JP2005178105A - 樹脂製シールリングおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シールリングの相互に対向するカット部と、射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、上記ゲート痕は、カット部を衝合させたときのカット部対向位置を 0 度とし、該対向位置からシールリング中心角度で 90 度以上、180 度未満離れた位置である。また該シールリングは、上記ゲート痕と、該ゲート痕に近い側のカット部との間に、樹脂だまり流入部を介して樹脂だまりが設けられた金型を用いて射出成形された成形体であり、上記樹脂だまり流入部の形状は、樹脂だまりへの流入抵抗がシールリング部分への流入抵抗以上となる形状であり、上記樹脂だまりの大きさは、射出成形時においてシールリング部分と同時に完全充填される大きさ以上である。
【選択図】図1
Description
この問題を解決する手段として、従来、樹脂をカット箇所の一方の端部近傍から注入するもの(特許文献1参照)、また、ゲート位置をカット箇所のリング上での対向位置からずらした位置に設け折損しにくくする方法(特許文献2参照)などが開示されている。
また、この充填不均衡の問題に対し、本出願人は、カット部の対向位置からずらした位置にゲート痕を有し、該ゲート痕から各カット部までの略差分となる体積の樹脂だまりを設けた金型により製造する樹脂製シールリングを出願している(特願2002−377069)。
また、上記シールリングは、シールリング内径が 20 mm以下であることを特徴とする。
シールリング1は、相互に対向するカット端部2a、2bとからなるカット部2と、射出成形時にゲート部3が接合していた箇所であるゲート痕3aとを有している。カット端部の形状は、ストレート、ステップカットなどを採用できるが、シール性に優れていることからステップカットが好ましい。
また、射出成形時には、その成形金型にカット部端2aとゲート痕3aとの間でシールリング内径面に樹脂だまり4が設けられている。また、樹脂だまり4は、樹脂だまりへの樹脂流入量を調節する樹脂だまり流入部5を介して設けられている。
なお、シールリング1の完成品は、ゲート部3および樹脂だまり4は取り除かれた形となる。
以上の知見および後述する実施例より、ゲート部3をカット部2の対向位置1aから離す角度αは 90 度 ≦ α < 180 度とする。特に好ましくは 120 度 ≦ α < 150 度とする。なお、上限を150度未満とすることが好ましいのは、該範囲以上となると、ゲートを挟んで樹脂の流動長差が大きくなりすぎるためである。
樹脂だまり4の大きさは、射出工程(一次射出工程)後の保圧工程(二次射出工程)時にシールリング1と同時に完全充填しうる大きさ以上とする。このような大きさとするのは、樹脂だまり4がシールリング1よりも早く完全充填されてしまうと、シールリング1の充填アンバランスを解消しきれず、流動長の短い側でバリが発生するおそれがあり、オイルシール性などに支障を生じる恐れがあるからである。
この条件を満たせば、樹脂だまり4の容積は、カット端部2aからゲート痕3aまでのリング体積と、カット端部2bからゲート痕3aまでのリング体積との差分より小さくてもよい。樹脂だまりの大きさはできるだけ小さい方がリサイクル性などの面で好ましい。特に、内径 20 mm以下程度の小径シールリングでは、内径側の金型スペースが非常に小さく、この内径側に樹脂だまりを設ける場合では、樹脂だまりの容積を小さくする必要がある。
また、金型部分への流入抵抗が大きすぎる場合では製品にバリが発生することが知られており、樹脂だまり流入部5の流入抵抗がこの場合の流入抵抗よりも大きいと、樹脂だまりへの樹脂の流入が阻害され製品部に大きな流入抵抗がかかり、該製品部にバリが発生してしまうおそれがある。よって、上記の条件とあわせ樹脂だまり流入部5の形状は、その流入抵抗が以下の式(1)を満たすような形状とすることが好ましい。
(1)保圧をかけない一次射出工程においてシールリング部分が 90 %程度以上充填される射出条件にて成形を行なう。または、射出条件を一定とし、樹脂だまり流入部5の形状を調整してシールリング部分が 90 %程度以上充填されるようにする。
(2)(1)の時点で樹脂だまりに充填された樹脂の容積を測定する。なお、樹脂だまりの充填容積の簡易的な測定法として、樹脂だまりの充填重量から用いた樹脂の材料密度を用いて容積に換算する方法が挙げられる。
(3)(2)で測定した樹脂だまり容積を、樹脂だまり最小容積の 90 %程度に相当するとして樹脂だまりの最小容積( 100 %)を算出する。
より詳しくは、射出成形工程7は、射出工程7aと、その後の保圧工程7bとからなり、この保圧工程7bにおいて、シールリング部分が完全充填されるよう保圧をかけながら冷却して成形する。なお、保圧工程7bでは、必要に応じて、冷却固化されるときに発生する成形収縮分の溶融樹脂を追加する。射出成形工程終了後、成形品取り出し工程8を経てシールリングの成形体が得られる。
また、シールリング部分が完全充填された時点で樹脂だまりが不完全充填である場合においても、シールリング幅は通常2mm以下と小さく冷却速度が速く、特に樹脂だまり流入部はその比表面積が大きいため冷却速度が速く製品部よりも先に固化するため、保圧は製品部で均一に加わりヒケなどが発生しない。
射出成形工程終了後、成形品取り出し工程8を経てシールリングの成形体が得られる。
これらの中で最も好ましいものとしてはPEEK樹脂、PEK樹脂、TPI樹脂などが挙げられる。
また、これらの樹脂材料によるシールリングは、射出成形後に熱処理などのアニール処理により結晶化度を高め、耐熱性や機械的強度を向上させてもよい。
実施例および比較例の樹脂材料は、Victrex製:PPEK150Pを 70 重量%に、東邦レーヨン製:炭素繊維HTA−CMF−0160−0Hを15重量%、喜多村製:PTFE KTL−610を15重量%配合したものを用いた。これらの原料をヘンシェルミキサーを用いて混合後、二軸混練により 360℃にてペレット化し、樹脂温度 380 ℃、金型温度 180 ℃にて射出成形を行なった。
用いたシールリング金型は図1に示す樹脂だまり付きシールリング金型であり、その外径は 15 mm 、ゲート位置は内径側の任意の位置に可変できるよう製作したものを用いた。また樹脂だまりはそれぞれ容積を変更できるよう入れ子方式で作成した。なお、樹脂だまり位置は β= 20 度の位置に固定し、ゲート位置α、樹脂だまり流入口径W1、樹脂だまり流入部長さW2、および樹脂だまり容積Vを様々に変え成形を行なった。
得られた樹脂だまり付きシールリングは樹脂だまり部の成形部分を加工により取り除き、所定条件でアニール処理を行なった。
相手軸組み込み性の評価として、長さ 30 cm、小径側直径 11 mm、大径側直径 17.5 mmのテーパー状冶具を用いた内径拡張量測定を行なった。
成形性の評価はシールリングにバリやヒケ、ショートショットが見られるものは×とし、成形上問題のないものは○とした。
内径拡張径測定は、シールリングをテーパー冶具の小径側から挿入し、シールリングが破断または亀裂発生した時点での内径寸法とした。
総合合否判定は、成形性に問題なく、かつ内径拡張径が 15 mm以上に達したものを○、それ以外のものを×とした。この内径拡張径の判定基準は、通常相手軸にシールリングを組み込む際、シールリング自身の外径よりも拡張されることから、今回評価したシールリング外径と同じ15 mmを採用した。
以上の評価試験の結果を表1に示す。
比較例1はカット部の対向位置にゲート位置を設置し、樹脂だまりを有さない従来から使用している形状のシールリング金型を用いたものである。成形性は特に問題なかったが、内径拡張径が 14.4 mmであり、総合判定で×であった。
比較例2はゲート位置αを 60 度とし、樹脂だまりの容積を最小化したものである。成形性は問題なかったが、内径拡張径に劣り総合判定で×であった。
比較例3はゲート位置αを 120 度とし、樹脂だまりの容積を最小値の3分の1にしたものである。このため樹脂だまり部は、射出工程(一次射出工程)時に既に完全充填されてしまっており、射出成形完了時では、波動長の短い側で金型へのハリツキやバリの発生が見られた。このため内径拡張径は問題なかったが、総合判定で×であった。
2 カット部
3 ゲート部
4 樹脂だまり
5 樹脂だまり流入部
6 成形準備工程
7 射出成形工程
8 成形品取り出し工程
Claims (4)
- シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置から離れた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、
前記ゲート痕は、前記カット部を衝合させたときの該カット部対向位置を 0 度とし、該対向位置からシールリング中心角度で 90 度以上、180 度未満離れた位置であることを特徴とする樹脂製シールリング。 - 前記樹脂製シールリングは、前記ゲート痕と、該ゲート痕にシールリングの円周距離で近い側のカット部との間に、樹脂だまり流入部を介して樹脂だまりが設けられた金型を用いて射出成形された成形体であり、
前記樹脂だまり流入部の形状は、射出成形時において樹脂の前記樹脂だまりへの流入抵抗がシールリング部分への流入抵抗以上となる形状であり、
前記樹脂だまりの大きさは、射出成形時においてシールリング部分と同時に完全充填される大きさ以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂製シールリング。 - シールリング内径が 20 mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂製シールリング。
- 成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えた、相互に対向するカット部を有する樹脂製シールリングの製造方法であって、
前記射出成形工程は、前記カット部の対向位置から離れた位置に射出成形用のゲート部と、該ゲート部にシールリングの円周距離で近い側のカット部との間に、樹脂だまり流入部を介して樹脂だまりが設けられた金型を用いて射出成形する工程であり、
前記樹脂だまり流入部の形状は、前記射出成形工程時において樹脂の前記樹脂だまりへの流入抵抗がシールリング部分への流入抵抗以上となる形状であり、
前記樹脂だまりの大きさは、前記射出成形工程時においてシールリング部分と同時に完全充填される大きさ以上であることを特徴とする樹脂製シールリングの製造方法。
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