JP2005183509A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性の低い絶縁基板上に形成した場合でもオン電流の比較的大きなものを得ることが可能な薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】 絶縁基板上に保護絶縁膜を介して薄膜トランジスタを作製するにあたり、該薄膜トランジスタを構成する2つの不純物拡散層のうちの少なくとも一方に結晶性が互いに異なる少なくとも2つの領域を含ませ、該少なくとも2つの領域のなかで最も高い電気抵抗を有する領域をチャネル領域側の表層部に分布させることによって解決した。
【選択図】 図1




Description

本発明は、薄膜トランジスタ及びその製造方法に係り、特に、絶縁基板上に形成される薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
薄膜トランジスタを作製するためには、2つの不純物拡散層を互いに間隔をあけた状態で半導体中に形成し、これら2つの不純物拡散層それぞれに電極を接続すると共に、2つの不純物拡散層の間の領域(チャネル領域)上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を設けることが必要になる。
上記の不純物拡散層は、多くの場合、半導体に所望の不純物(ドナー又はアクセプタ)をイオン注入し、その後、注入した不純物を熱処理(アニール)により活性化させることで形成される。単結晶シリコンのように耐熱性が高い半導体に不純物拡散層を形成する場合には、例えば高温炉を用いた600℃程度の熱処理により、不純物の活性化を行うことができる。一方、安価なガラス基板のように耐熱性が低い絶縁基板上に設けられた半導体膜に不純物拡散層を形成する場合には、レーザアニール等によって不純物の活性化が行われる。
レーザアニールによる不純物の活性化処理では、不純物をイオン注入した領域を選択的に加熱することができ、かつ、レーザ光の照射時間を極短時間にすることができるため、活性化処理での基板温度が400℃程度以下に抑えられる。このため、たとえ絶縁基板の耐熱性が比較的低くても、熱収縮や熱変形を抑制しつつ不純物拡散層を形成することができる。
また、レーザアニールによれば、不純物の活性化と同時に半導体の固相成長による再結晶化(以下、単に「再結晶化」という。)を図ることができるので、結晶品質に優れた不純物拡散層を形成することが可能である。このレーザアニールによる半導体の再結晶化は、特に、絶縁基板上に高性能の薄膜トランジスタを形成するうえで有益である。
例えばガラス基板上に薄膜トランジスタを形成する場合、不純物拡散層が形成される半導体膜の膜厚は、通常、数十nmと薄い。その一方で、半導体膜への不純物のイオン注入は、不純物拡散層と電極とを電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する際の半導体膜の掘り込み量等も考慮して、不純物濃度が半導体膜の厚さ方向深くまで高濃度となるように行われ、そのピーク濃度は、低電気抵抗の不純物拡散層を形成しようとする場合には1×1020/cm 以上となる。膜厚が数十nmと薄い半導体膜に上記のように高濃度で不純物をイオン注入すると、例えば半導体膜が単結晶シリコン膜又は多結晶シリコン膜であるときには半導体原子(シリコン(Si)原子)の密度の数百分の一に達することから、イオン注入を受けた領域が膜厚方向全体に亘って非晶質化する。
イオン注入によって非晶質化した領域は高電気抵抗の領域となるが、この後にレーザアニールにより不純物の活性化と半導体の再結晶化とを行うと、イオン注入によって非晶質化した領域を結晶品質に優れた多結晶領域、すなわち、低電気抵抗の不純物拡散層にすることができる。このため、キャリア移動度が単結晶シリコンでのキャリア移動度に迫る薄膜トランジスタを得ることが可能である。
したがって、レーザアニール技術を利用すれば、安価な絶縁基板上に高性能の薄膜トランジスタを形成することが可能である。また、薄膜トランジスタ製造プロセスの高スループット化、低コスト化を図ることができる。
絶縁基板上に形成された半導体膜に不純物をイオン注入し、この不純物をレーザアニールにより活性化して不純物拡散層を形成した薄膜トランジスタとしては、特許文献1〜3に記載された薄膜トランジスタが知られている。
特許文献1に記載された薄膜トランジスタでは、不純物拡散層(ドレイン領域)におけるチャネル領域側が活性化されずに、ここが厚さ方向の全体に亘って非晶質のままとなっている。同様に、特許文献2に記載された薄膜トランジスタでは、不純物拡散層(能動層)におけるチャネル領域側が厚さ方向の全体に亘って非晶質となっている。特許文献3に記載された薄膜トランジスタでは、不純物拡散層(ソース・ドレイン領域)での上層が低結晶層、下層が高結晶層となっている。
なお、上述した利点を有するレーザアニール技術は、例えば特許文献4に記載されているように、シリコン基板に薄膜トランジスタを形成する場合にも利用される。
特開平6−260499号公報(特許請求の範囲及び第0005〜0011段) 特開平8−195495号公報(実施例の欄) 特開平8−274341号公報(請求項1及び実施例の欄) 特開平6−295923号公報(実施例の欄)
しかしながら、特許文献1又は2に記載された薄膜トランジスタのように、不純物拡散層におけるチャネル領域側が厚さ方向の全体に亘って非晶質になっていると、寄生抵抗が大きくなることから、薄膜トランジスタのオン電流が小さくなるという問題が生じる。また、特許文献3に記載された薄膜トランジスタのように、不純物拡散層での上層が低結晶層になっていると、この不純物拡散層に電気的に接続される電極とのコンタクト抵抗が大きくなることから、やはり、薄膜トランジスタのオン電流が小さくなるという問題が生じる。これらの問題は、膜厚が数十nmと薄い半導体膜に高濃度で不純物をイオン注入することが求められる薄膜トランジスタ、すなわち、絶縁基板上に形成される薄膜トランジスタに特有の問題であり、単結晶シリコン基板等の半導体基板に形成される薄膜トランジスタでは通常認められない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、耐熱性の低い絶縁基板上に形成した場合でもオン電流の比較的大きなものを得ることが可能な薄膜トランジスタを提供することにある。
本発明の第2の目的は、オン電流の比較的大きな薄膜トランジスタを耐熱性の低い絶縁基板上に形成することが可能な薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
上述した第1の目的を達成する本発明の薄膜トランジスタは、互いに同じ導電型を有する2つの不純物拡散層が該2つの不純物拡散層の間にチャネル領域を介して形成されている半導体膜と、少なくとも前記チャネル領域を覆うようにして前記半導体膜の一面上に堆積されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極を覆うと共に前記2つの不純物拡散層も平面視上覆う層間絶縁膜と、前記2つの不純物拡散層の一方に電気的に接続可能な状態で前記層間絶縁膜上に形成された第1電極と、前記2つの不純物拡散層の他方に電気的に接続可能な状態で前記層間絶縁膜上に形成された第2電極とを有し、前記半導体膜が絶縁基板上に直接又は保護絶縁膜を介して形成されている薄膜トランジスタであって、前記2つの不純物拡散層のうちの少なくとも一方は、結晶性が互いに異なる少なくとも2つの領域を含み、該少なくとも2つの領域のなかで最も高い電気抵抗を有する領域が前記チャネル領域側の表層部に分布することを特徴とする。
絶縁基板上に設けられた半導体膜にイオン注入技術とレーザアニール技術とを利用して不純物拡散層を形成する場合、後述するように、半導体膜にイオン注入する不純物のピーク濃度に分布をもたせることにより、得られる不純物拡散層での結晶性の分布を制御することが可能になる。
そして、半導体膜に形成すべき2つの不純物拡散層のうちの少なくとも一方での結晶性の分布を本発明の薄膜トランジスタでの分布とすると、高電気抵抗の領域をチャネル領域側の表層部にのみ偏在させることができ、かつ、この不純物拡散層のなかで相対的に電気抵抗の低い領域に電極を接続することができるので、寄生抵抗及びコンタクト抵抗が比較的低い薄膜トランジスタを形成することができる。
これらの結果として、本発明の薄膜トランジスタによれば、耐熱性の低い絶縁基板上に形成した場合でも、オン電流の比較的大きなものを得ることが可能になる。
本発明の薄膜トランジスタにおいては、(1)前記絶縁基板が多成分ガラス又は石英ガラスからなること、(2)前記半導体膜がシリコン膜であること、(3)前記ゲート絶縁膜、前記層間絶縁膜、又は前記保護絶縁膜が、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、又は窒化シリコンからなること、又は、(4)前記ゲート絶縁膜が積層構造を有すること、(5)前記ゲート電極が、前記ゲート絶縁膜上に形成された低抵抗シリコン膜を含む積層構造を有するか、又は単層構造を有すること、が好ましい。
また、本発明の薄膜トランジスタにおいては、(6)前記低抵抗シリコン膜がリン含有微結晶シリコン膜であること、が好ましい。
上記(6)の発明によれば、薄膜トランジスタ100のスイッチング特性にヒステリシスが生じることを抑制することが容易になる。
本発明の薄膜トランジスタにおいては、(7)前記ゲート電極の少なくとも一部が銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、クロム合金、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、タンタル、タンタル合金、チタン、又はチタン合金からなること、が好ましい。
上記(7)の発明によれば、ゲート電極の形成後にレーザアニールを行う場合でも、レーザアニールに起因する熱衝撃や熱応力によってゲート電極が断線することやゲート電極40にクラックが発生すること、あるいは、得られる薄膜トランジスタの特性が低下すること等を抑制し易くなる。
本発明の薄膜トランジスタにおいては、(8)前記層間絶縁膜が、前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆う第1絶縁膜と、該第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜とを有すること、が好ましい。
上記(8)の発明によれば、層間絶縁膜が2層構造を有しているので、第1層間絶縁膜をレーザアニール時に反射膜として利用して、レーザアニールに起因する熱衝撃や熱応力によってゲート電極が断線することやゲート電極40にクラックが発生すること、あるいは、得られる薄膜トランジスタの特性が低下すること等を抑制し易くなる。
本発明の薄膜トランジスタにおいては、不純物拡散層での結晶性の分布の制御を容易にするという観点から、(9)前記最も高い電気抵抗を有する領域が非晶質であり、該領域の周囲が微結晶質、多結晶質、又は単結晶質であること、が好ましい。
また、本発明の薄膜トランジスタにおいては、オン電流が比較的大きな薄膜トランジスタを絶縁基板上に形成するという観点から、(10)前記最も高い電気抵抗を有する領域の厚さが10nm以上であり、該領域を含んでいる不純物拡散層での前記領域下の厚さが10nm以上であり、かつ、前記半導体膜の厚さが20nm以上であること、が好ましい。
そして、本発明の薄膜トランジスタにおいては、(11)前記2つの不純物拡散層それぞれに添加されている不純物がリンであり、前記最も高い電気抵抗を有する領域でのリンのピーク濃度が4×1019/cm 以上であると共に、該領域よりも下層でのリンのピーク濃度が4×1019/cm 未満であること、又は、(12)前記2つの不純物拡散層それぞれに添加されている不純物がホウ素であり、前記最も高い電気抵抗を有する領域でのホウ素のピーク濃度が8×1019/cm 以上であると共に、該領域よりも下層でのホウ素のピーク濃度が8×1019/cm 未満であること、が好ましい。
上記(11)の発明によれば、例えば半導体膜が多結晶シリコン膜であるときにはリンをイオンドープした段階で表層部(イオン注入を受けた領域での表層部)を非晶質化することができ、かつ、表層部よりも下層は多結晶シリコンのまま残すことができるので、オン電流が比較的大きい薄膜トランジスタを得ることが容易になる。同様に、上記(12)の発明によれば、例えば半導体膜が多結晶シリコン膜であるときにはホウ素をイオンドープした段階で表層部(イオン注入を受けた領域での表層部)を非晶質化することができ、かつ、表層部よりも下層は多結晶シリコンのまま残すことができるので、オン電流が比較的大きい薄膜トランジスタを得ることが容易になる。
前述した第2の目的を達成する本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、上述した本発明の薄膜トランジスタの製造方法であって、片面に直接又は保護絶縁膜を介して半導体膜が形成された絶縁基板を用意する準備工程と、前記半導体膜上に、製造しようとする薄膜トランジスタ1つにつき1つのゲート電極をゲート絶縁膜を介して形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート電極を形成した後、又は前記ゲート電極を形成する前に前記半導体膜に選択的に不純物をイオン注入して、表層部での前記不純物のピーク濃度が前記半導体膜を非晶質化させるに足る濃度で、該表層部の下での前記不純物のピーク濃度が前記半導体膜を非晶質化させる濃度未満である不純物注入領域を、製造しようとする薄膜トランジスタ1つにつき少なくとも1つ形成するイオン注入工程と、前記イオン注入された不純物をレーザアニールにより活性化して、製造しようとする薄膜トランジスタ1つにつき2つの不純物拡散層を前記半導体膜に形成する不純物活性化工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、イオン注入工程で上述のように不純物のピーク濃度に分布をもたせるので、不純物をイオン注入した段階で、半導体膜の表層部(イオン注入を受けた領域での表層部)での結晶性とその下での結晶性を異ならせることが可能になる。これに伴って、不純物活性化工程を経て得られる2つの不純物拡散層のうちの少なくとも一方に、結晶性が互いに異なる少なくとも2つの領域を形成し、かつ、前記少なくとも2つの領域のなかで最も高い電気抵抗を有する領域を薄膜トランジスタでの記チャネル領域側の表層部に分布させることが可能になる。
半導体膜に形成すべき2つの不純物拡散層のうちの少なくとも一方での結晶性の分布を上述の分布とすると、高電気抵抗の領域をチャネル領域側の表層部にのみ偏在させることができ、かつ、不純物拡散層のなかで相対的に電気抵抗の低い領域に電極を接続することができるので、寄生抵抗及びコンタクト抵抗が比較的低い薄膜トランジスタを形成することができる。
これらの結果として、本発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、オン電流の比較的大きな薄膜トランジスタを耐熱性の低い絶縁基板上に形成することが可能になる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法においては、(A)前記イオン注入工程で、前記半導体膜にリンイオンをイオン注入して、表層部でのリンイオンのピーク濃度が4×1019/cm 以上であると共に、該表層部の下での前記リンイオンのピーク濃度が4×1019/cm 未満である不純物注入領域を形成すること、(B)前記イオン注入工程で、リンイオンの出発材料にホスフィン(PH) を使用し、イオンビーム中の全ドーパントイオンに占めるダイマーリンイオンの割合を40%以下にすること、(C)前記イオン注入工程で、前記半導体膜にホウ素イオンをイオン注入して、表層部でのホウ素イオンのピーク濃度が8×1019/cm 以上であると共に、該表層部の下での前記ホウ素イオンのピーク濃度が8×1019/cm 未満である不純物注入領域を形成すること、又は、(D)前記イオン注入工程で、ホウ素イオンの出発材料にダイボラン(B)を使用し、イオンビーム中の全ドーパントイオンに占めるダイマーホウ素イオンの割合を60%以上にすること、が好ましい。
上記(A)の発明によれば、例えば半導体膜が多結晶シリコン膜であるときにはリンをイオンドープした段階で表層部(イオン注入を受けた領域での表層部)を非晶質化することができ、かつ、表層部よりも下層は多結晶シリコンのまま残すことができるので、オン電流が比較的大きい薄膜トランジスタを得ることが容易になる。上記(B)の発明によれば、上記(A)の発明での要件を満たし易くなる。
同様に、上記(C)の発明によれば、例えば半導体膜が多結晶シリコン膜であるときにはホウ素をイオンドープした段階で表層部(イオン注入を受けた領域での表層部)を非晶質化することができ、かつ、表層部よりも下層は多結晶シリコンのまま残すことができるので、オン電流が比較的大きい薄膜トランジスタを得ることが容易になる。上記(D)の発明によれば、上記(C)の発明での要件を満たし易くなる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法においては、(E)更に、前記ゲート絶縁膜及び前記2つの不純物拡散層を平面視上覆うようにして形成された層間絶縁膜上に、前記2つの不純物拡散層の一方に電気的に接続可能な第1電極と、前記2つの不純物拡散層の他方に電気的に接続可能な第2電極とを形成する上部電極形成工程を含むこと、が好ましい。
上記(E)の発明よれば、1つの製造設備内で一貫して絶縁基板上に薄膜トランジスタを形成することが容易になるので、製造コストを抑え易くなる。
本発明の薄膜トランジスタによれば、耐熱性の低い絶縁基板上に形成した場合でもオン電流の比較的大きなものを得ることが可能になるので、薄膜トランジスタを回路素子として利用した種々の電子回路を耐熱性の低い安価な絶縁基板上に形成することが容易になると共に、前記の電子回路の高性能化を図ることも可能になる。したがって、ライトバルブのように透光性基板上に薄膜トランジスタを用いて電子回路を形成することが必要な電子機器は勿論、電子回路の形成に使用する基板に透光性が要求されない電子機器(例えばイメージセンサ)についても、性能の高いものを安価に提供することが容易になる。
また、本発明の薄膜トランジスタの製造法によれば、上述した本発明の薄膜トランジスタを製造することが容易になる。
以下、本発明の薄膜トランジスタ及びその製造方法それぞれの形態について、図面を参照しつつ、順次説明する。
<薄膜トランジスタに係る第1形態>
図1(a)は、本発明の薄膜トランジスタの基本構造の一例を概略的に示す断面図である。図示の薄膜トランジスタ100は、絶縁基板としてのガラス基板1上に保護絶縁膜5を介して形成されたものであり、n型半導体膜20、ゲート絶縁膜30、ゲート電極40、層間絶縁膜50、第1電極60、及び第2電極65を有している。
n型半導体膜20は、n型シリコンによって保護絶縁膜5上に形成されたものであり、このn型半導体膜20は、互いに間隔をあけて形成された2つのn 型不純物拡散層13、15を有している。ゲート絶縁膜30は、n型半導体膜20の上面に設けられた第1ゲート絶縁膜23と、この第1ゲート絶縁膜23及びn型半導体膜20を覆うようにして形成された第2ゲート絶縁膜25とを有しており、ゲート電極40とn型半導体膜20とを電気的に分離している。
なお、「n型」及び「n 型」はいずれも半導体の導電型がn型であることを表し、「n 型」は「n型」よりもn型不純物の濃度が高いことを意味する。図1(a)中に参照符号13a、15aで示す各領域については、後に図1(b)を参照して説明する。
ゲート電極40は、n型半導体膜20に形成されている2つのn 型不純物拡散層13、15の間の領域17(以下、「チャネル領域17」という。)に平面視上重なる領域を有する第1ゲート電極33と、第1ゲート電極33上に形成された第2ゲート電極35とによって構成されている。
層間絶縁膜50は、ゲート電極40及びゲート絶縁膜30を覆うようにして形成されており、この層間絶縁膜50は、ゲート電極40及びゲート絶縁膜30を覆うようにして形成された第1絶縁膜43と、第1絶縁膜43を覆うようにして形成された第2絶縁膜45とによって構成されている。2つのコンタクトホール50a、50bが、層間絶縁膜50に設けられている。
第1電極60は、コンタクトホール50a内及び層間絶縁膜50上に堆積された導電性材料から形成されたものであり、n 型不純物拡散層13に電気的に接続可能である。この第1電極60の一部は、コンタクトホール50aを埋めている。また、第2電極65は、コンタクトホール50b内及び層間絶縁膜50上に堆積された導電性材料から形成されたものであり、n 型不純物拡散層15に電気的に接続可能である。この第2電極65の一部は、コンタクトホール50bを埋めている。
上述の構成を有する薄膜トランジスタ100では、n 型不純物拡散層13、15の一方がソース領域として使用され、他方がドレイン領域として使用される。ゲート電圧40に印加する電圧値を制御することにより、一方のn 型不純物拡散層13と他方のn 型不純物拡散層15との間に流れる電流値を制御することができる。
薄膜トランジスタ100の最大の特徴は、n 型不純物拡散層13、15それぞれでの結晶性の分布形態にある。以下、この点について図1(b)を参照して詳述する。
図1(b)は、各n 型不純物拡散層13、15でのチャネル領域17側の範囲を拡大して示す概略図である。図示のように、n 型不純物拡散層13は、チャネル領域17側の表層部に分布している非晶質領域13aと、この非晶質領域13a以外の領域である多結晶質領域13bとを含んでいる。同様に、n 型不純物拡散層15は、チャネル領域17側の表層部に分布している非晶質領域15aと、この非晶質領域15a以外の領域である多結晶質領域15bとを含んでいる。非晶質領域13a、15aは、相対的に高電気抵抗の領域であり、多結晶質領域13b、15bは、相対的に低電気抵抗の領域である。
型不純物拡散層13でのチャネル領域17側には相対的に高電気抵抗の非晶質領域13aが存在しているが、その下には相対的に低電気抵抗の多結晶質領域13bが存在している。また、第1電極60(図1(a)参照)は多結晶質領域13bに接続されている。同様に、n 型不純物拡散層15でのチャネル領域17側には相対的に高電気抵抗の非晶質領域15aが存在しているが、その下には相対的に低電気抵抗の多結晶質領域15bが存在しており、第2電極65(図1(a)参照)は多結晶質領域15bに接続されている。
したがって、薄膜トランジスタ100では、寄生抵抗及びコンタクト抵抗を比較的低くすることができる。また、n型半導体薄膜20中のn 型不純物拡散層13、15は、後述するように、イオン注入技術とレーザアニール技術とを利用して形成することができる。これらの理由から、たとえガラス基板1の耐熱性が低くても、薄膜トランジスタ100のオン電流を比較的大きくすることができ、かつ、n型半導体膜20として単結晶シリコン膜を用いた場合に得られる薄膜トランジスタでのキャリア移動度に迫るキャリア移動度を有する高性能の薄膜トランジスタ100を得ることも可能になる。
非晶質領域13a、15aの厚さは、後述する製造方法上での制約から、10nm程度以上にすることが好ましい。また、非晶質領域13aの下での多結晶質領域13bの厚さ、及び、非晶質領域15aの下での多結晶質領域15bの厚さは、オン電流が比較的大きい薄膜トランジスタを得るという観点から、10nm程度以上にすることが好ましい。したがって、n型半導体膜20の厚さは、20nm程度以上にすることが好ましい。n型半導体膜20の膜厚の上限は、レーザレーザアニールによる結晶化率や活性化率の向上、あるいはオフ電流の低減という観点から、100nm程度以下とすることが好ましい。なお、n型半導体膜20での非晶質化している領域と非晶質化していない領域との境界は、プロセスマージンや、第1電極60又は第2電極65とn 型不純物拡散層13又は15とのコンタクト抵抗、あるいはオン・オフ電流等から決定することができる。
型不純物拡散層13、15での不純物(ドナー)のピーク濃度は、表層部、すなわちn型半導体膜20での上面(ゲート絶縁膜23側の表面)から非晶質領域13aの厚さに相当する深さまでの領域では、イオン注入時にこの表層部が非晶質化する濃度とし、表層部よりも下層では、イオン注入時にここが非晶質化しない濃度とすることが好ましい。
単結晶シリコン膜又は多結晶シリコン膜にリン(P)イオンをイオン注入する場合、単結晶シリコン膜又は多結晶シリコン膜の非晶質化は、リンイオンの加速エネルギーや、イオン注入方法が非質量分離方式であるか質量分離方式であるかにはそれ程依存せず、イオン注入されるイオン種及びその注入量に強く依存することが本件発明者等の研究によって確かめられた。この場合、単結晶シリコン膜又は多結晶シリコン膜の非晶質化は、リンイオンのイオン注入量が4×1019/cm 程度以上のときに起こる。
リンイオンをイオン注入するための出発材料としてホスフィン(PH) を用い、かつ、イオンビーム中の全ドーパントイオンに占めるダイマーリンイオンの割合を40%以下にした場合には、非晶質化が起こるか否かの閾値(リンイオンのイオン注入量)がほぼ4×1019/cm となる。なお、本明細書でいう「ダイマーリンイオン」とは、式P(式中のxは、0以上6以下の数値を表す。)で表される化合物のイオンを意味する。
したがって、n 型不純物拡散層13、15での不純物(ドナー)としてリンを用いる場合には、非晶質領域13a、15aでのリンのピーク濃度を4×1019/cm 以上とし、非晶質領域13a、15aよりも下層でのリンのピーク濃度を4×1019/cm 未満とすることが好ましい。
上述したn型半導体膜20を有する薄膜トランジスタ100では、各n 型不純物拡散層13、15において非晶質領域13a又は15aがチャネル領域17側の表層部にのみ偏在しているので、寄生抵抗を小さくすることができる。また、第1電極60がn 型不純物拡散層13での多結晶質領域13bに接続されており、第2電極65がn 型不純物拡散層15での多結晶質領域15bに接続されているので、コンタクト抵抗を小さくすることができる。これらの結果として、薄膜トランジスタ100ではオン電流を比較的大きくすることができる。
なお、薄膜トランジスタ100では、n 型不純物拡散層13、15それぞれでの結晶性の分布形態以外の構成、並びに、ガラス基板1及び保護絶縁膜5それぞれの組成を、例えば以下に説明するように適宜選定することができる。
(1)ガラス基板
ガラス基板1の材料としては、多成分ガラス及び単成分ガラスのいずれも用いることができる。ガラス基板1の材料として多成分ガラスを用いた場合には、ガラス基板1にかかるコストを低減させ易くなる。一方、ガラス基板1の材料として高ケイ酸塩ガラスやケイ酸塩ガラス(石英ガラス)を用いた場合には、ガラス基板1にかかるコストが比較的高くなるが、n型半導体膜20としてn型単結晶シリコン膜を用いることが可能になるので、薄膜トランジスタ100を高性能化し易くなる。
(2)保護絶縁膜
保護絶縁膜5は、ガラス基板1が多成分ガラスからなる場合にこのガラス基板1からn型半導体膜20への不純物の拡散を防止するためのもの、あるいは、n型半導体膜20を形成するための平坦面を提供するものであり、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、又は窒化シリコンによって形成することができる。保護絶縁膜5の膜厚は、保護絶縁膜5自体の組成やガラス基板1の組成等に応じて、100〜1000nm程度の範囲内で適宜選定可能である。ガラス基板1が高ケイ酸塩ガラスや石英ガラスからなる場合には、保護絶縁膜5を省略することも可能である。
(3)n型半導体膜
n型半導体膜20は、n型多結晶シリコンによって形成する他に、ガラス基板1が例えば石英ガラスからなる場合には、n型単結晶シリコンによっても形成可能である。n型半導体膜20をn型多結晶シリコンによって形成する場合には、例えば、初めにn型非晶質シリコン膜を形成し、このn型非晶質シリコン膜をレーザアニールで再結晶化させてn型多結晶シリコン膜にすることもできる。
n型半導体膜20に代えて、n 型不純物拡散層13、15を有するn 型又はp型の半導体膜を用いることも可能である。ここで、「n 型」とは、半導体の導電型がn型であり、かつ、n型不純物の濃度が「n型」よりも低いことを意味する。また、「p型」とは、半導体の導電型がp型であることを意味する。
(4)ゲート絶縁膜
ゲート絶縁膜30を構成している第1ゲート絶縁膜23は、n型半導体膜20を形成するにあたって所望形状の半導体膜をパターニングすることが必要な場合に、パターニングの際の保護膜として使用されるものであり、パターニング後に除去することも可能である。第2ゲート絶縁膜25は、少なくともチャネル領域17を平面視上覆うようにして形成される。
ゲート絶縁膜30は、単層構造、2層構造、又は3層以上の積層構造とすることができ、各層は、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、又は窒化シリコンを用いて形成することができる。ゲート絶縁膜30を2層以上の積層構造とする場合、隣り合う層の組成は互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
第1ゲート絶縁膜23の膜厚は、その組成に応じて、5〜100nm程度とすることができ、第2ゲート絶縁膜25の膜厚は、その組成に応じて、10〜500nm程度とすることができる。
(5)ゲート電極
ゲート電極40は、図1(a)に示したように2層構造にする他に、単層構造とすることもできる。2層構造とする場合には、薄膜トランジスタ100のスイッチング特性にヒステリシスが生じることを抑制するという観点から、第1ゲート電極33をn 型微結晶シリコン(例えばリン含有微結晶シリコン)等の低電気抵抗シリコンによって形成することが好ましい。ゲート電極40を単層構造とする場合や、2層構造としたときの第2ゲート電極35の材料としては、種々の導電性材料を使用することが可能であるが、(i)アニールに使用するレーザ光の反射率が比較的高い導電性材料、又は(ii)熱衝撃耐性が高い導電性材料によって、ゲート電極40全体又は第2ゲート電極35を形成することが好ましい。
上記(i)の導電性材料の具体例としては、例えば、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、及びクロム合金が挙げられる。また、上記(ii)の材料の具体例としては、例えば、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、タンタル、タンタル合金、チタン、及びチタン合金が挙げられる。
上記(i)の導電性材料によって電極を形成すると、レーザアニール時の熱吸収量が少なくなるので、熱衝撃や熱応力によるゲート電極40の断線やゲート電極40でのクラックの発生等を抑制することが容易になる。また、上記(ii)の導電性材料によって電極を形成すると、これらの導電性材料は融点が高く、熱衝撃耐性も高いので、レーザアニール時にゲート電極40に断線やクラックが生じるのを抑制するとが容易になる。得られる薄膜トランジスタ100の特性がレーザアニールに起因する熱衝撃や熱応力により低下することを抑制し易くなる。
第1ゲート電極33の膜厚は、その組成に応じて、10〜500nm程度とすることができ、第2ゲート電極35の膜厚も、その組成に応じて、10〜500nm程度とすることができる。
(6)層間絶縁膜
層間絶縁膜50は、図1(a)に示したように2層構造とする他に、単層構造あるいは3層以上の積層構造にすることも可能である。イオン注入した不純物をレーザアニールにより活性化してn型半導体膜20形成する際にゲート電極40が熱衝撃によって損傷すること、あるいは、得られる薄膜トランジスタの特性が前記の熱衝撃によって低下することを抑制するという観点からは、前述した第1層間絶縁膜43を形成した後にレーザアニールを行い、その後に第2層間絶縁膜45を形成することが好ましい。
このとき、第1層間絶縁膜43は、レーザ光の反射率を制御するために使用される。第1層間絶縁膜43の膜厚をゲート電極40上で厚くし、n型半導体膜20のうちで不純物がイオン注入された領域上で薄くすることにより、ゲート電極40上でのレーザ光の反射率を相対的に高くしてレーザ光からゲート電極40を保護しつつ、イオン注入された不純物を活性化させることができる。
第1層間絶縁膜43での膜厚分布は、レーザアニールに使用するレーザ光の波長や第1層間絶縁膜43表面でのレーザ光の反射率等に応じて、適宜選択可能である。また、第2層間絶縁膜45の膜厚は、第1層間絶縁膜43の絶縁破壊電圧、第1電極60に印加される電圧の大きさ、第2電極65に印加される電圧の大きさ等に応じて、適宜選択可能である。層間絶縁膜50を単層構造とする場合の膜厚も、この層間絶縁膜の材料として用いる物質の絶縁破壊電圧、第1電極60に印加される電圧の大きさ、第2電極65に印加される電圧の大きさ等に応じて、適宜選択可能である。
層間絶縁膜50を単層構造及び積層構造のいずれにする場合でも、その材料としては、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、又は窒化シリコンを用いることができる。層間絶縁膜50を2層以上の積層構造とする場合、隣り合う層の組成は互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
(7)第1電極及び第2電極
第1電極60及び第2電極65は、ソース電極又はドレイン電極として使用されるものであり、例えばアルミニウム、低電気抵抗シリコン、ポリサイド(低電気抵抗シリコンとシリサイドとの積層物)等によって形成することができる。コンタクトホール50a、50bが深い場合には、必要に応じて、これらのコンタクトホール50a、50bを例えばタングステン・プラグで埋め、コンタクトホール50aを埋めているタングステン・プラグの上面に接するようにして第1電極60を、また、コンタクトホール50bを埋めているタングステン・プラグの上面に接するようにして第2電極65を形成してもよい。第1電極60及び第2電極65の膜厚(層間絶縁膜50の上面での膜厚)は、個々の電極の材質や、この電極に印加される電圧の大きさ等に応じて適宜選定される。
薄膜トランジスタ100におけるn型半導体膜20以外の構成、並びに、ガラス基板1及び保護絶縁膜5の組成については、上述した以外にも種々の変形、改良、組み合わせ等が可能である。
<薄膜トランジスタの製造方法に係る第1形態>
図2(a)〜図2(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の一例を説明するための断面図であり、図3(a)〜図3(d)は、それぞれ、図2(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。以下の説明は、上述した第1形態の薄膜トランジスタ100を製造する場合を例にとり、図1(a)で用いた参照符号を適宜引用しつつ行う。
なお、図2(a)〜図2(d)又は図3(a)〜図3(d)に示した部材のうちで図1(a)に既に示した部材については、図1(a)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
薄膜トランジスタ100は、例えば、準備工程、ゲート電極形成工程、イオン注入工程、不純物活性化工程、及び上部電極形成工程を順次行うことにより、製造することができる。以下、これらの工程について順次説明する。
(1)準備工程
図2(a)に示すように、準備工程では、まず、片面に保護絶縁膜5を介してn型多結晶シリコン膜20Aが形成されたガラス基板1を用意する。保護絶縁膜5は、ガラス基板1の耐熱性等に応じて、例えばプラズマCVD、熱CVD等の化学的気相蒸着法(CVD法)により形成することができる。また、n型多結晶シリコン膜20Aは、ガラス基板1の耐熱性が高い場合には、例えば熱CVD法により保護絶縁膜5上に直接形成することができる。ガラス基板1の耐熱性が低い場合には、例えばプラズマCVD法によって保護絶縁膜5上にn型非晶質シリコン膜を一旦形成し、このn型非晶質シリコン膜をレーザアニールで再結晶化することにより、形成することができる。
必要に応じて、薄膜トランジスタ100でのチャネル領域17(図1(a)又は図1(b)参照)に相当する領域に、ホウ素(B)等のアクセプタをイオン注入(チャネルドープ)する。チャネルドープは、図2(a)に示すように、n型多結晶シリコン膜20A上に保護膜7を形成した後に行うことが好ましい。保護膜7は、n型多結晶シリコン膜20Aの自然酸化によって形成することもできるし、例えばCVD法によりシリコン酸化物を堆積させることで形成することもできる。なお、n型非晶質シリコン膜をレーザアニールで再結晶化してn型多結晶シリコン膜20Aとする場合、チャネルドープはレーザアニールに先立って行い、このとき使用した保護膜7は、レーザアニールに先立って等方性エッチングや異方性エッチングにより除去する。
準備工程では、この後、n型多結晶シリコン膜20A上に第1ゲート絶縁膜23(図1(a)参照)の元となる絶縁膜を例えばCVD法により形成し、この絶縁膜とn型多結晶シリコン膜20Aとを一緒にパターニングして、図2(b)に示すように、n型多結晶シリコン膜20Aをアイランド化する。以下、アイランド化されたn型多結晶シリコン膜20Aを「n型多結晶シリコン膜20B」という。n型多結晶シリコン膜20B上に残っている絶縁膜が、第1ゲート絶縁膜23になる。
(2)ゲート電極形成工程
ゲート電極形成工程では、図2(c)に示すように、第1ゲート電極23及びn型多結晶シリコン膜20Bを覆うようにして第2ゲート絶縁膜25を形成し、その上にゲート電極40を形成する。第2ゲート絶縁膜25を形成することにより、第1ゲート絶縁膜23と第2ゲート絶縁膜25とによって構成されるゲート絶縁膜30が得られる。
第2ゲート絶縁膜25は、例えばCVD法により所望の電気絶縁性物質をn型多結晶シリコン膜20B上(第1ゲート絶縁膜23上)及びその周囲に堆積させることにより、形成することができる。
ゲート電極40は、例えば、第1ゲート電極33の元となる大形の第1導電膜をCVD法等によって形成し、次いで、第2ゲート電極35の元となる大形の第2導電膜をCVD法等によって第1導電膜上に形成し、この後、第2導電膜上に所定形状のエッチングマスクを形成してから、第2導電膜と第1導電膜とを異方性エッチングや等方性エッチングでパターニングすることにより、形成することができる。
なお、ゲート電極形成工程は、後述するイオン注入工程の前に必ず行わなければならないというものではなく、イオン注入工程後に行うことも可能である。イオン注入工程の前にゲート電極形成工程を行う場合、前述した準備工程を行うことによって得られるガラス基板1、又は、ゲート電極40まで形成されたガラス基板1は、自ら作製してもよいし、他で作製されたものを購入してもよい。同様に、イオン注入工程の後にゲート電極形成工程を行う場合、前述した準備工程を行うことによって得られるガラス基板1は、自ら作製してもよいし、他で作製されたものを購入してもよい。
(3)イオン注入工程
イオン注入工程では、薄膜トランジスタ100におけるn 不純物拡散層13、15(図1(a)参照)の元となるn 型不純物注入領域を、n型多結晶シリコン膜20Bに形成する。このイオン注入工程をゲート電極形成工程後に行う場合には、図2(d)に示すように、ゲート電極40をマスクとして用いて、n型多結晶シリコン膜20Bに不純物(ドナー)をイオン注入する。図2(d)では、不純物の例としてリン(P)イオンを図示している。図中の矢印は、不純物の注入方向を示している。
このとき、n型多結晶シリコン膜20Bのうちでイオン注入を受けた領域での不純物のピーク濃度は、表層部、すなわち図1(a)に示したn型半導体膜20での上面(ゲート絶縁膜23側の表面)から非晶質領域13aの厚さに相当する深さまでの領域では、イオン注入時にここが非晶質化する濃度とし、表層部よりも下層では、イオン注入時にここが非晶質化しない濃度とすることが好ましい。図2(d)では、イオン注入により形成されたn 型不純物注入領域を参照符号12、14で示している。また、これらのn 不純物注入領域12、14が形成された後のn型多結晶シリコン膜20Bを、以下、「n型シリコン膜20C」といい、図2(d)においても参照符号20Cで示す。
不純物としてリン(P)イオンをイオン注入する場合には、前述のように、リンイオンのイオン注入量が4×1019/cm 程度以上のときに、n型多結晶シリコン膜20Bが非晶質化する。リンイオンのピーク濃度を上述のように制御するうえからは、リンイオンの出発材料にホスフィン(PH) を使用し、イオンビーム中の全ドーパントイオンに占めるダイマーリンイオンの割合を40%以下にすることが好ましい。全ドーパントイオンに占めるダイマーリンイオンの割合は、例えば、放電電力やガス圧力(流量)を調整することによって制御することができる。
ゲート電極形成工程前にイオン注入工程を行う場合には、ゲート電極40の形成領域に相当する領域上に例えばフォトレジストを用いてマスクを形成してから、上述の条件の下にイオン注入を行う。イオン注入後に、ゲート電極40を形成する。
(4)不純物活性化工程
不純物活性化工程では、n 不純物注入領域12、14中の不純物(ドナー)をレーザアニールにより活性化すると共に、各n 不純物注入領域12、14を再結晶化させて、2つのn 不純物拡散層13、15を形成する。
図3(a)に示すように、この不純物活性化工程を行うにあたっては、まず、ゲート電極40及びゲート絶縁膜30を覆うようにして、図1(a)に示した第1層間絶縁膜43の元となる第1絶縁膜43Aを例えばCVD法により形成する。次いで、第1絶縁膜43A上からレーザ光を照射して、レーザアニールを行う。このレーザアニールにより不純物注入領域12、14内の不純物を活性化させると共に、不純物注入領域12、14を再結晶化させる。
図3(b)に示すように、ゲート電極40の側面での第1絶縁膜43Aの膜厚(ガラス基板1の厚さ方向の膜厚)が他の場所での膜厚に比べて厚くなっていることから、この下でのレーザ光の照射エネルギーは少なく、ここでのn型シリコン膜20Cの再結晶化は実質的に起こらない。その結果として、図1(a)に示した非晶質領域13aを有するn 型不純物拡散層13、及び、非晶質領域15aを有するn 型不純物拡散層15がn型シリコン膜20Cに形成される。n型シリコン膜20Cで2つのn 型不純物注入領域12、14の間に位置していた領域は、レーザ光がゲート電極40によって遮られるので再結晶化することなくn型多結晶シリコンのまま残り、ここでがチャネル領域17となる。
すなわち、n型シリコン膜20Cが前述した薄膜トランジスタ100でのn型半導体膜20となる。なお、図3(b)には、レーザアニールにより得られるn型半導体膜20を描いてある。また、同図においては、レーザアニールに使用されるレーザ光を白抜きの矢印で示すと共に、この矢印の幾つかに参照符号LBを付してある。
レーザ光LBの光源としては、例えばエキシマレーザ発振器を用いることができる。レーザ光LBの照射エネルギーは、不純物の活性化と不純物注入領域12、14の再結晶化を図ることができるように、不純物濃度やn型シリコン膜20Cの吸収係数等に応じて適宜選定可能である。
(5)上部電極形成工程
上部電極形成工程では、図1(a)に示した層間絶縁膜50を形成し終えた後に、この層間絶縁膜50上に上部電極、すなわち、第1電極60及び第2電極65を形成する。
図3(c)に示すように、層間絶縁膜50を形成するにあたっては、まず、第1絶縁膜43A上に、この第1絶縁膜43Aを覆うようにして例えばCVD法により第2絶縁膜45Aを形成する。第1絶縁膜43Aの形成に先立って水素終端処理を行って、n型半導体膜20中の欠陥密度、及びn型半導体膜20と他の膜との界面での欠陥密度を低減させることが好ましい。
次いで、第2絶縁膜45A上の所定箇所に例えば所定形状のレジストパターンを設け、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いて第2絶縁膜45A及び第1絶縁膜43Aをエッチングして、図1(a)に示した2つのコンタクトホール50a、50bを形成する。これにより、層間絶縁膜50(図1(a)参照)が得られる。
次に、逆スパッタにより層間絶縁膜50の表面(各コンタックホール50a、50bの内壁面を含む。)及び各n 型不純物拡散層13、15の露出面を清浄化してから、コンタクトホール50a、50bを埋めるようにして第1電極60及び第2電極65それぞれの材料となる導電膜を例えば物理的気相蒸着法(PVD法)又はCVD法により形成する。
この後、上記の導電膜上の所定箇所に例えば所定形状のレジストパターンを設け、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いたエッチングにより上記の導電膜をパターニングする。これにより、図3(d)に示すように第1電極60及び第2電極65が得られ、図1(a)に示した薄膜トランジスタ100が得られる。
各コンタクトホール50a、50bをプラグで埋める場合には、例えば、これらのコンタクトホール50a、50bをブランケットタングステンで埋め、異方性エッチングによってブランケットタングステンを平坦化して、前記のプラグを形成する。この後、コンタクトホール50aを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第1電極60を形成し、コンタクトホール50bを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第2電極65を形成する。
上述した上部電極形成工程は、自ら行ってもよいし、他人又は他社が行ってもよい。1つの製造設備内で準備工程から上部電極形成工程まで行えば、薄膜トランジスタ100の製造コストを抑え易くなる。
なお、第1電極60(図1(a)参照)とn 型不純物拡散層13とのコンタクト抵抗、及び、第2電極65(図1(a)参照)とn 型不純物拡散層15とのコンタクト抵抗を小さくするうえからは、各n 型不純物拡散層13でのコンタクト界面近傍でのイオン注入時の不純物濃度を、非晶質化が起こる濃度程度とすることが望まれる。その一方で、コンタクトホール50a、50bをドライエッチングにより形成する際には、n 型不純物拡散層13側、又はn 型不純物拡散層15側に5〜10nm程度のオーバーエッチングが不可避的に生じる。層間絶縁膜50とn型半導体膜20とのエッチング選択比が大きいウェットエッチングによりコンタクトホール50a、50bを形成した場合にはオーバーエッチングが殆ど生じないが、上記のコンタクト界面からの深さが5nm辺りまでは、プロセス中、例えば第1電極60及び第2電極65を形成するための導電膜を形成する前に行う逆スパッタ等で消失することがある。
このため、前述したイオン注入工程で形成するn 不純物注入領域12、14の表層部の厚さ、ひいては、n型半導体膜20での非晶質領域13a、15aの厚さは、第1形態の薄膜トランジスタ100についての説明の中で述べたように、10nm程度以上にすることが好ましい。
<薄膜トランジスタに係る第2形態>
図4は、本発明の薄膜トランジスタの基本構造の他の例を概略的に示す断面図である。図示の薄膜トランジスタ200は、図1(a)に示したn型半導体膜20に代えてn型半導体膜120を有しているという点で、前述した第1形態の薄膜トランジスタ100と異なる。他の構成は第1形態の薄膜トランジスタ100の構成と同様であるので、図4に示した構成部材のうちで図1(a)に示した構成部材と共通するものについては、図1(a)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
薄膜トランジスタ200を構成しているn型半導体膜120は2つのn 型不純物拡散層113、115を有しており、n 型不純物拡散層113におけるチャネル領域117側の表層部には非晶質領域113aが、また、n 型不純物拡散層115におけるチャネル領域117側の表層部には非晶質領域115aが形成されている。非晶質領域113aは、平面視上、ゲート電極40の下方にまで及んでおり、非晶質領域115aも、平面視上、ゲート電極40の下方にまで及んでいる。n 型不純物拡散層113における非晶質領域113a以外の領域、及び、n 型不純物拡散層115における非晶質領域115a以外の領域は、多結晶質である。
このような構成を有する薄膜トランジスタ200は、第1形態の薄膜トランジスタ100と同様の技術的効果を奏する他に、オン電流を高くし易いという技術的効果も奏する。
<薄膜トランジスタの製造方法に係る第2形態>
図5(a)〜図5(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の他の例を説明するための断面図であり、図6(a)〜図6(b)は、それぞれ、図5(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。以下の説明は、上述した第2形態の薄膜トランジスタ200を製造する場合を例にとり、図1(a)、図2(a)〜図2(d)、図3(a)〜図3(d)、又は図4で用いた参照符号を適宜引用しつつ行う。
なお、図5(a)〜図5(d)又は図6(a)〜図6(b)に示した部材のうちで図1(a)、図2(a)〜図2(d)、図3(a)〜図3(d)、又は図4に既に示した部材については、これらの図で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
(準備工程)
薄膜トランジスタ200を製造するにあたっては、まず、前述した第1形態の薄膜トランジスタ100を製造する場合と同様にして準備工程を行って、アイランド化されたn型多結晶シリコン膜が片面に形成されているガラス基板を用意する。図2(b)に既に示したように、このガラス基板1では、片面に保護絶縁膜5を介して前記のn型多結晶シリコン膜20Bが形成され、その上に第1ゲート絶縁膜23が形成されている。
(イオン注入工程)
図5(a)に示すように、第1ゲート絶縁膜23の上面のうちで薄膜トランジスタ200でのチャネル領域117(図4参照)の上方に相当する箇所を覆うようにしてレジストパターン110を形成し、このレジストパターン110をマスクとして用いて不純物(ドナー)のイオン注入を行う。図5(a)では、不純物の例としてリン(P)イオンを図示している。図中の矢印は、不純物の注入方向を示している。
これにより、n型多結晶シリコン膜20B中にn 型不純物注入領域12、14が形成される。このときのイオン注入は、第1形態の製造方法でのイオン注入と同じ条件の下に行う。n 型不純物注入領域12、14それぞれでの上層部は、いずれも非晶質領域となる。n 型不純物注入領域12、14が形成された後のn型多結晶シリコン膜20Bを、以下、「n型シリコン膜20C」といい、図5(a)においても参照符号20Cで示す。
(ゲート電極形成工程)
まず、イオン注入工程で使用したレジストパターン110を剥離し、第1ゲート絶縁膜23及びn型シリコン膜20Cを覆うようにして第2ゲート絶縁膜25を形成する。第2ゲート絶縁膜25を形成することにより、第1ゲート絶縁膜23と第2ゲート絶縁膜25とによって構成されるゲート絶縁膜30が得られる。
次いで、図5(b)に示すように、薄膜トランジスタ200でのチャネル領域117(図4参照)の上方に相当する箇所を平面視上覆うようにしてゲート電極40を形成する。ゲート電極40は、第1ゲート電極33と、その上に形成された第2ゲート電極35とを有しており、このゲート電極40の形成は、第1形態の製造方法でのゲート電極の形成と同様にして行うことができる。本形態では、ゲート電極40と各n 型不純物注入領域12、14とが、平面視上、部分的に重なる。
(不純物活性化工程)
第1形態の製造方法での不純物活性化工程と同様に、まず、図5(c)に示すように、ゲート電極40及びゲート絶縁膜30を覆うようにして第1絶縁膜43Aを形成する。この第1絶縁膜43Aは、図4に示した第1層間絶縁膜43の元となる膜であり、例えばCVD法により形成される。
次いで、図5(d)に示すように、第1絶縁膜43A上からレーザ光を照射して、レーザアニールを行う。このレーザアニールにより不純物注入領域12、14内の不純物を活性化させると共に、n 不純物注入領域12、14を再結晶化させる。
同図に示すように、ゲート電極40の側面での第1絶縁膜43Aの膜厚(ガラス基板1の厚さ方向の膜厚)が他の場所での膜厚に比べて厚くなっていることから、また、ゲート電極40によってレーザ光が遮られることから、これらの下でのレーザ光の照射エネルギーは少なく、これらの箇所でのn型シリコン膜20Cの再結晶化は実質的に起こらない。その結果として、図4に示した非晶質領域113aを有するn 型不純物拡散層113、及び、非晶質領域115aを有するn 型不純物拡散層115がn型シリコン膜20Cに形成される。n型シリコン膜20Cで2つのn 型不純物注入領域12、14の間に位置していた領域は、レーザ光がゲート電極40によって遮られるので再結晶化することなくn型多結晶シリコンのまま残り、ここでがチャネル領域117となる。
すなわち、n型シリコン膜20Cが前述した薄膜トランジスタ200でのn型半導体膜120となる。なお、図5(d)には、レーザアニールにより得られるn型半導体膜120を描いてある。また、同図においては、レーザアニールで使用されるレーザ光を白抜きの矢印で示すと共に、この矢印の幾つかに参照符号LBを付してある。
(上部電極形成工程)
上部電極(第1電極60及び第2電極65)を形成するにあたっては、第1形態の製造方法での上部電極形成工程と同様に、必要に応じての水素終端処理を行った後、図6(a)に示すように、第1絶縁膜43Aを覆うようにして第2絶縁膜45Aを形成する。次いで、第1形態の製造方法での上部電極形成工程と同様に、第1絶縁膜43Aと第2絶縁膜45Aとの積層物に2つのコンタクトホール50a、50bの形成してこの積層物を層間絶縁膜50にしてから、必要に応じての逆スパッタ、及び、コンタクトホール50a、50bを埋めるようにしての導電膜の形成を順次行う。
この後、上記の導電膜上の所定箇所に例えば所定形状のレジストパターンを設け、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いたエッチングにより上記の導電膜をパターニングする。これにより、図6(b)に示すように第1電極60及び第2電極65が得られ、図4に示した薄膜トランジスタ200が得られる。
各コンタクトホール50a、50bをプラグで埋める場合には、第1形態の製造方法についての説明の中で述べたように、例えば各コンタクトホール50a、50bをブランケットタングステンで埋めた後に異方性エッチングによってブランケットタングステンを平坦化して、前記のプラグを形成する。この後、コンタクトホール50aを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第1電極60を形成し、コンタクトホール50bを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第2電極65を形成する。
<薄膜トランジスタに係る第3形態>
図7は、本発明の薄膜トランジスタの基本構造の更に他の例を概略的に示す断面図である。図示の薄膜トランジスタ300は、図1(a)に示したn型半導体膜20に代えてn型半導体膜220を有しているという点で、前述した第1形態の薄膜トランジスタ100と異なる。他の構成は第1形態の薄膜トランジスタ100の構成と同様であるので、図7に示した構成部材のうちで図1(a)に示した構成部材と共通するものについては、図1(a)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
薄膜トランジスタ300を構成しているn型半導体膜220は2つのn 型不純物拡散層213、215を有しており、n 型不純物拡散層213におけるチャネル領域217側の表層部にのみ非晶質領域213aが形成されている。n 型不純物拡散層213における非晶質領域213a以外の領域は、多結晶質である。非晶質領域213aは、ゲート電極40の下方にまで及んでいる。
型不純物拡散層215は全体が多結晶質であり、非晶質領域は形成されていない。このn 型不純物拡散層215におけるチャネル領域317側には、このn 型不純物拡散層215に隣接して、n 型多結晶シリコンからなるLDD(lightly doped drain) 領域215dが形成されている。このLDD領域215dとn 型不純物拡散層213との間の領域がチャネル領域217であり、チャネル領域217はn型多結晶シリコンからなる。
図8は、実際に作製した薄膜トランジスタから切り出した切片での非晶質領域213a及びその近傍のトンネル電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。図示のように、非晶質領域213aでは結晶格子像が見えておらず、非晶質領域213aよりも下層では結晶格子像が見えている。このことから、非晶質領域213aは非晶質化しており、非晶質領域213aよりも下層は多結晶質であることが確認できる。なお、図8には、図7に示した各部材の位置を判り易くするために、図7で用いた参照符号を書き込んである。
このような構成を有する薄膜トランジスタ300は、第1形態の薄膜トランジスタ100と同様の技術的効果を奏する他に、オフリーク電流を低くし易い(ドレイン耐圧を高くし易い)という技術的効果も奏する。
<薄膜トランジスタの製造方法に係る第3形態>
図9(a)〜図9(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の更に他の例を説明するための断面図であり、図10(a)〜図10(c)は、それぞれ、図9(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。以下の説明は、上述した第3形態の薄膜トランジスタ300を製造する場合を例にとり、図1(a)、図2(a)〜図2(d)、図3(a)〜図3(d)、又は図7で用いた参照符号を適宜引用しつつ行う。
なお、図9(a)〜図9(d)又は図10(a)〜図10(c)に示した部材のうちで図1(a)、図2(a)〜図2(d)、図3(a)〜図3(d)、又は図7に既に示した部材については、これらの図で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
(準備工程)
薄膜トランジスタ300を製造するにあたっては、まず、前述した第1形態の薄膜トランジスタ100を製造する場合と同様にして準備工程を行って、アイランド化されたn型多結晶シリコン膜が片面に形成されているガラス基板を用意する。図2(b)に既に示したように、このガラス基板1では、片面に保護絶縁膜5を介して前記のn型多結晶シリコン膜20Bが形成され、その上に第1ゲート絶縁膜23が形成されている。
(イオン注入工程)
図9(a)に示すように、第1ゲート絶縁膜23の上面のうちで薄膜トランジスタ300でのチャネル領域217(図7参照)及びLDD領域215dそれぞれの上方に相当する箇所を覆うようにしてレジストパターン210を形成し、このレジストパターン210をマスクとして用いて不純物(ドナー)のイオン注入を行う。図9(a)では、不純物の例としてリン(P)イオンを図示している。図中の矢印は、不純物の注入方向を示している。
これにより、n型多結晶シリコン膜20B中にn 型不純物注入領域12、14が形成される。このときのイオン注入は、第1形態の製造方法でのイオン注入と同じ条件の下に行う。n 型不純物注入領域12、14それぞれでの表層部は、いずれも非晶質の領域となる。n 型不純物注入領域12、14が形成された後のn型多結晶シリコン膜20Bを、以下、「n型シリコン膜20C」といい、図9(a)においても参照符号20Cで示す。
(ゲート電極形成工程)
まず、イオン注入工程で使用したレジストパターン210を剥離し、第1ゲート電極23及びn型シリコン膜20Cを覆うようにして第2ゲート絶縁膜25を形成する。第2ゲート絶縁膜25を形成することにより、第1ゲート絶縁膜23と第2ゲート絶縁膜25とによって構成されるゲート絶縁膜30が得られる。
次いで、図9(b)に示すように、薄膜トランジスタ300でのチャネル領域217(図7参照)の上方に相当する箇所を平面視上覆うようにしてゲート電極40を形成する。ゲート電極40は、第1ゲート電極33と、その上に形成された第2ゲート電極35とを有しており、このゲート電極40の形成は、第1形態の製造方法でのゲート電極の形成と同様にして行うことができる。本形態では、ゲート電極40とn 型不純物注入領域12とが、平面視上、部分的に重なる。
(再イオン注入工程)
LDD領域215dを形成するために、図9(c)に示すように、ゲート電極40をマスクとして用いて不純物(ドナー)のイオン注入を再度行って、LDD領域215dの元となるn 型不純物注入領域16を形成する。このときの不純物のイオン注入量は、n 型不純物注入領域12、14を形成した際の不純物のイオン注入量の1/10〜1/100程度とする。したがって、n 型不純物注入領域16は非晶質化せず、多結晶質のままである。
型不純物注入領域16が形成された後のn型シリコン膜20Cを、以下、「n型シリコン膜20D」といい、図9(c)においても参照符号20Dで示す。なお、図9(c)では、不純物の例としてリン(P)イオンを図示している。図中の矢印は、不純物の注入方向を示している。
(不純物活性化工程)
第1形態の製造方法での不純物活性化工程と同様に、まず、図9(d)に示すように、ゲート電極40及びゲート絶縁膜30を覆うようにして第1絶縁膜43Aを形成する。この第1絶縁膜43Aは、図7に示した第1層間絶縁膜43の元となる膜であり、例えばCVD法により形成される。
次いで、図10(a)に示すように、第1絶縁膜43A上からレーザ光を照射して、レーザアニールを行う。このレーザアニールにより各不純物注入領域12、14、16内の不純物を活性化させると共に、各不純物注入領域12、14、16を再結晶化させる。
同図に示すように、ゲート電極40の側面での第1絶縁膜43Aの膜厚(ガラス基板1の厚さ方向の膜厚)が他の場所での膜厚に比べて厚くなっていることから、また、ゲート電極40によりレーザ光が遮られることから、これらの下でのレーザ光の照射エネルギーは少なく、これらの箇所でのn型シリコン膜20Dの再結晶化は実質的に起こらない。その結果として、図7に示した非晶質領域213aを有するn 型不純物拡散層213、n 型不純物拡散層215、及びLDD領域215dがn型シリコン膜20Dに形成される。n型シリコン膜20Dでn 型不純物拡散層213とLDD領域215dとの間に位置していた領域は、レーザ光がゲート電極40によって遮られるので再結晶化することなくn型多結晶シリコンのまま残り、ここでがチャネル領域217となる。
すなわち、n型シリコン膜20Dが前述した薄膜トランジスタ300でのn型半導体膜220となる。なお、図10(a)には、レーザアニールにより得られるn型半導体膜220を描いてある。また、同図においては、レーザアニールで使用されるレーザ光を白抜きの矢印で示すと共に、この矢印の幾つかに参照符号LBを付してある。
(上部電極形成工程)
上部電極(第1電極60及び第2電極65)を形成するにあたっては、第1形態の製造方法での上部電極形成工程と同様に、必要に応じての水素終端処理を行った後、図10(b)に示すように、第1絶縁膜43Aを覆うようにして第2絶縁膜45Aを形成する。次いで、第1形態の製造方法での上部電極形成工程と同様に、第1絶縁膜43Aと第2絶縁膜45Aとの積層物に2つのコンタクトホール50a、50bの形成してこの積層物を層間絶縁膜50にしてから、必要に応じての逆スパッタ、及び、コンタクトホール50a、50bを埋めるようにしての導電膜の形成を順次行う。
この後、上記の導電膜上の所定箇所に例えば所定形状のレジストパターンを設け、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いたエッチングにより上記の導電膜をパターニングする。これにより、図10(c)に示すように第1電極60及び第2電極65が得られ、図7に示した薄膜トランジスタ300が得られる。
各コンタクトホール50a、50bをプラグで埋める場合には、第1形態の製造方法についての説明の中で述べたように、例えば各コンタクトホール50a、50bをブランケットタングステンで埋めた後に異方性エッチングによってブランケットタングステンを平坦化して、前記のプラグを形成する。この後、コンタクトホール50aを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第1電極60を形成し、コンタクトホール50bを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第2電極65を形成する。
<薄膜トランジスタに係る第4形態>
図11は、本発明の薄膜トランジスタの基本構造の更に他の例を概略的に示す断面図である。図示の薄膜トランジスタ400は、図1(a)に示したn型半導体膜20に代えてn型半導体膜320を有しているという点、及び、層間絶縁膜50が単層構造であるという点で、前述した第1形態の薄膜トランジスタ100と異なる。他の構成は第1形態の薄膜トランジスタ100の構成と同様であるので、図11に示した構成部材のうちで図1(a)に示した構成部材と共通するものについては、図1(a)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
薄膜トランジスタ400を構成しているn型半導体膜320は2つのn 型不純物拡散層313、315を有しており、n 型不純物拡散層313におけるチャネル領域317側の表層部には非晶質領域313aが、また、n 型不純物拡散層315におけるチャネル領域317側の表層部には非晶質領域315aが形成されている。n 型不純物拡散層313における非晶質領域313a以外の領域、及び、n 型不純物拡散層315における非晶質領域315a以外の領域は、多結晶質である。
型不純物拡散層313におけるチャネル領域317側には、このn 型不純物拡散層313に隣接して、n 型多結晶シリコンからなるLDD領域313dが形成されている。同様に、n 型不純物拡散層315におけるチャネル領域317側には、このn 型不純物拡散層315に隣接して、n 型多結晶シリコンからなるLDD領域315dが形成されている。チャネル領域317は、図1(a)に示したn型半導体膜20でのチャネル領域17と同様に、n型多結晶シリコンからなる。
このような構成を有する薄膜トランジスタ400は、第1形態の薄膜トランジスタ100と同様の技術的効果を奏する他に、チャネル領域317を介して互いに対向する2つのLDD領域313d、315dを有しているので、より高い動作信頼性を得易いという技術的効果も奏する。
<薄膜トランジスタの製造方法に係る第4形態>
図12(a)〜図12(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の更に他の例を説明するための断面図であり、図13(a)〜図13(b)は、それぞれ、図12(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。以下の説明は、上述した第4形態の薄膜トランジスタ400を製造する場合を例にとり、図1(a)、図2(a)〜図2(d)、図3(a)〜図3(d)、又は図11で用いた参照符号を適宜引用しつつ行う。
なお、図12(a)〜図12(d)又は図13(a)〜図13(b)に示した部材のうちで図1(a)、図2(a)〜図2(d)、図3(a)〜図3(d)、又は図11に既に示した部材については、これらの図で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
(準備工程)
薄膜トランジスタ400を製造するにあたっては、まず、前述した第1形態の薄膜トランジスタ100を製造する場合と同様にして準備工程を行って、アイランド化されたn型多結晶シリコン膜が片面に形成されているガラス基板を用意する。図2(b)に既に示したように、このガラス基板1では、片面に保護絶縁膜5を介して前記のn型多結晶シリコン膜20Bが形成され、その上に第1ゲート絶縁膜23が形成されている。
(イオン注入工程)
図12(a)に示すように、第1ゲート絶縁膜23の上面のうちで薄膜トランジスタ400でのチャネル領域317(図11参照)及び各LDD領域313d、315d(図11参照)それぞれの上方に相当する箇所を覆うようにしてレジストパターン310を形成し、このレジストパターン310をマスクとして用いて不純物(ドナー)のイオン注入を行う。図12(a)では、不純物の例としてリン(P)イオンを図示している。図中の矢印は、不純物の注入方向を示している。
これにより、n型多結晶シリコン膜20B中にn 型不純物注入領域12、14が形成される。このときのイオン注入は、第1形態の製造方法でのイオン注入と同じ条件の下に行う。n 型不純物注入領域12、14それぞれでの上層部は、いずれも非晶質領域となる。n 型不純物注入領域12、14が形成された後のn型多結晶シリコン膜20Bを、以下、「n型シリコン膜20C」といい、図12(a)においても参照符号20Cで示す。
(ゲート電極形成工程)
まず、イオン注入工程で使用したレジストパターン310を剥離し、第1ゲート電極23及びn型シリコン膜20Cを覆うようにして第2ゲート絶縁膜25を形成する。第2ゲート絶縁膜25を形成することにより、第1ゲート絶縁膜23と第2ゲート絶縁膜25とによって構成されるゲート絶縁膜30が得られる。
次いで、図12(b)に示すように、薄膜トランジスタ400でのチャネル領域317(図11参照)の上方に相当する箇所を平面視上覆うようにしてゲート電極40を形成する。ゲート電極40は、第1ゲート電極33と、その上に形成された第2ゲート電極35とを有しており、このゲート電極40の形成は、第1形態の製造方法でのゲート電極の形成と同様にして行うことができる。
(再イオン注入工程)
各LDD領域313d、315dを形成するために、図12(c)に示すように、ゲート電極40をマスクとして用いて不純物(ドナー)のイオン注入を再度行って、LDD領域313dの元となるn 型不純物注入領域16aと、LDD領域315dの元となるn 型不純物注入領域16bとを形成する。このときの不純物のイオン注入量は、n 型不純物注入領域12、14を形成した際の不純物のイオン注入量の1/10〜1/100程度とする。したがって、各n 型不純物注入領域16a、16bは非晶質化せず、多結晶質のままである。
各n 型不純物注入領域16a、16bが形成された後のn型シリコン膜20Cを、以下、「n型シリコン膜20D」といい、図12(c)においても参照符号20Dで示す。なお、図12(c)では、不純物の例としてリン(P)イオンを図示している。図中の矢印は、不純物の注入方向を示している。
(不純物活性化工程)
第1形態の製造方法での不純物活性化工程と同様に、まず、図12(d)に示すように、ゲート電極40及びゲート絶縁膜30を覆うようにして絶縁膜50Aを形成する。この絶縁膜50Aは、図12に示した層間絶縁膜50の元となる膜であり、例えばCVD法により形成される。
次いで、図13(a)に示すように、絶縁膜50A上からレーザ光を照射して、レーザアニールを行う。このレーザアニールにより各不純物注入領域12、14、16a、16b内の不純物を活性化させると共に、n 型不純物注入領域12とn 不純物注入領域14とを再結晶化させる。
同図に示すように、ゲート電極40の側面での絶縁膜50Aの膜厚(ガラス基板1の厚さ方向の膜厚)が他の場所での膜厚に比べて厚くなっていることから、この下でのレーザ光の照射エネルギーは少なく、ここでのn型シリコン膜20Dの再結晶化は実質的に起こらない。その結果として、図11に示した非晶質領域313aを有するn 型不純物拡散層313、及び、非晶質領域315aを有するn 型不純物拡散層315がn型シリコン膜20Dに形成される。また、各不純物拡散層16a、16bは、再結晶化が実質的に起こらないまま不純物が活性化されて、多結晶質のLDD領域313d、315dとなる。n型シリコン膜20Dで2つのn 型不純物注入領域16a、16bの間に位置していた領域は、レーザ光がゲート電極40によって遮られるのでn型多結晶シリコンのまま残り、ここでがチャネル領域317となる。
すなわち、n型シリコン膜20Dが前述した薄膜トランジスタ400でのn型半導体膜320となる。なお、図13(a)には、レーザアニールにより得られるn型半導体膜320を描いてある。また、同図においては、レーザアニールで使用されるレーザ光を白抜きの矢印で示すと共に、この矢印の幾つかに参照符号LBを付してある。
(上部電極形成工程)
上部電極(第1電極60及び第2電極65)を形成するにあたっては、第1形態の製造方法での上部電極形成工程と同様に、必要に応じて水素終端処理を行ってから、絶縁膜50Aに2つのコンタクトホール50a、50bを形成してこの絶縁膜50Aを層間絶縁膜50にし、次いで、必要に応じての逆スパッタ、及び、コンタクトホール50a、50bを埋めるようにしての導電膜の形成を行う。
この後、導電膜上の所定箇所に例えば所定形状のレジストパターンを設け、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いたエッチングにより上記の導電膜をパターニングする。これにより、図13(b)に示すように第1電極60及び第2電極65が得られ、図11に示した薄膜トランジスタ400が得られる。
各コンタクトホール50a、50bをプラグで埋める場合には、第1形態の製造方法についての説明の中で述べたように、例えば各コンタクトホール50a、50bをブランケットタングステンで埋めた後に異方性エッチングによってブランケットタングステンを平坦化して、前記のプラグを形成する。この後、コンタクトホール50aを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第1電極60を形成し、コンタクトホール50bを埋めているプラグと接続されるようにして層間絶縁膜50上に第2電極65を形成する。
(変形例)
上述した各実施形態は、いずれも、絶縁基板としてガラス基板を用い、その上に薄膜トランジスタを形成したものであるが、ガラス基板以外の絶縁基板、例えばサファイア基板を用いることも可能である。
また、薄膜トランジスタを構成する不純物拡散層はn 型不純物拡散層に限定されるものではなく、(1)チャネル領域の導電型と同じ導電型を有し、かつ、不純物濃度がチャネル領域での不純物濃度よりも低い不純物拡散層、又は、(2)チャネル領域の導電型とは逆の導電型を有する不純物拡散層、とすることもできる。
例えばp 型不純物拡散を有する薄膜トランジスタを得ようとする場合には、ホウ素等のアクセプタを半導体膜にイオン注入した後にレーザアニールを行って、不純物(アクセプタ)の活性化、及び、半導体膜の再結晶化を行う。この場合も、不純物をイオン注入するにあたっては、イオン注入された領域での表層部では非晶質化が起こり、表層部よりも下層では非晶質化が起こらないように、そのピーク濃度を調整する。
多結晶シリコン膜に不純物としてアクセプタをイオン注入するための出発材料としてダイボラン(B)を用い、かつ、イオンビーム中の全ドーパントイオンに占めるダイマーホウ素イオンの割合を60%以上にした場合には、非晶質化が起こるか否かの閾値(ホウ素イオンのイオン注入量)がほぼ8×1019/cm となる。なお、本明細書でいう「ダイマーホウ素イオン」とは、式B(式中のxは、0以上6以下の数値を表す。)で表される化合物のイオンを意味する。
したがって、不純物拡散層での不純物(アクセプタ)としてホウ素を用いる場合には、表層部でのホウ素のピーク濃度が8×1019/cm 以上となり、表層部よりも下層でのホウ素のピーク濃度が8×1019/cm 未満となるようにイオン注入を行うことが好ましい。
本発明の薄膜トランジスタは、単独の回路素子としてのトランジスタであってもよいし、CMOS(complementary metal oxide semiconductor) を構成する1つのトランジスタであってもよい。さらには、本発明の薄膜トランジスタを2つ用いてCMOSを構成することも可能である。上述した以外にも種々の変形、改良、組み合わせ等が可能であることは当業者に自明であろう。
(実施例)
前述した第3形態の製造方法(図9(a)〜図9(d)及び図10(a)〜図10(c)参照)に基づいて、図7に示した薄膜トランジスタ300と同様の構成を有する薄膜トランジスタを製造した。この薄膜トランジスタにおけるn型半導体膜220(図7参照)の膜厚は60nmであり、非晶質領域213a(図7参照)の厚さは20nmである。また、非晶質領域213aにおける不純物(リン)のピーク濃度は4×1019/cm 以上であり、非晶質領域213aよりも下層での不純物(リン)のピーク濃度は4×1019/cm 未満である。
(比較例)
図7に示した非晶質領域213aに代えて、n型半導体膜220の厚さ方向の全長に亘る非晶質領域を形成した以外は実施例と同様にして、薄膜トランジスタを作製した。この薄膜トランジスタにおいて図7に示した不純物拡散層213に相当する領域での不純物(リン)濃度、及び前記の非晶質領域での不純物(リン)濃度は、それぞれ、厚さ方向の全長に亘って4×1019/cm 以上である。
(特性評価)
実施例の薄膜トランジスタ及び比較例の薄膜トランジスタについて、ゲート電極に印加する電圧値を種々変えて、そのときのドレイン電流の値を測定した。結果を図14に示す。この図14から明らかなように、実施例の薄膜トランジスタでは、比較例の薄膜トランジスタに比べて大きなオン電流が流れる。
図1(a)は、本発明の薄膜トランジスタの基本構造の一例を概略的に示す断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示した各n 型不純物拡散層でのチャネル領域側の範囲を拡大して示す概略図である。 図2(a)〜図2(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の一例を説明するための断面図である。 図3(a)〜図3(d)は、それぞれ、図2(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。 本発明の薄膜トランジスタの基本構造の他の例を概略的に示す断面図である。 図5(a)〜図5(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の他の例を説明するための断面図である。 図6(a)〜図6(b)は、それぞれ、図5(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。 本発明の薄膜トランジスタの基本構造の更に他の例を概略的に示す断面図である。 図7に示す構造の薄膜トランジスタを実際に作製し、この薄膜トランジスタにおいて図7に示した非晶質領域に相当する領域及びその近傍をトンネル電子顕微鏡で観察したときの像を示す図面代用写真である。 図9(a)〜図9(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の更に他の例を説明するための断面図である。 図10(a)〜図10(c)は、それぞれ、図9(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。 図11は、本発明の薄膜トランジスタの基本構造の更に他の例を概略的に示す断面図である。 図12(a)〜図12(d)は、それぞれ、本発明の製造方法に基づいて薄膜トランジスタを製造する際の工程の更に他の例を説明するための断面図である。 図13(a)〜図13(b)は、それぞれ、図12(d)に示した工程に引き続いて行われる工程の一例を説明するための断面図である。 実施例で薄膜トランジスタ及び比較例で製造した薄膜トランジスタそれぞれについてのドレイン電流−ゲート電圧特性を示すグラフである。
符号の説明
1 ガラス基板(絶縁基板)
5 保護絶縁膜
13、113、213、313 不純物拡散層
13a、113a、213a、313a 非晶質領域
15、115、215、315 不純物拡散層
15a、115a、315a 非晶質領域
17、117、217、317 チャネル領域
20、120、220、320 n型半導体膜
23 第1ゲート絶縁膜
25 第2ゲート絶縁膜
30 ゲート絶縁膜
33 第1ゲート電極
35 第2ゲート電極
40 ゲート電極
43 第1層間絶縁膜
45 第2層間絶縁膜
50 層間絶縁膜
60 第1電極
65 第2電極
100、200、300、400 薄膜トランジスタ

Claims (19)

  1. 互いに同じ導電型を有する2つの不純物拡散層が該2つの不純物拡散層の間にチャネル領域を介して形成されている半導体膜と、少なくとも前記チャネル領域を覆うようにして前記半導体膜の一面上に堆積されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極を覆うと共に前記2つの不純物拡散層も平面視上覆う層間絶縁膜と、前記2つの不純物拡散層の一方に電気的に接続可能な状態で前記層間絶縁膜上に形成された第1電極と、前記2つの不純物拡散層の他方に電気的に接続可能な状態で前記層間絶縁膜上に形成された第2電極とを有し、前記半導体膜が絶縁基板上に直接又は保護絶縁膜を介して形成されている薄膜トランジスタであって、
    前記2つの不純物拡散層のうちの少なくとも一方は、結晶性が互いに異なる少なくとも2つの領域を含み、該少なくとも2つの領域のなかで最も高い電気抵抗を有する領域が前記チャネル領域側の表層部に分布することを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記絶縁基板が多成分ガラス又は石英ガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記半導体膜がシリコン膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記ゲート絶縁膜、前記層間絶縁膜、又は前記保護絶縁膜が、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、又は窒化シリコンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記ゲート絶縁膜が積層構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記ゲート電極が、前記ゲート絶縁膜上に形成された低抵抗シリコン膜を含む積層構造を有するか、又は単層構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記低抵抗シリコン膜がリン含有微結晶シリコン膜であることを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記ゲート電極の少なくとも一部が銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、クロム合金、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、タンタル、タンタル合金、チタン、又はチタン合金からなることを特徴とする請求項6又は7に記載の薄膜トランジスタ。
  9. 前記層間絶縁膜が、前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆う第1絶縁膜と、該第1絶縁膜を覆う第2絶縁膜とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  10. 前記最も高い電気抵抗を有する領域が非晶質であり、該領域の周囲が微結晶質、多結晶質、又は単結晶質であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  11. 前記最も高い電気抵抗を有する領域の厚さが10nm以上であり、該領域を含んでいる不純物拡散層での前記領域下の厚さが10nm以上であり、かつ、前記半導体膜の厚さが20nm以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  12. 前記2つの不純物拡散層に添加されている不純物がリンであり、前記最も高い電気抵抗を有する領域でのリンのピーク濃度が4×1019/cm 以上であると共に、該領域よりも下層でのリンのピーク濃度が4×1019/cm 未満であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  13. 前記2つの不純物拡散層に添加されている不純物がホウ素であり、前記最も高い電気抵抗を有する領域でのホウ素のピーク濃度が8×1019/cm 以上であると共に、該領域よりも下層でのホウ素のピーク濃度が8×1019/cm 未満であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  14. 前記請求項1〜13のいずれかに記載された薄膜トランジスタの製造方法であって、
    片面に直接又は保護絶縁膜を介して半導体膜が形成された絶縁基板を用意する準備工程と、
    前記半導体膜上に、製造しようとする薄膜トランジスタ1つにつき1つのゲート電極をゲート絶縁膜を介して形成するゲート電極形成工程と、
    前記ゲート電極を形成した後、又は前記ゲート電極を形成する前に前記半導体膜に選択的に不純物をイオン注入して、表層部での前記不純物のピーク濃度が前記半導体膜を非晶質化させるに足る濃度で、該表層部の下での前記不純物のピーク濃度が前記半導体膜を非晶質化させる濃度未満である不純物注入領域を、製造しようとする薄膜トランジスタ1つにつき少なくとも1つ形成するイオン注入工程と、
    前記イオン注入された不純物をレーザアニールにより活性化して、製造しようとする薄膜トランジスタ1つにつき2つの不純物拡散層を前記半導体膜に形成する不純物活性化工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  15. 前記イオン注入工程で、前記半導体膜にリンイオンをイオン注入して、表層部でのリンイオンのピーク濃度が4×1019/cm であると共に、該表層部の下での前記リンイオンのピーク濃度が4×1019/cm 未満である不純物注入領域を形成することを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  16. 前記イオン注入工程で、リンイオンの出発材料にホスフィン(PH) を使用し、イオンビーム中の全ドーパントイオンに占めるダイマーリンイオンの割合を40%以下にすることを特徴とする請求項15に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  17. 前記イオン注入工程で、前記半導体膜にホウ素イオンをイオン注入して、表層部でのホウ素イオンのピーク濃度が8×1019/cm であると共に、該表層部の下での前記ホウ素イオンのピーク濃度が8×1019/cm 未満である不純物注入領域を形成することを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  18. 前記イオン注入工程で、ホウ素イオンの出発材料にダイボラン(B)を使用し、イオンビーム中の全ドーパントイオンに占めるダイマーホウ素イオンの割合を60%以上にすることを特徴とする請求項17に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  19. 更に、前記ゲート絶縁膜と前記2つの不純物拡散層とを平面視上覆うようにして形成された層間絶縁膜上に、前記2つの不純物拡散層の一方に電気的に接続可能な第1電極と、前記2つの不純物拡散層の他方に電気的に接続可能な第2電極とを形成する上部電極形成工程を含むことを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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