JP2005170865A - 医療用離型フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ポリエステルフィルムを基材とし、ガスバリアー性に優れ、薬効成分を含んだ粘着層に対し適度の力で剥離が可能な医療用離型フィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、反応性蒸着法にて設けた酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させ、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けてなる、ガスバリアー性および離型性に優れた効果のある医療用離型フィルムで、この医療用離型フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、反応性蒸着法にて酸化アルミニウム層に設け、該酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させ、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けることにより製造することができる。
【選択図】 なし
ポリエステルフィルムを基材とし、ガスバリアー性に優れ、薬効成分を含んだ粘着層に対し適度の力で剥離が可能な医療用離型フィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、反応性蒸着法にて設けた酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させ、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けてなる、ガスバリアー性および離型性に優れた効果のある医療用離型フィルムで、この医療用離型フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、反応性蒸着法にて酸化アルミニウム層に設け、該酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させ、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けることにより製造することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、医療用離型フィルムとその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、貼付薬等の粘着剤層を保護しかつ薬効成分の透過率が低い医療用離型フィルムとその製造方法に関するものである。
従来から皮膚かぶれを起こしにくく、患部に臨床有効量の薬剤を供給する貼付薬として、例えば、微多孔中空繊維からなる編物をその構成要素(基材)とし、その一面に薬効成分を含んだ粘着層を有し、その上に保護層を有する貼付薬が提案されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照。)。また、かかる編物と極薄のポリエステルフィルムとを積層させた基材を用いた貼付薬も知られている(特許文献4参照。)。
従来、これらの貼付薬の薬効成分を含んだ粘着層の保護層としては、紙を基材とする離型紙が広く用いられていた。しかしながら、紙は多孔質であるため貼付薬の薬効成分が徐々に浸出し、薬効の有効期限が短くなるという欠点があった。これを改良するためには、紙よりガスバリアー性の高いポリエチレンテレフタレートフィルムを保護層の基材に用いることも行われているが、薬効を更に長寿命化させるためには、そのガスバリアー性が不足することが指摘されている。
WO087/00046号公報
WO087/04343号公報
WO090/09784号公報
特開平3−816044号公報
そこで本発明の目的は、ポリエステルフィルムを基材とした、ガスバリアー性に優れ、薬効成分を含んだ粘着層に対し適度の力で剥離が可能な医療用離型フィルム、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記本発明の目的は、下記の構成を有する本発明によって工業的に有利に達成された。
[1]ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、バリアー性樹脂を含浸させた酸化アルミニウム層を設け、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けてなる医療用離型フィルム。
[2]酸化アルミニウム層が、反応性蒸着法により形成された厚さ1〜100nmの層である上記[1]記載の医療用離型フィルム。
[3]バリアー性樹脂が、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールまたは塩化ビニリデンである上記[1]または[2]記載の医療用離型フィルム。
[4]ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6−ナフタレートおよびポリエチレンーα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´―ジカルボキシレートからなる群から選択された少なくとも1種類のポリエステルからなるフィルムである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の医療用離型フィルム。
[5]ポリエステルフィルムの厚みが12〜100μmである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の医療用離型フィルム。
[6]ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、反応性蒸着法にて酸化アルミニウム層に設け、該酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させ、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けてなる医療用離型フィルムの製造方法。
[1]ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、バリアー性樹脂を含浸させた酸化アルミニウム層を設け、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けてなる医療用離型フィルム。
[2]酸化アルミニウム層が、反応性蒸着法により形成された厚さ1〜100nmの層である上記[1]記載の医療用離型フィルム。
[3]バリアー性樹脂が、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールまたは塩化ビニリデンである上記[1]または[2]記載の医療用離型フィルム。
[4]ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6−ナフタレートおよびポリエチレンーα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´―ジカルボキシレートからなる群から選択された少なくとも1種類のポリエステルからなるフィルムである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の医療用離型フィルム。
[5]ポリエステルフィルムの厚みが12〜100μmである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の医療用離型フィルム。
[6]ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、反応性蒸着法にて酸化アルミニウム層に設け、該酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させ、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けてなる医療用離型フィルムの製造方法。
本発明によれば、ポリエステルフィルムを基材とし、ポリエステルフィルムの酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂コートし、硬化型シリコーン層を設けることにより、ガスバリアー性に優れ、離型性のある医療用離型フィルムを得ることができる。本発明によれば、特に、薬効成分を含んだ粘着層に対し適度の力で剥離が可能な医療用離型フィルムが得られる。
本発明の医療用離型フィルムは、ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に、酸化アルミニウム層、バリアー性樹脂層および硬化型シリコーン樹脂層が形成されている。この酸化アルミニウム層は、好ましくは反応性蒸着法で形成される。
本発明で基材として用いられるポリエステルフィルムは、コーティング適正および蒸着加工適正を有していれば、特に限定されないが、代表的な例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボキシレートなどからなるフィルムが挙げられる。これらのポリエステルフィルムの厚みは、好適には50〜75μm程度であることが望ましい。
前記ポリエステルフィルムには、各種添加剤、例えば、帯電防止剤、滑剤および酸化防止剤などが添加されていても問題ない。形状は工業的生産性速度に対応可能なロール形状が望ましい。処理面が外でも内側でも構わない。
本発明において、酸化アルミニウム層は、反応性蒸着法にて好適に形成することができる。本発明において、酸化アルミニウム層の蒸着層の厚みは、必要特性において任意に設定可能であるが、バリアー性等の一般的必要特性や生産性を考慮すると、好ましくは1〜50nmの範囲に設定することが望ましい。より好ましい厚みは、5〜30nmである。
酸化アルミニウム層の形成は、アルミニウムを蒸発源として真空蒸着槽内で加熱蒸着させ、ポリエステルフィルムと蒸発源との雰囲気に酸素ガスを供給することにより行う反応性蒸着法が望ましい。真空蒸着法としては、過熱蒸着法、スパッタリングおよびイオンプレーティング法等の公知の手法が可能である。真空蒸着法は、工業的には連続巻取式が通常採用されるが、枚葉式でも可能である。
本発明においては、上記の酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させるが、本発明で用いられるバリアー性樹脂としては、通常水溶性または水分散型の樹脂から選択され、好適なバリアー性樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデンおよびナイロン等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ガスバリアー性および粘度等を考慮して、鹸化度が87〜89モル%であって重合度が1700〜2400の範囲にあることが望ましい。また、エチレン・ビニルアルコール共重合体は、耐水性を考慮してエチレン含有率32モル%以上のものが望ましい。水溶性のポリ塩化ビニリデンを使用する場合は、酸化アルミニウム蒸着膜に対する酸の影響および耐熱性・加工適正を考慮して、PHが4以上8以下かつ耐ブロッキング度が100℃以上であることが望ましい。
このバリアー性樹脂層を設けることにより、酸化アルミニウム層単体よりも、より高いバリアー性を得ることができ、また密着性効果も得ることができる。バリアー性樹脂の塗布装置としては、グラビアコーター、リバースコーターおよびワイヤーバーコーター等が挙げられる。なお、塗布液中には必要に応じ、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤および粒子分散安定樹脂などを添加することができる。また、バリアー性樹脂層の塗布厚量は、好ましくは0.001〜10g/m2の範囲であり、特に0.01〜5g/m2の範囲が好ましい。
本発明においては、上記のようにポリエステルフィルム基材上に設けられた酸化アルミニウム層とバリアー性樹脂層の上に、さらに離型層として硬化型シリコーン樹脂層が設けられる。
このように本発明において、酸化アルミニウム層とバリアー性樹脂層の上に設けられる離型層は、硬化型シリコーン樹脂により形成される。
また、離型用の硬化型シリコーン樹脂層とポリエステルフィルムとの密着性を向上させるために、離型用の硬化型シリコーン樹脂を塗布する前に、ポリエステルフィルム表面にコロナ処理、もしくは、アンカーコートを施してもよく、その他の易接着処理してもよい。 本発明で使用される離型用の硬化型シリコーン樹脂としては、付加反応型シリコーン樹脂、縮重合反応型シリコーン樹脂、紫外線硬化型シリコーン樹脂および電子線硬化型シリコーン樹脂等を好適に使用することができる。
付加反応型シリコーン樹脂としては、末端ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンを白金触媒のもとに、加熱硬化させたものが挙げられる。具体例としては、信越化学工業(株)製のKS−774、KS843、KS847、KS847HおよびKS838(いずれも商品名)、東レダウコーニング(株)製SD7226、SD7223、SRX211、SRX345、SD7236およびSRX370(いずれも商品名)などが挙げられる。
縮重合反応型シリコーン樹脂としては、末端に水酸基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンを有機錫触媒を用いて加熱硬化させたものが好ましく用いられる。具体例としては東レダウコーニング(株)製SRX290やSYLOFF23(いずれも商品名)が挙げられる。
また、紫外線硬化型シリコーン樹脂としては、ビニルシロキサンを白金触媒の存在下でヒドロシリル化させる付加反応タイプ具体例として、信越化学工業(株)製X62−5039やX62−5040(いずれも商品名)などが挙げられる。アルケニル基を含むシロキサンとメルカプト基を含むシロキサンを光重合触媒を用いて硬化させるラジカル付加タイプ(具体例としては、東レダウコーニング(株)製BY24−510HやBY24−544(いずれも商品名)などが挙げられる。)およびエポキシ基をオニウム塩開始剤にて光開環させて硬化させるカチオン重合タイプ(具体例としては、GE東芝シリコーン(株)製TPR6501、UV9300およびXS56−A2775(いずれも商品名)など)、(メタ)アクリル基含有シリコーンをラジカル重合させるタイプ(具体例としては、東洋インキ(株)製(登録商標)”フルシェード”U−311)などが挙げられる。
これらの離型用の硬化型シリコーン樹脂を、ポリエステルフィルム上に形成する方法としては、一般的なコーティング方式を利用することができる。例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、リップコート、ダイコート、マイクログラビアコート、マイヤーバーコートおよび多段リバースコートなどの塗布方式を使用することができる。
離型用の硬化型シリコーン樹脂層の塗布厚みは、乾燥後塗布厚で0.02〜0.5μmとすることが好ましく、さらには0.05〜0.3μmとすることがより好ましい。塗布厚みが0.02μm未満では剥離性能が悪くバラツキも多く、また0.5μmを超えると乾燥性が悪くシリコーン移行性も低下することがある。
次に、本発明の医療用離型フィルムの製造方法について説明する。
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、10-1〜10-2Paの真空下の反応性蒸着法にて酸化アルミニウム層を1〜50nm成形させる。その該酸化アルミニウム層にグラビアコーターを用いバリアー性樹脂をコートし、含浸させる。温度80〜130度の乾燥後0.2〜0.4μmになうように塗剤の濃度、厚みを調節する。その上に硬化型シリコーン樹脂層をグラビアコーターを用い、シリコーン樹脂をコートする。塗剤は、温度50〜150度の乾燥後、0.1〜1.0μmになるように塗剤の濃度、厚みを調整する。
本発明の医療用離型フィルムは、天然ゴム系、水系の粘着剤種類に関わらず、薬効剤を含む粘着剤を用いた消炎鎮痛剤(プラスター剤、パップ剤)、皮膚疾患用テープ剤、経皮薬剤、絆創膏等の医療用離型フィルム用途に好適に使用することができる。
本発明の医療用離型フィルムについて、実施例にて具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、本発明における特性評価は下記の方法にて行った。(1)酸素透過率:MOCON社製 OX−TRAM SMを用いて測定した。
(2)離型性:フィルムの離型処理面に日東電工製ポリエステルテープ31Bを5kgのゴムローラーで貼合せ、24時間放置後、引張り試験機を用いて剥離抵抗を測定した。
(3)残留接着率:フィルムの離型処理面に日東電工製ポリエステルテープ31Bを5kgのゴムローラーで貼合せ、20時間放置する。放置後、テープを剥し銅板に5kgのゴムローラーで貼合せ、引張り試験機を用いて剥離抵抗を測定する。(A)ポリ4弗化エチレンシートを用いて同様の測定を行いブランクとする(B)、下記式にて残留接着率(単位%)を算出する。
残留接着率(%)=A/B×100
(実施例1〜3と比較例1〜3の説明)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製(登録商標)”ルミラー”)の片面に、反応性蒸着法にて厚さ50nmの酸化アルミニウム層を設け、その層の上にグラビアコートにて厚さ0.3μmのバリア性樹脂((株)クラレ製PVA217)を設け、さらにその層の上に、次の3種類(A、B、C)のタイプの熱硬化性シリコーン樹脂をそれぞれ厚さ0.5μmにコーティングしたものをそれぞれ実施例1〜3とした。
A:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製LTC750
B:信越化学工業(株)製KS847
C:GE・東芝シリコーン(株)製TPR6700
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化アルミニウム層とバリアー性樹脂コートを設けないで、上記3種類の熱硬化型シリコーン樹脂をそれぞれ厚さ0.5μmにコーティングしたものをそれぞれ比較例1〜3とした。
(2)離型性:フィルムの離型処理面に日東電工製ポリエステルテープ31Bを5kgのゴムローラーで貼合せ、24時間放置後、引張り試験機を用いて剥離抵抗を測定した。
(3)残留接着率:フィルムの離型処理面に日東電工製ポリエステルテープ31Bを5kgのゴムローラーで貼合せ、20時間放置する。放置後、テープを剥し銅板に5kgのゴムローラーで貼合せ、引張り試験機を用いて剥離抵抗を測定する。(A)ポリ4弗化エチレンシートを用いて同様の測定を行いブランクとする(B)、下記式にて残留接着率(単位%)を算出する。
残留接着率(%)=A/B×100
(実施例1〜3と比較例1〜3の説明)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製(登録商標)”ルミラー”)の片面に、反応性蒸着法にて厚さ50nmの酸化アルミニウム層を設け、その層の上にグラビアコートにて厚さ0.3μmのバリア性樹脂((株)クラレ製PVA217)を設け、さらにその層の上に、次の3種類(A、B、C)のタイプの熱硬化性シリコーン樹脂をそれぞれ厚さ0.5μmにコーティングしたものをそれぞれ実施例1〜3とした。
A:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製LTC750
B:信越化学工業(株)製KS847
C:GE・東芝シリコーン(株)製TPR6700
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化アルミニウム層とバリアー性樹脂コートを設けないで、上記3種類の熱硬化型シリコーン樹脂をそれぞれ厚さ0.5μmにコーティングしたものをそれぞれ比較例1〜3とした。
(実施例1)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルムを基材として、その上にアルミニウムを蒸発源として真空槽内で加熱蒸着させ、PETフィルムと蒸発源との間の雰囲気に酸素ガスを供給し50nmの膜厚の酸化アルミニウム蒸着槽をPETフィルム上に形成させた。一方、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)を純水に溶解し4%PVA溶液を作り、PVA固形分に対して10%重量%のグリオキサールを混合した。この混合液を上記の酸化アルミニウム蒸着層上に5g/m2コーティングし、150℃×60秒熱風乾燥した。さらにその上に、シリコンAをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルムを基材として、その上にアルミニウムを蒸発源として真空槽内で加熱蒸着させ、PETフィルムと蒸発源との間の雰囲気に酸素ガスを供給し50nmの膜厚の酸化アルミニウム蒸着槽をPETフィルム上に形成させた。一方、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)を純水に溶解し4%PVA溶液を作り、PVA固形分に対して10%重量%のグリオキサールを混合した。この混合液を上記の酸化アルミニウム蒸着層上に5g/m2コーティングし、150℃×60秒熱風乾燥した。さらにその上に、シリコンAをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
(実施例2)
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にアルミニウムを蒸発源として真空槽内で加熱蒸着させ、PETフィルムと蒸発源との間の雰囲気に酸素ガスを供給し50nmの膜厚の酸化アルミニウム蒸着槽をPETフィルム上に形成させた。一方、ポリビニルアルコールを純水に溶解し4%PVA溶液を作り、PVA固形分に対して10%重量%のグリオキサールを混合した。
この混合液を上記の酸化アルミニウム蒸着層上に5g/m2コートし、150℃×60秒熱風乾燥した。さらにその上に、シリコンBをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にアルミニウムを蒸発源として真空槽内で加熱蒸着させ、PETフィルムと蒸発源との間の雰囲気に酸素ガスを供給し50nmの膜厚の酸化アルミニウム蒸着槽をPETフィルム上に形成させた。一方、ポリビニルアルコールを純水に溶解し4%PVA溶液を作り、PVA固形分に対して10%重量%のグリオキサールを混合した。
この混合液を上記の酸化アルミニウム蒸着層上に5g/m2コートし、150℃×60秒熱風乾燥した。さらにその上に、シリコンBをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
(実施例3)
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にアルミニウムを蒸発源として真空槽内で加熱蒸着させ、PETフィルムと蒸発源との間の雰囲気に酸素ガスを供給し50nmの膜厚の酸化アルミニウム蒸着槽をPETフィルム上に形成させた。一方、ポリビニルアルコールを純水に溶解し4%PVA溶液を作り、PVA固形分に対して10%重量%のグリオキサールを混合した。この混合液を上記の酸化アルミニウム蒸着層上に5g/m2コートし、150℃×60秒熱風乾燥した。
さらにその上にシリコンCをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にアルミニウムを蒸発源として真空槽内で加熱蒸着させ、PETフィルムと蒸発源との間の雰囲気に酸素ガスを供給し50nmの膜厚の酸化アルミニウム蒸着槽をPETフィルム上に形成させた。一方、ポリビニルアルコールを純水に溶解し4%PVA溶液を作り、PVA固形分に対して10%重量%のグリオキサールを混合した。この混合液を上記の酸化アルミニウム蒸着層上に5g/m2コートし、150℃×60秒熱風乾燥した。
さらにその上にシリコンCをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
(比較例1)
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にシリコンAをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にシリコンAをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
(比較例2)
厚さ50μmのPETフィルムを基材としてその上にシリコンBをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
厚さ50μmのPETフィルムを基材としてその上にシリコンBをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
(比較例3)
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にシリコンCをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
厚さ50μmのPETフィルムを基材として、その上にシリコンCをトルエンに溶解させた5%溶液のシリコンコート剤を7g/m2コートし、130℃×30秒熱風乾燥した。
実施例1〜3および比較例1〜3で得られたフィルムの特性評価結果を表1に示す。
表1に示した結果から、酸化アルミニウム層を設けなかった比較例1〜3は、酸素透過率が劣っていた。また、実施例1〜3と比較例1〜3との比較において、本発明効果は酸化アルミ蒸着層にバリアー性樹脂をコーティングさせた場合の効果が顕著であることが判る。
以上のように本発明によれば、フィルムの酸化アルミ層にバリアー性樹脂をコーティングし、その上に硬化型シリコーン層を設けることにより、ガスバリアー性と離型性に優れたポリエステルフィルムを得ることができる。この離型ポリエステルフィルムは天然ゴム系、水系の粘着剤種類に関わらず、薬効剤を含む粘着剤を用いた消炎鎮痛剤(プラスター剤、パップ剤)、皮膚疾患用テープ剤、経皮薬剤、絆創膏等の医療用離型フィルム用途として医療用離型フィルムに有用である。
Claims (6)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、バリアー性樹脂を含浸させた酸化アルミニウム層を設け、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けてなることを特徴とする医療用離型フィルム。
- 酸化アルミニウム層が、反応性蒸着法により形成された厚さ1〜100nmの層であることを特徴とする請求項1記載の医療用離型フィルム。
- バリアー性樹脂が、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールまたは塩化ビニリデンであることを特徴とする請求項1または2記載の医療用離型フィルム。
- ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6−ナフタレートおよびポリエチレンーα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´―ジカルボキシレートからなる群から選択された少なくとも1種類のポリエステルからなるフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用離型フィルム。
- ポリエステルフィルムの厚みが12〜100μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療用離型フィルム。
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、反応性蒸着法にて酸化アルミニウム層に設け、該酸化アルミニウム層にバリアー性樹脂を含浸させ、その上に硬化型シリコーン樹脂層を設けることを特徴とする医療用離型フィルムの製造方法。
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