JP2005183123A - 水素貯蔵方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機化合物に水素ガスを接触させることにより、水素を有機化合物中に効率的に貯蔵させる。
【解決手段】気体状態にした有機化合物と水素ガスとを接触させた後冷却することにより、得られる固体状物質中に水素を取り込ませる水素貯蔵方法。水素ガス雰囲気中において、固体の有機化合物を加熱し、その後冷却することにより、該有機化合物中に水素を取り込ませる水素貯蔵方法。水素ガスという気体分子を、ホスト化合物としての有機化合物と気体状態又は高温状態で接触反応させて包接化合物中に水素分子を効率的に取り込ませ、水素を安定に貯蔵することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、水素を、比較的軽量に、しかも常温常圧に近い状態で安定に貯蔵することができ、また、貯蔵した水素を容易に取り出すことができる水素貯蔵方法に関する。
近年、CO排出に伴う地球環境問題に対処する方策として、水素をエネルギー媒体とする新しいクリーンエネルギーシステムが提案されている。中でも燃料電池は、水素が酸素と結合して水になる際に発生する化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出すエネルギー変換技術であり、自動車のガソリンエンジンに替わる動力源、家庭用オンサイト発電、IT用の直流給電設備として、次世代の最も重要な技術の1つとして注目されている。
しかしながら、水素燃料の最大の問題は、その貯蔵法と運搬法にある。
即ち、従来、水素の貯蔵法としては、様々な方法が提案され、その一つとして、高圧ガスボンベに水素を気体として貯蔵する方法がある。しかし、このような高圧貯蔵は、単純ではあるが、厚肉の容器が必要であり、そのため容器の重量が重く、貯蔵・運搬効率が低いために、例えば軽量化が重視される自動車等への適用は困難である。一方、水素を液体として貯蔵する場合には、気体水素に比較して貯蔵・運搬効率は向上するが、液体水素の製造には高純度の水素が必要であること、また液化温度が−252.6℃という低温であり、このような超低温用の特殊な容器が必要であることなど、経済的に問題がある。また、水素貯蔵合金を用いることも提案されているが、合金自体の重量が重く、しかもMg系の軽量な水素貯蔵合金では水素を放出させる使用温度が300℃近い高温であるなどの問題がある。更には、カーボンナノチューブなどの多孔性炭素素材などを用いることも提案されているが、水素貯蔵の再現性が低く、高圧条件での貯蔵となり、また、カーボンナノチューブの製造が容易ではないなど多くの問題がある。
本出願人は、上記従来の問題点を解決する、新規な水素の水素貯蔵方法として、有機化合物に水素ガスを加圧状態で接触させることにより、水素を比較的軽量で常温常圧に近い条件で安定に保持し得る水素分子化合物等として、容易に貯蔵することができることを見出し、先に特許出願した(特願2003−24590)。
特願2003−24590
特願2003−24590の水素貯蔵方法は、水素を比較的軽量に、しかも常温常圧に近い状態で安定に貯蔵することができ、また貯蔵した水素の取り出しも容易な水素貯蔵方法ではあるが、より一層の水素貯蔵効率の向上が望まれる。
従って、本発明は、有機化合物に効率良く水素を貯蔵させる方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の水素貯蔵方法は、気体状態にした有機化合物と水素ガスとを接触させた後冷却することにより、得られる固体状物質中に水素を取り込ませることを特徴とする。
本発明の請求項2の水素貯蔵方法は、水素ガス雰囲気中において、固体の有機化合物を加熱し、その後冷却することにより、該有機化合物中に水素を取り込ませることを特徴とする。
即ち、本発明者は、有機化合物に水素を効率良く貯蔵する方法について鋭意検討を行った結果、気体状態にした有機化合物と水素ガスとを接触させた後冷却することにより、或いは、水素ガス雰囲気中において、固体の有機化合物を加熱し、その後冷却することにより、該有機化合物の中に水素を比較的軽量で常温常圧に近い条件で安定に保持し得る水素分子化合物等として、容易かつ効率的に取り込ませることができることを見出した。
なお、本発明において、有機化合物とは、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素原子のみからなるものは包含せず、また、金属成分を含む有機金属化合物を包含するものである。
また、本発明でいう分子化合物とは、単独で安定に存在することのできる化合物の2種類以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水化物、溶媒化物、付加化合物、包接化合物などが含まれる。このような水素分子化合物は、水素分子化合物を形成する有機化合物と水素との加圧下での接触反応により形成することができ、比較的軽量で常温常圧に近い状態で水素を貯蔵することができ、かつ、この水素分子化合物からは簡単な加熱等で水素を放出させることが可能である。
本発明に係る水素分子化合物としては、有機化合物と水素分子との接触反応により水素分子を包接した水素包接化合物が挙げられる。
本発明の水素貯蔵方法によれば、水素を常温、常圧条件で貯蔵することができるため、耐圧容器、低温容器等が不要であり、比較的小型、軽量な状態で水素を貯蔵・運搬することができ、しかも、貯蔵した水素を容易に放出させて各種用途に用いることができる。
以下に本発明の水素貯蔵方法の実施の形態を詳細に説明する。
本発明において、水素の貯蔵に用いる有機化合物は、炭素原子のみからなるものを除く有機化合物であって、水素ガスと加圧下で接触させることにより水素を貯蔵できるものであれば良く、特に制限はない。この有機化合物は、金属成分を含まないものであっても、また、金属成分を含む有機金属化合物であっても良い。
水素分子化合物のうち、水素分子を包接した水素包接化合物を形成する有機化合物としては、単分子系、多分子系、高分子系ホスト化合物などが知られている。
単分子系ホスト化合物としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、クリプタンド類、シクロファン類、アザシクロファン類、カリックスアレン類、シクロトリベラトリレン類、スフェランド類、環状オリゴペプチド類などが挙げられる。また多分子系ホスト化合物としては、尿素類、チオ尿素類、デオキシコール酸類、ペルヒドロトリフェニレン類、トリ−o−チモチド類、ビアンスリル類、スピロビフルオレン類、シクロフォスファゼン類、モノアルコール類、ジオール類、アセチレンアルコール類、ヒドロキシベンゾフェノン類、フェノール類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキスフェノール類、ポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、ジフェニルメタノール類、カルボン酸アミド類、チオアミド類、ビキサンテン類、カルボン酸類、イミダゾール類、ヒドロキノン類などが挙げられる。また、高分子系ホスト化合物としては、セルロース類、デンプン類、キチン類、キトサン類、ポリビニルアルコール類、1,1,2,2−テトラキスフェニルエタンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類、α,α,α’,α’−テトラキスフェニルキシレンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類などが挙げられる。
また、その他に有機リン化合物、有機ケイ素化合物なども挙げられる。
更に、有機金属化合物にもホスト化合物としての性質を示すものがあり、例えば有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物、有機ガリウム化合物、有機テルル化合物、有機スズ化合物、有機ジルコニウム化合物、有機マグネシウム化合物などが挙げられる。また、有機カルボン酸の金属塩や有機金属錯体などを用いることも可能であるが、有機金属化合物であれば、特にこれらに限定されるものではない。
これらのホスト化合物のうち、包接能力がゲスト化合物の分子の大きさに左右されにくい多分子系ホスト化合物が好適である。
多分子系ホスト化合物としては、具体的には、尿素、1,1,6,6−テトラフェニルヘキサ−2,4−ジイン−1,6−ジオール、1,1−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1,6,6−テトラキス(2,4−ジメチルフェニル)−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオール、9,10−ビス(4−メチルフェニル)−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオール、1,1,2,2−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール、4−メトキシフェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−スルホニルビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−エチリデンビスフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、テトラキス(p−メトキシフェニル)エチレン、3,6,3’,6’−テトラメトキシ−9,9’−ビ−9H−キサンテン、3,6,3’,6’−テトラアセトキシ−9,9’−ビ−9H−キサンテン、3,6,3’,6’−テトラヒドロキシ−9,9’−ビ−9H−キサンテン、没食子酸、没食子酸メチル、カテキン、ビス−β−ナフトール、α,α,α’,α’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジメタノール、ジフェン酸ビスジシクロヘキシルアミド、フマル酸ビスジシクロヘキシルアミド、コール酸、デオキシコール酸、1,1,2,2−テトラフェニルエタン、テトラキス(p−ヨードフェニル)エチレン、9,9’−ビアンスリル、1,1,2,2−テトラキス(4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−カルボキシフェニル)エタン、アセチレンジカルボン酸、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、1,2,4,5−テトラフェニルイミダゾール、2−フェニルフェナントロ[9,10−d]イミダゾール、2−(o−シアノフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、2−(m−シアノフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、2−(p−シアノフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、ヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ヒドロキノン、などが挙げられる。
ホスト化合物としては、上記したものの中でも1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エチレンのようなフェノール系ホスト化合物、ジフェン酸ビス(ジシクロヘキシルアミド)、フマル酸ビスジシクロヘキシルアミドのようなアミド系ホスト化合物、2−(m−シアノフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾールのようなイミダゾール系ホスト化合物が包接能力の面で有利であり、特に、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなフェノール系ホスト化合物が工業的に使用しやすい点で有利である。
これらのホスト化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
請求項1の方法において、使用する有機化合物の形態は、常温常圧下で固体、液体、気体のいずれの状態でも良く、加熱等により気体化でき、かつ冷却により固体の状態になるものであれば制限はないが、常温常圧下で固体の有機化合物が、冷却して固体の状態にする際に新たなエネルギーを必要としない点で好ましい。
前述の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなホスト化合物は、種々のゲスト分子を取り込み、結晶性の包接化合物を形成することが知られている。また、ゲスト化合物(固体,液体,気体のいずれの状態であっても良い。)と直接接触反応させることにより包接化合物が形成されることも知られている。請求項1の発明では、水素ガスという気体分子を、ホスト化合物としての有機化合物と気体状態で接触反応させて包接化合物中に水素分子を効率的に取り込ませ、水素を安定に貯蔵することができる。
水素と有機化合物とを接触させる条件として、まず有機化合物の条件としては気体の状態であれば特に制限はなく、この気体状態にする方法として加熱する方法が挙げられる。その際の加熱温度は、当該有機化合物が分解してしまうほどの高温でなければ良く、特に制限はないが、一般的には常温〜300℃程度が好ましい。
また、加熱等により気体化した有機化合物を冷却する方法としては、常温下で自然冷却する方法でも良いし、冷却媒体を使用して急激ないし強制的に冷却しても良い。
一方、水素の条件としては水素が気体の状態であれば特に制限はなく、常温、高温、低温のいずれの状態でも良い。また、水素ガスの圧力条件についても特に制限はないが、1.0×10−10〜200MPa、特に0.1〜70MPaであることが好ましい。
また、気体化した有機化合物と水素ガスとを接触させる時間についても特に制限はないが、作業効率等の面から0.01〜24時間程度とするのが好ましい。
請求項2の方法において、有機化合物は固体状のものを用いる。
有機化合物は、水素ガスとの接触効率等の面から、特に、粉末状の固体であることが好ましいが、何らこれに限定されず粒状、塊状であっても良く、さらに結晶状、非晶状(アモルファス状)のいずれでもよい。有機化合物が粉末状の固体である場合、その粒径には特に制限はないが、通常の場合、1mm以下程度であることが好ましい。
また、これらの有機化合物は、多孔質物質に担持させた有機化合物含有複合素材として使用することもできる。この場合、有機化合物を担持する多孔質物質としては、シリカ類、ゼオライト類、活性炭類の他に、粘土鉱物類、モンモリロナイト類などの層間化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような有機化合物含有複合素材は、前述の有機化合物を、これを溶解することのできる溶媒に溶解させ、その溶液を多孔質物質中に含浸させ、溶媒を乾燥、減圧乾燥するなどの方法で製造することができる。多孔質物質に対する有機化合物の担持量としては特に制限はないが、通常の場合、多孔質物質に対して10〜80重量%程度である。
請求項2の発明では、水素ガスという気体分子を、ホスト化合物としての有機化合物と高温状態で接触反応させて包接化合物中に水素分子を効率的に取り込ませ、水素を安定に貯蔵することができる。
水素と有機化合物とを接触させる際の加熱温度は、その有機化合物の融点又は分解温度以下の温度であれば良く、特に制限はないが、一般的には常温〜300℃程度が好ましい。
また、加熱後、有機化合物を冷却させる方法としては、常温下で自然冷却する方法でも良いし、冷却媒体を使用して急激ないし強制的に冷却しても良い。
一方、水素の条件としては水素が気体の状態であれば特に制限はなく、常温、高温、低温のいずれの状態でも良い。また、水素ガスの圧力条件についても特に制限はないが、1.0×10−10〜200MPa、特に0.1〜70MPaであることが好ましい。
また、有機化合物と水素ガスとを高温で接触させる時間についても特に制限はないが、作業効率等の面から0.01〜24時間程度とするのが好ましい。更にその後冷却して放置する期間については1〜7日程度とするのが好ましい。
なお、請求項1及び請求項2の方法において、有機化合物と接触させる水素ガスは、高純度水素ガスが好ましいが、後述のように、水素の選択的包接能を有したホスト化合物を用いる場合には、水素ガスと他のガスとの混合ガスであっても良い。
このようにして得られる水素包接化合物は、用いたホスト化合物の種類、水素との接触条件等によっても異なるが、通常ホスト化合物1モルに対して水素分子0.1〜20モルを包接した水素包接化合物である。
このような水素包接化合物は、常温常圧において、長期に亘り水素を安定に包接する。しかも、この水素包接化合物は、水素貯蔵合金と比べ、軽量で取り扱い性にも優れ、しかも固体状であるため、ガラス、金属、プラスチック等の容器に入れて容易に貯蔵・運搬することができる。
本発明方法により、水素を貯蔵した状態から水素を取り出す方法としては、水素加圧状態で貯蔵されている場合には、その加圧状態を減圧することで取り出すことができ、また、加熱することでも取り出すことができる。さらに、加熱と減圧を同時に行うことで、貯蔵された水素を取り出すこともできる。
特に、前述の水素包接化合物から水素を放出させるには、ホスト化合物の種類にもよるが、常圧又は常圧から1.0×10−2〜1.0×10−5MPa程度の減圧下、30〜200℃、特に40〜100℃程度に加熱すれば良く、これにより容易に水素包接化合物中から水素を放出させて各種用途に用いることができる。
なお、水素包接化合物から水素を放出した後のホスト化合物は、水素の選択的包接能を有し、有効に再利用可能である。従って、本発明の方法により、有機化合物に水素を貯蔵させた後、水素を放出させる貯蔵、放出操作を1回又は2回以上の複数回繰り返し行った水素の貯蔵履歴を有する有機化合物を用いて水素を常圧又は加圧して接触させることにより、水素を容易かつ効率的に再貯蔵させることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、水素を貯蔵する有機化合物としては、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下「BHC」と略記する。)を用いた。このBHCについて、TG−DTA装置(昇温速度10℃/min)で室温〜250℃の温度範囲について測定した結果は図2に示す通りである。また、水素としては市販の99.99%以上の高純度水素を用いた。
実施例1
図1に示す、水素の通気管2が取り付けられたガラス製の容器(容量100ml)1をホットプレート3上に載置した簡易試験装置を用い、この容器1に有機化合物(BHC)4を約0.5g入れ、通気管2より水素を200ml/minで通気しながら容器1の底部をホットプレート3で加熱した。
温度が200℃になると、BHCが徐々に気化し始め、水素と気体状態で接触し、水素の気流に混じって上方へと運ばれた。上方へ運ばれたBHCは温度が低下するため、容器1の上方の開口部近傍の内壁面にて再び固化付着して固体状物質5が得られた。
得られた固体状物質5をTG−DTA装置(昇温速度10℃/min)で室温〜250℃の温度範囲について測定した結果、図3に示す如く、室温〜約80℃までの間で固体状物質の重量に対し、2.45重量%の放出成分が認められた。
一方、水素と接触させる前のBHCのTG−DTA分析結果は、図2に示す如く、室温〜80℃の間に放出成分は全く認められない。
以上の結果より、BHCは気体状態で水素と接触することにより、水素を取り込み、得られた固体状物質の中に、常温常圧条件で水素を貯蔵することができ、この水素を貯蔵した固体状物質を加熱することにより水素を放出させることができることが分かった。
実施例2
1Lの容量のテドラバックに水素1L及びBHC0.1gを投入して密封し、100℃の恒温槽にこのテドラバックを30分間放置した。加熱後テドラバックを常温条件(約20℃)に取り出し3日間放置した。
得られた反応物質をTG−DTA装置(昇温速度10℃/min)で室温〜250℃の温度範囲について測定した結果、図4に示す如く、室温〜約100℃までの間で固体状物質の重量に対し、0.4重量%の放出成分が認められた。
一方、水素と共に加熱する前のBHCのTG−DTA分析結果は、図2に示す如く、室温〜100℃の間に放出成分は全く認められない。
以上の結果より、BHCは加熱状態で水素と接触することにより、水素を取り込み、得られた固体状物質の中に、常温常圧条件で水素を貯蔵することができ、この水素を貯蔵した固体状物質を加熱することにより水素を放出させることができることが分かった。
比較例1
実施例2において、加熱を行わなかったこと以外は同様にして、水素とBHCを投入したテドラバックを常温(約20℃)で放置した後、BHCを取り出しTG−DTA測定を行ったところ、図5に示す通り、放出成分はほとんど認められないことが分かった。
実施例1で用いた試験装置の構成を示す概略的な断面図である。 水素と接触する前のBHCのTG−DTA測定チャートである。 実施例1において、水素とBHCとの反応で得られた固体状物質のTG−DTA測定チャートである。 実施例2において、水素と接触後のBHCのTG−DTA測定チャートである。 比較例1において、水素と接触後のBHCのTG−DTA測定チャートである。
符号の説明
1 容器
2 通気管
3 ホットプレート
4 有機化合物
5 固体状物質

Claims (6)

  1. 気体状態にした有機化合物と水素ガスとを接触させた後冷却することにより、得られる固体状物質中に水素を取り込ませることを特徴とする水素貯蔵方法。
  2. 水素ガス雰囲気中において、固体の有機化合物を加熱し、その後冷却することにより、該有機化合物中に水素を取り込ませることを特徴とする水素貯蔵方法。
  3. 請求項2において、該有機化合物が多孔質物質に担持されていることを特徴とする水素貯蔵方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該有機化合物が水素ガスとの接触で水素分子化合物を形成する化合物であることを特徴とする水素貯蔵方法。
  5. 請求項4において、該水素分子化合物は、該有機化合物をホスト化合物とする水素包接化合物であることを特徴とする水素貯蔵方法。
  6. 請求項5において、該有機化合物が単分子系ホスト化合物、多分子系ホスト化合物及び高分子系ホスト化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする水素貯蔵方法。
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