JP3898181B2 - 流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造 - Google Patents
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Description
本発明は、このような課題に鑑み案出されたもので、ピストン及びロックナットの締結後の緩みを確実に防止することができる流体圧シリンダ装置及び同装置用ピストン締付固定構造を提供することを目的とする。
トンを該ピストンロッドの一端部に締付固定しうるロックナットとを備えた流体圧シリンダ装置における該ピストンの締付固定構造であって、該ロックナットにおける該ピストンとの当接部近傍に設けられ、該ロックナットの軸心から偏心して形成された偏心軸部としてのオフセット軸部と、該ピストンにおいて該ピストンの半径方向に向けて形成され、該ピストンの該ロックナットへの当接時に該オフセット軸部に対向するように開口するネジ穴と、該ネジ穴に螺合してその先端を該オフセット軸部に当接させる回転止めとしてのネジとを備えたことを特徴としている。
図1〜図8は本発明の実施形態にかかる油圧シリンダ装置を説明するものであり、図1は本発明の第1実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の構成を示す模式的な断面図、図2は本発明の第1実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置のロックナットの拡大斜視図、図3(a)〜(c)は本発明の第1実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構を示す模式的な構成図、図4は本発明の第1実施形態及び第2実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構におけるビスの固定長を説明するための模式図、図5は本発明の第2実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置のロックナット及びシリンダの拡大斜視図、図6は本発明の第2実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の構成を示す模式的な要部拡大断面図、図7(a)〜(c)は本発明の第2実施形態にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構を示す模式的な構成図、図8は本発明の第1実施形態及び第2実施形態の変形例にかかるピストン締付固定構造を有する油圧シリンダ装置の偏心軸式回転止め機構を示す模式的な構成図である。
本発明の第1実施形態にかかる流体圧シリンダ装置用ピストン締付固定構造は、図1に示すように、油圧シリンダ1に適用される。
油圧シリンダ装置1は、内部に作動油を充填された流体圧シリンダとしてのシリンダ3と、シリンダ3内の作動油圧に応じた駆動力をシリンダ3の外部へ伝達するピストンロッド2とを備えて構成されている。
ここで、第2雄ネジ部2bは、ピストンロッド2のシリンダ室7内部側に位置する一端側に設けられており、ピストン4の内側に形成された第2雌ネジ部4bと螺合するようになっている。また、第1雄ネジ部2cは、第2雌ネジ部2bに隣接して設けられており、ピストン4を固定するためのロックナット5の内側に形成された第1雌ネジ部5bと螺合するようになっている。また、ロッド部2aは、ピストン4がシリンダ室7内の作動油から受圧する油圧をシリンダ3の軸方向の駆動力としてシリンダ3の外部へ伝達するようになっている。
なお、本第1実施形態においては、偏心軸部としてのオフセット軸部2dとネジ穴5aと回転止めとしてのネジ6とが、偏心軸式回転止め機構10を構成しており、この偏心軸式回転止め機構10は、ピストンロッド2のナット螺合部2c近傍に形成されて、ロックナット5とピストンロッド2との間に介装されていることになる。
ピストンロッド2のオフセット軸部2dは、図3(a)〜(c)に示すように、その軸心C1がナット螺合部2cの軸心C0(すなわち、ロックナット5の軸心)から距離dCだけ偏心するように形成されている。このような構成により、ロックナット5のナット穴5bの内周面からオフセット軸部2dまでの距離、すなわち、ネジ6の締結時におけるナット穴5bの内周面からのネジ6の突出長さは、図3(a)〜(c)中にd1〜d6として示すように、ロックナット5のピストンロッド2に対する回転角に応じて変化するようになっている。具体的には、図4に示すように、オフセット軸部2dの偏心方向に対して水平にネジ先端6aが当接する位置のうち、オフセット軸部2dの偏心方向の位置(すなわち、B6の位置)で、ナット穴5bの内周面からオフセット軸部2dまでの距離が最小値d6となり、オフセット軸部2dを挟んで反対側の位置(すなわち、B3の位置)で、ナット穴5bの内周面からオフセット軸部2dまでの距離が最大値d3となる。また、ネジ6がB1,B2,B4及びB5に位置するときの突出長さd1,d2,d4及びd5は、最小値d6と最大値d3との間の値をとることになる。なお、最大値と最小値との差は、オフセット軸部2dの偏心量dcの2倍となっており、オフセット軸部2dの偏心量が大きくなるほど、ネジ6の突出長さの変化が大きくなる。
まず、ピストンロッド2のピストン挿通部2bにピストン4を挿通させ、ピストンロッド2のナット螺合部2cにロックナット5を螺合させる。そして、ロックナット5及びピストン4が緩んでピストンロッド2から外れないように、ロックナット5を所定のトルクで締め付ける。このようにロックナット5をピストンロッド2のナット螺合部2cに装着したとき、ネジ穴5aの開口はピストンロッド2のオフセット軸部2dに対向して位置することになる。
図3(a)に示すように、オフセット軸部2dの偏心方向に対して垂直にネジ先端6aが当接する位置(B2及びB5)にネジ6が締結されたとき、各々のネジ6のナット穴5bの内周面からの突出長さは、d2,d5となる。このように各々のネジ6が締結された後にロックナット5が右回転方向へ回転しようとした場合、B2付近においてネジ穴5aのオフセット軸部2d側の開口からオフセット軸部2d面までの距離が小さくなるような方向へロックナット5が回転しようとすることになるため、長さd2のナット穴5bの内周面からのネジ6の突出によってロックナット5の回転が規制される。また、ロックナット5が左回転方向へ回転しようとした場合、B5付近においてネジ穴5aのオフセット軸部2d側の開口からオフセット軸部2d面までの距離が小さくなるような方向へロックナット5が回転しようとすることになるため、長さd5の突出によってロックナット5の回転が規制される。つまり、各々のネジ6が締結されると、ロックナット5の回転が右あるいは左のいずれの回転方向に対しても規制され、ピストン4及びロックナット5の緩みが防止されることになる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図5〜図7を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一の機能要素については、図中において同一の符号を付しており、それらに関する記述は省略する。
ロックナット5のオフセット軸部5cは、図7(a)〜(c)に示すように、その軸心C1がナット螺合部2cの軸心C0(すなわち、ロックナット5の軸心)から距離dC´だけ偏心するように形成されている。このような構成により、ピストン4の突出部4cの内周面からオフセット軸部5cまでの距離、すなわち、ネジ6の締結時における突出部4cの内周面からのネジ6の突出長さは、図7(a)〜(c)中にd1´〜d6´として示すように、ピストン4とロックナット5との相対的な回転角の大きさに応じて変化するようになっている。具体的には、第1実施形態と同様、図4に示すように、オフセット軸部5cの偏心方向に対して水平にネジ先端6aが当接する位置のうち、オフセット軸部5cの偏心方向の位置(すなわち、B6´の位置)で、突出部4cの内周面からオフセット軸部5cまでの距離が最小値d6´となり、オフセット軸部5cを挟んで反対側の位置(すなわち、B3´の位置)で、突出部4cの内周面からオフセット軸部5cまでの距離が最大値d3´となる。また、ネジ6がB1´,B2´,B4´及びB5´に位置するときの突出長さd1´,d2´,d4´及びd5´は、最小値d6´と最大値d3´との間の値をとることになる。
本発明の第2実施形態にかかる油圧シリンダ装置は上述のように構成されているため、以下の通り組み立てられて、以下のように効果を奏する。
このように、本第2実施形態によれば、ピストン4及びロックナット5の緩みと共回りとを確実に防止して、ピストン4及びロックナット5を確実にピストンロッド2へ固定することができる。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態においては、ネジ先端6aをオフセット軸部2d,5cに当接させて、ロックナット5やピストン4の回転を規制するように構成されているが、図8に示すように、ネジ6の先端に球状の点圧部材(ボール)9を設けて構成されてもよい。ネジ6とオフセット軸部2d,5cとの間にボール9を介在させることによって、オフセット軸部2d,5cのネジ6との当接面がネジ6の軸方向に対して垂直では
ない場合であっても、ネジ6による締め付け力をオフセット軸部2d,5cへ確実に伝達することができる。また、安価で強度的に有利な偏心軸式回転止め機構とすることができる。
2 ピストンロッド
2a ロッド部
2b ピストン挿通部
2b´ ピストン螺合部
2c ナット螺合部
2d オフセット軸部
3 シリンダ(流体圧シリンダ)
4 ピストン
4a ネジ穴
4b 螺合溝
4c 突出部
5 ロックナット
5a ネジ穴
5b ナット穴
5c オフセット軸部(偏心軸部)
6 ネジ(回転止め部材)
6a ネジ先端
7,7a,7b シリンダ室
8a,8b 作動油通路
9 ボール(点圧部材)
10,10´ 偏心軸式回転止め機構
Claims (3)
- 流体圧シリンダに嵌装されて、該流体圧シリンダの内部の流体圧を受圧するピストンと、
該ピストンを貫通した状態で該ピストンと結合することにより該ピストンが受圧した該流体圧を該流体圧シリンダの外部へ伝達するピストンロッドと、
該ピストンロッドに螺合して該ピストンを該ピストンロッドの一端部に締付固定しうるロックナットと、
該ロックナットにおける該ピストンとの当接部近傍に設けられ、該ロックナットの軸心から偏心して形成された偏心軸部としてのオフセット軸部と、
該ピストンにおいて該ピストンの半径方向に向けて形成され、該ピストンの該ロックナットへの当接時に該オフセット軸部に対向するように開口するネジ穴と、
該ネジ穴に螺合してその先端を該オフセット軸部に当接させる回転止めとしてのネジと
を備えたことを特徴とする、流体圧シリンダ装置。 - 該ネジ穴は、該ロックナットの軸心に対して互いに点対称の位置に一対設けられる
ことを特徴とする、請求項1記載の流体圧シリンダ装置。 - 流体圧シリンダに嵌装されて、該流体圧シリンダの内部の流体圧を受圧するピストンと、
該ピストンを貫通した状態で該ピストンと結合することにより該ピストンが受圧した該流体圧を該流体圧シリンダの外部へ伝達するピストンロッドと、
該ピストンロッドに螺合して該ピストンを該ピストンロッドの一端部に締付固定しうるロックナットとを備えた流体圧シリンダ装置における該ピストンの締付固定構造であって、
該ロックナットにおける該ピストンとの当接部近傍に設けられ、該ロックナットの軸心から偏心して形成された偏心軸部としてのオフセット軸部と、
該ピストンにおいて該ピストンの半径方向に向けて形成され、該ピストンの該ロックナットへの当接時に該オフセット軸部に対向するように開口するネジ穴と、
該ネジ穴に螺合してその先端を該オフセット軸部に当接させる回転止めとしてのネジと
を備えたことを特徴とする、流体圧シリンダ装置用ピストン締付固定構造。
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