記載の無機系建材。
  11. 無機系建材が、けい酸カルシウムである請求項8記載の無機系建材。
  12. 無機質成形体が、けい酸カルシウムである請求項9記載の無機系建材。

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CN102020857A (zh) * 2010-12-28 2011-04-20 上海界龙艺术印刷有限公司 一种可重复使用的易擦写字板蜡及其制备方法
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