JP2005173574A - 水性レジスト組成物 - Google Patents

水性レジスト組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005173574A
JP2005173574A JP2004332918A JP2004332918A JP2005173574A JP 2005173574 A JP2005173574 A JP 2005173574A JP 2004332918 A JP2004332918 A JP 2004332918A JP 2004332918 A JP2004332918 A JP 2004332918A JP 2005173574 A JP2005173574 A JP 2005173574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resist composition
water
mass
aqueous
cellulose derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004332918A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Ishigaki
聡 石垣
Kazuya Kimura
和弥 木村
Kunio Matsuki
邦夫 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2004332918A priority Critical patent/JP2005173574A/ja
Publication of JP2005173574A publication Critical patent/JP2005173574A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

【課題】 プリント基板などの製造に用いる新規レジスト組成物の提供。
【解決手段】 本発明に係る水性レジスト組成物は、(A)水またはアルカリ性水溶液に
可溶な樹脂、(B)セルロース誘導体、(C)水、および(D)水酸基含有有機溶剤を含
む水性レジスト組成物であって、当該レジスト組成物中の、前記(B)セルロース誘導体
の含有量が、0.001〜1.0質量%、前記(C)水の含有量が、25〜65質量%、
そして前記(D)水酸基含有有機溶剤の含有量が、15〜50質量%の範囲であることを
特徴とする。本発明により、極めて少量のセルロース誘導体を使用した場合でも、水およ
び特定溶剤を特定量使用することで、レジストの優れた密着性、良好なタックを維持した
まま、表面が平滑で、高精度の配列パターンの作製が可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明はプリント基板などの製造に用いるレジスト組成物、特に水系の溶液型または分
散型レジスト組成物、およびそれを用いたレジスト塗布基板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板を作製するには、銅箔の様な導電性の金属層を有する絶縁基板(
銅以外の金属を含んでもよいが、以下、単に「銅張り基板」ともいう。)上にレジスト塗
膜を形成し、所望のパターンを有するフォトマスクを介して露光を行った後、水またはア
ルカリ水で現像処理して、レジストが残存していない部分の導電性金属層をエッチング液
でエッチング処理し、その後レジストを剥離することにより所望の配線パターンを形成す
ることによって行われている。
銅張り基板上にレジスト層を形成する方法にはドライフィルム法、液状レジスト塗布法
などがある。液状レジスト塗布法では液状レジストをロールコートやスクリーン印刷によ
り銅張り基板上に塗布する方法の他に浸漬塗布法(dip coating)が知られて
いる。この方法は大量のレジスト組成物液(多くは溶液)中に銅張り基板を浸し、引き上
げた後、乾燥して溶媒を揮発させ、レジスト塗膜を銅張り基板上に形成する。
浸漬塗布法等に使用される液状のレジスト組成物には溶媒として揮発性の高い有機溶剤
が使用されてきたが、近年、人体や環境への影響が懸念されることから、例えば特開平0
5−27437号公報(特許文献1参照)のような水を溶媒として含有するレジスト組成
物が提案されている。
しかしながら、水性のレジスト組成物は、蒸発速度の遅い水を溶剤としているため、レ
ジスト塗布後の乾燥に時間がかかる。このため、塗布したレジスト溶液が、乾燥中にいわ
ゆる「タレ」を生じ、塗膜の厚みが不均一となる問題がある。
このような「タレ」を防止するため、レジスト組成物にチクソ剤(チクソトロピー性付
与剤)あるいは増粘剤を添加することが知られており、例えば特開2003−23318
3号公報(特許文献2参照)には無機系の増粘剤を使用した組成物が提案されている。こ
こでは塗膜の厚みの均一性は保たれるものの、塗膜の平滑性や密着強度については必ずし
も十分ではない。ことに塗膜の平滑性については、高精細の配線パターンを得るためにさ
らなる改良が望まれている。
一方、有機系のチクソ剤または増粘剤としては、従来からヒドロキシアルキルセルロー
ス等のセルロース誘導体を使用することが提案されている(例えば特開昭55−0457
25号公報(特許文献3)、特開平11−174667号公報(特許文献4)参照)。し
かしながらこれらセルロース誘導体の水溶液は、一定温度を境としてセルロース誘導体が
可逆的にゲル化を起こすことが知られており、このため前記温度以上では溶液からセルロ
ース誘導体が析出して水溶液の粘度が著しく低下してしまう。したがってセルロース誘導
体を含有する水性のレジストを塗布して前記ゲル化温度以上で乾燥を行った場合には、乾
燥時の粘度低下により著しい「タレ」が生じることとなる。さらには乾燥時の粘度低下に
より組成物の分散状態が変化することで、塗膜の平滑性が損なわれてしまう。なお前記ゲ
ル化温度は、セルロース誘導体の種類にもよるが、一般に水の沸点より著しく低く、従来
は前記問題を解決することが困難であった。
特開2000−292922号公報(特許文献5参照)には疎水性ポリマーと水溶性ポ
リマーとの含有比(疎水性ポリマー/水溶性ポリマー)が重量比で0.05〜4.0であ
る感光性組成物が開示されており、水溶性ポリマーとしてヒドロキシアルキルセルロース
が使用できることが記載されている。しかしながらこのようなセルロース誘導体を多量に
含む組成物においては、単純に水性組成物とした場合セルロースの親水性ゆえに塗布面の
乾燥が不充分となり、塗布面には著しいタックの発生がみられる。また水の添加により塗
布面の平滑性が低下し、パターンの解像度が低下するという問題は未解決である。
特開平05−27437号公報 特開2003−233183号公報 特開昭55−045725号公報 特開平11−174667号公報 特開2000−292922号公報
本発明は、溶媒として水を含有するレジスト組成物において、レジストの優れた密着性
、良好なタックを維持したまま、表面が平滑で、高精細の配線パターンが達成可能なレジ
スト組成物の提供を課題とするものである。
本発明者は、上記状況に鑑み鋭意検討した結果、水溶性またはアルカリ可溶性樹脂およ
びセルロース誘導体からなるレジスト組成物において、極めて少量のセルロース誘導体を
使用した場合でも水および特定溶剤を特定量使用することで上記課題が解決可能なことを
発見し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記[1]〜[9]に関する。
[1](A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂、(B)セルロース誘導体、(C
)水、および(D)水酸基含有有機溶剤を含む水性レジスト組成物であって、当該レジス
ト組成物中の、前記(B)セルロース誘導体の含有量が、0.001〜1.0質量%、前
記(C)水の含有量が、25〜65質量%、そして前記(D)水酸基含有有機溶剤の含有
量が、15〜50質量%の範囲であることを特徴とする水性レジスト組成物。
[2〕(A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂、(B)セルロース誘導体、(C
)水、(D)水酸基含有有機溶剤、(E)重合性不飽和化合物、および(F)光重合開始
剤を含む水性レジスト組成物であって、当該レジスト組成物中の、前記(B)セルロース
誘導体の含有量が、0.001〜1.0質量%、前記(C)水の含有量が、25〜65質
量%、前記(D)水酸基含有有機溶剤の含有量が、15〜50質量%の範囲であることを
特徴とする水性レジスト組成物。
[3〕前記(A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂と前記(B)セルロース誘導
体との質量比(A)/(B)が10〜1000の範囲であることを特徴とする、[1〕ま
たは[2]に記載の水性レジスト組成物。
[4]前記(A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂が、(メタ)アクリル酸を構
成モノマーの一種とする共重合体であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに
記載の水性レジスト組成物。
[5]前記(B)セルロース誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロースであることを特
徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の水性レジスト組成物。
[6]前記(D)水酸基含有有機溶剤が、ジオール化合物のモノアルキルエーテル、ジ
オール化合物の脂肪族カルボン酸とのモノエステル、およびα−ヒドロキシカルボン酸エ
ステルの中の少なくとも一種であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載
の水性レジスト組成物。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の水性レジスト組成物中に、導電性金属を有す
る絶縁基板を浸漬することを特徴とするレジスト塗布基板の製造方法。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の水性レジスト組成物を用いることを特徴とす
るプリント配線板の製造方法。
[9][1]〜[6]のいずれかに記載の水性レジスト組成物を用いて製造されたプリ
ント配線板。
本発明の水性レジスト組成物は、密着性、タック性、表面平滑性に優れており、高精細
の配線パターンが形成されたプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂
本発明のレジスト組成物に使用される(A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂(
以下、「水、アルカリ可溶性樹脂」ともいう。)とは水や炭酸ナトリウム水溶液などのア
ルカリ性の水溶液に溶解する樹脂である。本発明の水、アルカリ可溶性樹脂は、現像液に
可溶で、エッチング液に難溶となる性質を有するものであり、好ましくは、分子中にカル
ボキシル基またはその無水物基を有する樹脂を含む成分である。分子中にカルボキシル基
またはその無水物基を有する樹脂としては、モノマーとして(メタ)アクリル酸と(メタ
)アクリル酸エステルを含む共重合体であるアクリル樹脂、(メタ)アクリル酸とエチレ
ンとの共重合体、無水マレイン酸とエチレン又はスチレンとの共重合体などが例示され、
密着性やタックなどの観点からアクリル樹脂が特に好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸とはメタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。
前記(A)水、アルカリ可溶性樹脂は光重合開始剤の存在下または不存在下、紫外線、
X線、電子線等の照射により光重合を引き起こすことが可能な光重合性樹脂が好ましく、
分子中にエチレン性不飽和結合のような重合性基を複数個有するものが例示される。
前記光重合性樹脂としては、公知のものを単独でまたは複数組み合わせて使用すること
が可能であり、例えば、下記(1)〜(5)の群から選ぶことができる。
(1)不飽和ヒドロキシル化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、イソシア
ナート基およびエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂との反応物;
(2)不飽和エポキシ化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、イソシアナー
ト基、アミノ基、およびヒドロキシル基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂
との反応物;
(3)不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物と、ヒドロキシル基、アミノ基
、イソシアナート基、およびエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂
との反応物;
(4)不飽和アミノ化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、ホルミル基、ケ
ト基、イソシアナート基、およびエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する
樹脂との反応物;
(5)不飽和イソシアナート化合物と、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、アミノ
基、ヒドロキシル基およびエポキシ基の中から選ばれる1種以上の官能基を有する樹脂と
の反応物。
これら光重合性樹脂の重量平均分子量や酸価(mgKOH/g)は任意であるが、重量
平均分子量は、好ましくは、500〜100,000の範囲、特に好ましくは、1,00
0〜50,000の範囲、そして最も好ましくは、2,000〜20,000の範囲にあ
り、酸価は、好ましくは、20〜350の範囲、特に好ましくは、50〜250の範囲、
そして最も好ましくは、80〜200の範囲にある。
重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、酸価は JIS
K5601により、測定する。
不飽和ヒドロキシル化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノアクリ
レート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アリル
エーテル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アリルエーテル、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、メ
タアリルアルコール、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、アリルフェノー
ルなどが使用できる。
不飽和エポキシ化合物の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどを
挙げることができる。
不飽和カルボン酸及びその無水物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸、桂皮酸、ナジック酸
、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、リカン酸、リシノール酸
、アラキドン酸およびこれらの無水物などが使用可能である。
不飽和アミノ化合物としては、アリルアミン、ジアリルアミン、アミノスチレン、アミ
ノメチルスチレン、アクリルアミドや不飽和カルボン酸またはその誘導体とエチレンジア
ミン等のポリアミンとの反応物などが例示される。
不飽和イソシアナート化合物としては、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレー
ト、アリルイソシアナートや、不飽和ヒドロキシル化合物とトリレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート等のポリイソシアナートとの反応物などが使用できる。
前記(1)〜(5)において使用される1種以上の官能基を有する樹脂とは、前記不飽
和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、不飽和イソシアナート化合物、不飽和エポキシ
化合物、不飽和ヒドロキシル化合物および不飽和アミノ化合物の中から選ばれる少なくと
も1種以上の単独重合体または共重合体などである。
カルボキシル基を官能基として有する樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ
)アクリル酸−メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸−スチレン共
重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、
末端カルボキシル化ポリブタジエン、末端カルボキシル化ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、フェノール樹脂の(無水)多価カルボン酸付加物などが例示される。
ヒドロキシル基を有する樹脂としては、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート−メチルメタクリレート共重合体、ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニ
ルアルコール、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリグリセリン、ポリビニルフ
ェノール、エポキシ樹脂のカルボン酸付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、末端ヒドロキシル化(水添)ポリブタジエン、末端ヒドロキシル化(水添)
石油樹脂および多価アルコールと多価イソシアナートとの反応物などが例示される。
エポキシ基を有する樹脂としては、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート−メチルメ
タクリレート共重合体、ノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンとの反応物、
多価フェノールとエピクロロヒドリンの反応物および多価アルコールとエピクロロヒドリ
ンとの反応物などが例示される。
アミノ基を有する樹脂としては、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリビニル
ホルムアミド鹸化物、ポリビニルアセトアミド鹸化物、ポリアミノスチレン、アミノスチ
レン−スチレン共重合体、カルボキシル基含有樹脂と多価アミンの反応物、尿素樹脂、お
よびメラミン樹脂などが例示される。
イソシアナート基を有する樹脂としては、ポリ−2−イソシアナトエチル(メタ)アク
リレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート
共重合体、多価イソシアナート化合物と多価ヒドロキシル化合物との反応物などを挙げる
ことができる。
前記(1)〜(5)のうち好ましいものをより具体的に示すと、
(1−1)不飽和ヒドロキシル化合物と、カルボン酸無水物基を有する樹脂との反応物、
例えばヒドロキシエチルアクリレートとスチレン−無水マレイン酸共重合体との反応物、
および当該反応物にさらに塩基を反応させたもの;
(1−2)不飽和ヒドロキシル化合物と、イソシアナート基を有する樹脂との反応物(2
−1)不飽和エポキシ化合物と、カルボキシル基を有する樹脂との反応物であり、例えば
、グリシジルアクリレートとメタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との反応物、
3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチルアクリレートとメタクリル酸−メチルメタクリ
レート共重合体との反応物およびこれら反応物にさらに塩基を反応させたもの;
(3−1)不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物と、エポキシ基を有する樹脂と
の反応物であり、例えば、アクリル酸とポリグリシジルメタクリレートとの反応物および
アクリル酸とグリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体との反応物など

である。
これらの中で特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸を構成モノマーの一種とする共
重合体であり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸とそのエステルとの共重合又はその
変性物からなるアクリル樹脂である。具体的には、グリシジルアクリレートとメタクリル
酸−メチルメタクリレート共重合体との反応物、3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチ
ルアクリレートとメタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との反応物およびこれら
反応物にさらに塩基を反応させたものである。
さらに、光重合性樹脂としては前記(1)〜(5)以外に下記のようなものも使用する
ことができる:
(6)ポリブタジエン等の、共役ジエン化合物の単独または共重合体及びその変性物;
(7)エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸とのエステル化物における脂肪酸鎖中の不飽和結合
に不飽和ジカルボン酸またはその無水物を付加させてなる重合性不飽和樹脂;
(8)不飽和性脂肪酸変性高酸価アルキド樹脂からなる重合性不飽和樹脂;および
(9)マレイン化油からなる重合性不飽和樹脂と一分子中に重合性不飽和結合を1個以
上有するエチレン性不飽和化合物との混合物。
本発明の水性レジスト組成物中における前記(A)の含有量は通常5〜40質量%の範
囲であり、好ましくは7〜30質量%の範囲であり、特に好ましくは9〜25質量%の範
囲である。5質量%未満であると絶縁基板へ塗布した場合の膜厚が薄くなりすぎ、膜強度
が低下するなどの問題が生じることがある。また、40質量%を越えると膜厚が厚くなり
、粘度が著しく高くなる、乾燥に時間がかかるなどの問題が生じることがある。
(B)セルロース誘導体
本発明における(B)セルロース誘導体は、セルロースの水酸基にアルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、カルボキシアルキル基等を導入したものであり、公知のものが制限なく
使用可能であるが、ヒドロキシアルキルセルロースが好ましい。前記アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などであり、ヒドロキシシルキル基としては
、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基などであり、カルボ
キシアルキル基としてはカルボキシメチル基などである。これらの具体例としてはメチル
セルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロースなどのセルロースのアルキルエーテ
ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースとなどのヒドロキシア
ルキルエーテル、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、
エチルヒドロキシプロピルセルロースなどのアルキルヒドロキシアルキルエーテル、カル
ボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロース、酢酸セルロースなどのセ
ルロースエステル等である。これらのアルキル基やヒドロキシアルキル基の導入量は、目
的に応じて任意の範囲に設定することができるが、通常セルロース中に含まれるグルコー
ス1単位あたり0.05〜2.5当量の範囲である。
これらのうち好ましくはメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキ
シプロピルセルロースであり、特に好ましくはヒドロキシプロピルセルロースである。
これらは市販のものを使用することが可能であり、例えばHECダイセル(ダイセル株
式会社)、ベルモコール(アクゾノーベル株式会社)、HEC(住友精化株式会社)、ク
ルーセル(三晶株式会社)、メトローズ(信越化学工業株式会社)、日曹HPC(日本曹
達株式会社)、チローゼ(クラリアントジャパン株式会社)などが入手できる。
(B)セルロース誘導体の含有量は、本発明の水性レジスト組成物中0.001〜1.
0質量%の範囲であり、この範囲外では本発明の効果を得ることが困難である。すなわち
1.0質量%を超えると、塗膜表面の平滑性が低下するばかりでなく、タックの発生が著
しくなる。また0.001質量%未満では、塗膜の厚みが不均一となり、ハジキやムラな
どの外観不良を引き起こし、さらには塗膜表面の平滑性が低下する。
なお本発明においては、前記(A)水溶性またはアルカリ可溶性樹脂の(B)セルロー
ス誘導体に対する質量比(A)/(B)が10〜1000の範囲であることが好ましい。
また前記(A)/(B)が350を超える場合には、(A)が15質量%以上であること
が望ましい。
(C)水
本発明の水性レジスト組成物は溶媒として(C)水を含有する。(C)水を含有するこ
とにより揮発性の高い有機溶剤の使用量を低減することが可能であり、またレジスト組成
物の引火点を高くし、保管、輸送時の安全性を高める。
本発明の水性レジスト組成物中における(C)水の含有量は、セルロース誘導体のゲル
化を抑制し良好な塗膜性状を得るために重要であり、水性レジスト組成物中25〜65質
量%の範囲であり、好ましくは、25〜60質量%、より好ましくは、30〜56質量%
、さらに好ましくは、35〜52質量%、最も好ましくは35〜50質量%の範囲である
。水の含有量が前記範囲を超えるとセルロース誘導体のゲル化がおこりやすくなり、塗膜
の平滑性が失われ、高精細のパターンを得ることが困難となる。また水の含有量が前記範
囲未満ではセルロース誘導体の溶解性が低下し、やはり塗膜の平滑性が失われ、高精細の
パターンを得ることが困難となる。
(D)水酸基含有有機溶剤
本発明の(D)水酸基含有有機溶剤は、分子中に1以上の水酸基を有する化合物であり
、これらは公知のものを制限無く使用することが可能であるが、アルコール化合物、ジオ
ール化合物、ジオール化合物のモノアルキルエーテル、ジオール化合物の脂肪族カルボン
酸とのモノエステル、α−ヒドロキシカルボン酸エステルが好ましい。またこれらの水酸
基含有有機溶剤は単独で使用することも、複数を併用することも可能である。
本発明の水性レジスト組成物における(D)の含有量は、本発明の水性レジスト組成物
中15〜50質量%の範囲であり、好ましくは20〜55質量%、より好ましくは20〜
45質量%、さらに好ましくは25〜45質量%、最も好ましくは25〜40質量%の範
囲である。(D)の含有量が15質量%未満では、加熱によるセルロース誘導体のゲル化
を抑制することが困難であり、塗膜の平滑性が失われて高精細のパターンを得ることが困
難となる。さらには乾燥中に「タレ」が発生し塗膜厚の均一性が低下する。また50質量
%を越えるとセルロース誘導体の溶解性が低下し、やはり塗膜の平滑性が失われ、高精細
のパターンを得ることが困難となる。
前記(D)水酸基含有有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、エチレングリコール
、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテー
ト、トリエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノア
セテート、ジプロピレングリコールモノアセテートなどが挙げられる。
また1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブ
タンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,
4−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、3−メトキシ−1−プロパノール、2−メチ
ル−3−メトキシ−1−プロパノール、2,2−ジメチル−3−メトキシ−1−プロパノ
ール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、こ
れらのメトキシ基をエトキシ基やその他のアルコキシ基に替えたもの、3−アセトキシ−
1−プロパノール、2−メチル−3−アセトキシ−1−プロパノール、2,2−ジメチル
−3−アセトキシ−1−プロパノール、3−アセトキシ−1−ブタノール、3−アセトキ
シ−3−メチル−1−ブタノール、これらのアセトキシ基をその他のアシルオキシ基に替
えたものなどが使用できる。
さらに前記(D)水酸基含有有機溶剤としては、α―ヒドロキシカルボン酸エステルも
使用可能であり、公知のものが制限は無く使用可能である。これらα―ヒドロキシカルボ
ン酸エステルの具体例としては、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール
酸n−プロピル、グリコール酸イソプロピル、グリコール酸n−ブチル、グリコール酸イ
ソブチル、グリコール酸n−ペンチル、グリコール酸n−ヘキシル、グリコール酸シクロ
ヘキシルなどのグリコール酸エステル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳
酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル、乳酸
n−へキシル、乳酸シクロヘキシル、乳酸ベンジル等の乳酸エステル、α―ヒドロキシ酪
酸メチル、α―ヒドロキシ酪酸エチル、α―ヒドロキシ酪酸n−プロピル、α―ヒドロキ
シ酪酸イソプロピル、α―ヒドロキシ酪酸n−ブチル、α―ヒドロキシ酪酸イソブチル、
α―ヒドロキシ酪酸n−ペンチル、α―ヒドロキシ酪酸n−ヘキシル、α―ヒドロキシ酪
酸シクロヘキシルなどのα―ヒドロキシ酪酸エステル、α―ヒドロキシ吉草酸メチル、α
―ヒドロキシ吉草酸エチル、α―ヒドロキシ吉草酸n−プロピル、α―ヒドロキシ吉草酸
イソプロピル、α―ヒドロキシ吉草酸n−ブチル、α―ヒドロキシ吉草酸イソブチル、α
―ヒドロキシ吉草酸アミル、α―ヒドロキシ吉草酸n−ヘキシル、α―ヒドロキシ吉草酸
シクロヘキシルなどのα―ヒドロキシ吉草酸エステルなどが挙げられる。
本発明のレジスト組成物には、必要に応じて他の公知の有機溶剤を添加することも可能
である。その溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族
炭化水素類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル
、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなど
のグリコールエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、
3−メトキシ−プロピオン酸メチル、3−メトキシ−プロピオン酸エチル、3−メトキシ
−酪酸メチル、3−メトキシ−酪酸エチル、3−メチル−3−メトキシ−酪酸メチル、3
−メチル−3−メトキシ−酪酸エチル、2−メトキシ−シクロヘキサンカルボン酸メチル
、3−メトキシ−1−プロピルアセテート、2−メチル−3−メトキシ−1−プロピルア
セテート、2,2−ジメチル−3−メトキシ−1−プロピルアセテート、3−メトキシ−
1−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、これらのメ
トキシ基をエトキシ基やその他のアルコキシ基に替えたもの、これらのアセトキシ基をそ
の他のアシルオキシ基に替えたもの、オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭
化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶
剤などが挙げられる。
(E)重合性不飽和化合物
本発明の水性レジスト組成物は、前記(A)〜(D)に加え、さらに(E)重合性不飽
和化合物を含有することが好ましい。(E)重合性不飽和化合物は、(F)光重合開始剤
により重合を行う化合物であれば特に制限は無く、公知のものを単独で、あるいは複数を
組み合わせて使用することができる。本発明のレジスト組成物における前記(E)重合性
不飽和化合物の含有量は、本発明のレジスト水性組成物中0.1〜10質量%、好ましく
は、0.5〜7質量%、最も好ましくは、1〜5質量%の範囲にある。(E)重合性不飽
和化合物の含有量が0.01質量%未満では光重合が十分進行せず、レジストとしての性
能を維持することが困難となることがある。また、含有量が10質量%を超えると塗膜の
性状が低下したり、タックの発生が著しくなることがある。
(E)重合性不飽和化合物としては、前記不飽和ヒドロキシル化合物、不飽和エポキシ
化合物、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物、不飽和アミノ化合物、不飽和
イソシアナート化合物や、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、メチルメタク
リレート等の(メタ)アクリル酸アルキル若しくはアリールエステル、多価アルコールの
(メタ)アクリル酸エステル、および多価アルコールのアリルエーテルなどが挙げられる
多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジ(メタ
)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートな
どが例示される。また、多価アルコールのアリルエーテルとしては、エチレングリコール
ジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジアリルエーテル、ポリエ
チレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリ
セリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルなどが例示され
る。
(F)光重合開始剤
(F)光重合開始剤としては公知のものが使用可能である。具体例としては、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジル、ジフェニルジス
ルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオシン、チオニン、
ミヒラーケトン、アントラキノン、クロルアントラキノン、メチルアントラキノン、α−
ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン
、α,α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘ
キシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルベン
ゾイルホルメート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−ベンゾイル−
4’−メチルジフェニルスルフィド、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−
ジメチルアミノ安息香酸ペンチルおよびトリエタノールアミンなどが挙げられる。これら
は単独で使用してもよいが、複数を併用することが好ましい。
これら光重合開始剤の含有量は、本発明の水性レジスト組成物中0.01〜10質量%
、好ましくは、0.1〜5質量%、最も好ましくは、0.5〜3質量%の範囲である。(
F)光重合開始剤の含有量が0.01質量%未満では光重合が十分進行せず、レジストと
しての性能を維持することが困難となる。また、含有量が10質量%を超えると塗膜の性
状が低下することがある。
本発明の感光性組成物には、保存、加工時の安定性を保つため、適宜、重合禁止剤を併
用することもできる。これらの重合禁止剤としては、従来公知の重合禁止剤を使用するこ
とができ、その例としてはフェノール類(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシ
トルエンなど)、ハイドロキノン類(ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ルなど)、カテコール類(カテコール、tert−ブチルカテコール、ピロガロール)な
どが挙げられる。
更に必要に応じて、アシッドブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン
、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カー
ボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知の着色剤、シリコーン系、フッ素系、高分
子系などの消泡剤および/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾ
ール系、シランカップリング剤などの密着性付与剤を添加することができる。
本発明のレジスト組成物には、表面張力の調節等のため、界面活性剤を添加することが
できる。界面活性剤としては特に制限はなく、公知のものを使用できる。例えば、アニオ
ン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム
、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性
界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキル
アミド等)およびアセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。本発明では、これら
の界面活性剤の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のレジスト組成物の粘度は25℃において5〜500mPa・sの範囲であるこ
とが好ましく、より好ましくは10〜300mPa・sの範囲、さらに好ましくは15〜
200mPa・sの範囲、最も好ましくは20〜150mPa・sである。粘度が低いと
チキソトロピー性が発現しにくく、また高すぎると浸漬塗布時の膜厚調節が困難となる。
粘度の測定方法としては、市販のB型回転粘度計などが使用できる。
本発明のレジスト組成物は、前記成分を任意の方法により混合することで製造すること
が可能であり、例えば、攪拌羽根を有する容器に攪拌しながら各成分を添加する方法が挙
げられる。各成分は、混合を行う容器に同時に添加してもよく、また逐次に添加してもよ
い。また各成分はその全量を一括で添加してもよく、複数回に分割して添加してもよい。
混合時の温度は任意であり、通常5〜50℃の範囲であり、好ましくは10〜40℃の範
囲である。また混合は一定温度で行ってもよく、温度を変化させて行ってもよい。
本発明のレジスト組成物は、任意の塗布方法に適用することができるが、特に浸漬塗布
法に有用である。浸漬塗布方法は公知の方法であり、容器に大量のレジスト組成物を入れ
、その中に銅張積層板等の導電性金属層を有する絶縁基板を浸漬し、任意の速度で垂直に
引き上げることにより塗布基板が製造される。この際、容器内のレジスト組成物は任意の
温度に設定することができるが、10〜50℃の温度範囲であることが好ましい。
浸漬塗布方法に使用される装置は特に限定はなく、公知のものが使用できるが、均一な
膜を形成するために引き上げ中に上昇速度を変えることが可能な装置が望ましい。市販の
浸漬塗布装置として、全自動ディップコーターAD−7200、セミオートディップコー
ターSD−6200、ファイブコーターSZC−720(以上、サツマ通信工業社製)な
どが例示される。
前記浸漬塗布法により得られた銅張り基板からは、通常、乾燥、露光、現像、エッチン
グ、およびレジスト膜剥離の工程、さらには必要に応じてその他任意の工程を経て、所定
の配線パターンを有するプリント配線板が製造される。
レジストの各成分(A)〜(F)として以下のものを使用した。
(A)水またはアルカリ可溶性樹脂
メタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体の3,4−エポキシ−シクロヘキシルメ
チルアクリレート変性樹脂(ダイセル化学工業株式会社製、商品名サイクロマーACA−
200M、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量17、000)
(B)セルロース誘導体
(b−1)ヒドロキシエチルセルロース(東京化成株式会社製)
(b−2)メチルセルロース(東京化成株式会社製)
(b−3)ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製)
(b−4)メチルヒドロキシプロピルセルロース(信越化学株式会社製)
(b−5)エチルヒドロキシエチルセルロース(アクゾノーベル株式会社製)
(D)水酸基含有有機溶剤
(d−1)エチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成株式会社製)
(d−2)プロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成株式会社製)
(d−3)3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(東京化成株式会社製)
(E)重合性不飽和化合物
(e−1)ポリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)
(e−2)トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学株式会社製)
(F)光重合開始剤
(f−1)2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−
1−オン(チバスペシャリティーケミカル株式会社製)
(f−2)ジエチルチオキサントン(チバスペシャリティーケミカル株式会社製)
(その他成分)
トリエチルアミン(TEA)
N−メチルモルフォリン(NMM)
(水酸基含有有機溶剤以外の有機溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMA)
(チクソ剤)
オキシプロピレンアンモニウム変性スメクタイト(SMC)
<実施例1>
1)レジスト組成物の調製
(B)セルロース誘導体、および(C)水を除く以下の表1に記載の各成分を、表1に
記載した量比で混合して均一な溶液を得た。次いでこの混合物を激しく攪拌しながら、表
1記載量の(C)水を2時間かけて滴下した。さらに表1記載量の(B)セルロース誘導
体を添加して15時間攪拌することで水性レジスト組成物を調製した。
2)粘度測定
東機産業株式会社製のB型粘度計(BL型、No.1ローター)を用い、25℃において
ローター回転数6rpmで測定した。
3)レジスト組成物の浸漬塗布
前記1)で調製したレジスト組成物を35℃の温度に保ち、サツマ通信工業社製ディッ
プコーター(商品名ファイブコーターFC−7500)を用いて両面銅張積層板(基板厚
130μ、銅箔厚18μm、400mm×510mm)に浸漬塗布した後、この基板を8
0℃で15分乾燥することでレジスト組成物塗膜を有する塗布基板を得た。なお塗布時の
引き上げ速度を変えることで塗膜を約8μmの厚さに調節した。
4)タックの測定
上記3)で得た乾燥後の塗布基板2枚を塗布面が合わさるように重ね、この重ね合わせ
た基板を400mm×510mm×1mmのステンレス板2枚の間に挟んで水平に静置し
た。この状態で2日間静置(23℃、相対湿度60%)した後、2枚の基板を静かに剥離
させた。このときの重ね合わせた塗布面を1cm×1cmのメッシュに区切り、剥離した
部分を有するメッシュの数により、以下の基準に従って剥離状態を判定した。結果を以下
の表1に示す。
◎:剥離が見られたメッシュ数が全体の2%未満の場合
○:剥離が見られたメッシュ数が全体の2%以上5%未満の場合
△:剥離が見られたメッシュ数が全体の5%以上10%未満の場合
×:剥離が見られたメッシュ数が全体の10%以上の場合
5)密着性の測定
エルコメーター社製の塗膜付着力試験機(アドヒージョンテスターF106型、塗布面
にアルミ製の円筒を接着して、それを引張ってはがす時の剥離強度を測定する装置)を用
いて、室温で塗膜の剥離強度を測定した。
6)光沢の測定
市販のグロスメーター(テスター産業製、OP−102)を用いて測定し、実施例1の
光沢値を1とした相対値で表した。結果を以下の表1に示す。
7)ライン形状および解像度の測定
・現像後の評価
前記3)で得た塗布基板にラインアンドスペース(以下、L/Sと略すことがある)が
20μm/20μm〜80μm/80μmまで10μmきざみのパターンをそれぞれ5個
ずつ有するフォトマスクを通して紫外線で露光(超高圧水銀ランプ、主波長365nm、
80mJ/cm2)したのち、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に60秒間浸漬させ
て現像し、25℃で水洗した。得られた基板の走査型電子顕微鏡写真によりレジストのラ
インの直線性を以下の基準にしたがって判定した。なおラインの欠けおよび現像残りが生
じないで得られたパターンのうち、最も小さいL/Sの値をもって解像度とした。結果を
以下の表1に示す。
◎:ライン側壁がほぼ直線性であるもの
○:ライン側壁の一部に蛇行があるもの
△:ライン側壁の大部分に蛇行が部分的にあるもの
×:ライン側壁の蛇行が著しいもの
・エッチング後の評価
上記の現像後、引き続いて塩化第二銅水溶液により45℃で60秒間エッチングを行い
、水洗した。得られた基板の走査型電子顕微鏡写真により、残存する5個のL/S=40
/40のレジストライン形状を観察し、以下の基準にしたがって判定した。結果を以下の
表1に示す。
◎:欠け、反りが見られたパターンが、5個のパターン中0〜1個の場合
○:欠け、反りが見られたパターンが、5個のパターン中2〜3個の場合
△:欠け、反りが見られたパターンが、5個のパターン中4個の場合
×:欠け、反りが見られたパターンが、5個のパターン中5個の場合
・剥離後の評価
上記エッチング後、引き続いて3質量%水酸化ナトリウム水溶液により45℃でレジス
ト膜を剥離し、水洗、乾燥を経て、銅の配線パターンを形成した基板を得た。得られた基
板の走査型電子顕微鏡写真によりL/S=40/40の銅配線のライン形状を観察し、以
下の基準にしたがって判定した。結果を以下の表1に示す。
◎:銅配線間に残銅が見られたパターンが、5個のパターン中0〜1個の場合
○:銅配線間に残銅が見られたパターンが、5個のパターン中2〜3個の場合
△:銅配線間に残銅が見られたパターンが、5個のパターン中4個の場合
×:銅配線間に残銅が見られたパターンが、5個のパターン中5個の場合
<実施例2〜6>
各成分として表1記載のものを、表1記載の量使用して実施例1と同様に水性レジスト
組成物を製造した。実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
<比較例1>
ヒドロキシエチルセルロースを使用しなかった以外は、実施例1と同様に水性レジスト
組成物を製造した。実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
<比較例2>
ヒドロキシエチルセルロースの使用量を2.0重量部とした以外は、実施例1と同様に
水性レジスト組成物を製造した。実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
<実施例7〜16>
各成分として表2記載のものを、表2記載の量使用して水性レジスト組成物を製造した
。実施例1と同様に評価を行った結果を表2に示す。
<比較例3〜7、実施例17〜21>
各成分として表3記載のものを、表3記載の量使用して水性レジスト組成物を製造した
。実施例1と同様に評価を行った結果を表3に示す。
Figure 2005173574
Figure 2005173574
Figure 2005173574

Claims (9)

  1. (A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂、(B)セルロース誘導体、(C)水、
    および(D)水酸基含有有機溶剤を含む水性レジスト組成物であって、当該レジスト組成
    物中の、前記(B)セルロース誘導体の含有量が、0.001〜1.0質量%、前記(C
    )水の含有量が、25〜65質量%、そして前記(D)水酸基含有有機溶剤の含有量が、
    15〜50質量%の範囲であることを特徴とする水性レジスト組成物。
  2. (A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂、(B)セルロース誘導体、(C)水、
    (D)水酸基含有有機溶剤、(E)重合性不飽和化合物、および(F)光重合開始剤を含
    む水性レジスト組成物であって、当該レジスト組成物中の、前記(B)セルロース誘導体
    の含有量が、0.001〜1.0質量%、前記(C)水の含有量が、25〜65質量%、
    前記(D)水酸基含有有機溶剤の含有量が、15〜50質量%の範囲であることを特徴と
    する水性レジスト組成物。
  3. 前記(A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂と前記(B)セルロース誘導体との
    質量比(A)/(B)が10〜1000の範囲であることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の水性レジスト組成物。
  4. 前記(A)水またはアルカリ性水溶液に可溶な樹脂が、(メタ)アクリル酸を構成モノ
    マーの一種とする共重合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の水性レジスト組成物。
  5. 前記(B)セルロース誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロースであることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性レジスト組成物。
  6. 前記(D)水酸基含有有機溶剤が、ジオール化合物のモノアルキルエーテル、ジオール
    化合物の脂肪族カルボン酸とのモノエステル、およびα−ヒドロキシカルボン酸エステル
    の中の少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水
    性レジスト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性レジスト組成物中に、導電性金属を有する絶
    縁基板を浸漬することを特徴とするレジスト塗布基板の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性レジスト組成物を用いることを特徴とするプ
    リント配線板の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性レジスト組成物を用いて製造されたプリント
    配線板。
JP2004332918A 2003-11-17 2004-11-17 水性レジスト組成物 Pending JP2005173574A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004332918A JP2005173574A (ja) 2003-11-17 2004-11-17 水性レジスト組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003386830 2003-11-17
JP2004332918A JP2005173574A (ja) 2003-11-17 2004-11-17 水性レジスト組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005173574A true JP2005173574A (ja) 2005-06-30

Family

ID=34741842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004332918A Pending JP2005173574A (ja) 2003-11-17 2004-11-17 水性レジスト組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005173574A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008019336A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Taiyo Ink Mfg Ltd 光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板
JP2010152154A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 被エッチング基体の製造方法及び感光性樹脂組成物
JP2013044916A (ja) * 2011-08-24 2013-03-04 Konica Minolta Advanced Layers Inc 光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、およびそれを用いた光学反射体
JP2013258215A (ja) * 2012-06-11 2013-12-26 Goo Chemical Co Ltd リフトオフ法用レジスト剤及び導体パターンの作製方法
JP2013257669A (ja) * 2012-06-11 2013-12-26 Goo Chemical Co Ltd タッチパネル用基板の製造方法
WO2024043213A1 (ja) * 2022-08-24 2024-02-29 株式会社ダイセル 薄膜形成用組成物、及び半導体素子の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008019336A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Taiyo Ink Mfg Ltd 光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板
JP2010152154A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 被エッチング基体の製造方法及び感光性樹脂組成物
JP2013044916A (ja) * 2011-08-24 2013-03-04 Konica Minolta Advanced Layers Inc 光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、およびそれを用いた光学反射体
JP2013258215A (ja) * 2012-06-11 2013-12-26 Goo Chemical Co Ltd リフトオフ法用レジスト剤及び導体パターンの作製方法
JP2013257669A (ja) * 2012-06-11 2013-12-26 Goo Chemical Co Ltd タッチパネル用基板の製造方法
WO2024043213A1 (ja) * 2022-08-24 2024-02-29 株式会社ダイセル 薄膜形成用組成物、及び半導体素子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3771705B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びプリント配線板製造用フォトレジストインク
TWI326005B (ja)
KR100634341B1 (ko) 윤기를 없앤 피막 형성용 광경화성·열경화성 조성물
KR101307124B1 (ko) 감광성 수지 조성물, 솔더 레지스트용 조성물 및 감광성 건식 필름
JP4514049B2 (ja) 感光性樹脂組成物並びにその硬化物
JP2007025152A (ja) プリント配線板製造用アルカリ現像型感光性レジストインキ組成物、その硬化物およびプリント配線板
JP4885243B2 (ja) 感光性樹脂組成物及び積層体
JP4571344B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物及びドライフィルム
JP2005173574A (ja) 水性レジスト組成物
JP5061938B2 (ja) 感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント及び永久マスクレジスト
JP4501662B2 (ja) 感光性組成物及びソルダーレジスト
JP4691416B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2010195860A (ja) 樹脂組成物、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法
JP4022004B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びプリント配線板製造用フォトレジストインク
JP4199326B2 (ja) 感光性組成物並びにフォトレジストインク
JP4022003B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びプリント配線板製造用フォトレジストインク
JP4323994B2 (ja) 焼成用感光性ペースト組成物及びそれを用いた焼成物パターン
JP4242010B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びその硬化物
KR20060092260A (ko) 수성 레지스트 조성물
JP4910610B2 (ja) 感光性樹脂組成物及び感光性フィルム
JP4889850B2 (ja) 硬化性樹脂、感光性樹脂組成物及び硬化塗膜の形成方法
JP2005024591A (ja) 感光性樹脂組成物、その硬化物、及びその用途
JP2005258426A (ja) 水性レジスト組成物およびその用途
JP2010113349A (ja) 感光性樹脂組成物
JP3988265B2 (ja) 感光性フィルム