JP2005171673A - プラスチック型枠およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄や分別処理などの手間によるコストを低減した上でリサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…と続ける。また、コンクリート型枠の組み立て精度を確保する。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂である熱可塑性樹脂を主成分として形成した中心層1Aと当該中心層1Aの両面に設けてあり同じ熱可塑性樹脂を主成分として形成した外層1Bとからなるプラスチックパネル1と、同じ熱可塑性樹脂を主成分として形成してありプラスチックパネル1の片面に並設した複数の桟木2とを有したプラスチック型枠であって、中心層1Aの原料が使用済みのプラスチック型枠の再生熱可塑性樹脂にガラス繊維を含有してなり、外層1Bの原料が新規の熱可塑性樹脂を主成分としてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂である熱可塑性樹脂を主成分として形成した中心層1Aと当該中心層1Aの両面に設けてあり同じ熱可塑性樹脂を主成分として形成した外層1Bとからなるプラスチックパネル1と、同じ熱可塑性樹脂を主成分として形成してありプラスチックパネル1の片面に並設した複数の桟木2とを有したプラスチック型枠であって、中心層1Aの原料が使用済みのプラスチック型枠の再生熱可塑性樹脂にガラス繊維を含有してなり、外層1Bの原料が新規の熱可塑性樹脂を主成分としてなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コンクリート工事に用いるコンクリート型枠に係るプラスチック型枠およびその製造方法に関するものである。
コンクリート型枠は、昭和30年代以降南洋材を原料とした合板が用いられることが多くなった。しかし、地球環境問題があり、合板代替材が商品化されている。原料をプラスチックとした代替型枠もその一つである。これらの代替型枠は値段が高いことが問題であり、合板の3〜5倍となる場合が多い。
従来、リサイクル樹脂を用いることを目的としたコンクリート型枠用プラスチックパネルがある。このプラスチックパネルは、中心層と該中心層の表面に設けられた外層とを有し、中心層に一般廃棄物系の使用済みプラスチックを含み、外層が中心層と相溶性を有する樹脂からなる。プラスチックパネルを製造するには、容器包装リサイクル法により分別されたプラスチックの中から塩ビ系の樹脂を除くなどの分別作業を行い、コンクリート型枠用プラスチックパネルを製造する(例えば、特許文献1参照)。
そして、従来、リサイクル性に優れコンクリート型枠として十分な強度を有することを目的として、発泡樹脂製芯材の両面に樹脂シート層を一体に設け、芯材および樹脂シート層を構成する材料を同一にしたコンクリート型枠用板材がある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、従来、リサイクル性に優れコンクリートが付着し難くすることを目的として、基材層の少なくとも片面にポリオレフィン系樹脂製の融着層(外層)を積層したプラスチック製コンクリートパネルがある(例えば、特許文献3参照)。
また、コンクリート型枠としては、合板や前記のようなパネルをせき板として用い、桟木と呼ばれる木枠を取り付け補強する。桟木の材質は木製が多いが、従来、アルミニウム製の桟木も知られている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、従来、せき板としては、ガラス繊維を含有した熱可塑性樹脂を原料としてパネルおよびリブを一体に成形したものがある(例えば、特許文献5あるいは特許文献6参照)。
コンクリート型枠が使用後に使えなくなったときには、木製の部分は焼却処分され、アルミニウム製のものなどはリサイクルされることになるが、同一原料でないものは分別処理が必要となる。すなわち、分別処理があると処理手間がかかることとなり、それがコスト高の原因となり、リサイクル循環が機能しない原因となっている。
地球環境保護の観点からは、リサイクルできる原料を使ってコンクリート型枠を作るべきである。熱可塑性樹脂は、リサイクルできるプラスチックの特性を持っており、その特性を引き出して使うべきである。また、リサイクルを念頭におくと、上述した特許文献2のように多層の材料を同一にするか、あるいは特許文献5,6のようにせき板を一体に成形すれば、プラスチックの異種の樹脂の混入による物性の低下が少ないのでリサイクルに好適と考えられる。すなわち、プラスチックとして、異種の樹脂を用いるとリサイクルに不向きなものになる。
また、型枠工事では、打ち込むコンクリートからの剥離性を向上させるために油脂(剥離材)を型枠表面に塗布するが、部分的にはコンクリート片が固着することが多く、リサイクルするときにこれらを洗浄することが必要となる。洗浄の程度が悪いと、リサイクル品は、プラスチック、油脂およびコンクリート片などの混在物となってしまう。このため、バージン樹脂に近い性能を期待するリサイクルでは、使用後のコンクリート型枠を入念に洗浄し、バージン樹脂と同程度の洗浄度まで仕上げ、その後粉砕する必要がある。このことがリサイクル品のコスト高の原因となっている。
また、コンクリート型枠を組み立てるときには、パネルを縦長に配置し、パネルの長辺と短辺のこぐちの直角度を使って組み立て精度を出している。すなわち、コンクリート型枠は、こぐちの直角度が重要な性能となる。ところが、プラスチックは熱膨張率が大きく、異種樹脂が混入してその混入比率も一定でない場合には、パネルごとの熱膨張率が不ぞろいとなる。この結果、パネルの直角度を保つことが難しく、コンクリート型枠の組み立て精度の確保も難しいものとなる。
本発明は、上記実情に鑑みて、洗浄や分別処理などの手間によるコストを低減した上でリサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…と続けることができ、またコンクリート型枠の組み立て精度を確保することができるコンクリート型枠およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るプラスチック型枠は、所定の熱可塑性樹脂を主成分として形成した中心層と前記中心層の両面に設けてあり前記熱可塑性樹脂を主成分として形成した外層とからなるプラスチックパネルと、前記プラスチックパネルをせき板として用い、その片面に接合した桟木とを有したプラスチック型枠であって、前記中心層の原料が使用済みの前記プラスチックせき板の再生熱可塑性樹脂にガラス繊維を含有してなり、前記外層の原料が新規の前記熱可塑性樹脂を主成分としてなることにより、プラスチックパネルの製造コストを低減することを特徴とする。
本発明の請求項2に係るプラスチック型枠は、上記請求項1において、前記中心層を形成する熱可塑性樹脂は、平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%含有することを特徴とする。
本発明の請求項3に係るプラスチック型枠は、上記請求項1または2において、前記桟木は、前記熱可塑性樹脂を主成分として形成してあって、前記桟木と前記プラスチックパネルとは、ホゾとホゾ受けとの係合によって接合する方法、または前記桟木と前記プラスチックパネルとは、前記熱可塑性樹脂を主成分とした接合材によって接合する方法により接合してあることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るプラスチック型枠は、上記請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記プラスチックパネルの上下端縁部において、当該上下端縁部に沿うとともに前記プラスチックパネルの面から鉛直に延在してなり、前記熱可塑性樹脂を主成分として形成した支持片を有していることを特徴とする。
本発明の請求項5に係るプラスチック型枠の製造方法は、前記請求項1〜4のいずれか一つに記載のプラスチック型枠の製造方法において、使用済みのプラスチック型枠を洗浄する工程と、洗浄したプラスチック型枠をクラッシュして前記中心層の原料として溶融しガラス繊維を含有する工程と、新規の前記熱可塑性樹脂を前記外層の原料として溶融する工程と、前記中心層の両面に前記外層を包む態様で溶融押出成形により一体とした前記プラスチックパネルを成形する工程と、前記プラスチックパネルの温度が低下した後で当該プラスチックパネルを所要長さに切断する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るプラスチック型枠は、熱可塑性樹脂からなる使用済みのプラスチック型枠をリサイクルしてガラス繊維を含有した原料を主成分としたプラスチックパネルの中心層を形成してある。そして同じ熱可塑性樹脂であるバージン樹脂を主成分とした外層を中心層の両面に設けてある。これにより使用済みのプラスチック型枠を曲げ剛性に影響を与えない中心層の原料として用い、表面の外層には曲げ剛性を高めるバージン樹脂を用いている。この結果、使用済みのプラスチックせき板をリサイクルする場合にバージン樹脂と同程度の洗浄度まで仕上げる必要がないので、リサイクル時の洗浄作業が著しく軽減しリサイクル時のコスト高要因が少なくなる。また、プラスチックパネルを三層構造とするときに、異種の樹脂が用いられると熱膨張の違いから層界面に潜在応力が発生し、パネルの強度を低下させるが、本発明では外層とリサイクルする中心層とが同じ熱可塑性樹脂を主成分としているためにこのような問題は生じない。
また、リサイクルする場合には回収費用の負担が生じるが、本発明では、原料成分構成や物性が明確な使用済みのプラスチック型枠を回収することで、回収に要する費用がバージン原料費の1/3〜1/4程度になるため、製造するパネルの原料費の著しい低減に結びつき、全体の製造コストを30〜50%低減することができる。
また、熱可塑性樹脂に平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%含有したことにより、プラスチックパネルをノコギリで切ったり、穴をあけたり、釘を打つことができ、型枠としての所要の曲げ剛性や曲げ強度が得られる。
リサイクルに用いる熱可塑性樹脂としては、平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%含有する熱可塑性樹脂のプラスチック型枠として供給されたものを使用後に回収して使うので、樹種や性能が明らかである。一般廃棄物を原料とする従来の場合のように樹種の混在がなく、リサイクルであってもバージン樹脂に近似する型枠として曲げ性能が確保できるので原料のコスト低減ができる。
プラスチックパネルおよび桟木を含むプラスチック型枠すべての原料を同じ熱可塑性樹脂を主成分として形成してあるので、リサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…と続けていくことが問題なく可能であり、地球環境保護の目的に対応できる。リサイクル材を原料とすることで樹脂原料費を低減でき、製造コストを削減できる。また、プラスチックパネルの曲げ性能、製造精度などを確保できる範囲でリサイクル材の比率を増やすと、製造コストの低減が大きくなる。さらに、プラスチックパネルと桟木とを分別する必要がなく、リサイクル時に問題となる異種原料の混入や分別作業がなくなるので、リサイクル時のコスト高の原因が少なくなる。
桟木においては、ホゾとホゾ受けとの係合によってプラスチックパネルに接合されるので、位置決めが容易であり接合作業に係る手間を軽減することができる。
プラスチックパネルと桟木の接合について、同じ熱可塑性樹脂を主成分とする接合材を用いて接合すれば、リサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…などのときに分別作業が必要でなく、プラスチック型枠をそのままリサイクル工程に持ち込め、コスト高の要因が少なくなる。
プラスチック型枠を用いてコンクリート型枠を組み立てるには、上下端縁部はすでに工事が行われて固化した床コンクリートなどに根固めされるが、このような場合には、プラスチックパネルの上下端縁部において、当該上下端縁部に沿うとともにプラスチックパネルの面に鉛直な支持片を用いて組み立てることができる。この支持片も同じ熱可塑性樹脂を主成分としてあるので、リサイクル時に分別や取り外しの作業が不要でありコスト高の原因が少なくなる。
また、本発明に係るプラスチック型枠の製造方法では、中心層には使用済みプラスチック型枠をクラッシュしてガラス繊維を含有して原料として溶融し、外層となる新規の熱可塑性樹脂は別に溶融して、これらを溶融押出成形により三層一体として成形することで、任意の型枠長さに対応できる。また、溶融温度が常温に低下した後で、所定長さに切断することで型枠こぐちの直角度の精度を確保でき、さらに様々な長さの型枠を得ることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るプラスチック型枠とその製造方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は本発明のプラスチック型枠の一例を示す断面図、図2はプラスチックパネルと桟木との接合の他の例を示す断面図、図3はプラスチックパネルの上下端縁部に設けた他の桟木を示す断面図である。
本実施例におけるプラスチック型枠は、図1に示すようにプラスチックパネル1と桟木2とを接合してなる。
プラスチックパネル1は、中心層1Aの両面に外層1Bを設けた三層構造の板体である。中心層1Aの原料は、所定の熱可塑性樹脂であるポリプロピレン系樹脂を主成分とし、当該熱可塑性樹脂に対して平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%(好ましくは平均繊維長が5mm程度のガラス繊維を20〜25重量%)含有してある。中心層1Aの原料の主成分となる熱可塑性樹脂は、使用済みとなった本実施例におけるプラスチックせき板のリサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…して得た再生熱可塑樹脂を用いている。なお、プラスチックパネル1をリサイクル前に最初に作成する場合の中心層1Aの原料は、ポリプロピレン系樹脂の再生熱可塑性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)の新規なもの(バージン樹脂)を主成分として用いる。一方、外層1Bの原料は、前記熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)の新規なもの(バージン樹脂)を主成分としてある。
このように、中心層1Aの原料は使用済みのプラスチックせき板のリサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…して得た再生熱可塑性樹脂を主成分とし、両外層1Bは、バージン樹脂の熱可塑性樹脂を主成分としている。プラスチックパネル1の曲げ性能には、両外層1Bに近い原料の性能が効くので、中心層1Aの性能がバージン樹脂より劣ったとしてもパネルの曲げ性能への影響は少ない。
このプラスチックパネル1では、中心層1Aについて平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%(好ましくは平均繊維長が5mm程度のガラス繊維を20〜25重量%)含有する再生熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)は、比重が1.1程度である。また、外層1Bについてバージン樹脂の熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)は、比重が0.9程度である。そして、プラスチックパネル1の厚さを12mmとし、中心層1Aの厚さを6mmとすると、比重1.0程度のプラスチックパネル1を得ることができ、曲げヤング係数は、1000〜2000N/mm2を確保できる。なお、必要に応じて外層1Bに用いる熱可塑性樹脂に対して中心層1Aと同様にガラス繊維を含有させて補強してもよい。
桟木2は、プラスチックパネル1における外層1Bの片面に複数並設して接合されるものであり、断面略コ字形とした開口縁に外側に延在する固定片2aを有した断面略Ω形状をなしている。桟木2のプラスチックパネル1への接合は、図1に示すように桟木2の固定片2aにホゾ3aを予め設ける一方、プラスチックパネル1の片面にホゾ受け3bを予め設け、これらホゾ3aとホゾ受け3bとを互いに係合する。プラスチックパネル1に設けるホゾ受け3bは、工事で打ち込むコンクリートから作用する側圧に対して安全な態様で桟木2を並設すべき所定間隔とする。なお、プラスチックパネル1にホゾ3aを設け、桟木2にホゾ受け3bを設けてもよい。
桟木2の原料は、プラスチックパネル1の原料と同じ熱可塑性樹脂であるポリプロピレン系樹脂の新規なもの(バージン樹脂)を主成分としてある。また、桟木2の原料は、使用済みとなった本実施例におけるプラスチックせき板のリサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…して得た再生熱可塑樹脂または熱可塑性樹脂に対し、中心層1Aと同様にガラス繊維を含有させて補強したものであってもよい。
また、プラスチックパネル1と桟木2との接合の他の例として、図2に示すようにプラスチックパネル1と桟木2の固定片2aとを接合材4で接合してもよい。接合材4は、釘、スクリュー釘あるいはネジなどの形態としてある。接合材4の原料は、プラスチックパネル1および桟木2の原料と同じ熱可塑性樹脂であるポリプロピレン系樹脂の新規なもの(バージン樹脂)を主成分としてある。また、接合材4の原料は、使用済みとなった本実施例におけるプラスチックせき板のリサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…して得た再生熱可塑樹脂または熱可塑性樹脂に対し、中心層1Aと同様にガラス繊維を含有させて補強したものであってもよい。なお、接合材4によってプラスチックパネル1と桟木2とを接合する場合、上記ホゾ3aとホゾ受け3bとの接合形態を併用してもよい。
また、本実施例での熱可塑性樹脂の桟木2は、図1に示すように断面寸法が、高さHを5cm、断面略コ字形の外形幅W1を5cm、断面略コ字形の開口幅W2を3cm、固定片2aを含む全幅W3を8cmとしてある。この桟木2の断面寸法は、一般的に用いられている木製桟木の断面寸法(2.5×5.0cm)における断面二次モーメントIと木製桟木のヤング率Eとの積EIに対し、断面二次モーメントと熱可塑性樹脂のヤング率との積がほぼ等しくなるものである。すなわち、本実施例での熱可塑性樹脂の桟木2は、一般的な木製桟木と同じ曲げ性能がほぼ発揮されることになる。
図3はプラスチックパネルの上下端縁部に設けた他の桟木を示す断面図であり、すでに打ち込まれて硬化した床コンクリートCに本実施例のプラスチックせき板が組み立てられた形態を示す。図3に示すようにプラスチックパネル1の上下端縁部(図3では下端縁部を示す)には、上述した桟木2とは他の形態の桟木2′が設けてある。桟木2′は、断面形状が略L字形に形成してある。この桟木2′は、上述した桟木2に対して略直交する形態で設けてあって(図5および図6参照)、プラスチックパネル1の上下端縁部において、当該上下端縁部に沿って設けてあり、断面略L字形の一方の延在片が固定片2a′をなし、他方の延在片が固定片2a′に鉛直とした支持片2b′をなしている。そして、固定片2a′が上述と同様にプラスチックパネル1の片面に対して接合材4、あるいはホゾ3aとホゾ受け3bとの係合によって接合してある。これにより、支持片2b′がプラスチックパネル1の上下端縁部に沿うとともに、プラスチックパネル1の面に鉛直な形態となる。この桟木2′の支持片2b′は、図3に示すようにプラスチックせき板の根固めとして用いられ、プラスチックパネル1を床コンクリートCに対して鉛直な形態で支持する。
以下、上述した本実施例でのプラスチックせき板の製造方法を説明する。図4はプラスチック型枠の製造工程を示す図である。
最初の工程では、コンクリート型枠として供給されて使用済みとなった本実施例におけるプラスチック型枠を洗浄する。使用済みのプラスチック型枠には、打ち込むコンクリートからの剥離性を向上させる油脂(剥離材)や、コンクリート片が付着しているのでこれらを洗浄する。しかしながら、本実施例のプラスチック型枠は、プラスチックパネル1の外層1Bの原料としてバージン樹脂を主成分にし、使用済みのプラスチック型枠から得られる再生熱可塑性樹脂は中心層1Aの原料の主成分となるので、洗浄の工程に際してバージン樹脂と同程度の洗浄度までに仕上げる必要はない。
次の工程では、洗浄した使用済みのプラスチック型枠をクラッシュする。そして、図4(a)に示すようにクラッシュした材料を中心層1Aの原料として溶融し、平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%含有する。
次の工程では、図4(a)に示すように外層1Bの原料として熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)の新規なもの(バージン樹脂)を溶融する。
次の工程では、図4(b)に示すように中心層1Aの両面に外層1Bを包む態様で溶融押出成形により一体としたプラスチックパネル1を成形する。
最後の工程では、図4(c)に示すようにプラスチックパネル1の温度が低下した後で当該プラスチックパネル1を所要長さに切断する。
必要な場合には図4(b)の工程で、ホゾ3a(あるいはホゾ受け3b)を共に成形する。
ところで、図5および図6はプラスチック型枠の使用組み立て状態を示す図である。本実施例におけるプラスチック型枠の使用例としては、図5に示すように、プラスチック型枠を縦長に配置して並設するとともに、図6に示すようにプラスチックパネル1において桟木2,2′を有さない面を対面させる。そして、並設したプラスチック型枠の桟木2側に横端太として単管パイプ5を設け、この単管パイプ5を介して対面したプラスチックせき板同士をフォームタイ6とセパレータ7を用いて止める。これにより、対面するプラスチックパネル1,1の間に打ち込むコンクリートの側圧を受ける態様でコンクリート型枠が組み立てられる。単管パイプ5などは、すでに既存の型枠工事用の材料であり、特別の材料を必要としないことから作業の熟練なども期待できる。
したがって、本実施例におけるプラスチック型枠では、ポリプロピレン系樹脂の熱可塑性樹脂からなる使用済みのプラスチックせき板をリサイクルして、平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%(好ましくは平均繊維長が5mm程度のガラス繊維を20〜25重量%)含有した原料を主成分としてプラスチックパネル1の中心層1Aを形成している。そして、ポリプロピレン系樹脂の熱可塑性樹脂であるバージン樹脂を主成分とした外層1Bを前記中心層1Aの両面に設けている。すなわち、使用済みのプラスチック型枠を曲げ剛性に影響を与えない中心層1Aの原料として用い、表面の外層1Bには曲げ剛性を高めるバージン樹脂を用いている。これにより、使用済みのプラスチック型枠をリサイクルする場合にバージン樹脂と同程度の洗浄度まで仕上げる必要がないので、リサイクル時の洗浄作業が著しく軽減しプラスチックパネル1の製造時のコスト高要因が少なくなる。
また、中心層1Aを形成する熱可塑性樹脂に平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%(好ましくは平均繊維長が5mm程度のガラス繊維を20〜25重量%)含有したことにより、プラスチックパネルをノコギリで切ったり、穴をあけたり、釘を打つことができ、型枠としての所要の曲げ剛性や曲げ強度が得られる。
プラスチックパネル1を三層構造とするときに、異種の樹脂が用いられると熱膨張の違いから層界面に潜在応力が発生し、パネルの強度を低下させるが、本実施例では外層1Bとリサイクルする中心層1Aとが同じ熱可塑性樹脂を主成分としているためにこのような問題は生じない。
従来のように強度や剛性を確保する目的でガラス繊維を含有して補強した樹脂を用いた場合では、原料費が製造コストの75%程度を占めており、ガラス繊維の補強した樹脂であることからコスト削減が難しい。さらに、リサイクルする場合には回収費用の負担が生じる。しかしながら、本実施例では、原料成分構成や物性が明確な使用済みのプラスチック型枠を回収し、回収に要する費用はバージン原料費の1/3〜1/4程度になるため、原料費の著しい低減に結びつき、全体の製造コストを30〜50%低減することができる。
リサイクルに用いる熱可塑性樹脂としては、平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%(好ましくは平均繊維長が5mm程度のガラス繊維を20〜25重量%)含有する熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)のプラスチック型枠として供給されたものを使用後に回収して使うので、樹種や性能が明らかである。一般廃棄物を原料とする従来の場合のように樹種の混在がなく、リサイクルであってもバージン樹脂に近似する型枠として曲げ性能が確保できる。
プラスチックパネル1および桟木2,2′を含むプラスチック型枠すべての原料を同じポリプロピレン系樹脂の熱可塑性樹脂を主成分として形成してあるので、リサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…と続けていくことが問題なく可能であり、地球環境保護の目的に対応できる。リサイクル材を原料とすることで樹脂原料費を低減でき、製造コストを削減できる。また、プラスチックパネル1の曲げ性能、製造精度などを確保できる範囲でリサイクル材の比率を増やすと、製造コストの低減が大きくなる。さらに、プラスチックパネル1と桟木2,2′とを分別する必要がなく、リサイクル時に問題となる異種原料の混入や分別作業がなくなるので、リサイクル時のコスト高の原因が少なくなる。
桟木2においては、断面略Ω形状として所定間隔で設けてあるので、プラスチック型枠全体を軽量化できる。また、桟木2は、ホゾ3aとホゾ受け3bとの係合によってプラスチックパネル1に接合されるので、位置決めが容易であり接合作業に係る手間を軽減することができる。
プラスチックパネル1と桟木2の接合について、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)を主成分とする接合材4を用いて接合すれば、リサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…などのときに分別作業が必要でなく、プラスチック型枠をそのままリサイクル工程に持ち込め、コスト高の要因が少なくなる。
プラスチック型枠を用いてコンクリート型枠を組み立てるには、上下端縁部はすでに工事が行われて固化した床コンクリートCなどに根固めされるが、このような場合には桟木2′のように略L字形の根固め用の桟木を用いて組み立てることができる。この桟木2′も熱可塑性樹脂(ポリプロピレン系樹脂)を主成分としてあるので、リサイクル時に分別や取り外しの作業が不要でありコスト高の原因が少なくなる。
また、本実施例におけるプラスチック型枠の製造方法では、中心層1Aには使用済みプラスチック型枠をクラッシュした後、ガラス繊維を含有して原料として溶融し、外層となる新規の熱可塑性樹脂は別に溶融して、これらを溶融押出成形により三層一体として成形することで、任意の型枠長さに対応できる。また、溶融温度が常温に低下した後で、所定長さに切断することで型枠こぐちの直角度の精度を確保でき、さらに様々な長さの型枠を得ることができる。
以上のように、本発明に係るプラスチック型枠とその製造方法は、コンクリート工事に用いるコンクリート型枠に有用であり、特に、洗浄や分別処理などの手間によるコストを低減した上でリサイクル、再リサイクル、再々リサイクル…と続けられ、またコンクリート型枠の組み立て精度を確保することに適している。
1 プラスチックパネル
1A 中心層
1B 外層
2,2′ 桟木
2a,2a′ 固定片
2b 支持片
3a ホゾ
3b ホゾ受け
4 接合材
5 単管パイプ
6 フォームタイ
7 セパレータ
C 床コンクリート
1A 中心層
1B 外層
2,2′ 桟木
2a,2a′ 固定片
2b 支持片
3a ホゾ
3b ホゾ受け
4 接合材
5 単管パイプ
6 フォームタイ
7 セパレータ
C 床コンクリート
Claims (5)
- 所定の熱可塑性樹脂を主成分として形成した中心層と前記中心層の両面に設けてあり前記熱可塑性樹脂を主成分として形成した外層とからなるプラスチックパネルと、前記プラスチックパネルをせき板として用い、その片面に接合した桟木とを有したプラスチック型枠であって、
前記中心層の原料が使用済みの前記プラスチックせき板の再生熱可塑性樹脂にガラス繊維を含有してなり、前記外層の原料が新規の前記熱可塑性樹脂を主成分としてなることを特徴とするプラスチック型枠。 - 前記中心層を形成する熱可塑性樹脂は、平均繊維長が1〜15mmのガラス繊維を15〜35重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック型枠。
- 前記桟木は、前記熱可塑性樹脂を主成分として形成してあって、前記桟木と前記プラスチックパネルとは、ホゾとホゾ受けとの係合によって接合する方法、または前記桟木と前記プラスチックパネルとは、前記熱可塑性樹脂を主成分とした接合材によって接合する方法により接合してあることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック型枠。
- 前記プラスチックパネルの上下端縁部において、当該上下端縁部に沿うとともに前記プラスチックパネルの面から鉛直に延在してなり、前記熱可塑性樹脂を主成分として形成した支持片を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプラスチック型枠。
- 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載のプラスチック型枠の製造方法において、
使用済みのプラスチック型枠を洗浄する工程と、
洗浄したプラスチック型枠をクラッシュして前記中心層の原料として溶融しガラス繊維を含有する工程と、
新規の前記熱可塑性樹脂を前記外層の原料として溶融する工程と、
前記中心層の両面に前記外層を包む態様で溶融押出成形により一体とした前記プラスチックパネルを成形する工程と、
前記プラスチックパネルの温度が低下した後で当該プラスチックパネルを所要長さに切断する工程と
を含むことを特徴とするプラスチック型枠の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003415115A JP2005171673A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | プラスチック型枠およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2007112028A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Musashino Kiko Kk | リサイクルプラスチックパネル製造方法及び製造装置 |
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-
2003
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JP2007112028A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Musashino Kiko Kk | リサイクルプラスチックパネル製造方法及び製造装置 |
CN113700291A (zh) * | 2013-07-10 | 2021-11-26 | 保利科技股份有限公司 | 用于混凝土施工背板的模板面板 |
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