JP2004205003A - 樹脂製シールリングおよびその製造方法 - Google Patents
樹脂製シールリングおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004205003A JP2004205003A JP2002377069A JP2002377069A JP2004205003A JP 2004205003 A JP2004205003 A JP 2004205003A JP 2002377069 A JP2002377069 A JP 2002377069A JP 2002377069 A JP2002377069 A JP 2002377069A JP 2004205003 A JP2004205003 A JP 2004205003A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seal ring
- resin
- gate
- cut
- gate mark
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Sealing Devices (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】組み込み時の拡張による折損がなく、また、後加工なしでバリなどの形状上の不具合を有しないシールリングおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置からずれた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、上記カット部の一方から上記ゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部から該ゲート痕までの樹脂充填量とが略同一となる金型を用いて射出成形された成形体である。
【選択図】 図1
【解決手段】シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置からずれた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、上記カット部の一方から上記ゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部から該ゲート痕までの樹脂充填量とが略同一となる金型を用いて射出成形された成形体である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートマチックトランスミッション(AT)、無段変速機(CVT)などの油圧機構部に使用される樹脂製シールリングおよびその製造方法に関し、特に射出成形による樹脂製シールリングおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、AT、CVTなどでは作動油を密封するためのオイルシールリングとして、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂などに、炭素繊維などの補強材や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの固体潤滑材を配合した材料をリング状に射出成形したものが多用されている。このようなリングは一部分でカットされており、回転軸などへの組み込み時には該カット箇所を拡張して装着される。その際、カット箇所のリング上での対向部に最大歪みが発生し応力集中が起こるため、該対向部に射出成形用ゲート部やウエルド部が存在する場合、この部分の強度が弱く組み込み時にリングが折損するという問題がある。特に最近では機構の小型化などに伴いリング内径が小径化する傾向にあり、比較的柔軟な素材でも折損しやすくなっている。
この問題を解決する手段として、従来、樹脂をカット箇所の一方の端部近傍から注入するもの(特許文献1参照)、また、ゲート位置をカット箇所のリング上での対向位置からずらした位置に設け折損しにくくする方法(特許文献2参照)などが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−233110号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献2】
特許第3299419号公報 (特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法では、ゲート痕からリング両端のカット部までの流動長およびその体積が同一でないため、流動長の短い方に樹脂の充填を合せると、流動長の長い側で充填不足が生じ、逆に流動長の長い側に合せると、短い側が過充填となりバリが発生しやすいという問題がある。また、特許文献2の方法において、リング状の成形品を得た後にゲートが対向位置となる箇所をさけてカットし、シールリングにする方法も提案されているが、この場合ではシールリングの1箇所に極端に強度の低いウエルド部が生じてしまい、その部分で折損しやすいという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、組み込み時の拡張による折損がなく、また、後加工なしでバリなどの形状上の不具合を有しないシールリングおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂製シールリングは、シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置からずれた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、上記カット部の一方から上記ゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部から該ゲート痕までの樹脂充填量とが略同一となる金型を用いて射出成形された成形体であることを特徴とする。
また、上記ゲート痕は、上記カット部の対向位置から、シールリング中心角度で 30°以上ずれた位置であることを特徴とする。
また、上記金型は、上記ゲート痕と、該ゲート痕にシールリング上距離で近い側のカット部との間に、該カット部からゲート痕までのシールリング体積と、他方のカット部から該ゲート痕までのシールリング体積との差分の 80 〜 120 %の体積を有する樹脂だまりを備えることを特徴とする。
また、シールリング最大内径が 20 mm以下であることを特徴とする。
なお、樹脂充填量が略同一とは、上記カット部の一方からゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部からゲート痕までの樹脂充填量とが± 20 %以内であることをいう。
【0007】
本発明の樹脂製シールリングは、射出成形時のゲート位置をカット部の対向位置からずれた位置とすることにより、組み付け拡張時などにおける折損を防止できるとともに、樹脂だまりなどを設けてゲート痕から両カット部までの樹脂充填量を略同一とした金型を用いて射出成形により成形されることにより、バリの発生などを抑制でき機械的強度および寸法精度に優れる。
【0008】
本発明の樹脂製シールリングの製造方法は、成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えた、相互に対向するカット部を有する樹脂製シールリングの製造方法であって、上記射出成形工程は、上記カット部の対向位置からずれた位置に射出成形用のゲート部と、上記カット部の一方から上記ゲート部までの樹脂充填量と他方のカット部から該ゲート部までの樹脂充填量とが略同一となるよう調整する調整手段とを備えてなるシールリング用金型を用いて射出成形する工程であることを特徴とする法。
また、上記調整手段が、樹脂だまりであることを特徴とする。
【0009】
該製造方法の射出成形時に上記樹脂だまりに余剰分の樹脂が流れ込むなどにより、ゲート部から両カット部までの樹脂充填量を略同一とすることができ、機械的強度および寸法精度に優れたシールリングが得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂製シールリングの一実施例を図1を参照して説明する。図1はシールリング本体と、射出成形時のゲート部および樹脂だまりの位置を併せて示したシールリングの平面図を示す。
シールリング1は、相互に対向するカット端部2a、2bとからなるカット部2と、射出成形時にゲート部3が接合していた箇所であるゲート痕3aとを有している。カット端部の形状は、ストレート、ステップカットなどを採用できるが、シール性に優れていることからステップカットが好ましい。
また、射出成形時には、その成形金型にカット部端2aとゲート痕3aとの間でシールリング内径面に樹脂充填量の調整手段である樹脂だまり4が設けられている。
なお、シールリング完成品は、ゲート部3および樹脂だまり4は取り除かれた形となる。
【0011】
ゲート部3は、シールリングの折損を防止するため、組み付け時に最大歪みが生じるカット部2の対向位置1aからシールリング中心角度でα(α> 0 °)ずらした位置に設けることができる。好ましくは、角度αは 30°以上、好ましくは 90°以上とする。該角度範囲とすることで、ゲート部の位置がシールリング組み付け時に歪みが生じ応力集中の起こる範囲からずれた位置となりシールリングの折損を防止できる。
ゲート部3の形式はサイドゲートなどを適宜採用できるが、後加工が不用であることから、ピンゲート、サブマリンゲートなどが好ましい。また、ゲート部3はシールリング1の内径側、外径側いずれにも設けることができる。オイルシール性に優れる点や後加工が不要となることから内径側に設けることが好ましい。
【0012】
樹脂だまり4は、カット端部2aからゲート痕3aまでの樹脂充填量と、カット部端2bからゲート痕3aまでの樹脂充填量とが略同一となるよう調整するために設けるものであるため、流動長が短く過充填になるカット部端2aとゲート痕3aとの間に設ける。また、その位置を規定するカット部2からのシールリング中心角度βは、樹脂だまり4が短流動長側となる範囲であれば特に限定されないが、0°〜 90°とすることが好ましい。
樹脂だまり4の体積は、カット端部2aからゲート痕3aまでのリング体積と、カット端部2bからゲート痕3aまでのリング体積との差分の 80 〜 120 %の体積とすることが好ましい。樹脂だまり4を該体積とし、短流動長側であるカット端部2aとゲート痕3aとの間に設けることにより、この側の樹脂充填量は、該側のリング体積と樹脂だまり4の体積とを合せた量となり、反対側のカット端部2bからゲート痕3aまでの樹脂充填量と略同一にすることができる。
この結果、ゲート部3を挟み左右での流量バランスが保て、バリの発生などを抑制でき機械的強度および寸法精度に優れる。
【0013】
また、樹脂だまり4の形状は円板、立方体、直方体、球など様々な形状とすることができる。なお、樹脂だまり4と、シールリング1とを結ぶ流路4aを、ピンゲートまたはサブマリンゲート状などに形成しておくことで、後加工が容易になる。また、樹脂だまり4は、ゲート部3と同様にシールリング1の内径側、外径側いずれにも設けることができ、オイルシール性に優れる点や後加工が不要となることから内径側に設けることが好ましい。
【0014】
本発明の樹脂製シールリングの他の実施例を図2を参照して説明する。図2(a)はシールリング本体と、射出成形時のゲート部の位置を併せて示したシールリングの平面図を、図2(b)は図2(a)におけるA−A断面図をそれぞれ示す。
シールリング5は、カット部6の対向位置5aからずれた位置に設けられたゲート部7を挟みその左右で樹脂充填量を略同一とするため、樹脂だまりの代わりに、短流動長側であるカット端部6aとゲート部7間のリング断面5bの面積を、長流動長側であるカット部端6bとゲート部7間のリング断面5cの面積よりも大きくして調整している。
この断面形状の調整は、全体としてゲート部7を挟みその左右で樹脂充填量を略同一となるようにすればよく、断面形状をリングに沿って連続的にまたはステップ状に変化させて調整することもできる。
断面形状の調整を断面5bを例に説明する。断面5bの調整は、径方向の厚みH1または軸方向の幅W1のどちらか一方またはその両方を変化させることで行なうことができる。軸方向は回転軸への組み付け方向であり該方向の幅は全体で一定であることが望ましいので、径方向の厚みH1のみで行なうことが好ましい。また、径方向の厚みの調整は、シール機能保持しやすいことから、内径側で行なうことが好ましい。
【0015】
本発明の樹脂製シールリングの製造方法は、成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えている。成形準備工程および成形品取り出し工程は周知の工程を用いることができ、例えば成形準備工程としては、金型の雄型、雌型とを射出注入時の圧力に耐え得るべく型締めする型締め工程などを、成形品取り出し工程としては、型を所定速度で開く型開き工程、金型内に密着した成形品を油圧力などを利用して取り出す突き出し工程などを用いることができる。
【0016】
射出成形工程は、上記成形準備工程後に、上述のカット部の対向位置からずれた位置に設けられたゲート部、および樹脂だまりなどの樹脂充填量の調整手段を備えた成形金型を用いて射出成形する工程である。射出成形工程終了後、成形品取り出し工程を経てシールリングの成形体が得られる。
また、これらの工程に加え、得られた射出成形体について結晶化度、耐熱性、機械的強度を向上させるためアニール処理を施している。なお、射出成形条件およびアニール条件については、用いる樹脂材料などに応じて適宜決定することができる。該製造方法を用いることにより、ゲート部から両カット部までの樹脂充填量を略同一とすることができ、機械的強度および寸法精度に優れたシールリングが得られる。
【0017】
本発明の製造方法は、任意のサイズのシールリングに適用でき、特に内径が 20 mm以下のシールリングの製造に好適に用いることができる。これは、内径 20 mmをこえるシールリングでは、例えゲート部がカット部の対向位置にあっても、内径の組み込み時の拡張による歪みが比較的小さく支障なく組み込めるが、内径20 mm以下、特に 18 mm 以下のシールリングではこの歪みが大きく拡張中に折損してしまうからである。
【0018】
本発明に用いる樹脂材料は、使用温度において耐熱性と十分な機械的強度を有するものであればよく、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などのポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂などのポリイミド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂などの芳香族系ポリエステル樹脂、46ナイロン、9Tナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂などのポリシアノアリールエーテル樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂やPEEK樹脂などの芳香族ポリエーテルケトン系樹脂などが挙げられる、これらの混合物、例えばPPS樹脂とPAI樹脂のポリマーアロイやPEEK樹脂とポリベンゾイミダゾール樹脂の複合樹脂なども用いることができる。
これらの中で最も好ましいものとしてはPEEK樹脂、PEK樹脂、TPI樹脂などが挙げられる。
【0019】
また、必要に応じて上記樹脂材料に、炭素繊維(CF)やガラス繊維などの繊維状補強材、球状シリカや球状炭素などの球状充填材、マイカやタルクなどの鱗状補強材、チタン酸カリウムウィスカなどの微小繊維補強材を配合でき、また、PTFE樹脂、グラファイト、二硫化モリブデンなどの固体潤滑材、さらにはリン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの摺動補強材も配合できる。これらは単独で配合することも、組み合せて配合することもできる。
【0020】
【実施例】
実施例1〜3
PEEKにCFとPTFEを 10 重量%ずつ配合し樹脂材料として用いた。これを、図3(a)に示す位置にゲート部3および樹脂だまり4を設けた射出成形用金型を用いて、シリンダー温度 420℃、金型温度 185 ℃、射出圧力 100 〜 180 Mpaの条件で射出成形しシールリングを得た。シールリングの寸法は内径 14 mm 、外形 17 mm 、軸方向の幅 1.7 mm である。成形後に図4で示す温度条件でアニール処理を施した。なお、樹脂だまりの体積は、実施例1で0.014cm3、実施例2で0.021cm3、実施例3で0.040cm3とした。
得られたシールリングについて、外観検査を行ない、充填状態とバリの発生状況を調べた。また、シールリングをテーパー冶具に挿入して、シールリングの割れが生じた時のテーパー冶具の外径を測定した。なお充填状態は、外観より充填欠陥が認められないものは○、欠陥が認められるものは×とした。結果を表1に示す。
【0021】
比較例1〜2
図3(b)に示す樹脂だまりを有しない射出成形用金型を用いて、実施例1〜3と同じ材料および条件下で射出成形およびアニール処理を行いシールリングを得た。なお、比較例2においては長流動長側のカット端部にまで樹脂が充填されるよう条件を調整した。得られたシールリングについて実施例1〜3と同じ試験を行なった。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1より、ゲート部がカット部の対向位置にある比較例1では、テーパー冶具をφ18mmまで挿入した場合にゲート部から割れが生じた。また、ゲート位置をカット部対向面からずらしたが樹脂だまりを設けなかった比較例2ではバリが発生した。これに対し各実施例1〜3では、バリの発生は認められず、またテーパー冶具に挿入時においても割れが発生しなかった。
以上より、射出成形時においてゲート部を挟んで左右の樹脂充填量を略同一となるよう調整した各実施例では、バリや割れが発生せず、寸法精度および機械的強度に優れることが分かる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の樹脂製シールリングは、シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置からずれた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、上記カット部の一方から上記ゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部から該ゲート痕までの樹脂充填量とが略同一となる金型を用いて射出成形された成形体であるので、組み付け拡張時などにおける折損を防止できるとともに、バリの発生などを抑制でき機械的強度および寸法精度に優れる。
【0025】
本発明の樹脂製シールリングの製造方法は、成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えた、相互に対向するカット部を有する樹脂製シールリングの製造方法であって、上記射出成形工程は、上記カット部の対向位置からずれた位置に射出成形用のゲート部と、上記カット部の一方から上記ゲート部までの樹脂充填量と他方のカット部から該ゲート部までの樹脂充填量とが略同一となるよう調整する調整手段とを備えてなるシールリング用金型を用いて射出成形する工程であるので、ゲート部から両カット部までの樹脂充填量を略同一とすることができ、機械的強度および寸法精度に優れたシールリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂製シールリングの一実施例の平面図である。
【図2】本発明の樹脂製シールリングの他実施例の平面図および断面図である。
【図3】樹脂製シールリングの各実施例および比較例を示す図である。
【図4】アニール条件を示す図である。
【符号の説明】
1、5 シールリング
2、6 カット部
3、7 ゲート部
4 樹脂だまり
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートマチックトランスミッション(AT)、無段変速機(CVT)などの油圧機構部に使用される樹脂製シールリングおよびその製造方法に関し、特に射出成形による樹脂製シールリングおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、AT、CVTなどでは作動油を密封するためのオイルシールリングとして、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂などに、炭素繊維などの補強材や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの固体潤滑材を配合した材料をリング状に射出成形したものが多用されている。このようなリングは一部分でカットされており、回転軸などへの組み込み時には該カット箇所を拡張して装着される。その際、カット箇所のリング上での対向部に最大歪みが発生し応力集中が起こるため、該対向部に射出成形用ゲート部やウエルド部が存在する場合、この部分の強度が弱く組み込み時にリングが折損するという問題がある。特に最近では機構の小型化などに伴いリング内径が小径化する傾向にあり、比較的柔軟な素材でも折損しやすくなっている。
この問題を解決する手段として、従来、樹脂をカット箇所の一方の端部近傍から注入するもの(特許文献1参照)、また、ゲート位置をカット箇所のリング上での対向位置からずらした位置に設け折損しにくくする方法(特許文献2参照)などが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−233110号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献2】
特許第3299419号公報 (特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法では、ゲート痕からリング両端のカット部までの流動長およびその体積が同一でないため、流動長の短い方に樹脂の充填を合せると、流動長の長い側で充填不足が生じ、逆に流動長の長い側に合せると、短い側が過充填となりバリが発生しやすいという問題がある。また、特許文献2の方法において、リング状の成形品を得た後にゲートが対向位置となる箇所をさけてカットし、シールリングにする方法も提案されているが、この場合ではシールリングの1箇所に極端に強度の低いウエルド部が生じてしまい、その部分で折損しやすいという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、組み込み時の拡張による折損がなく、また、後加工なしでバリなどの形状上の不具合を有しないシールリングおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂製シールリングは、シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置からずれた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、上記カット部の一方から上記ゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部から該ゲート痕までの樹脂充填量とが略同一となる金型を用いて射出成形された成形体であることを特徴とする。
また、上記ゲート痕は、上記カット部の対向位置から、シールリング中心角度で 30°以上ずれた位置であることを特徴とする。
また、上記金型は、上記ゲート痕と、該ゲート痕にシールリング上距離で近い側のカット部との間に、該カット部からゲート痕までのシールリング体積と、他方のカット部から該ゲート痕までのシールリング体積との差分の 80 〜 120 %の体積を有する樹脂だまりを備えることを特徴とする。
また、シールリング最大内径が 20 mm以下であることを特徴とする。
なお、樹脂充填量が略同一とは、上記カット部の一方からゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部からゲート痕までの樹脂充填量とが± 20 %以内であることをいう。
【0007】
本発明の樹脂製シールリングは、射出成形時のゲート位置をカット部の対向位置からずれた位置とすることにより、組み付け拡張時などにおける折損を防止できるとともに、樹脂だまりなどを設けてゲート痕から両カット部までの樹脂充填量を略同一とした金型を用いて射出成形により成形されることにより、バリの発生などを抑制でき機械的強度および寸法精度に優れる。
【0008】
本発明の樹脂製シールリングの製造方法は、成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えた、相互に対向するカット部を有する樹脂製シールリングの製造方法であって、上記射出成形工程は、上記カット部の対向位置からずれた位置に射出成形用のゲート部と、上記カット部の一方から上記ゲート部までの樹脂充填量と他方のカット部から該ゲート部までの樹脂充填量とが略同一となるよう調整する調整手段とを備えてなるシールリング用金型を用いて射出成形する工程であることを特徴とする法。
また、上記調整手段が、樹脂だまりであることを特徴とする。
【0009】
該製造方法の射出成形時に上記樹脂だまりに余剰分の樹脂が流れ込むなどにより、ゲート部から両カット部までの樹脂充填量を略同一とすることができ、機械的強度および寸法精度に優れたシールリングが得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂製シールリングの一実施例を図1を参照して説明する。図1はシールリング本体と、射出成形時のゲート部および樹脂だまりの位置を併せて示したシールリングの平面図を示す。
シールリング1は、相互に対向するカット端部2a、2bとからなるカット部2と、射出成形時にゲート部3が接合していた箇所であるゲート痕3aとを有している。カット端部の形状は、ストレート、ステップカットなどを採用できるが、シール性に優れていることからステップカットが好ましい。
また、射出成形時には、その成形金型にカット部端2aとゲート痕3aとの間でシールリング内径面に樹脂充填量の調整手段である樹脂だまり4が設けられている。
なお、シールリング完成品は、ゲート部3および樹脂だまり4は取り除かれた形となる。
【0011】
ゲート部3は、シールリングの折損を防止するため、組み付け時に最大歪みが生じるカット部2の対向位置1aからシールリング中心角度でα(α> 0 °)ずらした位置に設けることができる。好ましくは、角度αは 30°以上、好ましくは 90°以上とする。該角度範囲とすることで、ゲート部の位置がシールリング組み付け時に歪みが生じ応力集中の起こる範囲からずれた位置となりシールリングの折損を防止できる。
ゲート部3の形式はサイドゲートなどを適宜採用できるが、後加工が不用であることから、ピンゲート、サブマリンゲートなどが好ましい。また、ゲート部3はシールリング1の内径側、外径側いずれにも設けることができる。オイルシール性に優れる点や後加工が不要となることから内径側に設けることが好ましい。
【0012】
樹脂だまり4は、カット端部2aからゲート痕3aまでの樹脂充填量と、カット部端2bからゲート痕3aまでの樹脂充填量とが略同一となるよう調整するために設けるものであるため、流動長が短く過充填になるカット部端2aとゲート痕3aとの間に設ける。また、その位置を規定するカット部2からのシールリング中心角度βは、樹脂だまり4が短流動長側となる範囲であれば特に限定されないが、0°〜 90°とすることが好ましい。
樹脂だまり4の体積は、カット端部2aからゲート痕3aまでのリング体積と、カット端部2bからゲート痕3aまでのリング体積との差分の 80 〜 120 %の体積とすることが好ましい。樹脂だまり4を該体積とし、短流動長側であるカット端部2aとゲート痕3aとの間に設けることにより、この側の樹脂充填量は、該側のリング体積と樹脂だまり4の体積とを合せた量となり、反対側のカット端部2bからゲート痕3aまでの樹脂充填量と略同一にすることができる。
この結果、ゲート部3を挟み左右での流量バランスが保て、バリの発生などを抑制でき機械的強度および寸法精度に優れる。
【0013】
また、樹脂だまり4の形状は円板、立方体、直方体、球など様々な形状とすることができる。なお、樹脂だまり4と、シールリング1とを結ぶ流路4aを、ピンゲートまたはサブマリンゲート状などに形成しておくことで、後加工が容易になる。また、樹脂だまり4は、ゲート部3と同様にシールリング1の内径側、外径側いずれにも設けることができ、オイルシール性に優れる点や後加工が不要となることから内径側に設けることが好ましい。
【0014】
本発明の樹脂製シールリングの他の実施例を図2を参照して説明する。図2(a)はシールリング本体と、射出成形時のゲート部の位置を併せて示したシールリングの平面図を、図2(b)は図2(a)におけるA−A断面図をそれぞれ示す。
シールリング5は、カット部6の対向位置5aからずれた位置に設けられたゲート部7を挟みその左右で樹脂充填量を略同一とするため、樹脂だまりの代わりに、短流動長側であるカット端部6aとゲート部7間のリング断面5bの面積を、長流動長側であるカット部端6bとゲート部7間のリング断面5cの面積よりも大きくして調整している。
この断面形状の調整は、全体としてゲート部7を挟みその左右で樹脂充填量を略同一となるようにすればよく、断面形状をリングに沿って連続的にまたはステップ状に変化させて調整することもできる。
断面形状の調整を断面5bを例に説明する。断面5bの調整は、径方向の厚みH1または軸方向の幅W1のどちらか一方またはその両方を変化させることで行なうことができる。軸方向は回転軸への組み付け方向であり該方向の幅は全体で一定であることが望ましいので、径方向の厚みH1のみで行なうことが好ましい。また、径方向の厚みの調整は、シール機能保持しやすいことから、内径側で行なうことが好ましい。
【0015】
本発明の樹脂製シールリングの製造方法は、成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えている。成形準備工程および成形品取り出し工程は周知の工程を用いることができ、例えば成形準備工程としては、金型の雄型、雌型とを射出注入時の圧力に耐え得るべく型締めする型締め工程などを、成形品取り出し工程としては、型を所定速度で開く型開き工程、金型内に密着した成形品を油圧力などを利用して取り出す突き出し工程などを用いることができる。
【0016】
射出成形工程は、上記成形準備工程後に、上述のカット部の対向位置からずれた位置に設けられたゲート部、および樹脂だまりなどの樹脂充填量の調整手段を備えた成形金型を用いて射出成形する工程である。射出成形工程終了後、成形品取り出し工程を経てシールリングの成形体が得られる。
また、これらの工程に加え、得られた射出成形体について結晶化度、耐熱性、機械的強度を向上させるためアニール処理を施している。なお、射出成形条件およびアニール条件については、用いる樹脂材料などに応じて適宜決定することができる。該製造方法を用いることにより、ゲート部から両カット部までの樹脂充填量を略同一とすることができ、機械的強度および寸法精度に優れたシールリングが得られる。
【0017】
本発明の製造方法は、任意のサイズのシールリングに適用でき、特に内径が 20 mm以下のシールリングの製造に好適に用いることができる。これは、内径 20 mmをこえるシールリングでは、例えゲート部がカット部の対向位置にあっても、内径の組み込み時の拡張による歪みが比較的小さく支障なく組み込めるが、内径20 mm以下、特に 18 mm 以下のシールリングではこの歪みが大きく拡張中に折損してしまうからである。
【0018】
本発明に用いる樹脂材料は、使用温度において耐熱性と十分な機械的強度を有するものであればよく、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などのポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂などのポリイミド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂などの芳香族系ポリエステル樹脂、46ナイロン、9Tナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂などのポリシアノアリールエーテル樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂やPEEK樹脂などの芳香族ポリエーテルケトン系樹脂などが挙げられる、これらの混合物、例えばPPS樹脂とPAI樹脂のポリマーアロイやPEEK樹脂とポリベンゾイミダゾール樹脂の複合樹脂なども用いることができる。
これらの中で最も好ましいものとしてはPEEK樹脂、PEK樹脂、TPI樹脂などが挙げられる。
【0019】
また、必要に応じて上記樹脂材料に、炭素繊維(CF)やガラス繊維などの繊維状補強材、球状シリカや球状炭素などの球状充填材、マイカやタルクなどの鱗状補強材、チタン酸カリウムウィスカなどの微小繊維補強材を配合でき、また、PTFE樹脂、グラファイト、二硫化モリブデンなどの固体潤滑材、さらにはリン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの摺動補強材も配合できる。これらは単独で配合することも、組み合せて配合することもできる。
【0020】
【実施例】
実施例1〜3
PEEKにCFとPTFEを 10 重量%ずつ配合し樹脂材料として用いた。これを、図3(a)に示す位置にゲート部3および樹脂だまり4を設けた射出成形用金型を用いて、シリンダー温度 420℃、金型温度 185 ℃、射出圧力 100 〜 180 Mpaの条件で射出成形しシールリングを得た。シールリングの寸法は内径 14 mm 、外形 17 mm 、軸方向の幅 1.7 mm である。成形後に図4で示す温度条件でアニール処理を施した。なお、樹脂だまりの体積は、実施例1で0.014cm3、実施例2で0.021cm3、実施例3で0.040cm3とした。
得られたシールリングについて、外観検査を行ない、充填状態とバリの発生状況を調べた。また、シールリングをテーパー冶具に挿入して、シールリングの割れが生じた時のテーパー冶具の外径を測定した。なお充填状態は、外観より充填欠陥が認められないものは○、欠陥が認められるものは×とした。結果を表1に示す。
【0021】
比較例1〜2
図3(b)に示す樹脂だまりを有しない射出成形用金型を用いて、実施例1〜3と同じ材料および条件下で射出成形およびアニール処理を行いシールリングを得た。なお、比較例2においては長流動長側のカット端部にまで樹脂が充填されるよう条件を調整した。得られたシールリングについて実施例1〜3と同じ試験を行なった。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1より、ゲート部がカット部の対向位置にある比較例1では、テーパー冶具をφ18mmまで挿入した場合にゲート部から割れが生じた。また、ゲート位置をカット部対向面からずらしたが樹脂だまりを設けなかった比較例2ではバリが発生した。これに対し各実施例1〜3では、バリの発生は認められず、またテーパー冶具に挿入時においても割れが発生しなかった。
以上より、射出成形時においてゲート部を挟んで左右の樹脂充填量を略同一となるよう調整した各実施例では、バリや割れが発生せず、寸法精度および機械的強度に優れることが分かる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の樹脂製シールリングは、シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置からずれた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、上記カット部の一方から上記ゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部から該ゲート痕までの樹脂充填量とが略同一となる金型を用いて射出成形された成形体であるので、組み付け拡張時などにおける折損を防止できるとともに、バリの発生などを抑制でき機械的強度および寸法精度に優れる。
【0025】
本発明の樹脂製シールリングの製造方法は、成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えた、相互に対向するカット部を有する樹脂製シールリングの製造方法であって、上記射出成形工程は、上記カット部の対向位置からずれた位置に射出成形用のゲート部と、上記カット部の一方から上記ゲート部までの樹脂充填量と他方のカット部から該ゲート部までの樹脂充填量とが略同一となるよう調整する調整手段とを備えてなるシールリング用金型を用いて射出成形する工程であるので、ゲート部から両カット部までの樹脂充填量を略同一とすることができ、機械的強度および寸法精度に優れたシールリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂製シールリングの一実施例の平面図である。
【図2】本発明の樹脂製シールリングの他実施例の平面図および断面図である。
【図3】樹脂製シールリングの各実施例および比較例を示す図である。
【図4】アニール条件を示す図である。
【符号の説明】
1、5 シールリング
2、6 カット部
3、7 ゲート部
4 樹脂だまり
Claims (6)
- シールリングの相互に対向するカット部と、該カット部の対向位置からずれた位置に射出成形時のゲート痕とを有する樹脂製シールリングであって、
前記カット部の一方から前記ゲート痕までの樹脂充填量と、他方のカット部から該ゲート痕までの樹脂充填量とが略同一となる金型を用いて射出成形された成形体であることを特徴とする樹脂製シールリング。 - 前記ゲート痕は、前記カット部の対向位置から、シールリング中心角度で 30°以上ずれた位置であることを特徴とする請求項1記載の樹脂製シールリング。
- 前記金型は、前記ゲート痕と、該ゲート痕にシールリング上距離で近い側のカット部との間に、該カット部からゲート痕までのシールリング体積と、他方のカット部から該ゲート痕までのシールリング体積との差分の 80 〜 120 %の体積を有する樹脂だまりを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂製シールリング。
- シールリング最大内径が 20 mm以下であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の樹脂製シールリング。
- 成形準備工程と、射出成形工程と、成形品取り出し工程とを備えた、相互に対向するカット部を有する樹脂製シールリングの製造方法であって、
前記射出成形工程は、前記カット部の対向位置からずれた位置に射出成形用のゲート部と、前記カット部の一方から前記ゲート部までの樹脂充填量と他方のカット部から該ゲート部までの樹脂充填量とが略同一となるよう調整する調整手段とを備えてなるシールリング用金型を用いて射出成形する工程であることを特徴とする樹脂製シールリングの製造方法。 - 前記調整手段が、樹脂だまりであることを特徴とする請求項5記載の樹脂製シールリングの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002377069A JP2004205003A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 樹脂製シールリングおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002377069A JP2004205003A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 樹脂製シールリングおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004205003A true JP2004205003A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32814359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002377069A Withdrawn JP2004205003A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 樹脂製シールリングおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004205003A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008535597A (ja) * | 2005-04-12 | 2008-09-04 | ヴェケーラー、フランツ | 歯科用成型品の製造方法 |
EP2327858A3 (en) * | 2009-11-25 | 2012-02-08 | United Technologies Corporation | Composite slider seal for turbojet penetration |
JP2012508119A (ja) * | 2008-10-16 | 2012-04-05 | ビクトレックス マニュファクチャリング リミテッド | ポリマー材料 |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002377069A patent/JP2004205003A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008535597A (ja) * | 2005-04-12 | 2008-09-04 | ヴェケーラー、フランツ | 歯科用成型品の製造方法 |
JP2012508119A (ja) * | 2008-10-16 | 2012-04-05 | ビクトレックス マニュファクチャリング リミテッド | ポリマー材料 |
EP2327858A3 (en) * | 2009-11-25 | 2012-02-08 | United Technologies Corporation | Composite slider seal for turbojet penetration |
US8523514B2 (en) | 2009-11-25 | 2013-09-03 | United Technologies Corporation | Composite slider seal for turbojet penetration |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101835911B1 (ko) | 복합 미끄럼 베어링 | |
US8028997B2 (en) | Resin seal ring and manufacturing method | |
JP6386814B2 (ja) | シールリング | |
KR102468516B1 (ko) | 시일 링 | |
KR20050018804A (ko) | 몰드성형 볼조인트를 위한 투피스형 베어링셀 | |
JP4215785B2 (ja) | 合成樹脂製の複合ステップカット型シールリングの製造方法 | |
US5628519A (en) | Oil seal ring of synthetic resin having angularly displaced injection point | |
US20190226525A1 (en) | Sliding member | |
JP2019105374A (ja) | シールリングの製造方法 | |
JP2004205003A (ja) | 樹脂製シールリングおよびその製造方法 | |
JP2013155846A (ja) | シールリング | |
JPH0875007A (ja) | 合成樹脂製シールリング | |
JP2004353760A (ja) | 樹脂製シールリング | |
JP6109537B2 (ja) | 電動オイルポンプのシール構造 | |
JP4299118B2 (ja) | 樹脂製シールリングの製造方法 | |
JP2007078041A (ja) | 樹脂製シールリング | |
JP5841186B2 (ja) | 複合滑り軸受 | |
WO2022202605A1 (ja) | シールリングの製造方法および成形金型 | |
JP2005307090A (ja) | 油中摺動材用樹脂組成物、油中摺動材およびシールリング | |
JP2001004032A (ja) | 樹脂製シールリング | |
JP2008111477A (ja) | シールリング | |
JP4251860B2 (ja) | シールリング | |
JP2000225649A (ja) | 潤滑剤入りゴムの成形方法及びオイルシール | |
JP5806363B2 (ja) | 複合滑り軸受の製造方法 | |
JP2009275531A (ja) | ロータリコンプレッサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051114 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070629 |