JP6427717B1 - 切削用樹脂組成物、切削用樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削時間の短縮及び被切削物の外観が優れた切削用樹脂組成物、この切削用樹脂組成物を含む切削用樹脂成形体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 切削用樹脂組成物は、40〜97重量%の樹脂と60〜3重量%の無機充填材とを有する合計100重量%を基本組成とする樹脂組成物であって、熱変形温度及び引張弾性率から算出される切削性パラメータが100以下である。
【選択図】なし

Description

デンチャー、クラウン、インプラント、維持装置等の口腔内歯科治療製品もしくは治療製品設計において、実際の咬合性をチェックするための模型を、樹脂ブロックから切削により得るのに好適な樹脂組成物及び樹脂成形体であり、切削時間の短縮及び被切削物の外観が優れる材料及び製造方法である。
老人人口の増加に伴い、歯科治療の患者が増加している。一方、歯科技工士数は技工を習得した若手人材が必ずしも歯科分野に従事するとは限らないこと、現在現役で活躍しているベテラン技工士も高齢化による引退があり、今後もその傾向は変わらないことから、歯科医から技工まで
の従来の歯科治療システムが変わろうとしている。
具体的には、患者の口腔内を一旦ガムで印象をとり、3Dスキャニングすることで、データをコンピューター上で再現し、治療歯の設計(CAD)データを作成し、これを3Dプリンターもしくは樹脂ブロックからの切削により、治療歯や技工物の咬合性を確認するための樹脂模型を作成するシステムが進行しつつある。印象を取らずに、直接患者の口腔内を3Dスキャンすることも出現してきた。口腔内に収まるクラウン等の材料はジルコニア等のセラミックが、また前歯上下の8本はアクリル樹脂複合材料が、厚生労働省から認可されたこともあり、樹脂ブロックからの切削による歯の成形が進んでいる。CAD/CAMでは、咬合性確認の為の樹脂模型が製作される。この樹脂模型の製作においても、短時間で切削が可能であること、切削面が平滑であること、更にはクラック、チッピング、変形がないことである。
第1の課題としては、次のようなものがある。
被切削物に対してミリングバーで切削する工程は、被切削物に剪断変形させ、剪断破壊する工程である。このため、剪断応力が高い場合は、切削難となる。剪断応力が低すぎる場合は、ミリングバーが被切削物に深く食い込む結果、「むしり型」切削となり、切削面粗度が粗くなる。同時に、ミリングバーと被切削物及び切粉との摩擦による発熱があり、この発熱により被切削物表面の融解、変形がある場合は切削条件(回転数、送り速度)を切削時間が長くなる条件に変更しなければならない。そのため、冷風、水、切削油による冷却がなされる。しかし、歯科クリニック、技工所では、可及的にドライでの切削を希望することが多いことから、被切削物の耐熱性にも注目する必要がある。
すなわち、被切削物の剪断破壊応力と耐熱性のバランスが、切削時間短縮の課題に対して適切領域が存在することを示唆している。
第2の課題としては、次のようなものがある。
プラスチック製品に限定されないが、金属工品の成形残留歪みを測定する手法に孔窄法がある。孔を空けた後の変形・寸法変化で、残留応力を測定するものである。
このことは、本発明に該当する歯科プラスチックス製品からミリングバーで切削することで、残留応力が解放される結果として寸法精度に影響することを懸念しなければならないことを意味している。残留応力が低いことが好ましいが、残留応力の方向が一定方向に揃っていれば比較的問題は少ない。しかし、残留応力の方向が製品中で交錯する場合には、切削粗度のバラツキが大きくなることが、本発明の比較例で実証されている。
従来の歯科材料として広く利用されてきたアクリル樹脂は、超高分子量ポリメチルメタアクリレートの粉末もしくはペレットに原料である液体状のメチルメタアクリレートモノマーを加え、撹拌膨潤させて、通称「シロップ」を作成した後、注型し、加熱し、重合させる。重合時には、ラジカル発生剤として過酸化物を添加するが、歯科用市販品では、既に過酸化物が添加されていることが多いので、そのまま加熱することで、ポリメチルメタアクリレートは型内で得られる。このプロセスでは、残留応力が発生するとしても固化時の体積収縮のみであることから、残留応力は非常に低くかつ等方的である。これが、永年実用化されてきた隠れた要因である。
型内で重合する材料として、熱硬化性樹脂がある。工業部品として肉厚の歯車や光コネクターのような極小部品を寸法精度よく、内部にボイドを発生させることなく製品化するには好適な材料である。恐らく、リサイクルするには、厄介なプロセスが必要としている。
熱可塑性樹脂は、既に重合により高分子量化しており、加熱・溶融・注型・冷却のプロセスを通して製品を得ることができる。しかし、溶融物の粘度が非常に高く、かつ非ニュートニアン流体である。このため、例えば射出成形において、ゲートからの溶融樹脂の流速による粘度変化、金型表面での流動剪断速度がゼロになる。これにより、金型面付近での半固化状態の樹脂と後から流動してくる溶融樹脂の剪断変形歪み、さらには金型末端まで流動が達したとしても、反転流動することで流動界面を生じ、さらには複雑な流動末端同士がウエルド溶着すること等がある。このように、射出成形においては、複雑な流動パターンとそれに伴う応力も圧縮応力又は引張応力が残留した形で固化して製品となっているのが一般的である。
引張と圧縮がせめぎ合う箇所において、応力変化率の高い箇所を切断した時の切削粗度の荒れが大きいことが、本発明で判明している。
さらには、冷却された金型表面では溶融樹脂は速く固化するものの、金型表面近傍の固化樹脂が一種の断熱層となって冷却が遅くなる。このため、製品表面で寸法が固定されてからコア層が固化すると、溶融樹脂の容積と固体の容積差がボイドとなる。特に、厚肉製品では、回避できない問題となっている。
熱可塑性樹脂のかかる諸問題を解決し、切削適性のある製品を成形する方法に異型押出法で得られたブロック製品をアニール処理することが知られている。このプロセスは、多くの切削棒、切削板として製造され販売されている。
しかしながら、熱可塑性樹脂の異型押出成形法は、成形速度が極めて遅い。これは、樹脂の押出方向による分子配向由来の残留応力・歪みを、出来るだけ回避するためであり、製品のサイズにもよるが、大凡0.1〜1m/時間の速度で、ダイスから押し出されている。また、可及的に低温成形することで、溶融体積と固化時の体積差が収縮差を小さくするように工夫されている。その上で、異型押出製品は、成形後に1〜2週間アニリング処理することで、残存応力を解放する工程を設けている。アニリング処理とは、樹脂の結晶化度や押出速度に関係するが、ガラス転移点温度以上に加熱されたオーブン装置に異型押出製品を置き、温度を段階的に徐冷しながら約1週間〜2週間の熱処理することが通常なされている。
その結果、異型押出加工の費用が非常に高い。さらに、異型押出品は、円柱、四角柱、平板が基本形である。切削の第一段階では、基本形状から最終製品+切削機械取り付け部マージンを加えた寸法から切り出す。この際、異型押出品は基本的長さ、サイズで販売されているので、切り出しロスが発生する。
切削の第二段階では、切り出されたブロックは、円柱、四角柱、平板の形状から最終形状に切削がなされる。この際には、最終形状に不要な部分を切削することになる。しかし、例えば、製品中央に臼状の窪みがあるような全顎形状に切削するには、窪み部分の切削量が多いにも関わらず切削する。このことは、トータルの切削時間が長くなることを意味している。また、ミリングバーの消耗も付随することから、好ましくない。
射出成形は、任意の形を賦型することが可能であり、かかる事例では、臼状の窪みのある金型を利用し得ることが可能であれば、切削時間は短縮できる。但し、射出成形での課題は、上述のように成形時の特に残留応力の交錯等の複雑な課題をクリアする必要がある。溶融プレス法による賦型も金型を工夫することで形状付与は可能であり、射出成形よりは残留応力を抑制することが可能である。但し、プレス時にも溶融樹脂は流動により配向を発生する。また、冷却配管の位置によっては、射出成形と同様の固化速度の違いがあり、それに由来する引張残留応力が発生することから、単に射出成形に比較して樹脂圧が低いだけの理由では残留応力を低減することはできない。
ここで、従来の熱可塑性樹脂製品切削に関する特許文献及び非特許文献は、下記の通りである。
特許文献1は、プリント配線板バックアップボード向けセルロース粉末充填熱可塑性樹脂はドリル巻き付き改良が記載されているが、切削速度及び外観等について言及していない。
非特許文献1〜6は、切削条件、切削対象樹脂を広く紹介しているものであり、被切削物の材料特性及び残留応力比等には全く言及していない。
特開2008-045019号公報 岐阜県情報技術研究所報告 第9号、「樹脂材料の適正な切削条件に関する研究」 精密機械32巻5号14頁(1966)、「プラスチックの切削加工の研究」 精密機械32巻7号13頁(1967)、「プラスチックの切削加工の研究」 精密機械39巻3号38頁(1973)、「強化プラスチックの切削加工に関する研究」 高分子vol.14.No.161、「高分子材料の被削性」 高分子Vol.14.No.161、「高分子の穴あけにおける被削性」
本発明は、切削時間の短縮及び被切削物の外観が優れた切削用樹脂組成物、この切削用樹脂組成物を含む切削用樹脂成形体、及びこれらの製造方法を提供するものである。
本発明に係る切削用樹脂成形体の射出成形の材料となる切削用樹脂組成物は、40〜97重量%の樹脂と60〜3重量%の無機充填材とを有する合計100重量%を基本組成とする樹脂組成物であって、熱変形温度及び引張弾性率から算出される切削性パラメータが25〜100である。本発明の一態様に係る切削用樹脂成形体は、前記切削用樹脂組成物を含んでいる。
成形された切削用樹脂成形体の切削前の切削面内において、次式で定義される残留応力相対比の平均値が0.5以下であり、
残留応力相対比(Fn)の平均値≦|(Fn+1−Fn)/Fn|
前記残留応力相対比の平均値は、前記切削面内を等間隔で20等分したときの残留応力の相対比平均である。
前記材料となる切削用樹脂組成物を成形する場合、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度に対して+10〜+80℃の温度範囲より選ばれた温度に昇温された射出成形金型において、結晶性樹脂の場合は結晶化温度から融点までの温度範囲より選ばれた温度に昇温された射出成形金型において賦型する。
前記切削用樹脂成形体は、歯科及び整形外科の材料として用いられてもよい。
本発明は、樹脂の最適化と成形法の最適化を組み合わせることにより、切削面粗度が改良された外観と、ミリングバーの送り速度を高速化できることから切削時間の短縮が計られることにより、歯科医院への技工物提供時間及び合理的価格での提供が可能であること等医療業界にとって非常に有益である。但し、本発明はこれに例示される歯科用途のみならず一般的樹脂切削に適用できる意味は大きい。
本発明の実施例に係る残留応力パターンを示す図。 本発明の実施例に係る残留応力パターンを示す図。 本発明の実施例に係る実験装置の詳細を示す図。 本発明の実施例及び比較例における実験に使用した材料等の内容を示す図。
以下、本発明の実施形態について実施例を交えて説明するが、本発明の切削用樹脂組成物、この切削用樹脂組成物を含む切削用成形体及びこれらの製造方法は、下記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。尚、本発明の切削用樹脂組成物を含む切削用成形体は、歯科材料だけでなく、整形外科材料として用いることも可能である。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂とは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を指す。但し、口腔内治療用材料としては、厚生労働省薬事法承認許可材料に限定される。咬合性確認のための樹脂模型は、薬事法対象外であるので、熱可塑性、熱硬化性を問わず、切削速度と切削外観粗度面から選択し最適化することが可能である。口腔内治療用途、樹脂模型を問わず、良好な切削面粗度と切削時間の短縮が非常に重要である。
本発明の切削に好適な樹脂組成物及び樹脂成形体は、40〜97重量%の樹脂と60〜3重量%の無機充填材とを有する合計100重量%を基本組成とする樹脂組成物であって、熱変形温度(HDT荷重1.86MPa)及び引張弾性率から算出される切削性パラメータ(HDT/引張弾性率)が100以下(K温度/GPa)である。
本発明における切削と樹脂分子構造の基礎研究により、以下のことが判明している。
無機充填材の濃度が60重量%を超えると、材料は脆くなる。一方、無機充填材の濃度が3重量%未満では、特に固体粘弾性率の温度依存特性において、室温以下の主分散(α分散)や副分散(β、γ分散)を有する樹脂の場合には、ミリングバーによる剪断時に樹脂分子が外部変形を熱として変換することから、切削は「むしり型」になりやすく、切削面粗度は大きくなることから好ましくない。無機フィラーの配合は、この分子の動きを拘束する役目と、ミリングバー刃先先端で発生する剪断発熱を切削粉として除熱する役目も持っていることから、除熱のための無機充填材の配合が必要となっている。無機充填材の割合は、好ましくは、10〜40重量%であり、さらに好ましくは、20〜30重量%である。
切削性パラメータが100を超えると、切削面が「むしり型」になりやすく、荒れた外観となる。一方、切削性パラメータが25未満では、ミリングバー先端が通常ダイヤモンド粒子もしくはCBNであるとしても、ミリングバーの寿命が短命になることから好ましくない。
被切削物の熱変形温度が高いとミリングバーの回転数、送り速度を上げられ切削時間の短縮ができる。
無機フィラー充填系は、切粉として飛散する際に除熱効果をもたらし、かつ平滑性を与える重要な役となっている。
無機充填材は、無定形、針状、球状、板状等の無機充填材がある。無機充填材としては、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、タルク、マイカ、ウォラステナイト、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、セピオライト、ゾノライト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト等が例示される。
切削工程では、切削バーと被切削物の摩擦及び切粉と切削バーの摩擦により、切削面は高温となる。切粉は、除熱の役目をしている。このため、無機充填材は、材料の熱変形温度に関連して配合量が決定される。すなわち、熱変形温度が低い樹脂の場合、無機充填材の量は20〜60重量%となる。一方、熱変形温度の高い樹脂がポリエーテルエーテルケトンの場合には、顔料として配合される酸化チタンが3〜30重量%の配合でも、十分目的を達することが可能である。さらに、切削面の「うねり」を低くするには、被切削物表面の温度が高くならないことにある。この観点から、無機充填物は、熱伝導率の高いことが好ましく、15W/mK以上が推奨される。但し、熱伝導チャンネルが形成される好適な割合は、20重量%以上である。15W/mKのフィラーには、金属粉等ある。しかし、モース硬度が切削バーより低い必要があることから、モース硬度8以下の熱伝導性無機充填材が選択される。このような無機充填材としては、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げられる。
無機充填物を樹脂に混合する場合は、シラン系、チタネート系の公知の表面処理剤が利用されることも含まれる。この他、自然歯や歯床の色目と合わせるための顔料が配合されることもある。模型に使用する材料では、自然歯や歯床の色目に合わせる必要性は必ずしもないが、透明性が高い場合、技工士の視認性が悪化することから、不透明化のための着色が好ましい。無機充填材の配合は、この役目も果たしている。
<熱可塑性樹脂>
切削パラメータを満足する熱可塑性樹脂であれば何でも良く、汎用で利用される樹脂としては、以下が列挙される。
・ポリアセタール(POM)(ホモ、コポリマー)
・ポリフェニレンエーテル(PPE)(変性ポリフェニレンエーテル、ポリアミドアロイ)
・ポリエステル(ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート及びグリコール共重合体、ポリ乳酸)
・アクリル(PMMA)樹脂
・ポリカーボネート(PC)(芳香族ポリカーボネート、ポリイソソルバイトカーボネート)
・ポリフェニレンスルフィド
・ポリアミド(好ましくは、芳香族ポリアミド)
・ポリオレフィン(好ましくは、ポリプロピレン、ポリ4メチルペンテン−1)
・ポリスルホンサルフェート
・ポリエーテルケトンケトン
・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
<熱硬化性樹脂>
熱硬化性樹脂は、現段階では、薬事法により口腔内歯科医療材料ではないので、樹脂模型への適用に限定される。ポリウレタン、ポリウレタンイミド、メラミン、フェノール樹脂、尿素樹脂等が利用できる。熱硬化樹脂として、ウレタン樹脂、メラミンフェノール樹脂が好適である。
熱硬化性樹脂の汎用成形法は、トランスファー成形である。近年、熱硬化性材料向けの射出成形が出現したことで、熱可塑性樹脂と同様な残留応力、残留歪みが内在するので、本発明の対象となる。但し、射出工程における発生した応力、歪みは金型内で緩和されることから、トランスファー成形は少ない。
<残留応力>
残留応力は、残留歪みと材料特有の弾性率から算出されるが、材料により異なる。しかしながら、高耐残留応力の材料であったとしても、製品内部に応力歪みが逆転交錯している箇所が存在すると、弱点となる。偶々切削対象領域にそのような逆転界面が存在することの無いよう選択することができれば良いが、工業的には被切削製品中に逆転交錯界面を少なくすることが先決である。応力ひずみの逆転交錯界面が生ずる原因は、特に射出成形における金型内流動パターンにある。
溶融樹脂は、分子量、分子量分布、微架橋程度、無機充填材、可塑剤、難燃剤等の配合により、粘度及び溶融弾性率及び溶融貯蔵弾性率に由来する特定の緩和時間を有している。射出成形機の加熱シリンダーから先端射出ノズルにて、溶融樹脂は流路を絞られ、金型内でのランナー、ゲート等複雑な剪断、熱履歴を受けて、金型ゲートからキャビティ内に充満する。その際、溶融樹脂は、金型形状に沿いながら、粘度及び緩和時間によって、流動パターンが決定され流動する。
流動性が高く、緩和時間が短い場合は、金型端末への流動が優先され、端末からゲートに向かって反転流動する。残留歪みが圧縮方向と引張方向との界面に生じる原因である。また、緩和時間が短い場合は、ゲート付近の付近には流動の渦が発生することから、局部的な残留歪みが圧縮方向と引張方向との界面に生じる。また、流動性が低く、緩和時間が長い場合は、金型表面において一旦流動が停止し、固化段階に入っている半溶融樹脂が、後から流動してくる溶融樹脂によって乱されることによる歪みの反転現象が発生する。その歪みの反転の目安として、残留応力が反転するときの残留応力比が高いことを利用して、以下に定義した。
成形された切削前の製品中の切削面内において、残留応力比は次式で表される。
残留応力相対比(Fn)の20点平均値≦|(Fn+1−Fn)/Fn|
ここで、残留応力相対比の20点平均値は、切削面内を等間隔で20等分したときの残留応力の相対比平均である。
残留応力相対差の測定には、光弾性応力解析システムを利用した。株式会社レーザー計測販売のストレスフォトニクス社が製造販売している装置を測定器として利用できる。製品が透明の場合は、GFP2400を利用し、不透明製品の近赤外線が成形品を透過する性質を利用しており、NIR-GFP-1400にて測定した。ここで測定されるのは、当該測定法のソフト自身のオリジナル数値であって、カメラで撮影した輝度値(camera unit)を比較することでサンプルの応力の相対比較は可能である。
残留応力は、成形時の剪断伸び履歴、圧縮履歴、及び金型表層と内部との冷却・固化速度による残留応力が発生することが知られている。製品長さ・幅方向における20区分毎に残留応力を求め、隣接する残留応力との比を安定性の目安とした。
図1は、ポリアセタールを通常の射出成形でフィルムゲートを有する長さ40mm、30mm、厚さ3mmの金型を用い、金型温度40℃の条件で射出シートを作成し、NIR-GFP-1400における残留応力パターンを示す。ここで、本図において、赤は引張応力、青は圧縮応力が発生している部分である。
この図で、下部がフィルムゲート部に当たる。ゲートからシートの半分相当と金型末端で流動停止し逆流する樹脂とは明らかに残留応力の方向が異なることが分かる。さらに、流動末端での複雑な応力変化も読み取れる。
このときの流動方向(MD方向)における残留応力比平均値は、0.9である。但し、応力が交錯する箇所の応力比は、1.6である。
図2は、流動性がポリアセタールより低いポリカーボネートを、幅70mm、長さ50mm、厚み5mmの金型を用い、金型温度70℃で成形したシートの残留応力パターンを示す。
この図では、ゲート近傍に流動ムラと金型末端にムラが同様に観測される。流動方向垂直(TDライン)の残留応力比平均値は、5.5、流動方向の残留平均値は、1.17と高い。この図から分かるように、引張応力と圧縮応力の領域に渡る範囲を切削、穴開けした場合は、切削面粗度が劣ると思われる。
上記2例を比較例として切削面粗度の結果を記載する。
残留応力相対比の平均値は、0.5以下が好ましく、さらに好ましくは、0.2以下である。
残留応力相対比を低減し得る製造とは、樹脂組成物のガラス転移温度に対して+10〜80℃の温度範囲、又は結晶化温度から融点までの温度範囲より選ばれた温度に昇温された金型にて賦型することである。
押出成形、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形等の樹脂の成形加工方法による賦型法が適用できる。特に、生産性の観点から、射出圧縮成形、プレス成形が好適に活用できる。
成形段階での残留応力及びその分布の低減化は、樹脂組成物の成形特性を、以下の(1)又は(2)にすることで達成される。(1)ガラス転移温度が支配する非晶性樹脂の場合は、金型温度をガラス転移温度+10〜80℃の温度範囲にて賦型する。(2)融点が支配する結晶性樹脂の場合には、金型温度を結晶化温度から融点の温度範囲より選ばれた温度に昇温された金型にて賦型する。
例えば、(1)の場合には、樹脂組成物を予め、射出成形機又は圧縮成形機を用いて、熱可塑性樹脂組成物をシリンダー温度にて溶融した後に、ガラス転移温度+10〜80℃の温度範囲にて選ばれた温度に昇温された金型に投入(又は注入)し、型締め、保圧を掛けて樹脂組成物の冷却固化温度未満にまで金型温度を冷却することで、金型からの樹脂組成物成形体を取り出し可能となる。
また、(2)の場合には、樹脂組成物を予め、押出機、射出成形機を用いて、溶融した後に、金型温度を結晶化温度から融点の温度範囲から選ばれた温度に昇温し、成形金型に溶融樹脂組成物を投入(又は注入)し、型締め、保圧を掛けて樹脂組成物の冷却固化温度未満にまで金型温度を冷却することで、金型からの樹脂組成物成形体が脱型可能となる。また、圧縮成形金型内で溶融させ、金型温度をコントロールしながら低温にシフトすることでも目標を達成することができる。
射出成形において、流動末端、すなわち製品周辺に残留応力が
高くなることを避けるために、最終製品形状の外側に溶融樹脂溜りを設け、型取り出し後にトリミングすることも、残留応力の交錯を回避する対策である。射出成形の製品重量分計量されて射出した溶融塊を、プレス圧縮成形もあり得る。射出成形時のゲートがないことから、溶融塊内には残留応力は低く、プレス圧力は2〜5MPaと低いことから、残留応力及びその分布が極めて小さくなることから、理想的な成形法と言える。
[実施例]
以下に、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは無い。
図3は、本発明の実施例に用いた実験装置を示す。図4は、本発明の実施例及び比較例に関する実験に使用した材料等の内容を示す。
[実施例−1]
三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリアセタール樹脂(ユピタール)、グレード名TC3030、タルク30重量%のコンパウンド品、熱変形温度439Kを、日本製鋼所製の射出圧縮成形機J-ELII55に供給する。そして、シリンダー温度200℃にて溶融し、初期金型温度が170℃に設定された金型(80mm×80mm、肉厚5mm、フィルムゲートシート)に、射出速度30mm/sにて成形した。
このシートを、室温23℃、湿度50RH%にコントロールされた恒温室に、24時間静置した後、切削用シートとした。
このシートを、図3に記載のフライス盤及びミリングバーにて送り速度90mm/minで切削した場合、切削面粗度は3.8μmであった。引張弾性率6900MPa、高荷重HDT439Kから算出される切削パラメータは64であった。
[実施例−2]
三菱レイヨン株式会社製ポリメタクリル樹脂(出願時の社名:三菱ケミカル株式会社)グレードVH4に石原産業株式会社製の酸化チタンCR63を5重量%配合し、2軸コンパウンド機にてシリンダー温度260℃で、押出しペレットを得た。次に、実施例−1と同様の射出成形を実施した。金型温度は120℃である。フライス盤にて切削した切削面粗度は5.5μmであった。
引張弾性率3800MPa、高荷重HDT369Kから算出される切削パラメータは97であった。
一般的に、ポリメタクリル樹脂の切削は、室温ではミリングバーの先端で溶融が発生するが、この実施例のように、無機フィラー充填したことで、室温でも切削が可能と判明した。
[実施例−3]
三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリフェニレンエーテル/ポリスチレンアロイ樹脂(ユピエース)、グレード名TH620、タルク20重量%のコンパウンド品を用いて、樹脂温度280℃溶融物を160℃の金型に投入して、実施例−1と同様にシートを作成した。フライス盤にて切削した切削面粗度は4.3μmと良好であった。引張弾性率5200MPa、高荷重HDT388Kから算出される切削パラメータは75であった。
[実施例−4]
三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリカーボネート樹脂(ノバレックス)、グレード名7025Rに、富士タルク社製のタルクMT7を40重量%配合して、日本製鋼所製2軸混練機TEX30αに投入しコンパウンド温度290℃にてコンパウンドし、ペレットを得た。次に、金型温度160℃、射出速度30mm/sにて、射出シートを得た。このシートの切削面粗度は7.0μmであった。
熱変形温度425K、引張弾性率5700MPaから算出される切削パラメータは75である。
[実施例−5]
エンズインガージャパン株式会社製のPEEK樹脂シート、グレード名TECAPEEKを粉砕しパウダーとし、石原産業株式会社製の酸化チタンCR60−3を10重量%配合して、東洋精機株式会社製の熱プレス機MP−SHにて肉厚0.5mmのシートを10枚作成した。その後、当該シートを重ねて再度熱プレスした。それぞれの熱プレス条件は、加熱温度405℃、加熱及び冷却時のプレス圧力は3MPaである。この切削面粗度は6.5μmである。熱変形温度435K、引張弾性率5200MPaから算出される切削パラメータは84である。
[比較例−1]
実施例−1における材料を、三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリアセタール、グレード名F20−3(無機フィラー配合なし)に切り替えて評価した。その結果、切削面粗度は8μmであり、実施例−1の3.8μmに比較して、切削面粗度が劣ることが判明した。熱変形温度373K、引張弾性率2900MPaから算出される切削パラメータは129である。
[比較例−2]
比較例−2では、実施例−1と同様の材料を用い、金型温度を40℃に変更した。この場合、切削面粗度は4.3μmであった。つまり、比較例−2は、実施例−1よりもバラツキが大きくなったことが分かる。
[比較例−3]
三菱レイヨン株式会社製のポリメタクリル樹脂(出願時の社名:三菱ケミカル株式会社)、グレードVH4を、実施例−2と同様、射出成形を実施した。金型温度を60℃である。フライス盤にて切削した切削面粗度は6.2μmであった
引張弾性率3300MPa、高荷重HDTは367Kから算出される切削パラメータは111であった。
一般的に、ポリメタクリル樹脂の切削は、室温ではミリングバーの先端で溶融が発生するが、この実施例のように、無機フィラー充填したことで、室温でも切削が可能と判明した。
[比較例−4]
実施例―4で使用した三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリカーボネート樹脂、グレード名ノバレックス7025Rを、実施例−4と同条件で射出成形した。
この切削面粗度は13μmと極めて大きい。熱変形温度402K、引張弾性率2400MPaから算出される切削パラメータは168である。
[比較例−5]
三菱化学(出願時三菱ケミカル株式会社)製のバイオポリカーボネート樹脂、デュラビオD7340ARを、成形温度280℃でプレスした。この切削面粗度は16μmと極めて大きい。熱変形温度379K、引張弾性率2750MPaから算出される切削パラメータは138である。
[比較例−6]
実施例−5で適用したエンズインガージャパン株式会社製のPEEK樹脂は、無機フィラー配合なく、ナチュラルTECAPEEK押出品として市販されている。そのシートから直接切削を試みた。その結果、切削面粗度は8μmであった。酸化チタン配合の実施例−5と比較すると、劣ることが判明した。
熱変形温度425K、引張弾性率4100MPaから算出される切削パラメータは104である。
尚、ミリングバーの送り速度を64mm/minに落とした場合、切削面粗度は5.2μmであった。同一の切削面粗度を得るには、実施例−5は、比較例−6より1.2倍の速度で切削できることが分かる。
実施例−1〜実施例−までの結果から、切削パラメータが何れも100以下であれば、樹脂を問わず、良好な切削面粗度を得ていることが判明した。
比較例−1、比較例−3〜比較例−6は、何れも無機フィラーが配合されず、かつ切削パラメータが100を超えると、切削面粗度は劣ることが判明した。
次に、被切削材料内部の残留応力比について調べた。
[実施例・比較例−A]
実施例−1のポリアセタールを金型温度50℃にて射出成形したサンプルを用いる。このサンプルを、製品中のゲート付近、中央部及び製品端末部の3箇所について切削する。その結果、切削面粗度が2〜7μmと、バラツキが大きいことが分かった。平均値4.3μmと、実施例−1と略同程度ではある。しかし、標準偏差/平均値の変動係数は35%であった。
残留応力パターンを、株式会社レーザー計測NIR-GFP-1400にて測定する。そして、定義に従って、ゲートから流動末端までを20等分して、それぞれの差分の変化率を測定した。その結果、残留応力比は0.9であるが、シート中央部の応力交錯点付近の値は1.6であった。尚、実施例−1の切削粗度の変動係数は10%、残留応力比は0.2であった。
[実施例・比較例−B]
比較例−3のポリカーボネート樹脂を射出速度30mm/sで射出成形した場合の切削面粗度は13ミクロンであった。その時の残留応力比を、株式会社レーザー計測GFP2400で測定した。その結果、ゲート部から流動末端までの流動方向20点の平均残留応力比は、1.17であった。
一方、射出成形シートを280℃の加熱プレス機で、圧力3MPaでプレスした後、加熱ヒーター電源を切り、翌日まで室温まで静置した。このシートの残留応力比は0.01と極めて低いことが判明した。但し、フィラー配合がなされていないので、切削面粗度は12μmと大きくは改良されていない。
以上のことより、切削面粗度は、大きくは無機フィラーの有無と切削パラメータが差配し、より精密には製品面内に残留応力比が小さいことが、バラツキを低下させることができる。残留応力比を低下させる技術の必要要件は、材料が結晶化以上、融点以下の金型温度にて、非晶性樹脂の場合はガラス転移点以上の金型温度にて成形することである。
このように、本発明によれば、切削時間の短縮及び被切削物の外観が優れた切削用樹脂組成物、この切削用樹脂組成物を含む切削用樹脂成形体、及びこれらの製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 40〜97重量%の樹脂と60〜3重量%の無機充填材とを有する合計100重量%を基本組成とする樹脂組成物であって熱変形温度及び引張弾性率から算出される切削性パラメータが25〜100である切削用樹脂組成物を、
    非晶性樹脂の場合はガラス転移温度に対して+10〜+80℃の温度範囲より選ばれた温度に昇温された射出成形金型において、結晶性樹脂の場合は結晶化温度から融点までの温度範囲より選ばれた温度に昇温された射出成形金型において賦型した切削用樹脂成形体であって
    切削前の前記成形された切削用樹脂成形体の切削面内において、当該切削面内を等間隔で20等分したときの残留応力の相対比平均であって次式で定義される残留応力相対比の平均値が0.5以下である、ことを特徴とする切削用樹脂成形体
    残留応力相対比(Fn)の平均値≦|(Fn+1−Fn)/Fn|
  2. 前記切削用樹脂成形体が歯科及び整形外科の材料として用いられることを特徴とする請求項に記載の切削用樹脂成形体。
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