JP2005172190A - 流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造 - Google Patents

流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造に関し、簡素な構成で、ピストン及びロックナットの締結後の緩みと共回りとを確実に防止する。
【解決手段】 流体圧シリンダ1に嵌装されて、流体圧シリンダ1の内部の流体圧を受圧するピストン4と、ピストン4を貫通した状態でピストン4と結合することによりピストン4が受圧した該流体圧を流体圧シリンダ1の外部へ伝達するピストンロッド2と、ピストンロッド2に形成された第1雄ネジ部2cに第1雌ネジ部5bが螺合することによりピストン4をピストンロッド2の一端部に締付固定しうるロックナット5とを備え、ピストン4には、ロックナット5に形成された第1雌ネジ部5bとはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なる第2雌ネジ部4bが形成されるとともに、ピストンロッド2には、上記のピストンの第2雌ネジ部4bと螺合する第2雄ネジ部2bが形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建設機械に用いて好適の油圧シリンダ装置のごとき流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造に関する。
従来より、油圧機構によりピストンを動作させて、大きな駆動力を得ることができるようにした油圧シリンダ装置が実用化されている。一般に、油圧シリンダ装置においては、油圧シリンダのシリンダロッドの端部に、ピストンがロックナットを用いて締め付け固定されている。かかる油圧シリンダ装置では、作動油の油圧を制御することで、ピストンを油圧シリンダ内で往復摺動させ、ピストンロッドを油圧の大きさに応じた駆動力で油圧シリンダに対して伸縮移動させることができるようになっている。
このような油圧シリンダ装置において、ロックナットは、例えば、ピストンロッドに形成された螺合部(ネジ山)に螺合してピストン及びロックナット自身を固定しうるように構成されるが、効率的に作動油圧をピストンロッドへ伝達するためにはロックナットが緩まないように螺合させて、ピストンをピストンロッドに確実に固定する必要がある。特に、建設機械において用いられる油圧シリンダ装置の場合、ピストンロッド及びシリンダには、作業負荷に応じた非常に大きな駆動力が働きうるため、ロックナットやピストンに緩みが生じると、効率的な駆動力の伝達が妨げられるおそれがある。
このような課題に対して、油圧シリンダ装置のロックナットとして、ナイロンリングを備えたナイロンナットを用いるように構成されたものがある。このような構成によれば、ナイロンナットをピストンロッドに締結させることで、ナイロンリングがピストンロッドの雄ネジ山に噛み込まれるため、ナイロンナットとピストンロッドとの摩擦抵抗を大きくすることができ、ナイロンナットを緩み難くすることができる。
一方、特許文献1に記載の技術によれば、ピストンとシリンダとの隙間をシールするリング状パッキングと、このパッキングをピストン軸方向へ押圧するパッキング押圧手段とを備え、パッキング押圧手段がピストンのネジ部と螺合するダブルナットで構成されている。このようなダブルナット構造をロックナットに適用することでも、ロックナットを緩み難くすることができる。
また、特許文献2には、ロックナットの後部端縁に1以上の凹部が形成され、この凹部と係合する係止部材が配置されるとともに、係止部材がピストンロッドの端部に固定される構成が記載されている。この特許文献2に記載の技術によれば、係止部材によりロックナットの回転を規制することができ、ロックナットの緩みを防止することができる。
特開平9−273629号公報 特開平6−26570号公報
しかし、上述のように、ロックナットとしてナイロンナットを用いた場合、ナイロンナットの締結時にはナイロンリングとシリンダロッドの螺合部(ネジ山)との間に摩擦力が発生するため、ナイロンナットの締結トルクの管理が難しい。特に、建設機械において用いられる油圧シリンダ装置では、一般的なボルト・ナットによる締結時と比較して、ロックナットの締結時に大きな締結トルクを必要とするため、軸力にばらつきが生じやすく、トルク管理がより困難となる。その結果、必要な締結トルクが得られていない場合には、ロックナットの緩みが生じてしまうことがあるという課題がある。
また、特許文献1に記載のダブルナット構造の場合、ダブルナットを構成する各々のナット間の摩擦力が互いのナットの移動を拘束するように働いているため、例えばこれらのナットのうち片方だけが回転するような力が働いてこの摩擦力が小さくなると、各々のナットの移動が拘束されなくなり、締結力が失われてしまうことがある。そして、その結果各々のナットが接触したまま共回りを起こすおそれがある。
また、特許文献2に記載の技術によれば、ピストン,ロックナットの他に係止部材を必要とするため、構成が複雑となってしまう。また、係止部材が外れないように溶接等によって係止部材を確実にピストンロッドに固定する必要があるが、溶接時の熱によって部材が変形を起こしたり劣化することがあるという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で、ピストン及びロックナットの締結後の緩みと共回りとを確実に防止することができる流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の流体圧シリンダ装置(請求項1)は、流体圧シリンダに嵌装されて、該流体圧シリンダの内部の流体圧を受圧するピストンと、該ピストンを貫通した状態で該ピストンと結合することにより該ピストンが受圧した該流体圧を該流体圧シリンダの外部へ伝達するピストンロッドと、該ピストンロッドに形成された第1雄ネジ部に第1雌ネジ部が螺合することにより該ピストンを該ピストンロッドの一端部に締付固定しうるロックナットとを備え、該ピストンには、該ロックナットに形成された該第1雌ネジ部とはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なる第2雌ネジ部が形成されるとともに、該ピストンロッドには、上記のピストンの第2雌ネジ部と螺合する第2雄ネジ部が形成されていることを特徴としている。
また、該第1雄ネジ部の径が該第2雄ネジ部の径よりも小さく形成されていることが好ましく(請求項2)、該第1雄ネジ部のピッチが該第2雄ネジ部のピッチよりも小さく形成されていることが好ましく(請求項3)、該ピストンと該ロックナットとが、それらの接合部においてカシメ加工を施されていることが好ましく(請求項4)、該ピストンと該ロックナットとの間に、偏心軸部と、該偏心軸部に当接する回転止め部材とからなる偏心軸式回転止め機構が介装されていることが好ましい(請求項5)。
なお、該偏心軸式回転止め機構は、該ロックナットの該ピストンとの当接部近傍に形成され、該ロックナットの軸心から偏心した軸心を有する該偏心軸部としてのオフセット軸部と、該ピストンの半径方向に向けて形成され、該ピストンの該ロックナットへの当接時に該偏心軸部に対向するよう開口するネジ穴と、該ネジ穴に螺合してネジ先端を該オフセット軸部に当接する、回転止めとしてのネジとを備えて構成されることが好ましく、該ネジ穴は、該ロックナットの軸心に対して互いに点対称の位置に一対設けられることが好ましい。また、該ネジが、該ネジ先端において該偏心軸部に当接して該偏心軸部を点圧する点圧部材を備えることがより好ましい。
また、本発明の流体圧シリンダ装置用ピストン締付固定構造(請求項6)は、流体圧シリンダを構成するピストンをピストンロッドに貫通させた状態で、該ピストンロッドに形成された第1雄ネジ部にロックナットの第1雌ネジ部を螺合させることにより、該ピストンを該ピストンロッドの一端部に締付固定する構造であって、該ピストンに、上記のロックナットの第1雌ネジ部とはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なる第2雌ネジ部が形成されるとともに、該ピストンロッドに、上記のピストンの第2雌ネジ部と螺合する第2雄ネジ部が形成されていることを特徴としている。
本発明の流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造(請求項1,6)によれば、ピストンとロックナットとがそれらの間に働く摩擦力によって一体に回転しようとしても、第1雌ネジ部と第2雌ネジ部とのピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なっているため、ともに回転が拘束される。したがって、ピストンとロックナットとの緩みと共回りとを防止することができる。また、ロックナットを係止するための部材を必要とせず、構成が簡素である。
また、本発明の流体圧シリンダ装置(請求項2)によれば、請求項1による効果に加えて、ピストンをピストンロッドの第1雄ネジ部側から挿通させて第2雄ネジ部に螺合させることができるため、構造が簡素になるとともに組み立てが容易となる。
また、本発明の流体圧シリンダ装置(請求項3)によれば、ピストンとロックナットとが緩もうとするほど、それらの間の摩擦が大きくなるため、ピストンとロックナットとの摩擦力を確実に確保することができ、効果的にピストンとロックナットとの緩みと共回りとを防止することができる。
また、本発明の流体圧シリンダ装置(請求項4)によれば、ピストンとロックナットとがカシメ加工されて一体に形成されるため、ピストンとロックナットとの間の摩擦力の大きさに関わらず、ともに回転が拘束される。したがって、より効果的にピストンとロックナットとの緩みと共回りとを防止することができる。
また、本発明の流体圧シリンダ装置(請求項5)によれば、偏心軸式回転止め機構によってピストンとロックナットとの相対的な回転を確実に防止することができ、効果的にピストンとロックナットとの緩みと共回りとを防止することができる。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図7は本発明の実施形態にかかる油圧シリンダ装置を説明するものであり、図1は本発明の第1実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の全体構成を示す断面図、図2は本発明の第1実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の模式的な要部拡大断面図、図3は本発明の第2実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の構成を示すもので、(a)はその要部拡大断面図、(b)は図3(a)のA矢視図、図4は本発明の第3実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の構成を示すもので、(a)はその要部拡大断面図、(b)はそのピストン及びロックナットの拡大斜視図、図5(a)〜(c)は本発明の第3実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構を示す模式的な構成図、図6は本発明の第3実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構におけるビスの固定長を説明するための模式図、図7は本発明の第3実施形態の変形例にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構を示す模式的な構成図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態にかかる流体圧シリンダ装置用ピストン締付固定構造は、図1,図2に示すように、油圧シリンダ装置1に適用されている。
図1に示すように、油圧シリンダ装置1は、内部に作動油を充填された流体圧シリンダとしてのシリンダ3と、シリンダ3内の作動油圧に応じた駆動力をシリンダ3の外部へ伝達するピストンロッド2とを備え、ピストンロッド2には円環状のピストン(以下、単にピストンという)4が嵌装されるとともに、ピストンロッド2にロックナット5が螺合されてピストン4が締結固定されるように構成されている。
シリンダ3内部のシリンダ室7には、ピストンロッド2の軸心がシリンダ室7の軸心に一致するように、ピストンロッド2が挿通されている。このピストンロッド2は、ロッド部2a,第2雄ネジ部2b及び第1雄ネジ部2cを備えて構成されている。
ここで、第2雄ネジ部2bは、ピストンロッド2のシリンダ室7内部側に位置する一端側に設けられており、ピストン4の内側に形成された第2雌ネジ部4bと螺合するようになっている。また、第1雄ネジ部2cは、第2雌ネジ部2bに隣接して設けられており、ピストン4を固定するためのロックナット5の内側に形成された第1雌ネジ部5bと螺合するようになっている。また、ロッド部2aは、ピストン4がシリンダ室7内の作動油から受圧する油圧をシリンダ3の軸方向の駆動力としてシリンダ3の外部へ伝達するようになっている。
ピストンロッド2の軸心は、第2雄ネジ部2bの軸心と一致するように形成されている。また、この第2雄ネジ部2bに固定されるピストン4の外周面は、シリンダ室7の内周面に隙間なく接触するように形成されている。つまり、シリンダ室7は、ピストン4を介して2つの空間7a,7bに分割され、各々の空間7a,7bに充填される作動油の油圧に応じて、ピストン4がシリンダ室7内をシリンダ3の軸方向に往復摺動するようになっている。なお、各々の空間7a,7bには、それぞれの内部に充填される作動油の供給通路としての作動油通路8a,8bが設けられている。
また、ピストン4の第2雌ネジ部4bをピストンロッド2の第2雄ネジ部2bに螺合させて嵌装した状態で、ピストンロッド2に形成された第1雄ネジ部2cにロックナット5の第1雌ネジ部5bを螺合させることにより、ピストン4が締付固定されるようになっている。
ピストンロッド2の第1雄ネジ部2cは、第2雄ネジ部2bよりも細く形成されている(すなわち、第1雄ネジ部2cの径は、第2雄ネジ部2bの径よりも小さく形成されている)とともに、第2雄ネジ部2bの径は、ロッド部2aの径よりも細く形成されている。これにより、ピストン4をピストンロッド2の一端側から挿通して、容易に第2雄ネジ部2bに嵌装させることができるようになっている。また、ピストン4の第2雌ネジ部4bをピストンロッド2の第2雄ネジ部2bに螺合させると、ピストン4がロッド部2aに当接して、それ以上ロッド部2a側へ移動しない位置に固定されるようになっている。
また、ピストン4がこの位置にある状態でロックナット5の第1雌ネジ部5bとピストンロッド2の第1雄ネジ部2cとを螺合していくと、ロックナット5の接触面5aがピストン4の接触面4aに当接した状態でロックナット5が締結される。つまり、ロックナット5の固定締結によって、ピストン4は、ピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定されるようになっている。
また、ピストンロッド2の第1雄ネジ部2cと第2雄ネジ部2bとにおいて、各々のピッチ(すなわち、ピストン4,ロックナット5を同一角度だけ回転させたときに、ピストン4,ロックナット5がピストンロッド2の軸方向へ移動する各々の距離)及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されている。換言すると、ピストン4の第2雌ネジ部4bは、ロックナット5の第1雌ネジ部5bとはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されている。
なお、本実施形態においては、第1雄ネジ部2cのピッチ(すなわち第1雌ネジ部5bのピッチ)が、第2雄ネジ部2bのピッチ(すなわち第2雌ネジ部4bのピッチ)よりも小さく形成されているが、例えば、第1雄ネジ部2cのピッチを第2雄ネジ部2bのピッチよりも大きく形成してもよく、また、第1雄ネジ部2cを右ネジにするとともに第2雄ネジ部2bを左ネジに形成してもよい。
本発明の第1実施形態にかかる油圧シリンダ装置は上述のように構成されているため、以下のように組み立てられて作用する。
まず、ピストン4をピストンロッド2に嵌装させ、ピストン4の第2雌ネジ部4bとピストンロッド2の第2雄ネジ部2bとを螺合させて、ピストン4とピストンロッド2のロッド部2aとを当接させる。このとき、ピストン2の第1雄ネジ部2cの径は、第2雄ネジ部2bの径よりも小さく形成されているので、容易にピストン4を取付けることができる。
次に、ロックナット5の第1雌ネジ部5bとピストンロッド2の第1雄ネジ部2cとを螺合させて、ロックナット5の接触面5aとピストン4の接触面4aとを当接させ、ロックナット5を締結して、ピストン4及びロックナット5の取り付けを完了させる。このとき、ロックナット5とピストン4との当接面(すなわち、4a,5a)には、摩擦力が働く。そして、ロックナット5の固定締結によって、ピストン4は、ピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定される。
このように、ピストン4及びロックナット5の取り付けが完了した状態で、ピストン4にロッド2の一端側への力が働いて、ピストン4又はロックナット5が緩もうとした場合、ピストン4とロックナット5との間には摩擦力が働いているため、双方が一体となって同時に移動(回転)を行おうとする。しかし、ピストン4が螺合するロッド2の第2雄ネジ部2bとロックナット5が螺合する第1雄ネジ部2cとのピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されているため、ピストン4とロックナット5とは一体となって移動することができない。したがって、ピストン4及びロックナット5は緩むことがない。
特に、本実施形態においては、図2に示すように、第1雄ネジ部2cのピッチが、第2雄ネジ部2bのピッチよりも小さく形成されている。ここで、例えば、ピストン4のみに緩みを発生させるような力が働いた場合を想定すると、緩もうとするピストン4の軸方向の移動距離に対して、同じ回転角で緩もうとするロックナット5の軸方向への移動距離は小さくなる。そのため、ロックナット5の軸方向への移動が、ピストン4によって規制されることになり、ピストン4は緩むことがない。
また同様に、ロックナット5のみに緩みを発生させるような力が働いた場合を想定すると、同じ回転角で緩もうとするピストン4の軸方向への移動距離が、ロックナット5の軸方向の移動距離よりも大きくなる。本実施形態においては、ロックナット5がピストン4の緩み側に位置しているから、ロックナット5の接触面5aがピストン4の接触面4aにより密着することになり、ロックナット5とピストン4との間の摩擦力が増大するようになる。
したがって、たとえロックナット5及びピストン4のいずれかのみが緩もうとした場合であっても、確実にピストン4及びロックナット5の緩みと共回りとを防止することができる。
また、ピストン4はピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定されているため、組立時にロックナット5に与えられた所定のトルクがロッド2のロッド部2aに対して保持されることになる。したがって、互いにナットを逆方向へ締結することでそれらのナット間において締結トルクを保持する従来のダブルナット構造と比較すると、締付トルクの管理が容易となり、より確実に固定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図3(a),(b)を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一の機能要素については、図中において同一の符号を付しており、それらに関する記述は省略する。
この第2実施形態においては、図3(a)に示すように、ピストンロッド2の第1雄ネジ部2cは、第2雄ネジ部2bよりも細く形成されている(すなわち、第1雄ネジ部2cの径は、第2雄ネジ部2bの径よりも小さく形成されている)とともに、第2雄ネジ部2bの径は、ロッド部2aの径よりも細く形成されている。これにより、ピストン4をピストンロッド2の一端側から挿通して、容易に第2雄ネジ部2bに嵌装させることができるようになっている。また、ピストン4の第2雌ネジ部4bをピストンロッド2の第2雄ネジ部2bに螺合させると、ピストン4がロッド部2aに当接して、それ以上ロッド部2a側へ移動しない位置に固定されるようになっている。
また、ピストン4がこの位置にある状態でロックナット5の第1雌ネジ部5bとピストンロッド2の第1雄ネジ部2cとを螺合していくと、ロックナット5の接触面5aがピストン4の接触面4aに当接した状態でロックナット5が締結される。つまり、ロックナット5の固定締結によって、ピストン4は、ピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定されるようになっている。
また、ピストンロッド2の第1雄ネジ部2cと第2雄ネジ部2bとにおいて、各々のピッチ(すなわち、ピストン4,ロックナット5を同一角度だけ回転させたときに、ピストン4,ロックナット5がピストンロッド2の軸方向へ移動する各々の距離)及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されている。換言すると、ピストン4の第2雌ネジ部4bは、ロックナット5の第1雌ネジ部5bとはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されている。
なお、本実施形態においては、第1雄ネジ部2cのピッチ(すなわち第1雌ネジ部5bのピッチ)が、第2雄ネジ部2bのピッチ(すなわち第2雌ネジ部4bのピッチ)よりも小さく形成されているが、例えば、第1雄ネジ部2cのピッチを第2雄ネジ部2bのピッチよりも大きく形成してもよく、また、第1雄ネジ部2cを右ネジにするとともに第2雄ネジ部2bを左ネジに形成してもよい。
また、この第2実施形態では、図3(b)に示すように、ピストン4とロックナット5との当接面の摩擦力をより確実に確保すべく、ロックナット5のピストン4との当接面側に切り欠き5cが備えられるとともに、ピストン4のロックナット5との当接面側には、切り欠き5cへカシメ加工されてピストン4とロックナット5とを連結しうるカシメ部4cが備えられている。
つまり、ピストン4及びロックナット5のピストンロッド2への取付が完了した後で、ピストン4のカシメ部4cをロックナット5の切り欠き5cへ叩き込むカシメ加工を施すことで、ピストン4とロックナット5とを一体に形成することができるようになっており、このようなカシメ加工処理によって、ピストン4とロックナット5とが、一体にのみ回転しうるように緊結されるようになっている。
本発明の第2実施形態にかかる油圧シリンダ装置は、上述のように構成されているため、以下のように組み立てられて作用する。
まず、ピストン4をピストンロッド2に嵌装させ、ピストン4の第2雌ネジ部4bとピストンロッド2の第2雄ネジ部2bとを螺合させて、ピストン4とピストンロッド2のロッド部2aとを当接させる。このとき、ピストン2の第1雄ネジ部2cの径は、第2雄ネジ部2bの径よりも小さく形成されているので、容易にピストン4を取付けることができる。
次に、ロックナット5の第1雌ネジ部5bとピストンロッド2の第1雄ネジ部2cとを螺合させて、ロックナット5の接触面5aとピストン4の接触面4aとを当接させ、ロックナット5を締結して、ピストン4及びロックナット5の取り付けを完了させる。このとき、ロックナット5とピストン4との当接面(すなわち、4a,5a)には、摩擦力が働く。そして、ロックナット5の固定締結によって、ピストン4は、ピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定される。
このように、ピストン4及びロックナット5の取り付けが完了した状態で、ピストン4にロッド2の一端側への力が働いて、ピストン4又はロックナット5が緩もうとした場合、ピストン4とロックナット5との間には摩擦力が働いているため、双方が一体となって同時に移動(回転)を行おうとする。しかし、ピストン4が螺合するロッド2の第2雄ネジ部2bとロックナット5が螺合する第1雄ネジ部2cとのピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されているため、ピストン4とロックナット5とは一体となって移動することができない。したがって、ピストン4及びロックナット5は緩むことがない。
さらに、本実施形態においては、ピストン4及びロックナット5のピストンロッド2への取付が完了した後で、ピストン4のカシメ部4cをロックナット5の切り欠き5cへ叩き込んでカシメ加工を施す(カシメ加工処理部を符号4c´で示す)。このようなカシメ加工処理により、ピストンとロックナットとがそれらの間の摩擦力の大きさに関わらず、一体に形成されることになる。そのため、確実に双方が一体となって同時に移動(回転)を行おうとする。しかし、ピストン4が螺合するロッド2の第2雄ネジ部2bとロックナット5が螺合する第1雄ネジ部2cとのピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されているため、ピストン4とロックナット5とは一体となって移動することができず、ピストン4及びロックナット5の緩みが確実に防止される。
また、本第2実施形態においては、図3(a)に示すように、第1雄ネジ部2cのピッチが、第2雄ネジ部2bのピッチよりも小さく形成されている。ここで、例えば、ピストン4のみに緩みを発生させるような力が働いた場合を想定すると、緩もうとするピストン4の軸方向の移動距離に対して、同じ回転角で緩もうとするロックナット5の軸方向への移動距離は小さくなる。そのため、ロックナット5の軸方向への移動が、ピストン4によって規制されることになり、ピストン4は緩むことがない。
また同様に、ロックナット5のみに緩みを発生させるような力が働いた場合を想定すると、同じ回転角で緩もうとするピストン4の軸方向への移動距離が、ロックナット5の軸方向の移動距離よりも大きくなる。本実施形態においては、ロックナット5がピストン4の緩み側に位置しているから、ロックナット5の接触面5aがピストン4の接触面4aにより密着することになり、ロックナット5とピストン4との間の摩擦力が増大するようになる。
したがって、万が一、上述のカシメ加工処理部4c´に経年変化等による緩みやガタが生じてロックナット5及びピストン4のいずれかのみが緩もうとした場合であっても、確実にピストン4及びロックナット5の緩みと共回りとを防止することができる。
また、ピストン4はピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定されているため、組立時にロックナット5に与えられた所定のトルクがロッド2のロッド部2aに対して保持されることになる。したがって、第1実施形態と同様に、互いにナットを逆方向へ締結することでそれらのナット間において締結トルクを保持する従来のダブルナット構造と比較すると、締付トルクの管理が容易となり、より確実に固定することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図4(a),(b)を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一の機能要素については、図中において同一の符号を付しており、それらに関する記述は省略する。
この第3実施形態においては、図4(a)に示すように、ピストンロッド2の第1雄ネジ部2cは、第2雄ネジ部2bよりも細く形成されている(すなわち、第1雄ネジ部2cの径は、第2雄ネジ部2bの径よりも小さく形成されている)とともに、第2雄ネジ部2bの径は、ロッド部2aの径よりも細く形成されている。これにより、ピストン4をピストンロッド2の一端側から挿通して、容易に第2雄ネジ部2bに嵌装させることができるようになっている。また、ピストン4の第2雌ネジ部4bをピストンロッド2の第2雄ネジ部2bに螺合させると、ピストン4がロッド部2aに当接して、それ以上ロッド部2a側へ移動しない位置に固定されるようになっている。
また、ピストン4がこの位置にある状態でロックナット5の第1雌ネジ部5bとピストンロッド2の第1雄ネジ部2cとを螺合していくと、ロックナット5の接触面5aがピストン4の接触面4aに当接した状態でロックナット5が締結される。つまり、ロックナット5の固定締結によって、ピストン4は、ピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定されるようになっている。
また、ピストンロッド2の第1雄ネジ部2cと第2雄ネジ部2bとにおいて、各々のピッチ(すなわち、ピストン4,ロックナット5を同一角度だけ回転させたときに、ピストン4,ロックナット5がピストンロッド2の軸方向へ移動する各々の距離)及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されている。換言すると、ピストン4の第2雌ネジ部4bは、ロックナット5の第1雌ネジ部5bとはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されている。
なお、本実施形態においては、第1雄ネジ部2cのピッチ(すなわち第1雌ネジ部5bのピッチ)が、第2雄ネジ部2bのピッチ(すなわち第2雌ネジ部4bのピッチ)よりも小さく形成されているが、例えば、第1雄ネジ部2cのピッチを第2雄ネジ部2bのピッチよりも大きく形成してもよく、また、第1雄ネジ部2cを右ネジにするとともに第2雄ネジ部2bを左ネジに形成してもよい。
また、この第3実施形態では、図4(b)に示すように、ピストン4とロックナット5との間に、偏心軸部と、偏心軸部に当接する回転止め部材とからなる偏心軸式回転止め機構10が介装されている。すなわち、ロックナット5のピストン4との当接部近傍に、ロックナット5の軸心から偏心した軸部を有する偏心軸部としてのオフセット軸部5dが設けられるとともに、ロックナット5の軸心に対して互いに点対称の位置に、ロックナット5の半径方向へ形成された一対のネジ穴4dが設けられ、一対のネジ穴4dの各々には、回転止め部材としてのネジ6が螺合して取付けられるようになっている。
本第3実施形態では、オフセット軸部5dはロックナット5に設けられており、一対のネジ穴4dはピストン4の突出部4eに設けられている。また、ピストン4の突出部4eは、ロックナット5とピストン4との当接部近傍において、ピストン4からロックナット5方向へ突出して設けられている。
また、一対のネジ穴4dは、ピストン4及びロックナット5のピストンロッド2への取付が完了したときに、ロックナット5のオフセット軸部5dに対向する位置に開口するようになっており、ネジ穴4dの内周面にはネジ6が螺合可能なネジ山が形成されている。そして、このネジ6を締結することで、ネジ先端6aがオフセット軸部5dに当接してロックナット5の回転止めとして機能するようになっている。
ロックナット5のオフセット軸部5dは、図5(a)〜(c)に示すように、その軸心C1がピストン4の軸心C0から距離dCだけ偏心するように形成されている。このような構成により、ピストン4の突出部4eの内周面からオフセット軸部5dまでの距離、すなわち、ネジ6の締結時における突出部4eの内周面からのネジ6の突出長さは、図5(a)〜(c)中にd1〜d6として示すように、ロックナット5のピストン4に対する回転角度に応じて変化するようになっている。具体的には、図6に示すように、オフセット軸部5dの偏心方向に対して水平にネジ先端6aが当接する位置のうち、オフセット軸部5dの偏心方向の位置(すなわち、B6の位置)で、突出部4eの内周面からオフセット軸部5dまでの距離が最小値d6となり、オフセット軸部5dを挟んで反対側の位置(すなわち、B3の位置)で、突出部4eの内周面からオフセット軸部5dまでの距離が最大値d3となる。また、ネジ6がB1,B2,B4及びB5に位置するときの突出長さd1,d2,d4及びd5は、最小値d6と最大値d3との間の値をとることになる。なお、最大値と最小値との差は、オフセット軸部5dの偏心量dcの2倍となっており、オフセット軸部5dの偏心量が大きくなるほど、ネジ6の突出長さの変化が大きくなる。
本発明の第3実施形態にかかる油圧シリンダ装置は、上述のように構成されているため、以下の通り組み立てられて、以下のような作用ないし効果を奏する。
まず、ピストン4をピストンロッド2に嵌装させ、ピストン4の第2雌ネジ部4bとピストンロッド2の第2雄ネジ部2bとを螺合させて、ピストン4とピストンロッド2のロッド部2aとを当接させる。このとき、ピストン2の第1雄ネジ部2cの径は、第2雄ネジ部2bの径よりも小さく形成されているので、容易にピストン4を取付けることができる。
次に、ロックナット5の第1雌ネジ部5bとピストンロッド2の第1雄ネジ部2cとを螺合させて、ロックナット5の接触面5aとピストン4の接触面4aとを当接させ、ロックナット5を締結して、ピストン4及びロックナット5の取り付けを完了させる。このとき、ロックナット5とピストン4との当接面(すなわち、4a,5a)には、摩擦力が働く。そして、ロックナット5の固定締結によって、ピストン4は、ピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定される。
このように、ピストン4及びロックナット5の取り付けが完了した状態で、ピストン4にロッド2の一端側への力が働いて、ピストン4又はロックナット5が緩もうとした場合、ピストン4とロックナット5との間には摩擦力が働いているため、双方が一体となって同時に移動(回転)を行おうとする。しかし、ピストン4が螺合するロッド2の第2雄ネジ部2bとロックナット5が螺合する第1雄ネジ部2cとのピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なるように形成されているため、ピストン4とロックナット5とは一体となって移動することができない。したがって、ピストン4及びロックナット5は緩むことがない。
なお、ロックナット5をピストンロッド2の第1雄ネジ部2cに装着したとき、ピストン4のネジ穴4dの開口はロックナット5のオフセット軸部5dに対向して位置することになる。
次に、一対のネジ穴4dの各々にネジ6を螺合させ、ネジ先端6aをオフセット軸部5dに当接させる。このとき、ピストン4に設けられたネジ穴4dのオフセット軸部5d側の開口からオフセット軸部5d面までの距離(すなわち、突出部4eの内周面からの突出長さ)は、ロックナット5のピストン4に対する回転角度に応じて変化する。
図5(a)に示すように、オフセット軸部5dの偏心方向に対して垂直にネジ先端6aが当接する位置(B2及びB5)にネジ6が締結されたとき、各々のネジ6の突出部4eの内周面からの突出長さは、d2,d5となる。このように各々のネジ6が締結された後にロックナット5が右回転方向へ回転しようとした場合、B2付近においてネジ穴4dのオフセット軸部5d側の開口からオフセット軸部5d面までの距離が小さくなるような方向へロックナット5が回転しようとすることになるため、長さd2の突出部4eの内周面からのネジ6の突出によってロックナット5の回転が規制される。また、ロックナット5が左回転方向へ回転しようとした場合、B5付近においてネジ穴4dのオフセット軸部5d側の開口からオフセット軸部5d面までの距離が小さくなるような方向へロックナット5が回転しようとすることになるため、長さd5の突出によってロックナット5の回転が規制される。つまり、各々のネジ6が締結されると、ロックナット5の回転が右あるいは左のいずれの回転方向に対しても規制され(つまり、ロックナット5とピストン4との相対的な回転移動が規制される)、ピストン4及びロックナット5の緩みが防止されることになる。
同様に、図5(b)に示すように、オフセット軸部5dの偏心方向に対して角度θ(ただし、0<θ<π)をなしてネジ先端6aが当接する位置(B1及びB4)にネジ6が締結されたとき、各々のネジ6の突出部4eの内周面からの突出長さは、d1,d4となる。このように各々のネジ6が締結された後にロックナット5が右回転方向へ回転しようとした場合、B1付近において長さd1の突出によってロックナット5の回転が規制され、また、ロックナット5が左回転方向へ回転しようとした場合、B4付近において長さd4の突出によってロックナット5の回転が規制される。つまり、各々のネジ6が締結されると、ロックナット5の回転が右あるいは左のいずれの回転方向に対しても規制され(つまり、ロックナット5とピストン4との相対的な回転移動が規制される)、ピストン4及びロックナット5の緩みが防止されることになる。
また、図5(c)に示すように、オフセット軸部5dの偏心方向に対して水平にネジ先端6aが当接する位置(B3及びB6)にネジ6が締結されたとき、各々のネジ6の突出部4eの内周面からの突出長さは、d3,d6となる。このように各々のネジ6が締結された後にロックナット5が回転しようとした場合、B3付近において長さd3の突出によってロックナット5の回転が左右いずれの回転方向に対しても規制される。つまり、各々のネジ6が締結されると、ロックナット5の回転が右あるいは左のいずれの回転方向に対しても規制され(つまり、ロックナット5とピストン4との相対的な回転移動が規制される)、ピストン4及びロックナット5の緩みが防止されることになる。
なお、オフセット軸部5dの偏心方向に対して水平にネジ先端6aが当接する位置のうちB3の位置は図5(b)における角度θがπの場合に対応し、B6の位置は角度θが0の場合に対応する。そして、ピストン4の一対のネジ穴4dはロックナット5の軸心に対して互いに点対称の位置に設けられているため、ロックナット5の第1雄ネジ部2cへの螺合回転角度によらず、または、ピストン4の第2雄ネジ部2bへの螺合回転角度によらず、常に角度θが0≦θ≦πの範囲にこれらの一対のネジ穴4dに螺合するネジ6のネジ先端6aが当接することになる。したがって、ロックナット5の第1雄ネジ部2cへの螺合回転角度によらず、または、ピストン4の第2雄ネジ部2bへの螺合回転角度によらず、常にロックナット5の回転を右あるいは左のいずれの回転方向に対しても規制することができる(つまり、ロックナット5とピストン4との相対的な回転移動が規制される)。
さらに、本第3実施形態においては、図4(a)に示すように、第1雄ネジ部2cのピッチが、第2雄ネジ部2bのピッチよりも小さく形成されている。ここで、例えば、ピストン4のみに緩みを発生させるような力が働いた場合を想定すると、緩もうとするピストン4の軸方向の移動距離に対して、同じ回転角で緩もうとするロックナット5の軸方向への移動距離は小さくなる。そのため、ロックナット5の軸方向への移動が、ピストン4によって規制されることになり、ピストン4は緩むことがない。
また同様に、ロックナット5のみに緩みを発生させるような力が働いた場合を想定すると、同じ回転角で緩もうとするピストン4の軸方向への移動距離が、ロックナット5の軸方向の移動距離よりも大きくなる。本実施形態においては、ロックナット5がピストン4の緩み側に位置しているから、ロックナット5の接触面5aがピストン4の接触面4aにより密着することになり、ロックナット5とピストン4との間の摩擦力が増大するようになる。
したがって、万が一、上述の偏心軸式回転止め機構10に緩みやガタが生じてロックナット5及びピストン4のいずれかのみが緩もうとした場合であっても、確実にピストン4及びロックナット5の緩みと共回りとを防止することができる。
また、ピストン4はピストンロッド2のロッド部2aとロックナット5とに挟持された状態で固定されているため、組立時にロックナット5に与えられた所定のトルクがロッド2のロッド部2aに対して保持されることになる。したがって、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、互いにナットを逆方向へ締結することでそれらのナット間において締結トルクを保持する従来のダブルナット構造と比較すると、締付トルクの管理が容易となり、より確実に固定することができる。
以上、本発明の第1実施形態,第2実施形態及び第3実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態においては、油圧シリンダに本発明を適用した場合を説明したが、流体圧シリンダ装置において広く適用できるものである。
また、上述の第3実施形態において、ネジ先端6aをオフセット軸部5dに当接させて、ロックナット5及びピストン4の回転を規制するように構成されているが、図7に示すように、ネジ6の先端に球状の点圧部材(ボール)9を設けて構成されてもよい。ネジ6とオフセット軸部5dとの間にボール9を介在させることによって、オフセット軸部5dのネジ6との当接面がネジ6の軸方向に対して垂直ではない場合であっても、ネジ6による締め付け力をオフセット軸部5dへ確実に伝達することができる。また、安価で強度的に有利な偏心軸式回転止め機構とすることができる。
さらに、上述の第3実施形態において、偏心軸式回転止め機構10としてのネジ穴4d及びネジ6が、ロックナット5の軸心に対して互いに点対称の位置に一対設けられるように構成されているが、ネジ穴4d及びネジ6が図5(c)におけるB3に位置するように構成してもよい。例えば、ピストン4とロックナット5とを締結固定した後でネジ穴4dをこのB3位置に穿いて、ネジ6によって固定するように構成すれば、1本のネジ6でロックナット5のピストン4に対する回転を左右いずれの方向に対しても規制することができ、ピストン4及びロックナット5の緩みを防止することができる。
本発明の第1実施形態にかかる油圧シリンダ装置の全体構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる油圧シリンダ装置の構成を示す模式的な要部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる油圧シリンダ装置の構成を示すもので、(a)はその要部拡大断面図、(b)は図3(a)のA矢視図である。 本発明の第3実施形態にかかる油圧シリンダ装置の構成を示すもので、(a)はその要部拡大断面図、(b)はロックナット及びピストンの拡大斜視図である。 本発明の第3実施形態にかかる油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構を示す模式的な構成図であり、(a)はオフセット軸部の偏心方向に対して垂直にネジが当接する場合、(b)は角度θをなして当接する場合、(c)は水平に当接する場合を示す。 本発明の第3実施形態及び第2実施形態にかかる油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構におけるビスの固定長を説明する模式図である。 本発明の第3実施形態の変形例にかかる油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構を示す模式的な構成図である。
符号の説明
1 流体圧シリンダ装置としての油圧シリンダ装置
2 ピストンロッド
2a ロッド部
2b 第2雄ネジ部
2c 第1雄ネジ部
3 シリンダ(流体圧シリンダ)
4 ピストン
4a 接触面
4b 第2雌ネジ部
4c カシメ部
4c´ カシメ加工処理部
4d ネジ穴
4e 突出部
5 ロックナット
5a 接触面
5b 第1雌ネジ部
5c 切り欠き
5d オフセット軸部(偏心軸部)
6 ネジ(回転止め部材)
6a ネジ先端
7,7a,7b シリンダ室
8a,8b 作動油通路
9 ボール(点圧部材)
10 偏心軸式回転止め機構

Claims (6)

  1. 流体圧シリンダに嵌装されて、該流体圧シリンダの内部の流体圧を受圧するピストンと、
    該ピストンを貫通した状態で該ピストンと結合することにより該ピストンが受圧した該流体圧を該流体圧シリンダの外部へ伝達するピストンロッドと、
    該ピストンロッドに形成された第1雄ネジ部に第1雌ネジ部が螺合することにより該ピストンを該ピストンロッドの一端部に締付固定しうるロックナットとを備え、
    該ピストンには、該ロックナットに形成された該第1雌ネジ部とはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なる第2雌ネジ部が形成されるとともに、
    該ピストンロッドには、上記のピストンの第2雌ネジ部と螺合する第2雄ネジ部が形成されている
    ことを特徴とする、流体圧シリンダ装置。
  2. 該第1雄ネジ部の径が該第2雄ネジ部の径よりも小さく形成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の流体圧シリンダ装置。
  3. 該第1雄ネジ部のピッチが該第2雄ネジ部のピッチよりも小さく形成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の流体圧シリンダ装置。
  4. 該ピストンと該ロックナットとが、それらの接合部においてカシメ加工を施されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体圧シリンダ装置。
  5. 該ピストンと該ロックナットとの間に、偏心軸部と、該偏心軸部に当接する回転止め部材とからなる偏心軸式回転止め機構が介装されている
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体圧シリンダ装置。
  6. 流体圧シリンダを構成するピストンをピストンロッドに貫通させた状態で、該ピストンロッドに形成された第1雄ネジ部にロックナットの第1雌ネジ部を螺合させることにより、該ピストンを該ピストンロッドの一端部に締付固定する構造であって、
    該ピストンに、上記のロックナットの第1雌ネジ部とはピッチ及びネジ切り方向のいずれかが異なる第2雌ネジ部が形成されるとともに、
    該ピストンロッドに、上記のピストンの第2雌ネジ部と螺合する第2雄ネジ部が形成されている
    ことを特徴とする、流体圧シリンダ装置用ピストン締付固定構造。
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