JP2005185223A - 澱粉含有食品の品質改良剤、及び該品質改良剤を含有する澱粉組成物 - Google Patents

澱粉含有食品の品質改良剤、及び該品質改良剤を含有する澱粉組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 食感改良、風味改善、老化防止等の効果に優れた、合成添加物を使用しない澱粉食品の品質改良剤、及び該品質改良剤を含有する澱粉組成物を提供する。
【解決手段】 ペプチドとタンパク質と脂質とを水に混合、分散させ、乳化処理を行い複合体化して澱粉含有食品の品質改良剤を得る。前記ペプチドの重量平均分子量は200〜10000であることが好ましく、ペプチドとタンパク質と脂質の混合物100質量部当り、ペプチドを1〜30質量部、タンパク質を50〜70質量部、脂質を20〜40質量部含有するものであることが好ましい。また、澱粉含有素材と、前記品質改良剤とを混合して澱粉組成物を得る。前記澱粉含有素材中に含まれる澱粉100質量部に対して、前記品質改良剤を固形物換算で0.0005〜0.1質量部未満含有することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、パン、スポンジケーキ、粉末スープ等の澱粉を含有する様々な食品に配合することにより、該食品の食感や物性等を改善できる澱粉含有食品の品質改良剤、及び該品質改良剤を含有する澱粉組成物に関する。
従来より、小麦粉や穀粉を主原料とするパン、スポンジケーキ、フライ用バッター、麺類等の食品においては、食感改良、風味改善、老化防止等を目的として、澱粉類(生澱粉、加工澱粉、化工澱粉等)、乳化剤、油脂等の品質改良剤が用いられている。
そして、より高い品質改良効果を得るために、様々な品質改良剤が開発されており、例えば、下記特許文献1には、澱粉に食用蛋白含有素材と食用油脂とを添加混合し、加水して乾燥することを特徴とする新規食品素材の製造方法が開示されている。
また、下記特許文献2には、脂質と蛋白質との結合体である脂質蛋白質複合体からなることを特徴とする風味改良剤が開示されている。
また、下記特許文献3には、レシチン及び卵白を混合・乳化処理することによって得られた麺用品質改良剤が開示されている。
また、下記特許文献4には、(A)食用油脂、(B)親水性乳化剤、及び(C)糖類及び/又は澱粉分解物を含有する水中油型乳化液を噴霧乾燥して得られる小麦加工食品または澱粉加工食品用改質剤であって、かつ水に乳化分散して得られる液の粒度分布のメディアン径が5〜120μmであることを特徴とする小麦加工食品または澱粉加工食品用改質剤が開示されている。
また、下記特許文献5には、油脂、有機酸モノグリセリドと乳蛋白質との複合体、乳固形分、糖類及び水を含有してなる混合物を脂肪酸分解酵素で分解後、更にイーストを懸濁して発酵させた、乳風味を持続することができることを特徴とする油脂乳化組成部が開示されている。
また、下記特許文献6には、澱粉100重量部に対して、油脂0.05〜110重量部及び蛋白質0.5〜10重量部を加水することなく配合してなる混合物を加熱する際に、該混合物の加熱開始時の水分含量W0重量%及び加熱終了時の水分含量WE重量%が、式(1)20>W0>5、(2)3>W0−WEを満たすように加熱することを特徴とする加工澱粉の製造方法が開示されている。
特開平1−320962号公報 特開平5−276886号公報 特開平7−274874号公報 特許第3366878号公報 特開2002−3882号公報 特開2002−218920号公報
上記のように、様々な品質改良剤が提案されているものの、食感改良、風味改善、老化防止等の全ての効果について十分に満足できるような品質改良剤はなかった。
また、近年、消費者の安全性に対する関心が高まるにつれて、乳化剤の合成添加物が敬遠される傾向にあり、天然成分を用いつつ、より効果の高い品質改良剤の開発が望まれている。
したがって、本発明の目的は、食感改良、風味改善、老化防止等の効果に優れた、合成添加物を使用しない澱粉食品の品質改良剤、及び該品質改良剤を含有する澱粉組成物を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の澱粉含有食品の品質改良剤は、ペプチドとタンパク質と脂質とを水に混合、分散させ、乳化処理を行い複合体化したことを特徴とする。
本発明の品質改良剤は、ペプチド、タンパク質、脂質の3成分を含有することにより、澱粉の糊化(膨潤、粒の崩壊)を抑制して優れた食感改良効果や老化防止効果を有すると共に、呈味増強やコク味付与等の優れた風味改善効果も有している。したがって、少量の使用で十分な品質改良効果を得ることができ、澱粉含有食品全般の品質改良剤として好適に利用できる。
上記品質改良剤においては、前記ペプチドの重量平均分子量が200〜10000であることが好ましい。
この態様によれば、より風味改善効果の高い品質改良剤を得ることができる。
また、ペプチドとタンパク質と脂質の混合物100質量部当り、ペプチドを1〜30質量部、タンパク質を50〜70質量部、脂質を20〜40質量部含有するものであることが好ましい。
この態様によれば、食感改良、風味改善、老化防止等の効果のバランスに優れた品質改良剤を提供できる。
本発明の澱粉組成物は、澱粉含有素材と、請求項1〜3のいずれか一つに記載の品質改良剤とを含有することを特徴とする。
本発明の澱粉組成物は、澱粉含有素材と上記品質改良剤とを含有するので、澱粉含有素材の代替物として使用することにより、様々な食品の食感や風味を良好なものとし、耐老化性も付与することができる。
上記澱粉組成物においては、前記澱粉含有素材中に含まれる澱粉100質量部に対して、前記品質改良剤を固形物換算で0.0005〜0.1質量部含有することが好ましい。
この態様によれば、幅広い食品に使用でき、該食品の食感や風味を良好にし、耐老化性を向上することができる澱粉組成物を提供できる。
本発明によれば、ペプチド、タンパク質、脂質の3成分を含有することにより、食感改良、風味改善、老化防止等の効果に優れた澱粉含有食品の品質改良剤を提供できる。この品質改良剤は、例えば、パン、スポンジケーキ、粉末スープ等の澱粉含有食品全般に使用することができ、これらの食品の食感や風味を良好にすると共に耐老化性を向上させることができる。
また、本発明の澱粉組成物は、澱粉含有素材と上記品質改良剤を含有するので、澱粉含有素材の代替物として様々な食品に使用することができ、該食品の品質を良好なものとすることができる。
本発明の品質改良剤の成分の一つであるペプチドは、食品に用いられるペプチドであればいずれも使用可能であり、例えば、植物由来タンパク質や動物由来タンパク質等を含有するもの又はそれらを精製したタンパク質製剤を酵素等で加水分解して得られるアミノ酸が2分子以上結合したものを用いることができる。上記植物由来タンパク質としては、トウモロコシ、大豆、小麦等に由来するものが挙げられる。また、上記動物由来タンパク質としては、乳、卵、食肉、魚肉等に由来するものが挙げられる。
本発明においては、風味改善の点から、好ましくは重量平均分子量200〜10000、より好ましくは200〜5000のペプチドを多く含むものが用いられる。
また、本発明の品質改良剤の成分の一つであるタンパク質は、食品に用いられるタンパク質であればいずれも使用可能であり、上記の植物由来タンパク質や動物由来タンパク質等を含有するもの、又はそれらを精製したタンパク質製剤等を用いることができる。本発明においては乳蛋白が特に好ましく用いられる。
また、本発明の品質改良剤の成分の一つである脂質としては、リン脂質、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド等が挙げられる。上記リン脂質としては、フォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸等のリン酸を含む複合脂質が挙げられ、それらの混合物であるレシチン等も用いることができる。
また、上記モノグリセライド、ジグリセライドとしては、炭素数8〜24の飽和/不飽和脂肪酸を含有するものを用いることができる。
また、上記トリグリセライドとしては、炭素数8〜24の飽和/不飽和脂肪酸を含有するものを用いることができるが、風味改善という点では炭素数12以下の短中鎖飽和/不飽和脂肪酸を含有するものが好ましい。短中鎖脂肪酸を含有するトリグリセライドを多く含むものとしてはバター脂肪等が挙げられる。
本発明の品質改良剤における上記各成分の配合割合は、上記ペプチドとタンパク質と脂質の混合物100質量部当り、ペプチド1〜30質量部、タンパク質50〜70質量部、脂質20〜40質量部が好ましく、ペプチド5〜20質量部、タンパク質55〜65質量部、脂質25〜35質量部がより好ましい。各成分の配合割合が上記範囲外であると、食感改良、風味改善、老化防止等の効果のバランスが崩れ、十分な品質改良効果が得られない場合がある。
本発明の品質改良剤は、上記成分以外に、例えば、砂糖、水飴、デキストリン、オリゴ糖などの糖類、グアガムやグルコマンナンやアラビノキシランなどの増粘多糖類、食用油脂等を含むことができる。
本発明の品質改良剤は、上記のペプチドとタンパク質と脂質とを水に混合、分散させ、乳化処理を行い複合体化したものであり、上記所定の配合量のペプチドとタンパク質と脂質を、水に混合、分散させた後、高速混合又は超音波処理して乳化することにより得ることができる。高速混合の手段としては、ホモジナイザー、ホモミキサー、高速ミキサー等を利用することができる。
ホモジナイザーを用いる場合、圧力50kg・F〜200kg・Fで1‐passの均質化を行うことで、本発明の改良剤を得ることができる。ホモミキサーを用いた場合、Pass No.(パス回数)が100〜1000になるようなタービンの回転数と時間で均質化を行うことで、本発明の改良剤を得ることができる。Pass No.の算出は下記の式を用いて行うことができる。(下部項目参照)
Q=Nq×N×d 、Pass No.=Q×T/V、
Q:吐出量(m/hr)、Nq:0.20(定数)、d:タービン直径(m)、
T:時間(hr)、V:容積(m
また、ホモジナイザー、ホモミキサー、高速ミキサーのどれを用いる場合でも、本発明の改良剤を製造する場合は、タンパク質及びペプチドの分散に使用する水の温度は35℃〜50℃が好ましく、均質化中も同じ温度で維持することが望ましい。
本発明においては、上記所定の配合量のペプチドとタンパク質と脂質との混合物1質量部に対して、水を0.5〜100質量部用いることが好ましく、0.5〜5質量部用いることがより好ましい。水の量が少な過ぎると十分に乳化を行うことができないので好ましくない。
このようにして得られた乳化液はそのまま品質改良剤として用いることができるが、必要に応じて更に乾燥処理を行い粉末化してもよい。乾燥処理としては、凍結乾燥、噴霧乾燥等の公知の方法を採用できるが、加熱を伴う乾燥処理は風味の劣化を伴う可能性があるため、凍結乾燥が好ましく採用される。
本発明の品質改良剤を、例えば、パン類、スポンジケーキなどの菓子生地類、粉末スープ類、うどんや中華麺などの麺類、カレーやシチューなどの固形ルウやレトルト食品類、たれやソース類、米飯類、水畜肉製品等の澱粉含有食品に添加する場合、該食品に含まれる澱粉に対して、5〜999ppmの量で添加することが好ましい。添加量が少な過ぎると十分な品質改良効果が得られない場合があり、添加量が多過ぎると後述する実施例に示すようにエグ味や苦味が生じてしまう場合がある。
次に、本発明の澱粉組成物について説明する。
本発明の澱粉組成物は、澱粉含有素材と上記品質改良剤とを混合することにより得ることができる。例えば、澱粉含有素材と粉末の品質改良剤とを均一に混合してもよく、澱粉含有素材に品質改良剤を分散・溶解した溶液を添加しながら高速ミキサー等で混合してもよく、澱粉含有素材に品質改良剤を分散・溶解した溶液を噴霧し、混合してもよい。
上記澱粉含有素材としては、コーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉およびそれらを加工した澱粉など食品に用いられるすべての澱粉や小麦粉や穀粉等が挙げられる。
本発明の澱粉組成物は、上記澱粉含有素材中に含まれる澱粉100質量部に対して、上記品質改良剤を固形物換算で0.0005〜0.1質量部含有することが好ましい。上記品質改良剤の含有量が上記範囲外であると、澱粉組成物を添加した食品において、エク゛味や苦味を発現してしまう場合があり適当でない。
本発明の澱粉組成物は、例えば、パン類、スポンジケーキなどの菓子生地類、粉末スープ類、うどんや中華麺などの麺類、カレーやシチューなどの固形ルウやレトルト食品類、たれやソース類、米飯類、水畜肉製品等において澱粉含有素材の代替物として用いることができる。
<実施例の品質改良剤の製造>
乳タンパク質(商品名サンラクト:太陽化学社製)300gとペプチド(商品名ペプチーノ:日本食品化工社製)75gとを予め混合し、それらを40℃に調温した水500gに分散・溶解させた。その溶液に大豆レシチン(商品名SLPペースト:ツルーレシチン工業社製)125gを添加しホモミキサー(特殊機化社製)で均質化した。均質化は、5000回転で10分間行い、均質化中は常に40℃に調温し続けた。さらに、必要に応じて凍結乾燥を行い粉末化した。
<比較例の品質改良剤の製造>
乳タンパク質300gを40℃に調温した水575gに分散・溶解させた。その溶液に大豆レシチン125gを添加しホモミキサーで均質化した。均質化は、本発明の改良剤の場合と同様の条件で行った。さらに、本発明の改良剤と同様に、必要に応じて凍結乾燥・粉末化した。
表1に示す原料を用いて表2に示す工程にしたがって食パンを製造した。
Figure 2005185223














Figure 2005185223
表2において、品質改良剤は上記実施例1で製造したものを用い、試験に使用する強力粉の5質量%に予備添加・混合し、中種配合に加えた。なお、各区における品質改良剤の対粉及び対全量の添加量(表1中A)は、以下に示す通りである。
対照区:品質改良剤無添加
試験区1:実施例の品質改良剤を対粉0.01質量%添加(対全量53.1ppm)
試験区2:実施例の品質改良剤を対粉1.0質量%添加(対全量5310ppm)
比較区:前記実施例1においてペプチドを配合せずに製造した比較例の品質改良剤を対粉0.01質量%添加(対全量53.1ppm)
そして、得られた食パンについて、焼成後1日目及び4日目に15名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、風味(コク味、後味)、物性(口溶け、ソフト感)、総合について、対照区と比較した順位法(◎:対照区に比べて非常に良い、○:対照区に比べてやや良い、△:対照区と同等、×:対照区に比べて劣る)で行った。その結果を表3に示す。
Figure 2005185223
表3から、試験区1の食パンは、対照区に比べて焼成後1日目及び焼成後4日目ともに、風味(コク味・後味)、物性(口溶け・ソフトさ)のすべての評価項目において非常に良いことが分かるが、試験区2の食パンは、焼成後1日目及び焼成後4日目ともに、物性(口溶け・ソフトさ)においては良好であったが、エグ味や苦味が強く感じられ、食パン本来の風味を損なってしまっていた。一方、比較区1の食パンは、風味及び物性において対照区とほぼ同等の評価結果となった。
すなわち、本発明の品質改良剤は、食パンに少量添加することにより、優れた風味・物性改良効果を発揮するが、添加量が多過ぎると、エグ味や苦味等が生じてしまうことが分かった。一方、比較区のようなペプチドを配合せずに製造した品質改良剤を本発明の品質改良剤と同様の添加量で用いても、効果が得られないことが分かった。
以上の結果から、ペプチドとタンパク質と脂質を併用することにより、優れた品質改良効果が得られることが分かった。
表4に示す原料を用いて常法にしたがって粉末スープを製造した。
Figure 2005185223
表4において、品質改良剤は上記実施例1で製造したものを用い、配合中の粉末原料を混合する時に添加した。なお、各区における品質改良剤の添加量(表4中A)(対粉及び対全量)は、以下に示す通りである。
対照区:品質改良剤無添加
試験区1:実施例の品質改良剤を0.02質量部添加(対全量200ppm)
試験区2:実施例の品質改良剤を1.0質量部添加(対全量10000ppm)
そして、得られた粉末スープ17gに対して熱湯を150g注いだ後、撹拌してスープを作り、熱湯を注いで撹拌した直後と、一晩(約20時間)5.0℃で保存した後に、15名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、風味(コク味、後味)、物性(口溶け、糊っぽさ)、総合について、対照区と比較した順位法(◎:対照区に比べて非常に良い、○:対照区に比べてやや良い、△:対照区と同等、×:対照区に比べて劣る)で行った(*:糊っぽさは少ない方がよい)。その結果を表5に示す。
Figure 2005185223
表5から、試験区1のスープは、撹拌直後において、風味(コク味・後味)と物性(口溶け・糊っぽさ)の両方において、対照区に比べ非常に良いことが分かる。さらに、澱粉質が最も老化し易い冷蔵環境下で保存した後の官能評価でも、同様に非常に良いことが分かる。
一方、試験区2のスープは、撹拌直後及び冷蔵保存後の官能評価で、強いエグ味や苦味が生じていた。
以上の結果から、本発明の品質改良剤は、少量添加することで、粉末スープの風味を向上させるとともに、物性の安定性を高めることができるが、添加量が多過ぎると、エグ味や苦味等が生じてしまうことが分かった。
小麦粉500gをミキサーにて攪拌しながら、凍結乾燥により粉末化した本発明の改良剤(実施例1で製造)2gを加え、さらにミキサーで混合した。この混合物50gと小麦粉450gとをミキサーにて混合し、本発明の、改良剤を0.04質量%含む澱粉組成物を得た。混合は、澱粉組成物の加熱を防ぐため、30秒間の混合と2分間の放冷を交互に行い、合計5サイクル行った。同様の方法で、実施例1にて製造したペプチドを配合せずに製造した改良剤を含む澱粉組成物を得た。
次に、表6に示す原料を用いて、オールインミックス法にて生地比重を0.45に調整し、170℃(上)、180℃(下)のオーブンで30分間焼成してスポンジケーキを製造した。
Figure 2005185223
表6において、澱粉組成物は、上記で製造したものを用い、試験に使用する小麦粉と予備混合し、配合に用いた。なお、各区における澱粉組成物の配合量と、配合全体に対して算出した改良剤の含有量(添加量)は以下に示す通りである。
対照区:澱粉組成物無添加
試験区:澱粉組成物で小麦粉の50%の置換を行った。実施例の品質改良剤:47.2ppm(対全量)
比較区:実施例1においてペプチドを配合せずに製造した比較例の品質改良剤を、0.04質量%含有する澱粉組成物で、小麦粉の50%を置換(澱粉組成物は、上記実施例4にて製造したもの)を行った。ペプチドを含まない比較例の改良剤:47.2ppm(対全量)
そして、得られたスポンジケーキについて焼成後1日目、焼成後4日間冷蔵保存後、焼成後1ヶ月間冷凍保存後に、15名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、風味(コク味、後味)、物性(口溶け、ソフト感)、総合について、対照区と比較した順位法(◎:対照区に比べて非常に良い、○:対照区に比べてやや良い、△:対照区と同等、×:対照区に比べて劣る)で行った。その結果を表7に示す。
Figure 2005185223
表7から、試験区のスポンジケーキは、対照区に比べ焼成後1日目、冷蔵保存3日後及び冷凍保存1ヶ月後ともに、風味(コク味・後味)、物性(口溶け・ソフトさ)のすべて評価項目において、非常に良いことが分かる。
一方、比較区では、官能評価を行ったどの段階においても、対照区とほぼ同等の評価しか得られなかった。
以上の結果から、スポンジケーキにおいても本発明の品質改良剤は、少量添加することにより、優れた風味及び物性の改良効果を発揮することが確認された。一方、比較区のようなペプチドを配合せずに製造した品質改良剤は、本発明の品質改良剤と同様の添加範囲で用いても効果が得られないことが分かった。
本発明の品質改良剤は、例えば、パン類、スポンジケーキなどの菓子生地類、粉末スープ類、うどんや中華麺などの麺類、カレーやシチューなどの固形ルウやレトルト食品類、たれやソース類、米飯類、水畜肉製品等の澱粉含有食品における食感改良、風味改善、老化防止等の品質改良を目的とした品質改良剤として使用することができる。

Claims (5)

  1. ペプチドとタンパク質と脂質とを水に混合、分散させ、乳化処理を行い複合体化したことを特徴とする澱粉含有食品の品質改良剤。
  2. 前記ペプチドの重量平均分子量が200〜10000である請求項1に記載の澱粉含有食品の品質改良剤。
  3. ペプチドとタンパク質と脂質の混合物100質量部当り、ペプチドを1〜30質量部、タンパク質を50〜70質量部、脂質を20〜40質量部含有するものである請求項1又は2に記載の澱粉含有食品の品質改良剤。
  4. 澱粉含有素材と、請求項1〜3のいずれか一つに記載の品質改良剤とを含有することを特徴とする澱粉組成物。
  5. 前記澱粉含有素材中に含まれる澱粉100質量部に対して、前記品質改良剤を固形物換算で0.0005〜0.1質量部未満含有する請求項4に記載の澱粉組成物。
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JP2017184668A (ja) * 2016-04-06 2017-10-12 株式会社Adeka 製パン練り込み用水性液
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