JP2008535597A - 歯科用成型品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

義歯用成型品を製造するために、所望の歯科用成型品の形成用モデル(7)を例えばワックスで作る。このモデルを耐熱性の金型形成材料(9)に埋め込む。この金型形成材料(9)を硬化させ、前記モデル(7)を金型形成材料(9)から取り除いて、所望の歯科用成型品の陰画に相当する金型空洞(11)を形成する。加工温度に加熱した熱可塑性材料を、圧力のもとで、前記形成した金型形成材料(9)の金型空洞(11)へと導入し、固化後に、所望の歯科用成型品を形成している熱可塑性材料を取り出す。前記金型形成材料(9)は、前記熱可塑性材料の導入時に、前記金型空洞(11)の領域において少なくとも150℃の温度を有している。

Description

本発明は、請求項1の前段の部分に記載した歯科用成型品の製造方法に関する。
射出成型による義歯の製造方法または注入法は、歯科工学の分野において知られている。
そのような方法が、独国特許出願公開第1779542号に記載されている。そこでは、キュベット(cuvette)の金型空洞の一様な充填を達成し、仕上がりの義歯の構造内に渦が存在しないようにすることによって仕上がりの義歯の特性を向上させるために、カートリッジ内に配置された熱可塑性材料を液化させ、約摂氏50度へと温度調節されたキュベットの金型空洞へと高圧かつきわめて高速(1秒の数分の1)で注入することが提案されている。このきわめて高速な注入によって金型空洞がより良好に満たされるが、形状が複雑であり、流れの経路が長い場合には、充分に満たされない場所が存在するという不都合がたびたび生じる。さらに、このようにして製造された義歯部品が、強度および寸法精度にきわめて乏しく、これらの技法では長寿命かつ高品質の義歯を製造できないことが明らかになっている。
さらなる方法が、EP 0 917 860 B1から知られている。これは、残りの歯へと固定することができる歯科用成型品であって、少なくとも1つの交換用の歯を取り付けることができる歯科用成型品として、骨組みを製造することに関係している。使用されている芳香族の熱可塑性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。PEEKは、優れた機械的特性を有するプラスチックであるが、この公知の方法によって製造された義歯の強度は、きわめて期待を裏切るものである。さらに、この公知の方法は、補強繊維を有する熱可塑性材料の加工には使用することができない。
さらに、歯科用工学において、突起(セラミック組成物を金型空洞へと押し込むべくプランジャが導入される予備プレス空間の陰画(negative)に相当する)を備える基部部材を有するマフル(muffle)において金型形成材料(molding compound)を使用して、プレス可能なセラミックから歯科用成型品を製造することが知られている(DE 101 36 584 A1号)。セラミックはクラック割れを示す傾向にあるため、このような方法では、別個独立の歯冠しか製造することができず、最大でも限られた領域(荷重の小さい前歯領域)のための3単位のブリッジしか製造することができない。さらには、プレス可能なセラミックがクラック割れを生じやすいことに関係し、生じる咀嚼力ゆえに、歯冠ならびにブリッジ・アンカを、1.5mmを下回らないで最小限の壁厚さにて被せなければならない。この結果、例えば歯冠の場合に、残りの生まれついての歯を、或る準備高さまで削らなければならず、これが、場合によっては、歯神経の傷および敏感化を生じうる。残根の領域における歯科用成型品の壁厚さが大きくなるほど、歯科医は、より多く生まれつきの歯を削って歯質を除去しなければならず、したがって上述の不都合が生じる。残根の侵襲的な準備が最小限でよい高い強度の非金属の義歯が、歯科において望まれている。
独国特許出願公開第1779542号 欧州特許第0917860B1号 独国特許出願公開第10136584A1号
本発明の課題は、簡単な方法で製造することが可能であり、たとえ細い骨組みの設計であっても等方性による高い強度および寸法精度を有している義歯を提供することにある。
これは、本発明によれば、請求項1によって特徴付けられる方法によって達成される。従属請求項が、本発明の好ましい実施の形態を提供する。さらに、本発明の方法を実行するための好ましい装置、ならびに好ましいブランク材および好ましい歯科用成型品が、特許請求の範囲に記載される。
本発明の方法によれば、金型形成材料が、熱可塑性材料を金型空洞へと導入するときに、少なくとも金型空洞の領域において、少なくとも150℃、好ましくは少なくとも200℃、とくには250℃超の温度を有している。このように金型形成材料を強く加熱することによって、機械的特性が改善されるとともに、内部応力ならびに収縮および反りが低減され、良好な寸法安定性および寸法精度が機械的特性の改善とともに歯科用成型品にもたらされる。とりわけ、機械的特性があらゆる方向について安定化されるため、すべての方向に同じ機械的特性を有する歯科用成型品において、等方性の挙動が生じる。これは、咀嚼の荷重によって周期的な力が生じ、さらに歯の固有の移動性によってきわめて強いねじりの荷重が歯科用成型品に生じるため、口腔の領域においてきわめて重要である。
研究によれば、従来技術の方法においては、加工温度に加熱された熱可塑性材料が、低温または中程度に暖かい金型形成材料の金型空洞へと導入されるときに、プレスのプロセスによって配向された熱可塑性材料の分子の凝固が、流れの方向に関して生じることが示されている。加熱された熱可塑性材料が金型形成材料の内側の低温の壁(湯口、金型空洞)に触れるとすぐに、歯科用成型品の表面領域の固化が生じる。熱可塑性材料の内側において、依然として加工温度に或る領域が、圧力によって金型空洞へとさらに押し込まれ、結果として歯科用成型品の断面において、異なる温度の領域ならびに異なる形態構造または層が生じる。これにより、機械的特性がきわめて強く損なわれ、異方性を有しねじり荷重の能力に乏しい歯科用成型品がもたらされる。さらにこれは、きわめて強い内部応力を生じさせ、一方では機械的特性を大いに損ない、他方では歯科用成型品の反りにつながって、寸法精度および寸法安定性に悪影響をもたらす。
とくに半結晶の熱可塑性材料において、この迅速な固化が、熱可塑性材料の結晶化をきわめて強く妨げ、限られた程度の結晶化しか達成することができない。この限られた程度の結晶化ゆえに、歯科用成型品の密度、したがって機械的特性が低くなってしまう。また、半結晶の熱可塑性材料において、スフェルライト(spherulite)の激しいサイズの相違および不均一な分布を生じさせる。この限られた程度の結晶化、ならびにスフェルライトの不均一さおよびサイズの相違が、強い内部応力および収縮を引き起こし、結果として機械的特性および寸法精度(反り)を損なうことになる。
さらに、従来技術の方法においては、歯科用成型品の製造の完了後に、事後の結晶化プロセスが生じ、これがときには数週間または数ヵ月も続きうることが確認されている。熱可塑性材料POMなど、殊にはTgが摂氏100度未満であり、とくにはTgが摂氏50度未満である熱可塑性材料は、強い事後の結晶化を示す傾向にある。この事後の結晶化においても、やはり事後の収縮およびさらなる内部応力が生じ、結果として寸法精度に悪影響を及ぼす。これは、このようにして製造されて、さらなるプラスチックで覆われ、あるいは他の方法で化粧仕上げを施される歯科用成型品において生じうる接合の問題、とくには寸法の変化および反りに起因する化粧層の予期せぬ脱落の原因でもある。
これらの不都合は、とくには非晶質の熱可塑性材料であるが、非晶質の熱可塑性材料および半結晶の熱可塑性材料の両者に関係する。
本発明の方法による歯科用成型品の製造は、とくには半結晶の熱可塑性材料において、加工温度と金型形成材料の温度との間の相違に依存するこれら上述の不都合のすべてを大幅に軽減し、金型形成材料の温度が加工温度に一致するならば、上述の不都合を完全になくすことができる。これが、同じサイズのスフェルライトの均質かつ一様な分布および形成をもたらし、したがって密度が高くなり、内部応力および収縮ならびに反りが回避される。さらに、熱可塑性材料を、導入および冷却時に前もって理想的に結晶化させることができるため、事後の結晶化も回避される。
本発明によれば、金型空洞の領域の金型形成材料を加熱することで、熱可塑性材料の望ましくない凝固および固化が回避され、これに関連して分子の配向が回避される。
本発明に従って製造された場合、繊維補強の熱可塑性材料において、上述の不都合に加えて補強繊維の配向も防止され、したがって歯科用成型品がすべての方向について等方性の機械的特性および寸法安定性を有する。
本発明による熱可塑性材料の歯科用成型品の製造は、形態構造の一様な形成をもたらし、歯科用成型品に、優れた機械的特性、とくには歯科用成型品などにおける周期的に続く荷重において主として必要とされるきわめて高い割れ強度をもたらす。
さらに、本発明の方法は、歯科用成型品の密度、したがって硬さを向上させる。靱性も向上し、さらには収縮が回避され、したがって高度に優れた歯科用成型品の寸法精度がもたらされる。
さらに、本発明による金型空洞の領域の金型形成材料の高温は、歯科用成型品の全領域において一様な温度分布を達成することで、歯科用成型品の機械的強度の低下および反りにつながりかねない歯科用成型品の内部の冷却および配向の応力を防止する。
外表面における分子の配向は、金型形成材料の温度だけでなく、導入の速度およびそれに関するせん断応力にも依存する。この理由で、加熱した熱可塑性材料を、好ましくはゆっくりと金型空洞へと導入することが好ましい。
本発明の方法は、内部の分子の応力だけでなく、内部の冷却応力をも防止する。
当然ながら、金型形成材料に金型空洞を金型形成材料の外側へと接続する接続要素が存在する場合、あるいは予備プレスの空間が存在する場合には、それらの領域も、最適な機能のために金型空洞とほぼ同じ温度まで加熱される。
本発明によれば、金型空洞の壁の温度が高いことで、熱可塑性材料の分子が流れの方向に配向することがなく、したがって歯科用成型品の高いねじり強度が保証される。
このように、本発明の歯科用成型品は、天然の歯のサスペンション装置(シャーピー繊維(Sharpey's fibers))によって引き起こされる咀嚼行為の際のきわめてさまざまな方向に生じる大きなねじり力にも耐える。歯科用成型品の等方性ゆえの高いねじり強度は、本発明のあらゆる義歯にとって好都合であり、すなわち歯冠、ブリッジ、埋め込み迫台(implant abutment)、などといった固定式の義歯だけでなく、着脱式の義歯にとっても好都合である。
本発明の方法は、例えば口蓋プレート(palatal plate)または口蓋バー(palatal bar)、とくには残りの歯への取り付けのための留め具(clasp)など、現時点においてモデル鋳造技法によって金属から製造されているすべての歯科用成型品を形成するためにとくに使用することができる。きわめて一般的には、本発明の方法は、上顎または下顎のための着脱式の義歯の製造にとくに適している。また、基部プレートなど、とくには総義歯のための補強要素の製造にも使用することができる。
とくには、本発明の方法を、歯冠、ブリッジ、および埋め込み迫台、ならびに細身の設計および高い強度を有する取り付け技法のための部品を製造するために使用することができる。さらなる利点は、本発明の方法によって製造される歯科用成型品を、歯冠、ブリッジ、および埋め込み迫台など、長期にわたって恒久的に固定される義歯に使用することにある。これまでの熱可塑性材料は、このような用途においては、上述の乏しい強度値が繰り返しの荷重のもとで歯科用成型品の割れにつながるがために、一時的な使用の可能性しか有していない。
本発明の方法によれば、金型形成材料の金型空洞の領域の温度が、好ましくは、加工温度に加熱された熱可塑性材料が金型形成材料の金型空洞へと導入されるとき、熱可塑性材料の加工温度よりも下回り、100℃以下である。とくには、金型形成材料の金型空洞の領域の温度は、熱可塑性材料が導入されるときの熱可塑性材料の加工温度よりも下回り、50℃以下、好ましくは15℃以下である。熱可塑性材料の加工温度とは、熱可塑性材料が圧力のもとで金型形成材料の金型空洞へと導入される温度である。
非晶質の熱可塑性材料においては、加工温度はガラス転位温度(Tg)よりも高く、半結晶の熱可塑性材料においては、溶融温度よりも高い。
半結晶の熱可塑性材料の加工においては、金型形成材料が、好ましくは無充填の熱可塑性材料の融点に一致する温度まで、あるいはそれよりも高く加熱される。
芳香族の熱可塑性材料においては、加工温度は、通常は300℃よりも上であり、とくには330℃よりも上である。
加工温度は、熱可塑性材料が補強繊維などによって補強される場合には高くされる。すなわち、補強なしのポリアリールエーテルケトンの加工温度は、ケト基に対するエーテル基の比に依存して約摂氏330度〜摂氏400度であり、補強され、あるいは他の方法で充填されたポリアリールエーテルケトンにおいては、約摂氏360度〜摂氏450度である。
本発明の歯科用成型品は、とくにはインレー(inlay)、オンレー(onlay)、歯冠、ブリッジ、ルート・ピン(root pin)、ポスト迫台(post abutment)、雄および/または雌の部品を有する取り付け部品、あるいは埋め込み迫台を形成できる。また、本発明の歯科用成型品は、さらなるプラスチックによって化粧張りされる骨組み部品のみを形成することもできる。また、本発明の歯科用成型品へと人工の歯を装着することができる。さらに、歯科用成型品は、着脱式の義歯の部品、主として荷重支承部品または固定用の留め具を形成することができる。
本発明によって製造される歯科用成型品は、通常は、審美的な理由で、例えば適切に着色することができる従来技術において公知の光硬化プラスチックによって化粧張りされる。
本発明に方法によれば、例えば歯冠などといった歯科用成型品を、高い強度を失うことなくきわめて薄く構成することができる。金型形成材料が強く加熱されるため、熱可塑性材料を、機械的特性の低下または反りの発生を生じうる形態的不均一または内部応力を歯科用成型品に生じさせることなく、きわめて狭い空洞にも押し込むことができる。
これは、好ましいことに、補強繊維または同様の充填材を含んでいる熱可塑性材料にも当てはまる。したがって、本発明によれば、最小限の侵襲の義歯を実現することができる。
補強繊維の他に、熱可塑性材料を、例えばウィスカまたは中空ガラス微小球などの機能性充填材で補強することができる。
このように、本発明の方法は、補強繊維を有する薄肉の成型品の製造にとくに適している。これは、例えば、歯冠の覆いの先細りの端部をきわめて薄く構成できるようにする。しかしながら、これは、口蓋プレート、着脱式の義歯の固定用の留め具、あるいは薄肉部分を有する他の歯科用成型品にも当てはまる。
本発明の歯科用成型品の形成用モデルは、好ましくは、生成的製造法(ラピッド・プロトタイピング)によって製造される。このような方法は、形成用モデルを、歯科印象または歯モデルの精巧な製造を必要とすることなく、コンピュータの内部データ・モデルにもとづいて製造できるようにする。歯科医が前もって口腔の歯の状態をスキャンし、これらのデータ(任意選択で、使用される材料に合わせてコンピュータ上で調節できる)にもとづいて、形成用モデルが、ステレオリソグラフィ(STLまたはSLA)、選択的レーザ焼結(SLS)、レーザ生成、溶融堆積モデリング(FDM)、積層オブジェクト・モデリング(LOM)、3D印刷、コンター・クラフティング(CC)、およびマルチジェット・モデリングなどといった生成的技法によって、残留物を残さずに除去可能な材料から製造される。
本発明による歯科用成型品の製造に使用される熱可塑性材料は、好ましくは芳香族の熱可塑性材料であり、とくには主鎖にアリール基を有している芳香族の熱可塑性材料である。主鎖にアリール基を有している適切な芳香族の熱可塑性材料は、とくにはポリアリレート、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、液晶高分子(とくには液晶ポリエステル)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、またはポリアリールエーテルケトン、ならびに上述のポリマーのうちの少なくとも2つからなるコポリマー、または上述の芳香族の熱可塑性材料のうちの少なくとも2つからなる混合物、などの高温熱可塑性材料である。
ここで、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、あるいはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)または同様のエーテル単位およびケト単位の結合、前記ポリアリールエーテルケトンのうちの少なくとも2つからなるさらなるコポリマー、または前記ポリアリールエーテルケトンのうちの少なくとも2つからなる混合物など、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)を使用することがとくに好ましい。
エーテル基とケト基の比が約1:1であるポリアリールエーテルケトン(例えば、PEEKK)、またはエーテル基よりも多くのケト基が存在しているポリアリールエーテルケトン(例えば、PEKK)を使用することがとくに好ましい。そのようなポリアリールエーテルケトンは、より高いTgを有し、したがってより高い強度を有しているが、より高いTgゆえ、より高い加工温度およびより狭い加工窓を有している。この場合も、本発明によれば、公知の欠点を回避しつつ、高い強度の歯科用成型品を得ることができる。
きわめて一般的には、本発明の方法を、芳香族鎖の構造ゆえにきわめて硬い押し出しプロセスのための自己強化の熱可塑性材料(いわゆる、剛体棒ポリマー)など、他の通常の射出成型装置においては容易には加工できず、あるいはまったく加工できない熱可塑性材料から歯科用成型品を製造するために使用することができる。
ポリアリールエーテルケトンは、交互の荷重に対する優れた耐性、優れたクリープ強度、形態安定性、および耐熱性を特徴とする。本発明は、これらに良好な加工性を追加する。また、上記の熱可塑性材料は、高い加工温度においても熱酸化の傾向を示さず、したがって加工装置を傷めかねない気体を生じさせる可能性がない。上記のポリアリールエーテルケトンのさらなる利点は、水分を吸収する能力が小さい点にあり、これはとくには口腔の領域において重要である。
本発明によれば、充填材を含んでいる熱可塑性材料を使用することが好ましい。本発明に関して、充填材とは、熱可塑性材料への任意の添加物として理解される。とくには、それらは、着色添加剤または補強繊維、あるいは加工性、機械的特性、または熱特性を変化させる任意の機能的充填材などの充填材である。
このように、本発明によれば、熱可塑性材料が、総計で10重量%超、好ましくは30重量%超の充填材を含むことができる。また、補強繊維の含有量が、少なくとも25重量%、とくには少なくとも30重量%であってよい。しかしながら、顕著に多い含有量も可能であり、例えば補強繊維の含有量が、70重量%超、とくには90重量%以上であってよい。
特別な利点は、本発明の方法が、直径が3ミクロン〜15ミクロンの補強繊維で充填され、繊維成分の体積が30体積%よりも多く、好ましくは40体積%よりも多く、とくに好ましくは50体積%よりも多い熱可塑性材料を加工できるようにする点にある。
本発明の方法による繊維補強歯科用成型品の製造におけるさらなる特別な利点は、繊維の損傷が大いに低減される点にある。金型形成材料を熱可塑性材料の加工温度(半結晶の熱可塑性材料の場合には熱可塑性材料の溶融温度を上回る)へと加熱することで、繊維の損傷および繊維の短縮が完全に防止され、したがって繊維が歯科用成型品において、使用したブランク材における長さと同じ長さを有する。
熱可塑性材料に補強繊維を充填することは、補強の効果に加えて、収縮の低減、より良好な寸法安定性および寸法精度、ならびに水分の吸収のさらなる低減という利点も含んでいる。これらの利点は、歯科用成型品を口腔領域に正確に装着するためにきわめて重要である。
考えられる補強繊維は、合成繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、など、すべての公知の有機および無機の繊維状材料である。3ミクロン〜25ミクロンの間の繊維直径を有する繊維を使用することが好ましく、5ミクロン〜13ミクロンの繊維直径を有する繊維がとくに好ましい。
さらなる好ましい実施の形態は、熱可塑性材料においてナノ繊維を使用することである。
金型形成材料の金型空洞への熱可塑性材料の注入は、本発明によれば、低速で行われ、好ましくは1秒を超え、好ましくは3秒を超え、とくには6秒を超える時間期間にて行われる。これにより、高い金型形成材料の温度との相互作用において、上述の欠点を伴う流れの方向への分子の配向、または補強繊維が存在する場合には、それらの配向が防止される。さらに、分子鎖の破断につながりかねず、したがって機械的特性の低下につながりかねない熱可塑性材料溶融物におけるせん断荷重も回避される。さらに、せん断が回避されることで、充填材の不都合な障害、とくには繊維の損傷が防止される。
熱に対して敏感であって、とくには熱酸化を示す傾向にあり、したがって機械的特性の劣化を示す傾向にある熱可塑性材料においては、加熱された金型形成材料の金型空洞への熱可塑性材料の導入を、真空中あるいは例えば窒素またはアルゴンなどの不活性ガスの雰囲気中で行うことが、好都合であることが明らかになっている。
熱可塑性材料を金型空洞へと導入した後で、圧力のもとで金型形成材料内で熱可塑性材料製の歯科用成型品の冷却を実行すると好都合であることも、明らかになっている。
この目的のため、多少なりとも大きな圧力を、熱可塑性材料を金型空洞へと導入したプランジャによって維持することができる。これにより、収縮を生じることなく、高い寸法精度を得ることができる。
金型形成材料内の熱可塑性材料製の歯科用成型品は、好ましくは、例えば冷却装置に配置することによって、ファンによって、あるいは空気または不活性ガスでパージを行うことによって、加速された様相で冷却される。金型形成材料内での熱可塑性材料製の歯科用成型品の冷却は、好ましくは、20℃/分未満、とくには10℃/分未満、とくに好ましくは5℃/分未満の速度で実行される。
本発明の方法において予備乾燥させた熱可塑性材料を使用すると好都合であることも、明らかになっている。予備乾燥によって、歯科用成型品の気泡や筋などにつながりかねない残余の水分が取り除かれる。予備乾燥は、好ましくは、例えばPEEKにおいて約150℃で少なくとも3時間など、130℃を超える温度にて、好ましくは数時間にわたって行われる。
予備乾燥させた熱可塑性材料は、好ましくは真空パックされた形態で、加工のために利用することができる。これにより、歯科技工所における加工の前に熱可塑性材料の予備乾燥を行う必要がない。
さらに、既成のブランク材またはペレットの形態の熱可塑性材料を使用すると好都合であることも、明らかになっている。ブランク材は、好ましくは、製造しようとする歯科用成型品に実質的に一致する体積を有している。すなわち、歯科技師は、例えば歯冠の覆いなどといった特定の歯科用成型品のために、これに一致するサイズのブランク材を使用することができる。本発明に従って好ましく使用されるポリアリールエーテルケトンおよび主鎖にアリール基を有している他の芳香族の熱可塑性材料が、場合によってはきわめて高価につく材料であり、したがって材料の過剰な無駄を避けなければならないことを、考慮しなければならない。すなわち、既成のブランク材は、好ましくは、金型空洞の体積に、金型空洞を金型形成材料の外側へと接続するために任意選択で存在する接続要素の体積を加え、さらに例えば最大25体積%の安全代を加えた体積に一致する体積を有する。
ブランク材は、熱可塑性材料が一様に可塑化された形態で存在し、空気を含んでおらず、充填材および補強繊維が使用されている場合に、それらがすでに熱可塑性材料の母材に一様に分散しているという利点を有している。さらに。圧縮されたブランク材またはプレフォームによれば、より小さな予備プレス空間で済ませることができる。
ブランク材は、例えば円柱形、角柱状、環状または中空円筒状であるように構成された所望の任意の形態を有することができる。ブランク材を、例えば押し出し、射出成型、トランスファ成形、または圧縮成形によって形成することができる。
既成のブランク材を、環状またはディスク状であるように、すなわち高さよりも大きな幅を有するように構成することが可能である。しかしながら、幅よりも高さの方が大きいブランク材を使用することが好ましい。これにより、プランジャの作用する面積が力に比例して小さくなるため、同じ力のプレス用プランジャでより大きな圧力を生み出すことができる。
金型形成材料を、熱可塑性材料を収容するための予備プレス空間を備えて製造することが好ましい。これにより、圧力の印加によって熱可塑性材料を金型空洞へと容易に導入することができる。
金型空洞へと導入への熱可塑性材料の導入は、例えば押し出し、注入、などといった任意の所望のやり方で達成できる。しかしながら、プレス法を使用することが好ましい。これは、プレス用プランジャまたは他のプランジャ状の要素を使用して行うことができる。予備プレス空間は、ブランク材が配置されてプランジャが導入される空間である。ブランク材を、予備プレス空間への導入に先立って加熱し、その後に予備プレス空間において高温の金型形成材料によってさらに加熱することができる。予備プレス空間を形成するために、ワックス、プラスチック、もしくは同様の溶融可能であり、燃やすことが可能であり、あるいは他の方法で残留物を残すことなく取り除くことが可能である材料で製作された型材を、金型形成材料へと埋め込み、金型形成材料の硬化の後に残留物を残すことなく取り去ることが可能である。しかしながら、予備プレス空間のための型材を、マッフル基部へと接続し、金型形成材料の硬化の後に取り去ることも可能である。予備プレス空間のための型材およびマッフル基部は、同じ材料から作られるユニットを形成することができる。
ブランク材を、冷たい状態または予熱された状態で予備プレス空間へと導入することができるが、好ましくは少なくとも150℃まで予熱され、とくには加工温度のすぐ近くまで予熱され、次いで金型形成材料によって加工温度に加熱される。
プレス用プランジャも、好ましくは、熱可塑性材料の導入に先立って、少なくとも150℃まで予熱され、好ましくは加工温度のすぐ近くまで予熱される。
予備プレス空間をプランジャによって密封するために、プランジャは、好ましくは、金型形成材料と同じ熱膨張係数を有している。したがって、プランジャも、好ましくは、少なくとも前部領域において金型形成材料で構成されている。
ブランク材を、金型形成材料とは別個に、鞘に入れて例えばオーブンで予熱すると好都合であることが分かっている。例えば金属、セラミック、または金型形成材料で作られる鞘の内径は、プレス用プランジャの外径に実質的に一致する。鞘は、底部を有することができる。次いで、底部に、熱可塑性材料を金型空洞へと導入するための通路が設けられる。金型形成材料が予備プレス空間を有する場合には、鞘の外径が、予備プレス空間の直径に実質的に一致する。しかしながら、いずれの場合でも、そのような鞘を、金型形成材料を取り付けている金型形成材料の外側に取り付けることも可能である。
さらに、金型形成材料および任意選択でプレス用プランジャが、例えばオーブンにて少なくとも150℃という本発明の温度に前もって加熱される場合、加工プロセスにおける金型形成材料のさらなる加熱を、任意選択で完全に省略することが可能である。その結果、ブランク材に圧力を加えるため、かつ/または歯科用成型品の冷却(取り出し)の際に圧力を加えるために、きわめて単純に構成された装置を使用することが可能になる。すなわち、例えば案内されたおもりまたはばねによって、熱可塑性材料を金型空洞へと押し込むため、かつ/または事後の圧力を維持するために、プレス用プランジャに荷重を加えることができる。
好ましくは、金型形成材料が、オーブンにて熱可塑性材料の加工温度を上回って加熱される。次いで、予熱済みであるが流動可能ではないブランク材が予備プレス空間へと挿入され、プランジャによって圧力が加えられる。金型形成材料の絶縁性ゆえ、蓄えられた熱が熱可塑性材料へと放出されて、熱可塑性材料が加工温度に達し、したがって流動性に達した後に、精巧な構成によって外部からさらに熱を加える必要なく熱可塑性材料を簡単に導入することができる。
使用される金型形成材料は、例えば歯科の技術分野において通常である石こう、ならびに通常の石こう結合またはリン酸塩結合の埋没材(investment compound)であってよい。基本的には、液体の状態で形成用モデルの周囲に配置して硬化させることができ、かつ形成用モデルを取り除くために必要な特性(温度による除去の場合の熱的安定性、または化学的な除去の場合の化学的な安定性)、熱可塑性材料を金型空洞へと導入するために必要な熱的な安定性および圧縮強度、ならびに必要な寸法精度を、とくには熱可塑性材料と金型形成材料との間の膨張および収縮特性の相互作用に関して有している任意の化合物を、金型形成材料として使用することが可能である。
とくには、熱可塑性材料の加工温度を超えて加熱する必要なく加工プロセスのために必要な強度に達する金型形成材料であって、金型空洞に閉じ込められた空気が逃げ出すことができるように、主として通気性を有する金型形成材料が好ましい。約摂氏400度〜摂氏450度の最終温度を有する金型形成材料(例えば、約摂氏600度〜摂氏700度の加熱温度を有するリン酸塩結合の埋没材)を使用することが、それらがすでに最終の硬さを有し、さらに高温へと加熱する必要がないためにとくに好ましい。これは、冷却段階を待つ必要がないため時間を節約し、冷却の際に金型形成材料に、質の悪いモデル化につながりかねず、あるいは加工の際の金型形成材料の予期せぬ割れにつながりかねない微細な割れを生じることがない。
したがって、石こう結合の金型形成材料が好ましい。
本発明の方法によれば、金型形成材料の金型空洞への熱可塑性材料の導入が、主として埋没材の温度によって制御される。金型形成材料の温度が高いほど、熱可塑性材料の分子が高速で移動し、熱可塑性材料がより液状になり、したがって低圧でのゆっくりした導入が金型空洞を良好に満たすことにつながる。熱可塑性材料の分子および存在する繊維の両者が、損傷または配向することがなく、きわめて高い強度の仕上がりの歯科用成型品を得ることができる。
好ましい実施の形態においては、金型形成材料が、熱可塑性材料の導入に先立って、すべての領域が実質的に同じ温度となるように熱的に調節または均一化される。これは、例えば複数の歯冠またはブリッジなど、複数の物体のプレスに利点をもたらす。
本発明の方法は、基本的には、金型形成材料のいかなる補強も必要としない。
しかしながら、例えば金型形成材料を囲む金属製の囲いの形態であるそのような補強を使用することも、もちろん可能である。
本発明によれば、熱可塑性材料を金型空洞へと導入する際の高圧を回避することが可能になる。例えば、プレス用プランジャへと加えられる約2キログラム〜5キログラムのおもりで、一様な導入のためにすでに充分である。これは、好都合な装置の実現を可能にする。
以下、本発明を、添付の図面を参照しつつ、あくまで例としてさらに詳しく説明する。
図1によれば、熱可塑性材料から形成されたブランク材1は、直径よりも大きな高さを有する円柱の形態を有している。図2によれば、ブランク材1は、ディスク状であるように構成されている。
図3によれば、マフル2が、マフル基部3と、マフル壁またはスリーブ4と、マフル・カバー5とで構成されている。
マフル基部3は、ブランク材1に一致する直径を有する突起6を、中央に有している。
図3によれば、突起6の上方に、製造しようとする歯科用成型品、例えば2つの歯冠覆いのワックス模型7が配置される。ワックス模型7は、ワックス棒8などによって突起6へと接続されている。マフル2が、耐熱性の硬化可能な金型形成材料9で満たされる。
次いで、金型形成材料9をマフル2内で硬化させる。その後に、カバー5、マフル壁4、およびマフル基部3が取り除かれる。
次いで、ワックス棒8を含むワックス模型7が溶かされる。この結果、製造しようとする歯科用成型品の陰画に相当する金型空洞11と、突起6に相当する予備プレス空間12と、金型空洞11を予備プレス空間12へと接続する供給チャネル13とが、金型形成材料9内に形成される(図5)。
予備プレス空間12がブランク材1で満たされ、ブランク材1へとプランジャ14によって圧力が加えられ、熱可塑性材料がチャネル13を通って金型空洞11へと押し込まれる。
プランジャ14は、その少なくとも前部領域が、金型形成材料9と同じ金型形成材料で構成されている。プランジャ14の後部領域は、例えば、やはりセラミックで構成できる。プランジャ14に、押し器18(案内手段19によって案内されて、プランジャ14上のストッパ面20に載せられている)の上に配置されたおもり17が加えられる。
熱可塑性材料からなるブランク材1は、加熱装置(図示されていない)によって例えば300℃の加工温度に予熱されている。同時に、金型形成材料9も、加熱装置(図示されていない)によって例えば330℃の温度に加熱されている。熱可塑性材料1が金型空洞11へと押し込まれた後、金型形成材料9が冷却され、熱可塑性材料が金型空洞11内で固化した後に、歯科用成型品が、チャネル11によって形成されるゲートによって解放される。
図6による実施の形態は、ブランク材を収容するための予備プレス空間12の代わりに、ブランク材1から形成される熱可塑性材料溶融物を受け取って接続チャネル13を通じて金型空洞11へと供給する供給用じょうご15が設けられている点で、図5による実施の形態とかなり相違している。供給用じょうご15は、プレス用プランジャ14を内部に案内しつつ有している。
図7による実施の形態においては、ブランク材1が、例えば金属またはセラミック製の鞘22に配置されている。ブランク材1を有する鞘22を、例えばオーブンにおいて金型形成材料9とは別個独立に予熱することができる。鞘22は、金型形成材料9の予備プレス空間12の外径に一致する外径を有している。鞘22の内径は、プランジャ14の外径に一致している。鞘22は、通路24を供給チャネル13に揃えて備えている底部23を有している。
熱可塑性材料で作られたブランク材である。 熱可塑性材料で作られたブランク材である。 マッフルの断面である。 図3によるマッフルのマッフル基部の図である。 プレス装置を備える硬化後の金型形成材料の断面である。 他の実施の形態による硬化後の金型形成材料の断面である。 他の実施の形態による硬化後の金型形成材料の断面である。
符号の説明
1 ブランク材(熱可塑性材料)
2 マフル
3 マフル基部
4 マフル壁(スリーブ)
5 マフル・カバー
6 突起
7 ワックス模型
8 ワックス棒
9 金型形成材料
11 金型空洞
12 予備プレス空間
13 チャネル
13 供給チャネル
13 接続チャネル
14 プランジャ
18 押し器
19 案内手段
20 ストッパ面
22 鞘
23 底部
24 通路

Claims (31)

  1. ・所望の歯科用成型品の形成用モデル(7)を、ワックス、プラスチック、もしくは同様の溶融可能であり、燃やすことが可能であり、あるいは他の方法で残留物を残すことなく取り除くことが可能である材料で製造し、
    ・前記形成用モデル(7)を耐熱性の金型形成材料(9)へと、該金型形成材料(9)の外側への直接の接続、または少なくともワックス、プラスチック、もしくは同様の溶融可能であり、燃やすことが可能であり、あるいは他の方法で残留物を残すことなく取り除くことが可能である材料からなる接続要素(8)にての接続を持たせつつ埋め込み、
    ・前記金型形成材料(9)を硬化させ、前記モデル(7)および任意選択で存在する前記少なくとも1つの接続要素(8)を、好ましくは熱の作用によって前記金型形成材料(9)から取り除いて、所望の歯科用成型品の陰画に相当する金型空洞(11)を形成し、
    ・加工温度に加熱した熱可塑性材料を、圧力のもとで、前記形成した金型形成材料(9)の金型空洞(11)へと、前記外側への接続を通じて導入し、
    ・固化後に、所望の歯科用成型品を形成している熱可塑性材料を取り出す
    熱可塑性材料から歯科用成型品を製造するための方法であって、
    前記金型形成材料(9)が、前記熱可塑性材料の導入時に、前記金型空洞(11)の領域において少なくとも150℃の温度を有していることを特徴とする方法。
  2. 前記金型空洞(11)の領域の前記金型形成材料(9)の温度が、熱可塑性材料の加工温度を下回ること100℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱可塑性材料の導入時の前記金型形成材料(9)の温度が、少なくとも熱可塑性材料の加工温度に相当することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記歯科用成型品の形成用モデル(7)が、生成的製造法によって製造されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 歯科用成型品に使用される熱可塑性材料が、半結晶の熱可塑性材料であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 歯科用成型品に使用される熱可塑性材料が、芳香族の熱可塑性材料であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 使用される芳香族の熱可塑性材料が、ポリアリレート、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、液晶高分子、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、またはポリアリールエーテルケトン、あるいは前記ポリマーのうちの少なくとも2つからなるコポリマー、または前記ポリマーのうちの少なくとも2つからなる混合物であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 使用されるポリアリールエーテルケトン(PAEK)が、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、あるいは前記ポリマーのうちの少なくとも2つからなるコポリマー、または前記ポリマーのうちの少なくとも2つからなる混合物であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記熱可塑性材料が、充填材を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記熱可塑性材料が、補強繊維および/または着色添加剤を充填材として含んでいることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記熱可塑性材料が、総計で10重量%超、好ましくは30重量%超の充填材を含んでいることを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
  12. 補強繊維の含有量が、少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも30重量%であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 補強繊維の含有量が、少なくとも30体積%、好ましくは少なくとも40体積%であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. 熱可塑性材料の前記金型形成材料(9)への導入による金型空洞(11)の充填が、1秒よりも長く続き、好ましくは3秒よりも長く続くことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 熱可塑性材料が、射出成型法、トランスファ成形法、圧縮成形法、注入法、または押出法によって前記金型形成材料の金型空洞(11)へと導入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記熱可塑性材料からなる歯科用成型品の冷却が、圧力のもとで前記金型形成材料(9)において達成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 前記熱可塑性材料からなる歯科用成型品が、20℃/分未満、好ましくは10℃/分未満の速度で冷却されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 予備乾燥させた熱可塑性材料が使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 予備乾燥させた熱可塑性材料を、真空パックされた形態で加工用に利用できるようにされていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 既成のブランク材(1)の形態の熱可塑性材料が使用されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. ブランク材(1)の高さが幅よりも大きいことを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 熱可塑性材料を収容するために、前記金型形成材料(9)に予備プレス空間(12)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  23. 前記熱可塑性材料の前記加工温度までの加熱が、前記予備プレス空間(12)において達成されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記ブランク材(1)が、前記予備プレス空間(12)の断面および/または内径に実質的に一致する断面および/または外径を有していることを特徴とする請求項20又は22に記載の方法。
  25. 前記予備プレス空間(12)の断面および/または内径に実質的に一致する断面および/または外径を有しているプランジャ(14)によって、熱可塑性材料に圧力が加えられることを特徴とする請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記プランジャ(14)が、熱可塑性材料の導入に先立って加熱されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 熱可塑性材料の導入時の前記プランジャ(14)の温度が、前記金型形成材料(9)の温度に一致し、あるいはそれよりも高いことを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法を実行するための装置であって、熱可塑性材料を金型形成材料(9)の金型空洞(11)へと導入するためにプランジャ(14)に圧力を加えるための装置を特徴とする装置。
  29. 請求項1〜28のいずれか一項に従って使用するための熱可塑性材料のブランク材(1)。
  30. 請求項1〜27のいずれか一項に従って得られる歯科用成型品。
  31. 着脱式および/または固定式の義歯、あるいは着脱式と固定式の義歯の組み合わせであることを特徴とする請求項30に記載の歯科用成型品。
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