JP2005187591A - ポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材ならびにそれを使用したドアチェック装置 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材ならびにそれを使用したドアチェック装置 Download PDF

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金吾 宮坂
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Abstract

【課題】 摺動面に異物が介在された場合であっても耐摩耗性を損なうことなく円滑な摺動を得ることができ、摺動摩擦異音の発生のないポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材ならびにそれを使用したドアチェック装置を提供すること。
【解決手段】 車体のピラーAの一部に水平方向に揺動自在に枢着され係合部23を備えたアーム2と、ドアDの一部に固着されその内部をアーム2が貫通するケース3と、このケース3内に収容されかつその各背部に設けられた上下一対の弾性部材4の作用によりアーム2の上下両面に摺動自在に圧接する上下一対のシュー5とを具備している。アーム2の両表面は合成樹脂であり、上下一対のシュー5は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリエステルエラストマー1〜10重量部及び潤滑油剤0.3〜8重量部を配合して成るポリアセタール樹脂組成物で形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、摺動特性に優れたポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材ならびにそれを使用したドアチェック装置に関する。
特公平5−65328号公報 特開平5−263560号公報 実公昭59−8886号公報
自動車のドアには、ドアの開度を段階的に係止するためのドアチェック装置が設けられている。このドアチェック装置は、車体のピラーの一部に水平方向に揺動自在に枢着されその長手方向の中間部分の上下両面に一対の膨出部を備えたアームと、ドアの一部に固着されその内部を前記アームが貫通するケースと、このケース内に収容されかつその各背部に設けられた上下一対の弾性部材の作用により前記アームの上下両面に摺動自在に圧接する上下一対のシューと、前記アームの先端に固定したストッパとを具備しており、ドアの開閉時に前記シューが前記アームの上下両面上を摩擦摺動して前記膨出部に係合することによりドアの半開位置及び全開位置を保持するようにしている(特許文献3)。
上記したドアチェック装置において、アームは金属材料から形成されており、シューとアームとの摺動部分には常時、グリース等の潤滑剤を塗布する必要があるため、ドアを開いた時にはグリースの付着したアームが表出して見栄えが悪く、周囲がグリースで汚れるという不具合があり、また、塵埃等の異物の摺動面への介在を余儀なくされており、該異物の介在により、シュー自体の耐摩耗性を悪化させるという不具合がある。さらに、アームとシューとの摺動面にグリースが不足すると、作動フィーリングを悪化させ、とくにシューがアームの膨出部を乗り越える際に摺動摩擦異音(キシミ音、キーキー音)を発生するという不具合もある。
このような不具合を解決するべく、グリースの使用を不要とするアームの開発が試みられている。例えば、金属材料からなるアームの上下両表面に合成樹脂を一体的に成形したもの(特許文献1)、あるいはアーム自体を合成樹脂で形成したもの(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、アームを合成樹脂化したとしても、摺動面への異物の介在によりシュー自体の耐摩耗性を悪化させ、さらにはシューがレバーの膨出部を乗り越える際の摺動摩擦異音の発生の不具合については、依然解決されていないのが実情である。この摺動摩擦異音の発生は、運転者に不快感を与えることになることから、極力避けなければならない問題点の一つである。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、合成樹脂化された相手材との摺動において、摺動面に異物が介在された場合であっても耐摩耗性を損なうことなく円滑な摺動を得ることができ、摺動摩擦異音の発生のないポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材ならびにそれを使用したドアチェック装置を提供することにある。
本発明者は、種々検討を重ねた結果、主成分としてのポリアセタール樹脂に特定量の熱可塑性ポリエステルエラストマー及び潤滑油剤を配合した樹脂組成物からなる摺動部材が、合成樹脂化された相手材との摺動において優れた摺動特性を発揮し、かつ摺動摩擦異音の発生を防止し得ることを見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、その第一の要旨は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリエステルエラストマー1〜10重量部及び潤滑油剤0.3〜8重量部を配合して成ることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物に存する。
また、第二の要旨は、上記ポリアセタール樹脂組成物を成形して成ることを特徴とする摺動部材に存する。
さらに、第三の要旨は、車体のピラーの一部に水平方向に揺動自在に枢着されその長手方向の中間部分の上下両面とその長手方向の端部の上下両面に係合部を備えたアームと、ドアの一部に固着されその内部を前記アームが貫通するケースと、このケース内に収容されかつその各背部に設けられた上下一対の弾性部材の作用により前記アームの上下両面に摺動自在に圧接する上下一対のシューとを具備しており、ドアの開閉時に前記シューが前記アームの上下両面上を摩擦摺動して前記各係合部に係合することによりドアの半開位置、全開位置を保持するようにしたドアチェック装置であって、前記アームの両表面は合成樹脂であり、該上下一対のシューは、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリエステルエラストマー1〜10重量部及び潤滑油剤0.3〜8重量部を配合して成るポリアセタール樹脂組成物で形成されていることを特徴とするドアチェック装置に存する。
以下、本発明を説明する。なお、下記の説明において「重量部」は「質量部」と同義である。
先ず、ポリアセタール樹脂組成物について説明する。本発明のポリアセタール樹脂組成物は、主成分としてのポリアセタール樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリエステルエラストマー1〜10重量部及び潤滑油剤0.3〜8重量部を配合して成る。
主成分をなすポリアセタール樹脂としては、オキシメチレン基(−CHO−)のみを構成単位として含むポリアセタールホモポリマーと、該オキシメチレン基を主たる構成単位とし、炭素数2〜6のオキシアルキレン単位を含むポリアセタールコポリマーを使用することができる。そして、ASTM−D−1238法で測定したメルトフローレートが4g/10min以下の高粘度のポリアセタール樹脂が好適に使用される。
ポリアセタール樹脂の具体例としては、ポリプラスチック社製の「ジュラコンM25S(商品名)」、イー・アイ・デュポン社製の「デルリンDE8101(商品名)」が挙げられる。
上記主成分をなすポリアセタール樹脂に配合される熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、a)芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエーテルをソフトセグメントとするポリエーテル系のエラストマーと、b)芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステル系のエラストマーの2種類に大別されるが、本発明では、前者のポリエーテル系のエラストマーが使用されて好適である。
該熱可塑性ポリエステルエラストマーの、ハードセグメントとソフトセグメントとの構成重量比率は、1:99〜99:1、好ましくは5:95〜95:5程度の範囲から選択することができるが、25:75〜75:25程度のものが使用されて好適である。熱可塑性ポリエステルエラストマーのハードセグメントを構成する芳香族ポリエステルとしては、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体、ポリアルキレンナフタレート系共重合体等を例示することができる。該熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントの構成成分としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド等のポリアルキレングリコールを例示することができる。本発明における好ましい熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、ハードセグメントにポリブチレンテレフタレート(PBT)、ソフトセグメントにポリテトラメチレングリコール(PTMG)を構成成分とする熱可塑性ポリエステルエラストマーを例示することができる。
本発明においては、熱可塑性ポリエステルエラストマーは主成分をなす上記ポリアセタール樹脂中に分散含有させるため、該ポリアセタール樹脂の成形加工温度で溶融する必要があり、融点は200℃以下、好ましくは160〜180℃の融点を有する熱可塑性ポリエステルエラストマーであることが好ましく、斯かる熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、例えば東レ・デュポン社製の「ハイトレル(商品名)3046、3548L」、東洋紡績社製の「ペルプレン(商品名)P−30B、P−40H」を挙げることができる。
そして、熱可塑性ポリエステルエラストマーの配合量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部、さらに好ましくは3〜6重量部である。熱可塑性ポリエステルエラストマーは、とくに主成分をなすポリアセタール樹脂の耐摩耗性を向上させる役割を果たすものであり、その配合量が1重量部未満では、耐摩耗性を向上させる役割を充分果たすことができず、また配合量が10重量部を超えるとポリアセタール樹脂の具有する低摩擦性を損なうばかりでなく、却って耐摩耗性を低下させる虞がある。
主成分をなすポリアセタール樹脂及び熱可塑性ポリエステルエラストマーに配合される潤滑油剤は、低摩擦性を付与するものであり、鉱油、動・植物油、合成油などの潤滑油及びワックス類から一種又は二種以上が選択されて使用される。鉱油としては、スピンドル油、エンジン油、タービン油、ダイナモ油、冷凍機油、シリンダー油、ギヤ油等が、動・植物油としては、鯨油、ヒマシ油、ホホバ油等が、合成油としては、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、シルコーン油等が挙げられる。
ワックス類としては、炭化水素系ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミドが挙げられる。炭化水素系ワックスとしては、おおむね炭素数が24以上のパラフィン系ワックス、おおむね炭素数が26以上のオレフィン系ワックス、おおむね炭素数が28以上のアルキルベンゼンなどであり、このほか結晶質のマイクロクリスタリンワックスも有効に使用し得る。これら炭化水素系ワックスはそれぞれ単独で使用しても、また2種以上の混合物として使用し得る。
高級脂肪酸としては、炭素数が12以上の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられる。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、エルカ酸などが挙げられる。
高級脂肪酸エステルは、上記高級脂肪酸と一価又は多価アルコールとのエステルである。一価アルコールとしては、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられ、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスルトール、ソルビタンなどが挙げられる。高級脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリドなどが挙げられる。
高級脂肪酸アミドは、高級脂肪酸と一価又は多価アミンとのアミドである。一価又は多価アミンとしては、カプリルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。高級脂肪酸アミドの具体例としては、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。
上記した潤滑油剤は、常温で固体であっても、組成物の成形温度で液体となるものであれば、とくに制限なく使用することができる。上記の中では、とくに高級脂肪酸アミドの使用が好ましい。潤滑油剤の配合量は、通常主成分をなすポリアセタール樹脂100重量部に対して0.3〜8重量部、好ましくは1〜7重量部、さらに好ましくは2〜4重量部である。配合量が0.3重量部未満では、低摩擦性の付与に充分でなく、また8重量部を超えて配合すると、成形時に潤滑油剤がブリードアウトし、成形性を著しく低下させるという不具合が生じる。
ポリアセタール樹脂組成物は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によって、上述した各成分の所定量を混合して得られる。
ポリアセタール樹脂組成物から成る摺動部材を得るには、前述のポリアセタール樹脂組成物を成形して得られる。ポリアセタール樹脂組成物の成形は、射出成形機又は押出成形機により直接成形する方法、ポリアセタール樹脂組成物を一軸又は二軸の押出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした後、射出成形機又は押出成形機により成形する方法のいずれであってもよい。
次に、上記ポリアセタール樹脂組成物を使用したドアチェック装置について説明する。なお、本発明のポリアセタール樹脂組成物はドアチェック装置以外の様々な装置、箇所に無論広く適用されるものである。
自動車のドアチェック装置1は、図1ないし図3に示すように、車体のピラーAに固着したブラケットBに水平方向に揺動自在に枢着されたアーム2と、ドアDの一部に固着され、貫通孔31からその内部を前記アーム2が貫通するケース3と、このケース3内に収容されかつその各背部に設けられた上下一対の弾性部材4、4の作用により前記アーム2の上下両面に摺動自在に圧接する上下一対のシュー5、5と、前記アーム2の先端に固定したストッパ6とを具備している。
アーム2の長手方向の中間部に該アーム2の長手方向に間隔をおいて2つの膨出部22が形成され、これら膨出部22の間と、ストッパ6に臨む膨出部22とストッパ6との間がそれぞれ係合部(係合凹部)23として形成されている。このような膨出部22と係合部23はアーム2の上下両面において同一の箇所に同一の形状で形成されている。
そして、ドアDの開閉時に前記シュー5、5が前記アーム2の上下両面上を摩擦摺動して前記各係合部23に係合することによりドアDの半開位置及び全開位置の開放位置を保持するようにしたものである。
上下両面に係合部23を備えたアーム2とは、図2に示すように、金属製のアーム本体20の上下面に合成樹脂、例えばガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の強化繊維を含有したポリアミド樹脂等の合成樹脂をインサート成形し、該アーム本体20の上下両面に該合成樹脂から成る被覆層21と膨出部22、係合部23とを一体的に形成したものである。
上記アーム2と摺動する上下一対のシュー5、5は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリエステルエラストマー1〜10重量部及び潤滑油剤0.3〜8重量部を配合して成るポリアセタール樹脂組成物で形成されており、上面に平面部51と該平面部51の両側にそれぞれ端部に向かって下り勾配のテーパー面部52、52を有し、下面に平面部53を有する基体部50と、該基体部50の幅方向の両側に上、下面の平面部51、53より突出して該基体部50と一体的に形成された立ち上り部54、54とから形成されている。該立ち上り部54の上面側の相対向する内面は、中央部の稜線部55からそれぞれ端部に向けて下り勾配のテーパー面部56、56に形成されており、各稜線部55、55の間の内幅はアーム2の両側部の外幅に対して隙間がない、換言すれば、アーム2の両側部が立ち上り部54の稜線部55、55に摺動可能に接触する程度に設定されている。該立ち上り部54の下面側には、該基体部50の平面部53と該立ち上り部54、54とで凹部57が形成されており、該凹部57にはシュー5をアーム2側に付勢する弾性部材4、4が挿入される。
このように構成されたドアチェック装置1において、ドアDの開放時に上記ポリアセタール樹脂組成物からなるシュー5、5は、合成樹脂化されたアーム2の被覆層21と摩擦摺動し、該アーム2のピラーA側の膨出部22を乗越えて2つの膨出部22で挟まれた係合部23に係合することによりドアDの半開位置を保持する。また、係合部23からストッパ6側の膨出部22を乗越え膨出部22とストッパ6との間の係合部23に係合することによりドアDの全開位置を保持する。このドアDの開閉の際のシュー5、5とアーム2との摩擦摺動において、摺動面に異物が介在された場合であっても、該シュー5は摺動特性に優れているため、耐摩耗性を損なうことなく円滑な摺動を得ることができ、またシュー5がアーム2の膨出部22を乗越える際に往々にして生じる摺動摩擦異音(キーキー音)の発生はない。
本発明によれば、合成樹脂化された相手材との摩擦摺動において、摺動面に異物が介在された場合であっても耐摩耗性を損なうことなく円滑な摺動を得ることができ、摺動摩擦異音の発生のないポリアセタール樹脂組成物及び摺動部材ならびにそれを使用したドアチェック装置が提供される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜8)
実施例1〜8として、表2〜3に示す配合処方で各成分をヘンシェルミキサーで混合して混合物を得た。この混合物を押出成形機に投入して紐状の成形物を作製したのち、この紐状の成形物を切断してペレットを作製した。このペレットを射出成形機のホッパーに投入して図3に示すシューを作製した。
(比較例1〜3)
比較例1〜3として、表4に示す配合処方でヘンシェルミキサーで混合して混合物を得た。得られた混合物を使用して上記実施例と同様の方法により、図3に示すシューを作製した。なお、表2〜4における配合処方の各数値は重量部である。
上述した実施例1〜8及び比較例1〜3で作製したシューについて、摺動特性を実機試験により試験した。試験条件を表1に示す。表1に示す試験条件は耐久試験であり、摺動特性を表2〜4に示す。なお、摩耗量は、試験終了後のシューの上面の平面部の寸法変化量(mm)で示した。



[表1]
<耐久試験>
Figure 2005187591
[表2]
Figure 2005187591



[表3]
Figure 2005187591
[表4]
Figure 2005187591
表中、POMはポリアセタール樹脂(イー・アイ・デュポン社製の「デルリンDE8101(商品名)」)を、ポリエステルエラストマーは東洋紡績社製の「ペルプレンP30B(商品名)」を使用した。
上記の耐久試験結果から、実施例1〜8のシューは摩耗量が小さく、試験中を通じて安定した摩擦摺動が行われていることが確認されたが、比較例1〜3のシューは試験開始時は安定した摩擦摺動が行われたものの試験経過とともに摩耗量の増大により弾性部材の付勢力の減少に起因すると思われる摩擦摺動の不安定さが確認された。
つぎに、上記実施例2、4、6、8及び比較例3のシューについて、表5に示す試験条件により摺動摩擦異音発生の有無を試験した。試験中における摩擦異常音(ギーギー音)の発生の有無を、摺動摩擦異音の発生が認められなかったものを○、摺動摩擦異音の発生が認められたものを×にて表示した。
[表5]
<摺動摩擦異音の確認試験>
Figure 2005187591























[表6]
Figure 2005187591
試験結果から、実施例2、4、6、8のシューは、試験中を通じて摺動摩擦異音の発生は認められなかった。一方、比較例3のシューは試験回数が200回を超えた時点で摺動摩擦異音の発生が認められた。
以上の耐久試験及び摺動摩擦異音発生の有無の確認試験の結果から、本発明のシューは摩耗量が小さく、ドア開閉時の摺動摩擦異音の発生は認められなかった。
本発明のドアチェック装置の平面図である。 図1の断面図である。 図2のシューの斜視図である。
符号の説明
1 ドアチェック装置、2 アーム、22 膨出部、23 係合部、3 ケース、4 弾性部材、5 シュー。

Claims (11)

  1. ポリアセタール樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリエステルエラストマー1〜10重量部及び潤滑油剤0.3〜8重量部を配合して成るポリアセタール樹脂組成物。
  2. 熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ハードセグメントが芳香族ポリエステル樹脂から構成され、ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテルから構成されている請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 熱可塑性ポリエステルエラストマーは、融点が200℃以下の熱可塑性ポリエステルエラストマーである請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 潤滑油剤は、鉱油、動・植物油、合成油などの潤滑油及びワックス類から一種又は二種以上が選択される請求項1から3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. ワックス類は、炭化水素系ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミドから選択される請求項4に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物を成形してなることを特徴とする摺動部材。
  7. 車体のピラーの一部に水平方向に揺動自在に枢着されその長手方向の中間部分の上下両面とその長手方向の端部の上下両面に係合部を備えたアームと、ドアの一部に固着されその内部を前記アームが貫通するケースと、このケース内に収容されかつその各背部に設けられた上下一対の弾性部材の作用により前記アームの上下両面に摺動自在に圧接する上下一対のシューとを具備しており、ドアの開閉時に前記シューが前記アームの上下両面上を摩擦摺動して前記各係合部に係合することによりドアの半開位置、全開位置を保持するようにしたドアチェック装置であって、前記アームの両表面は合成樹脂であり、該上下一対のシューは、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、熱可塑性ポリエステルエラストマー1〜10重量部及び潤滑油剤0.3〜8重量部を配合して成るポリアセタール樹脂組成物で形成されていることを特徴とするドアチェック装置。
  8. 熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ハードセグメントが芳香族ポリエステル樹脂から構成され、ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテルから構成されている請求項7に記載のドアチェック装置。
  9. 熱可塑性ポリエステルエラストマーは、融点が200℃以下の熱可塑性ポリエステルエラストマーである請求項7又は8に記載のドアチェック装置。
  10. 潤滑油剤は、鉱油、動・植物油、合成油などの潤滑油及びワックス類から一種又は二種以上が選択される請求項7から9のいずれか一項に記載のドアチェック装置。
  11. ワックス類は、炭化水素系ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミドから選択される請求項10に記載のドアチェック装置。
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