JP2005183714A - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Hidekazu Matsuoka
秀和 松岡
Mitsuhiro Yoshinaga
光宏 吉永
Hisayoshi Watanabe
久芳 渡辺
Junji Kojima
淳司 小島
Noriyasu Echigo
紀康 越後
Yoshiaki Kai
義昭 貝
Kazuhiro Yokota
和弘 横田
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Abstract

【課題】 高湿度や高温度などの環境による変化、劣化が抑制されるなど特性に優れており、また生産性が改善可能なコンデンサとその製造方法とを提供する。
【解決手段】 誘電体膜(13)と、誘電体膜(13)の少なくとも一部を挟んで対向するように配置された1対の電極(下部電極膜(12)および上部電極膜(14))とを備えるコンデンサであって、誘電体膜(13)が、樹脂モノマーを含む薄膜を形成したのち薄膜中の樹脂モノマーを重合反応させることによって形成された膜であり、上記樹脂モノマーは、下記の式(1)で示されるジビニルビフェニルを含むことを特徴とする。
【化1】
(式中、2つのベンゼン環が置換されている位置は、一方がメタ位、他方がメタ位またはパラ位である。)
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜形成された誘電体膜を備えるコンデンサおよびその製造方法に関する。
従来から、コンデンサなどに用いられる誘電体膜には、樹脂膜が用いられている。このような樹脂膜は、基板に蒸着した樹脂モノマーに電子線や紫外線を照射し、樹脂モノマーを重合させることによって形成されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などを参照)。
上記誘電体膜を形成するための樹脂モノマーとしては、例えば、以下の化学式(A)で示されるジメチロールトリシクロデカンジアクリレートや、以下の化学式(B)で示される1,9−ノナンジオールジアクリレート、以下の化学式(C)で示される4、4’−ジビニルビフェニルなどが用いられてきた。
Figure 2005183714
Figure 2005183714
Figure 2005183714
特公昭63−31929号公報 特開平11−147272号公報 特開2003−151849号公報 米国特許第5,125,138号明細書
しかしながら、上記樹脂モノマーによって形成された誘電体膜を用いたコンデンサは、特性が十分でないなどの問題があった。例えば、化学式(A)の樹脂モノマーによって形成された誘電体膜を用いたコンデンサは、高湿度下での特性が十分でないという問題があった。また、化学式(B)の樹脂モノマーによって形成された誘電体膜を用いたコンデンサは、高温時に誘電体膜が酸化分解しやすいという問題があった。さらに、化学式(A)または(B)の樹脂モノマーによって形成された誘電体膜を用いたコンデンサは、誘電損失が大きく、コンデンサの消費電力が大きいという問題があった。
また、化学式(C)の樹脂モノマーによって形成された誘電体膜を用いたコンデンサは、その製造時に、誘電体膜の成膜速度を向上できないなどの問題があった。具体的に説明すると、化学式(C)の樹脂モノマーは、室温〜150℃程度の温度範囲において固体であり、化合物(C)の樹脂モノマーによって形成された誘電体膜を形成する際には、特許文献3に記載されているように、上記モノマーからなるターゲットを用いたスパッタリング法を用いる必要がある。このため、誘電体膜の蒸着速度が低く、生産性よく誘電体膜を形成することが困難であった。さらに、蒸着後、基板上で固体になると紫外線や電子線による硬化反応を進めることが困難となるために、化学式(C)の樹脂モノマーを基板上に蒸着する際には上記モノマーの融点以上に基板を加熱する必要があった。この結果、蒸着したモノマーが基板上で再蒸発しやすくなり、蒸着および成膜速度の向上が困難であった。
上記問題を解決するために、本発明は、高湿度下や高温度下においても優れた特性を有し、生産性が改善可能なコンデンサと、その製造方法とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のコンデンサは、誘電体膜と、前記誘電体膜の少なくとも一部を挟んで対向するように配置された1対の電極とを備えるコンデンサであって、前記誘電体膜が、樹脂モノマーを含む薄膜を形成したのち前記薄膜中の前記樹脂モノマーを重合反応させることによって形成された膜であり、前記樹脂モノマーが、下記の式(1)で示されるジビニルビフェニルを含むことを特徴とする。
Figure 2005183714
(式中、2つのベンゼン環が置換されている位置は、一方がメタ位、他方がメタ位またはパラ位である。)
上記コンデンサでは、前記樹脂モノマーは、2つのベンゼン環がともにメタ位で置換されているジビニルビフェニルを含んでもよい。
上記コンデンサでは、前記薄膜が重合開始剤および酸化防止剤から選ばれる少なくとも1つをさらに含んでもよい。
上記コンデンサでは、前記1対の電極は第1の電極と第2の電極とを含み、前記第1の電極は、前記誘電体膜の表面に形成された第1の外部電極と、前記誘電体膜の内部に配置され且つ前記第1の外部電極に接続された複数の第1の電極膜とを備え、前記第2の電極は、前記誘電体膜の表面に形成された第2の外部電極と、前記誘電体膜の内部に配置され且つ前記第2の外部電極に接続された複数の第2の電極膜とを備え、前記第1の電極膜と前記第2の電極膜とは、互いに接触しないように前記誘電体膜中で平行に配置されていてもよい。
また、本発明の製造方法は、誘電体膜と前記誘電体膜の少なくとも一部を挟んで対向するように配置された1対の電極とを備えるコンデンサの製造方法であって、樹脂モノマーを含む薄膜を形成する第1の工程と、前記樹脂モノマーを重合反応させることによって前記誘電体膜を形成する第2の工程とを含み、前記樹脂モノマーが、下記の式(1)で示されるジビニルビフェニルを含むことを特徴とする。
Figure 2005183714
(式中、2つのベンゼン環が置換されている位置は、一方がメタ位、他方がメタ位またはパラ位である。)
上記製造方法では、前記第1の工程において、前記薄膜を蒸着法によって形成してもよい。
上記製造方法では、前記樹脂モノマーは、2つのベンゼン環がともにメタ位で置換されているジビニルビフェニルであってもよい。
上記製造方法では、前記誘電体膜の一部の上に、前記1対の電極の一部となる金属膜を形成する第3の工程をさらに含み、前記第1〜第3の工程を繰り返すことによって、複数の金属膜が平行に埋め込まれた誘電体膜を形成する工程をさらに含んでもよい。このとき、前記第2の工程の後であって前記第3の工程の前に、前記第2の工程で形成された誘電体膜の表面を酸素プラズマで処理する工程をさらに含んでもよい。
本発明によれば、高湿度や高温度などの環境による変化、劣化が抑制されるなど特性に優れており、また生産性が改善可能なコンデンサとその製造方法とを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明のコンデンサの一例を説明する。実施形態1のコンデンサ10の断面図を、図1(a)に示す。なお、本発明のコンデンサは、図1(b)に示すコンデンサ10aのような形状でもよい。
図1(a)を参照して、コンデンサ10は、支持体11と、支持体11上に形成された下部電極膜12と、主に下部電極膜12上に配置された誘電体膜13と、主に誘電体膜13上に配置された上部電極膜14とを備える。ここで、誘電体膜13は、樹脂膜(なお、樹脂膜中にさらに添加剤などを含んでもよい)である。すなわち、コンデンサ10は、誘電体膜13と、誘電体膜13を挟んで対向して配置された1対の電極(下部電極膜12および上部電極膜14)とを備える。
支持体11には、さまざまなものを用いることができる。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという場合がある)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、またはポリイミド(PI)などの高分子フィルムを用いることができる。支持体11の厚さに限定はないが、一般的には、1μm〜75μm程度の場合が多い。なお、下部電極膜12が支持体を兼ねる場合には、支持体11は不要である。また、下部電極膜12、誘電体膜13および上部電極膜14を形成したのち、支持体11を除去してもよい。すなわち、本発明のコンデンサは、支持体がないものであってもよい。
下部電極膜12および上部電極膜14には、導電性を有する膜を用いることができ、例えば金属膜を用いることができる。具体的には、アルミ、亜鉛、銅などを主成分とする金属膜を用いることができる。電極膜の膜厚については特に限定はないが、例えば、膜厚が10nm〜150nmの膜を用いることができ、好ましくは膜厚が20nm〜50nmの膜を用いることができる。コンデンサ10の下部電極膜12と上部電極膜14とは、それぞれ電気回路に接続される。電気回路に接続する方法としては、例えば、はんだ付け、金属溶射、クランプなどの方法を用いることができる。
誘電体膜13は、下記の式(1)で示されるジビニルビフェニルを樹脂モノマーとして含む薄膜を形成したのち、上記薄膜中の樹脂モノマーを重合反応させることによって形成された膜である。
Figure 2005183714
式(1)中、2つのベンゼン環が置換されている位置は、一方がメタ位、他方がメタ位またはパラ位である。
上記式(1)で示されるジビニルビフェニルを含む樹脂モノマーは、例えば、約−20℃〜20℃程度の温度範囲で液体であることが好ましい。樹脂モノマーが液体である場合、スパッタリング法に比べて高い成膜速度が実現可能な蒸着法によって上記モノマーを含む薄膜を成膜することが可能であり、また、上記薄膜における重合反応をより促進させることができる。
式(1)で示されるジビニルビフェニルは、2つのベンゼン環の置換位置が共にメタ位である場合(3,3’−ジビニルビフェニル)に最も融点が低くなり、室温では液体である。2つのベンゼン環がそれぞれメタ位およびパラ位で置換されている場合(3,4’−ジビニルビフェニル)は、その融点は3、3’−ジビニルビフェニルよりも高く、室温では固体である。このため、上述した観点から、式(1)で示されるジビニルビフェニルのうち、2つのベンゼン環が共にメタ位で置換されている3,3’−ジビニルビフェニルを樹脂モノマーが含むことが好ましい。しかし、樹脂モノマーが3、4’−ジビニルビフェニルを主成分として含む場合においても、3、3’−ジビニルビフェニルを、例えば、5重量%程度以上混合することによって、樹脂モノマーを室温で液体として取り扱うことができる。また、樹脂モノマーが式(1)で示されるジビニルビフェニル以外にも、上記ジビニルビフェニルの異性体である4、4’−ジビニルビフェニル(2つのベンゼン環の置換位置がともにパラ位である)を含んでいてもよい。4、4’−ジビニルビフェニルは、3、4’−ジビニルビフェニルよりもさらに融点が高いが、4、4’−ジビニルビフェニルを主成分として含む場合においても、例えば、3,3’−ジビニルビフェニルを5〜20重量%程度、3,4’−ジビニルビフェニルを0〜10重量%程度の割合で混合することによって、樹脂モノマーを室温で液体として取り扱うことができる。また、樹脂モノマーは、上述した以外のモノマー、有機化合物を含んでいてもよい。
複数の樹脂モノマーを含む場合、式(1)で示される樹脂モノマーの割合は本発明の効果が得られる範囲であればよく、例えば、すべての樹脂モノマーの50重量%以上、75重量%以上または90重量%以上といった割合とすればよい。
誘電体膜13の厚さは、例えば、0.05μm〜10μmの範囲、0.07μm〜1μmの範囲、0.1μm〜0.5μmの範囲などで自由に設定できる。
重合反応によって誘電体膜13となる薄膜(図2(b)の薄膜13a)は、上記樹脂モノマーに加えて、さらに添加剤を含んでもよい。このような添加剤としては、例えば、重合開始剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤などが挙げられる。重合開始剤としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(以上それぞれ、イルガキュア369、819および907、チバスペシャルティケミカルズ製)を用いることができる。また、酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、4,6ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(以上それぞれ、IRGANOX−1076、1135および1520L、チバスペシャルティケミカルズ製)を用いることができる。
薄膜13aが重合開始剤を含む場合には、重合開始剤の含有量は、0.5重量%〜10重量%であることが好ましく、1重量%〜3重量%であることが特に好ましい。重合開始剤の含有量を0.5重量%以上とすることによって、薄膜13aの硬化速度を速めることができる。また、重合開始剤の含有量を10重量%以下とすることによって、樹脂モノマー31(図3参照)のポットライフが短くなりすぎるのを防止できる。また、重合開始剤の含有量を1重量%〜3重量%とすることによって、硬化速度を速めるとともに、樹脂モノマー31のポットライフが短くなることを防止し、コンデンサ10の製造を容易にできる。
薄膜13aが酸化防止剤を含む場合には、酸化防止剤の含有量は、0.1重量%〜10重量%であることが好ましく、0.5重量%〜5重量%であることが特に好ましい。酸化防止剤の含有量を0.1重量%以上とすることによって、誘電体膜13の酸化を防止できる。また、酸化防止剤の含有量を10重量%以下とすることによって、薄膜13aの硬化速度を実用的な値にすることができる。また、酸化防止剤の含有量を0.5重量%以上とすることによって、誘電体膜13の酸化を顕著に防止できる。また、酸化防止剤の含有量を5重量%以下とすることによって、薄膜13aの硬化速度を好ましい値にすることができる。
以下に、上記式(1)で示されるジビニルビフェニルの製造方法の一例を説明する。
まず、以下の式(2)で示されるモノハロベンズアルデヒドをカップリング反応させることによって、以下の式(3)で示されるジホルミルビフェニルを製造する。式(2)におけるハロゲンXとしては、塩素、臭素、ヨウ素などを用いることができる。
Figure 2005183714
Figure 2005183714
式(2)中、ベンゼン環が置換されている位置はメタ位またはパラ位であり、式(3)中、2つのベンゼン環が置換されている位置はそれぞれ独立に、メタ位またはパラ位である。式(2)中の「X」は、ハロゲン原子を示している。
出発材料である式(2)で示されるモノハロベンズアルデヒドには、オルト体(2−ハロベンズアルデヒド)、メタ体(3−ハロベンズアルデヒド)およびパラ体(4−ハロベンズアルデヒド)の3種類の異性体が存在する。これらは市販されており、各々高純度のものを入手できる。例えば、出発材料として2−ハロベンズアルデヒドを選択することによって、2,2’−ジホルミルビフェニルが得られる。同様に、3−ハロベンズアルデヒドを選択することによって3,3’−ジホルミルビフェニルが得られ、4−ハロベンズアルデヒドを選択することによって4,4’−ジホルミルビフェニルが得られる。例えば、出発材料として、モノハロベンズアルデヒドのメタ体およびパラ体の混合物を用いた場合、ベンゼン環の置換位置が異なる3種類のジホルミルビフェニル異性体(3、3’−ジホルミルビフェニル、3,4’−ジホルミルビフェニル、4、4’−ジホルミルビフェニル)の混合物が得られる。
上記カップリング反応における触媒には、ビス(ブロモトリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ビス(クロロトリフェニルホスフィン)ニッケル(II)等の錯体化合物や、臭化ニッケルとトリフェニルホスフィンの混合物、塩化ニッケルとトリフェニルホスフィンの混合物等を用いることができる。また、溶媒には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒や、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホルホリルアミド等を用いることが好ましい。また、カップリング反応は、30℃〜80℃程度で、1時間〜10時間程度行うことが好ましく、反応物の回収に用いる抽出溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒等が適している。
次に、上述の式(3)で表されるジホルミルビフェニルをビニル化することによって、上述の式(1)で示されるジビニルビフェニルが製造できる。
カップリング反応の出発材料として3−ハロベンズアルデヒドを選択することによって3,3’−ジビニルビフェニルが得られ、4−ハロベンズアルデヒドを選択することによって4,4’−ジビニルビフェニルが得られる。また、3−ハロベンズアルデヒドと4−ハロベンズアルデヒドとの混合物を用いることによって、3,3’−ジビニルビフェニル、3、4’−ジビニルビフェニルおよび4,4’−ジビニルビフェニルの混合物が得られる。また、この混合物を精製することによって、3,4’−ジビニルビフェニルのみを得ることも可能である。精製には、一般的な方法を用いればよい。
ビニル化反応では、触媒として塩化アセチル、塩化トリメチルシラン等の酸塩化物で活性化された亜鉛を用いることができ、溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン等を用いることが好ましい。また、ビニル化反応は、40℃〜80℃程度で、0.5時間〜5時間程度行うことが好ましく、反応物の回収に用いる抽出溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒等が適している。
なお、上述のカップリング反応とビニル化反応とを行う順序を逆にしてもよい。この場合でも、同様の出発材料から、同様のジビニルビフェニルが得られる。
次に、コンデンサ10の製造方法について説明する。図2に、製造工程の一例を示す。
図2(a)を参照して、まず、支持体11上に、下部電極膜12を形成する。下部電極膜12は、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、誘導加熱蒸着などの真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法またはメッキ法などで形成できる。なお、下部電極膜12を所定の形状に形成するには、メタルマスクを用いたり、フォトリソグラフィーやエッチングなどの技術を用いたりすればよい。
次に、図2(b)に示すように、式(1)で示される樹脂モノマーを含む薄膜13aを形成する(第1の工程)。薄膜13aは、下部電極膜12上に形成される。薄膜13aは、重合反応によって誘電体膜13となる膜であり、上述した式(1)で示される樹脂モノマーや上述した添加剤を含む。薄膜13aは、例えば蒸着法によって形成できる。具体的には、図3に示すように、真空下で、式(1)で示される樹脂モノマー31を入れた容器32を下部電極膜12に向けて配置し、容器32を加熱して樹脂モノマーを蒸発させることによって形成できる。薄膜13aを所定の形状に形成するには、メタルマスク(図示せず)を用いればよい。
次に、薄膜13a中の樹脂モノマーを重合反応させることによって、図2(c)に示すように、誘電体膜13を形成する(第2の工程)。重合反応(硬化)は、例えば、薄膜13aに紫外線や電子線を照射することによって起こさせることができる。
式(1)で示されるジビニルビフェニルにおいて、2つのベンゼン環が共にメタ位で置換されている(3,3’−ジビニルビフェニル)場合、2つのベンゼン環の一方がメタ位、他方がパラ位で置換されている(3,4’−ジビニルビフェニル)場合に比べて、分子内における官能基としてのビニル基間距離が短くなり、重合硬化反応がより進みやすくなる傾向にある。このため、有機化合物における2つのベンゼン環が共にメタ位で置換されている場合、コンデンサとしての誘電正接をより小さくすることができる。同様に、式(1)で示されるジビニルビフェニルの異性体である4,4’−ジビニルビフェニルを主成分として含む樹脂モノマーにおいても、式(1)で示されるジビニルビフェニルを混合することによって、硬化速度をより向上させることができ、コンデンサとしての誘電正接をより改善することができる。
なお、第1の工程と第2の工程とを複数回繰り返すことによって誘電体膜を形成してもよい。このような方法は、樹脂モノマーが室温で液体である場合や、厚い誘電体膜を形成する場合に有効である。この場合、1対の電極に挟まれる誘電体膜は、複数の誘電体膜の積層体によって構成される。また、誘電体膜の一部の上に一対の電極の一部となる金属膜を形成する第3の工程をさらに含み、第1〜第3の工程を繰り返すことによって、複数の金属膜が平行に埋め込まれた誘電体膜を形成してもよい。この方法によれば、実施形態2で説明するコンデンサを製造できる。また、この場合、第2の工程の後であって第3の工程の前に、第2の工程で形成された誘電体膜の表面を酸素プラズマで処理する工程を含んでもよい。
次に、図2(d)に示すように、下部電極膜12と同様の方法によって、上部電極膜14を形成する。このようにして、コンデンサ10を製造できる。なお、コンデンサ10aについても同様の製造方法で製造できる。
上記実施形態1のコンデンサでは、誘電体膜13が、高湿度下や高温度下でも変質しにくいため、環境による変化、劣化などが少ない、優れた特性を有するコンデンサが得られる。また、コンデンサの製造にあたって蒸着法を用いることができるため、誘電体膜の成膜速度を向上させることができ、生産性に優れるコンデンサが得られる。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明を積層型のコンデンサに適用した一例を用いて説明する。実施形態2のコンデンサ40の断面図を図4に示す。なお、実施形態1で説明した部分と同様の部分については重複する説明を省略する。
図4を参照して、コンデンサ40は、誘電体膜41(ハッチングは省略する)と、誘電体膜41を挟んで対向して配置された電極42および43とを備える。電極42は、誘電体膜41の表面に形成された第1の外部電極42bと、誘電体膜41の内部に配置され且つ第1の外部電極42bに接続された複数の第1の電極膜42aとを備える。また、電極43は、誘電体膜41の表面に形成された第2の外部電極43bと、誘電体膜41の内部に配置され且つ第2の外部電極43bに接続された複数の第1の電極膜42aとを備える。そして、第1の電極膜42aと第2の電極膜43aとは、互いに接触しないように、誘電体膜41中で平行且つ交互に配置されている。図4に示すように、コンデンサ40は、誘電体層と電極膜とからなるユニットが積層された構造を有する。
さらにコンデンサ40は、誘電体膜41中であって、電極膜42aおよび43aの外側に配置された金属薄膜44を備える。コンデンサ40のうち、電極膜42aおよび電極膜43aが存在する部分が素子層40aとなる。また、コンデンサ40のうち、金属薄膜44が形成されている部分が補強層40bとなる。また、コンデンサ40のうち、誘電体膜41のみの部分が保護層40cとなる。補強層40bおよび保護層40cは、素子層40aが熱負荷や外力によって損傷を受けるのを防止する層である。なお、補強層40bや保護層40cがないコンデンサであってもよいことはいうまでもない。
誘電体膜41は、実施形態1で説明した誘電体膜13と同様のものであり、同様の製造方法によって製造できる。以下、実施形態2のコンデンサ40の製造方法の一例について具体的に説明する。
コンデンサ40を製造するための製造装置の一例を図5に模式的に示す。図5の製造装置50は、真空容器51と、真空容器51内に配置されたキャンローラ52と、キャンローラ52の周辺に配置された樹脂蒸発源53、樹脂硬化装置54、表面処理装置55、パターニング材料付与装置56、金属蒸着源57およびパターニング材料除去装置58とを備える。真空容器51は、真空ポンプ59によって減圧される。
キャンローラ52は、図中の矢印の方向に回転する。回転速度は自由に設定でき、例えば15〜70rpm程度としてもよい。キャンローラ52の外周面は、平滑(好ましくは鏡面状)に仕上げられており、その温度は−20℃〜40℃(例えば−10℃〜10℃)に制御されている。
樹脂蒸発源53は、キャンローラ52の表面に向けて樹脂モノマーを蒸発気化させる。キャンローラ52の表面に蒸着された樹脂モノマーは薄膜を形成する。樹脂モノマー以外の添加剤も、必要に応じて、樹脂蒸発源53から蒸着できる。
形成された薄膜は、その中に含まれる樹脂モノマーが樹脂硬化装置54によって重合(および/または架橋)され、誘電体膜となる。樹脂硬化装置54としては、例えば、電子線照射装置または紫外線照射装置を用いることができる。重合の度合いは、照射する電子線や紫外線の量などによって制御できる。
キャンローラ52上に形成された誘電体膜は、必要に応じて、表面処理装置55によって表面処理がなされる。具体的には、酸素プラズマ処理などの処理を行う。酸素プラズマ処理を行うことによって、誘電体膜の表面に酸素を結合させ、その上に形成される金属膜と誘電体膜との結合力を高めることができる。
次に、誘電体膜上に、パターニング材料付与装置56によってパターニング材料を所定の形状に堆積させる。パターニング材料が堆積した箇所には、以下の工程で金属薄膜は形成されず、この部分が電気絶縁帯となる。パターニング材料としては、例えばオイルを使用できる。パターニング材料の付与は、蒸発気化させたパターニング材料をノズルから噴射して誘電体膜表面で液化させる方法や、液状のパターニング材料を噴射する方法といった非接触の方法のほか、リーバースコートやダイコートといった塗布による方法によって行うことができる。これらの中でも、蒸発させたパターニング材料を誘電体膜表面で液化させる方法が、誘電体膜を変形させず且つ容易であるので好ましい。
パターニング材料付与装置56の一例の概略斜視図を図6に示す。図6の装置は、蒸発させたオイルを噴射することによって、誘電体膜表面に帯状のオイル膜を形成する。パターニング材料付与装置56の面61は、キャンローラ52の外周面の法線に垂直となるように配される。面61には、気化したオイルが噴出されるノズル62が所定の間隔で、所定の数だけ配されている。ノズル62の形状および配置は図6のものに限定されない。例えば、ノズル62は、図6のような円形のほか、楕円状や角型状であってもよい。
図5の装置を用いて積層体を形成する場合、積層数が多くなるにつれて積層体が厚くなる。このため、積層体の表面とパターニング材料付与装置56のノズル部分との距離Dn(図5参照)が一定になるように、パターニング材料付与装置56の位置を制御することが好ましい。パターニング材料付与装置56の位置は、距離Dnを測定する装置とパターニング材料付与装置56を移動させる装置とによって制御できる。距離Dnを測定する装置としては、例えば、レーザを用いた距離測定装置を適用できる。パターニング材料付与装置56を移動させる装置としては、例えばアクチュエータを用いることができる。
補強層と素子層との切り替え、および、素子層における電極膜の電気絶縁帯位置の切り替えは、パターニング材料の付着位置をキャンローラ52の外周面の法線方向に変えることによって行うことができる。
パターニング材料が塗布された樹脂膜には、金属蒸着源57によって金属膜が形成される。金属膜は、パターニング材料が存在しない部分に形成される。ここで形成される金属膜が、素子層の電極膜および補強層の金属薄膜となる。蒸着金属としては、例えば、Al、Cu、Zn、Sn、Au、AgおよびPtからなる群から選ばれる少なくとも1つを使用できる。なお、蒸着に代えて、スパッタリングやイオンプレーティングといった一般的な手段で金属膜を形成してもよい。
次に、パターニング材料除去装置58によって、パターニング材料が除去される。なお、パターニング材料の大部分は金属膜を形成する際に蒸発して消失するが、パターニング材料除去装置58によって残存するパターニング材料を確実に除去することが好ましい。パターニング材料の除去手段は特に制限はないが、例えばパターニング材料がオイルの場合は、ヒーターによる加熱蒸発、またはプラズマ照射による分解除去、あるいはこれらの組み合わせにより行うことができる。このとき、照射するプラズマには、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、窒素プラズマといったプラズマを使用できるが、この中でも酸素プラズマが特に好ましい。
以上の工程を必要な回数だけ繰り返すことによって、キャンローラ52の外周面に、誘電体膜と金属膜とが順次積層された積層体が形成される。次に、円筒状の積層体を半径方向に分割(例えば、45°ごとに8分割)して、キャンローラ52から取り外し、それぞれ加熱・加圧プレスをすることにより平板状の母素子を得る。
このようにして得られる平板状の母素子の一部斜視図を図7に示す。図中、矢印71は、キャンローラ52上での移動方向(円周方向)を示している。図7に示すように、母素子70は、積層された誘電体膜72および金属膜73を含む。母素子70を切断面74aで切断し、切断面74a面に外部電極を形成したのち、切断面74bで更に切断することによって、図4に示すコンデンサが得られる。
外部電極は、例えば黄銅等の金属を溶射することによって形成することができる。この際、溶射する金属を変更して複数の金属層からなる外部電極を形成してもよい。例えば、積層体との付着強度が良好な金属層を形成したのち、その上に、他の金属層を形成してもよい。最表面の金属層は、その上に接触させる各種金属又は樹脂との接着性が良好な金属で形成できる。
また、実装時の半田付け性を向上させるために、外部電極の上に、溶解錫めっき、鉛フリーはんだの溶融めっき、電解あるいは無電解錫めっき等を施してもよい。その場合には、溶射された金属層の表面に、めっきの下地層を形成してもよい。下地層としては、熱硬化性フェノール樹脂中に銅粉等を分散した導電性ペーストを塗布して加熱硬化させた層、あるいは銅/リン/銀からなる合金の金属溶射層などを適用できる。
また、外部電極にバンプ電極を設けてもよい。これにより、回路基板への実装がより容易になる。バンプ電極としては、周知の材料、形状のものから適宜選択して設けることができる。
さらに、用途に応じて必要な外装を行ってもよい。例えば、積層体の耐湿性の向上や、露出した金属膜の保護を目的として、素子の表面に保護層を形成してもよい。保護層は、例えば、シランカップリング剤等の表面処理剤を厚さ数nm程度にコーティングしたり、金属膜が露出している面に、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を厚さ数百μm程度に塗布し、硬化させることによって形成できる。
なお、図5の装置では、円筒状のキャンローラ52上に積層体を形成したが、積層体を形成する支持体はこれに限られず、真空装置内で周回するものであれば構わない。例えば、複数本のロールの間を周回するベルト状支持体上に積層体を形成してもよい。ベルト状支持体としては、金属、樹脂、布帛、あるいはこれらの複合体などからなるものを使用できる。また、回転する円盤も使用できる。
上記実施形態2のコンデンサ40では、誘電体膜41が、高湿度下や高温度下でも変質しにくいため、環境による変化、劣化などが少ない、優れた特性を有するコンデンサが得られる。また、コンデンサの製造にあたって蒸着法を用いることができるため、誘電体膜の成膜速度を向上させることができ、生産性に優れるコンデンサが得られる。
なお、実施の形態1と同様に、誘電体膜41の形成に用いる樹脂モノマーは、すべて式(1)で示されるジビニルビフェニルであってもよいし、他のモノマー、有機化合物などを含んでいてもよい。また、誘電体膜41が添加剤を含んでいてもよい。これによって、硬化速度の調整や誘電体膜41の酸化の抑制が可能となる。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、図1(a)に示したコンデンサを作製した一例について、図2を参照しながら説明する。
最初に、上述した式(1)で示されるジビニルビフェニルを含む樹脂モノマーのサンプルを4種類(サンプル1〜4)準備した。サンプル1は式(1)で示されるジビニルビフェニル(3、3’−ジビニルビフェニルおよび3,4’−ジビニルビフェニル)の他に、上記ジビニルビフェニルの異性体(4,4’ジビニルビフェニル)を含んでいる(具体的な組成比については後述する。サンプル3についても同様である)。サンプル2は3,3’−ジビニルビフェニルからなり、サンプル3は3,3’−ジビニルビフェニルと3,4’−ジビニルビフェニルとの混合物からなる。また、サンプル2に酸化防止剤としてIRGANOX1520Lを添加(3重量%)した樹脂モノマーをサンプル4とした。各々のサンプルの具体的な作製方法は、後述する。
次に、準備した樹脂モノマー(サンプル1〜4)を用いてコンデンサ(同様にサンプル1〜4とし、樹脂モノマーのサンプル1を用いたコンデンサをサンプル1とする。以下同様にコンデンサのサンプル2〜4とする)を作製した。コンデンサの作製方法を以下に示す。
まず、厚さ25μmのPET基板(支持体11)を用意し、このPET基板上に、アルミニウムからなる下部電極膜12(厚さ30nm)を、100nm/秒の堆積速度で蒸着した(図2(a)参照)。
その後、下部電極膜12上に、樹脂モノマーのサンプル1〜4を各々蒸着し、樹脂モノマーからなる薄膜13a(厚さ200nm)を形成した(図2(b)参照)。具体的には、樹脂モノマーを収容した容器を、蒸着速度が500nm/秒となるように加熱し、下部電極膜12の一部が露出する位置に薄膜13aを形成した。
その後、15kVの電圧で加速した電子を50μA/cm2の密度で2秒間、薄膜13aに照射することによって、薄膜13a中の樹脂モノマーを重合させ、誘電体膜13を形成した(図2(c)参照)。その後、誘電体膜13の上方であって下部電極膜12と接触しない位置に、アルミニウムからなる上部電極膜14を、100nm/秒の堆積速度で蒸着した(図2(d)参照)。
このようにして、4種類のコンデンサ(サンプル1〜4)を作製した。
また、比較例として、上述した式(A)および式(B)で示される有機化合物を樹脂モノマーとして用い、各々サンプル1〜4と同様にしてコンデンサ(サンプルAおよびB)を作製した。
このように準備した6種類のコンデンサ(実施例4種類、比較例2種類)について、吸湿容量変化率、高温負荷容量変化率、および、誘電正接(tanδ)を評価した。測定方法の詳細については後述する。評価結果を表1に示す。
Figure 2005183714
表1に示すように、サンプル1〜4のコンデンサは、上記いずれの評価においても、比較例であるサンプルAおよびBのコンデンサよりも優れた特性を示した。すなわち、式(1)で示されるジビニルビフェニルを含む樹脂モノマーを用いて誘電体膜を形成することによって、高湿度下および高温度下においても優れた特性を示すコンデンサが得られた。さらに、誘電正接(tanδ)についても、サンプル1〜4のコンデンサは比較例であるサンプルAおよびBのコンデンサよりも値が小さくなり、損失が低減されたコンデンサが得られた。
なかでもサンプル2の誘電正接(tanδ)の値が最も小さく、2つのベンゼン環の置換位置が共にメタ位であるジビニルビフェニルを樹脂モノマーとして用いることによって、より特性に優れるコンデンサが得られる結果となった。これは、上述したように、2つのベンゼン環のメタ位−メタ位にビニル基が配置されると、そうでない場合に比べて官能基間の距離が短くなり、樹脂モノマーの硬化がより進みやすいからであると推定される。
さらに、酸化防止剤を添加したサンプル4では、未添加のサンプル2に比べて高温負荷容量変化率がより小さくなった。このことから、酸化防止剤を添加することによって、高温時に酸化しにくい(すなわち、劣化しにくい)コンデンサが得られることがわかった。
このように、式(1)で示されるジビニルビフェニルを含む樹脂モノマーを用いて形成した誘電体膜は高湿度下や高温度下においても変質しにくいため、環境による変化、劣化などが少ない、優れた特性を有するコンデンサが得られる。また、製造時に蒸着法を用いることができるため誘電体膜の成膜速度を向上させることができ、生産性に優れるコンデンサが得られる。
次に、表1に示した各特性の評価方法について詳述する。
吸湿容量変化率については、以下の様に評価した。まず、コンデンサを105℃の環境下で10時間乾燥させ、初期容量C11を測定した。容量は、周波数1kHz、電圧1Vrmsの正弦波をコンデンサに加えて測定した。その後、温度60℃、湿度95%Rhの環境下でコンデンサを100時間放置し、放置後の容量(吸湿時の容量)C12を、初期容量と同様の条件で測定した。吸湿容量変化率は、(C12−C11)×100/C11(%)で示される値である。吸湿容量変化率が小さいほど、湿度環境下における容量安定性が高く、製品として好ましい。したがって、この吸湿容量変化率ができるだけ小さいことが特に重要である。
高温負荷容量変化率については、以下のように評価した。まず、コンデンサを105℃の環境下で10時間乾燥させ、初期容量C21を測定した。容量は、周波数1kHz、電圧1Vrmsの正弦波をコンデンサに加えて測定した。その後、温度105℃の環境下でコンデンサに16Vの直流電圧を印加した状態で5000時間放置し、放置後の容量C22を、初期容量と同様の条件で測定した。高温負荷容量変化率は、(C22−C21)×100/C21(%)で示される値である。次に、温度105℃の環境下でコンデンサに16Vの直流電圧を印加した状態でさらに5000時間(合計10000時間)放置し、放置後の容量C23を、初期容量と同様の条件で測定した。10000時間放置後の高温負荷容量変化率は、(C23−C21)×100/C21(%)で示される値である。高温負荷容量変化率の絶対値が小さいほど、高温時に酸化しにくいことを示しており、製品として好ましい。特に、近年はCPUの高速化などに伴う電子部品の耐高温性が重要になってきており、高温負荷容量変化率の絶対値が小さいことが、コンデンサの評価の重要な指標となる。
誘電正接(tanδ)については、周波数1kHz、電圧1Vrmsの正弦波をコンデンサに加えて測定した。誘電正接が小さいほど、コンデンサ自体で消費する電力がより小さく、製品として好ましい。
次に、樹脂モノマーのサンプル1〜4の作製方法について説明する。
サンプル2(3、3’−ジビニルビフェニル)の作製方法について説明する。
最初に、3−ブロモベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製):100g(0.5405mol)と、亜鉛粉末:52.69g(0.8107mol)と、ビス(ブロモトリフェニルホスフィン)ニッケル(II)(Aldrich社製):40.16g(0.05405mol)と、ヨウ化カリウム:8.97g(0.05405mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド:1リットルとを反応容器中に投入した。次に、反応容器内を脱気したのち、反応容器内にアルゴンガスを封入した。次に、反応容器を40℃で5時間維持し、カップリング反応を起こさせた。その後、反応容器を室温に戻し、反応を終了させた。
次に、反応後の溶液を濾過したのち、分液ロートに移した。そして、溶液に酢酸エチル:300mlと、5%塩酸水:100mlと、純水:1900mlとを加え、溶液内の有機成分を酢酸エチル層に抽出した。その後、溶液から抽出された有機成分を含む酢酸エチル層を分離した。
次に、酢酸エチル層を中性化した。具体的には、5%塩酸水100mlによる洗浄と、5%重曹水100mlによる洗浄と、純水300mlによる2回の洗浄とを、この順序で行った。
次に、洗浄後の酢酸エチル層を、硫酸ナトリウムで濾過した。最後に、減圧雰囲気下で酢酸エチルを除去した。以上の操作によって、白色〜薄黄色の粉末を得た。
次に、得られた粉末にシクロヘキサンを10wt%になるように加えた。そして、約75℃まで加熱し、粉末を完全に溶解させた。その後、溶液を室温に戻したのち、減圧濾過して固体成分を回収した。このようにして、3,3’−ジホルミルビフェニル45.40g(0.2162mol)を製造した。
次に、以下の工程によって、3,3’−ジホルミルビフェニルのビニル化反応を行った。
まず、亜鉛粉末:104.60g(1.60mol)と、塩化アセチル:1.26g(0.016mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド:200mlとを反応容器中に投入した。次に、反応容器内を脱気し、反応容器内にアルゴンを封入した。
次に、反応容器を70℃に加熱した。そして、3,3’−ジホルミルビフェニル:42.00g(0.20mol)と、ジブロモメタン:104.30g(0.60mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド:800mlとを混合した溶液を、反応容器内の溶液に滴下した。滴下後、反応容器の温度を70℃に0.5時間維持し、ビニル化反応を起こさせた。その後、反応容器を室温まで冷却した。
次に、反応後の溶液に、酢酸エチル:300mlと、5%塩酸水:100mlと、純水:1900mlとを加え、溶液内の有機成分を酢酸エチル層に抽出した。そして、溶液から抽出された有機成分を含む酢酸エチル層を分離した。
次に、酢酸エチル層を中性化した。具体的には、5%塩酸水100mlによる洗浄と、5%の重曹水100mlによる洗浄と、純水300mlによる2回の洗浄を、この順序で行った。
次に、洗浄後の酢酸エチル層を、硫酸ナトリウムで濾過した。最後に、減圧雰囲気下で酢酸エチルを除去した。以上の操作によって、無色透明の液体32.96gを得た。
このようにして得られた液体について、ガスクロマトグラフィー・質量分析(GC−MS)による分析を行なった結果、ジビニルビフェニルの質量数、M/e=206を示す単一の化合物からなることが判明した。次に、プロトン核磁気共鳴法(1HNMR)による分析を行なった結果、ビニル基に基づく5.2〜5.3ppm辺りの2本の吸収ピーク、5.7〜5.8ppm辺りの2本の吸収ピーク、6.7〜6.8ppm辺りの4本の吸収ピークと、ビフェニルの3,3’位が置換されていることに基づく7.3〜7.5ppm辺りの複数の吸収ピーク、7.6ppm辺りの1本の吸収ピークが検出された。以上のことから、最終的に得られた液体は、以下の化学式(4)で示される3,3’−ジビニルビフェニルであることが判明した。
Figure 2005183714
サンプル1は、出発材料を3−ブロモベンズアルデヒドと4−ブロモベンズアルデヒドとの1:1混合物とし、サンプル2と同様の方法を用いて作製した。それぞれ、得られた液体について、ガスクロマトグラフィーおよび質量分析(GC−MS)を行った結果、ジビニルビフェニルに対応する質量数M/e=206を示す3種類の生成物が検出された。3種類の生成物の含有率はそれぞれ24%、26%、50%であった。
次に、この液体をカラムクロマト法によって3種類の生成物ごとに分離した。
それぞれについてプロトン核磁気共鳴法(1HNMR)による分析を行った。その結果、ビニル基に基づく5.1〜5.2ppm辺りの2本の吸収ピーク、5.6〜5.7ppm辺りの2本の吸収ピーク、6.6〜6.7ppm辺りの4本の吸収ピークが、いずれの生成物からも検出された。
3種類の生成物のうち、含有率24%の生成物からはビフェニルの3,3’位が置換されていることに基づく7.3〜7.5ppm辺りの複数の吸収ピーク、7.6ppm辺りの1本の吸収ピークが検出され、含有率24%の生成物が3,3’−ジビニルビフェニルであることが判明した。含有率26%の生成物からは、ビフェニルの4,4’位が置換されていることに基づく7.1〜7.3ppm辺りの4本の吸収ピークが検出され、含有率26%の生成物が4,4’−ジビニルビフェニルであることが判明した。含有率50%の生成物からは、ビフェニルが有する2つのベンゼン環のうち、一方の4位が置換されていることに基づく7.1〜7.3ppm辺りの4本の吸収ピーク、および、他方の3位が置換されていることに基づく7.3〜7.5ppm辺りの複数の吸収ピークと7.6ppm辺りの1本の吸収ピークとが検出された。これにより、含有率50%の生成物は3,4’−ジビニルビフェニルであることが判明した。
以上のことから、最終的に得られた液体は、上記式(1)で示されるジビニルビフェニルを含んでおり、得られた液体のうち24%がメタ,メタジビニル体であり、50%がメタ,パラジビニル体であることが判明した(残り26%は、パラ、パラジビニル体である)。このようにして作製したジビニルビフェニルを、樹脂モノマーサンプル1とした。
サンプル3は、まず、サンプル1と同様に作製した3種類の異性体を含むジビニルビフェニルから、カラムクロマト法によって3,4’−ジビニルビフェニルのみを精製して取り出し、サンプル2と同様にして作製した3,3’−ジビニルビフェニルと1:1で混合して作製した。
(実施例2)
本実施例では、図4に示したコンデンサを製造した一例について、図5を参照しながら説明する。
最初に、コンデンサの保護層となる部分をキャンローラ52の外周面に積層させた。保護層の材料には実施例1で作製した樹脂モノマーのサンプル2を用い、これを樹脂蒸発源53において気化させ、キャンローラ52の外周面に堆積し、薄膜とした。このとき、真空容器51の内部を2×10-4Torrの圧力下とし、キャンローラ52の外周面を5℃に維持した。以降の工程においても同様である。次に、樹脂硬化装置54として紫外線硬化装置を用い、キャンローラ52の外周面に堆積させた薄膜を重合、硬化させ、誘電体膜を形成した。上述の堆積−重合の操作を、キャンローラ52を回転させることにより繰返し、キャンローラ52外周面に厚さ15μmの保護層を形成した。
次に、コンデンサの補強層となる部分を保護層上に積層させた。補強層の材料には、上述の保護層に用いた材料と同じ材料を用い、これを樹脂蒸発源53において気化させ、保護層上に堆積し、薄膜とした。続いて、紫外線硬化装置を用い、保護層上に堆積させた薄膜を重合、硬化させ、誘電体膜を形成した。このとき形成した誘電体膜の厚さは0.4μmとした。次に、表面処理装置55により、形成した誘電体膜の表面を酸素プラズマ処理した。続いて、パターニング材料付与装置56により、誘電体膜上の電気絶縁帯を形成する部分にパターニング材料を付着させた。パターニング材料にはフッ素系オイルを使用し、これを気化させて直径50μmのノズルより噴出させることによって、幅150μmの帯状に付着させた。次に、金属蒸発源57により誘電体膜上にアルミニウムを金属蒸着させ、金属薄膜を形成した。金属薄膜の蒸着厚さは30nmとし、その膜抵抗は3Ω/□であった。次に、パターニング材料除去装置58を用い、遠赤外線ヒーターによる加熱およびプラズマ放電処理によって、残存したパターニング材料を誘電体膜上から除去した。以上の操作を、キャンローラ52を回転させることにより500回繰り返し、総厚さ215μmの補強層を形成した。なお、パターニング材料付与装置56のノズルと被付着表面との距離Dnは、常に250〜300μmの範囲が維持できるように制御した。
次に、誘電体膜と電極膜とからなる素子層を積層した。誘電体膜の材料には、上述の保護層および補強層の材料と同一の材料を用い、これを樹脂蒸発源53において気化させ、補強層上に堆積し、薄膜とした。続いて、紫外線硬化装置を用い、補強層上に堆積させた薄膜を重合、硬化させ、誘電体膜を形成した。このとき形成した誘電体膜の厚さは0.4μmとした。次に、表面処理装置55により、形成した誘電体膜の表面を酸素プラズマ処理した。続いて、パターニング材料付与装置56により、誘電体膜上の電気的絶縁部に相当する部分にパターニング材料を付着させた。パターニング材料にはフッ素系オイルを使用し、これを気化させて直径50μmのノズルより噴出させることによって幅0.15mmの帯状に付着させた。次に、金属蒸発源57により誘電体膜上にアルミニウムを金属蒸着させた。アルミニウムの蒸着厚さは25nmとし、その膜抵抗は6Ω/□であった。その後、パターニング材料除去装置58を用い、赤外線ヒーターによる加熱およびプラズマ放電処理によって、残存したパターニング材料を除去した。以上の操作を、キャンローラ52を回転させることにより2000回繰り返し、総厚さ850μmの素子層を形成した。なお、パターニング材料付与装置56のノズルと被付着表面との距離Dnは、常に250〜300μmの範囲が維持できるように制御した。
次に、素子層の表面に、上述した方法を用いて厚さ215μmの補強層を形成し、形成した補強層の表面に、上述した方法を用いて厚さ15μmの保護層を形成することによって、円筒状の積層体を得た。
次に、得られた積層体を半径方向に8分割(45°ごとに切断)して取り外し、加熱下でプレスすることによって、図7に示すような平板状の積層体母素子を得た。これを、図7に示す切断面74aで切断し、切断面に黄銅を金属溶射して外部電極を形成した。さらに、金属溶射表面に熱硬化性フェノール樹脂中に銅粉を分散させた導電性ペーストを塗布した後に加熱硬化させ、さらに、硬化させた樹脂の表面に溶融ハンダメッキを施した。その後、図7に示す切断面74bに相当する箇所で切断し、図4に示すようなチップコンデンサを得た。得られたチップコンデンサは、積層方向の厚さ1.3mm、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方向)3.2mmであり、小型ながら容量は0.47μFであった。また、絶縁抵抗は7.5×1010Ω、耐電圧は48Vであった。容量、絶縁抵抗、耐電圧の測定には、一般的な測定手法を用いた。
このようにして作製したチップコンデンサに対して、実施例1と同様の測定を行った結果、吸湿容量変化率が0%〜+1%の範囲、高温負荷容量変化率が−2%〜1%の範囲、誘電正接(tanδ)0.03%と、実施例1におけるコンデンサのサンプル2と同様な特性が得られた。
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。例えば、本発明のコンデンサは、図1や図4に示すようなコンデンサに限らず、様々な形態のコンデンサに応用することができる。具体的な例としては、例えば、フィルムコンデンサに使用されるポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムのように可撓性を有し、誘電正接が大きい誘電体の表面に、上述した樹脂モノマーを直接コーティング、重合させて誘電体膜を形成したコンデンサであってもよい。あるいは、例えば、上記フィルムの両面に、アルミニウムからなるストライプ状の電極を予め形成しておき、上記電極の対抗面よりやや広く、上述した樹脂モノマーをストライプ状にコーティング、重合させて誘電体膜を形成したコンデンサであってもよい。これらの形態のコンデンサとした場合でも、誘電正接が低減されたコンデンサを得ることができる。また、ストリップ線路をコンデンサとして使用する場合、同様に形成した誘電体膜を基板やオーバーコート層に用いることにより、例えば、少なくとも周波数が100Hzから4GHzまでの範囲において、0.1%から0.3%と非常に低い誘電正接が実現できる。
以上説明したように、本発明によれば、高湿度や高温度などの環境による変化、劣化が抑制されるなど特性に優れており、また生産性が改善可能なコンデンサとその製造方法とを提供することができる。
本発明のコンデンサについて(a)一例の断面および(b)他の一例の断面を示す図である。 本発明のコンデンサについて製造方法の一例を示す工程断面図である。 図2に示した製造工程の一過程を示す図である。 本発明のコンデンサについてその他の一例を示す(a)断面図および(b)斜視図である。 本発明のコンデンサの製造に用いられる装置の一例を模式的に示す図である。 図5の装置の一部を示す斜視図である。 図5の装置で製造される母素子の一例を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
10、10a、40 コンデンサ
11 支持体
12 下部電極膜
13 誘電体膜
13a 薄膜
14 上部電極膜
31 樹脂モノマー
32 容器
40a 素子層
40b 補強層
40c 保護層
41 誘電体膜41
42 電極
42a、43a 電極膜
42b、43b 外部電極
44 金属薄膜
50 製造装置
51 真空容器
52 キャンローラ
53 樹脂蒸発源
54 樹脂硬化装置
55 表面処理装置
56 パターニング材料付与装置
57 金属蒸着源
58 パターニング材料除去装置
59 真空ポンプ
61 面
62 ノズル
70 母素子
71 矢印
72 誘電体膜
73 金属膜
74a、74b 切断面

Claims (9)

  1. 誘電体膜と、前記誘電体膜の少なくとも一部を挟んで対向するように配置された1対の電極とを備えるコンデンサであって、
    前記誘電体膜が、樹脂モノマーを含む薄膜を形成したのち前記薄膜中の前記樹脂モノマーを重合反応させることによって形成された膜であり、
    前記樹脂モノマーが、下記の式(1)で示されるジビニルビフェニルを含むことを特徴とするコンデンサ。
    Figure 2005183714
    (式中、2つのベンゼン環が置換されている位置は、一方がメタ位、他方がメタ位またはパラ位である。)
  2. 前記樹脂モノマーは、2つのベンゼン環がともにメタ位で置換されているジビニルビフェニルを含む請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記薄膜が重合開始剤および酸化防止剤から選ばれる少なくとも1つをさらに含む請求項1または2に記載のコンデンサ。
  4. 前記1対の電極は第1の電極と第2の電極とを含み、
    前記第1の電極は、前記誘電体膜の表面に形成された第1の外部電極と、前記誘電体膜の内部に配置され且つ前記第1の外部電極に接続された複数の第1の電極膜とを備え、
    前記第2の電極は、前記誘電体膜の表面に形成された第2の外部電極と、前記誘電体膜の内部に配置され且つ前記第2の外部電極に接続された複数の第2の電極膜とを備え、
    前記第1の電極膜と前記第2の電極膜とは、互いに接触しないように前記誘電体膜中で平行に配置されている請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ。
  5. 誘電体膜と前記誘電体膜の少なくとも一部を挟んで対向するように配置された1対の電極とを備えるコンデンサの製造方法であって、
    樹脂モノマーを含む薄膜を形成する第1の工程と、
    前記樹脂モノマーを重合反応させることによって前記誘電体膜を形成する第2の工程とを含み、
    前記樹脂モノマーが、下記の式(1)で示されるジビニルビフェニルを含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
    Figure 2005183714
    (式中、2つのベンゼン環が置換されている位置は、一方がメタ位、他方がメタ位またはパラ位である。)
  6. 前記第1の工程において、前記薄膜を蒸着法によって形成する請求項5に記載のコンデンサの製造方法。
  7. 前記樹脂モノマーは、2つのベンゼン環がともにメタ位で置換されているジビニルビフェニルを含む請求項5に記載のコンデンサの製造方法。
  8. 前記誘電体膜の一部の上に、前記1対の電極の一部となる金属膜を形成する第3の工程をさらに含み、
    前記第1〜第3の工程を繰り返すことによって、複数の金属膜が平行に埋め込まれた誘電体膜を形成する工程をさらに含む請求項5に記載のコンデンサの製造方法。
  9. 前記第2の工程の後であって前記第3の工程の前に、前記第2の工程で形成された誘電体膜の表面を酸素プラズマで処理する工程をさらに含む請求項8に記載のコンデンサの製造方法。
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