JP2005171859A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離室の位置に拘らず配管吐出口を配置することのできる圧縮機を提供する。
【解決手段】分離室51の開口部51′から分離管52を圧入するとともに、分離室51の内壁51dに設けた係合溝51eに規制リング53を係合することにより分離管52の反挿入方向への移動を規制しているので、従来の圧縮機のように、分離管52の反挿入方向への移動を規制するための冷媒吐出配管を分離管52の直上部に接続する必要がなく、冷媒吐出口14を分離部50の位置に拘らず自由に配置することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば車両用空気調和装置等の冷媒圧縮用に用いられる圧縮機に関するものである。
従来、この種の圧縮機としては、冷媒を吸入及び吐出する圧縮機本体と、圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、圧縮機本体内の圧縮部において潤滑油とともに圧縮された冷媒を分離室において冷媒と潤滑油とに分離して冷媒を圧縮機本体の外部に吐出するようにしたものが知られている。
また、前記分離室としては、上下方向に延びる断面円形状の分離室内に分離管を備え、潤滑油を含んだ冷媒を分離室の内壁の接線方向に流入させることによって内壁に沿って旋回させ、潤滑油が分離室の内壁に付着して冷媒と潤滑油が分離され、分離された冷媒が分離管を流通して圧縮機本体の外部に吐出されるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−295767号公報
しかしながら、従来の圧縮機では、分離室の上部に冷媒吐出口の吐出配管を接続することにより、吐出配管の先端によって分離管を固定しているため、冷媒吐出口の位置が分離室の上部に限定され、冷媒吐出口の配置の自由度が制限されるという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、分離室の位置に拘らず配管吐出口を配置することのできる圧縮機を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、分離室内には圧縮機本体に設けた開口部から挿入される分離管を固定するようにした圧縮機において、前記分離室の内壁に分離管の一端を係止して分離管の反挿入方向への移動を規制する規制部を設けている。これにより、規制部に分離管の一端が係止して分離管の反挿入方向への移動が規制されることから、分離管が挿入される開口部に冷媒吐出配管を接続せずに分離管が分離室内に固定される。
また、請求項4では、圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、分離室内には圧縮機本体に設けた開口部から挿入される分離管を固定するようにした圧縮機において、前記圧縮機本体の開口部を閉塞するとともに、下端を分離管の一端に係止して分離管の反挿入方向への移動を規制するシール部材を備え、シール部材には分離室の冷媒を圧縮機本体の冷媒吐出口側に流通する流通孔を設けている。これにより、シール部材の下端が分離管の一端に係止して分離管の反挿入方向への移動が規制されることから、分離管が挿入される開口部に冷媒吐出配管を接続せずに分離管が分離室内に固定される。
本発明によれば、分離管が挿入される開口部に冷媒吐出配管を接続せずに分離管を分離室内に固定することができるので、圧縮機本体の冷媒吐出口を分離管挿入用の開口部の位置に拘らず自由に配置することができる。
図1乃至図5は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は圧縮機の側面断面図、図2は圧縮機の正面断面図、図3乃至図5は分離部の分解斜視図である。
この圧縮機は、冷媒を吸入及び吐出する圧縮機本体10と、圧縮機本体10内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部20と、圧縮部20を駆動する駆動シャフト30と、駆動シャフト30に外部からの動力を伝達する電磁クラッチ40と、圧縮部20から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離部50と、分離された潤滑油を収容するとともに、圧縮部20の冷媒吸入側に供給する貯油室60とを備えている。
圧縮機本体10は中空状に形成され、第1のハウジング11および第2のハウジング12からなる。第1のハウジング11は圧縮機本体10の一端面及び側面を形成しており、その内部の一端側には冷媒吐出室13が設けられる。また、第1のハウジング11の側面には図示しない冷媒吸入口が設けられ、一端面側側面には冷媒吐出口14が設けられている。第2のハウジング12は圧縮機本体10の他端面を形成しており、ボルト15によって第1のハウジング11に固定されている。
圧縮部20は、第1のハウジング11内の一端側に配置された固定スクロール部材21と、第1のハウジング11内の他端側に配置された可動スクロール部材22とからなり、固定スクロール部材21は冷媒吐出室13を仕切るように第1のハウジング11内に固定されている。固定スクロール部材21の一端面には一方の渦巻体21aが設けられ、固定スクロール部材21のほぼ中央には冷媒吐出室13に連通する貫通孔21bが設けられている。また、固定スクロール部材21の他端面には貫通孔21bを開閉する板状の吐出バルブ23が設けられ、吐出バルブ23は固定スクロール部材21の他端面に取付けられたストッパ24によって所定の開度に規制されるようになっている。可動スクロール部材22の一端面には他方の渦巻体22aが設けられ、その他端面には第2のハウジング12側に延びるボス部22bが設けられている。また、可動スクロール部材22と第2のハウジング12との間には回転阻止機構25が設けられ、回転阻止機構25によって可動スクロール部材22が自転を阻止された所定の旋回運動を行うようになっている。
駆動シャフト30は一端側をローラベアリング31を介して第2のハウジング12に回動自在に支持され、その他端側はボールベアリング32を介して第2のハウジング12に回動自在に支持されている。駆動シャフト30の一端面にはその軸心に対して偏心した偏心ピン33が突設され、偏心ピン33は偏心ブッシュ34内に挿入されている。また、偏心ブシュ34はローラベアリング35を介して可動スクロール部材22のボス部22bに回動自在に支持されている。
電磁クラッチ40は、駆動シャフト30に対して同軸状に回転するロータ41と、ロータ41に一体に設けられたプーリ42と、ロータ41に対して同軸状に回転するアーマチュア43と、アーマチュア43と一体に回転するハブ44と、ロータ41及びアーマチュア43の軸方向の対向面を磁力によって互いに吸着可能な電磁コイル45とから構成されている。
ロータ41は環状に形成された磁性体からなり、その内周面をボールベアリング41aを介して圧縮機本体10の第2ハウジング12に回動自在に支持されている。ロータ41の一端面側には環状の凹部41bが設けられ、凹部41b内には電磁コイル45が収容されている。ロータ41の他端面はアーマチュア43と軸方向に対向しており、電磁コイル45によってアーマチュア43を吸着するようになっている。
プーリ42はロータ41の外周面に設けられ、図示しないVベルトが巻き掛けられるようになっている。
アーマチュア43は環状の板状部材によって形成された磁性体からなり、その一端面はロータ41の他端面と僅かな間隙を介して対向しており、電磁コイル45によってロータ41の他端面に吸着されるようになっている。
ハブ44は円板状に形成された金属製の部材からなり、その中央には駆動シャフト30の一端側が連結され、駆動シャフト30はナット44aによってハブ44に固定されている。ハブ44は連結板44b及び板バネ44cを介してアーマチュア43に連結されており、板バネ44cの弾性変形によってアーマチュア43がロータ41側へ変位可能になっている。
電磁コイル45は絶縁皮膜を施した導線の巻腺からなり、ステータ45aの内部にエポキシ等の樹脂部材によってモールド固定されている。ステータ45aは環状に形成された断面略コ字状の磁性体からなり、ロータ41の凹部41a内に固定されている。また、ステータ45aは環状の連結部材45bを介して圧縮機本体10に連結されている。
分離部50は冷媒吐出室13と冷媒吐出口14との間の冷媒通路内に位置する分離室51と、分離室51内に設けられた分離管52とから構成されている。
分離室51は第1のハウジング11の一端側に上下方向に延びるように設けられ、その上端側を開放するとともに、内部を断面円形状に形成されている。分離室51の上部には冷媒吐出口14へ冷媒を流通させる冷媒通路14aが側方から連通するとともに、分離室51の上端はシールボルト51aにより閉塞されるようになっている。分離室51の下端側は下面中央部に向って傾斜するように形成され、最下部には貯油室60と連通する導入孔51bが設けられている。また、分離室51の冷媒吐出室13側の側面上部には一対の連通孔51cが互いに上下方向に間隔をおいて設けられ、各連通孔51cは分離室51の中心軸に対して幅方向に所定距離をおいて円周状の内壁51dの接線方向に向くように配置されている。さらに、分離室51内に配置される分離管52の直上部の内壁51dには規制部材としてのC型に形成された規制リング53を弾性変形させることにより係合する係合溝51eが周方向に設けられている。
分離管52は略円筒状に形成された部材からなり、その上端側は分離室51の内壁51dに接する外径を有し、下端側は内壁51dから所定の間隔を保持する外径を有している。分離管52は分離室51の上方の開口部51′から分離室51内に挿入されるとともに、その上端側を分離室51内に圧入されている。この場合、分離室51の係合溝51eに規制リング53を係合することにより、分離管52の上方への移動が規制されるようになっている。また、分離管52の下端側は分離室51の下面との間に所定距離をおいて配置されている。
貯油室60は第1のハウジング11内の一端側及び固定スクロール部材21の他端側の間に形成され、貯油室60を図2の左右方向に仕切る仕切壁61によって第1の貯油室62及び第2の貯油室63に分割している。第1の貯油室62および第2の貯油室63は第1のハウジング11と固定スクロール部材21との間に周方向に亘って延びる結合部の下部の間隙を連通路64として連通される。また、第1の貯油室62の上部は導入孔51bを介して分離部50と連通しており、第2の貯油室63の下部は固定スクロール部材21に設けられたフィルタ65及びオリフィス66を介して圧縮部20の冷媒吸入側と連通している。
以上のように構成された圧縮機においては、エンジンの動力が電磁クラッチ40のプーリ42に入力されると、プーリ42と一体にロータ41が回転する。その際、電磁コイル45の通電停止時は、ロータ41とアーマチュア43の軸方向の対向面が互いに間隔をおいて保持されているため、ロータ41がアーマチュア43に対して空転し、ロータ41の回転力はアーマチュア43に伝達されない。また電磁コイル45が通電されると、電磁コイル45の磁力によってアーマチュア43がロータ41側に吸引され、ロータ41とアーマチュア43が互いに圧着して摩擦係合する。これにより、ロータ41の回転力が伝達され、アーマチュア43の回転力が駆動シャフト30に伝達される。
駆動シャフト30が回転すると、圧縮部20の可動スクロール部材22が偏心ブシュ34の回転によって所定の旋回運動を行う。これにより、圧縮機本体10の冷媒吸入口から第1のハウジング11内に流入した冷媒が可動スクロール部材22の渦巻体22aと固定スクロール21の渦巻体21aとの間に吸入され、各渦巻体21a,22a間で圧縮される。尚、各渦巻体21a,22aの圧縮動作については、周知のスクロール型圧縮機と同様であるため、詳細な説明は省略する。
圧縮された冷媒は冷媒吐出室13内に吐出され、冷媒吐出室13から連通孔51cを経て分離室51に吐出される。分離室51の各連通孔51cは分離室51の中心軸に対して幅方向に所定距離をおいて内壁51dの接線方向に向けて設けられているため、圧縮された冷媒は分離室51の内壁51dに沿って旋回するように下降する。このとき、圧縮された冷媒には潤滑油が含まれており、分離室51の内壁51dに沿って圧縮された冷媒を旋回させることにより、潤滑油が分離室51の内壁51dに付着して冷媒と潤滑油が分離される。潤滑油と分離された冷媒は分離室51内の分離管52の下端から冷媒吐出口14を経て外部に吐出され、潤滑油は自重によって下降し、分離室51下部の導入孔51bを経て貯油室60に吐出される。
分離部50から吐出された潤滑油は貯油室60に貯蔵され、貯蔵された潤滑油は圧縮部20の冷媒吸入側と貯油室60との内部圧力の差によって圧縮部20の冷媒吸入側に吸引され、フィルタ65により不純物を取除かれた後にオリフィス66によって供給量を調整されて圧縮部20の冷媒吸入側に供給される。
本実施形態の圧縮機によれば、分離室51の開口部51′から分離管52を圧入するとともに、分離室51の内壁51dに設けた係合溝51eに規制リング53を係合することにより分離管52の反挿入方向への移動を規制しているので、従来の圧縮機のように、分離管52の反挿入方向への移動を規制するための冷媒吐出配管を分離管52の直上部に接続する必要がなく、冷媒吐出口14を分離部50の位置に拘らず自由に配置することができる。
尚、前記実施形態では、分離管52を分離室の内壁51dに設けられた係合溝51eに規制リング53を係合することにより反挿入方向への移動を規制したものを示したが、図6に示すように、分離管52の上部に位置する内壁51dの一部をカシメ加工等により分離室51の内側に突出するように変形させ、その規制部51fによって分離管52の反挿入方向への移動を規制するようにしてもよい。
図7及び図8は本発明の第2の実施形態を示すもので、図7は圧縮機の正面断面図、図8はシール部材の斜視図である。尚、前記第1の実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態の圧縮機は、分離室51の上端を閉塞するシールボルト54の下部に下端を開口した円筒部54aを一体に設け、円筒部54aの側面には複数の流通孔54bが互いに周方向に間隔をおいて設けられている。
即ち、シールボルト54を分離室51の上端に螺合すると、シール部材54の円筒部54aの下端が分離管52の上端に係止し、分離管52の上方への移動が規制される。この場合、分離管52から吐出される冷媒は円筒部54aの各流通孔54bを流通し、冷媒通路14aを介して冷媒吐出口14から吐出される。
このように、本実施形態の圧縮機によれば、分離室51の開口部51′から分離管52を圧入し、開口部51′にシールボルト54を螺合することにより、円筒部54aの端部によって分離管52の反挿入方向への移動を規制するようにしたので、従来の圧縮機のように、分離管52の反挿入方向への移動を規制するための冷媒吐出配管を分離管52の直上部に接続する必要がなく、冷媒吐出口14を分離部50の位置に拘らず自由に配置することができる。
また、分離室51の上端の開口部51′の内面にシールボルトを螺合することにより、開口部51′を閉塞するようにしたので、容易に開口部51′にシールボルトを取り付けることができ、組付工数の低減を図ることができる。
第1の実施形態を示す圧縮機の側面断面図 図1のA−A断面図 分離部の分解斜視図 分離部の分解斜視図 分離部の分解斜視図 分離室内の規制部を示す側面断面図 第2の実施形態を示す圧縮機のA−A断面図 シールボルトを示す斜視図
符号の説明
10…圧縮機本体、14…冷媒吐出口、20…圧縮部、50…分離部、51…分離室、51′…開口部、51e…係合溝、51f…規制部、52…分離管、53…規制リング、54…シールボルト、54b…流通孔。

Claims (5)

  1. 圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、分離室内には圧縮機本体に設けた開口部から挿入される分離管を固定するようにした圧縮機において、
    前記分離室の内壁に分離管の一端を係止して分離管の反挿入方向への移動を規制する規制部を設けた
    ことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記規制部を、分離室の内壁に設けられた係合溝と、係合溝に係合する係合部材とから構成した
    ことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記規制部を、分離室の内壁の一部を分離室の内側に突出するように変形させることにより形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  4. 圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、分離室内には圧縮機本体に設けた開口部から挿入される分離管を固定するようにした圧縮機において、
    前記圧縮機本体の開口部を閉塞するとともに、下端を分離管の一端に係止して分離管の反挿入方向への移動を規制するシール部材を備え、
    シール部材には分離室の冷媒を圧縮機本体の冷媒吐出口側に流通する流通孔を設けた
    ことを特徴とする圧縮機。
  5. 前記シール部材に圧縮機本体の開口部に螺合するネジ部を設けた
    ことを特徴とする請求項4記載の圧縮機。
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